JP2018079711A - エア源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライヤに含まれる水分増加量を推定可能とすることである。【解決手段】タンク圧が吸気開始しきい値より低くなった時点においてコンプレッサとドライヤとに含まれていたエアがタンクに供給された時点(以下、起算点と称する)におけるタンク圧を起算タンク圧として、吸気制御が行われる。起算点に達した後は、大気から吸引されて、ドライヤによって水分が除かれたエアがタンクに供給されて、タンク圧が増加する。そのため、起算タンク圧からのタンク圧の増加量が多い場合は少ない場合より、ドライヤに含まれる水分の増加量が多いと推定することができるのであり、起算タンク圧からのタンク圧の増加量に基づけば、ドライヤに含まれる水分の増加量を推定することができる。【選択図】図14

Description

本発明は、エアを収容するタンクと、エアから水分を除去するドライヤとを備えたエア源装置に関するものである。
特許文献1には、コンプレッサ装置と、タンクと、ドライヤと、前記コンプレッサ装置の制御により、大気から吸引されてドライヤを介してタンクに供給されて、収容されたエアの圧力であるタンク圧を制御することにより吸気制御を行う吸気制御部とを含むエア源装置が記載されている。吸気制御において、タンク圧が吸気開始しきい値より低くなった場合にコンプレッサが始動させられ、吸気終了しきい値に達した場合に停止させられる。
特開平3−70615号公報
本発明の課題は、吸気制御において、ドライヤに含まれる水分の増加量を推定可能とすることである。
課題を解決するための手段および効果
本発明に係るエア源装置においては、タンク圧が吸気開始しきい値より低くなった時にコンプレッサとドライヤとに含まれていたエアがタンクに供給された時点が起算点とされ、その起算点におけるタンク圧が起算タンク圧とされて、吸気制御が行われる。起算点に達した後においては、当該エア源装置の外部である大気から吸引されて、ドライヤにおいて水分が除かれたエアがタンクに供給されて、タンク圧が増加させられる。大気には水分が多く含まれるため、タンクに大気から吸引されたエアが供給されるのに伴ってドライヤに含まれる水分が多くなる。そのため、起算タンク圧からのタンク圧の増加量が多い場合は少ない場合より、ドライヤに含まれる水分の増加量(以下、ドライヤの水分増加量と略称する)が多いと推定することができる。それに対して、起算点に達する前においては、エア源装置の内部に存在していたドライエアがドライヤに供給され、タンクに供給される。そのため、ドライヤの水分増加量は、起算点に達した後の水分増加量に比較して少ない。
以上により、吸気制御において、起算タンク圧からのタンク圧の増加量に基づけばドライヤの水分増加量を推定することができる。
本エア源装置を備えた車高制御システムを示す回路図である。 上記車高制御システムの車高制御ECUの周辺を示す概念図である。 上記車高制御システムにおいてアップ制御が行われる状態を示す回路図である。 上記車高制御システムにおいてダウン制御が行われる状態を示す回路図である。 上記車高制御システムにおいて吸気制御の開始時の状態を示す回路図である。 上記吸気制御において吸気弁が開に切り換わった時点の状態を示す回路図である。 上記車高制御システムにおいてドライヤ再生制御の開始時の状態を示す回路図である。 上記ドライヤ再生制御中の状態を示す回路図である。 上記車高制御システムにおいて、行き渡らせ制御行われる状態を示す回路図である。 上記車高制御ECUの記憶部に記憶されたタンク圧制御プログラムを表すフローチャートである。 上記タンク圧制御プログラムの一部(吸気制御)を表すフローチャートである。 上記タンク圧制御プログラムの別の一部(再生制御)を表すフローチャートである。 上記タンク圧制御プログラムのさらに別の一部(行き渡らせ制御)を表すフローチャートである。 上記タンク圧制御が行われる場合のタンク圧の変化を示す図である。 上記タンク圧制御が行われる場合のエアの移動を示す図である。
発明の実施の形態
以下、本実施形態に係るエア源装置を含む車高制御システムについて図面に基づいて詳細に説明する。
本車高制御システムにおいては、図1に示すように、車両に設けられた前後左右の車輪の各々に対応して、図示しない車輪側部材と車体側部材との間に、車高制御アクチュエータとしてのエアシリンダ2FL,FR,RL,RRと、ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRとが、互いに並列に設けられる。
ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRは、それぞれ、車輪側部材に設けられたアブソーバ本体と、車体側部材に設けられたアブソーバピストンとを含む。
以下、本明細書において、エアシリンダ2等について、車輪の位置で区別する必要がある場合には、車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付して区別するが、車輪の位置で区別する必要がない場合、総称を表す場合等には車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RR等を省略して記載する。
エアシリンダ2は、それぞれ、車体側部材に設けられたシリンダ本体としてのチャンバ本体10と、チャンバ本体10に固定されたダイヤフラム12と、ダイヤフラム12およびショックアブソーバ4のアブソーバ本体に上下方向に一体的に移動可能に設けられたエアピストン14とを含み、これらの内部が圧力媒体室としてのエア室(チャンバ)19とされる。
チャンバ19におけるエアの給排によりエアピストン14がチャンバ本体10に対して上下方向に相対移動させられ、それにより、ショックアブソーバ4においてアブソーバ本体とアブソーバピストンとが上下方向に相対移動させられるのであり、車輪側部材と車体側部材との間の距離である車高が変化させられる。
