JP2018073522A - 発光装置及び発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】OLEDの散乱層を設計上の形状に安定して形成する。【解決手段】塗布材料142を形成する前に、基板100の第1面102に対する純水の接触角が5°以上80°以下、より具体的には20°以上50°以下となるように処理を実施している。具体的には、基板100の第1面102は、塗布材料142を形成する前に、疎水性処理される。塗布材料142は、インクジェット印刷によって基板100の第1面102上に塗布される。これにより、基板100の第1面102に対する散乱層140の形成角θ1は、30°以上85°以下、より具体的には50°以上80°以下となる。【選択図】図3

Description

本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関する。
近年、発光装置として、有機発光ダイオード(OLED)が開発されている。OLEDは、有機層を有しており、この有機層は、有機エレクトロルミネッセンスにより光を発する発光層を含んでいる。OLEDは、第1電極(例えば、アノード電極)及び第2電極(例えば、カソード電極)をさらに有しており、第1電極及び第2電極は、有機層を挟んで互いに対向している。OLEDでは、第1電極及び第2電極を用いて有機層に電圧を印加することにより光が発せられる。
特許文献1には、OLEDの一例について記載されている。このOLEDは、基板、第1電極、有機層、第2電極及び散乱層を備えている。基板は、第1面と、第1面の反対側の第2面と、を有している。第1電極、有機層及び第2電極は、基板の第1面上にある。これに対して、散乱層は、基板の第2面上にある。有機層からの光は、基板を透過して散乱層において散乱される。特許文献1には、散乱層は、感光性樹脂をパターニングすることで形成されることが記載されている。
特開2013−149376号公報
特許文献1に記載されているように、OLEDは、散乱層を有していることがある。本発明者は、散乱層を所望の形状、すなわち、設計上の形状に安定して形成するための方法について検討した。
本発明が解決しようとする課題としては、OLEDの散乱層を設計上の形状に安定して形成することが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、
基板の第1面に接する散乱層と、
前記散乱層の前記基板と反対側に位置する有機EL素子と、
を備え、
前記散乱層の端部は、第1位置で前記基板の前記第1面に接し、
前記第1位置における前記第1面と前記散乱層とのなす角は、30°以上85°以下である発光装置である。
請求項7に記載の発明は、
基板の第1面に接する散乱層と、
前記散乱層の前記基板と反対側に位置する有機EL素子と、
を備え、
前記散乱層は、前記散乱層を形成する塗布材料を前記第1面に塗布する工程を経て形成され、
前記工程では、前記基板の前記第1面に対する前記散乱層の形成角が30°以上85°以下となり、かつ前記散乱層の厚さが500nm以上2000nm以下となるように前記塗布材料が塗布される発光装置である。
請求項8に記載の発明は、
基板の第1面に接する散乱層と、
前記散乱層の前記基板と反対側に位置する有機EL素子と、
を備え、
前記基板の前記第1面に対する純水の接触角は、5°以上80°以下である発光装置である。
請求項9に記載の発明は、
基板の第1面上に散乱層を形成する工程と、
前記散乱層上に有機EL素子を形成する工程と、
を備え、
前記散乱層を形成する工程は、前記散乱層を形成する塗布材料を前記第1面に塗布する工程を含み、
前記塗布材料を塗布する工程では、前記基板の前記第1面に対する前記散乱層の形成角が30°以上85°以下となるように前記塗布材料が塗布される発光装置の製造方法である。
実施形態1に係る発光装置を示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 図2に示した領域αを拡大した図である。 図1〜図3に示した発光装置の製造方法の第1例を説明するための図である。 図1〜図3に示した発光装置の製造方法の第1例を説明するための図である。 図1〜図3に示した発光装置の製造方法の第2例を説明するための図である。 散乱層の断面プロファイルの第1例(純水の接触角=20°)及び散乱層の断面プロファイルの第2例(純水の接触角=5°)を示す図である。 散乱層の厚さと電流効率の関係のグラフを示す図である。 (a)は、純水の接触角が5°以上80°以下の場合の散乱層の光学顕微鏡像を示す図であり、(b)は、純水の接触角が5°未満の場合の散乱層の光学顕微鏡像を示す図であり、(c)は、純水の接触角が80°超の場合の散乱層の光学顕微鏡像を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る発光装置10を示す平面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図2に示した領域αを拡大した図である。
