JP2011190779A - スクロール流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】バランスウエイトを軽量化できるスクロール流体機械を得る。
【解決手段】スクロール流体機械は、固定スクロールと、この固定スクロールと噛合う旋回スクロール800と、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸200と、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部202に軸方向移動可能に係合される軸支持部105とを備えている。また、この偏心ピン部にはバランスウエイト415が挿入固定されている。更に、バランスウエイトと旋回スクロールとの間には上部シール部101が、バランスウエイトとフレームとの間には下部シール部102が設けられ、この下部シール部に対向するバランスウエイトの下面には中央部空間の潤滑油を低圧空間に間歇的に供給するための小穴414が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機,真空ポンプ,膨張機などに用いられる容積形流体機械の一種であるスクロール流体機械に係り、特にスクロール圧縮機に好適なものである。
スクロール圧縮機は、冷凍・空調機器用の圧縮機として様々な分野で広く活用されており、他の方式の圧縮機に比べて高効率、高信頼性、静音などの優位性を備えている。
従来のスクロール流体機械としては、例えば特許文献1(特開平8−121366号公報)に示すものがある。この文献には、旋回スクロール部材とフレームとの間にシール部材を設けると共に、前記旋回スクロール部材の反ラップ側には背圧室が形成されている。前記背圧室は、前記シール部材により、ほぼ吐出圧力に等しい圧力を有する中心部側の第1の空間と、吸入圧力と吐出圧力の中間の圧力に維持される外周部側の第2の空間を有している。前記第1の空間には、密閉容器底部に溜められた潤滑油が導かれ、前記第2の空間は、固定スクロールと旋回スクロールとで形成される圧縮途中の圧縮空間と、前記旋回スクロールの鏡板に形成された小孔を介して連通されている。また、前記第1の空間は圧縮機底部側と排油路や排油パイプで連通され、第1空間内の潤滑油を密閉容器内の底部へ戻すように構成されている。更に、この特許文献1のものでは、バランスウェイトは前記フレーム下部で、電動機のロータ上部のクランク軸に固定されている。
特許文献2(特開2004−100609号公報)のものには、第1フレームと旋回スクロールの間に第2フレームを配置し、この第2フレームと前記第1フレームとの間のクランク軸にバランスウエイトを固定したものが記載されている。
また、上記特許文献1,2のものでは何れも、前記バランスウェイトを固定したクランク軸は前記フレームに設けられた軸受により片持ち支持構造となっている。
特開平8−121366号公報 特開2004−100609号公報
上記特許文献1のものでは、バランスウエイトが、軸受を介して旋回スクロールから離れた位置の電動機部側のクランク軸に固定された構造のため、回転バランスを保つためにはバランスウエイト重くする必要がある。このため、バランスウエイトを大きしてするか密度の大きな材料で構成する必要があり、原価上昇を招く。また、クランク軸を支持する軸受には大きな回転モーメントが作用するため、軸受負荷も大きくなり、クランク軸の変形も抑制できない。前記回転モーメントを軽減するためには電動機のロータ下部にも大きなバランスウエイトを設ける必要がある。
上記特許文献2のものでは、第2フレームを設ける必要があるため構造が複雑になり、また第2フレームがあるため、特許文献1と同様に、バランスウエイトは旋回スクロールから離れた位置のクランク軸に固定せざるを得ない。このため、バランスを取るためには重量の大きなバランスウエイトを設ける必要があった。
本発明の目的は、バランスウエイトを軽量化できるスクロール流体機械を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、固定スクロールと、この固定スクロールと噛合う旋回スクロールと、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸と、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部に軸方向移動可能に係合される軸支持部とを備えたスクロール流体機械において、前記偏心ピン部に挿入固定されたバランスウエイトを備えていることを特徴とする。