エアシリンダ2のチャンバ19には、それぞれ、個別通路20および共通通路22を介してエア給排装置24が接続される。個別通路20には、それぞれ、車高制御弁26が設けられる。車高制御弁26は常閉の電磁弁であり、開状態において、双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、チャンバ19から共通通路22へのエアの流れを阻止するが、共通通路22の圧力がチャンバ19の圧力より設定圧以上高くなると共通通路22からチャンバ19へのエアの流れを許容する。
エア給排装置24は、コンプレッサ装置30、排出弁としての排気弁32、タンク34、切換え装置36、吸気弁44、リリーフ弁46等を含む。
コンプレッサ装置30は、コンプレッサ40と、コンプレッサ40を駆動する電動モータ42とを含み、電動モータ42の駆動によりコンプレッサ40が作動させられる。コンプレッサ40の吐出圧が高くなると、リリーフ弁46を経てエアが大気へ放出される。また、コンプレッサ40の吸気側、吐出側には、それぞれ、逆止弁である吸入弁40in,吐出弁40outが設けられ、吐出側から吸気側へのエアの流れが防止される。
タンク34は、コンプレッサ装置30の作動により供給されたエアを収容するものであり、供給されて、収容されるエアの量が多くなると、その収容されたエアの圧力であるタンク圧が高くなる。
切換え装置36は、共通通路22、タンク34、コンプレッサ装置30の間に設けられ、これらの間のエアの流れる方向等を切り換えるものであり、第1通路50、第2通路52、電磁弁である回路弁61〜64等を含む。図1に示すように、共通通路22とタンク34に接続されたタンク通路48とが、互いに並列に設けられた第1通路50と第2通路52とによって接続され、第1通路50に、直列に2つの回路弁61,62が設けられ、第2通路52に、直列に2つの回路弁63,64が設けられる。タンク通路48は接続部48sにおいて第1通路50および第2通路52に接続され、共通通路22は接続部22sにおいて第1通路50および第2通路52に接続される。また、コンプレッサ40の吸気側に接続された第3通路65が、第1通路50の2つの回路弁61,62の間の部分に接続され、コンプレッサ40の吐出側に接続された第4通路66が、第2通路52の2つの回路弁63,64の間の部分に接続される。
回路弁61〜64は常閉弁であり、開状態において双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、一方の側から他方の側へのエアの流れを阻止するが、他方の側の圧力が一方の側の圧力より設定圧以上高くなると、他方の側から一方の側へのエアの流れを許容するものである。
回路弁61,63は、閉状態においてタンク34からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁62は、閉状態において、共通通路22からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁64は、閉状態において共通通路22へのエアの供給を阻止するものである。
第3通路65の接続部44sと当該車高制御システムの外部である大気との間には吸気弁44が設けられる。吸気弁44は、差圧によって開閉させられるメカ的な逆止弁であり、接続部44sのエアの圧力が大気圧以上の場合に閉、大気圧より低い場合に開となる。コンプレッサ40の作動により接続部44sのエアの圧力が大気圧より低くなると、フィルタ43、吸気弁44を経て大気からエアが吸い込まれる。
第4通路66の接続部32sと当該車高制御システムの外部である大気との間には排気弁32が接続される。排気弁32は常閉の電磁弁であり、開状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が許容され、閉状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が阻止されるが、第4通路66のエアの圧力が大気圧より設定圧以上低くなると大気から第4通路66へのエアの供給が許容される。
また、第4通路66の接続部32sより第2通路側の部分には、ドライヤ70と流れ抑制機構72とが直列に設けられる。流れ抑制機構72は、互いに並列に設けられた、差圧弁72vと絞り72sとを含む。差圧弁72vは、第2通路側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止し、コンプレッサ側の圧力が第2通路側の圧力より設定圧以上高くなると、コンプレッサ40から第2通路52へのエアの流れを許容する。ドライヤ70は、例えば、シリカゲルを含むものとすることができる。シリカゲルは、エア中の水分を自らが吸着することにより、エアから水分を除去するものであるが、シリカゲルが吸着した水分を排出させることにより、再生させることができる。
本実施例において、車高制御システムは、コンピュータを主体とする車高制御ECU80によって制御される。車高制御ECU80はCAN(Controller Area Network)82を介してECU等との間で通信可能とされている。車高制御ECU80は、図2に示すように、実行部80c、記憶部80m、入出力部80i、タイマ80t等を含み、入出力部80iには、車高切換えスイッチ88、タンク圧センサ90、シリンダ圧センサ91、車高センサ93、乗降関連動作検出装置95等が接続されるとともに、通信装置96等がCAN82を介して接続される。また、電動モータ42が駆動回路100を介して接続されるとともに、排気弁32、車高制御弁26、回路弁61〜64が接続される。
