JP2018074698A - 回転電機の固定子および固定子巻線の製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子および固定子巻線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、コイルエンド部の頂部の角部における絶縁被膜の損傷発生を抑制し、絶縁性を向上できる回転電機の固定子および固定子巻線の製造方法を得る。【解決手段】コイルエンド部のそれぞれは、連結される2本の直線部間の中央に位置する頂部と、連結される上記2本の直線部のそれぞれと上記頂部とを連結する一対の斜辺部と、を有し、上記頂部は、連結される上記2本の直線部の径方向位置を変位させるクランク部を中央に有し、複数のコイルエンド部は、上記頂部を径方向に重ねて径方向に2層以上に並んだ状態で、周方向に配列されており、径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組のそれぞれでは、上記斜辺部の曲げ角度が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど大きくなっており、かつ上記クランク部の曲げ半径が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど、単調増加している。【選択図】図7

Description

この発明は、電動機、発電機などの回転電機に適用される固定子および固定子巻線の製造方法に関するものである。
近年、電動機や発電機などの回転電機において、小型高出力および高品質が求められている。このような回転電機の高出力化にともない、通電電流が大電流化する。そして、通電電流の大電流化に対応するために、断面積の大きな導体線、特に矩形断面の導体線が用いられる傾向にある。
このような状況を鑑み、平角導体線を用いた巻線構造が種々提案されている(例えば,特許文献1,2参照)。
特許文献1による回転電機の固定子巻線は、波形導線を所定の状態に積み重ねて帯状に形成した導線集積体を渦巻き状に巻いてドーナツ状に形成されていた。波形導線は、スロットに収容されるスロット収容部と、スロットから突出して隣り合うスロット収容部の一端部同士および他端部同士をそれぞれ接続しているターン部と、を有する波形に成形されていた。ターン部の中央部には、固定子鉄心から最も離れた部位となる頂部が形成されていた。この頂部には、固定子鉄心の中心軸から頂部の中心を通って径方向に延びる直線に対して周方向に傾斜した渡り部を含んでなるクランク部が形成されていた。
また、特許文献2による回転電機の固定子巻線は、U字形に成形された平角線の一対の直線部を、複数のスロットを跨いで離間した2つのスロットに挿入し、スロットから突出した直線部の先端部同士を溶接して、形成されていた。平角線のU字部の頂部には、固定子鉄心の中心軸から頂部の中心を通って径方向に延びる直線に対して周方向に傾斜したセグメント移行曲げ部が形成されていた。なお、平角線のU字部、セグメント移行曲げ部、直線部が、それぞれ、特許文献1におけるターン部、クランク部、スロット収容部に相当している。
特開2010−115031号公報 特開2013−198380号公報
特許文献1,2においては、複数本のスロット収容部がスロットのそれぞれに径方向に1列に並んで挿入されている。そして、それぞれ、複数のスロットを跨いで離間する2つのスロットに挿入されているスロット収容部の端部同士を接続するターン部が、径方向に配列されている。ターン部により接続されるスロット収容部間の間隔は、外径側のターン部に接続されるスロット収容部間の間隔ほど長くなる。そこで、ターン部で構成されるコイルエンドの高さを揃える場合には、ターン部の頂部の曲げ角度を、スロット内の径方向内側に挿入されているスロット収容部の端部同士を接続するターン部ほど大きくする必要がある。
なお、頂部の曲げ角度とは、固定子鉄心の軸心と直交する平面と斜辺部との間の角度である。斜辺部とは、ターン部のスロット収容部からクランク部に至る部分である。
ここで、頂部の曲げ角度が大きくなるほど、頂部の絶縁被膜に加わるダメージが大きくなる。そこで、頂部の曲げ角度が大きくなる内径側のターン部ほど、頂部の絶縁被膜に集中するダメージが大きくなる。さらに、ターン部の頂部にクランク部を成形しているので、クランク部を成形することに起因するダメージが頂部の絶縁被膜に加わる。
このように、このクランク部を形成することに起因するダメージは、頂部を曲げ成形することに起因するダメージとともに、頂部の角部の絶縁被膜に蓄積される。そこで、頂部の曲げ角度が大きくなる内径側のターン部ほど、頂部の角部の絶縁被膜におけるダメージの蓄積量が増大する。これにより、内径側のターン部ほど、頂部の角部における絶縁被膜が一層損傷しやすくなるという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、コイルエンド部の頂部の角部における絶縁被膜の損傷発生を抑制し、絶縁性を向上できる回転電機の固定子および固定子巻線の製造方法を得ることを目的とする。
