JP2018080418A - 織編物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱融着糸を使用するが、その伸縮性(伸長力を発揮するが伸びきらないような作用効果)を段階的に制御することができるとともに、熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止する。【解決手段】 融点の異なる熱融着糸3を配置してその糸状と糸状の交点個所を設けて製編み・製織り又は組み組織体にして、得られた織編物を所定の一定温度で加熱処理することにより、交編或いは交織させる交点箇所が融着されている交点個所(B−B)と融着されていない交点個所(O−O,C−C)が設けられている。また、半融着交点個所を設けて、その伸縮性に伸長力を発揮するが伸びきらないような作用効果を制御する。【選択図】 図3

Description

この発明は、熱融着糸を使用した織編物において伸縮性を制御できるとともに、熱加工が容易な織編物及びその製造方法に関する。
伸縮性を発揮する素材として、ストレッチ素材と呼ばれる織編物がある。ポリウレタン熱融着糸を他の繊維と混用して伸縮性を持たせたストレッチ素材は、機能性、着心地などに優れた性能を持っている。ポリウレタンは、コーティング樹脂やボンディングの接着樹脂として使用されているほか、伸び縮みする熱融着糸としての使い方がある。なお、経糸にウレタン糸を用いて長手方向の伸縮性を付与した織物として、細幅織物があり、衣服、特に下着類の縁や下着類に取付ける紐として広く用いられている。
一方、熱融着糸を使用して補正機能を持つ成形インナーウェア、スポーツサポータがある。熱溶融着糸を従来製法の編み構造層に編み込み、交点個所的な加熱処理により伸縮コントロール制御するであり、熱融着糸を加えることで、伸縮、難伸縮および非伸縮部を縫い目なく組み合わせることができる。
特許文献としては、ストレッチ織物としては、特許文献1(特開2013−227692号公報)が開示されている。特許文献1の内容は、経糸または緯糸のいずれか一方が5%以上30%以下のクリンプ率を有する非熱融着糸からなり、かつ、他方の少なくとも一部が0%以上5%以下のクリンプ率を有する熱融着糸からなるストレッチ織物であって、荷重方向が前記一方と平行になるように荷重340N/5cmで加重したときの前記荷重方向の伸長率が5%以上30%以下であることを特徴とするストレッチ織物。」(請求項1)であり、また、「 前記熱融着糸がポリエステル系エラストマー熱融着糸である、請求項1に記載のストレッチ織物。」である。
また、伸縮性を備えた細幅織物としては、特許文献2(特開2008−75230号公報)が開示されている。特許文献2の内容は、緯糸と経糸の所定本数毎に熱融着ウレタン糸13、23を配置して製織し、得られた織物を加熱処理することにより、経緯の熱融着ウレタン糸13、23の表面相互がそれらの糸の交点3で融着している。熱融着ウレタン糸13、23は、融点の低いポリウレタンフィラメントの芯糸に粗くカバーリングした糸である。製織したあと加熱処理を施すことにより、経緯の低融点ポリウレタンフィラメント相互がそれらの交点で熱融着して、緯糸のほつれや経割れが防止できる。
また、特許文献3(特許第4328986号公報)には、「経糸及び/又は緯糸に融点の異なる2種以上の単一構造を有するポリエーテルエステル系モノフィラメント熱融着糸を配した織物を熱処理により低融点ポリエーテルエステル繊維樹脂が織物の経糸および緯糸の交点交点個所で融着固化してなる下記物性を具備することを特徴とするクッション性および耐ヘタリ性に優れる弾性織物。
(1)経緯いずれか一方向の10%伸長時の応力が20〜50kg/5cm
(2)織物の経方向および緯方向の破断強度が25kgf/5cm幅以上。
(3)織物の熱融着糸の滑脱抵抗力が0.2kgf以上。」(請求項1)であり、また「経または緯糸のいずれか一方にポリエーテルエステル系熱融着糸、他方にポリエステル糸を配してなる請求項1記載のクッション性および耐ヘタリ性に優れる弾性織物。」(請求項2)であり、また「熱融着糸の織物における含有率が25wt%以上であることを特徴とする請求項1記載のクッション性および耐ヘタリ性に優れる弾性織物。」(請求項4)であり、また「低融点熱融着糸の織物における含有率が2〜60wt%であることを特徴とする請求項1記載のクッション性および耐ヘタリ性に優れる弾性織物。」(請求項5)であり、また「請求項1記載の弾性織物を用いてなることを特徴とするクッション性および耐ヘタリ性に優れるクッション材。」(請求項6)に関するものであるである。そして、「この織物に用いるポリエステル糸の融点は、融点の高いポリエーテルエステル系熱融着糸の融点と同じかそれ以上でなければならない。」としている(段落0011)
また、特許文献4には、熱収縮率が大なる糸Aと小なる糸Bを含む織編物の、少なくとも一部が、糸Aと糸Bとが交互に引き揃えられた状態で組織され、糸Aが、低融点成分と高融点成分を含む熱融着糸で、糸Aと糸Bは、低融点成分による融着が起こる場合にも糸状に残る。そして、糸Aが熱収縮した際、糸Bに弛みが生じるような組織に織編されている。糸Aは紡績糸が好ましく、特に、鞘部が熱融着性の低融点成分で、芯部が高融点成分の複合糸ステープルを含むものや、低融点繊維と高融点繊維からなるものが好ましい。糸Aと糸Bは、経糸と緯糸の両方に使用されても良く、毛焼き加工を施したり、糸Bを擬麻加工することが好ましい。
また、特許文献5には、、保形性を有した硬仕上げ織編物の製造方法が開示されており、この製造方法により得られる織編物は、天然繊維等と低融点(融着)繊維とが織編され、繊維の交絡点が低融点繊維の溶融によって融着されているものである。
また、特許文献6には、低融点繊維を含んだ紡績糸を用いてなる織物において、低融点繊維の少なくとも一部が熱融着されているものが開示されている。
