本発明の実施の形態に係るバブル含有液製造装置100を含むバブル含有液製造システムSについて、図1〜図6を参照しつつ説明する。バブル含有液製造装置100は、液体中にバブルを含有するバブル含有液を製造する。液体には、飲料水、牛乳、果汁、酒等の飲料を含み、飲料の他にも純水、蒸留水、工業用水等も含む。
また、バブル化する気体は、酸素、窒素、水素、二酸化炭素、一酸化窒素、オゾン等の種々の気体を含む。すなわち、これら液体とバブル化対象気体とは、バブル含有液製造装置100の用途に応じて適宜選択される。本実施の形態において、バブル含有液製造装置100は、液体に牛乳を適応し、バブル化対象気体に二酸化炭素ガスを適応したバブル含有液を製造する。
図1は、バブル含有液製造システムSの機能ブロック図の概略を示す。図1に示すように、本実施の形態に係るバブル含有液製造システムSのバブル含有液製造装置100は、主に、液体中に第1のバブルを生成し、当該第1のバブルを含有する第1のバブル含有液を供給する第1のバブル生成部110と、バブル生成部110に接続され、バブル生成部110から供給される第1のバブル含有液を通過させ、通過する第1のバブル含有液に超音波を照射し、第1のバブル含有液のバブルを圧壊して第2のバブルを生成し、当該第2のバブルを含有する第2のバブル含有液を供給するバブル圧壊部120と、バブル圧壊部120に接続され、バブル圧壊部120から供給される第2のバブル含有液を貯留する貯留部130とを備える。バブル生成部110と、バブル圧壊部120と、貯留部130とは、相互に接続されており、バブル含有液を循環させる循環サイクル(ループ)を形成している。
また、バブル含有液製造システムSは、上記の構成の他に、貯留部130に接続され、液体を導入する原液供給部140と、バブル生成部110に接続され、気体を導入する気体導入部150と、貯留部130に接続され、貯留部を加圧するコンプレッサーのような加圧部192と、各部を接続する流路と、流路の各所に設けられたバルブと、バブル含有液製造システムSの一連の動作を制御する制御部160とを備える。
さらに、バブル含有液製造装置100では、製造されたバブル含有液を装置の外部に取り出す取出部170と、不要となった液体を外部に排出する排出部180とが貯留部130に接続されており、また、気体導入部150、バブル圧壊部120、貯留部130に冷却水を供給する冷却部190が接続されている。
制御部160は、操作パネル(図示なし)に電気的に接続されており、作業者により操作される。また、制御部160は、バブル含有液製造装置100内の各所に設けられた水域センサ、温度センサ等のセンサの検知情報等に基づいて、各所に設けられた各バルブ及びスイッチ等を制御する。
原液供給部140は、本実施の形態において、液体の一例として牛乳をバブル含有液製造装置100に導入するためのものである。原液供給部140は、原乳タンク(図示しない)にバルブを介して接続されている。原液供給部140から導入された液体は、液体を一旦貯留部130に導入し、後述する再帰流路103を介してバブル生成部110の気液混合器111に供給される。
気体導入部150は、本実施の形態において、バブル化対象の気体の一例として二酸化炭素をバブル生成部110に導入するためのものである。気体導入部150は、従来よく知られる二酸化炭素発生装置であり、圧力計、流量計、逆止弁を介してバブル化ガス供給源に接続されている。気体導入部150は、バブル含有液製造装置100の製造するバブル含有液の種類により、二酸化炭素以外の酸素、窒素、水素、アンモニア、一酸化窒素、オゾン等の他の気体を導入してもよい。気体導入部150は、例えば、窒素をバブル化する場合には二酸化炭素発生装置に代えて、窒素を導入するために、窒素タンク容器に接続されていてもよい。
バブル生成部110は、液体および気体を混合させる気液混合器111と、気液混合器111により気体が混合された気泡含有液を供給され、第1のバブル含有液を生成するバブル生成器112と、気液混合器111から気泡含有液をバブル生成器112に供給するための気液ポンプ113とを備える。
気液ポンプ113は、従来よく知られたエア駆動型容積式ポンプが適用されているが、マグネットポンプや軸流ポンプ等の非容積式ポンプが適用されてもよく、その他のポンプが適用されてもよい。
気液混合器111は、気液ポンプ113の上流側に設けられており、後述する貯留部130の再帰導出口134に接続された液体取入口(図示しない)と、気体供給路に接続された気体取入口(図示しない)とを備える。気液混合器111は、再帰流路103を介して、原液供給部140から一旦貯留部130に供給された原液、または貯留部130に貯留されたバブル含有液を供給される。
気液混合器111では、液体の流れに沿って気体が取り込まれるように、液体取入口に接続した液体流路(図示しない)と気体取入口に接続した気体流路(図示しない)が形成されており、気液ポンプ113の吸引力を利用して液体と同時に気体が吸引される。これにより、液体と気体とが円滑に気液ポンプ113に供給され、気液ポンプ113内で液体と気体とが混合し気泡含有液が生じる。このような気液ポンプ113によれば、多量の気体が導入され気液ポンプ113が空運転することや、気体がほとんど入らず気泡発生が定量化しないといった問題を生じることがない。この気泡混合液は、バブル生成器112に供給される。