この発明の回転電機の固定子は、スロットが周方向に配列されている円環状の固定子鉄心と、平角線で作製されて、上記固定子鉄心に装着された固定子巻線と、を備えている。上記固定子巻線は、上記スロットのそれぞれに、径方向に1列に配列して収納される複数の直線部と、それぞれ、複数スロット離れた一方のスロットに収納されている直線部のなかの1本の直線部の端部と他方のスロットに収納されている直線部のなかの1本の直線部の端部とを連結する複数のコイルエンド部と、を有し、上記コイルエンド部のそれぞれは、連結される上記2本の直線部間の中央に位置する頂部と、連結される上記2本の直線部のそれぞれと上記頂部とを連結する一対の斜辺部と、を有し、上記頂部は、連結される上記2本の直線部の径方向位置を変位させるクランク部を中央に有し、上記複数のコイルエンド部は、上記頂部を径方向に重ねて径方向に2層以上に並んだ状態で、周方向に配列されており、径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組のそれぞれでは、上記斜辺部の曲げ角度が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど大きくなっており、かつ上記クランク部の曲げ半径が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど、単調増加している。
この発明によれば、径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組のそれぞれにおいて、斜辺部の曲げ角度がコイルエンドの径方向位置が内径側になるほど、単調増加しているので、径方向内方に位置するコイルエンド部ほど、頂部の絶縁被膜に加わるダメージが大きくなる。一方、上記クランク部の曲げ半径が、コイルエンドの径方向位置が内径側になるほど、単調増加しているので、径方向内方に位置するコイルエンド部ほど、頂部の絶縁被膜に加わるダメージが小さくなる。そこで、径方向内方に位置するコイルエンド部の頂部の角部の絶縁被膜におけるダメージの蓄積量の増加が抑制される。これにより、コイルエンド部の頂部の角部の絶縁被膜の損傷発生が抑制され、絶縁性が向上される。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを軸方向の他端側から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを軸方向の一端側から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのクランク部周りを示す要部端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の軸方向一端側のコイルエンドを示す要部端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのクランク部の曲げ部を説明する要部端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部に曲げ治具をセットした状態を周方向から見た図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部に曲げ治具をセットした状態を軸方向外方から見た図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部にクランク部を成形した状態を軸方向外方から見た図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを軸方向の他端側から見た端面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを示す正面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部を示す正面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルの製造方法のフロー図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における単位コイルを構成する導体線に膨出部を成形する金型を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における単位コイルを構成する導体線に膨出部を成形した状態を示す平面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機における単位コイルのコイルエンド部を示す斜視図である。
以下、本発明による固定子巻線用コイルの製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す片側断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子鉄心を構成する鉄心ブロックを示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを軸方向の他端側から見た端面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを示す正面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを軸方向の一端側から見た端面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのクランク部周りを示す要部端面図、図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部を示す斜視図、図10はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部を示す正面図、図11はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線の軸方向一端側のコイルエンドを示す要部端面図、図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのクランク部の曲げ部を説明する要部端面図である。
