JP6630922B2 - 水素水、その製造システムおよび製造方法 - Google Patents

水素水、その製造システムおよび製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素水、水素水の製造システムおよび水素水の製造方法に関する。
近年、水素ガスを溶解させた水、いわゆる水素水が注目されている。水素水は、飲用や料理に用いられる他、浴槽に充填して風呂のお湯等としても利用されている。そのような水素水の製造方法として、水を電気分解して発生した水素から水素水を製造する方式(特許文献1)や、マグネシウム等の還元力を有する金属を収納したカートリッジを水中に投入して水素水を製造する方式(特許文献2)などがある。
また、水素ガスのボンベを用意し、水中に水素ガスを吹き込んで水素水を製造する、いわゆる水素ガス注入方式は、連続的に比較的大量の水素水を製造することができる。また、水素ガスのボンベを利用した水素水の製造方法の中には、水素水をファインバブル化またはウルトラファインバブル化して製造しようとするものもある(特許文献3)。
特開2012−217882号公報 特開2013−128882号公報 特開2016−104474号公報
しかしながら、電気分解方式やカードリッジを投入する方式では、高濃度の水素水を生成することはできず、水素ガスのボンベを利用した水素の製造方法では、比較的高濃度の水素水が製造できるものの、水素を注入してから所望の濃度まで溶解させるのに時間がかかることや、バブル化する場合であっても所望の濃度まで所望の粒径の水素バブルを生成するのに時間がかかるといった問題があった。
本発明は、上記の問題を解決し、バブル化された水素ガスを高濃度に含有する水素水を迅速に提供することを目的とする。
(1)本発明に係る水素水の製造システムは、水素ガスと水とを供給され、水の中に水素ガスの微細気泡を生成するバブル生成部と、前記バブル生成部に接続され、前記バブル生成部から供給される水素水を通過させ、通過する水素水に超音波を照射し、水素水の中の微細気泡を圧壊するバブル圧壊部と、前記バブル圧壊部に接続され、前記バブル圧壊部から供給される水素水を貯留する貯留部とを備える。前記貯留部は、貯留された水素水に大気圧より高い圧力を印加され、貯留された水素水を大気圧に減圧しながら外部に導出する導出経路に接続されていることを特徴とする。
このような水素水の製造システムでは、バブル生成部で微細気泡を生成された水素バブル含有水(水素水)がバブル圧壊部において、タンクに比較して径の小さい通路を流れる際に、超音波を照射されて微細気泡を超微細気泡に変換され、超微細気泡を含有する水が貯留部に貯留される。
さらに、貯留部に貯留された水素水は、加圧部により大気より高い圧力を印加されることにより高濃度化されて、外部に導出される際には、減圧バルブによって減圧されながら発泡することなく導出される。これにより、水素バブル含有水は、超微細気泡を含有した状態でヘンリーの法則に従って、水素を高濃度化されて導出される。
したがって、本発明に係る水素水の製造システムによれば、加圧減圧効果により水素を超微細気泡として高濃度に含有する水素水を迅速に取り出すことができる。
(2)前記した水素水の製造システムにおいて、減圧された水素水の通過する流路を狭めることなく水素水を導出するようにしてもよい。本願発明の発明者は、減圧されて水素を高濃度化された水素水の通過する経路が狭くなることにより、水素濃度が低下してしまうことを見出した。この知見に基づき、減圧された水素水の通過する導出経路の通路を狭めることなく水素水を導出するようにすることで水素濃度を維持して水素水を導出することができる。
(3)前記した水素水の製造システムにおいて、前記導出経路は、減圧された水素水の通過する流路に流れを阻害する障害物を備えることなく、水素水を導出するようにしてもよい。本願発明の発明者は、減圧されて水素を高濃度化された水素水に対して、その水素水の流れる経路に流れを阻害する障害物あると、水素濃度が低下してしまうことを見出した。この知見に基づき、減圧された水素水の通過する導出経路に障害物を備えることなく水素水を導出するようにすることで水素濃度を維持して水素水を導出することができる。
(4)前記バブル生成部と、前記バブル圧壊部と、前記貯留部とが組み込まれた循環経路を備えてもよい。このようにすれば、水素の超微細気泡を連続的に生成しながら貯留部で水素水を高濃度化することができる。したがって、加圧減圧効果により高濃度化して取り出される水素水を継続して取り出すことができる。
(5)本発明に係る水素水は、(1)〜(4)により製造される。このようにすれば、バブル化された水素ガスを高濃度に含有する水素水が、迅速に提供されるとともに、超微細気泡を含有するため、長期にわたって水素濃度を維持することができる。
(6)本発明に係る水素水の製造方法は、水の中に水素ガスの微細気泡を生成するバブル生成ステップと、前記バブル生成部から供給される水素水を通過させ、通過する水素水に超音波を照射し、水素水の中の微細気泡を圧壊するバブル圧壊ステップと、前記圧壊部に接続され、前記バブル圧壊部から供給される水素水を貯留部に貯留する貯留ステップと、前記貯留部に貯留された水素水に大気圧より高い圧力を印加する加圧ステップと、前記加圧ステップの後に、大気圧に減圧されながら外部に水素水を導出する減圧導出ステップとを含む。
このような水素水の製造方法では、バブル生成ステップで微細気泡を生成された水素バブル含有水がバブル圧壊ステップにおいて、超音波を照射されて微細気泡を超微細気泡に変換され、超微細気泡を含有する水素水が貯留ステップで貯留される。
そして、貯留部に貯留された水素水は、加圧ステップで大気より高い圧力を印加されることにより高濃度化されて、減圧導出ステップで外部に導出される際には、減圧バルブによって減圧されながら導出される。これにより、水素バブル含有水は、超微細気泡を含有した状態でヘンリーの法則にしたがって、水素を高濃度化され導出される。
したがって、本発明に係る水素水の製造方法によれば、加圧減圧効果により水素を超微細気泡として高濃度に含有する水素水を迅速に取り出すことができる。
(7)前記加圧ステップを行いながら、前記バブル生成ステップと前記バブル圧壊ステップと前記貯留ステップが繰り返して行われるとよい。このようにすれば、超微細気泡を連続的に生成しながら貯留部で高濃度化することができる。したがって、加圧減圧効果により高濃度化して取り出される水素水を継続して取り出すこともできるし、所望のタイミングで短時間取り出すこともができる。
