JP2018076418A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Download PDF

Info

Publication number
JP2018076418A
JP2018076418A JP2016218420A JP2016218420A JP2018076418A JP 2018076418 A JP2018076418 A JP 2018076418A JP 2016218420 A JP2016218420 A JP 2016218420A JP 2016218420 A JP2016218420 A JP 2016218420A JP 2018076418 A JP2018076418 A JP 2018076418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
water
ballpoint pen
ball
ink composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016218420A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6779573B2 (ja
Inventor
いつ香 森
Itsuka Mori
いつ香 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp
Original Assignee
Pilot Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp filed Critical Pilot Corp
Priority to JP2016218420A priority Critical patent/JP6779573B2/ja
Publication of JP2018076418A publication Critical patent/JP2018076418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6779573B2 publication Critical patent/JP6779573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】水性媒体への安定性が高く、経時によりインキ中で析出することがない新規の添加剤を用いることで、長期的に高い潤滑効果を付与でき、ボールの回転によるボール受け座の摩耗や、高速回転時の吐出不良に伴う線飛びの発生を抑制することが可能となるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンの提供。【解決手段】着色剤と、水と、式(1)で示すアミドアミン化合物と、を少なくとも含有するボールペン用水性インキ組成物及び前記組成物を内蔵したボールペン。〔R1はC11〜17のアルキル基;R2は−CH2CH(OH)CH2SO3−又は−O−;nは2〜4の整数〕【選択図】なし

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物に関する。更には、潤滑性能に優れ、高い筆記性能を備えたボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。
従来、油性インキに比べて潤滑性が乏しい水性インキを内蔵したボールペンにおいては、ボールの回転によるボール受け座の摩耗が発生し易い。その結果、ボールペンチップ内のインキ流通路が変形してしまい、インキの吐出不良や漏れ等を生じることがあった。そのため、筆記した際の筆記感が損われたり、筆記不良をきたすという問題があった。
そこで、前記問題を解決するために、インキ組成物中にアミノ酸型ベタインやメルカプトチアジアゾール等を潤滑剤として添加し、水性インキの潤滑性を向上させてボール受け座の摩耗を低減する試みが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平10−67961号公報 特開平8−92519号公報
しかしながら、前記文献1に例示される炭素数1〜22のアルキル基を有するアミノ酸型ベタインは潤滑効果が低いため、充分な効果を付与するのには多量の添加が必要となる。その際、特に炭素数が大きいものは水性媒体への安定性に乏しいため、経時によりインキ中で析出する等の不具合を生じ易いものであった。また、メルカプトチアジアゾールの添加では、前記アミノ酸型ベタインよりも潤滑効果が得られるものの、水性媒体への安定性が十分ではないため、経時によりインキ中で析出する等して、ボール受け座の摩耗を充分に抑制することができず、インキ吐出不良を生じて筆記距離が短くなることがあった。
特に、ボール径が小径のものを用いる極細、超極細ボールペンを適用する場合、筆記距離に対するボールの回転数と回転速度が増加するためにより過酷な条件となり、高速回転するボールにインキが乗らずに筆跡に線飛びが生じることや、筆記距離によっては座摩耗を生じてしまうことがある。
本発明は、水性媒体への安定性が高く、経時によりインキ中で析出することがない新規の添加剤を用いることで、長期的に高い潤滑効果を付与でき、ボールの回転によるボール受け座の摩耗や、高速回転時の吐出不良に伴う線飛びの発生を抑制することが可能となるボールペン用水性インキ組成物を提供するものである。特に、極細ボールペンにおいても良好なインキ吐出性を長距離の筆記に亘って確保でき、初期と同等の優れた筆記感を長期的に維持できるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供するものである。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、着色剤と、水と、下記一般式(1)で示すアミドアミン化合物を少なくとも含有することを要件とする。
Figure 2018076418
〔式中、Rは炭素数11〜17のアルキル基であり、Rは−CHCH(OH)CHSO 又は−Oであり、nは2〜4のいずれかの整数である。〕
更に、前記アミドアミン化合物がインキ組成物全量中0.05〜5質量%の範囲で添加されることを要件とする。
更には、前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンを要件とし、前記ボールペンが直径0.5mm以下のボールを筆記先端部に備えることを要件とする。
本発明により、添加剤がインキ中に析出することなく高い潤滑性能と吐出安定性能を付与でき、ボールの高速回転によるボール受け座の摩耗やインキの吐出不良を効果的に抑制できるので、小径ボールを適用する激細ボールペンにおいてもカスレやボテ、線飛び等の筆跡不良を生じることなく均一な筆跡が得られ、初期と同等の優れた筆記感を長距離、長期間に亘って持続できる水性ボールペン用インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供できる。
本発明は、ボールペン用水性インキ組成物中に、前記一般式(1)で示すアミドアミン化合物を一種類単独又は二種類以上を併用して添加することで、高い潤滑効果を付与してボールの回転に伴うボール受け座の摩耗を長期的に抑制でき、更に高速回転時に生じるインキ吐出不良を抑制できるものである。
前記アミドアミン化合物は、置換基としてアミド基と、前記Rのような長鎖の炭化水素基と、前記Rのような陰イオン性官能基とを備えているため、従来のサルコシンやアミノ酸型ベタインに比べて水性媒体中で安定して存在し、長期間に亘って高い潤滑効果を発現するとともに、ボール表面へのインキ乗りを向上することでインキ吐出安定性を付与できるものである。