図1において、回転電機100は、有底円筒状のフレーム2およびフレーム2の開口を塞口する端板3を有するハウジング1と、フレーム2の円筒部に挿入、固着された固定子10と、フレーム2の底部および端板3にベアリング4を介して回転可能に支持された回転軸6に固着されて、固定子10の内周側に回転可能に配設された回転子5と、を備えている。
回転子5は、軸心位置を貫通するように挿入された回転軸6に固着された回転子鉄心7と、回転子鉄心7の外周面側に埋め込まれて周方向に等ピッチで配列され、磁極を構成する永久磁石8と、を備えた永久磁石型回転子である。なお、回転子5は、永久磁石式回転子に限定されず、絶縁しない回転子導体を、回転子鉄心のスロットに収納して、両側を短絡環で短絡したかご形回転子や、絶縁した導体線を回転子鉄心のスロットに装着した巻線形回転子を用いてもよい。
固定子10は、円環状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子巻線20と、固定子巻線20を構成する相巻線間を絶縁する相間絶縁部材(図示せず)と、固定子巻線20と固定子鉄心11との間を絶縁する対地絶縁部材(図示せず)と、を備えている。
ここで、固定子鉄心11の構造について、図2および図3を用いて説明する。
鉄心ブロック12は、図3に示されるように、電磁鋼板を積層一体化して作製され、断面円弧形のコアバック部12aと、コアバック部12aの内周壁面から径方向内方に突出する1本のティース12bと、を備えている。そして、固定子鉄心11は、図2に示されるように、ティース12bを径方向内方に向けて、コアバック部12aの周方向の側面同士を突き合わせて、48個の鉄心ブロック12を周方向に配列、一体化して、円環状に構成されている。このように、鉄心ブロック12は、円環状の固定子鉄心11を周方向に48等分割したものである。コアバック部12aと周方向に隣り合うティース12bとにより構成されるスロット13が、内周側に開口して、周方向に等角ピッチで配列されている。ティース12bは周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に形成されており、スロット13の固定子鉄心11の軸方向と直交する断面は長方形となっている。
つぎに、固定子巻線20の構造について図4から図12を用いて説明する。
単位コイル21は、図5から図7に示されるように、板厚である短辺幅Tの長方形断面形状の導体線19を、エッジワイズ巻きに螺旋状に巻いて、3ターンの略六角形のコイルパターンに作製されている。導体線19は、エナメル樹脂で絶縁被覆された、かつ接続部のない連続した銅線、アルミニウム線などからなる平角線である。
具体的には、単位コイル21は、固定子鉄心11のスロット13に挿入される6本の直線部22と、6本の直線部22を一続きに連結する5本のコイルエンド部23と、コイルエンド部23により一続きに連結された直線部22の両端に位置する直線部22から延び出るコイル端末27と、を備えている。ここで、単位コイル21が固定子鉄心11に装着された状態では、直線部22の長さ方向、短辺方向、および長辺方向が、それぞれ、固定子鉄心11の軸方向、径方向、および周方向に一致する。そこで、説明の便宜上、直線部22の長さ方向を軸方向、直線部22の短辺方向を径方向、直線部22の長辺方向を周方向とする。
各コイルエンド部23は、周方向の中央部に位置する頂部24と、連結される2本の直線部22から斜めに立ち上がり、頂部24に至る一対の斜辺部25と、を備える。さらに、各頂部24には、図8および図9に示されるように、連結される2本の直線部22を径方向に径方向にLだけ変位させるクランク部26が形成されている。また、各斜辺部25は、立ち上がり元の直線部22と同じ径方向位置を維持している。つまり、各斜辺部25は、固定子巻線20が固定子鉄心11に装着された際に、軸方向外方から見て、立ち上がり元の直線部22と固定子鉄心11の軸心との間の距離を半径とする円弧形状となっている。なお、クランク部26における変位量Lは、導体線19の短辺幅T、すなわち直線部22の径方向厚みに略一致している。
固定子巻線20は、図4に示されるように、このように構成された単位コイル21を、1スロットピッチで周方向に48個配列して、円環状に構成される。そして、6本の直線部22が径方向に1列に並んで、1スロットピッチで周方向に48列配列されている。軸方向の一端側では、図11に示されるように、コイルエンド部23が径方向に3層に並んで、1スロットピッチで周方向に48列配列されて、コイルエンドを構成している。軸方向の他端側では、図示されていないが、コイルエンド部23が径方向に2層に並んで、1スロットピッチで周方向に48列配列されて、コイルエンドを構成している。このように構成された固定子巻線20は、径方向に1列に配列された直線部22の各列にインシュレータ(図示せず)を装着して、固定子鉄心11に装着される。
ここで、図10に示されるように、コイルエンド部23に連結される2本の直線部22の周方向の間隔をY、コイルエンド部23の高さをZ、斜辺部25の曲げ角度をθとする。なお、コイルエンド部23の高さZは、斜辺部25の直線部22からの立ち上がり部と頂部24の頂点との間の軸方向距離である。また、斜辺部25の曲げ角度θは、斜辺部25と軸方向と直交する平面とのなす角度である。
軸方向の一端側のコイルエンドにおいて、径方向の最外周に位置するコイルエンド部23により連結される2本の直線部22の周方向の間隔をYa、径方向の中央に位置するコイルエンド部23により連結される2本の直線部22の周方向の間隔をYb、径方向の最内周に位置するコイルエンド部23により連結される2本の直線部22の周方向の間隔をYcとする。径方向の最外周に位置するコイルエンド部23の斜辺部25の曲げ角度をθa、径方向の中央に位置するコイルエンド部23の斜辺部25の曲げ角度をθb、径方向の最内周に位置するコイルエンド部23の斜辺部25の曲げ角度をθcとする。
