JP2018079727A - 空気入りバイアスタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性能を向上すること。【解決手段】少なくとも1枚のカーカス層5A,5Bについて、カーカス層5A,5Bの折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baをタイヤ幅方向の内側および外側で挟んで覆うように設けられ、有機繊維コード10Cをゴムで被覆した2枚の有機繊維補強層10A,10Bを有し、各有機繊維補強層10A,10Bは、自身が挟む前記カーカス層5A,5Bの折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baにおけるカーカスコード5Cのタイヤ周方向に対する傾斜方向とは逆方向に有機繊維コード10Cがタイヤ周方向に対して傾斜し、それぞれの有機繊維コード10Cがタイヤ周方向に対して同一方向に傾斜して設けられ、かつ各有機繊維コード10Cが各カーカス層5A,5Bのカーカスコード5Cよりも細く形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りバイアスタイヤに関する。
複数枚のカーカス層を有する空気入りバイアスタイヤ、特に低偏平の空気入りバイアスタイヤでは、耐久試験において発生する故障としてカーカス層の折り返し位置でのセパレーションがある。
これまで、このような問題に対してカーカス層のカーカスコードの角度を変更したり、カーカスコードの延びを変更したりする対策があるが、タイヤ寸法が規格外になってしまったり、乗り心地性能や操縦安定性能などのタイヤ性能が低下したりする欠点があった。
ところで、従来、例えば、特許文献1には、カーカス層の折り返し部の少なくとも端末を覆う被覆ゴムを有する空気入りラジアルタイヤが示されている。
また、例えば、特許文献2には、カーカス層の巻き上げ端部を独立気泡を有する発泡ゴム層で包んだ重荷重用空気入りラジアルタイヤが示されている。
また、例えば、特許文献3には、カーカス層の両端部の端末部に所定の間隔で配列した有機繊維コードをゴムで被覆した繊維補強材が端末部を折り返して包み込むように設けられている空気入りラジアルタイヤが示されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性能を向上することのできる空気入りバイアスタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る空気入りバイアスタイヤは、タイヤ周方向に対して傾斜したカーカスコードを有する複数枚のカーカス層が相互の前記カーカスコードを交差して配置され、各前記カーカス層の端部がビード部で折り返された折返部を有する空気入りバイアスタイヤにおいて、少なくとも1枚の前記カーカス層について、前記カーカス層の前記折返部の端部をタイヤ幅方向の内側および外側で挟んで覆うように設けられ、有機繊維コードをゴムで被覆した2枚の有機繊維補強層を有し、各前記有機繊維補強層は、自身が挟む前記カーカス層の前記折返部の端部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向とは逆方向に前記有機繊維コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、それぞれの前記有機繊維コードがタイヤ周方向に対して同一方向に傾斜して設けられ、かつ各前記有機繊維コードが各前記カーカス層のカーカスコードよりも細く形成されている。
この空気入りバイアスタイヤによれば、カーカス層の折返部の端部をタイヤ幅方向の内側および外側で挟んで覆う有機繊維補強層が、自身が挟むカーカス層の折返部の端部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向とは逆方向に有機繊維コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、それぞれの有機繊維コードをタイヤ周方向に対して同一方向に傾斜して設けられているため、自身が挟むカーカス層の折返部における歪みを低減することができる。しかも、有機繊維補強層が、各有機繊維コードを各カーカス層のカーカスコードよりも細く形成されているため、太いカーカスコードを細い有機繊維コードで締め付けることで、カーカス層の折返部における歪みを低減する効果を助勢することができる。この結果、カーカス層の折返部でのセパレーションの発生を抑制し、耐久性能を向上することができる。
また、本発明の一態様に係る空気入りバイアスタイヤでは、各前記有機繊維補強層は、それぞれの前記有機繊維コードの太さが940T/2以上2100T/2以下であり、エンド数[本/50mm]が20以上55以下であり、それぞれの前記有機繊維コードのタイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の傾斜角度と自身が挟む前記カーカス層の前記折返部の端部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の傾斜角度とを加えた総角度の1/2が70°以上110°以下であることが好ましい。