本発明の他の特徴は、鏡板に渦巻状のラップを立設した固定スクロールと、この固定スクロールのラップと噛合うラップを鏡板に立設した旋回スクロールと、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸と、このクランク軸と一体に構成されたロータを有する電動機と、前記クランク軸を支持する軸受を備えたフレームと、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部に軸方向移動可能に係合される軸支持部と、これらを収容すると共に前記フレームを固定するための密閉容器とを備えたスクロール流体機械において、前記クランク軸の偏心ピン部にバランスウエイトが挿入固定されていることにある。
本発明の更に他の特徴は、固定スクロールと、この固定スクロールと噛合うラップを鏡板に立設した旋回スクロールと、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸と、このクランク軸を回転させるための駆動機と、前記クランク軸を支持する軸受を備えたフレームと、前記旋回スクロール部材の自転を防止して旋回運動をさせるためのオルダムリングと、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部に軸方向移動可能に係合される軸支持部と、これらを収容する密閉容器と、該密閉容器内の下部に設けられた油溜り部と、この油溜り部の油を前記軸支持部内の中央部空間に導くために前記クランク軸に形成された給油路とを備えたスクロール流体機械において、前記偏心ピン部に挿入固定されたバランスウエイトと、このバランスウエイトと前記旋回スクロールの軸支持部間をシールするシール部と、前記バランスウエイトと前記フレーム間をシールするシール部とを備え、前記シール部により、前記旋回スクロールの鏡板背面を、内側の前記中央部空間と外側の低圧空間に分離し、前記オルダムリングは前記低圧空間に配設され、前記中央部空間に供給された潤滑油の一部が前記シール部を介して前記低圧空間に流入し、前記オルダムリングを潤滑する構成としたことにある。
本発明によれば、バランスウエイトを軽量化できるスクロール流体機械を得ることができる効果がある。
本発明のスクロール流体機械の実施例1を示す縦断面図。 図1の要部を拡大して示す要部拡大断面図。 図1、図2に示すバランスウエイトの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は下面図。
以下、本発明の具体的実施例を、図1、図2、図3を用いて説明する。
図1により実施例1のスクロール流体機械の全体構造を説明する。
スクロール流体機械1は、密閉容器2内に設けられた圧縮部と、圧縮部を駆動するための電動機(駆動機)部とで構成されている。また、密閉容器2には、前記圧縮部へ作動ガス(冷媒など)を導入するための吸入管5、密閉容器内の高圧ガスを吐出するための吐出管701が設けられている。
前記圧縮部の基本要素は、固定スクロール100、旋回スクロール800及びフレーム400であり、フレーム400は密閉容器2に固定されている。前記固定スクロール100は渦巻状のラップ103、このラップを立設している鏡板104及び吐出口160がその基本構成であり、旋回スクロール800は、渦巻状のラップ103、このラップを立設している鏡板104及び軸支持部105がその基本構成である。固定スクロール100と旋回スクロール800を噛合せて形成される圧縮室130の容積は、旋回スクロール800が旋回運動することにより減少し、圧縮動作が行われる。旋回スクロール800の旋回運動に伴って、作動ガスが吸込管5及び吸込空間15を経由して圧縮室130へ吸込まれ、圧縮行程を経て固定スクロール上部に設置された吐出口160から吐出空間16へ吐出されて、密閉容器2と圧縮部との間に形成されている通路を介して、前記電動機部側の空間に流れ、潤滑油を分離して吐出管701から密閉容器外に吐出される。従って、前記電動機部側の空間は油溜り部10も含めて前記吐出ガスと同等の圧力の高圧空間となっている。
旋回スクロール800を旋回駆動させる電動機部は、回転駆動機を誘導電動機とした場合のステータ600とロータ601で構成され、前記ロータ601にはクランク軸200が一体に固定され、このクランク軸200の前記圧縮部側端部は偏心ピン部202となっていて、前記旋回スクロール800の軸支持部(旋回ボス部)105とすべり軸受(旋回軸受)301を介して係合され、旋回スクロール800を旋回運動させる。また、旋回スクロール800の軸支持部105とクランク軸の偏心ピン部202とは軸方向に移動可能で且つ回転自在に係合されている。500は旋回スクロール800の自転を防止するためのオルダムリングである。
前記フレーム400には、前記クランク軸200を回転自在に支持するためのころがり軸受(主軸受、軸受)300が設けられている。このころがり軸受300は、電動機よりも圧縮部側に配置されている。前記オルダムリング500は、旋回スクロール800と共に、前記フレーム400と前記固定スクロール100により形成された空間に配設されている。前記オルダムリング500には直交する2組のキー部分が形成されており、その1組は前記フレーム400のオルダムリング受部に形成したキー溝401と係合され、残りの1組は旋回スクロール800の鏡板背面に形成したキー溝に係合され、これらの部材と滑動する構成となっている。