スロット13のスロット深さ方向は径方向に一致するので、Ya>Yb>Ycとなる。そこで、θa<θb<θcとすることで、各コイルエンド部23の高さZを同一とでき、単位コイル21の取り扱い性を向上させることができる。そして、頂部24の曲げ部を成形することで、図10に二点鎖線で示される領域における頂部24の絶縁被膜にダメージが加わる。このとき、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23の斜辺部25ほど、曲げ角度θが大きくなり、頂部24の絶縁被膜へのダメージが大きくなる。
また、頂部24にクランク部26を成形することで、図8および図9に二点鎖線で示される領域における頂部24の絶縁被膜にダメージが加わる。その結果、頂部14の角部に、頂部24を成形することによるダメージとクランク部26を成形することによるダメージが、頂部24の角部の絶縁被膜に蓄積される。そして、斜辺部25の曲げ角度θが大きい内径側のコイルエンド部23ほど、頂部24の角部の絶縁被膜に蓄積されるダメージが大きくなる。なお、頂部24の角部とは、頂部24を構成している断面矩形の導体線19の隣り合う平面の交差部である。
つぎに、図12に示されるように、コイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径をRとする。軸方向一端側のコイルエンドにおいて、図7に示されるように、径方向の最外周に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径をRa、径方向の中央に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径をRb、径方向の最内周に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径をRcとする。曲げ半径Rが大きいほど、導体線19の絶縁被膜へのダメージが少なくなる。そこで、Ra<Rb<Rcとすることで、斜辺部25の曲げ角度θが大きくなる径方向の内周側に位置する頂部24の角部の絶縁被膜に蓄積されるダメージを低減できる。これにより、頂部24での絶縁被膜の損傷発生、特に頂部24の角部での絶縁被膜の損傷発生を抑制することができる。
ここで、コイルエンド部23のクランク部26の曲げ半径Rを小さくしすぎると、クランク部26の曲げ部の絶縁被膜にダメージが集中し、損傷を発生する。そこで、クランク部26の曲げ部での絶縁被膜へのダメージを確実に軽減するという観点から、径方向の最外周に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ半径Raを導体線19の板厚である短辺幅T以上とすることが好ましい。
また、コイルエンド部23のクランク部26の曲げ半径Rを大きくしすぎると、コイルエンドが大径化する。そこで、コイルエンドの大径化を抑制するという観点から、径方向の最内周に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ半径Rcを2.5T以下とすることが好ましい。
なお、実施の形態1では、0.1Rb≦Rb−Ra≦0.15Rb、かつ0.1Rc≦Rc−Rb≦0.15Rcとすることで、コイルエンド部23の頂部24の角部での絶縁被膜の損傷発生を抑制し、コイルエンドの大径化を抑制している。
なお、軸方向の他端側のコイルエンドにおいても、径方向の最外周に位置するコイルエンド部23の斜辺部25の曲げ角度を、径方向の最内周に位置するコイルエンド部23の斜辺部25の曲げ角度より小さくし、各コイルエンド部23の高さZを同一としている。また、径方向の最内周に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径Rbと、径方向の最外周に位置するコイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径Raと、を、0.1Rb≦Rb−Ra≦0.15Rbとして、コイルエンド部23の頂部24の角部での絶縁被膜の損傷発生を抑制し、コイルエンドの大径化を抑制している。
なお、上記実施の形態1では、コイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ角度Rが、径方向の内周側に位置するクランク部26ほど大きくなっている。すなわち、コイルエンド部23の径方向位置が内周側に変位するにしたがい、クランク部26の曲げ部の曲げ角度Rが狭義単調増加している。しかし、径方向に並ぶコイルエンド部23の層数が増え、クランク部26の曲げ部の絶縁被膜への負荷に余裕がある場合には、径方向に隣り合うクランク部の曲げ部の曲げ半径を同じとするカ所があってもよい。すなわち、コイルエンド部23の径方向位置が内周側に変位するにしたがい、クランク部26の曲げ部の曲げ角度Rが広義単調増加するようにしてもよい。ここで、単調増加とは、狭義単調増加と広義単調増加を含むものである。
つぎに、単位コイル21のクランク部26の成形方法について図13から図15を用いて説明する。図13はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部に曲げ治具をセットした状態を周方向から見た図、図14はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部に曲げ治具をセットした状態を軸方向外方から見た図、図15はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部にクランク部を成形した状態を軸方向外方から見た図である。
