JP2018080777A - スライドレール支持構造 - Google Patents

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隆英 齋藤
雅 西村
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雅 西村
佐藤 光司
Koji Sato
光司 佐藤
多加志 服部
Takashi Hattori
多加志 服部
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Abstract

【課題】車両用シートSのガタつきを新規な構成でもって抑制する。【解決手段】車両の床に固定されたロアレール10と、シート側に支持されたアッパーレール20とからなるスライドレールの、前記アッパーレールをロアレールに対してその長さ方向にスライド自在にするスライドレール支持構造である。アッパーレールに付属しロアレールの内部に挿入されてその内面を転動してアッパーレールをガイドするローラ30を有する。ロアレールの底板11は、その幅方向中央から両側逆方向に傾斜してその上側傾斜面がローラ30の軌道面12、14となっており、ローラの回転軸31は軌道面と平行になっている。このように平行であると、ローラの外周面をその回転軸と平行とした汎用の安価な転がり軸受を使用でき、ローラは傾斜する軌道面に面接触して、両レールの幅方向のガタつきを防止しつつ、ロアレールに対してアッパーレールをガイド(案内)するため、その作用は安定する。【選択図】図2

Description

この発明は、自動車用のシートスライド装置等に応用されるスライドレール支持構造及びその構造を有するスライドレール支持装置に関する。
自動乗用車、特にミニバンにおいては、通常、2列目、3列目のシート(座席)が進行方向前後にスライド(移動)する装置が採用されている。そのスライド装置は、本願に係る発明の一実施形態を示す図1、図2、図6を参照して説明すると、車両の床面Hに取り付けられる左右一対(車幅の中央線である車両軸の両側)のロアレール10と、シートS
に取り付けられ、両ロアレール10の長手方向に沿ってスライド自在の左右一対のアッパーレール20と、両アッパーレール20に付属し、かつロアレール10に挿入されてアッパーレール20のスライドをガイドするローラ30と、を備え、車両の前後方向に対して、シートSをスライド可能とするものである(特許文献1段落0009〜0012、図2等参照)。
そのスライド装置は、コスト面などの制約から、ロアレール10に高精度のものを用いることが難しく、一対のロアレール10、10間の距離が途中で広がったり狭まったりし、平行度が精度良く出ていない場合がある。特に、ミニバン等のように、シートSの移動距離を長くする場合に平行度の確保が難しい。
その両側のロアレール10の平行度が出ていない場合、シートSの移動に伴い、ローラ30の外輪とロアレール10の内面との遊び(間隙)が大きく生じ、回転するローラ30の外輪がロアレール10の内面に強く押し付けられてシートSを円滑に動かすことができない場合がある。また、シートSを移動させるときに、シートSがロアレール10に対して斜めになることがあり、この場合、両側のロアレール10において、ローラ30がロアレール10に対して片当たり状態となり、シートSの移動の円滑性がさらに妨げられる。
このような状況下において、出願人は、開口を上向きとして寝かせて配置された溝形のロアレール10と、このロアレール10内に配置されロアレールの底板面に転接してアッパーレール20を支持する回転自在なローラ30とを備え、ロアレール10のローラ30の転接範囲となる底板側縁部を、中央側が下降する勾配面に形成したスライドレール支持構造を提案した(特許文献1、請求項1、図1等参照)。
このスライドレール支持構造は、ロアレール10の底板側縁部を勾配面に形成することにより、この勾配面上に接するローラ30にロアレール10中央側に滑り落ちようとする力が作用する。そのため、ローラ30は常に勾配面である軌道面に接するように移動し、ローラ30とロアレール10の間のがたつきが抑制される。このローラ30の軸方向(ロアレール10の幅方向)のガタつきが抑制されることにより、ロアレール10に高精度が要求されず、しかもロアレール10に勾配面を形成するだけの簡単な構成ですみ、これらのためコスト低減が図れる。
