JP2018081020A - 振動センサーおよび振動検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電出力に対する電源誘導ノイズの影響を軽減する。【解決手段】振動源(32)から振動を検出する振動センサー(2)であって、圧電素子(4)と、圧電素子(4)に生じる圧電出力を取り出す出力取出し部(6)とを備え、前記出力取出し部(6)は、前記圧電出力を導く導体(接続導体12、12−1)と、該導体を覆うシールド導体(16−1、16−2)を備え、出力取出し部(6)から取り出される圧電出力の電源誘導ノイズの影響を軽減する。【選択図】図1

Description

本発明は、振動源などから振動を検出する圧電センサーのノイズ低減技術に関する。
モーターなどの振動体の振動検出には振動を圧電出力に変換する圧電センサーが用いられる。圧電センサーは、振動で圧電体に生じる電荷を電極より圧電出力として取り出す。このため、振動体側の電源から誘導ノイズを受ける傾向がある。この誘導ノイズは振動を表す圧電出力とともに出力側に現れる。
このような振動検知センサーに関し、フィルタ回路を設置してノイズを除去することが知られている(特許文献1)。また、圧電センサー自体に音声ノイズの影響を防止する構造を備えることが知られている(特許文献2)。
特開平5−215599号公報 特開2001−153660号公報
ところで、モーターなどの振動源の振動を検出する振動センサーに圧電センサーを用いた場合、該圧電センサーを振動源の振動検出部位に設置し、圧電センサーの信号極および接地極に生じる圧電出力が信号極および接地極に接続されたリードを通じて取り出される。
振動の検知対象であるモーターには電源が接続されているため、圧電センサーの検出出力に電源誘導ノイズが影響する。つまり、高インピーダンス特性を備えている圧電センサーおよび配線には電源から誘導電流が流れ、この誘導電流で誘導ノイズが生じ、この誘導ノイズが検知出力に影響する。
圧電センサーの振動検知出力を電荷(電流)によって取り出す場合、圧電センサーから現れる振動検知信号(=微弱電流)が誘導電流の影響を受けると、圧電センサーの振動検知感度が低下することになる。微弱電流出力から誘導ノイズ成分を除去することは容易ではないし、ノイズ除去装置の設置は設備コストが高くなるなどの不都合がある。
そこで、本発明の第1の目的は上記課題に鑑み、圧電出力に対する電源誘導ノイズの影響を軽減することにある。
また、本発明の第2の目的は電源誘導ノイズの影響を軽減させた圧電センサーを備える振動検出システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の振動センサーの一側面によれば、振動源から振動を検出する振動センサーであって、圧電素子と、前記圧電素子に生じる圧電出力を取り出す出力取出し部を備え、前記出力取出し部は、前記圧電出力を導く導体と、該導体を覆うシールド導体を備える。
上記振動センサーにおいて、前記出力取出し部は前記圧電素子に接続され、または前記圧電素子と一体に構成してよい。
上記振動センサーにおいて、前記シールド導体は、基準電位に接続されてもよい。
上記振動センサーにおいて、前記圧電素子は、圧電体を含む積層体にシールド導体層を備え、該シールド導体層に前記シールド導体を接続して基準電位に維持されてもよい。
上記振動センサーにおいて、前記圧電素子の電極と前記出力取出し部の前記導体を単一の導体層で形成し、前記出力取出し部側のシールド導体と前記シールド導体層を単一の導体で形成してもよい。
上記振動センサーにおいて、さらに、前記圧電素子を覆うシールド部材を備え、該シールド部材と前記出力取出し部の前記シールド導体が接続されてもよい。。
上記振動センサーにおいて、前記電極は信号極と接地極を含み、前記出力取出し部は前記信号極に接続される第1の導体と、前記接地極に接続される第2の導体と、これら第1の導体および第2の導体が個別にまたは共通に被覆するシールド導体とを備えてもよい。
上記振動センサーにおいて、前記出力取出し部が前記導体および前記シールド導体を備える同軸ケーブルであってもよい。
上記振動センサーにおいて、さらに、振動源に前記圧電素子を着脱可能に接着しまたは吸着させて保持する保持部材を備えてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の振動検出システムの一側面によれば、交流電源の環境下に設置されまたは前記交流電源を駆動源に用いる振動源と、前記振動源の振動を検出する上記振動センサーと、前記振動センサーの出力取出し部から出力される圧電出力を計測する計測手段とを備える。
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 圧電出力に対する電源誘導ノイズの影響を軽減できる。
(2) 電源誘導ノイズの影響を軽減できるので、振動などの検出感度を高めることができる。
(3) 電源誘導ノイズの影響を軽減でき、振動検出精度の高い振動検出システムを提供できる。
(4) 交流電源を駆動源に用いるモーターなどの振動源の異常振動を高精度に検出できる。
第1の実施の形態に係る振動センサーを示す図である。 第2の実施の形態に係る振動センサーを示す図である。 第3の実施の形態に係る振動センサーを示す図である。 第4の実施の形態に係る振動センサーを示す図である。 第5の実施の形態に係る振動センサーを示す図である。 第6の実施の形態に係る振動検出システムを示す図である。 実施例1に係る振動センサーを示す図である。 実施例2に係る振動センサーを示す図である。 実施例3に係る振動センサーを示す図である。 Aは実施例4に係る圧電素子を示す分解斜視図、Bは上面側から見た振動センサーを示す分解斜視図、Cは背面側から見た振動センサーを示す分解斜視図である。 Aは従来の圧電センサーによるモーターの振動検出波形を示す図、Bはその周波数解析波形を示す図である。 AおよびBは実施例に係る振動センサーによるモーターの振動検出波形を示す図である。 AおよびBは実施例に係る振動センサーによるモーターの振動検出波形を示す図、Cはその周波数解析波形を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は第1の実施の形態に係る圧電センサーを示している。図に示す構成は一例であり、係る構成に本発明が限定されるものではない。