前記固定スクロール100は前記フレーム400に、ボルトなどの機械的締結手段と位置決め手段を併用して結合されている。
なお、前記クランク軸200の下端側は密閉容器2に補助フレーム3を介して固定された副軸受(玉軸受)4により支持されている。
図2は図1の要部拡大図で、フレーム400と固定スクロール100とで形成される空間部付近の図である。
フレーム400と旋回スクロール800間に形成された空間には、前記旋回スクロール800の旋回運動に伴う回転アンバランスを除去するためのバランスウエイト415が配設され、前記クランク軸200の偏心ピン部202の下端部に、クランク軸のつば部204と旋回スクロールの軸支持部105との間に挟まれるように固定されている。このバランスウエイト415の構造を図3により説明する。
図3の(a)図はバランスウエイト415の平面図、(b)図はその縦断面図、(c)図はその下面図である。バランスウエイトの前記偏心ピン部202への固定部(内周面)には、軸方向に形成された油の通し溝421が周方向に複数個形成されている。また、バランスウエイト上面の前記軸支持部105下端面に対向する部分には、バランスウエイトと前記軸支持部との間をシールするように、環状凹溝状の上部シール部101が形成され、この上部シール部101にはシール部材101a(図2参照)が設けられている。更に、前記バランスウエイト下面には複数個の小穴414が(c)図に示すように同一円周上に形成されている。
図2に示すように、前記バランスウエイト下面の小穴414を形成した部分に対向する前記フレーム400の上面には、バランスウエイトとフレームとの間をシールするように、環状凹溝状の下部シール部102が形成され、この下部シール部102にもシール部材102aが設けられている。
前記小穴414は、前記偏心ピン部202が偏心運動すると、その偏心運動と共に偏心運動し、前記下部シール部102を跨いで、該下部シール部の内側と外側を往復するように構成されている。前記上部シール部101及び下部シール部102により、前記フレーム400と固定スクロール100とで形成される空間を、中央部側の高圧の中央部空間460と、外周部側の中間圧室412とに分割している。
なお、前記クランク軸の偏心ピン部202端面と対向する旋回スクロール部材の背面部(前記中央部空間460の部分)には、クランク軸200のスラスト受部104aが形成されている。
図1に示すように、前記クランク軸200内には、密閉容器下部に形成した油溜り部10と旋回スクロールの前記軸支持部(旋回ボス部)105内とを連通するように、貫通する給油路203が形成されており、油溜り部10に溜められた潤滑油を、クランク軸200の回転により、給油ポンプ900が作動して、前記旋回スクロールの軸支持部105などに供給する。
即ち、油溜り部10の油は、給油路203から、クランク軸の偏心ピン部202上部の中央部空間(旋回ボス部内空間、高圧室)460に達し、その後旋回スクロール800の軸支持部105に設けられているすべり軸受け301を潤滑した後、バランスウエイト415の内周部に形成した油の通し溝421(図3参照)を通過し、クランク軸外周空間302、つば部外周空間201を通って、ころがり軸受300を潤滑し、排油パイプ140を通って前記油溜り部10に返油される。
また、前記中央部空間460(図2参照)に供給された潤滑油の一部は、すべり軸受301を潤滑後、前記上部シール部101及び下部シール部102を通過して前記中間圧室412に流入する。中間圧室412に流入した潤滑油は、前記オルダムリング500などを潤滑後、旋回スクロール外周側空間411に流入し、旋回スクロール外周部の鏡板部などを潤滑して、圧縮部の吸込室(固定スクロールと旋回スクロールで形成された吸込空間)に流れ、吸込ガスと共にスクロールラップ間も潤滑して、吐出口160から吐出される。
前記中間圧室412側に流れる油は、前記上部シール部101及び下部シール部102があるため、微量(必要量だけ)であり、大部分の油はクランク軸外周空間302、つば部外周空間201を通過して前記ころがり軸受300に流れ、これを潤滑した後、排油パイプ140から油溜り部10へ戻される。
このように、本実施例によれば、旋回スクロール800の軸支持部105に設けられたすべり軸受301を潤滑後のほとんどの油は、フレーム400に設けた転がり軸受300を潤滑した後、前記油溜り部10に還油されるから、吸込管5から吸入された作動ガスに混入される潤滑油の量を必要最低限にすることができる。