車高切換えスイッチ88は、運転者によって操作されるものであり、車高をL(Low),N(Normal),H(High)のうちのいずれかへの変更を指示する場合に操作される。タンク圧センサ90は、タンク圧を検出するものであり、シリンダ圧センサ91は、共通通路22に設けられ、車高制御弁26の開において、その開にある車高制御弁26(車輪)に対応するエアシリンダ2のチャンバ19の圧力を検出する。また、すべての車高制御弁26の閉状態においては共通通路22のエアの圧力を検出する。車高センサ93は、前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられ、各車輪についての車高を検出する。乗降関連動作検出装置95は、人の乗降に関連する動作の有無を検出するものであり、ドアの開閉を検出するドア開閉センサ(カーテシランプセンサ)102、ドアのロック、アンロックを検出するドアロックセンサ103等を含むものとすることができる。通信装置96は、予め定められた通信可能領域内において、運転者等が所持する携帯機104との間で通信を行うものであり、通信により、ドアのロック、アンロックが行われる場合もある。
また、本車高制御システムは、電源としてのバッテリ110を含み、バッテリ110からの電力供給により作動可能とされている。バッテリ110の電圧である電源電圧は電圧モニタ112によって検出されるが、電圧モニタ112は、車高制御ECU80の入出力部80iに接続されている。
本実施例に係る車高制御システムにおいて、前後左右の各輪の各々についての実際の車高である実車高と目標車高との差が車高制御開始しきい値以上である場合には車高制御開始条件が成立したと判定されて、実車高を目標車高に近づける車高制御が行われる。車高制御は、車両の走行状態において行われたり、車高切換えスイッチ88が操作された場合、人が乗降すると推定された場合、降車後設定時間が経過した場合等の予め定められた条件が成立した場合等に行われたりする。目標車高は、走行状態に基づいて決まる場合、車高切換えスイッチ88の操作によって決まる場合等がある。
例えば、車高を高くするアップ制御が行われる場合には、図3に示す状態とされる。すべての回路弁61〜64が開とされるとともに、制御対象輪に対応する車高制御弁26(図3においては、4輪すべてが制御対象輪である場合を示す)が開とされる。タンク34に蓄えられたエアは、回路弁61〜64を経て制御対象輪のエアシリンダ2のチャンバ19に供給される。それにより、制御対象輪についての車高が高くなる。
車高を低くするダウン制御が行われる場合には、図4に示す状態とされる。電動モータ42の駆動によりコンプレッサ40が作動させられ、回路弁61,64が閉、回路弁62,63が開とされるとともに、制御対象輪に対応する車高制御弁26が開とされる。第3通路65にエアシリンダ2が連通させられ、第4通路66にタンク34が連通させられる。コンプレッサ40の作動により、制御対象輪のエアシリンダ2のチャンバ19から、エアが排出させられてタンク34に供給される。それにより、車高が低くなる。
本車高制御システムにおいて、タンク34に収容されたエアの圧力であるタンク圧が制御される。タンク圧が過大である場合には、タンク34のエアを大気に排気させる排気制御が行われる。排気制御においては、図示は省略するが、回路弁61,62,64が閉、回路弁63が開とされるとともに、排気弁32が開とされる。タンク34からエアが排気弁32を経て大気へ放出され、タンク圧が低下する。
タンク圧が不足した場合には、タンク34にエアを供給する吸気制御が行われる。吸気制御において、タンク圧が吸気開始しきい値より低くなると、電動モータ42の制御によりコンプレッサ40が始動させられ、回路弁61,62,64が閉、回路弁63が開とされる。コンプレッサ40の作動によって吸引されたエアがドライヤ70に供給され、ドライヤ70において乾燥されて(「水分が除去されて」と称することもできる)タンク34に供給され、タンク圧が増加させられる。
一方、ドライヤ70において水分が除去されて、タンク34に供給されたエアの量が増えると、ドライヤ70の水分量が増加し、ドライヤ70の機能が低下する。そのため、吸気制御において、タンク圧の増加量が設定タンク圧増加量に達した場合に、ドライヤ70の水分量が多くなり、ドライヤ70が、再生が必要な状態になったとして、ドライヤ70を再生させるドライヤ再生制御(以下、単に再生制御と称する)が行われるようにすることが考えられる。
しかし、吸気制御におけるタンク圧の増加量が設定タンク圧増加量に達した場合のドライヤ70の水分増加量は、タンク圧の増加量の起算点によって変わり、再生制御が行われる時期である再生時期が変わる。再生時期が早すぎた場合には、本来不要である再生制御が行われ、エネルギが無駄に消費される。また、タンク圧不足の解消が遅れ、アップ制御に長時間を要する等の問題がある。再生時期が遅すぎた場合には、ドライヤ70の機能が著しく低下し、エアの乾燥が不十分となり、車高制御システム内において結露したり、錆が生じたりする。また、再生制御に長時間を要し、車高制御やタンク圧制御を効率よく行うことができない等の問題もある。
そこで、本実施例においては、吸気制御におけるタンク圧の増加量の起算点を、吸気制御開始時にコンプレッサ40、ドライヤ70に存在していたエアがタンク34に供給された時点、すなわち、大気から吸引されて、ドライヤ70よって水分が除かれたエアがタンク34に供給され始める時点とし、その起算点におけるタンク圧を起算タンク圧として、タンク圧の増加量が取得されるようにした。すなわち、コンプレッサ40、ドライヤ70に存在していたエアがタンク34に供給されるまでの間においては、エアがドライヤ70に供給されても、ドライヤ70の水分の増加量は非常に少なく、水分量は非常に少ない。それに対して、大気から吸引されたエアがドライヤ70に供給されて、ドライヤ70によって水分が除去される場合には、ドライヤ70の水分増加量は多くなる。そのため、吸気制御におけるドライヤ70の水分増加量が多い場合は少ない場合より、ドライヤ70の水分量が多いと推定することができるのである。