この振動センサー2には圧電素子4および出力取出し部6が備えられる。圧電素子4は、圧電現象を生じる圧電体の一例として圧電シート8を備え、この圧電シート8を挟んで信号極10−1および接地極10−2を備える。信号極10−1および接地極10−2は、圧電シート8に生じる圧電出力を取り出す電極の一例である。
信号極10−1には第1の導体として接続導体12−1の一端が接続され、この他端に出力端子14−1が接続されている。接地極10−2には第2の導体として第2の接続導体12−2の一端が接続され、この他端に接地側の出力端子14−2が接続されている。各出力端子14−1、14−2はたとえば、単一のコネクタ14に備えられる。出力端子14−1、14−2は信号極10−1および接地極10−2を外部の計測機器などに接続する外部端子の一例である。
接続導体12−1の周囲にはシールド導体16−1が備えられ、同様に、接続導体12−2の周囲にもシールド導体16−2が備えられ、接地電位など基準電位に維持されている。各接続導体12−1、12−2とシールド導体16−1、16−2の間は絶縁層18により絶縁されている。この絶縁層18は空気層であってもよい。
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態に係る振動センサー2によれば、次の効果が得られる。
(1) 出力取出し部6側にある接続導体12−1、12−2がシールド導体16−1、16−2によって電磁シールドされているので、出力端子14−1、14−2に現れる電源誘導ノイズを低減でき、電源誘導ノイズの影響を軽減できる。
(2) 信号極10−1および接地極10−2の各接続導体12−1、12−2を個別に電磁シールドを施しているので、電源誘導ノイズの低減効果が高められる。
(3) 出力取出し部6の各接続導体12−1、12−2を電磁シールドするためのシールド導体16−1、16−2は接地などにより共通電位に維持されているので、電位差の影響を回避でき、電源誘導ノイズを低減できる。
(4) 各シールド導体16−1、16−2は、コネクタ14により接続される振動検出回路などの外部機器側の接地点に接続でき、基準電位の共通化により外部機器との間の電位差の影響を回避でき、電源誘導ノイズを低減できる。
〔第2の実施の形態〕
図2は第2の実施の形態に係る圧電センサーを示している。図に示す構成は一例であり、係る構成に本発明が限定されるものではない。
この振動センサー2の圧電素子4には圧電シート8、信号極10−1および接地極10−2を含む積層体20が備えられる。この実施の形態では、この積層体20の信号極10−1および接地極10−2の外側に絶縁層22が備えられ、この絶縁層22の外側にシールド導体層24−1、24−2が備えられる。つまり、振動センサー2がシールド導体層24−1、24−2を備え、振動センサー2側にも電磁シールドが施されている。
シールド導体層24−1にはシールド導体16−1が接続され、同様に、シールド導体層24−2にはシールド導体16−2が接続されている。各シールド導体層24−1、24−2はシールド導体16−1、16−2を介して接地電位など基準電位に維持されている。
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態に係る振動センサー2によれば、既述の第1の実施の形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(1) 出力取出し部6側の電磁シールドに加え、圧電素子4側の電磁シールドが行われているので、圧電素子4側に対する電磁誘導ノイズの影響を軽減できる。
(2) 圧電素子4がシールド導体層24−1、24−2によって電磁シールドされているので、出力端子14−1、14−2に現れる電源誘導ノイズを低減できる。
(3) 信号極10−1および接地極10−2は個別に電磁シールドを施しているので、電源誘導ノイズの低減効果が高められる。
(4) 出力取出し部6の各シールド導体16−1、16−2と圧電素子4側のシールド導体層24−1、24−2を接地などにより共通電位に維持でき、電位差の影響を回避でき、電源誘導ノイズを低減できる。
(5) 各シールド導体16−1、16−2およびシールド導体層24−1、24−2は、コネクタ14により接続される振動検出回路などの外部機器側の接地点に接続できるとともに、基準電位の共通化を図って外部機器との間の電位差の影響を回避でき、電源誘導ノイズを低減できる。
〔第3の実施の形態〕
図3は第3の実施の形態に係る圧電センサーを示している。図に示す構成は一例であり、係る構成に本発明が限定されるものではない。
この振動センサー2では、図3に示すように、信号極10−1と出力取出し部6側の接続導体12−1が単一の導体で形成され、出力取出し部6が圧電素子4と一体に構成されている。同様に、接地極10−2と出力取出し部6側の接続導体12−2が単一の導体で形成されている。つまり、信号極10−1の導体を出力取出し部6側に延長して接続導体12−1としてもよいし、同様に、接地極10−2を出力取出し部6側に延長して接続導体12−2としてもよい。
出力取出し部6側にある上側のシールド導体16−11を圧電素子4側に延長し、シールド導体層24−1が形成されている。同様に、出力取出し部6側の下側のシールド導体16−21を圧電素子4側に延長し、シールド導体層24−2が形成されている。この場合、絶縁層18、22は共通の絶縁材で形成すればよい。
