JP2018073486A - 固体酸化物形燃料電池および該燃料電池の反応抑止層形成用材料 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池および該燃料電池の反応抑止層形成用材料 Download PDF

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Abstract

【課題】空気極材料の固体電解質層への拡散を防いで発電性能の劣化を抑制し得るSOFCを提供する。【解決手段】固体電解質層と空気極との間に反応抑止層が配置された固体酸化物形燃料電池であって、反応抑止層は、粒状のセリウム含有酸化物粒子1の焼結体からなり、セリウム含有酸化物粒子1は、該粒子1の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い。【選択図】図1

Description

本発明は、反応抑止層を備えた固体酸化物形燃料電池および該燃料電池の反応抑止層形成用材料に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell、以下「SOFC」ともいう。)は、種々のタイプの燃料電池の中でも発電効率が高く、環境への負荷も低いことから、次世代のエネルギー供給源として期待され、開発が進められている。
SOFCを構成する最小単位のセル(単セル)は、酸素イオン伝導体からなる緻密構造の層状の固体電解質と、該固体電解質層の一方の面に形成された多孔質構造の空気極(カソード)と、該固体電解質層の他方の面に形成された多孔質構造の燃料極(アノード)とから構成されている。そして、単セルのカソード形成側の固体電解質の表面に空気等に代表されるO含有ガスが供給され、アノード形成側の固体電解質の表面にはH等の燃料ガスが供給される。そして電池反応として、空気中のOガスがカソードで還元されて生成された酸素イオンが固体電解質を通過し、アノードにおいてHガス等の燃料ガスを酸化することによって外部負荷に電子を放出する。これに伴い、電気エネルギーを発生させる。
SOFCの固体電解質を構成する材料としては、イオン伝導性や安定性の観点からイットリア、スカンジア等がドープされた安定化ジルコニア(YSZ、ScSZ等)が広く用いられている。かかる固体電解質の層は薄くなるほどSOFC(単セル)の性能が向上するため、近年、アノードを構成する多孔質基材上に固体電解質を薄膜として形成するいわゆるアノード支持型SOFCの開発が進んでいる(例えば非特許文献1)。
典型的には、酸化ニッケル(NiO)およびYSZの混合物に、造孔剤、溶剤、ビヒクル(樹脂)等を添加し混合して得たスラリー状(ペースト状)の材料をドクターブレード法等によってシート状に成形し、さらに当該シートを所望数だけ積層してアノード支持体層を形成する。そして形成したアノード支持体層上に固体電解質層、反応抑止層、カソード層を順次積層(形成)し、得られた積層体を焼成(即ち共焼成)することによって、アノード支持型SOFC(単セル)を製造する。
従来、SOFCは、700℃以上、典型的には800℃〜1000℃程度の高温域で作動させていたが、耐久性の向上や低コスト化の観点から、近年ではかかる作動温度をより低温化することが望まれている。例えば、SOFCの作動温度を600℃程度にまで低減することが検討されている。
低温作動化を効果的に実現する一助としてカソード材料が検討されている。例えば、電子導電性と酸素イオン導電性とを示すいわゆる電子−酸素イオン混合導電体材料を用いてカソードを構成することによって、電極/電解質/気相の接する三相界面だけでなく、カソード表面においても電極反応を進行させ、電極活性を高めることが期待されている。かかるカソード材料として、ペロブスカイト型酸化物材料であるランタンコバルタイト系材料(例えばLaSrCoO3−δ系材料)やランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)系材料が挙げられる。
ジャーナル・オブ・パワーソース(Journal of Power Sources)、第195巻、pp.6468、2010年
上記のようなカソードは、YSZのような安定化ジルコニアからなる固体電解質との反応性が高く、比較的容易に固体電解質層とカソードとの間に固相反応による高抵抗相が形成され得る。このため、典型的にはセリア系材料(例えば、ガドリニウムがドープされたGDC)から構成される反応抑止層を固体電解質層とカソードとの間に配置することが行われている。
しかしながら、かかるセリア系材料は、一般に焼結性が低く、例えば一般的な構成のSOFCの焼結温度である1300〜1400℃の温度域では緻密化が充分とはいえない。そのため、発電時にカソード材料(例えばLSCF)が反応抑止層の空隙を拡散して固体電解質層(例えばYSZ層)に到達し、該固体電解質層と反応することで、不純物層(例えばストロンチウムジルコネート層)を形成する場合があり得る。かかる不純物層の形成は、発電性能が劣化する要因になり得る。
本発明はかかる従来の課題を解決すべく創出されたものであり、空気極材料の固体電解質層への拡散を防いで発電性能の劣化を抑制し得るSOFC(例えば上述したアノード支持型SOFC)の提供を目的とする。また、本発明の他の目的は、そのようなSOFCを実現するための反応抑止層形成用材料を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明が提供する材料は、固体酸化物形燃料電池の反応抑止層を形成するための材料であって、粒状のセリウム含有酸化物粒子を含む。前記セリウム含有酸化物粒子は、該粒子の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い。好ましくは、かかるセリウム含有酸化物粒子の表面部におけるCeの濃度が、中心部におけるCeの濃度よりも10mol%以上高い。かかるCeの濃度の差は、20mol%以上であることがより好ましい。また、好ましくは、セリウム含有酸化物粒子の表面部におけるCeの濃度が、20mol%〜80mol%である。