特開2013−227692号公報 特開2008−75230号公報 特許第4328986号公報 特開平06−25939号公報 特開昭59−59969号公報 特開昭59−228039号公報
特許文献3の弾性織物では、「この織物に用いるポリエステル糸の融点は、融点の高いポリエーテルエステル系熱融着糸の融点と同じかそれ以上でなければならない。」としている(段落0011)。ほつれ防止の為である。この点は、特許文献1や2も同じで、融点の高い温度で一律に処理する実施例になっている。
しかしながら、これでは、熱融着が行き過ぎて(流動化して)、風合いや伸縮性が損なわれる危険がある。また、従来は製造した織編物ごとに、得られた織編物を所定温度で加熱処理して制御するが、その熱温度の制御が難しかった。
他方、特許文献4から6では、融点の異なる2種以上の糸が織編され、融点の低い方の糸が溶融する温度で処理される織編物であるが、融点の異なる糸を引き揃えるように配置することで、必ず融着が生じる構成である。
しかしながら、このような織編物は、衣料用織編物のように、比較的密度の高いものとするか、あるいは非融着糸を合撚する等して用いない限り、熱融着による織編物の硬さ(風合い)を調節することが困難である。また、生地に弛みが生じさせ(伸長力を発揮させ)、伸縮性に関して柔軟性の織編物を製造するには十分な間隔を形成する必要があるが、このような伸縮性を発揮させるものではなかった。
そこで、本発明の目的は、熱融着糸を使用するが、その伸縮性(伸長力を発揮するが伸びきらないような作用効果)を制御することができるとともに、熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止しながら容易に製造できる織編物及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、交編或いは交織させる交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられれば、織編物の伸縮性に一定の制御(伸長力を発揮するが伸びきらないようなキックバック作用効果)が働くようにすることができると考えて本願発明を完成した。また、熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止できれば、風合いや伸縮性が損なわれることが防止できると考えて本願発明を完成した。そして、半融着状態も積極的に作り出すことで、伸縮性(伸長力を発揮するが伸びきらないようなキックバック作用効果)を制御する。
本発明は、融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置してその糸状と糸状の交点個所を設けて製編み・製織り又は組み組織体にして、得られた織編物を所定温度で加熱処理することにより、前記糸と糸の交織させる交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられていることを特徴とする。すなわち、本発明は、融点の異なる熱融着糸を使用するが、融点の異なる熱融着糸と非熱融着糸との組み合わせでも成立する。
融点の異なる熱融着糸は、少なくとも二本以上であれば良く、又は、生地全体を融点の異なる熱融着糸で製編・製織しても良く、非熱融着糸と熱融着糸を組み合わせも良い。なお、無撚糸は、引き揃えて使用するために、本発明は、有撚糸に好適である。糸と糸の交点交点個所は、有撚糸であると、交点交点個所を形成しやすく、また、融着されない交点個所でも、ほつれ難くするためである。
ここで、半融着される交点個所が設けられるが、本明細書では、半融着されている交点個所は、融着されている交点個所に含められるものとする。本発明では、低融点の温度設定や、弾性の芯糸に前記融点が異なる第1のカバーリング糸と第2のカバーリング糸とがカバーリングしているものや、又は、前記融点の異なる熱融着糸は、弾性の芯糸を非熱融着糸としてその外周に粒子状の熱融着性成分が塗布されているか、或いは、弾性の芯糸を熱融着糸としてその外周に粒子状の非熱融着性成分が塗布されている。融着されていない交点個所は、糸状と糸状が十字状やX字状に隣接して交差することが、最も伸長力を発揮するが、有撚糸を使用して、その性質を利用して絡み合う状態にしても良い。
本発明によれば、融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置しているために、融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられるので、これらの交点個所(領域、範囲)を種々変更することで、伸縮性を制御することができる。また、得られた織編物を前記融点の異なる融点の低い方の融点温度で加熱処理することにより、融点の異なる熱融着糸を、融点温度を低い方の設定で行うようにすると、熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止できるので、品質の向上が図られるとともに、半融着箇所も生じて、伸縮性を制御する範囲を広くすることができる。そして、低い方の温度設定にすればよく、温度設定が容易になる。
そして、複数の交点で結ぶ所定範囲の面積として見た場合に、融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが交互に重なり合うように構成される。融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成ているためには、生地として二重に構成しても良い。融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成されていることで、ほつれ防止と伸縮力の向上を図ることができる。また、前記糸状と糸状の交点個所は隣接することが多いために(十字状やX字状に隣接して交差するために)、ほつれる部分は限定的であり、生地の外周端縁などを融着したり縫合するなどして、ほつれを防止することができる。