以上のことから、本実施例においては、起算タンク圧からのタンク圧増加量が設定タンク圧増加量に達した場合に、ドライヤ70の水分量が多く、再生が必要な状態であると判定され、吸気制御が終了させられ、再生制御が行われるようにした。
また、再生制御の後には、タンク圧をエア給排装置24に行き渡らせる行き渡らせ制御が行われる。
本実施例において、これら吸気制御、再生制御、行き渡らせ制御を合わせてタンク圧制御と称する。以下、タンク圧制御について詳細に説明する。
A.吸気制御
(1)タンク圧が吸気開始しきい値PTiより低くなった場合(図14の時点t1)、または、後述する不足フラグがONである場合に、吸気制御が開始される。図5に示すように、回路弁61,62,64が閉、回路弁63が開とされ、コンプレッサ装置30が始動させられる。また、吸気制御が開始された時点のタンク圧である吸気開始タンク圧PT1が検出されて記憶される。
吸気制御の開始前においては、図15(1)に示すように、本車高制御システムの内部、すなわち、コンプレッサ40、ドライヤ70の内部に存在するエアは乾燥されたドライエアであり、エアの圧力は大気圧より高い。
そのため、吸気制御が開始されて、コンプレッサ装置30が始動させられても、接続部44sの圧力は大気圧より高く、吸気弁44は閉状態にある。また、コンプレッサ40の作動により、エアが吸引されてドライヤ70を経てタンク34に供給されるが、ドライヤ70に供給されたエアはドライエアであり、タンク34に供給されたエアは吸気開始時に本車高制御システムの内部に存在していたエアである。そのため、図14に示すように、タンク圧は大きな公害で増加させられる。
(2)コンプレッサ40の作動により、コンプレッサ40に含まれていたエアとほぼ同量のエアがタンク34に供給されると、コンプレッサ40の吸気側の接続部44sの圧力が大気圧より低くなり、吸気弁44が閉から開に切り換えられる(図14の時点t2)。
また、コンプレッサ40の吸気側の接続部44sの圧力が低くなると、コンプレッサ40から吐出されるエアの流量が小さくなり、タンク圧の増加勾配が小さくなる。そのため、本実施例において、タンク圧の増加勾配の変化量の絶対値|ΔdPT/dt|が開推定しきい値Δthより大きくなった場合に、増加勾配が開推定しきい値以上小さくなり、吸気弁44が閉から開に切り換わったと判定される。開推定しきい値は、例えば、コンプレッサ40の吸気側の接続部44sの圧力が大気圧より低くなったと推定し得るタンク圧の増加勾配の減少量に設定することができる。
この吸気弁44が閉から開に切り換わった時点を起算前点と称し、起算前点におけるタンク圧を起算前タンク圧PT2と称する。図15(2)に示すように、起算前点において、コンプレッサ40には大気から吸引されたエア(大気圧であり、かつ、水分を含むと推定される。)が含まれるが、ドライヤ70には、吸気制御開始時に当該車高制御システムに存在していたエア(大気圧より高いドライエア)が含まれる。
なお、吸気弁44が開いた後においては、図6に示すように、大気から吸気弁44を経てエアが吸引され、図14に示すように、タンク圧はほぼ一定の勾配で増加させられる。
(3)起算前点t2に達した後、コンプレッサ40の作動により吸気弁44を経て、大気からエアが吸引され、ドライヤ70に含まれていたドライエアがタンク34に供給される。その後、ドライヤ70において、大気から吸引されて、水分が除去されたエアがタンク34に供給されることになる。
すなわち、吸気制御の開始時にコンプレッサ40とドライヤ70とに含まれていたドライエアがタンク34に供給された時点が起算点であり(図14の時点t3)、起算点t3におけるタンク圧が起算タンク圧である。
起算タンク圧PT3は、(2)式に示すように、起算前タンク圧PT2と、タンク34の容積Vt,ドライヤ70の容積Vdとに基づいて推定される。起算前点t2にドライヤ70に存在していたエアがタンク34に供給されることにより、タンク圧が増加することから、(1)式が成立し、(1)式を変形することにより、(2)式が得られるのである。
PT3×Vt=PT2×(Vt+Vd)・・・(1)
PT3={PT2×(Vt+Vd)}/Vt・・・(2)
なお、起算点t3においては、図15(3)に示すように、コンプレッサ40には大気から吸引されたエア(大気圧で水分を含む)が存在し、ドライヤ70には、大気から吸引されて水分が除去されたエアが存在する。
(4)起算点t3に達した後、上述のように、ドライヤ70によって、大気から吸引されたエアから水分が除去されて、タンク34に供給されるため、起算点t3からタンク34に供給されたエアの量の増加に伴ってドライヤ70の水分量は増加する。そして、タンク圧が、起算タンク圧PT3に設定タンク圧増圧量ΔPTinを加えた値である吸気終了しきい値PT4(PT4=PT3+ΔPTin)に達すると、コンプレッサ装置30は停止させられる(図14の時点t4)。吸気制御が終了させられ、再生制御が行われる。設定タンク圧増加量ΔPTinは、ドライヤ70の能力で決まる値であり、ドライヤ70の水分量が多く、ドライヤ70の再生制御を行う必要があると考えられる量とすることができる。
なお、電動モータ42の能力により、連続時間に制限がある場合があり、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低くなった時点t1から起算タンク圧PT3からの増加量が設定タンク圧増加量ΔPTinに達する時点t4まで、連続的に運転することができない場合がある。その場合には、起算タンク圧からの増加量が設定タンク圧増加量ΔPTinに達するまでの間に、電動モータ42の停止、待機(冷却)が1回以上行われ、吸気制御が複数回に分けて行われる。この場合であっても、起算タンク圧からのタンク圧増加量の和が設定タンク圧増加量ΔPTinに達する前に、ドライヤ70の再生制御が行われることはない。ドライヤ70の水分量は少なく、再生制御を行う必要性が低いからである。