特開平10ー169650号公報 特開2006−36035号公報
前記従来のスライドレール支持構造は、ローラ30の外周面を、傾斜軌道面に対応させるべく、同様な傾斜面(回転軸に対して傾いた面)としている(特許文献1図1参照)。
通常、軸受からなるローラは、その外周面が回転軸(軸心)に対して平行なものが一般的であって安価であり、このため、外周面を傾斜面とすると、特殊なローラとなって高価となる。
なお、特許文献1には、前記傾斜軌道面に外周面が回転軸と平行なローラを使用している態様が示されているが(同文献1図3、図4)、ローラと軌道面との接触が線接触となるため、ガイド作用が不安定となっている。
この発明は、以上の実状の下、他の構成でもって、前記ガタつきを抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、ローラの回転軸を傾斜する軌道面と平行としたのである。回転軸が軌道面と平行であると、ローラの外周面をその回転軸と平行としたものであっても、その外周面は軌道面に面接触する。このため、ローラは軌道面に面接触して、両レールの幅方向のガタつきを防止しつつ、ロアレールに対してアッパーレールをガイド(案内)するため、その作用は安定する。
この発明に係るスライドレール支持構造は、車両の床に固定された上向き開口の溝形のロアレールと、車両のシート側に支持されたアッパーレールとからなって、アッパーレールをロアレールに対してその長さ方向にスライド自在に支持するものであって、アッパーレールに付属し、ロアレールの内部に挿入されてロアレールの内面を転動してそのアッパーレールをガイドする左右対のローラを備え、ロアレールの底板は、その幅方向の両側部が逆方向に傾斜するローラの軌道面を有し、ローラの回転軸は前記軌道面と平行にした構成を採用する。
さらに、具体的には、前記ロアレールの底板は、断面ハの字状又は逆ハ字状であって、その中央から両側下方逆方向対称又は両側上方逆方向対称に傾斜してその上側傾斜面が前記ローラの軌道面となっている構成とすることができる。
ここで、前記各構成において、傾斜した軌道面は、平坦面に限らず、汎用の安価なローラの外周面に対応する円弧状曲面等の曲面を含む意味である。
前記ローラは、種々の態様が考えられるが、軸受で構成する場合は、転がり軸受を採用することが好ましく、その際、外輪が直接に軌道面に接触したり、外輪にリングを嵌め、そのリングが前記軌道面に接触したりするものとすることができる。前者の外輪を直接に接触させる場合は、汎用の転がり軸受を採用し得てコスト的に有利である。一方、後者のリングを介して接触させる場合は、転がり軸受の接触面を軌道面の傾斜等に合わせやすい利点がある。
また、以上の各構成のスライドレール支持構造は、車両の床面上に左右平行に対で設けられるため、その左のスライドレール支持構造における左右の軌道面と右のスライドレール支持構造における左右の軌道面が逆方向となったものを採用すれば、傾斜する軌道面を介したローラの受ける幅方向の抗力が逆方向となるため、ガタつき抑制作用が向上する。
この発明は、以上のように構成したので、簡単な構成によって、シートのガタつきを抑制することができる。
この発明に係るスライドレール支持構造の一実施形態の一部切断側面図 同実施形態の切断正面図 同他の実施形態の切断正面図 同さらに他の実施形態の切断正面図 同さらに他の実施形態の切断正面図 この発明に係るスライドレール支持装置の一実施形態の切断概略図
この発明に係るスライドレール支持構造の一実施形態を図1、図2に示し、この実施形態のスライドレール支持構造A1(以下、このA1も含めてA2〜A4を総称してAと称する)は、従来と同様に、車両の床面Hに取り付けられるロアレール10と、シートSに取り付けられロアレール10の長手方向に沿ってスライド自在のアッパーレール20と、アッパーレール20に付属し、かつロアレール10に挿入されてアッパーレール20のスライド(移動)をガイド(案内)するローラ30と、を備え、車両の前後方向に対して、シートSをスライド可能とするものである。