尚、前記アミドアミン化合物は、インキ組成物全量中0.05〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜1質量%の範囲で添加されることがより好ましい。前記範囲のような少量であっても高い効果が発現できる。
前記着色剤としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、一般的なカーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、更には熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示すものや、特開2006−137886号公報、特開2006−188660号公報、特開2008−45062号公報、特開2008−280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させ加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%の範囲で用いられる。
更に必要に応じて、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60質量%、好ましくは5〜35質量%の範囲で用いられる。
更に、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することが好ましい。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1〜30質量%の範囲で用いられる。
また、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、金属石鹸等、汎用の潤滑剤を併用することもできる。特に、リン酸エステル系界面活性剤(リン酸エステル)は併用時の相乗効果が高く有用である。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
更に、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α−トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、α−リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
また、インキ組成物中に剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100〜800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、ポリN−ビニルカルボン酸アミド、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示でき、更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加しても安定した剪断減粘性を付与できる。
前記構成からなるインキ組成物の粘性特性としては、高剪断減粘性の所謂ゲルインキや、インキ保溜部材等を用いる際に適用される低粘度、低剪断減粘性の所謂ニュートニアンインキ(剪断減粘性付与剤を含まないインキ)等いずれであってもよい。
筆記具の構造上、インキ保溜部材等での析出物による筆記不良が生じ易いことから、溶解安定性の高い本発明のインキ組成物は低粘度、低剪断減粘性のインキで特に有用である。
前記ボールペン用水性インキ組成物を充填するボールペンの構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、ペン先(ボールペンチップ)にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材をペン先との間に介在させる構造、ペン先を直接又は接続部材を介して連結した軸筒にインキとインキ逆流防止体(液栓)を収容した構造、インキ収容管にインキとインキ逆流防止体を収容したボールペンレフィルを外軸内に収容した構造等を例示でき、キャップ式、出没式のいずれを用いることもできる。尚、出没式としては、前記レフィルを複数本収容する形態であってもよい。
前記ボールペンレフィルに適用されるインキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することも可能である。
前記ボールペンの筆記先端部(チップ)の構造は、従来汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなる汎用のものが適用でき、直径0.15mm〜2.0mm、好ましくは0.18mm〜1.0mmの範囲のものが好適に用いられる。特に、ボール径が0.5mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多くなることから、本発明のインキがより好適に作用する。そのため、ボール径がより小さい0.4mm、0.38mm、0.35mm、0.3mm、0.28mm、0.25mm、0.18mm等、小さくなるにつれて本発明のインキは非常に有利に作用する。
前記水性インキ組成物を収容する軸筒、インキカートッリッジ、インキ収容管(レフィルパイプ)は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネート、ABS等の熱可塑性樹脂からなる成形体や金属加工体がインキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
特に、前記軸筒、インキカートッリッジ、インキ収容管の一部又は全体が透明性を有する樹脂で構成された場合、内部が視認できるため、インキの残量や色相が確認できるものとなる。尚、前記透明性とは着色透明、半透明、着色半透明を含む。
前記軸筒にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記軸筒とチップを連結してもよい。
前記軸筒内に収容されるインキ組成物は、インキ組成物が低粘度である場合は軸筒前部にインキ保留部材を装着し、軸筒内に直接インキ組成物を収容する方法や、多孔質体或いは繊維加工体(外皮により被覆された繊維束など)等のインキ吸蔵体に前記インキ組成物を含浸させて収容する方法が挙げられる。
また、軸筒内にインキを直接内蔵する形態をとらず、インキカートリッジやインキ収容管等のインキ収容体とした場合や、前記インキ吸蔵体にインキを充填し、外軸内に収容する形態をとる場合、これらのインキ収容体やインキ吸蔵体を交換可能な構造とすることもできる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成、粘度、剪断減粘指数を示す。尚、表中の組成の数値は質量部を示す。
各実施例、比較例のインキ粘度は、20℃でB型回転粘度計〔東京計器(株)製、BLアダプター使用〕を用いた60rpmでの測定、又は、E型回転粘度計〔東機産業(株)製〕を用いた1rpmでの測定をいずれか可能な条件で行った。
また、各実施例、比較例のインキの剪断減粘指数(n)は20℃でE型粘度計〔東京計器(株)製〕を用いてインキ粘度を測定して算出した。
Figure 2018076418
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)住友化学工業(株)製、商品名:アシッドブルーPG
(2)保土ヶ谷化学工業(株)製、商品名:フロキシン
(3)冨士色素(株)製、商品名:SPブラック8922