かかる構成の反応抑止層形成用材料では、反応抑止層の主体をなすセリウム含有酸化物粒子は該粒子の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い。このように表面部と中心部とでCe濃度に適度な差を設けたセリウム含有酸化物粒子を用いることで、カソード材料の固体電解質層への拡散を防いで発電性能の劣化を抑制し得る、耐久性の高いSOFCが実現され得る。
ここで開示される反応抑止層形成用材料として好適な一態様では、前記セリウム含有酸化物粒子の前記中心部は、Ce、La、NdおよびZrからなる群の中から選択される1種または2種以上を構成金属元素として有する酸化物を含む。上記のような構成金属元素を有する酸化物をセリウム含有酸化物粒子の中心部に含むことにより、反応抑止層の焼結性(ひいては緻密性)をより良く向上させることができる。このため、本態様の反応抑止層形成用材料によると、例えばカソード(空気極)材料としてYSZ等の固体電解質層と反応性の高いペロブスカイト型酸化物材料(例えばLSCF)を採用した場合においても、当該固体電解質層とカソードとの間に、カソード材料の拡散を抑制し得る良好な反応抑止層を形成することができる。したがって、かかる反応抑止層形成用材料を用いれば、発電時における性能劣化が少ない耐久性に優れた固体酸化物形燃料電池を製造することができる。
また、好ましくは、ここで開示される反応抑止層形成用材料は、さらに有機溶媒およびバインダを含み、ペースト状(スラリー状、インク状を包含する。以下同じ。)に調製されたことを特徴とする。
このようなペースト状反応抑止層形成用材料(以下、「反応抑止層形成用ペースト」ともいう。)によると、当該反応抑止層形成用ペーストを対象とする固体電解質層(或いは該固体電解質層を焼成により形成するためのグリーンシート)上に塗布等によって付与することにより、所定厚さの反応抑止層を均質に形成することができる。
また、本発明は、上記目的を実現するべく固体酸化物形燃料電池(SOFC)を提供する。即ち、本発明によって提供される固体酸化物形燃料電池は、固体電解質層と空気極(カソード)との間に反応抑止層が配置された固体酸化物形燃料電池であって、上記反応抑止層は、粒状のセリウム含有酸化物粒子を焼成して形成されたものである。すなわち、前記反応抑止層は、前記セリウム含有酸化物粒子の焼結体からなる。前記セリウム含有酸化物粒子は、該粒子の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い。かかるSOFCは、耐久性が高く良好な発電性能を奏するものであり得る。
ここで開示されるSOFCのうち、より好ましいものでは、前記セリウム含有酸化物粒子の前記表面部におけるCeの濃度が、前記中心部におけるCeの濃度よりも10mol%以上高いことを特徴とする。また、ここで開示されるSOFCのうち、さらに好ましいものでは、前記セリウム含有酸化物粒子の前記表面部におけるCeの濃度が、20mol%〜80mol%であることを特徴とする。また、ここで開示されるSOFCのうち、特に好ましいものでは、前記セリウム含有酸化物粒子の前記中心部は、Ce、La、NdおよびZrからなる群の中から選択される1種または2種以上を構成金属元素として有する酸化物を含むことを特徴とする。
例えば、上記セリウム含有酸化物粒子を含む反応抑止層形成用材料から形成された反応抑止層は従来に比して緻密性が高く(空隙が少なく)、かつ、セリウム含有酸化物粒子(焼結体)の粒界に高濃度のCeが存在する。そのため、該粒界および空隙を通じたカソード材料の固体電解質層への拡散(ひいてはカソード材料と固体電解質層との反応)が抑制され、耐久性と発電性能の高いSOFCが提供される。
ここで開示されるセリウム含有酸化物粒子を模式的に示す図である。 ここで開示されるSOFC(単セル)の積層構造を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないSOFCの一般的事項、製造プロセス、SOFCの作動方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術知識とに基づいて実施することができる。
<セリウム含有酸化物粒子>
ここで開示される反応抑止層形成用材料は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の固体電解質層とカソードとの間に配置される反応抑止層を形成するための材料である。かかる反応抑止層形成用材料は、図1に示すように、主成分としてセリウム含有酸化物粒子1を含む。セリウム含有酸化物粒子1は、該粒子1の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い。典型的には、セリウム含有酸化物粒子1は、相対的にCeの濃度が低いコア2と、相対的にCeの濃度が高いシェル3とからなるコアシェル構造を有する。このように表面部と中心部とでCe濃度に差を設けたコアシェル構造のセリウム含有酸化物粒子1を用いることで、カソード材料の固体電解質層への拡散を防いで発電性能の劣化を抑制し得る、耐久性の高いSOFCが実現され得る。
このような効果が得られる理由としては、特に限定的に解釈されるものではないが、例えば以下のように考えられる。すなわち、一般的な反応抑止層形成用材料であるセリア系材料(例えばGDC)は、焼結性が低く、例えば一般的な構成のSOFCの焼結温度である1300〜1400℃の温度域では緻密化が充分とはいえない。そのため、発電時にカソード材料が反応抑止層の空隙を拡散して固体電解質層に到達し、該固体電解質層と反応することで、不純物層を形成する場合があり得る。かかる不純物層の形成は、発電性能が劣化する要因になり得る。これに対し、上記セリウム含有酸化物粒子1によれば、中心部におけるCe濃度を表面部よりも低くすることで、反応抑止層の焼結性(例えば、一般的な構成のSOFCの焼結温度である1300〜1400℃の温度域における焼結性)を向上させることができる。その結果、反応抑止層の緻密性が向上し、カソード材料が反応抑止層の空隙を通じて固体電解質層に拡散する事象が解消または緩和され、SOFCの耐久性を高めることができる。
ここで、反応抑止層の緻密性を高めるために、セリウム含有酸化物粒子1全体のCe濃度を低くして反応抑止層の焼結性を高めようとすると、その背反として、反応抑止層を構成するセリウム含有酸化物粒子間の粒界ではカソード材料が拡散しやすくなるため、該粒界を通じてカソード材料が固体電解質層に拡散してしまう。