図2は、バブル生成器112の正面断面図を示す。バブル生成器112は、気液混合器111から供給される気泡含有液を旋回させながら圧壊させる旋回圧壊部114と、圧壊された微細気泡を含有するバブル含有液を一定時間滞留させる畜養部115と、一定時間滞留された後のバブル含有液を高濃度に発泡させる発泡部116と、高濃度に発泡したバブル含有液を減圧する減圧部117とを備える。
旋回圧壊部114は、配管114aと、配管114aに挿入して固定される軸状部材114bと、軸状部材114bに固定して取り付けられた第1および第2の鍔状部材114c、114dとを備える。配管114aは、円柱状の収容空間を有し、軸状部材114bは、円盤部材114eを介して配管114aの一方側に取り付けて固定される。第1の鍔状部材114cは、配管114aの断面と略同一径の円盤形状に形成され、第2の鍔状部材114dは、第1の鍔状部材114cよりも小さい径の円盤形状に形成されている。第1の鍔状部材114cおよび円盤部材114eにはバブル含有液を通過させる貫通孔114fが形成されている。
旋回圧壊部114は、気液混合器111から気泡含有液を導入され(矢印f1)、内部で気泡含有液を旋回しながら加速および撹拌して(矢印f2およびf3)、畜養部に導出される(矢印f4)。このとき、第1の鍔状部材114cの貫通孔114fでは、バブルが剪断圧壊されるとともに、バブル含有液が上流側では加圧され、下流側では減圧される(矢印f3)。これにより、バブル含有液のバブル濃度が向上する。また、第2の鍔状部材114dの側周では、バブル含有液が旋回するとともに、撹拌されて気液混合部として作用する(矢印f2)。このように、旋回圧壊部114は、従来よく知られるスタティックミキサー式のマイクロバブル発生装置として機能する。
畜養部115は、旋回圧壊部114の挿入された管状部材から形成され、旋回圧壊部114を通過することによりバブル濃度の向上したバブル含有液を導入されて(矢印f4)一定時間滞留させ、その後に発泡部116にバブル含有液を導出する(矢印f5)。これにより、バブル含有液内のバブルの保有電荷量、ゼータ電位を均一とすることができる。したがって、畜養部115では、バブル含有液のバブルの粒径を揃えることができる。
また、畜養部115は、畜養加圧器(図示しない)に接続されており、畜養部115内を所定の圧力に加圧することができる。これにより、余剰気体による加圧圧縮効果を活用して、畜養部115内の圧力を一定圧力に高めることで、バブル濃度を向上させる機能を有する。なお、図2において、畜養部115にドレイン配管118を示すが、通常時は閉鎖され、装置の停止時に管内の残留液を排出したり、蒸気滅菌等に利用される。
発泡部116は、3つの配管から形成され、円柱状の通路部116aと下流ほど径の広い切頭円錐状の通路部116bとを備える。各配管の境界には、中央にスリット孔116cを設けられたスリット板116dが設けられており、バブル含有液は、発泡部116に導入され(矢印f5)、スリット板116dの中央に形成されたスリット孔116cを通って円柱状の通路部116aを通過する(矢印f6)。この2つのスリット孔116cを通過することにより、バブル含有液は、2つ目の配管内の円柱状の通路部で乱流を生じながら(f7)再加圧される。
さらに、再加圧されたバブル含有液は、切頭円錐状の通路部116bに流れ込み、切頭円錐状の通路部のテーパに沿って拡散するように流れることにより(矢印f8)、減圧されてバブル含有液の濃度が向上する。
減圧部117は、管状部材から形成され、切頭円錐形状の拡散空間117aと、円柱状の滞留空間117bと、円柱状の導出空間117cとを備える。バブル含有液は、拡散空間117aにて拡散して流れ(矢印f9)、減圧されることにより発泡して高濃度化する。また、バブル含有液は、滞留空間117bにて一時滞留して、バブル含有液内のバブルの保有電荷量、ゼータ電位を均一とする。これにより、バブル含有液のバブルの粒径を揃えることができる。そして、導出空間117cを経てバブル生成器112から導出される(矢印f10)。
バブル生成部110では、気液混合器111から供給された気泡含有液がバブル生成器112の旋回圧壊部114、畜養部115、発泡部116および減圧部117を経ることで、気泡含有液の気泡から第1のバブルが生成される。これにより、バブル生成部110は、第1のバブルを含有する第1のバブル含有液をバブル圧壊部120に供給することができる。本実施の形態において、バブル生成部110は、第1のバブルとして、マイクロオーダーの均一な粒径を有するマイクロバブルを生成する。
本実施の形態に係るバブル含有液製造装置100のバブル生成部110は、旋回、圧壊、畜養、発泡(加圧減圧)および減圧畜養の機能を有し、低揚程能力のポンプであるエア式ベローズポンプや同式ダイヤフラムポンプでも微細均一化高濃度マイクロバブルを生成することが可能となり、しかも、マグネットポンプや軸流ポンプでも更なる濃度向上が可能となる。このため、これらの機能により、気液ポンプ113の種類を選ばないバブル発生装置が可能となる。
また、バブル生成器112の配管および管状部材は、ステンレスを材料に製造され、各継手部はフェルール構造を採用し、サニタリークランプ(図示なし)にて固定する。これにより、バブル生成器112は、組み立て容易でありながら、サニタリー性を確保し、かつ蒸気殺菌のような定置滅菌(SIP:Sterilization in Place)を可能としている。したがって、バブル含有液を構成する液体に飲料等を用いた場合であっても、衛生的に優れた機能を発揮する。