この空気入りバイアスタイヤによれば、有機繊維補強層の有機繊維コードの太さが940T/2以上2100T/2以下であるため、有機繊維コードによるカーカス層の締め付け力を適宜得ることができ、カーカス層の折返部における歪みを低減する効果をより助勢することができる。また、有機繊維補強層の有機繊維コードのエンド数[本/50mm]が20以上55以下であるため、有機繊維コードによるカーカス層の締め付け力を適宜得ることができ、カーカス層の折返部における歪みを低減する効果をより助勢することができる。さらに、タイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の有機繊維コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度と、カーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度と、を加えた総角度の1/2が70°以上110°以下であるため、相互の逆方向の傾斜角度の差を抑えることができ、カーカス層の折返部における歪みを低減する効果をより助勢することができる。この結果、カーカス層の折返部でのセパレーションの発生を抑制する効果を顕著に得て、耐久性能をより向上することができる。
また、本発明の一態様に係る空気入りバイアスタイヤでは、各前記有機繊維補強層は、自身が挟む前記カーカス層の前記折返部の端部からはみ出した端部において、タイヤ幅方向外側の前記有機繊維補強層がタイヤ幅方向内側の前記有機繊維補強層を覆って設けられ、互いの前記有機繊維補強層のタイヤ径方向での重なり代が5mm以上であり、前記カーカス層の前記折返部との重なり代が10mm以上であることが好ましい。
この空気入りバイアスタイヤによれば、各有機繊維補強層の重なり代、および各有機繊維補強層とカーカス層の折返部との重なり代を規定することで、カーカス層の折返部でのセパレーションの発生を抑制する効果を顕著に得て、耐久性能をより向上することができる。
また、本発明の一態様に係る空気入りバイアスタイヤでは、前記カーカス層は、枚数が2枚以上8枚以下であり、前記カーカスコードの太さが940T/2以上2100T/2以下であり、前記カーカスコードのエンド数[本/50mm]が20以上55以下であり、前記カーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が30°以上70°以下であることが好ましい。
この空気入りバイアスタイヤによれば、カーカス層自体の枚数や、カーカスコードの太さ、エンド数、および傾斜角度を規定することで、各有機繊維補強層の配置に相乗し、カーカス層の折返部でのセパレーションの発生を抑制する効果を顕著に得て、耐久性能をより向上することができる。
本発明によれば、耐久性能を向上することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施形態に係る空気入りバイアスタイヤ1の子午断面図である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りバイアスタイヤ1の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りバイアスタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りバイアスタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りバイアスタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1は、テンポラリータイヤとして用いられる。テンポラリータイヤは、車両のホイールに装着されている標準タイヤ(グランドタイヤとも呼ばれる)がパンクしたときなど何らかの原因で使用できなくなったときに応急用として使用されるタイヤであり、テンパータイヤ、応急用タイヤ、非常用専用タイヤ、またはスペアタイヤなどとも呼ばれる。テンポラリータイヤは、普段はトランクの中または車体の下など車両の一部に格納されている。
本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部2と、トレッド部2の両側のサイド部3と、各サイド部3のタイヤ径方向内側のビード部4とを有している。また、この空気入りバイアスタイヤ1は、カーカス層5およびブレーカ6を有している。
トレッド部2は、ゴム材からなり、空気入りバイアスタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りバイアスタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面2Aが形成されている。
トレッド面2Aは、図には明示しないが、タイヤ周方向に沿って延在する周方向溝が設けられてもよい。周方向溝は、タイヤ幅方向に複数並設されていてもよい。周方向溝を有する場合、トレッド面2Aは、周方向溝により、タイヤ周方向に沿って延びるリブ状の陸部が複数形成される。また、トレッド面2Aは、図には明示しないが、タイヤ周方向に交差する方向に延在する横溝が設けられていてもよい。横溝は、タイヤ周方向に複数並設されている。横溝は、端部が周方向溝に連通する形態や連通しない形態がある。