そのため、本構成では、特にカソード材料が拡散しやすい部位であるセリウム含有酸化物粒子間の粒界(すなわちセリウム含有酸化物粒子1の表面部)のCe濃度を、中心部のCe濃度に比べて高くする。このように、セリウム含有酸化物粒子1の表面部と中心部とでCe濃度に適度な差を設け、反応抑止層の焼結性および粒界におけるカソード材料の拡散性を適切に調整することにより、反応抑止層全体の緻密性を高めつつ(空隙を減らしつつ)、粒界におけるカソード材料の拡散を抑制することができる。結果、カソード材料の固体電解質層への拡散を防いで発電性能の劣化を抑制し得る、耐久性の高いSOFCが実現され得る。
セリウム含有酸化物粒子1の表面部におけるCeの濃度(以下、単に「Cshell」と表記することがある。)は、中心部におけるCeの濃度(以下、単に「Ccore」と表記することがある。)よりも高ければよく(すなわち、Cshell>Ccoreであればよく)、とくに限定されない。Cshellは、例えば10モル%以上にすることが適当であり、粒界におけるカソード材料の拡散抑制効果等の観点から、好ましくは15モル%以上、より好ましくは20モル%以上である。Cshellは、例えば30モル%以上、典型的には40モル%以上(例えば50モル%以上)であってもよい。Cshellの上限値は特に制限されないが、反応抑止層の焼結性等の観点から、90モル%以下であることが好ましく、85モル%以下であることがより好ましく、80モル%以下であることが特に好ましい。表面部のCshellが70モル%以下のセリウム含有酸化物粒子であってもよく、Cshellが60モル%以下のものであってもよい。
一方、セリウム含有酸化物粒子1の中心部としては、そのCe濃度CcoreがCshellよりも低ければよく、特に限定されない。反応抑止層の焼結性等の観点から、セリウム含有酸化物粒子1としては、中心部のCcoreが50モル%以下のものを好ましく採用することができる。Ccoreは、例えば40モル%以下、典型的には20モル%以下(例えば10モル%以下)であってもよい。例えば、Ccoreが0モル%、すなわち中心部に実質的にCeを含まないセリウム含有酸化物粒子1であることが特に好ましい。
セリウム含有酸化物粒子1の中心部と表面部とでCe濃度に差を設けることによる効果をより良く発揮させる観点から、CcoreとCshellとの関係が0≦(Ccore/Cshell)<1を満たすことが好ましい。中心部と表面部とが特定のCe濃度比となるようにCeが偏在したセリウム含有酸化物粒子1を用いることにより、反応抑止層全体の緻密性を高めつつ(空隙を減らしつつ)、粒界におけるカソード材料の拡散をより効果的に抑制することができる。ここで開示される技術は、CcoreとCshellとの関係が0≦(Ccore/Cshell)≦0.5、より好ましくは0≦(Ccore/Cshell)≦0.3、さらに好ましくは0≦(Ccore/Cshell)≦0.2、特に好ましくは0≦(Ccore/Cshell)≦0.1である態様で好ましく実施され得る。
粒界におけるカソード材料の拡散をより効果的に抑制する等の観点から、CshellはCcoreよりも10モル%以上高いことが好ましく、20モル%以上高いことがより好ましい。また、CshellからCcoreを減した値は(すなわち、Cshell−Ccore)は、好ましくは90モル%以下であり、より好ましくは80モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。例えば、Cshell−Ccoreが50モル%以下であってもよい。
なお、セリウム含有酸化物粒子1のCe濃度は、表面部については、例えば、TEM−EDS法に基づく分析機器を用いて、セリウム含有酸化物粒子の最表面部(表面から数nm程度、例えば表面から5nm程度)を構成する元素全体に占めるCe元素の平均割合(mol%)を測定して把握することができる。また、中心部については、例えばTEM−EDS法に基づく分析機器を用いて、セリウム含有酸化物粒子の上記最表面部を除いた部位を構成する元素全体に占めるCe元素の平均割合(mol%)を測定して把握することができる。なお、Ceがセリウム含有酸化物粒子の表面部に中心部よりも偏在していることは、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギー分散型X線分光法)によるCeのマッピングにより把握してもよい。
セリウム含有酸化物粒子1のコア2に用いられる材料としては、中心部のCe濃度CcoreがCshellとの間で前記関係(Cshell>Ccore)を満たす限りにおいて特に制限されない。例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)等の希土類元素;ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、イットリウム(Y)等の3族〜4族の金属元素を含む金属化合物材料;等を用いることができる。なかでもCe、La、NdおよびZrのうちの1種または2種以上を構成金属元素として有する酸化物が好適である。セリウム含有酸化物粒子1のコア2に用いられる材料の好適例として、ランタン酸化物、ネオジム酸化物、ジルコニウム酸化物(例えばジルコニア(ZrO))、希土類元素がドープされたジルコニウム酸化物、希土類元素がドープされたセリウム酸化物等が挙げられる。希土類元素がドープされたジルコニウム酸化物の例としては、ランタンがドープされたジルコニア、セリウムがドープされたジルコニア、ネオジムがドープされたジルコニア、ランタンおよびネオジムがドープされたジルコニア等が例示される。希土類元素がドープされたセリウム酸化物の例としては、ランタンがドープされたセリア等が例示される。好適な希土類元素のドープ量は、20モル%〜80モル%(好ましくは30モル%〜70モル%)程度である。このような酸化物成分から成るコア2を含むセリウム含有酸化物粒子1を用いて反応抑止層を形成することにより、反応抑止層の緻密性を高めてYSZ等のジルコニアを主体とする固体電解質層とペロブスカイト型酸化物材料から成る空気極(カソード)との反応を好適に抑止することができる。
