JP2018074925A - 培養液調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】培養液の性質を容易に調整することのできる培養液調整装置を提供する。【解決手段】pH平衡溶液である培養液L1の性質を調整する培養液調整装置10であって、所定圧力で供給される酸素、二酸化炭素、不活性ガスの流量をそれぞれ調整する第1流量調整部12、第2流量調整部13、第3流量調整部14と、それぞれ流量の調整された酸素、二酸化炭素、及び不活性ガスを混合する混合部15と、混合部から流出する混合ガスが供給され、培養液を貯留する貯留部20と、酸素濃度センサ21と、pHセンサ22と、検出された溶存酸素濃度と溶存酸素濃度の目標値とに基づいて酸素の流量を設定し、検出されたpHとpHの目標値とに基づいて二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて不活性ガスの流量を設定する流量設定部18と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、培養液の性質を調整する培養液調整装置に関する。
従来、この種の装置において、溶存酸素濃度測定器と、溶存二酸化炭素濃度測定器と、pH測定器とを備えるものがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載のものは、これらの測定器による測定値に基づいて、ガス交換手段に供給する空気混合ガスの通気量、散気手段からの酸素含有気泡の供給量、及びガス供給装置からのガスの供給量を制御するとしている。
特開2014−18174号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、ガス交換手段、散気手段、及びガス供給装置を、どのように協調させて制御して培養液の性質を調整するのか不明であり、未だ改善の余地を残すものとなっている。
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、培養液の性質を容易に調整することのできる培養液調整装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、
pH平衡溶液である培養液の性質を調整する培養液調整装置であって、
所定圧力で供給される酸素の流量を調整する第1流量調整部と、
前記所定圧力で供給される二酸化炭素の流量を調整する第2流量調整部と、
前記所定圧力で供給される不活性ガスの流量を調整する第3流量調整部と、
前記第1流量調整部、前記第2流量調整部、及び前記第3流量調整部により、それぞれ流量の調整された前記酸素、前記二酸化炭素、及び前記不活性ガスを混合する混合部と、
前記混合部から流出する混合ガスが供給され、前記培養液を貯留する貯留部と、
前記培養液の溶存酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
前記培養液のpHを検出するpHセンサと、
前記酸素濃度センサにより検出された前記溶存酸素濃度と前記溶存酸素濃度の目標値とに基づいて前記酸素の流量を設定し、前記pHセンサにより検出された前記pHと前記pHの目標値とに基づいて前記二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から前記設定された酸素の流量及び前記設定された二酸化炭素の流量を引いて前記不活性ガスの流量を設定する流量設定部と、
前記流量設定部により設定された前記酸素の流量、前記二酸化炭素の流量、及び前記不活性ガスの流量になるように、前記第1流量調整部、前記第2流量調整部、及び前記第3流量調整部を制御する流量制御部と、
を備える。
上記構成によれば、所定圧力で供給される酸素の流量が第1流量調整部により調整され、所定圧力で供給される二酸化炭素の流量が第2流量調整部により調整され、所定圧力で供給される不活性ガスの流量が第3流量調整部により調整される。第1流量調整部、第2流量調整部、及び第3流量調整部により、それぞれ流量の調整された酸素、二酸化炭素、及び不活性ガスが混合部で混合されて混合ガスとなる。そして、混合部から流出する混合ガスが、貯留部に貯留された培養液に供給される。
ここで、培養液の溶存酸素濃度が酸素濃度センサにより検出され、培養液のpHがpHセンサにより検出される。培養液の溶存酸素濃度は混合ガスの酸素分圧に応じて変化し、培養液のpHは混合ガスの二酸化炭素分圧に応じて変化する。そして、各ガスの圧力が所定圧力で等しく且つ混合ガスの全体流量が一定であれば、各ガスの分圧は各ガスの流量に比例する。
この点、流量設定部は、酸素濃度センサにより検出された溶存酸素濃度と溶存酸素濃度の目標値とに基づいて酸素の流量を設定し、pHセンサにより検出されたpHとpHの目標値とに基づいて二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて不活性ガスの流量を設定する。このため、溶存酸素濃度を目標値にするための酸素の流量、pHを目標値にするための二酸化炭素の流量、及び不活性ガスの流量を容易に設定することができる。そして、流量設定部により設定された酸素の流量、二酸化炭素の流量、及び不活性ガスの流量になるように、第1流量調整部、第2流量調整部、及び第3流量調整部が制御される。したがって、上記培養液調整装置によれば、培養液の性質を容易に調整することができる。なお、溶存酸素濃度の目標値及びpHの目標値は、予め設定された値でもよいし、ユーザが都度入力してもよい。
