JP2018076780A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

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Akihiro Ishikawa
晃広 石川
泰成 飯塚
Yasunari Iizuka
泰成 飯塚
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Yuko Takatsuma
裕子 高妻
百合子 福原
Yuriko Fukuhara
百合子 福原
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Abstract

【課題】圧縮機の軸支持部の軸受において、電食による軸受の損傷が発生する。対策として、軸と軸受の間に絶縁部材を設置するが、絶縁部材の材料強度が金属に対して弱くなるため、絶縁部材の摩耗によって摩耗粉が発生し、軸受が損傷する問題がある。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機機構部と、動力を発生する電動機部と、該電動機部の動力を前記圧縮機機構部に伝達するクランク軸と、該クランク軸を回転自在に支持する軸受と、を具備し、前記クランク軸と前記軸受の間には、内周側に前記クランク軸と締結する軸固定部を有し、外周側に前記クランク軸の給油穴から供給された潤滑油を溜める油溜め空間を形成した、略円管状の絶縁部材が配置され、前記クランク軸と前記絶縁部材が同期し、前記絶縁部材と前記軸受が摺動して回転するものとした。【選択図】図3

Description

本発明は、空調機用の冷媒圧縮機に関する。
冷凍空調機器には、通年エネルギー消費効率(APF)の向上による省エネルギー化への対応が求められている。これを達成するため、冷凍空調機器に用いられる冷媒圧縮機の仕様は、永久磁石電動機をインバータ制御する方式が主流となっている。さらに、近年では、急速冷房の要求への対応として、圧縮機運転条件が高回転数・高負荷へと拡大しているため、圧縮機駆動電流が通常運転時のそれより増大する傾向にある。
この圧縮機駆動電流の増大により、電動機の電流がクランク軸に流れ、そこからクランク軸を支持する軸受に流れ、軸受の内外輪と転動体の隙間で放電現象が発生し、軸受が損傷する電食が増えている。そして、この対策として、クランク軸と軸受部との間に絶縁性の高い材料を組付ける方法が知られている。
例えば、特許文献1では、図8、段落0041に「本実施の形態では、軸支持部50の、内輪50a,転動体50b,外輪50cの何れか、あるいは組み合わせとして、絶縁体であるセラミックスとして構成するか、セラミックス膜を内輪50a,転動体50b,外輪50cに形成するか、あるいは、絶縁性の高い樹脂被膜、例えばPPS(ポリフェニレンスルフィド)系樹脂膜を形成させて、軸支持部でのクランク軸51から軸支持部50を通過する電流を遮断させる。この軸支持部周辺の構造と各三相の中性点同士を結線することを組み合わせることで、容積形圧縮機の軸受電流増加を効果的に防ぐものである。なお、軸支持部50の外周側に絶縁性の高い被膜やシートを挟む構造としても同様の効果を得ることができる。」と開示されている。
また、特許文献2では、図5、段落0033、0039に「以上のように第1の実施の形態によれば、回転シャフト5と接地との間の電位差が、軸受け3の寄生容量Cbと、絶縁体41を挟んで寄生する寄生容量Ciとに分圧される。よって軸受け3にかかる電位差を低減でき、以て軸受け3の電食を低減できる。しかも回転シャフト5には金属製のものを採用できるので、強度に優れる。」、「そして第1の実施の形態では絶縁体41が外輪32側に設けられており、第2の実施の形態では絶縁体42が内輪31側に設けられている点で相違はあるものの、軸受内輪面の面積は外輪面に比べて十分小さいため、外輪32に設けられた絶縁体41に要求される厚さを内輪31側に設けられた絶縁体42の厚さとして採用すれば、絶縁体42の静電容量は十分に小さくすることができ、第1の実施の形態と同様に奏功する。」と開示されている。
これらの方法により、軸受部に流れる電流を減少させることができ、電食を防止することができる。
特開2011−259646号公報 特開2008−263698号公報
しかしながら、軸受に絶縁性が高い樹脂材を用いた場合には、金属材のクランク軸と強度が弱い樹脂材の摺動によって樹脂材の摩耗が発生するとともに、樹脂材の摩耗粉によって圧縮機部品の損傷が発生する可能性がある。また、軸受に絶縁性が高いセラミックス材を用いた場合には、軸受の製造コストが大幅に上昇してしまうという問題がある。