(8)本発明に係る水素水の製造方法は、前記減圧導出ステップの後に、水素水を保存する保存ステップを含むとよい。このようにすれば、バブル化された水素ガスを高濃度に含有する水素水が、迅速に提供されるとともに、超微細気泡を含有するため長期に水素水を保存できる。
本発明は、上記の問題を解決し、バブル化された水素ガスを高濃度に含有する水素水を迅速に提供することを目的とする。
本発明の実施形態に本発明の実施形態にかかる水素水の製造システムの機能ブロック図である。 図1における水素水の製造システムのバブル含有液製造装置の機能ブロック図である。 図2におけるバブル生成部のバブル生成ノズルの有底部材を示し、(A)は有底部材の側面図、(B)は有底部材の底面図、(C)は(A)の2C−2C´の断面図、(D)は有底部材の斜視図である。 図2におけるバブル生成部のバブル生成ノズルの筒状部材を示し、(A)は筒状部材の側面図、(B)は筒状部材の底面図、(C)は(A)の3C−3C´の断面図、(D)は筒状部材の斜視図である。 図2におけるバブル生成部のバブル生成ノズルの動作を説明するための概略図である。 図2におけるバブル含有液製造装置のバブル圧壊部を示し、(A)はバブル圧壊部の側面図、(B)はバブル圧壊部の正面図である。 図6(B)におけるバブル圧壊部の6−6´の断面図を示す。 図2における貯留部を示す機能ブロック図である。 本発明に係る水素水の洗浄方法を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る水素水の製造システムのバブル含有液製造システムにより製造される水素水の製造時間に対する水素濃度の推移の実験結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る水素水の製造システムにより製造される水素水について、大気解放された容器に導出した後の水素濃度の推移の実験結果を示す図である。
本発明の実施形態に係る水素水の製造システムおよび水素水の製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態において、水素水の製造システム1によって純水に水素の単一ガスをバブル化して水素水を生成する場合について説明するが、水は地下水や水道水等のように不純物含んでいたり、海水を含む他の液体との混合水であってもよく、水素ガスは他の気体と混合したものであってもよい。製造される水素水は、主に、飲料としての用途を想定されるが、他の用途に利用されてもよい。
水素水の製造システム1は、図1に示すように、水素ガスを供給する水素供給装置10、純水を供給する純水供給装置30、水の中に水素をバブル化させるバブル含有液製造装置20を含む。水素水の製造システム1では、水素供給装置10および純水供給装置30がバブル含有液製造装置20に接続されている。水素水の製造システム1で製造された水素バブル含有水は、後述する導出経路203を介して外部に導出される。
水素供給装置10は、従来よく知られるガスボンベに水素ガスが充填された水素ガスボンベと、水素供給監視装置とを備える。水素ガスボンベは、例えば、14.7MPaの高圧で水素ガスが充填されている。水素ガスボンベは、水素供給監視装置を介して後述するバブル含有液製造装置20の気体導入部202に接続されている(図2を参照)。水素供給監視装置は、所定の圧力で水素ガスがバブル含有液製造装置20に供給されているかを監視する。例えば、水素の漏れ等を発見した場合は音声やライトの点灯、ブザー発報等によって、漏洩等を知らせることができる。
純水供給装置30は、従来よく知られる純水生成装置で、逆浸透膜を備え、連続的に純水を生成する。純水供給装置30は、貯留タンクを備え、連続的に製造した純水を貯留させておき、適宜供給できる。純水供給装置30は、後述するバブル含有液製造装置20の液体導入部201に接続されており(図2を参照)、純水供給装置30から純水がバブル含有液製造装置20に供給される。
図2は、水素水の製造システム1のバブル含有液製造装置20の機能ブロック図を示す。バブル含有液製造装置20は、純水供給装置30から純水を供給され、供給された純水中に微細気泡を生成し、微細気泡をより粒径の小さい超微細気泡に変換して超微細気泡を含有する水素バブル含有水を製造する。
バブル含有液製造装置20は、主に、純水内に微細気泡を生成するバブル生成部230と、バブル生成部230から供給された水素バブル含有水内の微細気泡を圧壊するバブル圧壊部240と、バブル圧壊部240から供給された水素バブル含有水を貯留する貯留部250とを備える。バブル生成部230と、バブル圧壊部240と、貯留部250とは、それぞれ相互に接続されており、水素バブル含有水を循環させる循環経路r2を形成している。
また、バブル含有液製造装置20は、純水供給装置30から純水を導入する液体導入部201と、水素供給装置10から水素を導入する気体導入部202と、装置の外部に水素バブル含有水を取り出す導出経路203と、各部に冷却水を供給する冷却部204と、バブル含有液製造装置20の後述する貯留部250を加圧する加圧部205と、バブル含有液製造装置20の外部に水素バブル含有水を排出する排出部206とを備える。
バブル含有液製造装置20の各部は、バブル含有液製造装置20を集中管理する制御部299により管理される。制御部299は、外部の制御装置等と連携して、バブル含有液製造装置20を制御してもよい。また、バブル含有液製造装置20の各部は、他の制御装置等により制御されてもよい。また、バブル含有液製造装置20の各部は、配管等により接続されており、一部はバルブを介して接続されており、当該バルブは制御部299により開閉される。
[バブル生成部]
バブル生成部230は、貯留部250に接続されたバブル生成器231と、バブル生成器231に接続され、バブル圧壊部240に水素バブル含有水を供給するポンプ232とを備える。バブル生成器231は、気体導入部202に接続されており、バブル生成器231は、後述するように貯留部250を介して純水を導入されるとともに、気体導入部202から水素を導入される。ポンプ232は、バブル生成器231を介して貯留部250から水素バブル含有水を吸引し、バブル生成器231で生成された微細気泡を含有する水素バブル含有水をバブル圧壊部240に向けて吐出する。