第2の手段では、前記流量設定部は、前記酸素濃度センサにより検出された前記溶存酸素濃度と前記溶存酸素濃度の目標値との偏差である第1偏差と、設定する前記酸素の流量との関係を予め規定した第1データに、前記第1偏差を適用して前記酸素の流量を設定し、前記pHセンサにより検出された前記pHと前記pHの目標値との偏差である第2偏差と、設定する前記二酸化炭素の流量との関係を予め規定した第2データに、前記第2偏差を適用して前記二酸化炭素の流量を設定する。
上記構成によれば、酸素濃度センサにより検出された溶存酸素濃度と溶存酸素濃度の目標値との偏差である第1偏差と、設定する酸素の流量との関係が、第1データにより予め規定されている。そして、流量設定部は、第1データに上記第1偏差を適用して酸素の流量を設定する。このため、溶存酸素濃度を目標値にするための酸素の流量を、更に容易に設定することができる。また、pHセンサにより検出されたpHとpHの目標値との偏差である第2偏差と、設定する二酸化炭素の流量との関係が、第2データにより予め規定されている。そして、流量設定部は、第2データに上記第2偏差を適用して二酸化炭素の流量を設定する。このため、pHを目標値にするための二酸化炭素の流量を、更に容易に設定することができる。なお、第1データ及び第2データは、予め実験等に基づいて規定しておくことができる。
第3の手段では、前記第1データは、前記培養液の溶存酸素濃度が平衡する場合の各溶存酸素濃度と前記混合ガスにおける酸素の各流量との関係を予め規定した酸素流量テーブルと、前記酸素流量テーブルにおいて前記溶存酸素濃度の目標値に対応する酸素の流量に掛ける係数と前記第1偏差との関係を予め規定した第1係数テーブルとを含み、前記第2データは、前記培養液のpHが平衡する場合の各pHと前記混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係を予め規定した二酸化炭素流量テーブルと、前記二酸化炭素流量テーブルにおいて前記pHの目標値に対応する二酸化炭素の流量に掛ける係数と前記第2偏差との関係を予め規定した第2係数テーブルとを含む。
上記構成によれば、培養液の溶存酸素濃度が平衡する場合の各溶存酸素濃度と混合ガスにおける酸素の各流量との関係が、酸素流量テーブルにより予め規定されている。そして、酸素流量テーブルにおいて溶存酸素濃度の目標値に対応する酸素の流量に掛ける係数と上記第1偏差との関係が、第1係数テーブルにより予め規定されている。このため、酸素の流量は、培養液の溶存酸素濃度が平衡する場合の酸素の流量に、第1偏差に応じた係数が掛けられることで設定される。したがって、溶存酸素濃度が平衡する場合の酸素の流量を基準にしつつ、溶存酸素濃度を目標値に迅速に調整することができる。
また、培養液のpHが平衡する場合の各pHと混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係が、二酸化炭素流量テーブルにより予め規定されている。そして、二酸化炭素流量テーブルにおいてpHの目標値に対応する二酸化炭素の流量に掛ける係数と上記第2偏差との関係が、第2係数テーブルにより予め規定されている。このため、二酸化炭素の流量は、培養液のpHが平衡する場合の二酸化炭素の流量に、第2偏差に応じた係数が掛けられることで設定される。したがって、pHが平衡する場合の二酸化炭素の流量を基準にしつつ、pHを目標値に迅速に調整することができる。
培養液に対する酸素の溶解量及び二酸化炭素の溶解量は、温度に応じて変化する。この点、第4の手段では、前記酸素流量テーブルは、前記培養液の溶存酸素濃度が平衡する場合の各溶存酸素濃度と前記混合ガスにおける酸素の各流量との関係を、各温度に応じて予め規定しており、前記二酸化炭素流量テーブルは、前記培養液のpHが平衡する場合の各pHと前記混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係を、各温度に応じて予め規定しているといった構成を採用している。したがって、培養液に対する酸素の溶解量及び二酸化炭素の溶解量が温度に応じて変化したとしても、溶存酸素濃度及びpHを目標値に適切に調整することができる。
酸素の流量及び二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて不活性ガスの流量を設定する構成では、常に所定流量の混合ガスが流れることになる。このため、溶存酸素濃度及びpHが目標値に調整された後も、混合ガスが無駄に消費されるおそれがある。
この点、第5の手段では、前記流量設定部は、前記酸素濃度センサにより検出された前記溶存酸素濃度と前記溶存酸素濃度の目標値との偏差である第1偏差が第1所定偏差よりも小さく、且つ前記pHセンサにより検出された前記pHと前記pHの目標値との偏差である第2偏差が第2所定偏差よりも小さい場合に、前記酸素の流量、前記二酸化炭素の流量、及び前記不活性ガスの流量を0に設定するといった構成を採用している。このため、第1偏差が第1所定偏差よりも小さく、且つ第2偏差が第2所定偏差よりも小さい場合には、混合ガスを流すことを停止させることができる。したがって、混合ガスが無駄に消費されることを抑制することができる。