前述したように、前記中間圧室412に配設された前記オルダムリング500の摺動部などを潤滑するため、前記上部シール部101及び下部シール部102の部分から、前記すべり軸受301を潤滑後の油の一部を、潤滑に必要な微量だけ中間圧室412側に流す必要がある。このため、本実施例では、すべり軸受301を潤滑後の油を一定量づつ断続的に中間圧室412側に供給できるよう、前記小穴414が設けられている。この小穴414は潤滑に必要な量を確保できるよう、その個数と大きさが決められている。
前記上部シール部101及び下部シール部102により、これらシール部101,102の内周側はほぼ吐出圧力の高圧室となっており、前記シール部101,102の外周側は、ほぼ吐出圧力の中央部空間460の圧力と、前記圧縮部の吸込室の圧力(吸込圧力)との中間的な圧力状態である中間圧室412となっている。即ち、前記シール部101,102を介して、中央部空間460の高圧流体(主に潤滑油)が微量漏れるのと、前記小穴414が前記下部シール部を跨いで中央部空間460と中間圧室412とを往復する際に、中央部空間460の高圧流体が一旦小穴414溜り、前記中間圧室412側に移動した時に前記小穴414に溜まっていた高圧流体が中間圧室412に放出されることにより、前記中間圧室412は、前記吐出圧力と吸込圧力の中間的な圧力に保たれる。
また、前記中央部空間460の高圧(吐出圧力)と前記中間圧室412の中間圧力(吸込圧力と吐出圧力の間の圧力)により、前記旋回スクロールの鏡板104背面を前記固定スクロール100方向へ適度な力で押付け、前記圧縮室130の気密性を保持している。
上述したように、本実施例では、中間圧室412にバランスウエイト415を配設すると共に、このバランスウエイト415はクランク軸の偏心ピン部202に挿入されて固定され、このバランスウエイトと旋回スクロールとの間に前記上部シール部101を、前記バランスウエイトと前記フレームとの間には前記下部シール部102を設ける構成としているので、以下の効果が得られる。
(1)バランスウエイト415を、旋回スクロール800と共に、上方からクランク軸200に組込むことが可能になる。また、上記特許文献2に記載のような第2のフレームを設けることなく、簡単な構成で中間圧室412も形成でき、旋回スクロールを適切な力で固定スクロールに押圧することもできる。
(2)バランスウエイト415を旋回スクロール800に近接させて設けることができるので、バランスウエイト415をより軽量化することができる。これにより、クランク軸200に作用する荷重やモーメントも小さくできるから、クランク軸の変形を抑制でき、クランク軸を支持する軸受への片当りや軸受荷重も小さくできるから軸受負荷も軽減できる効果も得られる。
(3)特許文献2に記載のような第2フレームが不要となりから、部品点数を増加する必要がなく、またバランスウエイトの軽量化を図れるため、安価なスクロール流体機械を得ることができる。
また、本実施例では、バランスウエイト415とフレーム400間をシールする前記シール部に対向する位置に、前記旋回スクロールの旋回運動に伴って前記シール部を跨いで前記中央部空間と前記低圧空間に交互に面するように小穴414を設け、この小穴414により中央部空間の油を間歇的に中間圧室側に漏れ込む構成としているため、中間圧室側に漏れ込む潤滑油の量を必要最小限の量にすることが容易に可能となり、圧縮部の吸込みガス中に混入する潤滑油の量を必要最小限にすることも可能になる。これにより、高温の潤滑油が吸込管通過後の作動ガスと混合することで、高温の潤滑油が圧縮される作動ガスを過熱してしまう現象を抑制でき、また潤滑油中に溶け込んだ冷媒などの作動流体が発泡して前記吸込管から吸入された作動ガスと共に再圧縮されることも抑制できる。即ち、本実施例によれば、高温の潤滑油が吸込ガスに混入することによる、給油過熱漏洩損失を低減でき、エネルギー効率の低下も抑制できる。
1…スクロール流体機械
2…密閉容器
3…補助フレーム
4…副軸受
5…吸込管
10…油溜り部
15…吸込空間
16…吐出空間
100…固定スクロール
101…上部シール部(101a…シール部材)
102…下部シール部(102a…シール部材)
103…ラップ
104…鏡板(104a…スラスト受部)
105…軸支持部
130…圧縮室
140…排油パイプ
160…吐出口
200…クランク軸
201…つば部外周空間
202…偏心ピン部
203…給油路
204…つば部
300…ころがり軸受(主軸受、軸受)
301…すべり軸受
302…クランク軸外周空間
400…フレーム
401…キー溝
412…中間圧室(低圧空間)
413…バランスウエイト外周部空間
414…小穴
415…バランスウエイト
421…油の通し溝
460…中央部空間
500…オルダムリング
600…ステータ
601…ロータ
701…吐出管
800…旋回スクロール
900…給油ポンプ。

Claims (10)