バブル生成部110は、バブル圧壊部120で圧壊される第1のバブルを生成できれば、他の構成であってもよい。例えば、従来よく知られる旋回流方式のバブル生成装置(特開2006−117365号公報を参照)、加圧剪断方式のバブル生成装置(特開2006−272232号公報を参照)等をバブル生成器112として利用することができる。しかし、均一な粒径を有するバブルをバブル圧壊部120に供給するためには、本実施の形態に係るバブル生成器112を用いることが望ましい。
また、バブル生成部110のバブル生成器112は、旋回圧壊部114、畜養部115、発泡部116および減圧部117がモジュール化されており、時間あたりに通過させる通過液量が異なるように複数のモジュールが準備されていてもよい。それら複数のモジュールから任意の一のモジュールを選択して取り付け得るように構成していてもよい。また、モジュールごとに交換可能とされていてもよい。
図3は、バブル圧壊部120を示し、(A)はバブル圧壊部120の側面図を示し、(B)はバブル圧壊部120の正面図を示す。バブル圧壊部120は、バブル生成部110のバブル生成器112に接続され、バブル生成部110で製造された第1のバブル含有液を通過させる通路121と、通路121の周囲を覆う外装体122とを備え、通路121と外装体122とから中間空間123を有する二層構造とされている。バブル圧壊部120は、通路121が水平方向に延びるように配置されている。
外装体122には、超音波振動子124が設けられており、各超音波振動子124は、通路121に向けて超音波を照射する。通路121と外装体122の間には伝搬液が充填され、超音波振動子124から照射された超音波は、伝搬液を介して通路121の内部に伝搬され、通路121の内側を流れる第1のバブル含有液を超音波圧壊する。
通路121は、PVC(ポリ塩化ビニル)を材料としたパイプから形成されている。これにより、通路121は、円形の断面を有し同一径で円柱状に延び、均一な流路を形成している。通路121はバブル生成部110と貯留部130とに介在するように接続されており、バブル生成部110から供給された第1のバブル含有液は、通路121の内側に充満した状態で貯留部130まで流される。
外装体122は、ステンレスを材料とし、正六角形の断面を有する六角柱状に延びる側周部材122aと、側周部材122aを延在方向の両側から挟む円板状の一対の平面部材122bとからなる。両平面部材122bは、中央に通路121をはめ込まれて、側周部材122aの六角形の中央に通路121が延びるように通路121を固定している。これにより、通路121の外側と外装体122の側周部材122aには中間空間123が形成され、通路121の外周と、六角形の側周部材122aの各面は、それぞれ同様の中間空間123を形成している。
図4はバブル圧壊部120を図3の矢印a-a’で切断した側断面図を示す。図4に示すように、バブル圧壊部120は、通路121と外装体122から形成される中間空間123に超音波を伝搬可能な伝搬液を充填される。本実施の形態において、伝搬液として冷却部190から供給される冷却水が充填される。伝搬液は、通路121が水平方向に向く状態に配置されたバブル圧壊部120において、外装体122の平面部材122bの下側に設けられた伝搬液導入口122cから導入され、外装体122の平面部材122bの上側に設けられた伝搬液導出口122dから導出される。これにより、中間空間123では、伝搬液は、図面の左側から供給され、下側から上側に充填されていき、上側から排出される。したがって、伝搬液は、中間空間123内に空気を残さず充填される。
外装体122に取り付けられた超音波振動子124から照射される超音波は、伝搬液を介して通路121に伝搬される。このとき、中間空間123に空気が残ると、伝搬液と空気の伝搬率が異なるため、超音波が均等に伝搬しない。したがって、中間空間123内に空気を残さないことにより、効率的かつ均一に超音波を通路121の内部に伝搬できる。
伝搬液は、中間空間123を定常的に流されている。これにより、超音波圧壊によるバブル圧壊部120の熱を排出することができる。伝搬液は、通路121を流れるバブル含有液と同一方向に流されている。これにより、効率的に熱を排出することができる。また、伝搬液の流速を上げることにより、より熱の排出効率を高めることができる。伝搬液の流速は、例えば伝搬液をバブル圧壊部120に送るポンプを制御することで達成できる。外装体122は、熱センサ(図示しない)が設けられており、バブル圧壊部120の発熱状態を見ながら伝搬液の流速を制御することができる。
本発明に係る実施の形態において、伝搬液は、定常的に流されているが、中間空間に一度充満させた状態で供給を止め、バブル圧壊部120の温度が上昇したときだけ再度流すようにしてもよい。伝搬液は、超音波を伝搬するが、それでも伝搬による損失が生じるため、中間空間123は狭い方が望ましい。しかし、伝搬空間が狭すぎると冷却水(伝搬液)の量が減り、熱の排出効率が低下する。したがって、伝搬液を定常的に流すようにすることで、熱の排出効率が低下することを抑止し、中間空間123を狭くすることができ、バブル圧壊部120の設計自由度を高めることができる。