出力取出し部6の接続導体12−1の下側には絶縁層18を介してシールド導体16−12、接続導体12−2の上側には絶縁層18を介してシールド導体16−22が設置されている。これらシールド導体16−12、16−22は出力取出し部6側のみに設置されており、共通の導体で形成してもよい。絶縁層18は圧電素子4側の絶縁層22と共通の絶縁材を用いればよい。出力取出し部6の斯かる構成はハイブリッドIC(Integrated Circuit:集積回路)化技術によって実現すればよい。
<第3の実施の形態の効果>
この第3の実施の形態に係る振動センサー2によれば、既述の第1および第2の実施の形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(1) 圧電素子4と出力取出し部6を一体化でき、振動センサー2の構成の簡略化とともに、電磁誘導ノイズを低減させた圧電出力を取り出すことができる。
(2) 圧電素子4および出力取出し部6を個別に製作して接続する工程が不要であるとともに、接続箇所の電磁シールド対策が不要になる。
(3) 圧電素子4および出力取出し部6を個別に製造する場合に比較し、共通の製造工程で製造でき、製造コストの低減を図ることができる。
〔第4の実施の形態〕
図4は、第4の実施の形態に係る振動センサー2を示している。この実施の形態では、圧電素子4側に圧電素子4の周囲を絶縁層26で覆い、この絶縁層26の外側にシールドケース28が設置されている。このシールドケース28は導体としてたとえば、銅箔テープを用いればよい。シールドケース28はシールド部材の一例である。シールドケース28とシールド導体16−1、16−2とを接続し、接地電位など基準電位に維持されている。
<第4の実施の形態の効果>
この第4の実施の形態に係る振動センサー2によれば、既述の第1ないし第3の実施の形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(1) 圧電素子4の製造後、シールドケース28を設置して圧電素子4に電磁シールドを施すことができる。
(2) 絶縁層26やシールドケース28は必要に応じて設置すればよいので、設置環境に合わせた電磁シールドを実現できる。
〔第5の実施の形態〕
図5は、第5の実施の形態に係る振動センサー2を示している。第1ないし第4の実施の形態では出力取出し部6には、振動センサー2の信号極10−1に対して接続導体12−1、接地極10−2に対して接続導体12−2が備えられているのに対し、この実施の形態では、信号極10−1に対して接続導体12、接地極10−2に対してシールド導体16が備えられている。シールド導体16は、接続導体12の周囲を覆うシールド部材である。信号極10−1には接続導体12が接続され、接地極10−2にはシールド導体16が接続されるとともに、接地電位など基準電位に維持されている。そして、同様に、コネクタ14が接続導体12およびシールド導体16の終端に接続されている。
この第5の実施の形態の振動センサー2において、第3の実施の形態と同様に、接続導体12を信号極10−1と共通の導体とし、シールド導体16を接地極10−2と共通の導体で形成してもよい。
<第5の実施の形態の効果>
第5の実施の形態によれば、第1ないし第4の実施の形態と同様の効果が得られることに加え、次の効果が得られる。
(1) 接続導体12およびシールド導体16の簡略化を図ることができ、材料コストを低減できる。
(2) 接続処理の簡略化を図ることができ、製造コストや接続の作業コストを低減できる。
(3) 出力取出し部6の軽量化が図られ、たとえば、同軸ケーブルを用いることができるなど、配線コストを低減できる。
〔第6の実施の形態〕
図6は、第6の実施の形態に係る振動検出システムを示している。この振動検出システム30にはモーターMなどの振動検出対象である振動源32に振動センサー2が備えられ、振動源32の振動を振動センサー2で検出するシステムである。
振動源32はたとえば、交流電源で駆動されるモーターなどの機器であればよい。振動センサー2は一例として、図5に示す振動センサー2を用いているが、シールド導体層やシールドケースを含む振動センサー2を用いてもよい。出力取出し部6は一例として第5の実施の形態(図5)と同様の構成としているが、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態(図1ないし図4)のいずれでもよい。
この出力取出し部6に備えられたコネクタ14には振動検出出力を計測する計測機器33が接続される。計測機器33には電圧計、オシロスコープ、周波数解析機器などが含まれる。
<第6の実施の形態の効果>
第6の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 第1ないし第5の実施の形態に係る振動センサー2を用いれば、振動源32から交流などの誘導ノイズを受けても、出力取出し部6側から誘導ノイズを低減でき、振動センサー2の圧電出力を取り出すことができる。
(2) 誘導ノイズの影響を抑制できるので、振動センサー2の検出感度を損なうことなく、振動検出の検出感度が高められる。
図7は、実施例1に係る圧電センサーを示している。図7において、図1と同一部分には同一符号を付してある。この振動センサー2において、圧電素子4側の構成は第1の実施の形態(図1)と同一であるので、同一符号を付し、その説明を割愛する。
振動センサー2の出力取出し部6には同軸ケーブル34−1、34−2が備えられる。各同軸ケーブル34−1、34−2の中心部には導体36が備えられ、この導体36の周囲には絶縁層38を介してシールド導体40が備えられる。導体36は、シールド導体40によって被覆されてシールドされている。導体36は接続導体12−1、12−2の一例であり、絶縁層38は絶縁層18の一例であり、また、シールド導体40はシールド導体16−1、16−2の一例である。
同軸ケーブル34−1の導体36には振動センサー2の信号極10−1、同軸ケーブル34−2の導体36には接地極10−2が接続されている。各同軸ケーブル34−1、34−2のシールド導体40は共通に接続され、接地などにより基準電位に維持されている。