バブル生成器231は、いわゆるバブル生成ノズルであり、図3〜図5を用いて説明する。バブル生成ノズルは、一端側に底部233aを形成された断面円形の有底管状の有底部材233と、筒状の筒状部材234とを備える。有底部材233の他端側から筒状部材234がはめ込まれることにより、断面円形の空間が気液混合室231mとして形成される。気液混合室231mは、水素と純水が流入し、混合されて気液混合体であって微細気泡を含有する水素バブル含有水が生成される。
図3は有底部材233を示し、図3(A)は有底部材233の側面図、図3(B)は有底部材233の底面図、図3(C)は図3(A)の3C−3C´の断面図、図3(D)は有底部材233の斜視図である。また、図4は筒状部材234を示し、図4(A)は筒状部材234の側面図、図4(B)は筒状部材234の底面図、図4(C)は図4(A)の4C−4C´の断面図、図4(D)は筒状部材234の斜視図である。さらに、図5はバブル生成ノズルの動作を説明するための概略側断面図であり、バブル生成ノズルを実線で、他の構成を破線で示す。
有底部材233は、図3に示すように、円盤状の底部233aと、底部233aに連続する円環状の第1の側壁部233bと、第1の側壁部233bに連続する円環状の第2の側壁部233cとを備える。有底部材233は、第2の側壁部233cを貫通する気体供給孔233dを有する。有底部材233は、純水を供給するための液体供給孔233eを底部233aに有する。液体供給孔233eは、図3(B)に示すように、底部233aの中央に設けられている。
底部233aは、図3(C)に示すように、切頭円錐状の第1の切頭円錐空間233fを形成している。また、底部233aと第1の側壁部233bと第2の側壁部233cは、円柱状の第1の円柱空間233gを形成している。さらに、第2の側壁部233cは、第1の円柱空間233gよりも僅かに径の小さい円柱状の第2の円柱空間233hと、第1の円柱空間233gより径の大きい第3の円柱空間233iとを形成している。
第1の切頭円錐空間233fは、その切頭面で液体供給孔233eに連続し、第1の切頭円錐空間233fは、その底面で第1の円柱空間233gに連続する。すなわち、第1の切頭円錐空間233fは、液体供給孔233eから第1の円柱空間233gまで拡径するように延び、液体供給孔233eの内周面から第1の側壁部233bの内周面に連続するテーパ面から構成される。
筒状部材234は、図4に示すように、円環状の第1の側周部234aと、第2の側周部234bとを備える。第2の側周部234bは、第1の側周領域234cと、第1の側周領域234cより径の大きい第2の側周領域234dと、第2の側周領域234dより径の小さい第3の側周領域234eとを備える。第1の側周部234aおよび第2の側周部234bの第2の側周領域234dは、同一径となっており、有底部材233の第2の円柱空間233hに収まる大きさとなっている。
第1の側周部234aは、図4(C)に示すように、一方から他方に向けて縮径する切頭円錐形状の第2の切頭円錐空間234fを形成する。第1の側周部234aおよび第2の側周部234bは、一方から他方に向けて延びる円柱状の第4の円柱空間234gを形成する。また、第2の側周部234bは、一方から他方に向けて拡径する第3の切頭円錐空間234hとを形成する。
第2の切頭円錐空間234f、第4の円柱空間234gおよび第3の切頭円錐空間234hは、その順に連続しており、第2の切頭円錐空間234fの切頭面と、第4の円柱空間234gの底面および頂面と、第3の切頭円錐空間234hの切頭面とは、径を同じにして接続されており、第2の切頭円錐空間234fと、第4の円柱空間234gと、第3の切頭円錐空間234hとは、中心軸を同一にしている。
筒状部材234の第1の側周部234aは、その外周に4つの凹部234iが螺旋状に形成されている。各凹部234iは、相互に均等な間隔で形成されており、捻じれながら一方から他方に伸びる。凹部は、複数形成されているとよく、それぞれ、等間隔に形成されているとよい。
有底部材233および筒状部材234はSUS316のステンレスを材料に切削加工により形成されている。しかし、有底部材233および筒状部材234は他の金属を材料としてもよい。また、他にも、ガラス、セラミック、樹脂、陶磁器等の他の材料であってもよく、切削加工に限らず、射出成型加工、プレス成型加工等の他の材料に応じた加工をされていてもよい。
バブル生成ノズルは、図5に示すように、有底部材233に筒状部材234を第1の側周部234aが奥となるように圧入により嵌め込むことにより、筒状部材234の第2の側周部234bの第2の側周領域234dおよび第1の側周部234aは、有底部材233の第2の円柱空間233hにおいて、第1の側壁部233bの内面に全周に渡って接する。
筒状部材234の第2の側周部234bの第1の側周領域234cは、有底部材233の第2の側壁部233cと共同して、有底部材233の気体供給孔233dに連通する環状空間231sを形成する。凹部234iは、環状空間231sから気液混合室231mに連通し螺旋に延びる気体供給経路231tとなる。
また、第1の切頭円錐空間233fと、第1の円柱空間233gと、第2の切頭円錐空間234fとは、気液混合室231mを形成する。気液混合室231mは、第1の切頭円錐空間233fが底面で第1の円柱空間233gに続き、第2の切頭円錐空間234fが、その底面で第1の切頭円錐空間233fと反対側から第1の円柱空間233gに続くことにより、円柱の両側から縮径する略ラグビーボールのような形状に形成されている。したがって、気液混合室231mは全体に渡って円形の断面空間を有する。
第1の切頭円錐空間233f、第1の円柱空間233g、第2の切頭円錐空間234f、第4の円柱空間234gおよび第3の切頭円錐空間234hとは、中心軸を同一にしている。第2の切頭円錐空間234fの切頭面は、液体供給孔233eよりも孔径が大きく、第1の切頭円錐空間233fおよび第2の切頭円錐空間234fの底面並びに、第1の円柱空間233gの頂面および底面は、略同一の孔径となっている。ここで、第4の円柱空間234gおよび第3の切頭円錐空間234hは、気液混合体が噴出する噴出孔231uとして機能する。
気体供給経路231tは、気液混合室231mの側周に沿った螺旋状の流れを形成する水素を前記第2の切頭円錐空間234fの底面の側周となる位置から第1の円柱空間233gに向けて供給し、供給された水素は、第2の切頭円錐空間234fと中心軸を同一にして螺旋状に回転する流れを形成する。これにより、第2の切頭円錐空間234fの側周から第1の円柱空間233gの側周に沿って螺旋状の流れを形成する水素が供給される。