ここで、曲げ治具は、位置規制治具と、第1保持治具と、第2保持治具と、を備える。位置規制治具30,31,32は、短尺の棒状体である。第1保持治具は、第1上金型35と、第1下金型36と、からなる。第2保持治具は、第2上金型37と、第2下金型38と、からなる。
まず、導体線を螺旋状に巻回して3ターンの略六角形のコイルパターンのコイル体を作製する。このコイル体には、クランク部26が形成されていない。
ついで、位置規制治具30を、その長さ方向を周方向としてコイルエンド部23の頂部24の中央位置の内径側に配置する。さらに、位置規制治具31,32を、その長さ方向を周方向として頂部24の外径側、かつ位置規制治具30の周方向の両側に配置する。そして、図13および図14に示されるように、周方向の両側から、位置規制治具30,31,32により頂部24を挟み込み、頂部24の軸方向の移動を規制する。
ついで、図13および図14に示されるように、第1上金型35と第1下金型36により、径方向両側からコイルエンド部23の一方の斜辺部25の頂部24側を挟み込んで保持する。さらに、第2上金型37と第2下金型38により、径方向両側からコイルエンド部23の他方の斜辺部25の頂部24側を挟み込んで保持する。
ここで、第1上金型35は、第1下金型36に対して頂部24の中央側に突出している。そして、第1上金型35の頂部24の中央側への突出部の頂部24に面する壁面35aが、曲げ半径を規定する曲面形状に形成されている。同様に、第2下金型38は、第2上金型37に対して頂部24の中央側に突出している。そして、第2下金型38の頂部24の中央側への突出部の頂部24に面する壁面38aが、曲げ半径を規定する曲面形状に形成されている。
ついで、第1上金型35と第1下金型36とを、第2上金型37と第2下金型38に対して相対的に径方向に移動する。このとき、頂部24の軸方向の移動が位置規制治具30,31,32により規制される。そして、頂部24の一方の斜辺部25側が、位置規制治具30に沿って径方向に移動し、頂部24が周方向に対して傾斜する。第1上金型35と第1下金型36の移動により、図15に示されるように、頂部24の一方の斜辺部25側が、壁面35aの曲面形状に沿って曲げられる。同様に、頂部24の他方の斜辺部25側が、壁面38aの曲面形状に沿って曲げられる。これにより、頂部24の両斜辺部25側が、壁面35a,38aの曲率半径を曲げ半径として曲げられ、クランク部26が頂部24に成形される。
そして、コイルエンド部23毎に設定された曲率半径の壁面35a,38aを有する第1上金型35および第2下金型38を用いて、各コイルエンド部23の頂部24にクランク部26を成形する。
ついで、図示していないが、金型を用いて、クランク部26が成形されたコイルエンド部23の斜辺部25を円弧形に成形し、単位コイル21が作製される。
このように、実施の形態1では、金型を用いて頂部24にクランク部26を成形しているので、所望の曲げ半径Rの曲げ部を有するクランク部26を精度よく成形できる。これにより、設計時に設定すべき寸法の尤度を小さくすることができるので、コイルエンドの小型化が図られる。また、コイルエンド部23毎に異なる金型を用いているので、金型の消耗を抑制でき、製造コストを低減できる。さらに、複数組の金型を用い、複数のコイルエンド部23の頂部24に同時にクランク部26を成形できるので、製造時間を短縮することができる。
ここで、コイルエンド部23の斜辺部25の曲げ角度θを、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23ほど大きくし、各コイルエンド部23の高さを一定にしている。そして、コイルエンド部23のクランク部26の曲げ部の曲げ半径Rを、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23ほど大きくしている。そこで、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23の頂部24の角部の絶縁被膜に付加される、クランク部26の成形に起因するダメージが小さくなる。このように、クランク部26の曲げ部の曲げ半径Rを大きくすることで、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23の頂部24の角部の絶縁被膜におけるダメージの蓄積量の増大が抑制される。これにより、コイルエンド部23の頂部24の角部での絶縁被膜の損傷発生が抑制され、絶縁性が向上される。
なお、上記実施の形態1では、クランク部を成形する工程と斜辺部25を円弧形に成形する工程とが別工程となっているが、同一行程で、クランク部を成形し、かつ斜辺部25を円弧形に成形してもよい。この場合、一方の斜辺部25の周方向の全域を保持できるように第1上金型35と第1下金型36とを構成し、他方の斜辺部25の周方向の全域を保持できるように第2上金型37と第2下金型38とを構成すればよい。
また、上記実施の形態1では、位置規制治具30,31,32、第1上金型35、第1下金型36、第2上金型37、第2下金型38を用いて、単位コイル21のコイルエンド部23の頂部24にクランク部26を成形しているが、位置規制治具30,31,32、第1上金型35、第1下金型36、第2上金型37、第2下金型38を用いて、波形コイルやU字状のセグメントコイルのコイルエンド部の頂部にクランク部を成形できることは、言うまでもないことである。
実施の形態2.