同軸ケーブル34−1の導体36はコネクタ14の出力端子14−1に接続され、同軸ケーブル34−2の導体36は出力端子14−2に接続されている。したがって、振動センサー2の圧電出力を同軸ケーブル34−1、34−2を介してコネクタ14から取り出すことができる。
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、同軸ケーブル34−1、34−2を用いたので、出力取出し部6の配線構造を簡略化することができる。
図8は、実施例2に係る圧電センサーを示している。図8において、図7と同一部分には同一符号を付してある。この振動センサー2において、圧電素子4側の構成は第4の実施の形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を割愛する。
圧電素子4にはシールドカバー42が絶縁層44を介在させて被せられ、シールドカバー42によって圧電素子4がシールドされている。このシールドカバー42は導体箔などのシールド導体で形成され、たとえば、接着層を備えた銅箔テープが用いられる。絶縁層44は導体であるシールドカバー42と圧電素子4の圧電シート8、信号極10−1または接地極10−2との電気絶縁をする絶縁手段の一例である。
シールドカバー42は各同軸ケーブル34−1、34−2のシールド導体40と共通に接続されて接地されている。
<実施例2の効果>
この実施例2によれば、第1の実施の形態または実施例1と同様の効果が得られるとともに、第4の実施の形態と同様に圧電素子4側にシールドカバー42を備えたことにより、圧電素子4自体のシールド効果が得られる。これにより、誘導ノイズを低減した圧電出力をコネクタ14から取り出すことができる。
図9は、実施例3に係る振動センサー2を示している。図9において、図8と同一部分には同一符号を付してある。この振動センサー2において、圧電素子4側の構成は第4の実施の形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を割愛する。
実施例3では、既述の同軸ケーブル34−1、34−2に代えて単一の同軸ケーブル34が用いられている。同軸ケーブル34の導体36には圧電素子4の信号極10−1、シールド導体40には接地極10−2およびシールドカバー42が接続されて接地されている。導体36にはコネクタ14の出力端子14−1が接続され、シールド導体40には出力端子14−2が接続されている。
<実施例3の効果>
この実施例3によれば、実施例2と同様の効果が得られるとともに、単一の同軸ケーブル34により配線形態を簡略化できる。
<振動センサー2>
図10のAは、実施例4に係る圧電素子4の分解状態を示している。この圧電素子4には、圧電シート8の上面側に信号極10−1、シールド導体層42−1、表面保護層46−1が積層され、圧電シート8の下面側に接地極10−2、シールド導体層42−2、表面保護層46−2が積層されている。信号極10−1および接地極10−2はたとえば、カプトンフィルム付きパターン電極であり、シールド導体層42−1、42−2はたとえば、銅箔テープである。表面保護層46−1、46−2はたとえば、片面粘着材付きカプトンである。
信号極10−1には同軸ケーブル34の導体36がはんだなどの接続手段により直付けされ、接地極10−2、シールド導体層42−1、42−2には同軸ケーブル34のシールド導体40が同様にはんだなどの接続手段により直付けされる。
下面側の表面保護層46−2の露出面側には保持部材の一例としてマグネットシート48−1、48−2が設置される。
この振動センサー2において、圧電素子4は、図10のBに示すように、圧電シート8の上面側に信号極10−1、シールド導体層42−1、表面保護層46−1が積層され、圧電シート8の下面側に接地極10−2、シールド導体層42−2、表面保護層46−2が積層された単一の積層体を構成する。
出力取出し部6である同軸ケーブル34は、信号極10−1に導体36が直付けされるとともに、接地極10−2、シールド導体層42−1、42−2にシールド導体40が直付けされることにより、圧電素子4の一辺部から引き出されている。この同軸ケーブル34の端部にはコネクタ14が備えられ、出力端子14−1には導体36、出力端子14−2にはシールド導体40が接続されている。
圧電素子4は、図10のCに示すように、その背面側にマグネットシート48−1、48−2が備えられ、振動源32に取り付け可能である。マグネットシート48−1、48−2は、両面接着材であってもよい。
<製造工程>
この振動センサー2の製造方法には一例として、(a)圧電素子4の製作工程、(b)同軸ケーブル34の接続工程、(c)コネクタ14の接続工程が含まれる。
(a)圧電素子4の製作工程
たとえば、圧電素子4の上面側から組み立てる場合には、表面保護層46−1を構成する絶縁シートにシールド導体層42−1を接着し、このシールド導体層42−1の上に絶縁層を介して信号極10−1を取り付け、この信号極10−1の上に圧電シート8を設置して固定する。
この圧電シート8の上に接地極10−2を取り付け、この接地極10−2の上に絶縁層を介してシールド導体層42−2を取り付け、このシールド導体層42−2の上に表面保護層46−2を構成する絶縁シートを接着する。
これにより単一の積層体である圧電素子4が形成される。表面保護層46−2の上にマグネットシート48−1、48−2を取り付ける。
(b)同軸ケーブル34の接続工程
圧電素子4の製作工程または製作工程に移行前に、信号極10−1に同軸ケーブル34の導体36を接続する。
接地極10−2およびシールド導体層42−1、42−2に同軸ケーブル34のシールド導体40を接続する。
(c)コネクタ14の接続工程
同軸ケーブル34の端部にコネクタ14を取り付け、導体36に出力端子14−1、シールド導体40に出力端子14−2を形成する。
<圧電素子4の材質など>