なお、気液混合室231mの内壁には、凹凸形状(例えば、いわゆる鮫肌、セラミックの溶射肌と同様のもの、又は突起形状など)が形成されている。これらは、内壁全体に施されている必要はなく、一部に形成されているだけでもよい。
次に、バブル生成ノズルの動作について説明する。図5は、実線で示されたバブル生成ノズルの他に、バブル生成ノズルの有底部材233の一端側に接続された液体導入管235と、バブル生成ノズルの筒状部材234の他端側に接続された気液混合体導出管236と、バブル生成ノズルの有底部材233の気体供給孔233dに接続された気体導入管237とを破線で示した図である。
液体導入管235は内ねじが切られており、当該内ねじが有底部材233の底部233aに切られた外ねじと螺合する。また、気液混合体導出管236は外ねじが切られており、当該外ねじが有底部材233の第3の円柱空間233iに切られた内ねじと螺合する。また、有底部材233は、これら他の管との螺合させるときにスパナで保持できるように、水平面が外周に設けられていている。
また、液体導入管235は、貯留部250に接続されており、貯留部250に貯留された純水がポンプ232により吸引されて導入される。また、気液混合体導出管236はバブル圧壊部240に接続され、バブル生成ノズルを介した循環経路r2が形成されている。
また、気体導入管237は気体導入部202に絞り弁(図示しない)を介して接続されており、気体導入管237の内部には、バブルを安定して発生させることができるように、逆止弁238が設けられている。
まず、液体導入管235から液体供給孔233eを介して、加圧純水が気液混合室231mに供給される。このとき、加圧純水は、液体供給孔233eと、第1の切頭円錐空間233f及び噴出孔231uとを結ぶ線上に沿って流れた後、その一部が噴出孔231uから拡がりながら噴出する。
ここで、気体導入管237から環状空間231sと気体供給経路231tとを介して、気液混合室231m内に水素が流入してくる。液体供給孔233eから供給された純水と、気体供給経路231tから気液混合室231m内に供給された水素とは、気液混合室231m内で中心軸を流れ、気液混合室231mの他端側で周囲に広がり、中心軸の流れと反対向きの流れで気液混合室の側周を流れ、気液混合室231mの一端側で再び中心軸に戻るように循環する純水および水素の循環経路流を形成する。また、気液混合室231mが略円柱型の空間であるので、高速循環経路流れを容易に形成することができ、上述の動作を容易に得ることができる。
さらに、気体供給孔233dから流入してきた水素は、環状空間231sにおいて中心軸を中心に周回されながら、水素供給経路から気液混合室231mの第1の切頭円錐空間233fに向かって気液混合室231m内に供給される。
これにより、気液混合室231m内の真空度が向上されるため、気体供給孔233dから流入してくる水素の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。これらのような一連の動作によって、マイクロバブルなどのファインバブルが、連続的に発生される。
さらに、気体供給経路231tは、第2の切頭円錐空間234fの中心軸を中心に螺旋状に形成されているため、気体供給経路231tから供給される水素は、螺旋状に周回しながら、円形の断面形状を有する気液混合室231mの空間の周面に沿った流れを形成する。これにより、気液混合室231mでは、周方向に回転するスクリュー状の循環経路流が形成される。
そして、気液混合室231mの内壁には、凹凸形状が形成されているので、高速循環経路流れをしている純水と水素との混合流体である気液混合体が凹凸形状に衝突することによって、気液混合室231m内の水素を更に細分化することができると共に、高速循環経路流れを加速させ、気液混合室231m内の真空度を高くすることができる。
また、気体供給経路231tから供給された水素は、気体供給経路231tと気液混合室231mとの境界で発生した乱流により細分化され、第1の切頭円錐空間233f及び第2の切頭円錐空間234fによって加速された循環経路流において撹拌、剪断され、気液混合室231mの内壁の凹凸形状と衝突し、途中で一部が液体供給孔233eから供給された加圧純水と衝突した際に発生した乱流により更に細分化され、噴出孔231uにおいて、流入してきた外部水素及び/又は外部純水と衝突して、更に微細化され、マイクロバブルなどのファインバブルを含む気液混合体である水素バブル含有水として第2の切頭円錐空間234fから噴出される。
バブル生成器は、このようなノズル型に限らず、他の構成であってもよく、例えば、旋回、圧壊、蓄養、発泡(加圧減圧)の構成および機能を有するものであってもよい(例えば、特開2015−186781号公報を参照)。また、ポンプ232とバブル生成器231は、機能ブロック図の配置を入れ替えられて、ポンプ232を上流に、バブル生成器231を下流にするように接続されてもよい。これにより、バブル生成ノズルは、ポンプ232から液体を加圧して供給され、水素バブル含有水をバブル圧壊部に供給するようにしてもよい。
[バブル圧壊部]
図6は、バブル含有液製造装置20のバブル圧壊部240を示し、図6(A)はバブル圧壊部240の側面図を示し、図6(B)はバブル圧壊部240の正面図を示す。また、図7は、バブル圧壊部を図6(B)の7−7´で切断した側断面図を示す。
バブル圧壊部240は、バブル生成部230に一方を接続され、貯留部250に他方を接続され、直線状に延びる通路241と、通路241の周囲を覆う外装体242とを備え、通路241と外装体242とから中間空間240sを有する二層構造とされている。バブル圧壊部240は、通路241が水平方向に延びるように配置されている。通路241は、バブル生成部230で製造された水素バブル含有水を貯留部250に向かって通過させる。
外装体242には、複数の超音波振動子243が設けられており、各超音波振動子243は、通路241に向けて超音波を照射する。通路241と外装体242との間の中間空間240sには伝搬液が充填され、超音波振動子243から照射された超音波は、伝搬液を介して通路241の内部に伝搬され、通路241の内側を流れる水素バブル含有水のバブルを超音波圧壊する。