(4)(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.5部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン7.5部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料〔T:−20℃、T:−9℃、T:40℃、T:57℃、ΔH:63℃、平均粒子径:2.5μm(コールター法)、黒色から無色に色変化する〕
(5)一般式(1)におけるRが炭素数11のアルキル基、Rが−CHCH(OH)CHSO であり、n=3の化合物
(6)一般式(1)におけるRが炭素数11のアルキル基、Rが−Oであり、n=3の化合物
(7)ラウロイルサルコシン、日光ケミカルズ(株)製、商品名:NIKKOLサルコシネートLH
(8)ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、花王(株)製、商品名:アンヒトール86B
(9)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
(10)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(11)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E
(12)ローム&ハースジャパン社製、商品名:プライマルASE−60
インキの調製
水に各成分を添加して、20℃で、ディスパーにて400rpm、1時間攪拌し、濾過することで各インキを調製した。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンAの作製
前記実施例1,2,5及び比較例1,2のインキ組成物を、直径0.5mmの超硬合金ボールを抱持するペン先を有するペン芯式ボールペン(パイロットコーポレーション社製、Hi−TecpointV5)外装のインキ貯蔵部に2.0g充填し、キャップを嵌合することで試料ボールペンAを作製した。
ボールペンBの作製
前記実施例3,4及び比較例3,4のインキ組成物を、直径0.3mmの超硬合金ボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィルに1.0g充填し、該インキの後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを外軸に組み込み、キャップを装着して試料ボールペンBを作製した。
前記試料ボールペンとインキ組成物を用いて以下の試験を行った。
筆記試験
筆記可能であることを確認した試料ボールペン(各5本)を、自動筆記試験機にて、JIS P3201筆記用紙Aに螺旋状の丸を連続筆記し、充填されるインキが完全に消費できるかどうか確認した。尚、前記試験機は、筆記荷重50g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で使用した。
試験結果の評価は充填されたインキが完全に消費された本数(書き切り本数)である。
筆跡確認試験
前記筆記試験による筆跡を目視により確認した。
摩耗試験
筆記可能であることを確認した試料ボールペンを、自動筆記試験機にて、JIS P3201筆記用紙Aに螺旋状の丸を1000m連続筆記した後のボール受け座部分の初期状態に対する摩耗量(ペン先上向き状態におけるボール沈み量)を測定した。
尚、前記試験機は、筆記荷重50g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で使用した。また、測定値は、各5本ずつ試験したものの平均値である。
インキ安定性試験
各インキ組成物をガラス瓶に封入し、50℃の環境下に30日間放置した。その後、室温にて内部のインキの状態を目視により確認した。
前記各試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2018076418
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
筆跡確認試験
○:良好な筆跡である。
△:若干の線飛びが見られる。
×:複数の線飛びが見られる。
インキ安定性試験
○:異常なし。
△:若干の析出物が見られる。
×:多量の析出物が見られる。

Claims (4)

  1. 着色剤と、水と、下記一般式(1)で示すアミドアミン化合物を少なくとも含有するボールペン用水性インキ組成物。
    Figure 2018076418
    〔式中、Rは炭素数11〜17のアルキル基であり、Rは−CHCH(OH)CHSO 又は−Oであり、nは2〜4のいずれかの整数である。〕
  2. 前記アミドアミン化合物がインキ組成物全量中0.05〜5質量%の範囲で添加される請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
  4. 前記ボールペンが直径0.5mm以下のボールを筆記先端部に備える請求項3記載のボールペン。
JP2016218420A 2016-11-08 2016-11-08 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Active JP6779573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016218420A JP6779573B2 (ja) 2016-11-08 2016-11-08 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016218420A JP6779573B2 (ja) 2016-11-08 2016-11-08 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018076418A true JP2018076418A (ja) 2018-05-17
JP6779573B2 JP6779573B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=62149088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016218420A Active JP6779573B2 (ja) 2016-11-08 2016-11-08 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6779573B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1067961A (ja) * 1996-08-28 1998-03-10 Pentel Kk 水性インキ組成物
JPH11349884A (ja) * 1998-06-09 1999-12-21 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物
JP2001131132A (ja) * 1999-08-26 2001-05-15 Kawaken Fine Chem Co Ltd 新規な脂肪酸アルカノールアミド化合物及びそれを含有する界面活性剤組成物