圧電素子4は、単一部材または複数の部材の積層体の圧電機能層であればよい。圧電シート8は圧電層の一例であり、両面平滑化層、保護層、絶縁層などを積層させてよいし、モノモルフやバイモルフおよび積層型でもよい。この圧電層は圧電性樹脂からなるシート、多孔質樹脂シートなどの有機圧電層でもよく、水晶、チタン酸バリウム、チタンジルコン酸鉛などの無機圧電材料層でもよい。
この圧電層の形状や大きさなどの形態には、振動源32の振動検出が可能であればよく、振動源32の表面と平行にする形態なども含まれる。
圧電素子4には厚さ方向の振動検出でより優れた振動検出機能を達成するため、たとえば、圧電定数d33を好ましくは20×10-12〔C/N〕以上、より好ましくは100×10-12〔C/N〕以上の圧電材料を用いればよい。
圧電素子4にはたとえば多孔質樹脂シートを用いればよい。この多孔質樹脂シートには次のような特徴がある。
a)微小振動に対する電荷応答性や振動検出機能が高く、高温環境下で電荷保持が可能である。優れた振動検出機能が得られ、高い可撲性や耐衝撃性とともに、軽量化を図ることができる。
b)振動センサー2の薄膜化や、大面積化等の任意の形状もしくは曲面形状、振動源32の検出面形状に対する形状追従性が得られ、検出面の自由度が拡大する。
c)多孔質樹脂シートを用いれば、振動源32に対して巻き付けや貼り付けなどの任意の固定形態を選択できる。したがって、振動源32の表面の法線に対して圧電層の分極軸を一致させることができ、振動検出の感度を高めることができる。
そして、多孔質樹脂シートは、電荷を保持し得るたとえば、有機系材料からなるシートであることが好ましい。この多孔質樹脂シートには、ファイバーからなる不織布または織布、有機重合体からなるシート状の発泡体、有機重合体からなる延伸多孔質膜、マトリックス樹脂と中空粒子(中空粒子の表面の少なくとも一部に導電性物質が付着していてもよい)とを含む多孔質樹脂シート、有機重合体中に分散させた相分離化剤を超臨界二酸化炭素などの抽出剤を用いて除去し空孔を形成する方法によって形成されるシートなどが含まれる。耐久性や変形性能の維持の側面からみれば、ポリマー製ファイバーを用いた不織布または織布が好ましい。
多孔質樹脂シートには1種または2種以上の無機フィラーを含んでもよい。これにより、電荷保持量が高く、優れた圧電特性が得られる。無機フィラーを用いれば、高圧電率を持つシートが得られる。無機フィラーには、ポリマーより高誘電率のものが好ましく、比誘電率ε=10〜10000のものを用いてよい。無機フィラーには酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化スズなどが含まれる。
多孔質樹脂シートの厚さは、たとえば10〔μm〕〜1〔mm〕でよく、より好ましくは50〔μm〕〜500〔μm〕でよい。高電荷保持性を得るには、空孔率が好ましくは60〔%〕以上、より好ましくは75〔%〕以上、さらに好ましくは80〜99〔%〕でよい。この空孔率は、
(樹脂の真密度−多孔質樹脂シートの見掛けの密度)×100/樹脂の真密度
・・・(1)
により求められる。見掛けの密度には、多孔質樹脂シートの重量および見掛けの体積を用いて算出される値を用いればよい。
ファイバーを構成するためのポリマーは、体積抵抗率が1.0×1013〔Ω・cm〕以上のものがよく、たとえばポリアミド系樹脂(6−ナイロン、6,6−ナイロンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂(アラミドなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタラートなど)、ポリアクリロニトリル、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、イミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ビスマレイミドなど)などの何れかでよい。
耐熱性や耐候性に優れるなどの点からすれば、分子および結晶構造に起因する双極子を持たないポリマーが好ましい。たとえば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン樹脂など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンエレフタラートなど)、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコン樹脂等の非フッ素系樹脂、および、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルピニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂などを用いてよい。
耐熱性や耐候性などを考慮すれば、連続使用可能温度が高く、ガラス転移点を使用温度域に持たないことが好ましい。たとえばUL746B(UL規格)の連続使用温度試験によれば、ポリマーの連続使用可能温度は好ましくは50〔℃〕以上であること、より好ましくは100〔℃〕以上であること、さらに好ましくは200〔℃〕以上であればよい。耐湿性を考慮すれば、溌水性を示すものが好ましい。
これらの特性を備えるポリマーには、たとえばポリオレフィン系樹脂や、フッ素系樹脂を用いればよい。ポリオレフィン系樹脂や、フッ素系樹脂を用いれば、100〔℃〕下や100〔℃〕を超える高温下での振動検出においても、圧電特性に低下を来すことなく、振動検出が可能となる。フッ素系樹脂ではPTFEが好ましい。
PTFEでは、耐熱性、振動検知能および耐久性に優れ、高温の振動源32の振動検出が可能な振動センサー2を実現でき、高温および高圧の環境下で、振動検出性能や構造の維持が可能である。
ファイバーについて、平均繊維径が好ましくは0.05〜50〔μm〕、より好ましくは0.1〜20〔μm〕、さらに好ましくは0.3〜5〔μm〕でよい。平均繊維径がこの範囲内であれば、高柔軟性を示す不織布または織布が得られる。繊維表面積が大きくなれば、電荷を保持するに十分な空間が形成でき、不織布または織布を薄く形成した場合にも繊維の分布均一性を高くできる。