伝搬液は、冷却部204から供給される冷却水であり、外装体242に設けられた伝搬液導入口244から中間空間240sに導入され、伝搬液導出口245から導出される(図8を参照)。ここで、伝搬液導入口244は外装体242の下側に設けられ、伝搬液導出口245は外装体242の上側に設けられているため、伝搬液は、外装体242の下側から導入され、かつ外装体242の上側から導出される。これにより、冷却水は中間空間から空気を追い出すように供給される。バブル圧壊部240では、伝搬液を介して伝搬される超音波により、通過する水素バブル含有水が加熱される。しかし、伝搬液がバブル圧壊部240を冷却する作用も有し、冷却液の流量により、バブル圧壊部を通過する水素バブル含有水の温度を調整できる。
本実施形態において、バブル圧壊部240の通路241は、PFA(ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)のフッ素樹脂を材料としたパイプであるが、PVC(ポリ塩化ビニル)管等を材料としたパイプから形成されていてもよく、他の樹脂を材料としていてもよいし、衛生面で問題のない金属を材料としてもよい。
これにより、通路241は、円形の断面を有し同一径で円柱状に延び、タンクに比べて非常に小さい断面の流路を形成している。通路241はバブル生成部230と貯留部250とに介在するように接続されており、バブル生成部230から供給された水素バブル含有水は、通路241の内側に充満した状態で貯留部250まで流される。
外装体242は、ステンレスを材料とし、正六角形の断面を有する六角柱状に延びる側周部材246と、側周部材246を延在方向の両側から挟む円板状の一対の平面部材247とからなる。両平面部材247は、中央に通路241をはめ込まれて、側周部材246の六角形の中心軸上に通路241が延びるように通路241を固定している。これにより、通路241の外側と外装体242の側周部材246には中間空間240sが形成され、通路241の外周と、六角形の側周部材246の各面は、それぞれ同様の空間を形成している。
外装体242は、六角柱の各面に超音波振動子243を取り付けられている。超音波振動子243は、通路241の延在方向に2段に分けて設けられており、バブル生成部230側を前段の超音波振動子群、貯留部250側を後段の超音波振動子群としている。各段の超音波振動子群は、通路241の中心軸から放射状に設けられた6つの超音波振動子243からなる。
対向する2つの超音波振動子243が一対の発振子対となり、6つの超音波振動子243は3対の発振子対となっている。各超音波振動子は、周波数および出力を制御部299により調整可能とされている。本実施形態において、12個の超音波振動子243は、それぞれ、同一周波数、同一出力で超音波を照射している。
これら6つの超音波振動子243は、それぞれが、通路241の中央の一点に向けて超音波を照射している。したがって、各超音波振動子243は、それぞれ異なる位置から径方向の異なる方向に向けて、かつ通路の中心に向かうように径方向の内側に向けて超音波を照射する。
これにより、通路241内に均一な圧壊場が形成され、通路241を流れる水素バブル含有水が超音波により流れを阻害されることが抑制される。特に各一対の発振子対は、対向する位置から対向する方向に向けて超音波を発振している。これにより、通路241の中央から超音波圧壊場が形成され、通路241を通過する水素バブル含有水が圧壊されて、ムラなく粒径の均一な超微細気泡が生成される。
バブル圧壊部240では、複数の方向から超音波が照射され、超音波の集中する場所に超音波圧壊場が形成される。したがって、本実施形態において、各超音波振動子群が、それぞれ、通路241内に超音波圧壊場を形成する。
前段の超音波振動子群により形成された超音波圧壊場で微細気泡の全てが圧壊されなかったとしても、後段の超音波振動子群により形成された超音波圧壊場が残りの微細気泡を圧壊するため、本実施形態に係るバブル圧壊部240では、確実に微細気泡を圧壊し、均一な超微細気泡を生成できる。本実施形態において、バブル圧壊部240は、超微細気泡として、いわゆるウルトラファインバブルを生成する。
本発明の実施形態に係るバブル圧壊部240は、超音波圧壊場を形成し、純水内の微細気泡を圧壊して超微細気泡に変換する。超音波圧壊場は、連続的に超音波を照射されて形成されており、超音波圧壊場には紫外線が発生する。これにより、超音波圧壊場を通過する純水は、紫外線による殺菌効果を得られる。
さらに、バブル圧壊部240では、超音波圧壊場を形成する超音波が純水に照射されることにより、液中でキャビテーションにより無数の真空気泡が生じる。この真空気泡が圧縮と膨張を繰り返して崩壊する際に、超高温高圧の反応場が形成される。この反応場では、真空気泡が破裂することにより細菌の細胞壁を破壊し、一般生菌やレジオネラ菌、大腸菌等を殺菌する殺菌効果を得られる。
[貯留部]
図8は、貯留部250の機能ブロック図を示す。貯留部250は、図8に示すように、主に、タンク容器251と、タンク容器251を覆う外装容器252とからなる。タンク容器251は、水素バブル含有水を貯留するための所定量の容積を有する貯留空間250sを形成する。
タンク容器251は、PVCを材料に円柱状に形成され、完全密閉構造にされている。これにより、バブル圧壊部240の超音波圧壊時に発生する水素の微量ガスは、貯留部250に流されてきても大気と接触することない。また、タンク容器251が密閉構造とされているため、これにより、貯留部250内の圧力制御が可能となる。
タンク容器251は、水素バブル含有水が貯留され、水素バブル含有水は、粒径の小さいバブルほど下方に拡散する傾向がある。したがって、本実施の形態において、タンク容器251の貯留空間250sの下方には、ウルトラファインバブルの存在が支配的なUFB領域が形成され、その上側にはウルトラファインバブルとマイクロバブルとが混在するUFB+MB領域が形成され、さらにその上側にはマイクロバブルの存在が支配的なMB領域が形成される。これらの各領域は、液体の貯留量や装置の動作状況によりタンク容器251内の位置が変動する。
貯留部250は、さらに、液体導入部201に接続される液体導入口250aと、バブル圧壊部240に接続されるバブル含有液導入口250bと、バブル生成部230に接続する再帰導出口250cと、導出経路203に接続されるバブル含有液導出口250dと、排出部206に接続される排出口250eと、加圧部205に接続される加圧口250fとを備え、これらがタンク容器251の液体または気体の通路となるように設けられている。