JP2003055593A (ja) * 2001-08-20 2003-02-26 Pilot Ink Co Ltd 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2006274128A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Seiko Epson Corp 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2008297543A (ja) * 2007-04-30 2008-12-11 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2013213145A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Pilot Corporation ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
WO2013183544A1 (ja) * 2012-06-06 2013-12-12 コニカミノルタ株式会社 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体
JP2015193717A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ
CN105542566A (zh) * 2016-01-28 2016-05-04 胡益三 一种速记、书法和提神、悦人用的香神墨水及其制备方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1067961A (ja) * 1996-08-28 1998-03-10 Pentel Kk 水性インキ組成物
JPH11349884A (ja) * 1998-06-09 1999-12-21 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物
JP2001131132A (ja) * 1999-08-26 2001-05-15 Kawaken Fine Chem Co Ltd 新規な脂肪酸アルカノールアミド化合物及びそれを含有する界面活性剤組成物
JP2003055593A (ja) * 2001-08-20 2003-02-26 Pilot Ink Co Ltd 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2006274128A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Seiko Epson Corp 水性インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法、並びに記録物
JP2008297543A (ja) * 2007-04-30 2008-12-11 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを収容したボールペン
JP2013213145A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Pilot Corporation ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
WO2013183544A1 (ja) * 2012-06-06 2013-12-12 コニカミノルタ株式会社 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体
JP2015193717A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ
CN105542566A (zh) * 2016-01-28 2016-05-04 胡益三 一种速记、书法和提神、悦人用的香神墨水及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6779573B2 (ja) 2020-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6116897B2 (ja) ボールペン用光輝性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6049064B2 (ja) ボールペン用光輝性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6100646B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6042200B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2013108055A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2013213145A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2017095582A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2019031645A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6017193B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6192931B2 (ja) ボールペン
JP6049066B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6096590B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6029953B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6342796B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2006077074A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いたボールペン
JP6779573B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2018053205A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP5431011B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2018184513A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2016216622A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2015120777A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP6580382B2 (ja) ボールペン
JP2014005386A (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP5764037B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP5484181B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6779573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150