B.再生制御
(5)再生制御において、排気弁32が開とされ、タンク34からドライヤ70に、乾燥されたエアであるドライエアが供給されて、大気に排気させられる。図7,8に示すように、ドライヤ70、タンク34からエアが流出させられるが、タンク34とドライヤ70との間に絞り機構としての流れ抑制装置72が設けられるため、タンク圧PTは直ちに低下せず、過渡的に、ドライヤ70のエアの圧力より高くなる。換言すれば、流れ抑制装置72の上流側の圧力と下流側の圧力とがほぼ同じとなり、定常状態になると、タンク圧PTはΔPTd低下して、図14に示すように、PT5になると推定される。図14の破線は、定常状態であると仮定した場合のタンク圧の変化を示す。
タンク圧PT5は、ドライヤ70に含まれていたタンク圧PT4のエアが排気されることにより低下させられることから、下式に示すように推定される。
PT5=PT4×Vt/(Vt+Vd)
また、定常状態になった場合のタンク圧の低下量ΔPTdは、下式に示す値となる。
ΔPTd=PT4-PT5=PT4×Vd/(Vt+Vd)
なお、図15(5)に示すように、排気弁32が開に切り換えられた時点において、コンプレッサ40に含まれるエアは大気圧である。そのため、コンプレッサ40のエアは、吐出弁40out、排気弁32を経て排気し難い。また、排気弁32が開とされることにより、ドライヤ70のエアも大気圧となる。
(6)ドライヤ70の再生に必要なドライエアの量は、設定タンク圧増加量ΔPTinに設定比率K(例えば、63%)を掛けた量以上であることが知られている。そのため、ドライヤ70の再生制御において、タンク圧PTが再生時タンク圧低下量(K×ΔPTin)低下して、再生終了タンク圧PT6(=PT4−K×ΔPTin)に達すると(図14の時間t6)、図15(6)に示すように排気弁32が閉じられ、再生制御が終了させられる。ドライヤ70は再生したと推定される。
なお、図14の時点t6において、タンク圧PTはドライヤ70の圧力より高いが、流れ抑制装置72の上流側の圧力と下流側の圧力とがほぼ同じになると、タンク圧PTはΔPTd低下し、PT6´になると推定される。
PT6´=PT6−ΔPTd
C.行き渡らせ制御
(7)行き渡らせ制御において、図9に示すように、回路弁63が閉、回路弁61が開とされる。タンク圧は、第3通路65、コンプレッサ40を経て、ドライヤ70、第4通路66に供給される。そして、設定時間が経過した後、回路弁61が閉とされ(図14の時点t7)、行き渡らせ制御が終了させられる。図15(7)に示すように、エア給排装置24の全体、換言すれば、タンク34、ドライヤ70、コンプレッサ40のいずれにも、タンク圧が行き渡る。設定時間は、例えば、タンク圧が、エア給排装置24の全体に行き渡るのに要する時間に設定することができる。
本実施例においては、行き渡らせ制御が終了した時点のタンク圧である行き渡らせ後タンク圧PT7が推定される。タンク圧PTが、主としてコンプレッサ40に供給されることにより低下させられることに基づいて、下式に示すように推定される。
PT7=PT6´×Vt/(Vt+Vc)
また、本実施例においては、行き渡らせ後タンク圧PT7の吸気開始タンク圧PT1(図14の時点t1)からの増加量であるタンク圧増加量ΔPTa(=PT7-PT1)が求められ、不足解消しきい値ΔPTthより大きいか否かが判定される。
ΔPTa>ΔPTth
タンク圧増加量ΔPTaが不足解消しきい値ΔPTthより大きい場合には、吸気制御によりタンク圧の不足が解消されたと判定されるが、不足解消しきい値ΔPTthより小さい場合には、タンク圧の不足が解消されていないと判定され、不足フラグがONとされて、吸気制御が再度行われる。
本実施例においては、再生制御が終了した時点t6において、行き渡らせ後タンク圧PT7が推定され、不足フラグのON・OFFが決定される。
例えば、再生制御が終了した後に車高制御開始条件が成立した場合には、車高制御が行われ、行き渡らせ制御が行われることはない。タンク圧制御が、行き渡らせ制御を行うことなく、終了させられるのである。
一方、吸気制御や再生制御の途中に車高制御開始条件が成立した場合には、吸気制御や再生制御が中断されて、車高制御が開始される。そして、車高制御が終了した後に、吸気制御や再生制御が再開されるようにされている。しかし、車高制御の終了後には、エア給排装置24の内部におけるエア圧の差が小さくなるように行き渡らせ制御が行われるのが普通である。そのため、再生制御の終了後、行き渡らせ制御の開始前に車高制御開始条件が成立した場合には、車高制御の終了後にタンク圧制御(行き渡らせ制御)が再開される必要性は低い。
以上のように、本実施例においては、行き渡らせ制御が行われない場合があるため、再生制御が終了した場合に、行き渡らせ後タンク圧PT7が推定されて、不足フラグのON・OFFが決定されるのである。
上述のタンク圧制御を図10に示すフローチャートに従って簡単に説明する。図10のフローチャートで表されるタンク圧制御プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、タンク圧PTがタンク圧センサ90によって検出され、S2,3,4において、吸気フラグがONであるか否か、再生フラグがONであるか否か、行き渡らせフラグがONであるか否かが判定される。いずれの判定もNOである場合には、S5,6において、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低いか否か、不足フラグがONであるか否かが判定される。いずれの判定もNOである場合には、S1〜6が繰り返し実行される。S1〜6が繰り返し実行されるうちにS5の判定がYESになった場合には、S7〜9において、その時点のタンク圧PTが吸気開始タンク圧PT1として記憶され、コンプレッサ装置30の始動指令、回路弁63の開指令が出力されて、吸気フラグがONとされる。なお、不足フラグがONである場合にも、S7〜9が実行され、吸気フラグがONとされる。