セリウム含有酸化物粒子1のシェル3に用いられる材料としては、表面部のCe濃度CshellがCcoreとの間で前記関係を満たす限りにおいて特に制限されない。例えば、セリウム酸化物(例えばセリア(CeO))、セリア−ジルコニア複合酸化物(CeO−ZrO複合酸化物)等が挙げられる。セリウム含有酸化物粒子1の表面部においては、シェル3を構成する材料(例えばセリウム酸化物)がコア2を構成する材料(例えば希土類元素がドープされたジルコニア)と混在していてもよい。あるいは、シェル3を構成する材料がコア2を構成する材料と焼成により反応し、その一部が固溶体を形成していてもよい。
セリウム含有酸化物粒子1の性状は特に限定されないが、例えば平均粒子径(D50)は通常は5μm以下であるものが好ましく、特には2μm以下のものが好ましい。取扱性、反応抑止層の焼結性、反応抑止層と固体電解質層との間の界面接着性を高める等の観点から、セリウム含有酸化物粒子1として、平均粒子径が1μm以下のコアシェル粒子を好ましく採用することができる。例えば、平均粒子径が0.005μm以上3μm以下のセリウム含有酸化物粒子が好ましく、0.01μm以上2μm以下のものがより好ましく、0.05μm以上0.8μm以下のものが特に好ましい。なお、本明細書において「平均粒子径」は、レーザ回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置により測定された粒度分布における積算値50%での粒径(50%累積体積平均粒子径(メジアン径);D50)を意味する。
このような粒子状のセリウム含有酸化物粒子の製造方法は特に限定されないが、例えば、湿式法によってCeを除く金属元素の水酸化物を析出させ、この水酸化物を仮焼成して焼成物(前駆体)を得ること(前駆体の生成工程)、得られた前駆体に適当なセリウム源(酸溶液)を加え、前駆体の表面にセリウムの水酸化物を析出させること(セリウム析出工程)、上記セリウムが析出した前駆体を所定の温度で焼成すること(焼成工程)、により製造することができる。なお、以下では平均組成がLaZrで表されるコア2にセリアがシェル3として担持されたセリウム含有酸化物粒子1を例として、セリウム含有酸化物粒子の製造方法を説明する場合があるが、本発明をかかる具体的態様に限定する意図ではない。
上記前駆体の生成工程では、典型的には、出発原料としてのランタン(La)源およびジルコニウム(Zr)源を含む水性溶液を用意し、これらをアルカリ性条件下(pH>7の条件下)で混合することにより、上記金属元素の水酸化物を析出(晶析)させる。水性溶液としては、金属元素源(La源、Zr源。典型的には水溶性のイオン化合物。)をそれぞれ所定量、水性溶媒に溶解させて調製することができる。これら金属元素源を水性溶媒に添加する順番は特に制限されない。また、各金属元素源を含む水性溶液を別々に用意して、かかる水溶液を混合することにより調製してもよい。金属元素源のアニオンは該金属元素源が水溶性となるように適宜選択することができ、例えば硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン、塩化物イオン等であり得る。これら金属元素源のアニオンは、全てまたは一部が同じであってもよく、互いに異なってもよい。また、これらの金属元素源はそれぞれ水和物等の溶媒和された状態のものであり得る。
上記水性溶液を調製する際に使用する水性溶媒は、典型的には水であるが、水を主体とする混合溶媒を用いることもできる。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(例えば低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。また、使用する原料化合物の水溶解性が低い場合等は、該溶解性を向上させ得る化合物(酸、塩基等)等を水性溶媒中に適宜添加することもできる。
上記水性溶液をアルカリ性にし得る化合物としては、強塩基(アルカリ金属の水酸化物等)および/または弱塩基(アンモニア等)を含み、上記水酸化物の生成(析出)を阻害しないものを好ましく使用し得る。例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化アンモニウム(NHOH)、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸アンモニウム((NHCO)、硝酸アンモニウム(NHNO)、アンモニア(NH)等から選択される一種または二種以上を用いることができる。なかでもアンモニアの使用が好ましい。
上記前駆体の生成工程では、上記水性溶液に該水性溶液をアルカリ性にし得る化合物(例えばアンモニウム)を添加し、適当な速度で混合・攪拌することにより、金属元素(ここではLaおよびZr)の水酸化物を析出(晶析)させる。次に、得られた水酸化物を仮焼成することにより、前駆体を形成する。
上記セリウム析出工程では、上記得られた前駆体に適当なセリウム源(酸溶液)を加え、前駆体の表面にセリウムの水酸化物を析出させる。セリウム源のアニオンは該金属元素源が水溶性となるように適宜選択することができ、例えば硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン等の酸性イオンであり得る。上記セリウム析出工程では、まず、上記セリウム源を水性溶媒に溶解させた溶解液(酸溶液)に上記得られた前駆体を混合する。そして、該溶解液に該溶解液をアルカリ性にし得る化合物(例えばアンモニア)を加えて攪拌することによって、その溶解液をアルカリ性(pH>7)にすることにより、上記セリウムの水酸化物を前駆体の表面に析出(晶析)させる。セリウム析出工程で用いられる水溶性溶媒およびアルカリ性にし得る化合物としては、前述した前駆体の生成工程で用いられるものと同じものを使用することができる。
上記焼成工程では、上記セリウムが析出した前駆体を所定の温度で焼成することにより、ここに開示されるセリウム含有酸化物粒子1を製造することができる。焼成温度は特に限定されないが、例えば700℃以上(典型的には800℃以上)であって、1300℃以下(典型的には1200℃以下)とすることができる。そして、得られた焼成物を、典型的には粉砕した後、必要に応じて所望の粒子径に篩い分けしセリウム含有酸化物粒子1として用いることができる。このようにして、平均組成がLaZrで表されるコア2にセリアがシェル3として担持された(すなわち中心部よりもCeの濃度が高い表面部を有する)セリウム含有酸化物粒子1を製造することができる。