前記ロアレール10は、図2に示すように、上向き開口の溝形を呈して、その底板11は、断面ハの字状であって、その幅方向中央から両側に逆方向に傾斜する前記ローラ30の軌道面12、14を有し、前記底板11の側縁からは側板13が立ち上がり、その上縁から内側に向かう上板15となった後、下向きの内板16となっている。
アッパーレール20は、断面四角枠状をして、その下面をなす衝合縁が下方にほぼU字状に延びてロアレール10の側板13と内板16とからなる空隙に至っている。そのU字状の左右の立ち上がり板21は前記軌道面12、14に対し垂直に立ち上がって、前記ローラ30が取り付けられている。
ロアレール10、アッパーレール20は、切削加工、プレス加工又は引き抜き加工等によって製作する。
ローラ30は、回転軸31と、その回転軸31に固定された内輪32と、その内輪32に鋼球33を介して回転自在に嵌められた円筒状外輪34とからなる。両ローラ30は、前記軌道面12、14に対し垂直に立ち上がったアッパーレール20の板21に取り付けられているため、その回転軸31は前記軌道面12、14に平行となる。このため、その外周面がロアレール10の各軌道面12、14に面接触して、ローラ30はロアレール10の軌道面12、14に円滑に沿う。
なお、軌道面12、14の傾斜角度は下記円滑なガタつき防止が行い得て、かつ円滑なローラ30の転動が確保できれば、任意である。
この実施形態のスライドレール支持構造A1は以上の構成であり、このスライドレール支持構造も従来と同様に、一対のロアレール10、10を車両の床面(フレーム)Hにビス止めや埋め込みによって左右平行に取り付け、その両ロアレール10にそれぞれアッパーレール20を組み込み、そのアッパ−レール20にシートSを取り付ける(図6参照)。このとき、アッパーレール20をシートSに取り付けた後、アッパーレール20をロアレール10に組み込んでも良い。
そのアッパーレール20をロアレール10に組み込んだ状態は、図2に示すように、シートSの自重はアッパーレール20を介してローラ30に加わり、ローラ30はロアレール10の左右で軌道面12、14に接することとなる。このとき、自重による押し下げ力Fは、軌道面12、14に垂直な力Fと平行な力Fに分けられ、その平行な力Fによってローラ30は左右外側下り方向に押し付けられるため、その抗力によって左右の動きが規制される。すわわち、アッパーレール20(シートS)の横方向にガタつくことが抑制される。
図3には他の実施形態のスライドレール支持構造A2を示し、この実施形態は、ロアレール10の底板11を、前記実施形態とは異なり、断面逆ハ字状とし、その形状に対応してアッパーレール20の立ち上がり板21の形状を変化させたものである。また、ローラ30を、外輪32を小径とし、その外輪32に円筒状リング35を嵌め込み固定している。
なお、軌道面12、14の傾斜角度は下記円滑なガタつき防止が行い得て、かつ円滑なローラ30の転動が確保できれば、任意である。
この実施形態のスライドレール支持構造A2も、前記と同様に、アッパーレール20をロアレール10に組み込んだ状態は、同図に示すように、シートSの自重はアッパーレール20を介してローラ30に加わり、ローラ30はロアレール10の左右で軌道面12、14に接することとなる。このとき、自重による押し下げ力Fは、軌道面12、14に垂直な力Fと平行な力Fに分けられ、平行な力Fによってローラ30は左右内側下り方向に押し付けられるため、その抗力によって左右の動きが規制される。すわわち、アッパーレール20(シートS)が横方向にガタつくことが抑制される。
前記両実施形態のスライドレール支持構造A1、A2は、図2、図3の力Fが反対方向(内側又は外側)に向くため、図6に示すように、車両床面Hの左右に取り付けた際、左右のガタつきに対してそれぞれ有効に抑制する(抗する)ため、シートSのガタつき抑制がより円滑に行われる。