再び図3を参照するに、外装体122は、六角柱の各面に超音波振動子124を取り付けられている。超音波振動子124は、通路121の延在方向に2段に分けて設けられており、バブル生成部110側を前段の超音波振動子群、貯留部130側を後段の超音波振動子群としている。各段の超音波振動子群は、通路121の中心軸から放射状に設けられた6つの超音波振動子124からなる。対向する2つの超音波振動子124が一対の発振子対となり、6つの超音波振動子124は3対の発振子対となっている。各超音波振動子は、周波数および出力を制御部160により調整可能とされている。本実施の形態において、12個の超音波振動子124は、それぞれ、同一周波数、同一出力で超音波を照射している。
各発振子対は、通路121の延在方向の同一の位置であって外装体122の六角柱の一対の対向する側面に設けられている。ここで、外装体122は、ステンレスを材料に形成されているため、超音波を反射する。したがって、側周部材122aの一の面に設けられた超音波振動子124から発振された超音波は、側周部材122aの対向する他の一の面で反射し、この反射した超音波は、他の一の面(その反射面)に設けられた超音波振動子124から照射された超音波と重ね合わされる。
これら6つの超音波振動子124は、それぞれが、通路121の中央の一点に向けて超音波を照射している。したがって、各超音波振動子124は、それぞれ異なる位置から径方向の異なる方向に向けて、かつ通路の中心に向かうように径方向の内側に向けて超音波を照射する。これにより、通路121を流れるバブル含有液が超音波により流れを阻害されることが抑止される。特に各一対の発振子対は、対向する位置から対向する方向に向けて超音波を発振している。これにより、通路121の中央から超音波圧壊場が形成され、通路121を通過する第1のバブル含有液が圧壊されて、粒径の均一な第2のバブルが生成される。
バブル圧壊部120では、複数の方向から超音波が照射され、超音波の集中する場所に超音波圧壊場が形成される。したがって、本実施の形態において、各超音波振動子群が、それぞれ、通路121内に超音波圧壊場を形成する。前段の超音波振動子群により形成された超音波圧壊場で第1のバブルの全てが圧壊されなかったとしても、後段の超音波振動子群により形成された超音波圧壊場が残りの第1のバブルを圧壊するため、本実施の形態に係るバブル圧壊部120では、確実に第1のバブルを圧壊し、均一な第2のバブルを生成できる。本実施の形態において、バブル圧壊部120は、第2のバブルとして、ナノオーダーの均一な粒径を有するナノバブルを生成する。
本実施の形態において、各超音波振動子群に6つ、すなわち偶数の超音波振動子124がバブル圧壊部120の外装体122に設けられている。しかし、超音波振動子124は、奇数の超音波振動子124が設けられていてもよく、その場合は、複数対の発振子対と、1の超音波振動子124となる。
バブル生成部110とバブル圧壊部120は、第2のバブル含有液を製造し、供給できるバブル含有液供給部を構成する。しかし、後述する貯留部130にバブル含有を供給できれば、バブル含有液供給部は、他の構成であってもよい。例えば、バブル含有液供給部は、バブル圧壊部120を含まず、バブル生成部110のみから構成されてもよい。
図5は、貯留部130の機能ブロック図を示し、図6は、貯留部130の外観図を示す。特に、図6(A)は貯留部130の平面図を示し、図6(B)は貯留部130の正面図を示し、図6(C)は貯留部130の側面図を示し、図6(D)は貯留部130の底面図を示す。
貯留部130は、図5および図6に示すように、主に、円柱状のタンク容器131と、タンク容器131を覆う外装容器137とからなる。タンク容器131は、バブル含有液を貯留するための所定量の容積を有する貯留空間139を形成する。また、タンク容器131と外装容器137との間には、冷却部190から冷却水が供給される冷却空間194が形成される。
タンク容器131は、PVCを材料に形成され、完全密閉構造にされている。これにより、バブル圧壊部120の超音波圧壊時に発生する微量ガスは、貯留部130に流されてきても大気と接触することない。さらに、タンク容器131が密閉構造とされているため、貯留部130内の圧力制御が可能となる。
貯留部130は、さらに、原液供給部140に接続される原液導入口132と、バブル圧壊部120に接続されるバブル含有液導入口133と、再帰流路103に接続される再帰導出口134と、取出部170に接続されるバブル含有液導出口135と、排出部180に接続される排出口136と、加圧部192に接続される加圧口138とを備え、これらがタンク容器131に設けられている。
原液導入口132は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器131の上面からタンク容器131内の頂面まで延在し、原液供給部140から原液をタンク容器131の頂面位置に供給する。これにより、貯留空間139の頂部から原液が供給される。また、加圧口138は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器131の上面からタンク容器131内の頂面まで延在し、加圧部192からの圧力をタンク容器131の貯留空間139内に印加する。
バブル含有液導入口133は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器131の上面から、タンク容器131内の底面部から1/2の高さ位置まで延在し、第2のバブル含有液をタンク容器131の上側から供給する。また、バブル含有液導入口133のパイプは、L字形状に折り曲げられており、水平方向にバブル含有液を吐出する。