また、本発明としては、前記非熱融着糸と前記融点の異なる熱融着糸は有撚糸であり、前記融着されていない交点個所は、前記撚糸の性質による絡み合いが生じていることが好ましい。また、前記織編物の生地としての端部は、前記融着されている交点個所で構成され、その内側に前記融着されていない交点個所が構成されていることが好ましい。生地の周囲からほつれる事態を防止するためである。また、前記織編物の生地としての端部に向かうに従って前記交点個所の密度が高くなるようにして、ほつれを防止するとともに、伸縮力を制御しても良い。
本発明としては、前記融点の異なる熱融着糸を複数配置する場合において、糸状と糸状の交点個所の熱融着の加工温度(Ts)は、前記融点の異なる熱融着糸の融点の高い方の加熱温度(Th)よりも低い温度で、かつ、低い方の加熱温度(Tl)よりも高い温度(Tlの加熱温度℃≦Ts<Thの加熱温度℃)で加熱処理することを特徴とする。また、前記融点の異なる熱融着糸が融点の低い方から順に第1の熱融着糸と第2の熱融着糸と第3の熱融着とを備え、糸状と糸状の交点個所方の熱融着加工定温度(Ts)は、前記第2の熱融着糸の加熱温度(Tt)よりも低い温度で、かつ、前記第1の熱融着糸の加熱温度(Tl)よりも高い温度(Tlの加熱温度℃≦Ts<Ttの加熱温度℃)で加熱処理することを特徴とする。第4の熱融着糸、第5の熱融着糸というように、熱融着糸が増加しても、基本的には低い方から順に加熱温度を設定することが好ましい。
本発明によれば、熱融着が行き過ぎ(流動部を生じさせる)ことを防止して、融着されている交点個所と融着されていない交点個所が製造可能である。すなわち、半融着の個所を交点個所(或いは融着されていない箇所)に設ける場合に好適な方法である。
また、本発明の織編物が編み生地であれば、前記交編箇所が編成糸に前記熱融着糸を巻回して巻き付ける編み方であっても良い。なお、この巻き付け方は本発明の織物にも適用可能である。さらに、巻き付けるが、熱融着を施さないことも可能である。
本発明によれば、編み物ではパイルループに熱圧着糸を巻き付けることで、融着されている箇所を確実に設けることができる。また、逆に、巻き付けるが、熱融着しないようにしても良く、この場合はほつれが防止できる。
本発明としては、前記融点の異なる熱融着糸は、非熱融着の弾性の芯糸に熱融着するカバーリング糸がカバーリングされており、弾性の芯糸が外側に露出しているか、前記融点の異なる熱融着糸は、弾性の芯糸を熱融着糸として非熱融着のカバーリング糸がカバーリングされており、熱融着の芯糸が外側に露出しているか、又は、前記融点の異なる熱融着糸は、弾性の芯糸を非熱融着糸としてその外周に粒子状の熱融着性成分が塗布されていることを特徴とする。前記弾性の芯糸や第1のカバーリング糸と第2のカバーリング糸が各々外側に露出する露出面を有することにより、前記糸と糸の交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられている。
本発明によれば、経糸・緯糸や編成糸との組み合わせで、より広い範囲で織編物の伸縮性を制御できるようになる。また、半融着箇所を効率的に作り出すことができる。
また、上記カバーリング糸を使用して、低い方の加熱温度で加熱処理して、生地として使用して、伸縮力が失われたり効果が薄れた場合に、残りの高い方の加熱温度で再度加熱処理することで、生地としての伸縮力を再度発揮するように熱加工することもできる。
また、本発明の織編物の製造方法としては、融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置してその糸状と糸状の交点個所を設け、弾性の芯糸に融点が異なる第1のカバーリング糸と第2のカバーリング糸をカバーリングした熱融着糸で製編・製織り又は組み組織体にして、得られた織編物を前記融点の異なる高い方の融点よりも低いほうの加熱温度で加熱処理することにより、前記交編或いは交織させる交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、前記弾性の芯糸に融点が異なる第1のカバーリング糸と第2のカバーリング糸をカバーリングした熱融着糸、又は、弾性の芯糸が前記融点の異なる熱融着糸であってカバーリング糸がカバーリングされている熱融着糸を用いる等して、融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置しているために、融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられるが、得られた織編物を前記融点の異なる融点の低い方の融点温度で加熱処理することにより、融点の異なる熱融着糸を、融点温度を低い方の設定で行うようにすると、熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止できるので、品質の向上が図られるとともに、半融着箇所も生じて、伸縮性を制御する範囲を広くすることができる。そして、低い方の温度設定にすればよく、温度設定が容易になる。
本発明によれば、融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置して、融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられるので、これらの交点個所(領域、範囲)を種々変更することで、伸縮性を制御することができる。そして、融点の異なる熱融着糸を、融点温度を低い方の設定で行うようにすると、熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止できるので、品質の向上が図られるとともに、温度設定が容易にでき、品質の良い織編物が効率的に製造可能になる。