ここに開示される反応抑止層形成用材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述したセリウム含有酸化物粒子、すなわち表面部のCe濃度が中心部よりも高い表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子以外のセリウム含有酸化物粒子(すなわち、非表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子)を含有していてもよい。そのような非表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子の例として、ガドリニウムがドープされたセリア粒子(GDC)、ランタンをドープしたセリア粒子、サマリウムをドープしたセリア粒子等のいずれかから実質的に構成される粒子が挙げられる。
上記非表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子の含有量は、反応抑止層形成用材料に含まれるセリウム含有酸化物粒子の全質量のうち、例えば50質量%以下とすることが適当であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
ここに開示される技術は、反応抑止層形成用材料に含まれるセリウム含有酸化物粒子の全質量のうち表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子の合計割合が90質量%よりも大きい態様で好ましく実施され得る。上記表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子の割合は、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。なかでも、反応抑止層形成用材料に含まれるセリウム含有酸化物粒子の100質量%が表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子である反応抑止層形成用材料が好ましい。
セリウム含有酸化物粒子1を含む反応抑止層形成用材料は、例えば、セリウム含有酸化物粒子1と分散媒と必要に応じて用いられる任意成分(後述するバインダ等)とを所望の量比で混合することによりペースト状に調製され得る。
<分散媒(溶媒)>
ここで開示される反応抑止層形成用材料は、上述のセリウム含有酸化物粒子以外の添加物を含んでいてもよい。例えば、上述したように、ここで開示される反応抑止層形成用材料は、ペースト状に調製されていてもよい。当該ペースト状の反応抑止層形成用材料(以下、反応抑止層形成用ペーストともいう。)には、少なくとも1種の分散媒(溶媒)が含まれている。この分散媒としては、上記セリウム含有酸化物粒子を好適に分散できるもののうち、一種または二種以上を特に限定することなく用いることができる。かかる分散媒は有機系溶媒、無機系溶媒のいずれを用いてもよい。有機系溶媒としては、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、または他の有機溶剤が挙げられる。例えば、テルピネオール、ブチルジグリコールアセテート、イソブチルアルコール、チルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、エチレングリコール、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等が好適に用いられる。また、無機系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒であることが好ましい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、例えば、水と均一に混合し得る有機系溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。かかるペーストにおける分散媒(溶媒)の含有率は、特に限定されないが、ペースト全体の凡そ10質量%〜50質量%(典型的には20質量%〜35質量%)が好ましい。かかる反応抑止層形成用ペーストは、当該反応抑止層形成用ペーストを固体電解質層(或いは該固体電解質層を焼成により形成するためのグリーンシート)上に付与することが容易であるため好ましい。また、塗布等によって付与することにより、容易に所定厚さの反応抑止層を形成できるため好ましい。
<バインダ>
ここに開示される反応抑止層形成用材料は、さらにバインダとして種々の樹脂成分を含むことができる。このような樹脂成分を加えることによって、反応抑止層形成用材料の固体電解質層上への付与が更に容易になる。かかる樹脂成分はペーストを調製するのに良好な粘性および塗膜形成能(例えば、印刷性や付着性等を含む。)を付与し得るものであればよく、従来のこの種のペーストに用いられているものを特に制限なく使用することができる。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、セルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ロジン樹脂等を主体とするものが挙げられる。このうち、特にエチルセルロース等のセルロース系高分子が含まれているのが好ましい。
特に限定されるものではないが、反応抑止層形成用材料全体に占めるセリウム含有酸化物粒子の割合は凡そ40質量%以上(典型的には40〜80質量%)であることが好ましく、凡そ55〜70質量%であることが好ましい。また、バインダを含む組成では、反応抑止層形成用材料全体に占めるバインダの割合を例えば1〜15質量%とすることができ、凡そ3〜10質量%であることが好ましい。
ここに開示される反応抑止層形成用材料は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、接着性向上剤、分散剤、可塑剤等のこの種の反応抑止層形成用材料に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。上記添加剤の含有量は、その添加目的に応じて適宜設定すればよく、本発明を特徴づけるものではないため、詳しい説明は省略する。