サイド部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向の両側に連続したゴム材を有して空気入りバイアスタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出した部分である。また、ビード部4は、サイド部3のタイヤ径方向内側に連続したゴム材を有してリムに係合する部分である。ビード部4は、ビードコア4Aとビードフィラー4Bとを有する。ビードコア4Aは、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー4Bは、カーカス層5のタイヤ幅方向端部がビードコア4Aの位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層5は、少なくとも2枚がタイヤ内外で積層して設けられている。本実施形態では、2枚のカーカス層5A,5Bを有する形態を図示して説明する。各カーカス層5A,5Bは、それぞれタイヤ幅方向の端部5Aa,5Baが、一対のビードコア4Aでタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返された折返部5Ab,5Bbを有し、タイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。各カーカス層5A,5Bは、タイヤ周方向に対して所定の角度を持ってタイヤ周方向に複数並設されたカーカスコード5Cが、コートゴム5Dで被覆されたものである(図3参照)。また、各カーカス層5A,5Bは、相互のカーカスコード5Cが交差して配置されてバイアス構造とされている。カーカス層5は、3枚以上の構成の場合、積層により隣接する相互のカーカスコード5Cが交差して配置される。
ブレーカ6は、トレッド部2においてカーカス層5の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層5をタイヤ周方向に覆うものであり、空気入りバイアスタイヤ1の形状を保持する強度部材である。ブレーカ6は、カーカス層5を締め付ける。ブレーカ6は、例えば、ナイロンのような有機繊維のブレーカーコードと、そのブレーカーコードを覆うゴムとを含む。なお、ブレーカ6は、スチールのような金属繊維のブレーカーコードを含んでもよい。
なお、本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1は、図には明示しないが、カーカス層5の内側にチューブが配置されたチューブ入りタイヤとして構成されている。このチューブ内に空気が充填される。また、本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1は、チューブが配置されないチューブレスタイヤとして構成されていてもよい。チューブレスタイヤの場合、図には明示しないが、カーカス層5の内周面であるタイヤ内面にインナーライナー層が設けられ、タイヤ外側への空気分子の透過が抑制される。このインナーライナー層の内側に空気が充填される。
図2は、本実施形態に係る空気入りバイアスタイヤ1の子午断面拡大図である。図3は、本実施形態に係る空気入りバイアスタイヤ1のカーカス層5および有機繊維補強層10A,10Bの一部を示す拡大斜視図である。図4は、本実施形態に係る空気入りバイアスタイヤ1の他の例の子午断面拡大図である。図5は、本実施形態に係る空気入りバイアスタイヤ1のカーカスコード5Cの有機繊維コード10Cとの関係の説明図である。図6および図7は、本実施形態に係る空気入りバイアスタイヤ1の他の例の子午断面拡大図である。
上述した構成の空気入りバイアスタイヤ1は、カーカス層5A,5Bの折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baに2枚1組の有機繊維補強層10A,10Bが設けられている。有機繊維補強層10A,10Bは、図2に示すように、カーカス層5A,5Bの折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baをタイヤ幅方向の内側および外側で挟んで覆うように設けられ、タイヤ周方向に連続して設けられている。有機繊維補強層10A,10Bは、図3に示すように、有機繊維コード10Cをコートゴム10Dで被覆して形成されている。
本実施形態においてカーカス層5は、図1および図2に示すように、タイヤ幅方向内側のカーカス層5Aの折返部5Abが、タイヤ幅方向外側のカーカス層5Bの折返部5Bbの端部5Baを覆うように形成され、タイヤ幅方向内側のカーカス層5Aの折返部5Abの端部5Aaがタイヤ径方向最外側に配置されている。有機繊維補強層10A,10Bは、少なくとも1枚のカーカス層5(カーカス層5Aまたはカーカス層5B)について設けられ、本実施形態では各カーカス層5A,5Bに設けられている形態を図示している。なお、有機繊維補強層10A,10Bは、少なくとも折返部5Abの端部5Aaがタイヤ径方向最外側に配置されているタイヤ幅方向内側のカーカス層5Aに設けられる。