本発明の第1の実施の形態の織物生地に適用した平面図である。 上記織物を拡大して説明する平面図である。 上記織物を拡大して説明する平面図である。 上記織物の拡大して説明する平面図である。 上記織物の拡大して説明する平面図である。 上記織物の拡大して説明する平面図である。 本発明を組み組織体に適用した図であり、(a)はその平面図であり、(b)(c)ほその糸と糸の交点個所の拡大図である。 本発明の第2の実施の形態の編み物生地を示す平面図である。 上記編物生地をサポータに適用した例を示す平面図である。 上記編物の編み組織を拡大して説明する平面図である。 上記織編物の編み組織を説明する図である。 上記編物の編み組織を拡大して説明する平面図である。 上記編物の編み組織を拡大して説明する平面図である。 本発明のカバーリング糸を説明する図である。 本発明のカバーリング糸を説明する図である。 本発明の芯糸に粒子状の熱融着成分が塗布された糸の例を示す図である。 上記織編物を適用したサポータの例を示す斜視図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1では、非熱融着糸と熱融着糸とで構成されている織物の例であり、図2ないし図7は、熱融着糸と熱融着糸とで構成されている本発明を織物に適用した実施の形態である。熱融着糸が経糸と緯糸に各々対応するように所定間隔を設けて織り込まれている。熱融着糸3は、ポリウレタンフィラメントの芯糸にレーヨン、ウーリーナイロンなどのカバーリング糸を、糸表面に芯糸が露出するようにし、かつカバーリングを粗くして、低融点のポリウレタンフィラメントが糸表面に露出している糸である巻回して芯糸表面を被覆した糸である。織物1には、伸縮性を付与するのに好適な融点の低いポリウレタンフィラメントを用いている。
本実施の形態で主に織物生地と編物生地で説明するが、織り組織の場合、縦横の熱融着糸3については、1本毎に交絡する平織で、熱融着される交点と交点との間隔が所定間隔開くようにする。互いに接触することを避けるとともに、伸縮し易い間隔に保持するためである。織物1を製織したあと、得られた織物1を加熱処理して、経緯の熱融着糸3をその交点で融着する。加熱処理としては、スチームや熱水や乾熱による加熱が可能である。なお、熱水の場合は上記70度、スチームの場合は上記100度、乾熱の場合は上記130度に対応させるようにしても良い。なお、前記融点が異なる温度を、上記スチームや熱水や乾熱による各々の加熱に好適な温度にしても良い。
熱融着糸3としては、弾性糸(ポリウレタンフィラメント)にウーリーナイロンをシグルカバーリングした糸や或いはダブルカバーリングした糸を用いる(図14(a)(b))。例えば、シングルのカバーリングで、融点の異なる第1のカバーリング糸K1と第2のカバーリング糸K2をカバーリングしても良い(図15(a))。また、ダブルのときのカバーリングを間隔を設けたり、糸状間の間隔を開けることで、シングルの第1のカバー5ング糸K1が露出するようにカバーリングしても良い(図15(a))。これらカバーリング糸K1,K2に露出面Kaが形成されていることにより、融点の異なる各々の温度で熱セットできる。このような使用は、芯糸Kaに前記融点が異なる第1のカバーリング糸K1と第2のカバーリング糸K2とがカバーリングしている熱融着糸が効果的である(図14(a)(b)、図15(a)(b))。また、弾性の芯糸Kaが前記融点の異なる熱融着糸であっても良い。この場合は、カバーリング糸がカバーリングされているが、このカバーリング糸は熱融着糸であっても熱融着糸でなくても良い。そして、弾性の芯糸Kaに融点が異なる第1のカバーリング糸と第2のカバーリング糸や、弾性の芯糸Kaには、外側に露出する露出面Kaを有することが好ましい。本実施の形態では、いずれのカバーリング糸も、糸状間の間隔を開けることで、その芯糸Ksも第1のカバーリング糸K1も第2のカバーリング糸K2も、外側に露出する露出面Kaが広く形成されるように工夫されている(図14(a)(b)、図15(a)(b))。
これら融点の異なるカバーリング糸は、前記生地の経糸や緯糸として使用されることで、さらに熱セット温度を異ならせることができる。また、これら融点の異なるカバーリング糸の一方で熱セットしておき(例えば100℃)、弾性効果が薄れた場合に再度熱セット(例えば融点の高い130℃)しても良い。本実施の形態では、内側の第1のカバーリング糸K1が外側のカバーリング糸K2よりも融点が高いものとして配されている。これにより、外側のカバーリング糸K2による熱融着効果が失われてきた場合には、再度融点の高い内側の第1のカバーリング糸K1により再度熱融着効果を発揮させる。
また、前記融点の異なる熱融着糸3は、非熱融着の弾性の芯糸に熱融着する鞘糸が巻回被覆されており、弾性の芯糸が外側に露出しているか、又は、弾性の芯糸を熱融着糸として非熱融着の鞘糸が巻回被覆されており、熱融着の芯糸が外側に露出しているものでも良い。芯糸には添え糸が配されるものでも良い。
そして、第1のカバーリング糸の融点が100度であり、第2のカバリング糸の融点が130度であり、加熱処理する加熱温度Tsは、低い方の温度100度よりも高く、高い方の融点130度よりも低い温度で加熱処理する。このような加熱条件とすると(100℃<Ts>130℃)、加熱温度Tsが115℃であるとすると、高い方の130℃では融着しないが、低い方の100℃では熱融着することとなり、融着する個所と融着しない箇所ができることになる。なお、融着しない箇所での加熱の影響をできるかぎり避けるためには、できるだけ低い温度で加熱処理することが好ましく(例えば100℃に近い温度)、半融着する個所の温度も、できるだけ低い温度で加熱処理することが好ましい。