図16はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを軸方向の他端側から見た端面図、図17はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルを示す正面図、図18はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルのコイルエンド部を示す正面図、図19はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における固定子巻線を構成する単位コイルの製造方法のフロー図、図20はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における単位コイルを構成する導体線に膨出部を成形する金型を示す斜視図、図21はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における単位コイルを構成する導体線に膨出部を成形した状態を示す平面図、図22はこの発明の実施の形態2に係る回転電機における単位コイルのコイルエンド部を示す斜視図である。
図16および図17において、単位コイル21Aは、固定子鉄心11のスロット13に挿入される6本の直線部22と、6本の直線部22を一続きに連結する5本のコイルエンド部23Aと、およびコイルエンド部23Aにより一続きに連結された直線部22の両端に位置する直線部22から延び出るコイル端末27と、を備えている。
各コイルエンド部23Aは、周方向の中央部に位置する頂部24Aと、連結される2本の直線部22から斜めに立ち上がり、頂部24Aに至る斜辺部25と、を備える。さらに、各頂部24Aには、図18に示されるように、軸方向外方に突き出す凸形状の膨出部28が形成されている。膨出部28の立ち上がり角度α2は斜辺部25の立ち上がり角度α1より大きい。なお、斜辺部25の立ち上がり角度α1は、軸心と直交する平面と斜辺部25とのなす角度であり、斜辺部25の曲げ角度θに等しい。また、膨出部28の立ち上がり角度α2は、軸心と直交する平面と膨出部28の曲げ部の長さ方向とのなす角度である。膨出部28の曲げ部の長さ方向とは、膨出部28の曲げ部の両端における導体線の中心を結ぶ方向である。膨出部28の長さ方向の中央部には、軸方向と直交する、長さXの直線部が形成されている。膨出部28には、クランク部26が形成されている。斜辺部25は、固定子巻線が固定子鉄心に装着された際に、軸方向外方から見て、立ち上がり元の直線部22と固定子鉄心の軸心との間の距離を半径とする円弧形状となっている。
ここで、各単位コイル21Aにおいて、各膨出部28の直線部の長さXと立ち上がり角度α2が、一定となっている。斜辺部25の曲げ角度θが、コイルエンド部23Aの径方向位置が内周側となるほど大きくなっており、各コイルエンド部23Aの高さが同じとなっている。クランク部26の曲げ半径Rが、コイルエンド部23Aの径方向位置が内径側となるほど大きくなっている。
このように、単位コイル21Aは、頂部24Aに膨出部28が形成されている点を除いて、実施の形態1における単位コイル21と同様に構成されている。
実施の形態2では、単位コイル21Aを用いて固定子巻線が構成されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
ここで、周方向に隣り合うコイルエンド部23Aは、一方のコイルエンド部23Aの膨出部28と他方のコイルエンド部23Aの斜辺部25との間で交差する。このとき、膨出部28の立ち上がり角度α2を大きくすることで、当該交差部における干渉を回避することができる。
そこで、膨出部28が形成されていない場合には、当該交差部における干渉を回避するためには、斜辺部25の立ち上がり角度α1を大きくすることになり、コイルエンド部の軸方向高さが高くなる。
実施の形態2によれば、膨出部28がコイルエンド部23Aの頂部24Aに形成されているので、その膨出部28の立ち上がり角度α2が斜辺部25の立ち上がり角度α1より大きくなっている。そこで、斜辺部25の立ち上がり角度α1を大きくすることなく、周方向に隣り合うコイルエンド部23A間の干渉を回避できる。これにより、コイルエンド部23Aの軸方向高さを低くすることができる。
なお、上記実施の形態2では、各膨出部28の直線部の長さXと立ち上がり角度α2が一定となっているが、膨出部28の直線部の長さXと立ち上がり角度α2は、コイルエンド部23Aの径方向位置毎に、異なる値に設定されてもよい。
つぎに、単位コイル21Aの製造方法を図19のフローに基づいて説明する。
膨出部28を成形する膨出部成形金型50は、図20に示されるように、固定ベース51と、固定ベース51に固定状態に設置された固定金型52と、導体線長手方向と直交する方向である軸方向相当方向に移動可能に固定ベース51に設置されたスライド金型53と、軸方向相当方向に往復移動可能に固定ベース51に設置されたクランパ54と、を備える。