なお、カーカス層5は、図4に示すように、タイヤ幅方向内側のカーカス層5Aの折返部5Abが、タイヤ幅方向外側のカーカス層5Bの折返部5Bbの端部5Baを覆わないように形成され、タイヤ幅方向外側のカーカス層5Bの折返部5Bbの端部5Baがタイヤ径方向最外側に配置されていてもよい。有機繊維補強層10A,10Bは、少なくとも1枚のカーカス層5(カーカス層5Aまたはカーカス層5B)について設けられ、本実施形態では各カーカス層5A,5Bに設けられている形態を図示している。なお、有機繊維補強層10A,10Bは、少なくとも折返部5Bbの端部5Baがタイヤ径方向最外側に配置されているタイヤ幅方向外側のカーカス層5Bに設けられる。
この有機繊維補強層10A,10Bは、図3に示すように、自身が挟むカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baにおけるカーカスコード5Cのタイヤ周方向に対する傾斜方向とは逆方向に有機繊維コード10Cがタイヤ周方向に対して傾斜している。また、この有機繊維補強層10A,10Bは、図3に示すように、それぞれの有機繊維コード10Cがタイヤ周方向に対して同一方向に傾斜して設けられている。さらに、この有機繊維補強層10A,10Bは、各有機繊維コード10Cが各カーカス層5(5A,5B)のカーカスコード5Cよりも細く形成されている。
このように構成された空気入りバイアスタイヤ1によれば、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baをタイヤ幅方向の内側および外側で挟んで覆う有機繊維補強層10A,10Bが、自身が挟むカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baにおけるカーカスコード5Cのタイヤ周方向に対する傾斜方向とは逆方向に有機繊維コード10Cがタイヤ周方向に対して傾斜し、それぞれの有機繊維コード10Cをタイヤ周方向に対して同一方向に傾斜して設けられているため、自身が挟むカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減することができる。しかも、有機繊維補強層10A,10Bが、各有機繊維コード10Cを各カーカス層5(5A,5B)のカーカスコード5Cよりも細く形成されているため、太いカーカスコード5Cを細い有機繊維コード10Cで締め付けることで、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減する効果を助勢することができる。この結果、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbでのセパレーションの発生を抑制し、耐久性能を向上することができる。
また、本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1では、有機繊維補強層10A,10Bは、それぞれの有機繊維コード10Cの太さ(JIS L 1017:2002に準拠して測定)が940T/2以上2100T/2以下であることが好ましい。また、有機繊維補強層10A,10Bは、それぞれの有機繊維コード10Cのエンド数[本/50mm]が20以上55以下であることが好ましい。さらに、有機繊維補強層10A,10Bは、図5に示すように、タイヤ周方向とタイヤ幅方向とが90°で交差する関係において、交差の一方のタイヤ周方向の0°から一方のタイヤ幅方向の90°を経て交差の他方のタイヤ周方向の180°の範囲において、それぞれの有機繊維コード10Cのタイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の傾斜角度Atと、自身が挟むカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbの端部5Aa,5Baにおけるカーカスコード5Cのタイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の傾斜角度Acと、を加えた総角度At+Acの1/2が70°以上110°以下であることが好ましい。
この空気入りバイアスタイヤ1によれば、有機繊維補強層10A,10Bの有機繊維コード10Cの太さが940T/2以上2100T/2以下であるため、有機繊維コード10Cによるカーカス層5(5A,5B)の締め付け力を適宜得ることができ、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減する効果をより助勢することができる。また、有機繊維補強層10A,10Bの有機繊維コード10Cのエンド数[本/50mm]が20以上55以下であるため、有機繊維コード10Cによるカーカス層5(5A,5B)の締め付け力を適宜得ることができ、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減する効果をより助勢することができる。さらに、タイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の有機繊維コード10Cのタイヤ周方向に対する傾斜角度Atと、カーカスコード5Cのタイヤ周方向に対する傾斜角度Acと、を加えた総角度At+Acの1/2が70°以上110°以下であるため、相互の逆方向の傾斜角度の差を抑えることができ、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減する効果をより助勢することができる。この結果、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbでのセパレーションの発生を抑制する効果を顕著に得て、耐久性能をより向上することができる。