本発明は、軸受部品の電食防止のために設けた絶縁部材の摺動による摩耗を抑制し、軸受の損傷を抑え、信頼性の高い圧縮機を、低コストで提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機機構部と、動力を発生する電動機部と、該電動機部の動力を前記圧縮機機構部に伝達するクランク軸と、該クランク軸を回転自在に支持する軸受と、を具備し、前記クランク軸と前記軸受の間には、内周側に前記クランク軸と締結する軸固定部を有し、外周側に前記クランク軸の給油穴から供給された潤滑油を溜める油溜め空間を形成した、略円管状の絶縁部材が配置され、前記クランク軸と前記絶縁部材が同期し、前記絶縁部材と前記軸受が摺動して回転するものとした。
また、本発明の冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機機構部と、動力を発生する電動機部と、該電動機部の動力を前記圧縮機機構部に伝達するクランク軸と、該クランク軸を回転自在に支持する玉軸受と、を具備し、前記クランク軸と前記玉軸受の間には、内周側に前記クランク軸と締結する軸固定部を有し、外周側に前記玉軸受の内輪と締結する内輪側固定部を有する、略円管状の絶縁部材が配置され、前記クランク軸と前記絶縁部材と前記玉軸受の内輪が同期して回転するものとした。
軸受に配置する絶縁部材を低コストの樹脂製とした場合であっても、絶縁部材が摩耗し難い構造となるため、冷媒圧縮機の摺動による軸受の摩耗が抑制され、絶縁部材の摩耗粉が少なくなり、摩耗粉による軸受の損傷や、その他圧縮機内の摺動部分の損傷を抑えることができるため、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
実施例1のスクロール圧縮機の縦断面図。 実施例1による副軸受部の拡大図。 実施例1による絶縁部材の構造図。 実施例2による絶縁部材の構造図。 実施例3による絶縁部材の構造図。 実施例4による副軸受部の拡大図。 実施例4による絶縁部材の構造図。 実施例4による玉軸受の構造図。 実施例4による絶縁部材と玉軸受の組図。
以下、本発明の冷媒圧縮機を説明をするにあたって、スクロール圧縮機を例に説明するが、ロータリー圧縮機など他の圧縮機構を備えた流体圧縮機に適用してもよい。また、軸受部においても玉軸受に適用した場合について説明するが、他の軸受構造においても適用してもよい。
先ず、実施例1の冷媒圧縮機を、図1〜図3を用いて説明する。図1は実施例1のスクロール圧縮機の縦断面図である。ここに示すように、本実施例のスクロール圧縮機1は、圧縮機構部2と、駆動部3と、クランク軸12(クランクピン12a、主軸部12b、副軸部12c)と、を密閉容器30内に収納して構成したものである。
圧縮機構部2は、固定スクロール5と、旋回スクロール6と、フレーム7を基本要素として構成する。固定スクロール5は、固定スクロール渦巻き体5cと固定スクロール天板5bと固定スクロール吐出口5aを基本構成とする。旋回スクロール6は、旋回スクロール渦巻き体6aと旋回スクロール台板6bと旋回スクロール軸受部のすべり軸受6cを基本構成とする。旋回スクロール軸受部のすべり軸受6cは、旋回スクロール台板6bの他側(反渦巻き体側)に垂直に突出して形成する。フレーム7は、クランク軸12の一端を支持するすべり軸受14を配設する部材を構成する。
旋回スクロール6を旋回駆動する駆動部3は、固定子11及び回転子10からなる電動機4と、クランク軸12と、給油ポンプ15と、旋回スクロール6の自転防止機構の主要部品であるオルダムリング13と、クランク軸主軸受のすべり軸受14と、クランク軸副軸受の玉軸受16と、旋回スクロール軸受部のすべり軸受6cを基本要素として構成する。
旋回スクロール軸受部のすべり軸受6cは、クランク軸12のクランクピン12aを回転軸方向であるスラスト方向に移動可能かつ回転自在に係合するように、旋回スクロール6に備える。
オルダムリング13は、旋回スクロール台板6bの背面に配設する。オルダムリング13に形成した直交する2組のキー部分の1組がフレーム7に構成したオルダムリング13の受け部であるキー溝を潤動し、残りの1組が旋回スクロール渦巻き体6aの背面側に構成したキー溝を潤動する。これによって、旋回スクロール6は旋回スクロール渦巻き体6aの立設する方向である軸線方向に垂直な面内を固定スクロール5に対して自転せずに旋回運動する。