そして、吸気フラグがONであるため、S2の判定がYESとなり、S10において、吸気制御が行われる。
吸気制御は、図11に示すフローチャートに従って実行される。S21において、吸気弁開フラグがONであるか否かが判定され、判定がNOである場合には、S22において、タンク圧PTの増加勾配dPT/dtが開推定しきい値Δth以上小さくなったか否かが判定される。判定がNOである場合には、S21,22が繰り返し実行され、増加勾配dPT/dtが開推定しきい値Δth以上小さくなった場合に、判定がYESとなり、S23〜26において、吸気弁開フラグがONとされ、その時点t2のタンク圧PTが起算前タンク圧PT2とされ、上述のように、起算時タンク圧PT3,吸気終了しきい値PT4が求められる。そして、S27において、タンク圧PTが吸気終了しきい値PT4に達したか否かが判定される。判定がNOである場合には、S1,2,10(S21,27)が繰り返し実行される。そのうちに、タンク圧PTが吸気終了しきい値PT4に達すると、S28〜32において、コンプレッサ装置30が停止させられ、再生終了タンク圧PT6が求められる。また、吸気弁開フラグがOFF、吸気フラグがOFFとされ、再生フラグがONとされる。
吸気フラグがOFF、再生フラグがONであるため、S3の判定がYESとなり、S11において、再生制御が行われる。再生制御は図12のフローチャートに従って実行される。
S41において、タンク圧PTが再生終了タンク圧PT6より小さくなったか否かが判定され、判定がNOである場合には、S42において、排気弁32が開とされる。タンク圧が再生終了タンク圧PT6以上である間、S1〜3,11(S41,42)が繰り返し実行され、排気弁32が開状態に保持される。
タンク圧PTが再生終了タンク圧PT6より小さくなると、S43〜47において、排気弁32が閉じられ、再生フラグがOFFとされ、定常状態になった場合のタンク圧PT6´が推定され、行き渡らせ後タンク圧PT7が推定されて、タンク圧増加量ΔPTa(=PT7-PT1)が求められる。そして、S48において、タンク圧増加量ΔPTaが不足解消しきい値ΔPTthより大きいか否かが判定され、不足解消しきい値ΔPTthより大きい場合に、S49において不足フラグはOFFとされ、不足解消しきい値ΔPTth以下である場合にはS50において不足フラグがONとされる。また、いずれの場合であっても、S51において、車高制御開始条件が成立したか否かが判定され、成立しない場合には、S52において、行き渡らせフラグがONとされるが、車高制御開始条件が成立した場合には、行き渡らせフラグはOFFのままである。
なお、不足フラグがONとされた場合には、次に、タンク圧制御プログラムが実行された場合に、S6の判定がYESとなって、吸気制御が開始される。タンク圧制御プログラムは、行き渡らせ制御の後に直ちに実行される場合や、車高制御が終了した後に実行される場合等がある。
吸気フラグ、再生フラグがOFF,行き渡らせフラグがONである場合には、S4の判定がYESとなり、S12において、行き渡らせ制御が行われる。行き渡らせ制御は図13のフローチャートに従って実行される。
S61において、行き渡らせフラグがONとされてからの経過時間が設定時間を超えたか否かが判定される。経過時間が設定時間を超える前においては、S62において、回路弁63が閉、回路弁61が開とされる。そして、経過時間が設定時間を超えた場合には、S63において、回路弁61,63が閉とされ、行き渡らせフラグがOFFとされる。第3通路65、第4通路66、コンプレッサ40、ドライヤ70にタンク圧が行き渡ったと推定される。また、流れ抑制装置72の上流側と下流側との圧力差も小さくなり、定常状態になったと推定される。
本実施例においては、不足フラグがONとされても、行き渡らせ制御が行われる。次の吸気制御が、第3通路65、コンプレッサ40、ドライヤ70にタンク圧が行き渡っている状態で開始されることにより、タンク圧PTの増加勾配が小さくなったタイミング、すなわち、吸気弁44が閉から開に切り換えられた時点t2を正確に検出することができるからである。
以上のように、本実施例においては、吸気制御の開始時においてコンプレッサ40、ドライヤ70等に存在していたエアがタンク34に供給された時点、すなわち、大気から吸引されたエアがドライヤ70によって乾燥されて、タンク34に供給され始める時点におけるタンク圧が起算タンク圧PT3とされて、吸気制御が行われる。そのため、起算タンク圧PT3からのタンク圧増加量が大きい場合は小さい場合よりドライヤ70の水分増加量が多く、水分量が多いと推定することができる。
また、設定タンク圧増加量ΔPTinが、ドライヤ70の水分量が多く、ドライヤ70の再生制御を行う必要性が高いと判定し得る値に設定され、起算タンク圧PT3に設定タンク圧増加量ΔPTinを加えた値が吸気終了しきい値PT4として決定される。そして、タンク圧PTが吸気終了しきい値PT4に達すると、吸気制御が終了させられ、ドライヤ70の再生制御が行われる。このように、ドライヤ70の水分量に基づいてドライヤ70の再生時期が決まるため、ドライヤ70の再生制御が適切な時期に行われるようにすることができる。その結果、本来不要な再生制御が行われることに起因するエネルギの無駄な消費を抑制したり、車高制御システム内の結露の発生を防止したりすること等ができる。また、ドライヤ70の再生に要する時間が長くなることを回避し、効率よく、タンク圧制御が行われるようにすることができる。