接着性向上剤の例としては、酸化チタンのような無機チタン化合物、チタンアルコキシド類やチタンキレート類等の有機チタン化合物が挙げられる。このようなチタン化合物を含むことにより、反応抑止層と固体電解質層との間の界面の接着性(界面接着率)をより向上させることができる。有機チタン化合物の具体例としては、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、アビエチン酸、オレイン酸、ナフテン酸、リノレン酸、ネオデカン酸等の比較的高炭素数(例えば炭素数8以上)のカルボン酸のTi塩、スルホン酸のTi塩、あるいは、上記Tiを含むアルキルメルカプチド(アルキルチオラート)、アリールメルカプチド(アリールチオラート)、メルカプトカルボン酸エステル等が挙げられる。なかでもオクチル酸のTi塩が好ましい。これらの一種または二種以上を特に限定することなく用いることができる。
<SOFC>
以上、ここで開示される反応抑止層形成用材料について説明した。かかる反応抑止層形成用材料は、例えば、固体酸化物形燃料電池(すなわちSOFC)の固体電解質層と空気極(カソード)との反応を抑止する反応抑止層形成用材料として好適に用いることができる。以下、ここに開示される反応抑止層形成用材料を用いて構成されるSOFCの具体的な実施態様を示しながら、本発明が提供するSOFCについて説明する。
かかる実施態様における固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、図2に示すように、燃料極支持型のSOFC100を備えている。このSOFC100は、多孔質構造の燃料極(アノード)支持体12および該支持体12上に形成された燃料極(アノード)14の表面(上面)に、順に、ジルコニアを主体とする酸化物イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質層20、多孔質構造の反応抑止層30および多孔質構造の空気極(カソード)40が形成されることで構成されている。SOFCの作動時には、燃料極14を通じて燃料極14側の固体電解質層20表面に燃料ガス(典型的には水素(H))が、空気極40を通じて空気極40側の固体電解質層20表面に酸素(O)含有ガス(典型的には空気)が、それぞれ供給される。一般的な動作においては、酸素(O)含有ガス中のOガスが空気極40で還元されてO2−アニオンとなり、固体電解質層20を通って燃料極14に移動し、Hガス燃料を酸化する。そしてかかる酸化反応に伴い、電気エネルギーを発生させている。
本実施形態において、かかる燃料極支持型のSOFC100は、以下のようにして構築され得る。すなわち、燃料極支持体材料として、平均粒子径0.1〜10μmの8族〜10族の金属元素の粒子(例えば酸化ニッケル粉末)と平均粒子径0.1〜10μmのセラミック(例えば8mol%イットリア安定化ジルコニア)粉末とを混合し、混合粉末とする。この混合粉末と、バインダ(例えばポリビニルブチラール)と、造孔材(例えばカーボン粒子)と、可塑剤(例えばフタル酸オクチル)と、溶剤(例えばトルエン:エタノール)とを所定の質量比で配合し、混合することで、ペースト状の燃料極支持体形成用組成物を調製する。次いで、この燃料極支持体形成用組成物をドクターブレード法によりシート状に塗布、乾燥させて、厚みが0.3mm〜1mmの燃料極支持体グリーンシートを形成する。
次に、燃料極材料として、平均粒子径0.1〜10μmの8族〜10族の金属元素の粒子(例えば酸化ニッケル粉末)と、平均粒子径0.1〜10μmのセラミック(例えば8mol%イットリア安定化ジルコニア)粉末と、バインダ(例えばエチルセルロース)と、溶媒(例えばα−テルピネオール)とを所定の質量比率で混練することにより、ペースト状の燃料極形成用組成物を調製する。これを上記燃料極支持体グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、燃料極グリーンシートを形成する。
次に、固体電解質材料として、平均粒子径0.1〜10μmのジルコニアを主体とするセラミック(例えば8mol%イットリア安定化ジルコニア)粉末と、バインダ(例えばエチルセルロース)と、溶媒(例えばテルピネ系)とを、所定の質量比率で混練することにより、ペースト状の固体電解質層形成用組成物を調製する。これを上記燃料極グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約1〜20μmの固体電解質層グリーンシートを形成する。
また、反応抑止層形成用材料として、前述したセリウム含有酸化物粒子と、バインダ(例えばエチルセルロース)と、溶媒(例えばテルピネオール)とを、所定の質量比率で混練することにより、ペースト状の反応抑止層形成用組成物を調製する。これを上記固体電解質層グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約1〜10μmの反応抑止層グリーンシートを形成する。
このようにして用意した積層グリーンシートを、1200℃〜1400℃(好ましくは1300℃〜1400℃)で共焼成することで、SOFCのハーフセルを得る。
次いで、空気極材料として、平均粒子径0.1〜10μmのペロブスカイト型酸化物(例えばランタンコバルタイト系材料、典型的にはランタンストロンチウム鉄コバルタイト(LSCF))粉末と、バインダ(例えばエチルセルロース)と、溶剤(例えばアルコール系)とを、所定の質量比率で混練することにより、ペースト状の空気極形成用組成物を調製する。これを上記ハーフセルの反応抑止層の上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、空気極グリーンシートを形成する。次いで、これを1000℃〜1200℃(例えば1100℃)で焼成して空気極40を焼成し、SOFCを得る。