なお、総角度At+Acの1/2が90°により近いことが、相互の逆方向の傾斜角度の差を抑えて、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減する効果をさらに助勢することができるうえで好ましい。また、相互の逆方向の傾斜角度は、タイヤ周方向を境に対称であることが、相互の逆方向の傾斜角度の差を抑えて、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbにおける歪みを低減する効果をさらに助勢することができるうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1では、図6および図7に示すように、各有機繊維補強層10A,10Bは、自身が挟むカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbの,5Baからはみ出した端部10Aa,10Baにおいて、タイヤ幅方向外側の有機繊維補強層10Bがタイヤ幅方向内側の有機繊維補強層10Aを覆って設けられ、互いの有機繊維補強層10A,10Bのタイヤ径方向での重なり代Rtが5mm以上であり、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbとの重なり代Rcが10mm以上であることが好ましい。
この空気入りバイアスタイヤ1によれば、各有機繊維補強層10A,10Bの重なり代Rt、および各有機繊維補強層10A,10Bとカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbとの重なり代Rcを規定することで、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbでのセパレーションの発生を抑制する効果を顕著に得て、耐久性能をより向上することができる。
また、本実施形態の空気入りバイアスタイヤ1では、カーカス層5(5A,5B)は、枚数が2枚以上8枚以下であり、カーカスコード5Cの太さが940T/2以上2100T/2以下であり、カーカスコード5Cのエンド数[本/50mm]が20以上55以下であり、カーカスコード5Cのタイヤ周方向に対する傾斜角度Acが30°以上70°以下であることが好ましい。
この空気入りバイアスタイヤ1によれば、カーカス層5(5A,5B)自体の枚数や、カーカスコード5C太さ、エンド数、および傾斜角度Acを規定することで、各有機繊維補強層10A,10Bの配置に相乗し、カーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbでのセパレーションの発生を抑制する効果を顕著に得て、耐久性能をより向上することができる。
上述した実施形態において、エンド数や傾斜角度は、加硫後の空気入りバイアスタイヤ1におけるカーカス層5(5A,5B)の折返部5Ab,5Bbの位置にて測定する。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りバイアスタイヤについて、カーカス層の耐久性能に関する性能試験が行われた(図8および図9参照)。
この性能試験では、タイヤサイズT105/70D16 Y870Cの空気入りバイアスタイヤ(試験タイヤ)を、正規リムにリム組し、正規内圧(550kPa)を充填した状態で、室内ドラム試験機に装着し、荷重5.74kNを掛けて速度120km/hとし、4時間おきに荷重を15%ずつ増加させ、故障までの走向距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、指数が大きいほど耐久性能が優れていることを示している。
ここで、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