以上、本実施例においては、車高制御ECU80のS10(S21〜32)を記憶する部分、実行する部分等により吸気制御部が構成される。そのうちの、S26を記憶する部分、実行する部分等によりしきい値決定部が構成され、S22,23を記憶する部分、実行する部分等により吸気弁開推定部が構成され、S25を記憶する部分、実行する部分等により起算タンク圧取得部が構成され、S8,28を記憶する部分、実行する部分等によりコンプレッサ装置制御部が構成される。また、車高制御ECU80のS11(S41〜50)を記憶する部分、実行する部分等によりドライヤ再生部が構成され、S45を記憶する部分、実行する部分等により定常時タンク圧推定部が構成される。なお、コンプレッサ40、第4通路66、第2通路52、回路弁63等によりエア供給装置が構成され、エア給排装置24、車高制御ECU80等によりエア源装置が構成される。
なお、車高制御システムの構造は問わない等本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
24:エア給排装置 26:車高制御弁 32:排気バルブ 34:タンク 40:コンプレッサ 42:電動モータ 61〜64:回路弁 70:ドライヤ 72:流れ抑制装置 80:車高制御ECU 90:タンク圧センサ
請求可能な発明
以下、特許請求可能な発明について説明する。
(1)コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを備えたコンプレッサ装置と、
前記コンプレッサの作動によって供給されたエアを収容するタンクと、
そのタンクと前記コンプレッサとの間に設けられ、供給されたエアから水分を除去するドライヤと、
前記コンプレッサ装置の制御により、前記ドライヤを介して前記タンクに供給されて、収容されたエアの圧力であるタンク圧の制御を行うことにより吸気制御を行う吸気制御部と
を含むエア源装置であって、
前記吸気制御部が、前記吸気制御の開始時に前記コンプレッサに含まれていたエアと前記ドライヤに含まれていたエアとが前記タンクに供給された時点における前記タンク圧を起算タンク圧として、その起算タンク圧に基づいて前記吸気制御を行うことを特徴とするエア源装置。
例えば、起算タンク圧からのタンク圧の増加量に基づけば、大気から吸引され、ドライヤによって水分が除去されて、タンクに供給されたエアの量を取得したり、ドライヤの水分増加量を推定したりすること等ができる。
(2)当該エア源装置が、前記コンプレッサの吸入側の部分と当該エア源装置の外部である大気との間に設けられた吸気弁を含み、
前記吸気制御部が、前記タンク圧の増加勾配が開推定しきい値以上減少した時点における前記タンク圧を起算前タンク圧として、その起算前タンク圧と前記ドライヤの容積とに基づいて、前記起算タンク圧を取得する(1)項に記載のエア源装置。
起算前点は、タンク圧センサの測定値の増加勾配の変化等に基づいて取得することができる。
(3)前記吸気制御部が、
前記タンク圧の増加勾配が開推定しきい値以上減少した場合に、前記吸気弁が閉から開に切り換わったと推定する吸気弁開推定部と、
その吸気弁開推定部によって前記吸気弁が閉から開に切り換わったと推定された時点における前記タンク圧を前記起算前タンク圧として、その起算前タンク圧と前記ドライヤの容積とに基づいて、前記起算タンク圧を取得する起算タンク圧取得部とを含む(2)項に記載のエア源装置。
タンク圧の増加勾配が開推定しきい値以上減少した場合には、吸気制御開始時にコンプレッサに含まれていたエアとほぼ同量のエアがタンクに供給されることにより、コンプレッサの吸気側の圧力が大気圧より低くなって、吸気弁が閉から開に切り換わったと推定することができる。
(4)前記吸気制御部が、
前記タンク圧が吸気開始しきい値より低くなった場合に前記コンプレッサ装置を始動させ、前記タンク圧が吸気終了しきい値に達した場合に、前記コンプレッサ装置を停止させるコンプレッサ装置制御部と、
前記吸気終了しきい値を、前記起算タンク圧に予め定められた設定タンク圧増加量を加えた値として決定するしきい値決定部とを含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のエア源装置。
吸気制御開始時にコンプレッサおよびドライヤに含まれていたエアがタンクに供給された時点である起算点は、吸気制御の開始後であるが、吸気終了しきい値を決定する時点は、吸気制御開始時であってもよい。例えば、吸気制御開始時のタンク圧等に基づいて、起算タンク圧が推定される場合等には、吸気制御開始時に、吸気終了しきい値を決定することもできる。
設定タンク圧増加量を、例えば、ドライヤの水分増加量が多く、ドライヤの水分量が多くなり、ドライヤが、再生が必要な状態になったと推定し得る量とすることができ、その場合には、吸気制御が終了させられた後に、ドライヤの再生が行われるようにすることができる。
(5)当該エア源装置が、
前記ドライヤと前記コンプレッサとの間の部分と当該エア源装置の外部である大気との間に設けられた排気弁と、
前記タンク圧が前記吸気終了しきい値に達した場合に、前記排気弁を開として、前記タンクに収容されていたエアを前記ドライヤを通して大気に排気させるドライヤ再生制御を行うドライヤ再生部とを含む(4)項に記載のエア源装置。
タンク圧が吸気終了しきい値に達すると、コンプレッサ装置が停止させられ、吸気制御が終了させられる。その後、排気弁が閉から開に切り換えられて、ドライヤ再生制御が行われ、タンクに収容されているドライエアがドライヤに供給されて、排気させられる。本エア源装置においては、ドライヤの再生を適切なタイミングで行うことが可能となる。
ドライヤ再生制御において、ドライヤの乾燥のためにドライヤに供給されるドライエアの量は、ドライヤの水分増加量が多い場合は少ない場合より多くなる。例えば、ドライヤの水分増加量に対応するタンク圧増加量に設定比率を掛けた量とすることができる。
(6)当該エア源装置が、
前記ドライヤと前記タンクとの間に設けられた絞り機構と、
前記ドライヤ再生部による前記ドライヤ再生制御の終了時における前記タンク圧に基づいて、前記絞り機構の上流側と下流側との圧力差が設定値以下になった場合の前記タンク圧を推定する定常時タンク圧推定部と
を含む(5)項に記載のエア源装置。