再帰導出口134は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器131の底部から、タンク容器131内の底部から1/4の高さ位置まで延在し、タンク容器131の底部から1/4の高さ位置のバブル含有液を再帰流路103に導出し、バブル含有液を気液混合器111に再帰させる。
再帰導出口134のパイプは、L字形状に折り曲げられており、水平方向にバブル含有液を吸引する。これにより、バブル含有液は、水平方向に吸引圧を受け、貯留空間139内で撹拌される。しかし、バブル含有液は上下方向に吸引圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
バブル含有液導出口135は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器131の底部からタンク容器131外まで延在し、バブル含有液をタンク容器131の底から取り出す。図4に示すように、バブル含有液導出口135は、減圧バルブ172を介して取出部170に接続されている。
これにより、貯留空間139内で加圧保持されたバブル含有液が、減圧バルブ172を介して、減圧されながら取出部170に導出されるため、高濃度化されたバブル含有液を取り出すことができる。取出部170はバブル含有液導出部として機能する。また、減圧バルブ172は、従来よく知られる直動式減圧弁、パイロット作動形式減圧弁等の減圧弁が利用できる。
排出口136は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器131内の底面からタンク容器131外まで延在し、バブル含有液をタンク容器131の底から排出する。
さらに、貯留部130には、3つの水位センサ161、162、163が設けられている。第1の水位センサ161は、タンク容器131の底部から1/3の高さ位置に設けられ、収容空間に1/3まで液体が満たされたことを感知する。第2の水位センサ162は、タンク容器131の底部から7/10の高さ位置に設けられ、収容空間に7/10まで液体が満たされたことを感知する。第3の水位センサ163は、タンク容器131の底部から4/5の高さ位置に設けられ、収容空間に8/10まで液体が満たされたことを感知する。後述するように、制御部160は、これらの水位センサが感知または非感知の状態に基づいて貯留部130に設けられた各導入部、導出部を制御し、貯留空間139内の液体量を調整する。
さらに、貯留部130には、圧力を測定する圧力トランスミッター196と、タンク容器内の貯留空間139を大気圧に開放するベントフィルター198とが設けられている(図5参照)。圧力トランスミッター196は、タンク容器131に設けられ、電気的に制御部160に接続され、貯留空間139の圧力を測定することができる。ベントフィルター198は、タンク容器の上面に設けられた通気口198aに接続され、貯留空間139からの通気路を確保する。ベントフィルター198と通気口198aとの間には、開閉バルブ(図示なし)が設けられており、制御部160が開閉バルブの開度を調整することにより貯留空間139内の圧力調整を可能とする。
本実施の形態において、タンク容器131は、PVC(ポリ塩化ビニル)を材料に形成されている。しかしタンク容器131は、PP(ポリプロピレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂材料、ステンレスのような金属材料または、石英を材料としてもよい。タンク容器131は、樹脂材料の場合には上部を樹脂溶接や接着などで完全密閉構造とされ、金属材料や石英の場合には、PTFE、バイトン等のシール材を介して密閉構造とされる。
貯留部130が密閉構造となることにより、貯留空間139は大気から隔離され、貯留空間139を加圧部192により加圧することが可能になる。本実施の形態において、加圧部192は、0.6MPa程度まで貯留空間139を加圧することができる。また、貯留部130は、加圧部192を作動しない場合であっても、バブル生成部110から圧送されるバブル含有液により、0.01MPа〜0.05MPa程度加圧される。
貯留部130は、ベントフィルター198により、貯留空間139の圧力調整も可能となる。貯留空間139の圧力は、制御部160が、圧力トランスミッター196により貯留空間139内の圧力を測定し、加圧部192とベントフィルター198により、所定の値に調整される。
本実施の形態に係るバブル含有液製造装置100は、バブル含有液供給部と貯留部130が分離されている。これにより、バブル含有液供給部は貯留部130の容量に影響を受けずに、粒径の均一なバブル含有液を一定量連続して供給し、バブル含有液は貯留部130において貯留されるので、貯留部130でバブルが凝集することが抑止される。
すなわち、粒径が異なる超微細なバブルは、貯留することにより凝集してしまうため、従来の超音波圧壊により生成された超微細な粒径を有するバブルは、粒径が均一とならず、貯留することが困難であったが、本実施の形態によるバブル含有液製造装置100によれば、粒径の均一なバブルが生成され、凝集することなく貯留できる。