図3を用いて発光装置10の概要について説明する。発光装置10は、散乱層140及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子150を備えている。散乱層140は、基板100の第1面102に接している。有機EL素子150は、散乱層140の基板100と反対側に位置している。散乱層140の端部Eは、第1位置P1で基板100の第1面102に接している。第1位置P1における第1面102と散乱層140とのなす角度(形成角)θ1は、30°以上85°以下、好ましくは、50°以上80°以下である。
形成角θ1が30°以上85°以下、特に50°以上80°以下であるとき、散乱層140を所望の形状、すなわち、設計上の形状に安定して形成することができる。具体的には、図4又は図6を用いて後述するように、基板100の第1面102には、形成角θ1が上述した範囲になるように処理が実施されている。このような場合、散乱層140を所望の形状、すなわち、設計上の形状に安定して形成することができる。
一例において、散乱層140の厚さは、500nm以上2000nm以下であることが好ましい。言い換えると、基板100の第1面102から散乱層140の最上端までの高さは、500nm以上2000nm以下であることが好ましい。図8を用いて後述するように、散乱層140の厚さがある程度厚く、具体的には500nm以上であるとき、発光装置10の電流効率が高いものとなる。このため、散乱層140の厚さは、500nm以上であることが好ましい。一方、図9を用いて後述するように、散乱層140の厚さがある程度低く、具体的には、2000nm以下であるとき、散乱層140の幅は、位置によらずほぼ一定となる。このため、散乱層140の厚さは、2000nm以下であることが好ましい。このようにして、一例において、散乱層140の厚さは、500nm以上2000nm以下であることが好ましい。
次に、図1を用いて、発光装置10の平面レイアウトの詳細について説明する。発光装置10は、基板100、複数の第1電極110、複数の第1接続部112、第1配線114、有機層120、複数の第2電極130、複数の第2接続部132及び第2配線134を備えている。
基板100の形状は、第1面102に垂直な方向から見た場合、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形である。ただし、基板100の形状は、本図に示す例に限定されるものではない。基板100の形状は、第1面102に垂直な方向から見た場合、例えば円でもよいし、又は矩形以外の多角形であってもよい。
複数の第1電極110は、互いに離間して位置しており、具体的には、基板100の長辺に沿って一列に並んでいる。複数の第1電極110のそれぞれは、基板100の短辺に沿って延伸している。
複数の第1電極110のそれぞれは、複数の第1接続部112のそれぞれを介して、第1配線114に接続している。複数の第1接続部112は、第1配線114によって互いに接続している。第1配線114は、基板100の一対の長辺の一方に沿って延伸している。外部からの電圧は、第1配線114及び第1接続部112を介して第1電極110に供給される。なお、本図に示す例において、第1電極110及び第1接続部112は、互いに一体となっている。言い換えると、発光装置10は、第1電極110として機能する領域及び第1接続部112として機能する領域を有する導電層を備えている。
本図に示す例において、有機層120は、複数の第1電極110に亘って広がっており、互いに隣接する第1電極110の間で基板100の第1面102を覆っている。他の例において、有機層120は、複数の第1電極110に亘って広がっていなくてもよい。この場合、一例において、複数の有機層120のそれぞれが複数の第1電極110のそれぞれと重なるようになる。この場合、基板100の第1面102は、互いに隣接する第1電極110の間で有機層120から露出した領域を有するようになる。
複数の第2電極130のそれぞれは、複数の第1電極110のそれぞれに重なっている。複数の第2電極130は、互いに離間して位置しており、具体的には、基板100の長辺に沿って一列に並んでいる。複数の第2電極130のそれぞれは、基板100の短辺に沿って延伸しており、具体的には、基板100の短辺に沿って延伸する一対の長辺及び基板100の長辺に沿って延伸する一対の短辺を有している。
複数の第2電極130のそれぞれは、複数の第2接続部132のそれぞれを介して、第2配線134に接続している。複数の第2接続部132は、第2配線134によって互いに接続している。第2配線134は、基板100の一対の長辺の他方に沿って延伸している。外部からの電圧は、第2配線134及び第2接続部132を介して第2電極130に供給される。
次に、図2及び図3を用いて、発光装置10の断面の詳細について説明する。発光装置10は、基板100、第1電極110、有機層120、第2電極130及び散乱層140を備えている。基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。第1電極110、有機層120、第2電極130及び散乱層140は、基板100の第1面102上にある。