ドライヤ再生制御において、タンクに収容されているドライエアがドライヤを経て大気へ排気させられるが、タンクとドライヤとの間に絞り機構が設けられるため、ドライヤ再生制御の終了時には、タンク圧はドライヤの圧力より大きく、絞り機構の上流側と下流側との間の圧力差は設定値より大きいと推定される。その後、定常状態になって、絞り機構の上流側の圧力と下流側の圧力とがほぼ同じになると、タンク圧は低下する。この低下した後のタンク圧PT6´が、ドライヤ再生制御の終了時のタンク圧PT6、ドライヤの容積Vd等に基づいて推定される。
設定値は0近傍の値であり、絞り機構の上流側と下流側との圧力差が設定値以下になった場合とは、上流側の圧力と下流側の圧力とがほぼ同じである状態をいう。
(7)当該エア源装置が、前記ドライヤ再生部によるドライヤ再生制御の終了後に、前記タンクが前記コンプレッサの吸気側に連通させられ、前記コンプレッサの吐出側から遮断された状態を、予め定められた設定時間保持する行き渡らせ制御部を含む(6)項に記載のエア源装置。
タンクのエアは、コンプレッサの吸気側、コンプレッサ、ドライヤ等に行き渡り、エア源装置全体の圧力がほぼ同じとなるのであり、絞り機構の上流側と下流側との圧力差が設定値以下となる。行き渡らせ制御によって定常状態とされる。
(8)当該エア源装置が、前記定常時タンク圧推定部によって推定された前記タンク圧に基づいて前記行き渡らせ制御の終了時のタンク圧を推定し、その行き渡らせ制御の終了時のタンク圧から前記コンプレッサの始動時におけるタンク圧を引くことにより、タンク圧増加量を取得するタンク圧増加量取得部を含む(7)項に記載のエア源装置。
行き渡らせ制御の終了時には、絞り機構の上流側と下流側との圧力差が設定値以下であり、定常状態にある。そのため、定常時タンク圧推定部によって推定されたタンク圧PT6´に基づいて行き渡らせ制御の終了時のタンク圧PT7が推定される。
(9)前記吸気制御部が、前記吸気開始時のタンク圧PT1と、前記コンプレッサの容積Vc、ドライヤの容積Vd、タンクの容積Vtとに基づいて、前記起算タンク圧PT3を推定し、吸気終了しきい値PT4を決定する推定型しきい値決定部を含む(1)項、(2)項、(5)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のエア源装置。
例えば、吸気制御中の温度変化が小さいと仮定とした場合には、設定タンク圧増加量ΔPTinとした場合、以下の式に示すように、起算タンク圧PT3を推定することができ、吸気終了しきい値PT4を決定することができる。
PT3=PT1×(Vc+Vd+Vt)/Vt
PT4=PT3+ΔPTin
本エア源装置においては、起算前点を検出する必要はなく、吸気制御開始時に吸気終了しきい値PT4を決めておくことができる。
また、吸気開始時のタンク圧PT1が吸気開始しきい値PTiとほぼ同じであると仮定した場合には、吸気制御前に、予め、吸気終了しきい値PT4、再生終了タンク圧PT6を決めることもできる。

Claims (5)

  1. コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを備えたコンプレッサ装置と、
    前記コンプレッサの作動によって供給されたエアを収容するタンクと、
    そのタンクと前記コンプレッサとの間に設けられ、供給されたエアから水分を除去するドライヤと、
    前記コンプレッサ装置の制御により、前記ドライヤを介して前記タンクに供給されて、収容されたエアの圧力であるタンク圧の制御を行うことにより吸気制御を行う吸気制御部と
    を含むエア源装置であって、
    前記吸気制御部が、前記吸気制御の開始時に前記コンプレッサに含まれていたエアと前記ドライヤに含まれていたエアとが前記タンクに供給された時点における前記タンク圧を起算タンク圧として、その起算タンク圧に基づいて前記吸気制御を行うことを特徴とするエア源装置。
  2. 当該エア源装置が、前記コンプレッサの吸入側の部分と当該エア源装置の外部である大気との間に設けられた吸気弁を含み、
    前記吸気制御部が、
    前記タンク圧の増加勾配が開推定しきい値以上減少した場合に、前記吸気弁が閉から開に切り換わったと推定する吸気弁開推定部と、
    その吸気弁開推定部によって前記吸気弁が閉から開に切り換わったと推定された時点における前記タンク圧を起算前タンク圧として、その起算前タンク圧と前記ドライヤの容積とに基づいて、前記起算タンク圧を取得する起算タンク圧取得部とを含む請求項1に記載のエア源装置。
  3. 前記吸気制御部が、
    前記タンク圧が吸気開始しきい値より低くなった場合に前記コンプレッサ装置を始動させ、前記タンク圧が吸気終了しきい値に達した場合に、前記コンプレッサ装置を停止させるコンプレッサ装置制御部と、
    前記吸気終了しきい値を、前記起算タンク圧に予め定められた設定タンク圧増加量を加えた値として決定するしきい値決定部とを含む請求項1または2に記載のエア源装置。
  4. 当該エア源装置が、
    前記ドライヤと前記コンプレッサとの間の部分と当該エア源装置の外部である大気との間に設けられた排気弁と、
    前記タンク圧が前記吸気終了しきい値に達した場合に、前記排気弁を開として、前記タンクに収容されているエアを前記ドライヤを通して大気に排気させるドライヤ再生制御を行うドライヤ再生部とを含む請求項3に記載のエア源装置。
  5. 当該エア源装置が、
    前記ドライヤと前記タンクとの間に設けられた絞り機構と、
    前記ドライヤ再生部による前記ドライヤ再生制御の終了時における前記タンク圧に基づいて、前記絞り機構の上流側と下流側との圧力差が設定値以下になった場合の前記タンク圧を推定する定常時タンク圧推定部と
    を含む請求項4に記載のエア源装置。
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