また、超微細粒径のバブルは、粒径に応じてゼータ電位等が異なり、凝集作用が生じることがある。しかし、本実施の形態に係るバブル含有液製造装置100では、粒径の近いバブルが貯留空間139内の同じ領域に滞在することになるため、凝集することなく貯留できる。
タンク容器131に設けられた原液導入口132、バブル含有液導入口133、再帰導出口134、およいバブル含有液導出口135のタンク容器内の位置は、適宜変更できる。また、他の導入口、導出口をタンク容器131に設けてもよい。さらに、各水位センサの位置および数量は、適宜変更できる。
また、本実施の形態において、タンク容器131には、底部から再帰導出口134、第1の水位センサ161、バブル含有液導入口133、第2の水位センサ162、第3の水位センサ163の順の高さ位置にもう得られている。しかし、これらの位置関係は、制御部160の制御方法により、適宜変更できる。
次に、バブル含有液製造装置100を用いたバブル含有液の製造方法について図8を参照して説明する。図9は、貯留部230の
本発明に係るバブル含有液製造方法は、バブル含有液製造装置100に原液を供給すること(ステップ1)、バブル含有液製造装置100に気体を供給すること(ステップ2)、液体と気体とを混合して気泡含有液を生成すること(ステップ3)、気泡含有液から第1のバブル含有液を製造すること(ステップ4)、第1のバブル含有液に超音波を照射し、第1のバブルを圧壊して第2のバブルを生成すること(ステップ5)、第2のバブル含有液を貯留すること(ステップ6)、貯留されたバブル含有液をバブル生成部110に再帰させること(ステップ7)、貯留されたバブル含有液を外部に取り出すこと(ステップ8)を含む。
ステップ1では、先ず、原液供給部140から液体を貯留部130に供給する。具体的には、原液供給部140に設けられたバルブを開状態として原液を貯留部130に供給する。このとき、ベントフィルター198は解放状態であり、加圧部192は貯留空間139を加圧しない。
原液が原液供給部140から供給され、貯留部130のタンク容器131に設けられた水位センサ161が感知状態となると、制御部160が水位センサ161の感知により再帰流路103に設けられた再帰バルブを開状態とする。これにより、再帰流路103を介して気液混合器111に原液が供給される。具体的には、再帰流路103に設けられた再帰バルブを開状態として、気液ポンプ113の吸引により、タンク容器131内の水位センサ161の位置まで貯まった原液が気液混合器111の液体取入口に導入される。
また、貯留部130のタンク容器131に設けられた水位センサ162を超えて、さらに水位センサ163が感知状態となるまで継続して原液が供給され、制御部160が水位センサ163の感知により原液供給部140に設けられたバルブを閉状態とする。これにより、原液の供給が停止される。
ステップ2では、先ず、気体導入部150から気体を気液混合器111に供給する。このステップは、先のステップ1に並行して行われる。具体的には、気体導入部150に設けられたバルブを開状態とし気体を気液混合器111に供給する。
ステップ3では、先ず、気泡含有液が製造される。具体的には、気液ポンプ113を動作させ気液混合器111に原液と気体とを吸入させる。このとき、ステップ1により原液が気液混合器111に供給されており、これに並行してステップ2により気体が気液混合器に供給されており、気泡含有液が生成される。次に、製造された気泡含有液がバブル生成器112に供給される。具体的には気液ポンプ113が気泡混合液を吐出する。
ステップ4では、先ず、気泡含有液から第1のバブル含有液が製造される。具体的には、気泡含有液が、旋回圧壊部114で旋回しながら圧壊され、畜養部115で一時滞留され、発泡部116で減圧される。次に、発泡部116を通過したバブル含有液が減圧部117で減圧された後にバブル圧壊部120に供給される。
ステップ5では、先ず、中間空間123に伝搬液が流される。具体的には、伝搬液は、中間空間に充満した状態で定常的に流される。伝搬液の供給は、バブル含有液の流れとは関係なく、行うことができる。すなわち、バブル含有液が通路121を通過する前でも、通過している途中でも、伝搬液を流したり、止めたりすることができる。
次に、第1のバブル含有液が通路121を通過する。具体的には、第1のバブル含有液は、通路121を充満した状態で通過する。これと同時に、第1のバブル含有液に超音波が照射される。具体的には、通路121の内部に超音波が集中する超音波圧壊場が形成され、第1のバブルが圧壊されて第2のバブルが生成される。次に、通路121を通過したバブル含有液が貯留部130に供給される。
ステップ6では、先ず、バブル含有液導入口133を介して貯留部130に第2のバブル含有液が導入される。バブル含有液導入口は、タンク容器131の中段位置まで伸びており、第2のバブル含有液は、タンク容器131の中段位置に導入される。導入されたバブル含有液は、既に貯留されている液体と混ざり合い、バブルが液体中を拡散していく。
バブルの拡散により、タンク容器131の底部には、ウルトラファインバブルの存在が支配的なNB領域が形成され、その上側には、ウルトラファインバブルとファインバブルが混在するMN領域が形成され、さらにその上側にはファインバブルの存在が支配的なMB領域が形成される。各領域は、液体の貯留量によりタンク容器131内の位置が変動する。