  1. 固定スクロールと、この固定スクロールと噛合う旋回スクロールと、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸と、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部に軸方向移動可能に係合される軸支持部とを備えたスクロール流体機械において、
    前記偏心ピン部に挿入固定されたバランスウエイトを備えていることを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 請求項1において、前記旋回スクロールを駆動するための電動機を備え、この電動機のロータに前記クランク軸は一体に固定され、このクランク軸はフレームにころがり軸受を介して支持されていることを特徴とするスクロール流体機械。
  3. 鏡板に渦巻状のラップを立設した固定スクロールと、この固定スクロールのラップと噛合うラップを鏡板に立設した旋回スクロールと、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸と、このクランク軸と一体に構成されたロータを有する電動機と、前記クランク軸を支持する軸受を備えたフレームと、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部に軸方向移動可能に係合される軸支持部と、これらを収容すると共に前記フレームを固定するための密閉容器とを備えたスクロール流体機械において、
    前記クランク軸の偏心ピン部にバランスウエイトが挿入固定されていることを特徴とするスクロール流体機械。
  4. 請求項3において、前記クランク軸の偏心ピン部下部につば部を設け、前記バランスウエイトはこのつば部と前記旋回スクロールの軸支持部との間の偏心ピン部に固定されていることを特徴とするスクロール流体機械。
  5. 固定スクロールと、この固定スクロールと噛合うラップを鏡板に立設した旋回スクロールと、この旋回スクロールを旋回駆動するためのクランク軸と、このクランク軸を回転させるための駆動機と、前記クランク軸を支持する軸受を備えたフレームと、前記旋回スクロール部材の自転を防止して旋回運動をさせるためのオルダムリングと、前記旋回スクロールの背面に設けられ前記クランク軸の偏心ピン部に軸方向移動可能に係合される軸支持部と、これらを収容する密閉容器と、該密閉容器内の下部に設けられた油溜り部と、この油溜り部の油を前記軸支持部内の中央部空間に導くために前記クランク軸に形成された給油路とを備えたスクロール流体機械において、
    前記偏心ピン部に挿入固定されたバランスウエイトと、
    このバランスウエイトと前記旋回スクロールの軸支持部間をシールするシール部と、
    前記バランスウエイトと前記フレーム間をシールするシール部とを備え、
    前記シール部により、前記旋回スクロールの鏡板背面を、内側の前記中央部空間と外側の低圧空間に分離し、
    前記オルダムリングは前記低圧空間に配設され、
    前記中央部空間に供給された潤滑油の一部が前記シール部を介して前記低圧空間に流入し、前記オルダムリングを潤滑する構成としたことを特徴とするスクロール流体機械。
  6. 請求項5において、前記中央部空間はほぼ吐出圧の高圧空間であり、前記低圧空間は吐出圧と吸込圧の間の中間圧室に構成され、前記給油路を介して前記中央部空間に供給された潤滑油の一部が前記シール部を介して前記低圧空間に流入し、前記オルダムリングを潤滑した後、前記固定スクロールと旋回スクロールで形成された吸込室に流入する構成としたことを特徴とするスクロール流体機械。
  7. 請求項5または6において、バランスウエイトとフレーム間をシールする前記シール部に対向する位置に、前記旋回スクロールの旋回運動に伴って前記シール部を跨いで前記中央部空間と前記低圧空間に交互に面するように小穴を設けたことを特徴とするスクロール流体機械。
  8. 請求項7において、前記シール部は、バランスウエイトの上部と旋回スクロールの軸支持部間をシールすると共に前記バランスウエイトの上部に設けられた上部シール部と、前記バランスウエイトの下部と前記フレーム間をシールすると共に前記フレーム側に設けられた下部シール部とを備え、前記小穴は前記バランスウエイトの下面に形成されていることを特徴とするスクロール流体機械。
  9. 請求項7または8において、前記小穴は同一円周上に複数個設けられていることを特徴とするスクロール流体機械。
  10. 請求項5〜9の何れかにおいて、前記オルダムリングの内周面には潤滑油を通過させるために軸方向に形成された油の通し溝が周方向に複数個形成され、この油の通し溝を通過した潤滑油の一部を前記小穴を介して前記低圧空間に供給すると共に、残りは前記クランク軸を支持する軸受を潤滑後、排油パイプを介して前記油溜り部に戻される構成としたことを特徴とするスクロール流体機械。
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