基板100は、透光性を有している。一例において、基板100は、ガラスを含んでいる。他の例において、基板100は、樹脂(例えば、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリイミド(PI)樹脂)を含んでいてもよい。なお、基板100は、バリア層を含んでいてもよい。このバリア層はたとえば酸化シリコン(たとえばSiO)、窒化シリコン(たとえばSi)、SiONからなり、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で形成できる。
基板100の第1面102は、第1面102に対する純水の接触角が5°以上80°以下、より具体的には、20°以上50°以下となるように処理されている。図4〜図6を用いて後述するように、純水の接触角が5°以上80°以下である場合、散乱層140の形成角θ1は、30°以上85°以下となる。
第1電極110は、透光性及び導電性を有している。具体的には、第1電極110は、透光性及び導電性を有する材料を含んでおり、例えば金属酸化物、具体的には例えば、ITO(Indium Tin Oxide)及びIZO(Indium Zinc Oxide)の少なくとも1つを含んでいる。これにより、有機層120からの光は、第1電極110を透過することができる。
有機層120は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んでいる。正孔注入層及び正孔輸送層は、第1電極110に接続している。電子輸送層及び電子注入層は、第2電極130に接続している。発光層は、第1電極110と第2電極130の間の電圧によって光を発する。
第2電極130は、光反射性及び導電性を有している。具体的には、第2電極130は、光反射性を有する材料を含んでおり、例えば金属、具体的には例えば、Al、Ag及びMgAgの少なくとも1つを含んでいる。これにより、有機層120からの光は、第2電極130をほとんど透過することなく、第2電極130で反射される。
なお、第2電極130の光反射性に起因して、第2電極130は、遮光性を有している。このため、本図に示す例では、有機層120からの光が第2電極130から漏れることが抑制されている。
第1電極110、有機層120及び第2電極130は、有機EL素子150として機能する領域を有している。言い換えると、有機EL素子150は、第1電極110、有機層120及び第2電極130の積層構造を有している。有機EL素子150は、散乱層140上に位置している。第1電極110、有機層120及び第2電極130は、上記した積層構造において、散乱層140から第1電極110、有機層120及び第2電極130の順に並んでいる。
散乱層140は、有機EL素子150、具体的には有機層120からの光の取り出し効率を高めるように機能している。有機層120から光が発せられて、この光が散乱層140に入射した場合、この光は、散乱層140の内部で散乱する。これによって、有機層120からの光の取り出し効率を高めることができる。
散乱層140は、絶縁層であり、より具体的には、一例において、バインダ及び一又は複数の粒子を含んでいる。一例において、バインダは、イミド系樹脂、アクリル系樹脂、エーテル系樹脂、シラン系樹脂、シロキサン系樹脂、ガラスペースト、フリット及びSiOゾルからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいる。一例において、粒子は、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化タンタル、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化錫からなる群から選択される少なくとも一つを含んでいる。一例において、粒子の粒径は、0.1μm以上1.0μm以下である。粒子の粒径が0.1μm以上1.0μm以下であるとき、光の取り出し効率が高いものとなる。
本図に示す例においては、散乱層140の位置を決めるための絶縁層が設けられていない。言い換えると、本図に示す例では、散乱層140の側面がそのような絶縁層に接していない。図5を用いて後述するように、散乱層140は、インクジェット印刷によって塗布材料142を塗布する工程を経て形成されている。つまり、散乱層140は、塗布膜である。このため、本図に示す例では、散乱層140の側面は、有機層120によって覆われており、より具体的には、有機層120に接している。
発光装置10は、複数の発光部152及び複数の透光部154を有している。複数の発光部152のそれぞれは、互いに隣接する透光部154の間にあって、複数の有機EL素子150のそれぞれと重なっている。言い換えると、複数の有機EL素子150のそれぞれは、互いに隣接する透光部154の間に位置している。複数の透光部154のそれぞれは、複数の第2電極130と重なっておらず、詳細には、複数の発光部152の配列方向において、互いに隣接する第2電極130のうちの一方の第2電極130の端部から他方の第2電極130の端部に亘って広がっている。