液体導入口250aは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器251の上面からタンク容器251内に連通し、液体導入部201から原液をタンク容器251の頂面位置に導入する。これにより、貯留空間250sの上方から純水が供給される。また、加圧口250fは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器251の上面からタンク容器251内の頂面まで延在し、加圧部205からの圧力をタンク容器251の貯留空間250s内に印加する。
バブル含有液導入口250bは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器251の上面から、タンク容器251内の底面部から1/2の高さ位置まで延在し、第2の水素バブル含有水をタンク容器251の上側から供給する。
バブル含有液導入口250bのパイプは、上下方向に延び、下方を水平方向に曲げられてL字形状に形成されており、水平方向に水素バブル含有水を吐出する。これにより、水素バブル含有水は、水平方向に吐出圧を受け、貯留空間250s内で撹拌される。しかし、水素バブル含有水は上下方向に吐出圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
再帰導出口250cは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器251の底部から、タンク容器251内の底部から1/4の高さ位置まで延在し、タンク容器251の底部から1/4の高さ位置の水素バブル含有水を循環経路r2に導出し、水素バブル含有水を気液混合器131に再帰させる。
再帰導出口250cのパイプは、上下方向に延び、上方を水平方向に曲げられて逆L字形状に形成されており、水平方向に水素バブル含有水を吸引する。これにより、水素バブル含有水は、水平方向に吸引圧を受け、貯留空間250s内で撹拌される。しかし、水素バブル含有水は上下方向に吸引圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
バブル含有液導出口250dは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器251の底部に底弁として設けられ、水素バブル含有水をタンク容器251の底から取り出す。バブル含有液導出口250dは、減圧バルブ(減圧弁)253を介して導出経路203に接続されている。
これにより、貯留空間250s内で加圧された水素バブル含有水が、減圧バルブ253を介して、減圧されながら導出経路203に導出されるため、貯留空間250sからさらに高濃度化された水素バブル含有水を発泡させずに取り出すことができる。また、減圧バルブ253は、従来よく知られる直動式減圧弁、パイロット作動形式減圧弁等の減圧弁が利用できる。
排出口250eは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器251内の底面に底弁として設けられ、水素バブル含有水をタンク容器251の底から排出する。
さらに、貯留部250には、3つの水位センサ254、255、256が設けられている。第1の水位センサ254は、タンク容器251の底部から1/3の高さ位置に設けられ、貯留空間250sに1/3まで純水が満たされたことを感知する。第2の水位センサ255は、タンク容器251の底部から7/10の高さ位置に設けられ、貯留空間250sに7/10まで純水が満たされたことを感知する。第3の水位センサ256は、タンク容器251の底部から4/5の高さ位置に設けられ、貯留空間250sに8/10まで純水が満たされたことを感知する。後述するように、制御部299は、これらの水位センサが感知または非感知の状態に基づいて貯留部250に設けられた各導入口、導出口の流量を制御し、貯留空間250s内の水素バブル含有水量を調整する。
さらに、貯留部250には、圧力を測定する圧力トランスミッター257と、タンク容器内の貯留空間250sを大気圧に開放するベントフィルター258とが設けられている。圧力トランスミッター257は、タンク容器251に設けられ、電気的に制御部299に接続され、貯留空間250sの圧力を測定することができる。ベントフィルター258は、タンク容器251に設けられ、電気的に制御199に接続され、貯留空間250sからの通気路を確保しながら、貯留空間250s内の圧力調整を可能とする。
本実施の形態において、タンク容器251は、PVC(ポリ塩化ビニル)を材料に形成され、上部を樹脂溶接や接着などで完全密閉構造とされる。タンク容器251、すなわち貯留部250が密閉構造となることにより、貯留空間250sは大気から隔離され、貯留空間250sを加圧部205により加圧することが可能になる。
また、ベントフィルター258により、加圧された貯留空間250sの圧力調整も可能となる。貯留空間250sの圧力は、制御部160が、圧力トランスミッター257により貯留空間250s内の圧力を測定し、加圧部205とベントフィルター258により、所定の値に調整される。本実施の形態において、加圧部205は、0.4MPa〜0.6MPa程度まで貯留空間250sを加圧することができる。
減圧バルブ253が接続される導出経路203は、円筒状のパイプからなり、流路の断面寸法を維持するように同一寸法の内径で延在している。これにより、導出経路を狭めることなく水素水を導出する。導出経路は、流路を維持していれば、直線状に限らず、湾曲して延在していてもよい。また、導出経路は、流路の断面寸法が拡大するように延在してもよい。なお、導出経路203は、貯留部250に貯留された水素水を大気解放された容器に導出するように、当該容器に接続されている。
本実施の形態に係るバブル含有液製造装置20は、バブル生成部230およびバブル圧壊部240と貯留部250とが分離されている。これにより、バブル生成部230およびバブル圧壊部240は貯留部250の容量に影響を受けずに、粒径の均一な水素バブル含有水を一定量連続して供給し、水素バブル含有水は貯留部250において貯留されるので、貯留部250でバブルが凝集することが抑止される。
すなわち、粒径が異なる超微細なバブルは、貯留することにより凝集してしまうため、従来の超音波圧壊により生成された超微細な粒径を有するバブルは、粒径が均一とならず、貯留することが困難であったが、本実施の形態によるバブル含有液製造装置20によれば、粒径の均一なバブルが生成され、凝集することなく貯留できる。