第6の手段では、前記培養液により細胞を培養する培養部と、前記貯留部から前記培養部へ前記培養液を送出する第1送出部と、前記培養部から前記貯留部へ前記培養液を送出する第2送出部と、を備える。
上記構成によれば、第1送出部により、貯留部から培養部へ培養液が送出される。そして、培養部において培養液により細胞が培養され、細胞の活動により培養液の溶存酸素濃度及びpHが変化する。この点、第2送出部により、培養部から貯留部へ培養液が送出される。そして、貯留部において、培養液の溶存酸素濃度及びpHが再び目標値に調整される。したがって、貯留部と培養部との間で培養液を循環させて継続使用することができるとともに、培養部に供給される培養液の性質を目標値に維持することができる。
第7の手段では、前記溶存酸素濃度の目標値及び前記pHの目標値を入力する際に操作される操作部を備える。
上記構成によれば、ユーザは、操作部を操作することで、溶存酸素濃度の目標値及びpHの目標値を入力することができる。そして、流量設定部により、溶存酸素濃度を目標値にするための酸素の流量、pHを目標値にするための二酸化炭素の流量、及び不活性ガスの流量が設定される。このため、ユーザは、操作部を操作して溶存酸素濃度の目標値及びpHの目標値を入力するだけで、培養液の性質を自動的に目標値に調整することができる。
培養液調整装置を示す模式図。 平衡状態における酸素体積比と溶存酸素濃度と温度との関係を示すグラフ。 平衡状態における二酸化炭素体積比の自然対数値とpHと温度との関係を示すグラフ。 酸素流量テーブルを示す図。 二酸化炭素流量テーブルを示す図。 第1係数テーブルを示す図。 第2係数テーブルを示す図。 溶存酸素濃度の変化を示すタイムチャート。
以下、細胞を培養する培養液の性質を調整する培養液調整装置に具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、培養液調整装置10は、制御ユニット11、培養液ボトル20、酸素濃度センサ21、pHセンサ22、温度センサ23、培養容器30、ポンプ31,32等を備えている。
制御ユニット11は、マスフロコントローラ(MFC)12,13,14、継手15、操作部16、表示部17、マイクロコンピュータ(MC)18等を備えている。
MFC12(第1流量調整部に相当)には、酸素ボンベ41からの酸素が、レギュレータ(調圧弁)45により所定圧力に調整されて供給される。MFC13(第2流量調整部に相当)には、二酸化炭素ボンベ42からの二酸化炭素が、レギュレータ46により所定圧力に調整されて供給される。MFC14(第3流量調整部に相当)には、窒素ボンベ43からの窒素(不活性ガスに相当)が、レギュレータ47により所定圧力に調整されて供給される。すなわち、MFC12,13,14には、互いに等しい所定圧力の酸素,二酸化炭素,窒素がそれぞれ供給される。MFC12,13,14は、それぞれ酸素,二酸化炭素,窒素の流量を調整する。MFC12,13,14によるガス流量の調整状態は、MC18により制御される。
MFC12,13,14により、それぞれ流量の調整された酸素,二酸化炭素,窒素は継手15で合流する。継手15は、MFC12,13,14にそれぞれ接続された配管12a,13a,14aを配管15aに接続している。すなわち、継手15(混合部に相当)により、MFC12,13,14からそれぞれ供給される酸素,二酸化炭素,窒素が混合されて、それらの混合ガスが配管15aへ供給される。
配管15aは、培養液L1を貯留する培養液ボトル20(貯留部に相当)に接続されている。詳しくは、配管15aは、培養液L1中に混合ガスを供給するように培養液ボトル20に接続されている。培養液ボトル20には、pH平衡溶液である培養液L1が貯留されている。培養液に添加する試薬としては、例えば重炭酸塩等、pH6〜8の範囲において遊離してpH緩衝機能を有するものを採用することができる。重炭酸塩としては、重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム等を採用することができる。その他、培養液L1には、細胞が活動するために必要な養分として、血清、アミノ酸、ビタミン、糖類等が添加されている。なお、培養液L1には、pHを目視で確認するためにフェノールレッド等の指示薬が添加されている。
培養液ボトル20には、培養液L1の溶存酸素濃度DOを検出する酸素濃度センサ21、培養液L1のpHを検出するpHセンサ22、及び培養液L1の温度を検出する温度センサ23が取り付けられている。
培養液ボトル20には、配管25を介してポンプ31が接続されている。ポンプ31(第1送出部に相当)には、配管26を介して培養容器30(培養部に相当)が接続されている。ポンプ31は、配管25を通じて培養液ボトル20内の培養液L1を吸入し、培養液L1を配管26を通じて培養容器30へ吐出する。すなわち、ポンプ31は、培養液ボトル20から培養容器30へ培養液L1を送出する。
培養容器30内には、培養液L2が貯留されている。培養液L2(培地)は、培養する細胞を含んでいる。この細胞としては、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、細菌、酵母、真菌等を採用することができる。また、細胞は、複数個の細胞からなる組織や、複数種の細胞からなる組織であってもよい。そして、培養容器30において培養液L2により細胞が培養され、細胞の活動により培養液L2の溶存酸素濃度及びpHが変化する。