圧縮機構部2は、電動機4に連結したクランク軸12の回転により、旋回スクロール6が固定スクロール5に対し自転せずに旋回運動を行い、ガスを吸入パイプ8および吸入口31を介して固定スクロール渦巻き体5cおよび旋回スクロール渦巻き体6aで形成される圧縮室32に吸入する。旋回スクロール6の旋回運動により、圧縮室32は中央部へ移動しながら容積を減少してガスを圧縮し、圧縮ガスを固定スクロール吐出口5aにより密閉容器30に吐出する。さらに吐出パイプ9を経由して密閉容器30から吐出される。これによって、密閉容器30内の空間は吐出圧力に保たされる。圧縮機構部で圧縮する作動流体としては、R410A、R32などのHFC系冷媒を用いている。
クランク軸12の主軸部12bを支持するすべり軸受14は、電動機4の上側に配置され、副軸部12cを支持する玉軸受16は電動機4の下側に配置されている。つまり、すべり軸受14、玉軸受16は、電動機4の両側でクランク軸12を支持する構成である。
給油ポンプ15は、クランク軸12の下端に装着された容積形ポンプである。この給油ポンプ15により、油溜部33に貯留された潤滑用の油を、強制的にポンプ継手12dと給油穴34を介して、玉軸受16、旋回スクロール軸受部のすべり軸受6c、及びすべり軸受14に供給する。給油穴34は、クランク軸内に位置し、クランク軸の軸方向に貫通するように形成する。給油穴34に供給された油は、旋回スクロール6及び固定スクロール5の摺動部にも供給される。また、給油穴34には、すべり軸受14供給するための横給油穴35及び玉軸受部に給油するための横給油穴36が設けている。
玉軸受16は副軸受部37の主要部を構成する。密閉容器30に固定された下フレーム17にハウジング18がボルトにより固定される。ハウジング18に玉軸受16が上方から挿入される。玉軸受16の上方には、さらにハウジングカバー19取り付けられる。ハウジングカバー19は、横給油穴36の開口部分および玉軸受16よりも上方に設置される。このハウジングカバー19により、横給油穴36の開口部から流出した潤滑油が上方(電動機4側)に拡散せず、玉軸受16に供給される。
以下、本実施例の特徴を、図1の副軸受部37を拡大した図2を用いて説明する。ここに示すように、本実施例では、クランク軸12と玉軸受16の間に、樹脂製の絶縁部材50を設置している。この絶縁部材50の設置により、電動機4が駆動し電留が流れているときに、クランク軸12内部から玉軸受16へ流れる電流を遮断することができるため、電流による玉軸受16の電食を防ぐことができる。
クランク軸12への絶縁部材50の締結は、ポンプ継手12dを取り付ける前に、クランク軸の副軸部12c外径に絶縁部材50内径を圧入することにより行う。このとき、クランク軸の副軸部12c先端の外周面にスリットを設け、そこに絶縁部材50の回転止め61(軸固定部)を組付けることで、絶縁部材50の軸方向と回転方向の締結を行う。締結により絶縁部材50は、電動機4駆動時のクランク軸12の回転と同期し、両者は一体となって回転する。このように、本実施例の冷媒圧縮機は、電動機4が駆動しクランク軸12が回転するときには、絶縁部材50の外径と玉軸受16内径が摺動する構造となる。
従って、本実施例では、摺動による絶縁部材50の摩耗を防ぐために、潤滑油の油膜が必要となる。このため、図2では、給油ポンプ15により油溜部33から潤滑油を吸上げ、クランク軸12内部の給油穴34を通り、横給油穴36から玉軸受16へと供給している。供給された潤滑油が、絶縁部材50に設けた空間59に満たされることで、絶縁部材50と玉軸受16の間に油膜を形成することができ、絶縁部材50の摩耗を抑制することができる。
次に、絶縁部材50の外周面に油膜を形成させるために必要な空間59の詳細な構造を図3に示す。ここに示すように、絶縁部材50は、略円管状の形状をしており、半径方向に貫通する貫通穴51と、外周面に上方を向けて設けたスリット52と、内周面下端に設けた回転止め61を有している。図2に示したように、貫通穴51はクランク軸12の横給油穴36と同軸上に設置され、また、貫通穴51とスリット52が接続されているため、横給油穴36から供給された潤滑油は、貫通穴51を介してスリット52に供給され、その潤滑油によって絶縁部材50と玉軸受16の間の油膜が形成される。なお、絶縁部材50は、クランク軸の副軸部12c外径と絶縁部材50内径の圧入と、絶縁部材50の回転止め61を設けているため、クランク軸の回転による貫通穴51とクランク軸12の横給油穴36がズレて、穴同士が塞がることはない。