本図に示す例において、発光装置10は、半透過OLEDとして機能している。具体的には、複数の発光部152から光が発せられていない場合、人間の視覚では、第1面102側の物体が第2面104側から透けて見え、第2面104側の物体が第1面102側から透けて見える。さらに、複数の発光部152からの光は、第2面104側から主に出力され、第1面102側からはほとんど出力されない。複数の発光部152から光が発せられている場合、人間の視覚では、第2面104側の物体が第1面102側から透けて見える。
一例において、発光装置10は、自動車のハイマウントストップランプとして用いることができる。この場合、発光装置10は、自動車のリアウインドウに貼り付けることができる。さらに、この場合、発光装置10は、例えば、赤色の光を発する。
図4及び図5は、図1〜図3に示した発光装置10の製造方法の第1例を説明するための図である。この第1例では、以下のようにして発光装置10が製造される。
まず、図4に示すように、基板100の第1面102に対する散乱層140(図1)の形成角θ1(図3)が30°以上85°以下、より具体的には50°以上80°以下となるように処理を実施する。本図に示す例では、基板100の第1面102を疎水性処理しており、具体的には、基板100の第1面102をUV(UltraViolet)で処理しており、より具体的には、基板100の第1面102にUVを照射している。これにより、基板100の第1面102は、疎水性を有するようになる。なお、UVは、第1面102のほぼ全体に照射されている。本図に示す例において、第1面102に対する純水の接触角は、UVの照射時間によって制御することができ、具体的には、UVの照射時間が長いほど大きくなる。
より詳細には、基板100の第1面102は、第1面102に対する純水の接触角が5°以上80°以下となるように処理が実施されている。この場合、形成角θ1(図3)は、30°以上85°以下となる。特に、基板100の第1面102は、第1面102に対する純水の接触角が20°以上50°以下となるように処理が実施されている場合、形成角θ1(図3)は、50°以上80°以下となる。
なお、基板100は、ガラスからなっていてもよいし、又は樹脂(例えば、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリイミド(PI)樹脂)からなっていてもよい。基板100がガラスからなる場合及び基板100が樹脂からなる場合のいずれにおいても、第1面102に対する純水の接触角は、UVの照射時間によって制御することができる。
次いで、図5に示すように、基板100の第1面102上に塗布材料142を塗布する。本図に示す例において、塗布材料142は、インクジェット印刷によって塗布されている。このため、本図に示す例では、塗布材料142の位置を決めるための絶縁層を設けることなく、塗布材料142の位置を決めることができる。さらに、塗布材料142を用いる場合、塗布材料142の一部をパターニングによって除去する必要がない。このため、塗布材料142の一部が無駄になること、すなわち、散乱層140の形成に寄与しないことを防止することができる。これにより、散乱層140を形成するためのコストを低くすることができる。
一例において、塗布材料142は、散乱層140の厚さが500nm以上2000nm以下となるように塗布される。これにより、散乱層140(図3)の厚さは、塗布材料142の厚さとほぼ等しくなる。このため、塗布材料142の厚さが500nm以上2000nm以下である場合、散乱層140(図3)の厚さは、500nm以上2000nm以下となる。
次いで、塗布材料142を乾燥させる。これにより、塗布材料142は、散乱層140(図3)となる。この場合、上述したように、散乱層140の形成角θ1は、純水の接触角により、決定される。
次いで、第1電極110、第1接続部112及び第2接続部132を形成する。一例において、第1電極110、第1接続部112及び第2接続部132は、スパッタリングにより形成された導電層をパターニングすることにより形成される。
なお、散乱層140を形成した後かつ第1電極110を形成する前に、基板100の第1面102上及び散乱層140上にバリア層(例えば、酸化シリコン(例えば、SiO)、窒化シリコン(例えば、Si)またはSiON)を形成してもよい。この場合、バリア層は、複数の散乱層140に亘って広がり、基板100の第1面102及び散乱層140を覆うようになる。さらに、第1電極110が形成された場合、バリア層の一部は、散乱層140と第1電極110の間に位置するようになる。
次いで、有機層120を形成する。一例において、有機層120は、蒸着によって形成される。
次いで、第2電極130を形成する。これにより、有機EL素子150が形成される。一例において、第2電極130は、蒸着によって形成される。
このようにして、図1〜図3に示した発光装置10が製造される。
図6は、図1〜図3に示した発光装置10の製造方法の第2例を説明するための図である。この第2例は、以下の点を除いて、図4及び図5を用いて説明した第1例と同様である。