培養容器30には、配管27を介してポンプ32が接続されている。ポンプ32(第2送出部に相当)には、配管28を介して培養液ボトル20が接続されている。ポンプ32は、配管27を通じて培養容器30内の培養液L2を吸入し、培養液L2を配管28を通じて培養液ボトル20へ吐出する。すなわち、ポンプ32は、培養容器30から培養液ボトル20へ培養液L2を送出する。
制御ユニット11の操作部16は、ダイヤルやスイッチ等により構成されている。操作部16は、培養液L1の溶存酸素濃度DOの目標値及びpHの目標値をユーザが入力する際に操作される。操作部16の操作により入力された溶存酸素濃度DOの目標値及びpHの目標値は、MC18へ出力される。
表示部17は、液晶ディスプレイ等により構成されており、溶存酸素濃度DOの目標値(ppm)、溶存酸素濃度DOの検出値(ppm)、pHの目標値、pHの検出値、温度の検出値(℃)、酸素の流量(ml/min)、二酸化炭素の流量(ml/min)、混合ガスの全体流量(ml/min)等を表示する。表示部17の表示状態は、MC18により制御される。
制御ユニット11は、SDカード19(記憶媒体)を挿入する挿入部を備えている。MC18は、挿入部に挿入されたSDカード19にデータを書き込んだり、SDカード19に書き込まれたデータを読み込んだりする。詳しくは、MC18は、溶存酸素濃度DOの目標値、酸素濃度センサ21により逐次検出される溶存酸素濃度DO、pHの目標値、pHセンサ22により逐次検出されるpH、温度センサ23により逐次検出される温度T等を、所定の周期でSDカード19に書き込む。
MC18(流量設定部、流量制御部に相当)は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータである。MC18は、センサ21,22,23による検出値に基づいて、培養液L1の溶存酸素濃度DO及びpHが目標値になるようにMFC12,13,14を制御する。
図2は、培養液L1に混合ガスが供給されて平衡した状態において、混合ガスにおける酸素体積比と、培養液L1の溶存酸素濃度DOと、培養液L1の温度Tとの関係を示すグラフである。培養液L1の溶存酸素濃度DOは、混合ガスの酸素分圧に応じて変化する。そして、混合ガスにおける各ガスの圧力が所定圧力で等しく且つ混合ガスの全体体積(全体流量)が一定であれば、各ガスの分圧は各ガスの体積(流量)に比例する。このため、混合ガスにおける酸素体積比が大きくなるほど、溶存酸素濃度DOが高くなっている。詳しくは、溶存酸素濃度DOは、混合ガスにおける酸素体積比に比例している。また、培養液L1に対する酸素の溶解量は、温度Tに応じて変化する。詳しくは、温度Tが高くなるほど、培養液L1に対する酸素の溶解量が少なくなり、溶存酸素濃度DOが低くなっている。
図3は、培養液L1に混合ガスが供給されて平衡した状態において、混合ガスにおける二酸化炭素体積比の自然対数値と、培養液L1のpHと、培養液L1の温度Tとの関係を示すグラフである。二酸化炭素が培養液L1に溶解することで水素イオンが発生するため、培養液L1のpHは混合ガスの二酸化炭素分圧に応じて変化する。そして、混合ガスにおける各ガスの圧力が所定圧力で等しく且つ混合ガスの全体体積(全体流量)が一定であれば、各ガスの分圧は各ガスの体積(流量)に比例する。このため、混合ガスにおける二酸化炭素体積比が大きくなるほど、pHが小さくなっている。詳しくは、pHの減少量は、混合ガスにおける二酸化炭素体積比の自然対数値の増加量に比例している。また、培養液L1に対する二酸化炭素の溶解量は、温度Tに応じて変化する。詳しくは、温度Tが高くなるほど、培養液L1に対する二酸化炭素の溶解量が少なくなり、pHが大きくなっている。
図4は、図2のグラフに基づいて、培養液L1の溶存酸素濃度DOが平衡した場合の各溶存酸素濃度DOと混合ガスにおける酸素の各流量と各温度Tとの関係を規定した酸素流量テーブルを示す図である。例えば、温度T1において溶存酸素濃度DO1(例えば1ppm)で平衡する場合の酸素流量は流量RO11であり、温度Tmにおいて溶存酸素濃度DOn(例えば20ppm)で平衡する場合の酸素流量は流量ROnmである。流量RO11から流量ROn1へ順に大きくなっており、流量RO11から流量RO1mへ順に大きくなっている。そして、流量ROnmが最も大きくなっている。なお、図2の3つのグラフに含まれていない条件の流量ROは、それらのグラフの間を比例補間することにより算出されている。
図5は、図3のグラフに基づいて、培養液L1のpHが平衡した場合の各pHと混合ガスにおける二酸化炭素の各流量と各温度Tとの関係を規定した二酸化炭素流量テーブルを示す図である。例えば、温度T1においてpH1(所定のpH値、例えば6.9)で平衡する場合の二酸化炭素流量は流量RC11であり、温度TmにおいてpHn(所定のpH値、例えば7.9)で平衡する場合の二酸化炭素流量は流量RCnmである。流量RC11から流量RCn1へ順に小さくなっており、流量RC11から流量RC1mへ順に大きくなっている。そして、流量RC1mが最も大きくなっている。なお、図3の3つのグラフに含まれていない条件の流量RCは、それらのグラフの間を比例補間することにより算出されている。