また、スリット52は上方(電動機4側)に向け開放される一方、下方は閉鎖されているため、余分な潤滑油は上方のハウジングカバー19方向にのみ排出される。つまり、クランク軸12の横給油穴36から絶縁部材50の貫通穴51の経路を通った潤滑油が自重により下方に流れる構造ではないため、空間59に満たされた潤滑油によって、常に玉軸受16の内周面に油膜を形成させることができる。これにより、回転による絶縁部材50外径と玉軸受16内径の摺動による絶縁部材50の摩耗を防ぎつつ、玉軸受16の電食も防ぐことができる。
図4は、本発明における実施例2の絶縁部材50の構造を示す。実施例1と、同一の機能を有する部分については、重複説明を省略する。
図4に示すように、本実施例の絶縁部材50は、略円管状の形状をしており、半径方向に貫通する貫通穴51と、外周面の全周に亘り設けられた略円環状のくぼみ53と、外周面に上方を向けて設けた油出口54と、内周面下端に設けられた回転止め61を有している。なお、絶縁部材50の冷媒圧縮機への設置位置と向き、締結方法は実施例1と同じである。
本実施例では、絶縁部材50の貫通穴51から供給された潤滑油は、外周面に設けられたくぼみ53に溜まる。実施例1と同じく、潤滑油は上方(電動機4側)に設けた油出口54より排出され、自重により下方に流れる構造ではないため、絶縁部材50の外周面に常に油膜を形成させることができる。これにより、回転による絶縁部材50外径と玉軸受16内径の摺動による絶縁部材50の摩耗を防ぎつつ、玉軸受16の電食も防ぐことができる。なお、くぼみ53の形状は図4に示すものに限定されず、上述した作用を得ることができる他の形状であっても良い。
図5は、本発明における実施例3の絶縁部材50の構造を示す。実施例1または実施例2と、同一の機能を有する部分については、重複説明を省略する。
図5に示すように、本実施例の絶縁部材50は、略円管状の形状をしており、半径方向に貫通する貫通穴51と、外周面に上方を向けて設けた油出口54と、外周面を窪ませた複数の給油ポケット55と、給油ポケット55を接続する油通路56と、内周面下端に設けられた回転止め61を有している。なお、絶縁部材50の冷媒圧縮機への設置位置と向き、締結方法は実施例1と同じである。
本実施例では、絶縁部材50の貫通穴51から供給された潤滑油は、油通路56を通り、各給油ポケット55に溜まる。実施例1と同じく、潤滑油は上方(電動機4側)に設けた油出口54より排出され、自重により下方に流れる構造ではないため、絶縁部材50の外周面に常に油膜を形成させることができる。これにより、回転による絶縁部材50外径と玉軸受16内径の摺動による絶縁部材50の摩耗を防ぎつつ、玉軸受16の電食も防ぐことができる。なお、給油ポケット55の形状、大きさ、数や、油通路56の形状、大きさ、給油ポケット55間の繋げ方は、図5に示すものに限定されず、上述した作用を得ることができる他の構成であっても良い。
次に、図6〜9を用いて、本発明における実施例4の冷媒圧縮機を説明する。なお、既に説明した符号の構成と、同一の機能を有する部分については、重複説明を省略する。
図6は、本実施例の冷媒圧縮機の副軸受部37近傍を拡大した図である。実施例1と同様に本実施例でも、クランク軸12の横給油穴36は、絶縁部材50及び玉軸受16の上方(電動機4側)に設けている。
図7は、本実施例の絶縁部材50の構造を示す。ここに示すように、本実施例の絶縁部材50は、外周面上端に突起57を設け、内周面下端に回転止め61を設けた構造となっている。また、図8の斜視図は玉軸受16の構造を示す。玉軸受16の内輪の上面に切りかき58を設ける。図9は本実施例の玉軸受16と絶縁部材50を組付けた図である。このように、絶縁部材50の突起57を玉軸受の内輪の切りかき58に設置させることにより、絶縁部材50が軸60に対して回転した場合、絶縁部材50の突起57と玉軸受16の内輪の切りかき58が接触しているため、絶縁部材50と玉軸受16の内輪は同期して回転する。ここで、図6にも示したように、本実施例では、クランク軸12と絶縁部材50も同期回転するため、クランク軸12、絶縁部材50、玉軸受16の内輪の三者が同期回転することになる。これにより、クランク軸12と絶縁部材50の間、および、絶縁部材50と玉軸受16の間で、絶縁部材50が摩耗し、摩耗粉が発生することがない。
なお、絶縁部材50の突起57と玉軸受16の内輪の切りかき58の組付けは、軸60の回転の同期と組付け易さから、中間ばめ程度の隙間を絶縁部材の突起57と玉軸受内輪の切りかき58に設けることが望ましい。