図8および図9に示す従来例、比較例1〜比較例3、実施例1〜実施例17の空気入りバイアスタイヤは、図1、図2および図6に示す2枚のカーカス層を有する形態として構成されている。従来例の空気入りバイアスタイヤは、各カーカス層の折返部の端部に有機繊維補強層が設けられていない。比較例1の空気入りバイアスタイヤは、各カーカス層の折返部の端部に有機繊維補強層が設けられているが、折返部の端部で1枚の有機繊維補強層を折り返して設けたものである。比較例2〜比較例3の空気入りバイアスタイヤは、各カーカス層の折返部の端部に有機繊維補強層が設けられ、折返部の端部を2枚の有機繊維補強層で挟んだ形態であるが、カーカスコードと有機繊維コードの傾斜方向が同方向である。実施例1〜実施例17の空気入りバイアスタイヤは、各カーカス層の折返部の端部に有機繊維補強層が設けられ、折返部の端部を2枚の有機繊維補強層で挟んだ形態であり、カーカスコードと有機繊維コードの傾斜方向が逆方向である。また、実施例9〜実施例17の空気入りバイアスタイヤは、図6に示すように各有機繊維補強層が挟むカーカス層の折返部の端部からはみ出した端部において、タイヤ幅方向外側の有機繊維補強層がタイヤ幅方向内側の有機繊維補強層を覆って設けられている。
そして、図8および図9の試験結果に示すように、実施例1〜実施例17の空気入りバイアスタイヤは、耐久性能が改善されていることが分かる。
1 空気入りバイアスタイヤ
4 ビード部
5(5A,5B) カーカス層
5Aa,5Ba 端部
5Ab,5Bb 折返部
5C カーカスコード
10A,10B 有機繊維補強層
10C 有機繊維コード
Ac カーカスコードの傾斜角度
At 有機繊維コードの傾斜角度
Rc カーカス層と有機繊維補強層の重なり代
Rt 各有機繊維補強層の重なり代
4 ビード部
5(5A,5B) カーカス層
5Aa,5Ba 端部
5Ab,5Bb 折返部
5C カーカスコード
10A,10B 有機繊維補強層
10C 有機繊維コード
Ac カーカスコードの傾斜角度
At 有機繊維コードの傾斜角度
Rc カーカス層と有機繊維補強層の重なり代
Rt 各有機繊維補強層の重なり代
Claims (4)
- タイヤ周方向に対して傾斜したカーカスコードを有する複数枚のカーカス層が相互の前記カーカスコードを交差して配置され、各前記カーカス層の端部がビード部で折り返された折返部を有する空気入りバイアスタイヤにおいて、
少なくとも1枚の前記カーカス層について、前記カーカス層の前記折返部の端部をタイヤ幅方向の内側および外側で挟んで覆うように設けられ、有機繊維コードをゴムで被覆した2枚の有機繊維補強層を有し、
各前記有機繊維補強層は、自身が挟む前記カーカス層の前記折返部の端部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向とは逆方向に前記有機繊維コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、それぞれの前記有機繊維コードがタイヤ周方向に対して同一方向に傾斜して設けられ、かつ各前記有機繊維コードが各前記カーカス層のカーカスコードよりも細く形成されている、空気入りバイアスタイヤ。 - 各前記有機繊維補強層は、それぞれの前記有機繊維コードの太さが940T/2以上2100T/2以下であり、エンド数[本/50mm]が20以上55以下であり、それぞれの前記有機繊維コードのタイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の傾斜角度と自身が挟む前記カーカス層の前記折返部の端部におけるカーカスコードのタイヤ周方向に対する0°以上180°以下の範囲の傾斜角度とを加えた総角度の1/2が70°以上110°以下である、請求項1に記載の空気入りバイアスタイヤ。
- 各前記有機繊維補強層は、自身が挟む前記カーカス層の前記折返部の端部からはみ出した端部において、タイヤ幅方向外側の前記有機繊維補強層がタイヤ幅方向内側の前記有機繊維補強層を覆って設けられ、互いの前記有機繊維補強層のタイヤ径方向での重なり代が5mm以上であり、前記カーカス層の前記折返部との重なり代が10mm以上である、請求項1または2に記載の空気入りバイアスタイヤ。
- 前記カーカス層は、枚数が2枚以上8枚以下であり、前記カーカスコードの太さが940T/2以上2100T/2以下であり、前記カーカスコードのエンド数[本/50mm]が20以上55以下であり、前記カーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が30°以上70°以下である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気入りバイアスタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016221464A JP2018079727A (ja) | 2016-11-14 | 2016-11-14 | 空気入りバイアスタイヤ |
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- 2016-11-14 JP JP2016221464A patent/JP2018079727A/ja active Pending
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JP2020196337A (ja) * | 2019-06-03 | 2020-12-10 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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