このようにして得られた固体酸化物形燃料電池(SOFC)100は、ジルコニアを主体とする固体電解質層20と空気極(カソード)40との間に反応抑止層30が配置された固体酸化物形燃料電池であって、反応抑止層30は、表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い粒状のセリウム含有酸化物粒子1を焼成して形成されたもの(すなわちセリウム含有酸化物粒子1の焼結体)である。そのため、得られたSOFC100は、反応抑止層30の緻密性が従来に比して高く(空隙が少なく)、かつ、セリウム含有酸化物粒子(焼結体)の粒界に高濃度のCeが存在するものであり得る。例えば、反応抑止層30の空隙率(気孔率)が10%以下(好ましくは5%以下)であり得る。このような低空隙率で、かつ、セリウム含有酸化物粒子の粒界に高濃度のCeが存在する反応抑止層30であると、該粒界および空隙を通じたカソード材料(例えばストロンチウム)の固体電解質層への拡散(ひいてはカソード材料と固体電解質層との反応)が抑制されるため、耐久性と発電性能の高いSOFCが実現され得る。
なお、燃料極14を構成する材料としては、上記例示した遷移金属成分(NiO)と8YSZとの組み合わせからなる混合物以外に、様々な態様を考慮することができる。例えば、具体的には、遷移金属成分としては、コバルト(Co)、酸化コバルト(CoO,Co,Co),銅(Cu),酸化銅(CuO,CuO),銀(Ag),酸化銀(AgO,AgO),タングステン(W),酸化タングステン(WO,W,WO,WO),白金(Pt),白金−パラジウム合金,白金−ロジウム合金等が考慮される。
また、空気極40を構成する材料としては、上記例示したLSCFに変えて、例えば、以下の導電性ペロブスカイト型酸化物を用いることができる。すなわち、具体的には、(LaSr)MnO、(LaCa)MnOに代表されるランタンマンガネート(LaMnO)系ペロブスカイト型酸化物や、LaCoO、(LaSr)CoO、(LaSr)(CoFe)O等に代表される、ランタンコバルタイト(LaCoO)系のペロブスカイト型酸化物、さらには、(LaSr)(TiFe)O等に代表される、ランタンチタネート(LaTiO)系のペロブスカイト型酸化物からなるものが例示される。なお、ここに列挙した一般式は、当業者において慣用的に使用されているように、かかる酸化物を構成する主元素の組み合わせを簡略的に示すものであって、実際の電極材料の組成を示すものではない。また、上記に示した主元素以外の元素をドープするようにしても良い。
以下、本発明に関する幾つかの試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
<表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子の作製>
出発原料としてのセリウム含有酸化物粒子のコアを構成する金属源(Zr、La、NdおよびCeの何れか1種または2種以上の金属元素)を含む水性溶液(塩溶液)を用意した。この塩溶液にアンモニア(NH)を添加し、適当な速度で混合・攪拌することにより、上記金属元素の水酸化物を析出させた。得られた水酸化物を洗浄、乾燥して仮焼成することにより、前駆体を形成した。次いで、所定量のCe源を水に溶解させた溶解液(酸溶液)に上記得られた前駆体を混合し、アンモニア(NH)を添加し、適当な速度で混合・攪拌することにより、Ceの水酸化物を前駆体の表面に析出させた。次いで、Ceの水酸化物が析出した前駆体を洗浄、乾燥して焼成することにより、表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い例1〜9の表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子(コアシェル粒子)を作製した。各例のセリウム含有酸化物粒子の表面部では、シェルを構成するセリウム酸化物(典型的にはセリア)とコアを構成する金属酸化物とが混在もしくは固溶している。ここでは、セリウム含有酸化物粒子の表面部におけるセリアの量(ひいてはCe濃度)は、前駆体に対するCe源の添加量を変えることによって調整した。すなわち、前駆体に対するCe源の添加量が増えるに従い、セリウム含有酸化物粒子の表面部におけるセリアの量(ひいてはCe濃度)は増大傾向となる。
また、非表面Ce濃化型セリウム含有酸化物粒子として、10mol%のガドリニウムをドープしたセリア粒子(例9、例10)と、10mol%のランタンをドープしたセリア粒子(例11)と、20mol%のサマリウムをドープしたセリア粒子(例12)とを用意した。各例に係るセリウム含有酸化物粒子について、使用したセリウム含有酸化物粒子の構成元素、表面部におけるCeの濃度を表1に纏めて示す。例9では、コアシェル粒子とGdドープセリア粒子とを50:50の質量比で混合したものを用いた。なお、各例のセリウム含有酸化物粒子の表面部におけるCe濃度は、TEM−EDS法に基づく前述の方法に準じて求めたものである。
Figure 2018073486
各例1〜12のセリウム含有酸化物粒子を用いて、燃料極φ20mm−空気極φ10mm程度の円形の燃料極支持型のSOFCを以下の手順で作製した。
燃料極支持体材料として、平均粒子径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)粉末と平均粒子径0.5μmの8mol%イットリア安定化ジルコニア(8mol%Y2O3‐ZrO2;以下、8YSZ)粉末とを、NiO:8YSZ=60:40の質量比で混合し、混合粉末とした。この混合粉末と、バインダ(ポリビニルブチラール;PVB)と、造孔材(カーボン粒子、平均粒子径:約5μm)と、可塑剤(フタル酸オクチル)と、溶剤(トルエン:エタノール=1:3)とを、58:8.5:5:4.5:24の質量比で配合し、混合することで、ペースト状の燃料極支持体形成用組成物を調製した。次いで、この燃料極支持体形成用組成物をドクターブレード法によりシート状に塗布、乾燥させて、厚みが0.5mm〜1mmの燃料極支持体グリーンシートを形成した。
次に、燃料極材料として、平均粒子径0.4μmの酸化ニッケル(NiO)粉末と、平均粒子径0.3μmの8YSZ粉末と、バインダ(エチルセルロース;EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、48:32:2:18の質量比率で混練することにより、ペースト状の燃料極形成用組成物を調製した。これを上記燃料極支持体グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、燃料極グリーンシートを形成した。