そして、MC18は、酸素濃度センサ21により検出された溶存酸素濃度DOと溶存酸素濃度DOの目標値とに基づいて酸素の流量を設定する。例えば、温度Tmにおいて溶存酸素濃度DOnが平衡する場合の酸素の流量ROnmを基準流量として、溶存酸素濃度DOの検出値と目標値DOnとの偏差である第1偏差dOmに応じた係数を基準流量ROnmに掛けることで酸素の流量を設定する。
図6は、図4の酸素流量テーブルにおいて溶存酸素濃度DOの目標値DOnに対応する酸素の基準流量ROnmに掛ける係数POnm,MOnmと、上記第1偏差dOmとの関係を規定した第1係数テーブルを示す図である。第1係数テーブルは、予め実験等に基づいて規定しておくことができる。
例えば、溶存酸素濃度DOの目標値DO1(例えば1ppm)に対して、検出値が正側に偏差dO1だけ大きい場合の第1係数は第1係数PO11である。また、溶存酸素濃度DOの目標値DOn(例えば20ppm)に対して、検出値が正側にdOm(dO1<dOm)だけ大きい場合の第1係数は第1係数POnmである。第1係数PO11から第1係数PO1mへ順に小さくなっており、第1係数POn1から第1係数POnmへ順に小さくなっている。一方、溶存酸素濃度DOの目標値DO1に対して、検出値が負側に偏差dO1(0<dO1)だけ小さい場合の第1係数は第1係数MO11である。また、溶存酸素濃度DOの目標値DOnに対して、検出値が負側にdOm(dO1<dOm)だけ小さい場合の第1係数は第1係数MOnmである。第1係数MO11から第1係数MO1mへ順に大きくなっており、第1係数MOn1から第1係数MOnmへ順に大きくなっている。
同様にして、MC18は、pHセンサ22により検出されたpHとpHの目標値とに基づいて二酸化炭素の流量を設定する。例えば、温度TmにおいてpHnが平衡する場合の二酸化炭素の流量RCnmを基準流量として、pHの検出値と目標値DOnとの偏差である第2偏差dPmに応じた係数を基準流量RCnmに掛けることで二酸化炭素の流量を設定する。
図7は、図5の二酸化炭素流量テーブルにおいてpHの目標値pHnに対応する二酸化炭素の基準流量RCnmに掛ける係数PCnm,MCnmと、上記第2偏差dPmとの関係を規定した第2係数テーブルを示す図である。第2係数テーブルは、予め実験等に基づいて規定しておくことができる。
例えば、pHの目標値pH1(所定のpH値、例えば6.9)に対して、検出値が正側に偏差dP1だけ大きい場合の第2係数は第2係数PC11である。また、pHの目標値pHn(所定のpH値、例えば7.9)に対して、検出値が正側にdPm(dP1<dPm)だけ大きい場合の第2係数は第2係数PCnmである。第2係数PC11から第2係数PC1mへ順に大きくなっており、第2係数PCn1から第2係数PCnmへ順に大きくなっている。一方、pHの目標値pH1に対して、検出値が負側に偏差dP1(0<dP1)だけ小さい場合の第2係数は第2係数MC11である。また、pHの目標値pHnに対して、検出値が負側にdPm(dP1<dPm)だけ小さい場合の第2係数は第2係数MCnmである。第2係数MC11から第2係数MC1mへ順に小さくなっており、第2係数MCn1から第2係数MCnmへ順に小さくなっている。
なお、上記酸素流量テーブル及び第1係数テーブルにより第1データが構成されており、上記二酸化炭素流量テーブル及び第2係数テーブルにより第2データが構成されている。すなわち、第1データは、酸素濃度センサ21により検出された溶存酸素濃度DOと溶存酸素濃度DOの目標値との偏差である第1偏差と、設定する酸素の流量との関係を予め規定している。また、第2データは、pHセンサ22により検出されたpHとpHの目標値との偏差である第2偏差と、設定する二酸化炭素の流量との関係を予め規定している。
MC18は、上記に基づいて酸素の流量及び二酸化炭素の流量を設定し、所定流量(例えば750ml)から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて、窒素の流量を設定する。そして、MC18は、設定された酸素の流量、二酸化炭素の流量、及び不活性ガスの流量になるように、MFC12,13,14をそれぞれ制御する。
図8は、培養液調整装置10により培養液L1の性質を調整する際の溶存酸素濃度DOの変化を示すタイムチャートである。ここでは、温度センサ23により検出された培養液L1の温度が温度Tmであり、溶存酸素濃度DOの目標値が目標値DOnに設定されているとする。
時刻t1よりも前において、例えば目標値DOnに対する酸素濃度センサ21による検出値の偏差が+dO3〜+dO4の間である場合は、図4の酸素流量テーブルにおける酸素の流量ROnmに図6の第1係数テーブルにおける第1係数POn4を掛けた酸素の流量(ROnm×POn4)に設定される。同様にして、目標値DOnに対する酸素濃度センサ21による検出値の偏差が+dO1〜+dO2の間である場合は、図4の酸素流量テーブルにおける酸素の流量ROnmに図6の第1係数テーブルにおける第1係数POn2を掛けた酸素の流量(ROnm×POn2)に設定される。