また、超微細粒径のバブルは、粒径に応じてゼータ電位等が異なり、凝集作用が生じることがある。しかし、本実施の形態に係るバブル含有液製造装置20では、粒径の近いバブルが貯留空間250s内の同じ領域に滞在することになるため、凝集することなく貯留できる。
本実施形態に係るバブル含有液の製造システムによって製造される水素水は、水素の超微細気泡を高濃度に含有するため、水素濃度を長期にわたって維持することができる。また、超微細気泡が抗菌作用も有するため、本実施形態に係るバブル含有液の製造システムによって製造される水素水は、長期の保存において有効となる。
[水素水の製造方法]
次に、本発明の実施形態に係る水素水の製造方法S1について図9を参照して説明する。図9は、水素水の製造方法S1のフロー図を示す。水素水の製造方法S1では、バブ水素水の製造システム1を利用して水素水の製造方法を説明する。しかし、水素水の製造方法は、他のシステムを利用して水素水を製造してもよい。
まず、液体として水が貯留部250に導入される(液体導入ステップ:S1−1)。具体的には、液体導入部201を介して純水製造装置から水素水の製造システム200に純水が導入され、貯留部250に一旦貯留される。
次に、貯留部250に貯留された純水に水素ガスの微細気泡を生成する(バブル生成ステップ:S1−2)。具体的には、貯留部250に貯留された純水が、バブル生成部230を組み込まれた循環経路r2を介してバブル生成部230に供給され、バブル生成部230のバブル生成器231によって微細気泡が生成される。生成された微細気泡を含有する水素バブル含有水はバブル圧壊部240に供給される。
このステップでは、バブル生成器231には、貯留部250から水が導入されるとともに、気体導入部202から水素ガスが導入され、水素ガスによる微細気泡が生成される。
次に、水素ガスの微細気泡を圧壊する(バブル圧壊ステップ:S1−3)。具体的には、バブル生成部230で生成された水素の微細気泡を含む水素バブル含有水が超音波圧壊部240に供給され、水素バブル含有水が超音波圧壊部240の通路を通過する際に、超音波を照射されて、微細気泡が超音波により圧壊され、さらに粒径の小さい超微細気泡に変換される。
このステップでは、通路内に超音波圧壊場が形成されており、この超音波圧壊場を通過することにより、微細気泡がムラなく圧壊される。そしてバブル圧壊部240を通過した水素バブル含有水体は貯留部250に再帰する。
次に、超微細気泡を含有する水素バブル含有水を貯留する(貯留ステップ:S1−4)。具体的には、超音波圧壊部240から超微細気泡を含有する水が供給され、貯留部250に貯留される。また、水素バブル含有水の一部は、再びバブル生成部230に供給されて、循環されてもよい。このとき、水素バブル含有水を循環させて水素バブル含有水に超音波圧壊を繰り返し行う方式を循環方式と称し、水素バブル含有水を循環させることなく、貯留部250に貯留する方式をワンパス方式と称する。
したがって、循環方式では、バブル生成ステップ(S1−2)と、第バブル圧壊ステップ(S1−3)と、貯留ステップ(S1−4)とは循環経路r2により複数回繰り返される。バブル生成ステップ(S1−2)と、バブル圧壊ステップ(S1−3)と、貯留ステップ(S1−4)とによる超微細気泡生成工程は、循環経路r2を循環させる時間が一定時間以上となると水素ガスによる超微細気泡の量が定常的となる。
貯留ステップ(S1−4)では、貯留部250の貯留空間の水素バブル含有水において、下方ほど粒径の小さい気泡が集中し、貯留空間の下方には、ウルトラファインバブルの存在が支配的なUFB領域が形成され、その上側には、ウルトラファインバブルとマイクロバブルとが混在するUFB+MB領域が形成され、さらにその上側にはマイクロバブルの存在が支配的なMB領域が形成される。
また、貯留ステップ(S1−4)に並行して、または貯留ステップの後に、水素バブル含有水を加圧する(加圧ステップ:S1−5)。具体的には、貯留タンク250が加圧部205から加圧口205fを介して加圧され、ベントフィルター258で圧力を調整されて、水素水に大気圧より高い圧力が印加される。本実施形態において貯留部250は、0.4〜0.6MPa程度に加圧されている。これにより、貯留された水素バブル含有水の水素濃度が向上する。
次に、水素バブル含有水を減圧しながら導出する。(減圧導出ステップステップ:S1−6)。具体的には、貯留部250に加圧された状態で貯留された水素バブル含有水が減圧弁253により減圧されながら導出経路203を介して取り出される。ここで、水素バブル含有水を減圧しながら取り出すことで発泡を抑制し、水素濃度を維持して水素バブル含有水を取り出すことができる。
次に、水素バブル含有水を保存する。(保存ステップ:S1−7)。具体的には、バブル含有液製造装置20から導出経路203を介して取り出された水素バブル含有水を、大気解放した容器に保存する。取り出された水素バブル含有水は、超微細気泡を含有している。超微細気泡は液体内に長期に渡って滞在することが知られており、これにより、高濃度に水素を維持する水素水を保存できる。
[実験結果]
本発明の実施形態に係るバブル含有液製造装置20により製造された水素水と他の方法により製造された水素水とに関し、水素濃度ついての実験結果を図10および図11に基づいて説明する。
本実験では、まず、本発明の実施形態に係るバブル含有液製造装置20において、0.4〜0.6MPaの圧力で貯留部250を加圧する加圧タンク方式として製造される水素水の水素濃度を貯留部250内にて測定した。これとの比較として、高圧水素ボンベにより水素ガスを水に溶解させる水素溶解方式と、常圧電気分解式水素発生装置による電気分解方式でも同様に水素濃度を測定した。なお、溶存水素濃度は、従来よく知られる、隔膜式ポーラロ電極法による溶存水素濃度測定器により測定した。
図10に示すように、加圧タンク方式によれば、製造する水素水において10分程度で16ppm程度まで水素濃度が急激に上昇することが確認された。これに対して、水素溶解方式では、水素を溶解させる水素水において、60分程度までは緩やかに水素濃度が上昇し、13ppm程度となることが確認された。また、電気分解方式では、製造する水素水において、定常的に0.65ppm程度の水素濃度となることが確認された。