まず、膨出部成形金型50が、導体線19の長さ方向における単位コイル21Aの膨出部28間の間隔にあわせて、一列に設置されている。そして、導体線19が、各膨出部成形金型50の固定金型52とスライド金型53との間に挿入され、クランパ54により固定金型52に固定される。ついで、各膨出部成形金型50において、スライド金型53を固定金型52側にスライド移動させ、導体線19に膨出部28を成形する(ステップ1)。ついで、スライド金型53およびクランパ54を固定金型52から離間する方向にスライド移動させ、導体線19を各膨出部成形金型50から取り出す。これにより、図21に示されるように、膨出部28が導体線19に成形される。
ついで、各膨出部28にクランク部26を成形する(ステップ2)。このとき、例えば、上記実施の形態1と同様に、第1上金型35、第1下金型36、第2上金型37と第2下金型38を用いて、クランク部26を成形する。つまり、第1上金型35と第1下金型36により、導体線19の膨出部28の一側を、軸方向相当方向と導体線長さ方向の両方向と直交する方向の両側から挟み込んで保持する。さらに、第2上金型37と第2下金型38により、導体線19の膨出部28の他側を、軸方向相当方向と導体線長さ方向の両方向と直交する方向の両側から挟み込んで保持する。ついで、第1上金型35と第1下金型36を、軸方向相当方向と導体線長さ方向の両方向と直交する方向に移動させて、膨出部28にクランク部26を成形する。
ついで、導体線19を螺旋状に巻回し、3ターンの略六角形のコイルパターンに成形する(ステップ3)。ついで、コイルエンド部の斜辺部25を円弧形に成形し(ステップ4)、単位コイル21Aが作製される(ステップ5)。
ここで、膨出部成形工程では、膨出部28の曲げ部の絶縁被膜の図21に二点鎖線で示される領域にダメージが集中する。そして、導体線19の図21にAで示される部分が、略六角形のコイルパターンの成形工程および円弧形成形工程において、膨出部成形工程で曲げられた方向と逆方向に曲げられる。このように、導体線19の図21にAで示される部分が、曲げ戻しの状態となる、そこで、この曲げ戻しによるダメージが、膨出部成形工程によるダメージとともに、頂部24Aの角部の絶縁被膜に蓄積される。また、曲げ戻しによるダメージは、曲げ戻し量が大きくなるほど大きくなる。
また、略六角形のコイルパターンの成形工程では、斜辺部25が所定の曲げ角度に曲げ成形される。この斜辺部25の曲げ角度θが、内径側に位置するコイルエンド部23Aほど大きくなっている。そこで、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23Aほど、頂部24Aの角部の絶縁被膜に蓄積されるダメージが大きくなる。
また、クランク部成形工程におけるダメージが、クランク部26の曲げ部の絶縁被膜の図22に二点鎖線で示される領域に集中する。このクランク部26を成形することに起因するダメージが、頂部24Aの角部の絶縁被膜にさらに蓄積される。
実施の形態2においても、クランク部26の曲げ部の曲げ半径Rが、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23Aほど大きくなっている。そこで、クランク部成形工程におけるクランク部26の曲げ部の絶縁被膜へのダメージは、径方向の内周側に位置するコイルエンド部23Aほど小さくなっている。これにより、膨出部成形工程、コイルパターン成形工程および円弧形成形工程において大きなダメージが蓄積する頂部24Aの角部の絶縁被膜には、クランク部成形工程における小さなダメージが蓄積されることになり、頂部24Aの絶縁被膜の損傷発生、特に頂部24Aの角部の絶縁被膜の損傷発生が抑制される。
また、膨出部28が金型により成形されているので、所望の凸形状の膨出部28を精度よく成形できる。
また、クランク部26が金型により成形されているので、所望の曲げ半径Rの曲げ部を有するクランク部26を精度よく成形できる。これにより、設計時に設定すべき寸法の尤度を小さくすることができるので、コイルエンドの小型化が図られる。
上記実施の形態2では、単位コイルに形成される膨出部と同数の膨出部成形金型を1列に配列して、導体線を搬送することなく、導体線に設定された個数の膨出部を成形しているが、1つの膨出部成形金型を用い、導体線を搬送しながら、導体線に設定された間隔で膨出部を成形してもよい。
なお、上記実施の形態1では、導体線を螺旋状に巻回して略六角形のコイルパターンの単位コイルを作製した後、コイルエンド部の頂部にクランク部を形成している。しかし、実施の形態1においても、導体線を螺旋状に巻回する工程に先だって、導体線にクランク部を成形してもよい。