時刻t1において、目標値DOnに対する酸素濃度センサ21による検出値の偏差が+dO1以下になると、所定時間TAが経過するまでは流量(ROnm×POn2)で維持される。そして、所定時間TAが経過した時刻t2において、目標値DOnに対する検出値の偏差が目標範囲(+dO2〜−dO2)内で維持されていることを条件として、酸素の流量が流量(ROnm×POn1)に設定される。目標値DOnに対する検出値の偏差が目標範囲内で維持されている間は、酸素の流量が流量(ROnm×POn1)で維持される。
時刻t3において、目標値DOnに対する酸素濃度センサ21による検出値の偏差が−dO2以下になると、図4の酸素流量テーブルにおける酸素の流量ROnmに図6の第1係数テーブルにおける第1係数MOn3を掛けた酸素の流量(ROnm×MOn3)に設定される。
時刻t4において、目標値DOnに対する酸素濃度センサ21による検出値の偏差が−dO1以上になると、所定時間TAが経過するまでは流量(ROnm×MOn2)で維持される。そして、所定時間TAが経過した時刻t5において、目標値DOnに対する検出値の偏差が目標範囲(+dO2〜−dO2)内で維持されていることを条件として、酸素の流量が流量(ROnm×MOn1)に設定される。目標値DOnに対する検出値の偏差が目標範囲内で維持されている間は、酸素の流量が流量(ROnm×MOn1)で維持される。
時刻t6において、目標値DOnに対する酸素濃度センサ21による検出値の偏差が+dO2以上になると、図4の酸素流量テーブルにおける酸素の流量ROnmに図6の第1係数テーブルにおける第1係数POn3を掛けた酸素の流量(ROnm×POn3)に設定される。また、培養液調整装置10により、培養液L1のpHも同様に調整される。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・MC18は、酸素濃度センサ21により検出された溶存酸素濃度DOと溶存酸素濃度DOの目標値とに基づいて酸素の流量を設定し、pHセンサ22により検出されたpHとpHの目標値とに基づいて二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて窒素の流量を設定する。このため、溶存酸素濃度DOを目標値にするための酸素の流量、pHを目標値にするための二酸化炭素の流量、及び窒素の流量を容易に設定することができる。そして、設定された酸素の流量、二酸化炭素の流量、及び窒素の流量になるように、MFC12、MFC13、及びMFC14が制御される。したがって、培養液調整装置10によれば、培養液L1の性質を容易に調整することができる。
・酸素濃度センサ21により検出された溶存酸素濃度DOと溶存酸素濃度DOの目標値との偏差である第1偏差dOmと、設定する酸素の流量との関係が、第1データにより予め規定されている。そして、MC18は、第1データに第1偏差dOmを適用して酸素の流量を設定する。このため、溶存酸素濃度DOを目標値にするための酸素の流量を、更に容易に設定することができる。
・pHセンサ22により検出されたpHとpHの目標値との偏差である第2偏差dPmと、設定する二酸化炭素の流量との関係が、第2データにより予め規定されている。そして、MC18は、第2データに第2偏差dPmを適用して二酸化炭素の流量を設定する。このため、pHを目標値にするための二酸化炭素の流量を、更に容易に設定することができる。
・培養液L1の溶存酸素濃度DOが平衡する場合の各溶存酸素濃度DOと混合ガスにおける酸素の各流量との関係が、図4の酸素流量テーブルにより予め規定されている。そして、酸素流量テーブルにおいて溶存酸素濃度DOの目標値に対応する酸素の流量に掛ける第1係数と上記第1偏差dOmとの関係が、図6の第1係数テーブルにより予め規定されている。このため、酸素の流量は、培養液L1の溶存酸素濃度DOが平衡する場合の酸素の流量に、第1偏差dOmに応じた第1係数が掛けられることで設定される。したがって、溶存酸素濃度DOが平衡する場合の酸素の流量を基準にしつつ、溶存酸素濃度DOを目標値に迅速に調整することができる。
・培養液L1のpHが平衡する場合の各pHと混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係が、図5の二酸化炭素流量テーブルにより予め規定されている。そして、二酸化炭素流量テーブルにおいてpHの目標値に対応する二酸化炭素の流量に掛ける第2係数と上記第2偏差dPmとの関係が、第2係数テーブルにより予め規定されている。このため、二酸化炭素の流量は、培養液L1のpHが平衡する場合の二酸化炭素の流量に、第2偏差dPmに応じた第2係数が掛けられることで設定される。したがって、pHが平衡する場合の二酸化炭素の流量を基準にしつつ、pHを目標値に迅速に調整することができる。
・酸素流量テーブルは、培養液L1の溶存酸素濃度DOが平衡する場合の各溶存酸素濃度DOと混合ガスにおける酸素の各流量との関係を、各温度Tmに応じて予め規定しており、二酸化炭素流量テーブルは、培養液L1のpHが平衡する場合の各pHと混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係を、各温度Tmに応じて予め規定している。したがって、培養液L1に対する酸素の溶解量及び二酸化炭素の溶解量が温度Tmに応じて変化したとしても、溶存酸素濃度DO及びpHを目標値に適切に調整することができる。