ファイバーの平均繊維径は、ファイバーの形成条件の選択で調整できる。たとえば、電界紡糸法によれば、電界紡糸の際に湿度を下げ、ノズル径を小さくし、印加電圧を高くし、または電圧密度を高くすることにより、得られたファイバーの平均繊維径が小さくなる傾向がある。
ここで、平均繊維径は、測定対象であるファイバー(群)を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、10,000倍の倍率で観測したSEM画像から無作為に複数のたとえば、20本のファイバーを選び、これらの繊維径(長径)の測定結果による平均値である。
ファイバーの繊維径変動係数は、下記式で算出される値から好ましくは0.7以下、より好ましくは0.01〜0.5であればよい。この繊維径変動係数が所定の範囲内にあれば、ファイバーの繊維径が均一となり、このファイバーで得られる不織布または織布はより高い空孔率を有し、電荷保持性の高い多孔質樹脂シートを得る上からも好ましい。
繊維径変動係数=標準偏差/平均繊維径 ・・・(2)
なお、「標準偏差」とは、既述の20本のファイバーの繊維径の標準偏差である。
ファイバーの繊維長は、好ましくは0.1〜1000〔mm〕、より好ましくは0.5〜100〔mm〕、さらに好ましくは1〜50〔mm〕であればよい。
ファイバーは、たとえば、電界紡糸法、溶融紡糸法、溶融電界紡糸法、スパンボンド法(メルトブロー法)、湿式法、スパンレース法により製造すればよい。電界紡糸法により得られるファイバーは繊維径が小さい。このファイバーを用いた不織布または織布では、空孔率が高くかつ高比表面積であり、高い圧電性を有する多孔質樹脂シートを得ることができる。
電界紡糸法では、ポリマーおよび必要に応じて溶媒を含む紡糸液が用いられる。ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。紡糸液中に含まれるポリマーの割合は、例えば5〜100〔重量%〕、好ましくは5〜80〔重量%〕、より好ましくは10〜70〔重量%〕でよい。
溶媒はポリマーを溶解しまたは分散し得るものであればよく、限定されない。溶媒はたとえば、水、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、キシレン、アセトン、クロロホルム、エチルベンゼン、シクロヘキサン、ベンゼン、スルホラン、メタノール、エタノール、フェノール、ピリジン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、トリクロロエタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジエチルエーテルのいずれでもよい。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせた混合溶媒を用いてもよい。紡糸液中に含まれる溶媒は、たとえば、0〜90〔重量%〕、好ましくは10〜90〔重量%〕、より好ましくは20〜80〔重量%〕でよい。
紡糸液は、ポリマー以外の無機フィラー、界面活性剤、分散剤、電荷調整剤、機能性粒子、接着剤、粘度調整剤、繊維形成剤などの添加剤を含んでよい。添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上でもよい。紡糸液において、ポリマーの溶媒への溶解度が低い場合、たとえば、ポリマーがPTFEであり、溶媒が水である場合、紡糸時にポリマーを繊維形状に保持させるには1種または2種以上の繊維形成剤を含むことが好ましい。
繊維形成剤は溶媒に対し高い溶解度を有するポリマーであることが好ましい。繊維形成剤としてたとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、デキストラン、アルギン酸、キトサン、でんぷん、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリビニルアルコールが挙げられる。繊維形成剤の使用量は、溶媒の粘度、溶媒への溶解度にもよるが、紡糸液中にたとえば、0.1〜15〔重量%〕、好ましくは1〜10〔重量%〕でよい。
紡糸液は、ポリマー、溶媒および必要に応じて添加剤を公知の方法で混合して製造すればよい。ポリマーがPTFEであれば、紡糸液として、PTFEを30〜70〔重量%〕、好ましくは35〜60〔重量%〕含み、繊維形成剤を0.1〜10〔重量%〕、好ましくは1〜7重量%含み、合計が100〔重量%〕の溶媒を含む紡糸液が好ましい。
電界紡糸を行う際の印加電圧は、好ましくは1〜100〔kV〕、より好ましくは5〜50〔kV〕、さらに好ましくは10〜40〔kV〕でよい。
電界紡糸に用いられる紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.1〜2.0〔mm〕、より好ましくは0.2〜1.6〔mm〕でよい。
たとえば、紡糸液を用いる場合、印加電圧は、好ましくは10〜50〔kV〕、より好ましくは10〜40〔kV〕である。紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.3〜1.6〔mm〕でよい。
ファイバーで不織布を形成するにはたとえば、電界紡糸法を用いて、ファイバーを製造する工程、およびファイバーをシート状に集積して不織布を形成する工程を同時に行ってよいし、ファイバーを製造する工程の後、湿式法により前記ファイバーをシート状に集積して不織布を形成する工程を行ってよい。
湿式法による不織布の形成ではたとえば、ファイバーを含有する水分散液を用い、メッシュ上にファイバーを堆積(集積)させてシート状に成形(抄紙)する方法を用いてよい。
この湿式法におけるファイバーの使用量は、水分散液全量に対して、好ましくは0.1〜10〔重量%〕、より好ましくは0.1〜5〔重量%〕でよい。この範囲内でファイバーを使用すれば、ファイバーを堆積させる工程で水を効率よく活用でき、また、ファイバーの分散状態がよく、均一な湿式不織布が得られる。