ステップ7では、先ず、貯留部130に貯留されたバブル含有液を気液混合器111に再帰させる。具体的には、再帰流路103に設けられたバルブが開状態とされ、気液ポンプ113の吸引により、貯留されたバブル含有液がバブル生成部110の液体取入口に導入される。再帰導出口134が、タンク容器131内の下側1/4の位置付近まで延在しているため、MN領域またはMB領域のバブル含有液が再帰される。バブル含有液の再帰は継続的に行われる。このとき、貯留部130内の圧力は、バブル生成部110から圧送されるバブル含有液の圧力により、0.01〜0.05MPa程度加圧される。
次に、バブル含有液の製造を停止する。具体的には、再帰流路103に設けられたバルブが閉状態とされ、バブル生成部110の気液ポンプ113も停止する。その後、ベントフィルター198が閉鎖状態となり、加圧部192は貯留空間139を加圧する。これ以降、加圧部192は、貯留空間139を設定された圧力に維持するように制御部160に制御される。
ステップ8では、貯留部130に貯留されたバブル含有液を取り出す。具体的には、取出部170に設けられた減圧バルブ172が開状態とされ、タンク容器131の底側のバブル含有液が外部に取り出される。タンク容器131の底部にはNB領域が形成されているため、NB領域のバブル含有液が取り出される。このとき、バブル含有液は、減圧されながら導出されるため、NB領域のバブル含有液は十分高濃度化していなくても、減圧バルブ172により、高濃度化されて取り出される。
貯留部130に貯留されたバブル含有液が取り出されると、貯留空間139内の水位が低下する。これにより、水位センサ162が非感知状態となると、制御部160が原液供給部140に設けられたバルブを開状態とする。これにより再び原液が供給される。このとき、ベントフィルター198は、開状態とされ、貯留部130の圧力は、大気圧となる。
このように、バブル含有液は、貯留部130、バブル生成部110、バブル圧壊部120により形成されたループを循環し、バブル濃度を向上させながら、適宜、バブル含有液導出口135から貯留空間139の底部に貯留された高濃度バブル含有液を取り出される。このとき、ベントフィルター198は閉鎖状態で、加圧部192は貯留空間139を加圧している。
最後に、加圧部192は貯留空間139の加圧を中止し、ベントフィルター198は解放状態となる。そして、排出口136からバブル含有液を排出して稼働を終了する。
本実施の形態において、ステップ7において、バブル含有液の製造停止時にベントフィルター198は閉鎖状態を維持し、加圧部192は加圧状態を維持するように調整されていた。しかし、例えば、加圧部192が加圧状態を維持しながら、ベントフィルター198が解放状態を調整されることにより、貯留空間139の圧力が制御されてもよい。
[変形例]
次に、バブル含有液製造装置100に適用される貯留部130の変形例である貯留部230について図8および図9を用いて説明する。貯留部230の説明においては、貯留部130と重複する内容については、一部記載を省略する。図8は、貯留部230の外観図を示す。特に、図8(A)は貯留部230の平面図を示し、図8(B)は貯留部230の正面図を示す。
貯留部230は、図8に示すように、主に、円柱状のタンク容器231と、タンク容器231を覆う外装容器237とからなる。タンク容器231は、バブル含有液を貯留するための所定量の容積を有する貯留空間239を形成する。また、タンク容器231と外装容器237との間には、冷却空間294が形成されており、冷却水導入口291を介して冷却部190から冷却水が供給され、冷却水導出口(図示なし)より冷却水が導出される。
タンク容器231および外装容器237は、ステンレスを材料に形成され、タンク容器231は密閉構造にされている。これにより、バブル圧壊部120の超音波圧壊時に発生する微量ガスは、貯留部230に流されてきても大気と接触することない。さらに、タンク容器231が密閉構造とされているため、貯留部230内の圧力制御が可能となる。
貯留部230は、また、タンク容器231に、側周面の外側から取り付けられる複数の超音波振動子224を備える。本実施形態において、貯留部230は、側周面に同一の角度で同一の高さ位置に配置された8つの超音波振動子224を備える。各超音波振動子224は、タンク容器231の中央に向けて超音波を照射する。超音波振動子224は、タンク容器231に設けられており、直接タンク容器231に貯留されたバブル含有液に超音波を照射する。
対向する2つの超音波振動子224が一対の発振子対となり、8つの超音波振動子224は4対の発振子対となり、タンク容器231の中央に超音波圧壊場を形成する。各超音波振動子は、周波数および出力を制御部160により調整可能とされている。本実施の形態において、4つの超音波振動子224は、それぞれ、同一周波数、同一出力で超音波を照射している。
貯留部230は、さらに、原液供給部140に接続される原液導入口232と、バブル圧壊部120に接続されるバブル含有液導入口233と、再帰流路103に接続される再帰導出口234と、取出部170に接続されるバブル含有液導出口235と、排出部180に接続される排出口236と、加圧部192に接続される加圧口238とを備え、これらがタンク容器231に設けられている。なお、図9においては、定置洗浄(CIP:Cleaning In Place)に利用する洗浄液導入口299を示すが、通常時は閉鎖され、装置の停止時にタンク内の洗浄に利用される。洗浄液導入口299は、シャワーボール299aを介してタンク容器231に洗浄液を導入する。