・ポンプ31により、培養液ボトル20から培養容器30へ培養液L1が送出される。そして、培養容器30において培養液L2により細胞が培養され、細胞の活動により培養液L2の溶存酸素濃度DO及びpHが変化する。この点、ポンプ32により、培養容器30から培養液ボトル20へ培養液L2が送出される。そして、培養液ボトル20において、培養液L1の溶存酸素濃度DO及びpHが再び目標値に調整される。したがって、培養液ボトル20と培養容器30との間で培養液L1,L2を循環させて継続使用することができるとともに、培養容器30に供給される培養液L1の性質を目標値に維持することができる。
・ユーザは、操作部16を操作することで、溶存酸素濃度DOの目標値及びpHの目標値を入力することができる。そして、MC18により、溶存酸素濃度DOを目標値にするための酸素の流量、pHを目標値にするための二酸化炭素の流量、及び窒素の流量が設定される。このため、ユーザは、操作部16を操作して溶存酸素濃度DOの目標値及びpHの目標値を入力するだけで、培養液L1の性質を自動的に目標値に調整することができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・MC18は、溶存酸素濃度DOの目標値及びpHの目標値を、SDカード19から読み込んでもよい。また、制御ユニット11が外部とデータを入出力する入出力インターフェースを備えていてもよい。
・MFC12,13,14からそれぞれ供給される酸素,二酸化炭素,窒素を、一旦貯留して混合するバッファタンク(混合部に相当)を、継手15に代えて設けることもできる。また、不活性ガスとして、窒素に代えてアルゴンやヘリウムを用いることもできる。
・混合ガスの全体流量である所定流量は、750mlに限らず任意に設定することができる。その場合、所定流量に応じて、レギュレータ(調圧弁)45,46,47により調整する各ガスの圧力(所定圧力に相当)を変更するとよい。
・培養液L1に対する酸素の溶解量が温度に応じてあまり変化しない場合は、酸素流量テーブルにおける各溶存酸素濃度DOと混合ガスにおける酸素の各流量との関係を、温度に対して一律に規定してもよい。同様に、培養液L1に対する二酸化炭素の溶解量が温度に応じてあまり変化しない場合は、二酸化炭素流量テーブルにおける各pHと混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係を、温度に対して一律に規定してもよい。その場合は、温度センサ23を省略することができる。
・図4の酸素流量テーブルに代えて、図2のグラフを表す関係式に基づいて、平衡時の溶存酸素濃度DOn及び温度Tmに対する酸素の体積比(すなわち酸素の流量)を算出してもよい。同様に、図5の二酸化炭素流量テーブルに代えて、図3のグラフを表す関係式に基づいて、平衡時のpHn及び温度Tmに対する二酸化炭素体積比の自然対数値(すなわち二酸化炭素の流量)を算出してもよい。
・酸素流量テーブルと第1係数テーブルとを1つのテーブル(第1データに相当)にまとめることもできる。その場合は、溶存酸素濃度DOの各目標値及び各第1偏差dOmに対して、設定する酸素の各流量を予め規定しておけばよい。同様に、二酸化炭素流量テーブルと第2係数テーブルとを1つのテーブル(第2データに相当)にまとめることもできる。その場合は、pHの各目標値及び各第2偏差dPmに対して、設定する二酸化炭素の各流量を予め規定しておけばよい。
・溶存酸素濃度DOの目標値と検出値とに基づいて、PID制御やPI制御等により酸素の流量を設定することもできる。同様に、pHの目標値と検出値とに基づいて、PID制御やPI制御等により二酸化炭素の流量を設定することもできる。その場合も、混合ガスの全体流量である所定流量から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて窒素の流量を設定すればよい。
・酸素の流量及び二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から、設定された酸素の流量及び設定された二酸化炭素の流量を引いて窒素(不活性ガス)の流量を設定する構成では、常に所定流量の混合ガスが流れることになる。このため、溶存酸素濃度DO及びpHが目標範囲内に調整された後も、混合ガスが無駄に消費されるおそれがある。
この点、MC18(流量設定部)は、酸素濃度センサ21により検出された溶存酸素濃度DOと溶存酸素濃度DOの目標値との偏差である第1偏差dOmが第1所定偏差よりも小さく、且つpHセンサ22により検出されたpHとpHの目標値との偏差である第2偏差dPmが第2所定偏差よりも小さい場合に、酸素の流量、二酸化炭素の流量、及び窒素の流量を0に設定してもよい。第1所定偏差としては、例えば図6の第1偏差dO1を採用することができる。第2所定偏差としては、例えば図7の第2偏差dP1を採用することができる。こうした構成によれば、第1偏差dOmが第1所定偏差よりも小さく、且つ第2偏差dPmが第2所定偏差よりも小さい場合には、混合ガスを流すことを停止させることができる。したがって、混合ガスが無駄に消費されることを抑制することができる。
・培養容器30内の培養液L2を培養液ボトル20に戻さず、一定期間使用した後に廃棄することもできる。その場合は、培養液ボトル20内の培養液L1の減少に応じて、培養液ボトル20に培養液L1を適宜補充すればよい。