水分散液には、分散状態を良好にするためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系等の界面活性剤などからなる分散剤や油剤、また、泡の発生を抑制する消泡剤等をそれぞれ1種または2種以上添加してよい。
ファイバーによる織布の製造方法には、ファイバーの製造工程、この工程で得られたファイバーをシート状に製織する織布形成工程を含んでよい。ファイバーをシート状に製織する方法には、公知の製織方法を用いてよい。この製織方法にはウォータージェットルーム、エアージェットルーム、レピアルームなどの方法が挙げられる。
ポリマーがPTFEであれば、不織布または織布の形成後、加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理では、該不織布または織布を、通常200〜390〔℃〕、30〜300〔分〕の条件で熱処理すればよい。この加熱処理を行えば、不織布または織布に残留する溶媒や繊維形成剤などを除去できる。
不織布の製造方法の一例として、電界紡糸法によるPTFEからなるファイバーの製造工程を含む場合を例示する。PTFEファイバーからなる不織布の製造方法には公知の製造方法を採用でき、たとえば、特表2012−515850号公報に記載された方法が挙げられる。この製造方法には、PTFE、繊維形成剤および溶媒を含み、少なくとも50,000〔cP〕の粘度を有する紡糸液を提供するステップと、紡糸液をノズルより紡糸し静電的牽引力によりファイバー化するステップと、前記ファイバーをコレクター(例:巻き取りスプール)の上に集め、前駆体を形成するステップと、前駆体を焼成して溶媒および繊維形成剤を除去することでPTFEファイバーからなる不織布を形成するステップが含まれる。
不織布および織布の目付は、好ましくは100〔g/m2〕以下、より好ましくは0.1〜50〔g/m2〕、さらに好ましくは0.1〜20〔g/m2〕でよい。目付は、紡糸時間を長くし、紡糸ノズル数を増やすなどにより、増大する傾向を呈する。
不織布および織布は、ファイバーをシート状に集積または製織している。斯かる不織布および織布は、単層から構成されるもの、または材質や繊維径の異なる2層以上から構成されるものの何れでもよい。
そして、多孔質樹脂シートは、分極処理されたものが好ましい。分極処理をすれば、該シートに電荷を注入でき、該電荷は、多孔質樹脂シート内の空孔内に集中して分極を誘起させる。内部分極したシートでは、該シートの厚さ方向に印加される圧縮荷重により、シートの表裏面から該電荷を取り出すことが可能である。つまり、斯かる電荷が外部負荷(電気回路)に対して電荷移動を生じ、起電力が得られる。これが電位差、つまり電圧を生起させる。
分極処理の方法には、公知の方法を用いてよく、たとえば、直流電圧や交流電圧の印加処理の他、コロナ放電処理を用いればよい。
コロナ放電処理では、高電圧電源および電極装置を用いればよい。放電条件は、多孔質樹脂シートの材料および厚さに応じて適宜選択し、たとえば、PTFEからなる多孔質樹脂シートであれば、好ましい処理条件として、電圧が−0.1〜−100〔kV〕、より好ましくは−1〜−20〔kV〕、電流が0.1〜100〔mA〕、より好ましくは1〜80〔mA〕、電極間距離が0.1〜100〔cm〕、より好ましくは1〜10〔cm〕、印加電圧が0.01〜10.0〔MV/m〕、より好ましくは0.5〜2.0〔MV/m〕とすればよい。
分極処理について、多孔質樹脂シート単体に対して分極処理をしてよいが、圧電層として、たとえば、多孔質樹脂シートと絶縁層などとの積層体を構成するのであれば、該積層体を形成した後、絶縁層の積層後に分極処理をすることが好ましい。多孔質樹脂シートに積層される層は、分極処理により多孔質樹脂シートに保持された電荷が外部環境と電気的に接続して減衰するのを防止する役割を果たす。これにより、振動検出の高感度化に寄与する。また、多孔質樹脂シートと多孔質樹脂シートに積層される層との間に電荷を保持し得る新たな界面を形成できる傾向にある。これにより、多孔質樹脂シートの圧電率が向上すると考えられる。
<振動源32>
振動センサー2の振動検出対象である振動源32には、既述のモーターに限定されない。交流電源などの電源誘導ノイズの影響を受けるたとえば、交流電源の環境下に設置される配管、回転系部品などを含む機械、地盤、建物、車両、船舶、航空機などを含んでよい。配管には、たとえば水道配管、ガス配管、石化プラント配管、熱交換器配管、燃料配管、油空圧配管、薬液配管、食品プラント配管などを含んでよい。回転系部品には、ポンプ、圧縮機、エンジン、ベアリング、タービン、車輪など回転動作によって振動が発生するものを含んでよい。
たとえば、配管振動の検出に振動センサー2を適用すれば、配管内流体の漏洩などによる異常振動を検出することができる。回転系部品の回転振動の検出に振動センサー2を適用すれば、振動から回転異常を検出することができる。
振動源32の表面材質は、金属、セラミックス、ゴムや樹脂など、金属材料、無機材料、高分子材料など何れでもよい。振動源32の表面状態は、平坦面、円筒や球などの曲面、凹凸面など、何れでもよい。
振動検出システム30(図6)について、振動源32に交流モーターを使用し、電源誘導ノイズの低減およびモーター振動の検出を行った。モーターには振動センサー2を両面接着テープで固定した。モーターは非接地とした。波形観測には波形観測機器の一例としてオシロスコープを使用した。
出力取出し部6にシールド対策を施していない従来の圧電センサーを比較例とした。
シールド対策を施していない圧電センサーでは、図11のAに示す出力波形が観測された。図11のAにおいて、縦軸は振動レベル、横軸は時間tを示す。この出力波形では正弦波状の周期変動に対し高周波成分の重畳が観測されている。