熱加工では、得られた織編物を前記融点の異なる高い方の融点よりも低い温度で加熱処理することにより、前記交編或いは交織させる交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が効率的に作り出される。単純には、融点の異なる熱融着糸の低い方の融点温度に近い温度加熱処理すれば良い。
図1の実施の形態では、経糸に融点の異なる熱融着糸3が配され、緯糸に非熱融着糸が配されている。非熱融着糸3nと3nの交点個所では、融着されていない交点個所となり(B)は、熱融着糸3が交点に位置する個所では、融着する個所Oができる。ここで、融着されていない交点個所Bをいくつか結んで所定範囲(一定の面積範囲)となしたものがB―Bであり、融着する個所Oをいくつか結んで所定範囲(一定の面積範囲)となしたものO―Oであるが(図2(b))、これら所定範囲は重なり合うようになる。したがって、生地全体としては、一定の伸縮力を発揮する。
図2の実施の形態では、融点の異なる熱融着糸3を経糸と緯糸に配し、非融着糸を経糸に配したものである。そして、第1の熱融着糸3Aの融点が70度であり、第2の熱融着糸3Bの融点が100度であり、加熱処理する加熱温度Tsは、低い方の温度70度よりも高く、高い方の第2の熱融着糸の融点100度よりも低い温度で加熱処理する。このような加熱条件とすると(70℃<Ts<100℃)、加熱温度Tsが85℃であるとすると、第1の熱融着糸3Aでは融着するが、高い方の第2の熱融着糸3Bは熱融着しないこととなり、融着する個所Bと融着しない箇所ORができることになる。なお、融着しない箇所での加熱の影響をできるかぎり避けるためには、できるだけ低い温度で加熱処理することが好ましい(例えば70℃に近い温度)。ここで、融着されていない交点個所ORをいくつか結んで所定範囲(一定の面積範囲)となしたものがOR―ORであり、融着する個所BRをいくつか結んで所定範囲(一定の面積範囲)となしたものBR―BRであるが(図2(b))、これら所定範囲は重なり合うようになる。したがって、生地全体としては、一定の伸縮力を発揮する。
また、第1の熱融着糸の融点Th1が70度であり、第2の熱融着糸の融点Th2が100度であるとし、第3の熱融着糸の融点Th3が130度である場合、前記融点の異なる熱融着糸が融点の低い方から順に第1の熱融着糸と第2の熱融着糸と第3の熱融着とを備えるときは、低い方の第1の熱融着糸の加熱温度以上の温度で、かつ、第2の熱融着糸の融点より低い温度で加熱処理することが好ましい(Th1の加熱温度℃≦Ts<T2の加熱温度℃)。これにより、交点の全部が融着することを防止できるとともに、半融着状態を効率的に形成できる。前記第2の熱融着糸の融点で加熱処理すると、半融着の箇所も増えるが、できるだけ熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止できるようになる。ここで、融着する温度が、実際には、第1の熱融着糸の融点Th1が70〜80℃であり、第2の熱融着糸の融点Th2が100〜110℃というような幅のある場合でも、同じように、低い方の第1の熱融着糸の加熱温度以上の温度で、かつ、第2の熱融着糸の融点より低い温度で加熱処理することが好ましい(Th1の加熱温度が70〜80℃≦Ts<T2の加熱温度が100〜110℃)。
図3は、第3の熱融着を緯糸に使用して、半融着状態を効率的に形成する例である。図3の実施例では、前記織編物1は、経糸と緯糸に、前記融点の異なる熱融着糸(70℃と130℃)と同じ融点の異なる熱融着糸(70℃と130℃)が配置されている。
図4と図5の例では、更に、異なる第2の熱融着糸(100℃)が緯糸として配置されている。図6の前記織編物1は、前記融点の異なる熱融着糸(70℃と100℃と130℃)が経糸に使用されて、緯糸に熱融着糸(90℃と130℃)が配置されている。しかし、経糸と緯糸とでは前記融点の異なる熱融着糸の融点の加熱温度が異なるものでも良い。例えば、緯糸には、90℃と110℃というように前記融点の異なる熱融着を使用しても良い。本実施の形態では、セット温度が乾熱130℃よりも高いと、製品の風合い、染色堅牢度等に悪い影響を与えしまうおそれがある。乾熱70℃より低いと、熱融着ポリウレタン弾性繊維が熱融着しない場合がある。
そして製造された織物1としては、いずれも前記織物1の生地としての端部は、前記融着されている交点個所Uaで構成され、その内側に前記融着されていない交点個所UNが構成されている。生地の周囲からほつれる事態を防止するためである。なお、熱融着糸と熱融着糸の間隔は、所定間隔(四角いマス目)が必ず生じるようにすることが好ましく、引き揃えるようにはしない。なお、無撚糸は、引き揃えて使用するために、本発明は、有撚糸に好適である。また、生地の端部(縁)に向かって、熱融着糸と熱融着糸の間隔(四角いマス目)が徐々に小さくなるようにすることで、伸縮力を調整するようにしても良い。
図1は、熱融着糸3と非熱融着糸3nを用いた例である。熱融着糸3には、カバーリング糸の熱融着糸が異なる熱融着糸(カバーリング)糸Kを使用することができる。前記交点個所を複数の交点で結ぶ所定範囲の面積として見た場合に、融着されている交点個所(図中O−Oで囲む範囲)と融着されていない交点個所(図中B−Bで囲む範囲)とが重なり合うように構成されている。融着されている交点個所と融着されていない交点個所とは重なり合うように構成されているためには、生地として二重に構成しても良い(図9(a)(b)参照)。融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成されていることで、ほつれ防止と伸縮力を発揮するが伸びきらないような作用効果)の向上を図ることができる。