まず、図6に示すように、基板100の第1面102に対する純水の接触角が5°以上80°以下、より具体的には20°以上50°以下となるように処理を実施する。本図に示す例では、基板100の第1面102を疎水性処理しており、具体的には、基板100の第1面102をHMDS(HexaMethylDiSilazane)で処理しており、より具体的には、基板100の第1面102上にHMDSを形成している。これにより、基板100の第1面102は、図4に示した例と同様にして、疎水性を有するようになる。なお、HMDSは、第1面102のほぼ全体上に形成されている。
次いで、図4及び図5を用いて説明した第1例と同様にして、基板100の第1面102上に塗布材料142を塗布する。この場合、図4及び図5を用いて説明した第1例と同様にして、基板100の第1面102に対する散乱層140の形成角θ1(図3)は、散乱層140(図1)の形状が安定して所望の形状になるための角度となる。
次いで、図4及び図5を用いて説明した第1例と同様にして、塗布材料142を乾燥させる。次いで、図4及び図5を用いて説明した第1例と同様にして、第1電極110、第1接続部112、第2接続部132、有機層120及び第2電極130を形成する。これにより、有機EL素子150が形成される。
このようにして、図1〜図3に示した発光装置10が製造される。
図7は、散乱層140の断面プロファイルの第1例(純水の接触角=20°)及び散乱層140の断面プロファイルの第2例(純水の接触角=5°)を示す図である。本図に示す例において、散乱層140は、バインダ及び複数の粒子を含んでおり、バインダはポリシロキサンであり、粒子は酸化チタン(TiO)粒子である。
純水の接触角が20°における散乱層140の幅は、純水の接触角が5°における散乱層140の幅よりも狭い。純水の接触角が20°における散乱層140の厚さは、純水の接触角が5°における散乱層140の厚さよりも厚い。このようにして、純水の接触角が20°における散乱層140の幅に対する散乱層140の厚さの比(アスペクト比)は、純水の接触角が5°における散乱層140の幅に対する散乱層140の厚さの比(アスペクト比)より大きいものとなっている。
本図に示す結果は、基板100の第1面102に対する塗布材料142の濡れ性が小さいほど、散乱層140の幅に対する散乱層140の厚さの比(アスペクト比)が大きくなることを示唆している。
図8は、散乱層140の厚さと電流効率の関係のグラフを示す図である。本図に示す例において、散乱層140は、バインダ及び複数の粒子を含んでおり、バインダはポリシロキサンであり、粒子は酸化チタン(TiO)粒子である。第1例において、散乱層140の粒子濃度は、33wt%である。第2例において、散乱層140の粒子濃度は、50wt%である。なお、本図に示すグラフの縦軸は、散乱層140を設けなかった場合の電流効率に対する相対値を示している。
本図に示す結果は、散乱層140の厚さが500nm以上であることが好ましく、散乱層140の厚さが600nm以上であることがより好ましいことを示唆している。具体的には、本図に示すように、粒子濃度が33wt%である場合及び粒子濃度が50wt%である場合のいずれにおいても、電流効率は、散乱層140の厚さ300nmにおいて十分に高いものとなっており、散乱層140の厚さ600nm以上1000nm以下の範囲でほぼ一定となっている。この結果より、散乱層140の厚さが500nm以上、特に600nm以上であるとき、発光装置10の電流効率が高いものになるといえる。このため、散乱層140の厚さは、500nm以上であることが好ましく、散乱層140の厚さは、600nm以上であることがより好ましいといえる。
図9(a)は、純水の接触角が5°以上80°以下の場合の散乱層140の光学顕微鏡像を示す図であり、図9(b)は、純水の接触角が5°未満の場合の散乱層140の光学顕微鏡像を示す図であり、図9(c)は、純水の接触角が80°超の場合の散乱層140の光学顕微鏡像を示す図である。本図に示す例において、散乱層140は、バインダ及び複数の粒子を含んでおり、バインダはポリシロキサンであり、粒子は酸化チタン(TiO)粒子である。
図9(a)に示すように、純水の接触角が5°以上80°以下の場合、散乱層140の幅は、位置によらずほぼ一定となっている。さらに、散乱層140の幅は、散乱層140のほぼ設計値となっている。このようにして、純水の接触角が5°以上80°以下の場合、散乱層140は、所望の形状、すなわち、設計上の形状に安定して形成されている。
図9(b)に示すように、純水の接触角が5°未満の場合、散乱層140の幅は、位置によらずほぼ一定となっている。一方、図9(b)の散乱層140の幅は、図9(a)の散乱層140の幅よりも広く、さらに、散乱層140の設計値よりも広くなっている。本図に示す例では、基板100の第1面102に対する純水の接触角が小さく、このため、基板100の第1面102に対する塗布材料142の濡れ性が高くなっている。本図に示す例では、高い濡れ性に起因して、塗布材料142が設計位置よりも外側に広がっている可能性がある。このことが、散乱層140の幅が散乱層140の設計値よりも広くなっている理由である可能性がある。