この出力波形について、周波数解析(FFT)を実施したところ、図11のBに示す周波数成分が観測された。図11のBにおいて、縦軸は周波数分布レベル、横軸は周波数fを示す。しかしながら、この周波数解析出力には、電源誘導ノイズ成分が含まれている結果、この周波数解析出力からモーター振動固有の波形を判別することができない。
これに対し、圧電素子4側にシールド導体層42−1、42−2を備える振動センサー2では、図12のAに示す出力波形が観測された。この出力波形では、正弦波状の周期変動が含まれているものの、その振動レベルは図11のAに示す出力波形に対して大幅に低減されていることが判る。
また、圧電素子4側にシールド導体層42−1、42−2を備え、シールド対策を施した出力取出し部6を備えた振動センサー2では、図12のBに示す出力波形が観測された。図12のBにおいて、縦軸は振動レベル、横軸は時間tを示す。この出力波形では、正弦波状の周期変動は観測されず、電源誘導ノイズが皆無であることが判る。
この出力波形について、縦軸の1目盛りレンジをたとえば、1〔V〕から20〔mv〕に変更すると、図13のAに示すように、モーター固有の振動成分信号が観測された。
この出力波形について、FFTを実施したところ、図13のBに示す周波数成分が観測された。この周波数解析出力には、商用交流周波数f0=60〔Hz〕、モーター固有周波数であるf1=30〔Hz〕、f1=125〔Hz〕の振動周波数が確認された。
この実施例から明らかなように、出力取出し部6における既述のシールド対策が電源誘導ノイズを低減でき、モーターなどの振動源32が発生する固有振動を振動センサー2により、電源誘導ノイズの影響を受けることなく、高精度に検出することが確認された。
〔他の実施の形態〕
接続導体に伝送されるノイズを相殺するノイズ相殺手段を備えてもよい。
以上説明したように、振動センサーおよび振動検出システムの最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明は、振動源から振動を検出する振動センサーの出力取出し部または圧電素子にシールド対策を施し、振動を表す圧電出力から電源誘導ノイズの影響を除くことができ、検出精度の高い出力を取り出すことができ、交流電源を駆動源に用いるモーターなどの振動源の異常振動を検出することができる。
2 振動センサー
4 圧電素子
6 出力取出し部
8 圧電シート
10−1 信号極
10−2 接地極
12、12−1、12−2 接続導体
14 コネクタ
14−1、14−2 出力端子
16、16−1、16−11、16−12、16−2、16−21、16−22 シールド導体
18 絶縁層
20 積層体
22 絶縁層
24−1、24−2 シールド導体層
26 絶縁層
28 シールドケース
30 振動検出システム
32 振動源
33 計測機器
34、34−1、34−2 同軸ケーブル
36 導体
38 絶縁層
40 シールド導体
42 シールドカバー
42−1、42−2 シールド導体層
44 絶縁層
46−1、46−2 表面保護層
48−1、48−2 マグネットシート

Claims (10)

  1. 振動源から振動を検出する振動センサーであって、
    圧電素子と、
    前記圧電素子に生じる圧電出力を取り出す出力取出し部と、
    を備え、
    前記出力取出し部は、前記圧電出力を導く導体と、該導体を覆うシールド導体と、
    を備えることを特徴とする振動センサー。
  2. 前記出力取出し部は前記圧電素子に接続され、または前記圧電素子と一体に構成されることを特徴とする請求項1に記載の振動センサー。
  3. 前記シールド導体は、基準電位に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動センサー。
  4. 前記圧電素子は、圧電体を含む積層体にシールド導体層を備え、該シールド導体層に前記シールド導体を接続して基準電位に維持されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の振動センサー。
  5. 前記圧電素子の電極と前記出力取出し部の前記導体を単一の導体層で形成し、前記出力取出し部側のシールド導体と前記シールド導体層を単一の導体で形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載の振動センサー。
  6. さらに、前記圧電素子を覆うシールド部材を備え、該シールド部材と前記出力取出し部の前記シールド導体が接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかの請求項に記載の振動センサー。
  7. 前記電極は信号極と接地極を含み、前記出力取出し部は前記信号極に接続される第1の導体と、前記接地極に接続される第2の導体と、これら第1の導体および第2の導体が個別にまたは共通に被覆するシールド導体とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の振動センサー。
  8. 前記出力取出し部が前記導体および前記シールド導体を備える同軸ケーブルであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかの請求項に記載の振動センサー。
  9. さらに、振動源に前記圧電素子を着脱可能に接着しまたは吸着させて保持する保持部材を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかの請求項に記載の振動センサー。
  10. 交流電源の環境下に設置されまたは前記交流電源を駆動源に用いる振動源と、
    前記振動源の振動を検出する請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載された振動センサーと、
    前記振動センサーの出力取出し部から出力される圧電出力を計測する計測手段と、
    を備えることを特徴とする振動検出システム。

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