図2は、熱融着糸3と非熱融着糸3nを用いた例であるが、緯糸に熱融着糸3を用いた例である。この場合は、前記糸と糸の交点個所を複数の交点で結ぶ所定範囲の面積として見た場合に、融着されている交点個所(図中O−Oで囲む範囲)と、半融着されるか、又は、融着されていない交点個所(図中B−Bで囲む範囲)とが重なり合うように構成されている。織物1の端部側には、融点の高いほうの融着糸が配置されており、端部側における緯糸のほつれを防止している点は、図1の例と同じである。
図3は、熱融着糸3と非熱融着糸3nを用いた例であるが、緯糸に熱融着糸3と熱融着糸3nが配置された例である。この場合は、前記糸と糸の交点個所を複数の交点で結ぶ所定範囲の面積として見た場合に、融着されている交点個所(図中O−Oで囲む範囲)と、半融着されるか、又は、融着されていない交点個所(図中B−Bで囲む範囲)とが重なり合うように構成されている。融着されている交点個所と融着されていない交点個所とは重なり合うように構成されているためには、生地として二重に構成して(この場合の生地を非熱融着糸とする。)、熱融着糸3をこれらの間に使用することで、伸長力を発揮するが伸びきらないようなキックバックの作用効果を生じる。
図5は、熱融着糸3と非熱融着糸3nを用いるとともに、緯糸に熱融着糸3と非熱融着糸3nが配置された例である。この場合は、融着されている交点個所(図中O−OとC−Cで囲む範囲)と、半融着されるか、又は、融着されていない交点個所(図中B−Bで囲む範囲)とが縦横斜めに順序良く構成されている。そして、第3の熱融着糸3の融点が130度である糸は、できるだけ少なく構成している。したがって、伸長力に富む構成であるが、熱融着糸3も使用されているために、伸び切りが生じないようになっている。
図6は、経糸が第1の熱融着糸3Aと第2の熱融着糸3Bにより構成され、緯糸が第3の非熱融着糸3Cで構成されている。そして、第1の熱融着糸の融点(加熱処理の加熱温度)が70℃であり、第2の熱融着糸3の融点が100度であり、第3の熱融着糸の融点130℃であり、そして、加熱処理する加熱温度が100℃で加熱処理する例である。このように第2の熱融着糸の融点の加熱温度(Tt)とすると、これと高い方の第3の熱融着糸の融点130℃は融着せずに、100℃以下の低い方の第1の熱融着糸と熱融着することになる。また、前記第2の熱融着糸の加熱温度(Tt)よりも低い温度で、かつ、前記第1の熱融着糸の加熱温度(Tl)よりも高い温度(Tlの加熱温度℃≦Ts<Ttの加熱温度℃)で加熱処理することも有効である。熱融着する熱融着が行き過ぎて(流動化)する事態を防止できる。したがって、伸長力には劣る構成であるが、半熱融着個所と熱融着個所の組み合わせで、段階的な伸縮力を調整できるようになる。なお、上記温度設定が経糸であるとした場合、緯糸が前記融点の異なる熱融着糸が融点の低い方から順に第1の熱融着糸と第2の熱融着糸と第3の熱融着とを備える場合、例えば、第1の熱融着糸の融点が80℃であり第2の熱融着糸の融点が110℃であり第3の熱融着の融点が140℃である場合は、第2の熱融着糸の加熱温度(80℃)よりも低い温度で、かつ、第1の熱融着糸の加熱温度(70℃)以上の温度(70℃の加熱温度≦Ts<80℃の加熱温度で加熱処理したり、上記80℃、100℃、110℃などに設定することができ、より一層の段階的な伸縮力を調整できるようになる。
図7(a)は、菱形模様の平組み組織(唐み組織)を組成して細幅にしたものであり、組糸を交差させる交点個所に融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成されている。すなわち、中央のメッシュ状部では、前記融着されている交点個所Uaで構成され、その外側に前記融着されていない交点個所UNが構成されている。メッシュの所定間隔が伸縮方向に効率的に伸びるが、融着されている交点個所があるために一定のところで元に戻ろうとする(キックバック)伸縮性を発揮する。融着されていない交点個所UNでは、糸と糸をX状や十字状に交差させても良いが、撚糸の性質を利用して捩じり合うような状態(S撚り或いはN撚りのような)で交点個所を形成するようにして、ほつれ難くしている(図7(b))。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明を編物に適用した実施の形態である。その長手方向には高い伸縮性を示し、その幅方向には非伸縮性を示す。挿入糸(熱融着糸)が経糸にも挿入されている。経糸12は、鎖編みとなっており、その編目に挿入糸3がSの字状に経方向に編み込まれているとともに、緯糸4がコース方向に編み込まれている。挿入糸3の編目への編み込む位置と緯糸の編目への編み込む位置とが一対一で対応しており、前記編目毎に挿入糸13及び緯糸を編み込む構成となっている。これによって、テープ生地1の長手方向への伸縮が一様となり、ほつれ難くストレッチ性の高い経編生地11となっている。本実施形態の経編生地11は、既知のラッセル編機やトリコット編機等で製造される。
図9(a)は、編み生地11の表側を拡大した写真であり、図9(b)は、その表側を更に拡大した写真である。図9(a)(b)は、筒状のサポータに適用した例であり、このサポータ13Sは、中央のメッシュ状交点個所に融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成されている。そして、一旦前記低温の加熱温度で熱セットしておき、伸縮性の効果が薄れたような場合には、その時点で上記低温よりも高い温度で熱をかけると、もとの伸縮性を取り戻すように使用することも可能である。