・培養液ボトル20と培養容器30とが、一体の容器になっている構成を採用することもできる。すなわち、容器内の培養液に細胞が含まれており、その培養液の性質を調整してもよい。その場合は、ポンプ31,32及び培養容器30は不要となる。
10…培養液調整装置、11…制御ユニット、12…MFC(第1流量調整部)、13…MFC(第2流量調整部)、14…MFC(第3流量調整部)、15…継手(混合部)、16…操作部、18…マイクロコンピュータ(流量設定部、流量制御部)、20…培養液ボトル(貯留部)、21…酸素濃度センサ、22…pHセンサ、23…温度センサ、30…培養容器(培養部)、31…ポンプ(第1送出部)、32…ポンプ(第2送出部)。

Claims (7)

  1. pH平衡溶液である培養液の性質を調整する培養液調整装置であって、
    所定圧力で供給される酸素の流量を調整する第1流量調整部と、
    前記所定圧力で供給される二酸化炭素の流量を調整する第2流量調整部と、
    前記所定圧力で供給される不活性ガスの流量を調整する第3流量調整部と、
    前記第1流量調整部、前記第2流量調整部、及び前記第3流量調整部により、それぞれ流量の調整された前記酸素、前記二酸化炭素、及び前記不活性ガスを混合する混合部と、
    前記混合部から流出する混合ガスが供給され、前記培養液を貯留する貯留部と、
    前記培養液の溶存酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
    前記培養液のpHを検出するpHセンサと、
    前記酸素濃度センサにより検出された前記溶存酸素濃度と前記溶存酸素濃度の目標値とに基づいて前記酸素の流量を設定し、前記pHセンサにより検出された前記pHと前記pHの目標値とに基づいて前記二酸化炭素の流量を設定し、所定流量から前記設定された酸素の流量及び前記設定された二酸化炭素の流量を引いて前記不活性ガスの流量を設定する流量設定部と、
    前記流量設定部により設定された前記酸素の流量、前記二酸化炭素の流量、及び前記不活性ガスの流量になるように、前記第1流量調整部、前記第2流量調整部、及び前記第3流量調整部を制御する流量制御部と、
    を備える培養液調整装置。
  2. 前記流量設定部は、前記酸素濃度センサにより検出された前記溶存酸素濃度と前記溶存酸素濃度の目標値との偏差である第1偏差と、設定する前記酸素の流量との関係を予め規定した第1データに、前記第1偏差を適用して前記酸素の流量を設定し、前記pHセンサにより検出された前記pHと前記pHの目標値との偏差である第2偏差と、設定する前記二酸化炭素の流量との関係を予め規定した第2データに、前記第2偏差を適用して前記二酸化炭素の流量を設定する請求項1に記載の培養液調整装置。
  3. 前記第1データは、前記培養液の溶存酸素濃度が平衡する場合の各溶存酸素濃度と前記混合ガスにおける酸素の各流量との関係を予め規定した酸素流量テーブルと、前記酸素流量テーブルにおいて前記溶存酸素濃度の目標値に対応する酸素の流量に掛ける係数と前記第1偏差との関係を予め規定した第1係数テーブルとを含み、
    前記第2データは、前記培養液のpHが平衡する場合の各pHと前記混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係を予め規定した二酸化炭素流量テーブルと、前記二酸化炭素流量テーブルにおいて前記pHの目標値に対応する二酸化炭素の流量に掛ける係数と前記第2偏差との関係を予め規定した第2係数テーブルとを含む請求項2に記載の培養液調整装置。
  4. 前記酸素流量テーブルは、前記培養液の溶存酸素濃度が平衡する場合の各溶存酸素濃度と前記混合ガスにおける酸素の各流量との関係を、各温度に応じて予め規定しており、
    前記二酸化炭素流量テーブルは、前記培養液のpHが平衡する場合の各pHと前記混合ガスにおける二酸化炭素の各流量との関係を、各温度に応じて予め規定している請求項3に記載の培養液調整装置。
  5. 前記流量設定部は、前記酸素濃度センサにより検出された前記溶存酸素濃度と前記溶存酸素濃度の目標値との偏差である第1偏差が第1所定偏差よりも小さく、且つ前記pHセンサにより検出された前記pHと前記pHの目標値との偏差である第2偏差が第2所定偏差よりも小さい場合に、前記酸素の流量、前記二酸化炭素の流量、及び前記不活性ガスの流量を0に設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の培養液調整装置。
  6. 前記培養液により細胞を培養する培養部と、
    前記貯留部から前記培養部へ前記培養液を送出する第1送出部と、
    前記培養部から前記貯留部へ前記培養液を送出する第2送出部と、
    を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の培養液調整装置。
  7. 前記溶存酸素濃度の目標値及び前記pHの目標値を入力する際に操作される操作部を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の培養液調整装置。
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