なお、上記各実施の形態では、単位コイルが、導体線を螺旋状に巻回して3ターンの略六角形のコイルパターンに作製されているが、単位コイルのターン数は3ターンに限定されない。
また、上記各実施の形態では、48個の単位コイルを組み合わせて固定子巻線を構成しているが、固定子巻線を構成する単位コイルの個数は48個に限定されない。
また、上記各実施の形態では、平角線を螺旋状に巻回して略六角形のコイルパターンに作製された分布巻きコイルを単位コイルとしているが、平角線を波形に成形して作製された波形コイル、平角線をU字形に成形して作製されたセグメントコイルなどを単位コイルとしてもよい。この場合においても、斜辺部の曲げ角度θを径方向の内周側に位置するコイルエンド部ほど大きくしてコイルエンド部の高さZを同一とし、クランク部の曲げ半径Rを径方向の内周側に位置するクランク部ほど大きくする。
10 固定子、11 固定子鉄心、19 導体線、20 固定子巻線、21,21A 単位コイル、22 直線部、23,23A コイルエンド部、24,24A 頂部、25 斜辺部、26 クランク部、28 膨出部、35 第1上金型、36 第1下金型、37 第2上金型、38 第2下金型。

Claims (5)

  1. スロットが周方向に配列されている円環状の固定子鉄心と、
    平角線で作製されて、上記固定子鉄心に装着された固定子巻線と、を備えた回転電機の固定子において、
    上記固定子巻線は、
    上記スロットのそれぞれに、径方向に1列に配列して収納される複数の直線部と、
    それぞれ、複数スロット離れた一方のスロットに収納されている直線部のなかの1本の直線部の端部と他方のスロットに収納されている直線部のなかの1本の直線部の端部とを連結する複数のコイルエンド部と、を有し、
    上記コイルエンド部のそれぞれは、連結される上記2本の直線部間の中央に位置する頂部と、連結される上記2本の直線部のそれぞれと上記頂部とを連結する一対の斜辺部と、を有し、
    上記頂部は、連結される上記2本の直線部の径方向位置を変位させるクランク部を中央に有し、
    上記複数のコイルエンド部は、上記頂部を径方向に重ねて径方向に2層以上に並んだ状態で、周方向に配列されており、
    径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組のそれぞれでは、上記斜辺部の曲げ角度が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど大きくなっており、かつ上記クランク部の曲げ半径が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど、単調増加している回転電機の固定子。
  2. 径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組のそれぞれでは、上記クランク部の曲げ半径が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど、狭義単調増加している請求項1記載の回転電機の固定子。
  3. 上記固定子鉄心の軸方向の外方に凸形状の膨出部が、上記頂部に形成されている請求項1又は請求項2記載の回転電機の固定子。
  4. 上記コイルエンド部のそれぞれが、同じ軸方向高さに形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  5. 固定子鉄心のスロットのそれぞれに、径方向に1列に配列して収納される複数の直線部と、それぞれ、複数スロット離れた一方のスロットに収納されている直線部のなかの1本の直線部の端部と他方のスロットに収納されている直線部のなかの1本の直線部の端部とを連結する複数のコイルエンド部と、を有し、
    上記コイルエンド部のそれぞれは、連結される上記2本の直線部間の中央に位置する頂部と、連結される上記2本の直線部のそれぞれと上記頂部とを連結する一対の斜辺部と、を有し、
    上記頂部は、連結される上記2本の直線部の径方向位置を変位させるクランク部を中央に有し、
    上記複数のコイルエンド部は、上記頂部を径方向に重ねて径方向に2層以上に並んだ状態で、周方向に配列され、
    径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組のそれぞれでは、上記斜辺部の曲げ角度および上記クランク部の曲げ半径が、上記コイルエンド部の径方向位置が内径側になるほど、単調増加している固定子巻線の製造方法において、
    上記径方向に2層以上に並んだコイルエンド部の組を構成する複数のコイルエンド部の頂部のそれぞれに、異なる金型を用いて、上記クランク部を成形する固定子巻線の製造方法。
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