実施例1〜3では、絶縁部材50とクランク軸12を締結し、電動機4の駆動時に絶縁部材50の外周面が玉軸受16の内周面を摺動して回転する構造であったため、ここに積極的に油膜を形成することで絶縁部材50の摩耗を抑制し、摩耗粉の発生を防止する構成であった。
これに対し、本実施例のように、絶縁部材50と玉軸受16の内輪を組付けし、電動機4駆動時に絶縁部材50がクランク軸12および玉軸受16の内輪と同期回転する構造とし、絶縁部材50から摺動する部分を排除することによっても、摩耗を無くし、摩耗粉の発生を防止することができる。
以上で説明した、本実施例の構造により、副軸受部37に絶縁部材50を設置するだけで、絶縁部材50の摩耗が発生することがなく、玉軸受16の電食を防ぐことができる。なお、絶縁部材の突起57の形状、大きさ、数や、玉軸受16の内輪の切りかき58の形状、大きさ、数は、図7〜9に示すものに限定されず、上述した作用を得ることができる他の構成であっても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1 スクロール圧縮機
2 圧縮機構部
3 駆動部
4 電動機
5 固定スクロール
5a 固定スクロール吐出口
5b 固定スクロール天板部
5c 固定スクロール渦巻き体
6 旋回スクロール
6a 旋回スクロール渦巻き体
6b 旋回スクロール台板
6c 旋回スクロール軸受部のすべり軸受
7 フレーム
8 吸入パイプ
9 吐出パイプ
10 回転子
11 固定子
12 クランク軸
12a クランクピン
12b 主軸部
12c 副軸部
12d ポンプ継手
13 オルダムリング
14 すべり軸受
15 給油ポンプ
16 玉軸受
17 下フレーム
18 ハウジング
19 ハウジングカバー
30 密閉容器
31 吸入口
32 圧縮室
33 油溜部
34 給油穴
35 横給油穴
36 横給油穴
50 絶縁部材
51 貫通穴
52 スリット
53 くぼみ
54 油出口
55 給油ポケット
56 油通路
57 絶縁部材の突起
58 玉軸受内輪の切りかき
59 空間
60 軸
61 回転止め

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機機構部と、
    動力を発生する電動機部と、
    該電動機部の動力を前記圧縮機機構部に伝達するクランク軸と、
    該クランク軸を回転自在に支持する軸受と、を具備し、
    前記クランク軸と前記軸受の間には、内周側に前記クランク軸と締結する軸固定部を有し、外周側に前記クランク軸の給油穴から供給された潤滑油を溜める油溜め空間を形成した、略円管状の絶縁部材が配置され、
    前記クランク軸と前記絶縁部材が同期し、前記絶縁部材と前記軸受が摺動して回転することを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 請求項1に記載の冷媒圧縮機において、
    前記油溜め空間は、前記給油穴と連通する貫通穴と、該貫通穴と接続する前記クランク軸に平行なスリットからなることを特徴とする冷媒圧縮機。
  3. 請求項1に記載の冷媒圧縮機において、
    前記油溜め空間は、前記給油穴と連通する貫通穴と、該貫通穴と接続する略環状のくぼみからなることを特徴とする冷媒圧縮機。
  4. 請求項1に記載の冷媒圧縮機において、
    前記油溜め空間は、前記給油穴と連通する貫通穴と、前記絶縁部材の外周面に設けられた給油ポケットと、前記貫通穴と前記給油ポケットを接続する油通路と、からなることを特徴とする冷媒圧縮機。
  5. 冷媒を圧縮する圧縮機機構部と、
    動力を発生する電動機部と、
    該電動機部の動力を前記圧縮機機構部に伝達するクランク軸と、
    該クランク軸を回転自在に支持する玉軸受と、を具備し、
    前記クランク軸と前記玉軸受の間には、内周側に前記クランク軸と締結する軸固定部を有し、外周側に前記玉軸受の内輪と締結する内輪側固定部を有する、略円管状の絶縁部材が配置され、
    前記クランク軸と前記絶縁部材と前記玉軸受の内輪が同期して回転することを特徴とする冷媒圧縮機。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の冷媒圧縮機であって、
    前記絶縁部材は樹脂製であることを特徴とする冷媒圧縮機。
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