原液導入口232は、円筒のパイプからなり、後述するバブル含有液導入口233のパイプと同様に、くの字形状に30°程度の角度に折り曲げられており、さらに、先端が鉛直方向に切断されている。これにより、原液を吐出する吐出口(図示なし)を貯留空間239の側面に沿わせながら、水平方向に向けて原液を吐出し、当該側面に向けて原液が吐出される。原液供給部140から供給される原液が貯留空間239の側面に沿って吐出されることにより、バブル含有液は貯留空間239の側面に沿って導入されることになり、泡立つことを抑制される。
また、加圧口238は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器231の上面からタンク容器231内の頂面まで延在し、加圧部192からの圧力をタンク容器231の貯留空間239内に印加する。貯留部230は、加圧部により加圧された状態で液体を貯留する。
バブル含有液導入口233は、主に円筒のパイプ233aからなり、タンク容器231の上面から、タンク容器231内の底面部から2/3の高さ位置まで延在し、バブル圧壊部120から第2のバブル含有液をタンク容器231の上側から供給する。
図9に示すように、バブル含有液導入口233のパイプ233aは、くの字形状に30°程度の角度に折り曲げられており、さらに、先端が鉛直方向に切断されている。これにより、バブル含有液を吐出する吐出口233bを貯留空間239の側面に沿わせながら、水平方向に向けてバブル含有液を吐出し、当該側面に向けてバブル含有液が吐出される。バブル含有液が貯留空間239の側面に沿って吐出されることにより、バブル含有液は貯留空間239の側面に沿って導入されることになり、泡立つことを抑制される。
再帰導出口234は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器231内の底部から1/3の高さ位置においてタンク容器231の側部から水平方向に延在してタンク容器231内に連通し、タンク容器231の底部から1/3の高さ位置のバブル含有液を再帰流路103に導出し、バブル含有液を気液混合器111に再帰させる。
再帰導出口234のパイプは、水平方向にバブル含有液を吸引する。これにより、バブル含有液は、水平方向に吸引圧を受け、貯留空間239内で撹拌される。しかし、バブル含有液は上下方向に吸引圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
バブル含有液導出口235は、貯留部130と同様に、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器231の底部からタンク容器231外まで延在し、バブル含有液をタンク容器231の底から取り出す。排出口236は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器231内の底面からタンク容器231外まで延在し、バブル含有液をタンク容器231の底から排出する。
貯留部230が密閉構造となることにより、貯留空間239は大気から隔離され、貯留空間239を加圧部192により加圧することが可能になる。本実施の形態において、加圧部192は、0.6MPa程度まで貯留空間239を加圧することができる。また、貯留部230は、加圧部192を作動しない場合であっても、バブル生成部110から圧送されるバブル含有液により、大気圧から0.01MPа〜0.05MPa程度加圧される。
貯留部230は、タンク容器の上面に設けられた通気口298aを介してベントフィルター198に連通して、貯留空間239からの通気路を確保する。ベントフィルター198と通気口298aとの間には、開閉バルブ(図示なし)が設けられており、制御部160が開閉バルブの開度を調整することにより貯留空間239内の圧力調整を可能とする。貯留空間239の圧力は、制御部160が、圧力トランスミッター196により貯留空間239内の圧力を測定し、加圧部192とベントフィルター198により、所定の値に調整される。
さらに、貯留部230は、タンク容器231内に貯留された液体を撹拌する撹拌機Kを備える。撹拌機Kは、タンク容器231の上方に設けられたモータK1と、モータK1に接続するシャフトK2と、シャフトK2に取り付けられた撹拌羽K3とを備える。モータK1は制御部160に接続しており、駆動するタイミングを制御される。
ここで、微細気泡または超微細気泡をバブル含有液は、微細気泡を含有しない液体に比較して泡立ちやすい特性を有し、その特性は、牛乳等のコロイド成分を有する液体で顕著となる。したがって、バブル含有液の導入および貯留において、バブル含有液は、貯留部230に導入される際に、泡立ってしまうと、バブル濃度の低下、および安定的に取出し困難となる。
本変形例に係る貯留部230では、バブル含有液導入口233の吐出口233bが貯留空間239の側面に沿わせて形成され、バブル含有液導入口233が水平方向にバブル含有液をタンク容器231の側面に向けて吐出する。これにより、バブル含有液が貯留槽211の側周面に沿って貯留空間239に導入されることにより、泡立つことを抑制して貯留することができる。
以上、本発明の具体的な態様の例を、本発明の実施形態により説明したが、本発明は、当該実施形態に限定されるものではない。