前記両実施形態は、底板11をその幅方向中央から両側に逆方向に傾斜させて軌道面12、14を形成したが、底板11は、その幅方向の両側部が逆方向に傾斜する軌道面12、14を有しておれば、この発明をなすことができ、例えば、図4、図5に示す実施形態のスライドレール支持構造A3、A4とする。このスライドレール支持構造A3、A4は、ロアレール10の軌道面12、14を底板11の側部を傾斜させて形成したものであり、その作用は前記同様である。その傾斜方向は、下向きとしたり(図4)、上向きとしたり(図5)することができる。このとき、その軌道面12、14の傾き方向にアッパーレール20の立ち上げ板21もその形状を対応させることは勿論である。
以上の各構成のスライドレール支持構造A1〜A4は、図6に示すように、車両床面Hに左右に対で設けられるため、例えば、その左のスライドレール支持構造A1における左右の軌道面12、14と右のスライドレール支持構造A2における左右の軌道面12、14が逆方向となっているものを採用すれば、傾斜する軌道面12、14を介したローラ30の受ける幅方向の抗力が逆方向となるため、ガタつき抑制作用が向上する。
なお、前記各スライドレール支持構造A1〜A4には、シートSを所要位置に調整すると、アッパーレール20に付設した起伏自在の爪をロアレール10の孔に挿入係止して両レール10、20を一体にする機構(特許文献2等参照)などの周知のロック機構が付設される。
因みに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されることは言うまでもない。
A1、A2、A3、A4 スライドレール支持構造
H 車両の床面
S シート
10 ロアレール
11 ロアレールの底板
12、14 ロアレールの軌道面
13 ロアレールの側板
15 ロアレールの上板
16 ロアレールの内板
20 アッパーレール
21 アッパーレールの立ち上がり板
30 ローラ
31 ローラの回転軸
32 同内輪
33 同鋼球
34 同外輪
35 リング

Claims (6)

  1. 車両の床に固定された上向き開口の溝形のロアレール(10)と、前記車両のシート(S)側に支持されたアッパーレール(20)とからなるスライドレールにおいて、前記アッパーレール(20)をロアレール(10)に対してその長さ方向にスライド自在に支持するスライドレール支持構造であって、
    前記アッパーレール(20)に付属し、前記ロアレール(10)の内部に挿入されて、前記ロアレール(10)の内面を転動してそのアッパーレール(20)をガイドする左右対のローラ(30、30)を備え、
    前記ロアレール(10)の底板(11)は、その幅方向の両側部が逆方向に傾斜する前記ローラ(30)の軌道面(12、14)を有し、前記ローラ(30)の回転軸(31)は前記軌道面(12、14)と平行にしたスライドレール支持構造。
  2. 前記ロアレール(10)の底板(11)は、断面ハの字状であって、その中央から両側下方逆方向対称に傾斜してその上側傾斜面が前記ローラ(30)の軌道面(12、14)となっている請求項1に記載のスライドレール支持構造。
  3. 前記ロアレール(10)の底板(11)は、断面逆ハの字状であって、その中央から両側上方逆方向対称に傾斜してその上側傾斜面が前記ローラ(30)の軌道面(12、14)となっている請求項1に記載のスライドレール支持構造。
  4. 前記ローラ(30)は転がり軸受であって、その外輪(34)が前記軌道面(12、14)に接触する請求項1乃至3の何れか一つに記載のスライドレール支持構造。
  5. 前記ローラ(30)は転がり軸受であって、その外輪(34)にリング(35)を嵌め、そのリング(35)が前記軌道面(12、14)に接触する請求項1乃至3の何れか一つに記載のスライドレール支持構造。
  6. 車両の床に左右平行に請求項1〜5の何れか2つのスライドレール支持構造(A1、A2、A3、A4)を備えたスライドレール支持装置であって、その左のスライドレール支持構造における左右の軌道面(12、14)と右のスライドレール支持構造における左右の軌道面(12、14)が逆方向となっているスライドレール支持装置。
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