本実施の形態の丸編み生地11の編糸には、アクリル、ナイロン、ポリウレタン、羊毛等の各繊維が使用されている。パイルループ12を構成する表糸には、ナイロン、アクリル、綿、絹、羊毛繊維等の繊維が使用できる。パイルループ12に巻き付けたり沿わせたり通過させたりする弾性糸3は、芯糸Kaとなる高弾性糸をカバーリングした糸が使用されている。編み物ではパイルループに熱圧着糸を巻き付けることで、融着されている箇所を確実に設けることができる。また、逆に、巻き付けるが、熱融着しないようにしても良く、この場合はほつれが防止できる。
また、図17は筒状のサポータに適用した例であり、熱融着個所を交点個所的に三つに設けたものである。熱溶融着糸を従来製法の編み構造層に編み込み、交点個所的な加熱処理により伸縮コントロール制御するものであり、伸縮、難伸縮および非伸縮部を縫い目なく組み合わせることができる。すなわち、最後に一番高い温度で熱セットして全溶融させて製造する。
図9ないし図11は、本発明を平編に適用した実施の形態である。熱融着糸が経糸と緯糸に各々対応するように所定間隔を設けて織り込まれている。編み物11は、熱融着糸を挿入糸13として、挿入糸13に融点の異なる熱融着糸を用いて添え糸編みで編まれた素材生地の編物11を、所定温度(例えば100℃)で熱セットすることで、交点の絡み位置における塑性変形を十分に行わせた状態として形状を安定化させる。
本発明の緯編地は、熱融着ポリウレタン弾性繊維を含む熱融着糸と少なくとも1種類の非熱融着糸をプレーティング編した緯編地で、熱セット等の熱処理によって、熱融着ポリウレタン弾性繊維相互を熱融着させるものである。非熱融着糸の編み物に熱融着糸を所定位置に配置して、糸状と糸状の交点を設けるが、前述の織物のように、編物生地(例えば経編み生地)を熱融着糸と熱融着糸との組み合わせのみで実施することができる。
図12は、編成糸に前記融点の異なる熱融着糸が挿入される編物であり、前記交点箇所は、編成糸に前記熱融着糸を巻回して巻き付ける編み方である。パイルループ12に巻き付ける弾性糸3は、ポリウレタン糸をウーリーナイロン糸等でカバーリングしたスパンデックス糸が使用され、パイルループ2に巻き付けられて、伸縮率が小さい交点個所Aが編成されている。この伸縮率が小さい交点個所Aは、表(オモテ)になり、裏(ウラ)は、伸縮率が大きい交点個所Bのダブル編みになっており、肌(足)には直接接触しないようになっている。すなわち、弾性糸3による締め付けは、直接は肌(足)には働かず、表側生地に厚み(ボリューム)を持たせることとしている。丸編み機は、上針と下針を有するダブル編み機を使用して供糸口では表(オモテ)が編成され、供糸口では裏(ウラ)が編成される。実験では、表(オモテ)で使用する糸は、FTY40/70(ポリエステルやナイロン70dを弾性糸40dにカバリングした糸)として、裏(ウラ)で使用する糸は、ウール混1/48とした。
図10は、非熱融着糸である編成糸A11に対して、挿入糸として融点の異なる第1の熱融着糸13と第2の熱融着糸13を用いた例であるが、熱融着糸13のみで構成しても良い。また、前記糸と糸の交点個所を複数の交点で結ぶ所定範囲の面積として見た場合に、融着されている交点個所(図中符号O−Oで囲む範囲)と融着されていない交点個所(図中符号BL−BLで囲む範囲)とが重なり合うように構成されている。融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成され、上記編成糸A11とともに、生地として二重に構成されている。このように融着されている交点個所と融着されていない交点個所とが重なり合うように構成されていることで、ほつれ防止と伸縮力の向上を図ることができる。
図11は、非熱融着糸である編成糸A11に対して、挿入糸として融点の異なる第1の熱融着糸13と第2の熱融着糸13が縦方向に配置されている。また、前記糸と糸の交点個所を複数の交点で結ぶ所定範囲の面積として見た場合に、融着されている交点個所(図中符号O−Oで囲む範囲)と融着されていない交点個所(図中符号BL−BLで囲む範囲)とが重なり合うように構成されている。
図13は、本発明を丸編みに適用した実施の形態であり、本発明の編み物11は、編糸13を挿入糸として、90℃で熱セットすることで、交点の絡み位置における塑性変形を十分に行わせた状態として形状を安定化すると共に、熱融着糸にて熱融着する。本発明の緯編地は、熱融着ポリウレタン弾性繊維を含む熱融着糸と少なくとも1種類の非熱融着糸をプレーティング編した緯編地で、熱セット等の熱処理によって、熱融着ポリウレタン弾性繊維相互を熱融着させたことを特徴とするものである。周方向の所定箇所で、前記融着されている交点個所Uaと、前記融着されている交点個所Uaが重なる構成とされて、その内側に前記融着されていない交点個所UNが構成されている。
本発明で用いられる熱融着ポリウレタン弾性繊維を含む熱融着糸の形態は、図14(a)(b)
と図15(a)(b)に示すように、カバーリング糸(シングルカバーリング糸、ダブルカバーリング糸)、合撚糸、エア交絡糸等である。熱融着糸を用いることにより、ポリウレタン弾性繊維の断糸を無くすことができ、さらに熱融着糸として共用した繊維の持つ物性、風合いが編地に適用できる。なお、無撚糸は、引き揃えて使用するために、本発明は、有撚糸に好適である。
また、前記融点の異なる熱融着糸3は、図16(a)(b)に示すように、弾性の芯糸を非熱融着糸としてその外周に粒子状の熱融着性成分Kzが塗布されているものでも良い。熱融着性成分Kzが塗布されていると、加工後は繊維の抜けを防ぎ、生地に腰を持たせることができる。図16(a)(b)は、弾性の芯糸を非熱融着糸としてその外周に粒子状の熱融着性成分が塗布されているものであるが、弾性の芯糸Ksを熱融着糸としてその外周に粒子状の非熱融着性成分が塗布されているものでも良い。図16(a)は、弾性の芯糸Ksを粒子状の熱融着性成分KzがS撚りやN撚りのように一方方向から巻き回したような塗布状態であり、図16(b)は、弾性の芯糸Ksを粒子状の熱融着性成分がS撚りとN撚りの両方で向きを変えるように二方方向から巻き回したような塗布状態であるが、所定間隔で塗布されて、弾性の芯糸が外側に露出しているので、弾性の芯糸を熱融着糸或いは非熱熱融着のいずれでも、又、粒子状の成分を熱融着或いは非熱融着の成分のいずれでも、本発明に使用することができる。そして、図16(b)の例では、第一の粒子状の熱融着性成分と第2の粒子状の熱融着性成分の熱融着の温度が異なっている。なお、これら前述した粒子状の熱融着性成分Kzの実施例と前述したカバーリング糸K1,K2とを組み合わせて使用することも可能である(図16(c))。