次に、固体電解質材料として、平均粒子径0.5μmの8YSZ粉末と、バインダ(エチルセルロース;EC)と、溶媒(テルピネ系)とを、65:4:31の質量比率で混練することにより、ペースト状の固体電解質層形成用組成物を調製した。これを上記燃料極グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約10μmの固体電解質層グリーンシートを形成した。
また、例1〜12のセリウム含有酸化物粒子の各々と、バインダ(エチルセルロース)と、溶媒(テルピネオール)とを、65:4:31の質量比率で混練することにより、ペースト状の反応抑止層形成用組成物を調製した。これを上記固体電解質層グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約5μmの反応抑止層グリーンシートを形成した。このようにして用意した積層グリーンシートを、1350℃で共焼成することで、SOFCのハーフセルを得た。
次いで、空気極材料として、平均粒子径1.0μmのランタンストロンチウム鉄コバルタイト(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8;LSCF)粉末と、バインダ(エチルセルロース)と、溶剤(アルコール系)とを、80:3:17の質量比率で混練することにより、ペースト状の空気極形成用組成物を調製した。これを上記ハーフセルの反応抑止層の上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、空気極グリーンシートを形成した。次いで、これを1100℃で焼成して空気極を焼成し、例1〜12に係るSOFCを得た。
<初期の発電性能>
上記作製した例1〜12のSOFCを下記の条件で運転させた際の出力密度を測定し、電圧0.8Vにおける出力(W/cm)を初期の発電性能として、表1に示した。
運転温度:700℃
燃料極供給ガス:Hガス(50ml/min)
空気極供給ガス:Air(100ml/min)
<耐久試験>
また、例1〜12のSOFCを上記の条件で1000時間連続して運転を行う耐久試験を実施した。そして、上記耐久試験後における出力密度を電圧0.8Vで測定し、[(初期の発電性能−耐久試験後の発電性能)/初期の発電性能]×100により劣化率(%)を算出した。結果を表1の該当欄に示す。
また、上記耐久試験後におけるSOFCを解体し、固体電解質層へのカソード材料(ここではLSCF中のSr)の拡散の有無をSEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギー分散型X線分光法)によるSrのマッピングにより確認した。結果を表1の該当欄に示す。
表1に示すように、表面部が中心部に比べてCeの濃度が高いコアシェル粒子を用いた例1〜9のサンプルは、初期の発電性能が0.39W/cm以上であり、発電性能が良好であった。また、耐久試験後における劣化率も0.25%以下であり、希土類元素ドープセリア粒子を用いた例10〜12に比べて耐久性に優れていた。ここで供試したSOFCの場合、表面部におけるCe濃度を20モル%〜80モル%にすることによって、0.2%以下という極めて低い劣化率を達成できた。また、例1〜8のサンプルについては、耐久試験後においても固体電解質層へのSrの拡散が認められなかった。例9のサンプルについては、固体電解質層へのSrの拡散が一部認められたものの、例10〜12に比べて拡散は少なく、発電性能への影響も少なかった。この結果から、表面部が中心部に比べてCeの濃度が高いコアシェル粒子を用いて反応抑止層を形成することによって、空気極材料の固体電解質層への拡散を防いで発電性能の劣化を抑制し得る、高性能なSOFCを実現し得ることが確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 セリウム含有酸化物粒子
2 コア
3 シェル
12 支持体
14 燃料極
20 固体電解質層
30 反応抑止層
40 空気極
100 固体酸化物形燃料電池

Claims (8)

  1. 固体電解質層と空気極との間に反応抑止層が配置された固体酸化物形燃料電池であって、
    前記反応抑止層は、粒状のセリウム含有酸化物粒子の焼結体からなり、
    前記セリウム含有酸化物粒子は、該粒子の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い、固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記セリウム含有酸化物粒子の前記表面部におけるCeの濃度が、前記中心部におけるCeの濃度よりも10mol%以上高い、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記セリウム含有酸化物粒子の前記表面部におけるCeの濃度が、20mol%〜80mol%である、請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記セリウム含有酸化物粒子の前記中心部は、Ce、La、NdおよびZrからなる群の中から選択される1種または2種以上を構成金属元素として有する酸化物を含む、請求項1〜3の何れか一つに記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 固体酸化物形燃料電池の反応抑止層を形成するための材料であって、
    粒状のセリウム含有酸化物粒子を含み、
    前記セリウム含有酸化物粒子は、該粒子の表面部が中心部に比べてCeの濃度が高い、反応抑止層形成用材料。
  6. 前記セリウム含有酸化物粒子の前記表面部におけるCeの濃度が、前記中心部におけるCeの濃度よりも10mol%以上高い、請求項5に記載の反応抑止層形成用材料。
  7. 前記セリウム含有酸化物粒子の前記表面部におけるCeの濃度が、20mol%〜80mol%である、請求項5または6に記載の反応抑止層形成用材料。
  8. 前記セリウム含有酸化物粒子の前記中心部は、Ce、La、NdおよびZrからなる群の中から選択される1種または2種以上を構成金属元素として有する酸化物を含む、請求項5〜7の何れか一つに記載の反応抑止層形成用材料。
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