図9(c)に示すように、純水の接触角が80°超の場合、散乱層140の幅は、位置に依存して変動している。本図に示す例では、基板100の第1面102に対する純水の接触角が大きく、このため、図7を用いて説明したように、散乱層140(塗布材料142)の幅に対する散乱層140(塗布材料142)の厚さの比(アスペクト比)が大きくなっている。大きなアスペクト比に起因して、塗布材料142の形状が安定していない可能性がある。このことが、散乱層140の幅が位置に依存して変動している理由である可能性がある。
さらに、本発明者が検討したところ、散乱層140(塗布材料142)の厚さが2000nm以下であるとき、散乱層140の幅が位置によらずほぼ一定となることが明らかとなった。これに対して、散乱層140(塗布材料142)の厚さが2000nmを超えて厚くなると、散乱層140の幅が位置に依存して変動する傾向が大きくなることが明らかとなった。この結果は、散乱層140の厚さが厚いほど散乱層140の形状が安定しなくなる傾向があることを示唆している。このため、散乱層140の厚さは、2000nm以下であることが好ましい。
以上、本実施形態によれば、塗布材料142を形成する前に、基板100の第1面102に対する純水の接触角が5°以上80°以下、より具体的には20°以上50°以下となるように処理を実施している。具体的には、基板100の第1面102は、塗布材料142を形成する前に、疎水性処理される。塗布材料142は、インクジェット印刷によって基板100の第1面102上に塗布される。これにより、基板100の第1面102に対する純水の接触角は、5°以上80°以下、より具体的には20°以上50°以下となる。この場合、散乱層140を設計上の形状に安定して形成することができる。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 発光装置
100 基板
102 第1面
104 第2面
110 第1電極
112 第1接続部
114 第1配線
120 有機層
130 第2電極
132 第2接続部
134 第2配線
140 散乱層
142 塗布材料
150 有機EL素子
152 発光部
154 透光部

Claims (10)

  1. 基板の第1面に接する散乱層と、
    前記散乱層の前記基板と反対側に位置する有機EL素子と、
    を備え、
    前記散乱層の端部は、第1位置で前記基板の前記第1面に接し、
    前記第1位置における前記第1面と前記散乱層とのなす角は、30°以上85°以下である発光装置。
  2. 請求項1に記載の発光装置において、
    前記散乱層の厚さは、500nm以上2000nm以下である発光装置。
  3. 請求項1又は2に記載の発光装置において、
    前記散乱層は、塗布膜である発光装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光装置において、
    複数の透光部を備え、
    前記複数の有機EL素子のそれぞれは、互いに隣接する透光部の間に位置している発光装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光装置において、
    前記有機EL素子は、透光性の第1電極、有機層及び遮光性の第2電極の積層構造を有し、
    前記第1電極、前記有機層及び前記第2電極は、前記積層構造において、前記散乱層から前記第1電極、前記有機層及び前記第2電極の順に並ぶ発光装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光装置において、
    前記基板の前記第1面に対する純水の接触角は、5°以上80°以下である発光装置。
  7. 基板の第1面に接する散乱層と、
    前記散乱層の前記基板と反対側に位置する有機EL素子と、
    を備え、
    前記散乱層は、前記散乱層を形成する塗布材料を前記第1面に塗布する工程を経て形成され、
    前記工程では、前記基板の前記第1面に対する前記散乱層の形成角が30°以上85°以下となり、かつ前記散乱層の厚さが500nm以上2000nm以下となるように前記塗布材料が塗布される発光装置。
  8. 基板の第1面に接する散乱層と、
    前記散乱層の前記基板と反対側に位置する有機EL素子と、
    を備え、
    前記基板の前記第1面に対する純水の接触角は、5°以上80°以下である発光装置。
  9. 基板の第1面上に散乱層を形成する工程と、
    前記散乱層上に有機EL素子を形成する工程と、
    を備え、
    前記散乱層を形成する工程は、前記散乱層を形成する塗布材料を前記第1面に塗布する工程を含み、
    前記塗布材料を塗布する工程では、前記基板の前記第1面に対する前記散乱層の形成角が30°以上85°以下となるように前記塗布材料が塗布される発光装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の発光装置の製造方法において、
    前記散乱層を形成する工程の前において、前記塗布材料を塗布する工程で純水の接触角が5°以上80°以下となるように処理を実施する工程を備える発光装置の製造方法。
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