熱融着ポリウレタン弾性繊維を含んだ熱融着糸は、全コースに使用しても良いし、熱融着ポリウレタン弾性繊維単独又は非熱融着ポリウレタン弾性繊維単独あるいは非熱融着ポリウレタン弾性繊維を含んだ熱融着糸と、交互に編み込んでもよい。さらに熱融着ポリウレタン弾性繊維を含んだ熱融着糸を1コース以上おきに編み込んでもよい。
編機については、緯編地を作製するのに用いられる通常の編機を使用することができ、常法に従って編地を作製することができる。一例として、ダイヤルシリンダーの丸編機やシングルシリンダーの丸編機を用いることができる。弾性繊維を含む熱融着糸または熱融着弾性繊維などを、上下針で編み込む方法を示したが、それら弾性繊維を上針のみで編み込む方法や下針のみで編み込む方法、或いはそれら3つを複合した方法でもよい。
緯編地を編成した後、熱セットにより、編地を構成する熱融着ポリウレタン弾性繊維相互を熱融着させる。熱セットの方法は、乾熱セットと湿熱セットのいずれを採用してもよい。熱セットの仕方は、第一の実施の形態のように行うものとする。
以上、本実施の形態では、低融点のセット温度で行うもので説明したが、セット温度は130〜220℃や140〜200℃等の所定範囲のものであってもよい。また、熱加熱の方法としては、高周波溶融や超音波溶融で行っても良い。また、本発明に適する生地としては、メッシュ生地や、メッシュの生地を含む細幅織物や、伸縮力を発揮させるためのテープ状生地などその応用範囲を広く適用可能である。
1,11 本発明の織物(織物生地)、
11 本発明の編物(編物生地)、
11A 編糸、
11S 本発明を適用したサポータ、
3,13 熱融着糸、
3n 非熱融着糸、
O−O,BR−BR 融着されている交点個所、
OR−OR 融着されていない交点個所、
C−C 融着されている交点個所(或いは半融着の交点個所)、
B−B, 融着されている交点個所、
BL−BL 融着されていない交点個所、
Ks 芯糸、
K1,K2 カバーリング糸、Kz 粒子状の熱融着性成分、
Ts 加熱温度(セット温度)

Claims (7)

  1. 融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置してその糸状と糸状の交点個所を設けて製編み・製織り又は組み組織体にして、得られた織編物を所定温度で加熱処理することにより、前記糸と糸の交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられていることを特徴とする織編物。
  2. 前記融点の異なる熱融着糸は、非熱融着の弾性の芯糸に熱融着するカバーリング糸がカバーリングされており、弾性の芯糸が外側に露出しているか、前記融点の異なる熱融着糸は、弾性の芯糸を熱融着糸として非熱融着のカバーリング糸がカバーリングされており、熱融着の芯糸が外側に露出しているか、又は、前記融点の異なる熱融着糸は、弾性の芯糸を非熱融着糸としてその外周に粒子状の熱融着性成分が塗布されているか、或いは、弾性の芯糸を熱融着糸としてその外周に粒子状の非熱融着性成分が塗布されていることを特徴とする請求項1記載の織編物。
  3. 前記融点の異なる熱融着糸は、非熱融着の弾性の芯糸に熱融着するカバーリング糸が各糸状の間隔を開けてS撚りとZ撚りのダブルでカバーリングされて、弾性の芯糸が外側に露出しているか、又は、弾性の芯糸を熱融着糸として非熱融着のカバーリング糸がS撚りとZ撚りのダブルで各糸状の間隔を開けてカバーリングされていることを特徴とする請求項1記載の織編物。
  4. 前記非熱融着糸と前記融点の異なる熱融着糸は有撚糸であり、前記融着されていない交点個所は、前記撚糸の性質による絡み合いが生じていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の織編物。
  5. 融点の異なる熱融着糸を複数配置するか、又は、非融着糸と融点の異なる熱融着糸を配置してその糸状と糸状の交点個所を設けて製編み・製織り又は組み組織体にして、得られた織編物を前記融点の異なる高い方の融点よりも低い加熱温度で加熱処理することにより、前記糸と糸の交点箇所が融着されている交点個所と融着されていない交点個所が設けられていることを特徴とする織編物の製造方法。
  6. 前記融点の異なる熱融着糸を複数配置する場合において、糸状と糸状の交点個所の熱融着の加工温度(Ts)は、前記融点の異なる熱融着糸の融点の高い方の加熱温度(Th)よりも低い温度で、かつ、低い方の加熱温度(Tl)よりも高い温度(Tlの加熱温度℃≦Ts<Thの加熱温度℃)で加熱処理することを特徴とする請求項5記載の織編物の製造方法。
  7. 前記融点の異なる熱融着糸が融点の低い方から順に第1の熱融着糸と第2の熱融着糸と第3の熱融着とを備え、糸状と糸状の交点個所方の熱融着加工定温度(Ts)は、前記第2の熱融着糸の加熱温度(Tt)よりも低い温度で、かつ、前記第1の熱融着糸の加熱温度(Tl)よりも高い温度(Tlの加熱温度℃≦Ts<Ttの加熱温度℃)で加熱処理することを特徴とする請求項5記載の織編物の製造方法。
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