これから明らかなように、本発明の実施形態に係る水素バブル含有水製造装置は、貯留部を加圧することにより、水素濃度を短時間で上昇させることができることわかる。したがって、本発明の実施形態に係る水素水の製造システムでは、加圧減圧効果により短時間で高濃度に超微細気泡を含有する水素水を提供できる。
次に、バブル含有液製造装置20により、上記の加圧タンク方式で製造された水素水を、貯留部250から導出経路203を介して大気解放された容器(図示なし)に導出し、容器に導出された水素水の水素濃度を測定した。
この実験では、バブル含有液製造装置20において、循環経路r2により水素バブル含有水を循環させることなく、貯留部250から取り出す、いわゆるワンパス方式と、循環経路r2を利用して水素バブル含有水を循環させた後に貯留部250から取り出す、いわゆる循環方式とで、水素水の水素濃度を測定した。また、ワンパス方式と循環方式とでそれぞれ、容器の上部と下部とで水素水の水素濃度を測定した。
上記の水素濃度測定において、水素水を導出する導出経路203には、流量計を設け、水素水の流量を測定しながら、濃度測定を行った。一方で、ワンパス方式の容器下部における測定では、流量計を設けることなく、水素水を導出し、水素水の水素濃度を測定する実験も別途行った。
図11に示すように、ワンパス方式と循環方式との比較では、ワンパス方式の方が、水素濃度の高い水素水を製造できることが明らかとなった。また、容器の上部と下部との比較では、下部の方が水素濃度の高い水素水が導出されることが明らかとなった。しかし、大気解放された容器において10〜30分程度、水素水を放置することで、容器の上部と下部との水素濃度の差はなくなり、均一化することが明らかとなった。
また、水素水を導出する導出経路に流量計を設けない方が、水素濃度の高い水素水を導出できることが明らかとなった。これは、流量計が水素水の流路における障害物となり、水素濃度の低下に起因したものと考えられる。したがって、導出経路は、加圧減圧作用により水素濃度を高められた水素水の通過する流路に、流れを阻害する障害物を備えることなく、水素水を導出することが望ましい。よって、導出路は、流路の断面径を維持し、流路内に流体の流れを妨げる障害物を備えない構成とすることにより、水素濃度を高濃度に維持した水素水を導出することができる。
本発明の特定の実施形態についての上記説明は、例示を目的として提示したものである。それらは、網羅的であったり、記載した形態そのままに本発明を制限したりすることを意図したものではない。数多くの変形や変更が、上記の記載内容に照らして可能であることは当業者に自明である。
本発明は、水素水の製造に利用できる。
1 水素水の製造システム
10 水素供給装置
20 バブル含有液製造装置
230 バブル生成部
240 バブル圧壊部
250 貯留部
250h 加圧口
253 減圧弁
30 純水供給装置
r2 循環経路

Claims (7)

  1. 水素ガスと水とを供給され、水の中に水素ガスの微細気泡を生成するバブル生成部と、
    前記バブル生成部に接続され、前記バブル生成部から供給される水素水を通過させ、通過する水素水に超音波を照射し、水素水の中の微細気泡を圧壊するバブル圧壊部と、
    前記バブル圧壊部に接続され、前記バブル圧壊部から供給される水素水を貯留する貯留部とを備える、水素水の製造システムであって、
    前記貯留部は、貯留された水素水に大気圧より高い圧力を印加するための加圧口と、貯留された水素水を大気圧に減圧しながら外部に導出する導出経路とを備え、
    前記導出経路は、減圧された水素水の通過する流路を狭めることなく水素水を導出する
    、水素水の製造システム。
  2. 水素ガスと水とを供給され、水の中に水素ガスの微細気泡を生成するバブル生成部と、
    前記バブル生成部に接続され、前記バブル生成部から供給される水素水を通過させ、通過する水素水に超音波を照射し、水素水の中の微細気泡を圧壊するバブル圧壊部と、
    前記バブル圧壊部に接続され、前記バブル圧壊部から供給される水素水を貯留する貯留部とを備える、水素水の製造システムであって、
    前記貯留部は、貯留された水素水に大気圧より高い圧力を印加するための加圧口と、貯留された水素水を大気圧に減圧しながら外部に導出する導出経路とを備え、
    前記導出経路は、減圧された水素水の通過する流路に流れを阻害する障害物を備えるこ
    となく、水素水を導出する、水素水の製造システム。
  3. 前記バブル生成部と、前記バブル圧壊部と、前記貯留部とが組み込まれた循環経路を備える、請求項1または請求項2に記載の水素水の製造システム。
  4. 水の中に水素ガスの微細気泡を生成するバブル生成ステップと、
    前記バブル生成部から供給される水素水を通過させ、通過する水素水に超音波を照射し、水素水の中の微細気泡を圧壊するバブル圧壊ステップと、
    前記圧壊部に接続され、前記バブル圧壊部から供給される水素水を貯留部に貯留する貯留ステップと、
    前記貯留部に貯留された水素水に大気圧より高い圧力を印加する加圧ステップと、
    前記加圧ステップの後に、大気圧に減圧されながら外部に水素水を導出する減圧導出ステップとを含み、
    前記導出経路は、減圧された水素水の通過する流路を狭めることなく水素水を導出する
    、水素水の製造方法。
  5. 水の中に水素ガスの微細気泡を生成するバブル生成ステップと、
    前記バブル生成部から供給される水素水を通過させ、通過する水素水に超音波を照射し、水素水の中の微細気泡を圧壊するバブル圧壊ステップと、
    前記圧壊部に接続され、前記バブル圧壊部から供給される水素水を貯留部に貯留する貯留ステップと、
    前記貯留部に貯留された水素水に大気圧より高い圧力を印加する加圧ステップと、
    前記加圧ステップの後に、大気圧に減圧されながら外部に水素水を導出する減圧導出ステップとを含み、
    前記導出経路は、減圧された水素水の通過する流路に流れを阻害する障害物を備えるこ
    となく、水素水を導出する、水素水の製造方法。
  6. 前記加圧ステップを行いながら、前記バブル生成ステップと前記バブル圧壊ステップと前記貯留ステップとが繰り返して行われる、請求項5に記載の水素水の製造方法。
  7. 前記減圧導出ステップの後に、水素水を保存する保存ステップを含む、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の水素水の製造方法。
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