JP2014207215A - 固体酸化物形燃料電池ハーフセル、及び固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SOFCハーフセル1Aは、イットリア、イッテルビア、及びエルビアからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属酸化物によって安定化されたジルコニアと酸化ニッケルとを含むアノード活性層20Aと、スカンジア安定化ジルコニアを主成分として含むカソード側電解質層10Aと、アノード活性層20Aと接するようにカソード側電解質層10Aとアノード活性層20Aとの間に位置し、イットリア、イッテルビア、及びエルビアからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属酸化物によって安定化されたジルコニアを主成分として含むアノード側電解質層10Bと、を備える。カソード側電解質層10Aの厚みは、カソード側電解質層10Aの厚み及びアノード側電解質層20Aの厚みの和の30%以上である。
【選択図】図1
Description
イットリア、イッテルビア、及びエルビアからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属酸化物によって安定化されたジルコニアと酸化ニッケルとを含むアノード活性層と、
スカンジア安定化ジルコニアを主成分として含むカソード側電解質層と、
前記アノード活性層と接するように前記カソード側電解質層と前記アノード活性層との間に位置し、イットリア、イッテルビア、及びエルビアからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属酸化物によって安定化されたジルコニアを主成分として含むアノード側電解質層と、を備え、
前記カソード側電解質層の厚みは、前記カソード側電解質層の厚み及び前記アノード側電解質層の厚みの和の30%以上である、固体酸化物形燃料電池ハーフセルを提供する。
上記の固体酸化物形燃料電池ハーフセルと、
前記カソード側電解質層の前記アノード活性層と反対側に形成されたカソードと、を備える固体酸化物形燃料電池を提供する。
まず、各実施例又は各比較例に係るSOFCの作製に用いたアノード活性層用ペーストの作製方法について説明する。
導電成分としての酸化ニッケル(キシダ化学社製)36質量部、骨格成分としての8モル%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)の粉末(第一稀元素社製、商品名「HSY−8」)24質量部、気孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)2質量部、溶剤としてのα−テルピネオール(和光純薬工業社製)36質量部、バインダーとしてのエチルセルロース(和光純薬工業製)4質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤4質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、アノード活性層用ペースト(8YSZ)を作製した。
導電成分としての酸化ニッケル(キシダ化学社製)36質量部、骨格成分としての10モル%イットリア安定化ジルコニア(10YSZ)の粉末(第一稀元素社製、商品名「HSY−10」)24質量部、気孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)2質量部、溶剤としてのα−テルピネオール(和光純薬工業社製)36質量部、バインダーとしてのエチルセルロース(和光純薬工業製)4質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤4質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、アノード活性層用ペースト(10YSZ)を作製した。
導電成分としての酸化ニッケル(キシダ化学社製)36質量部、骨格成分としての10モル%スカンジア1モル%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)の粉末(第一稀元素社製、商品名「10Sc1CeSZ」)24質量部、気孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)2質量部、溶剤としてのα−テルピネオール(和光純薬工業社製)36質量部、バインダーとしてのエチルセルロース(和光純薬工業製)4質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤4質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、アノード活性層用ペースト(10Sc1CeSZ)を作製した。
導電成分としての酸化ニッケル(キシダ化学社製)36質量部、骨格成分としての10モル%エルビア安定化ジルコニア粉末24質量部、気孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)2質量部、溶剤としてのα−テルピネオール(和光純薬工業社製)36質量部、バインダーとしてのエチルセルロース(和光純薬工業製)4質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤4質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、アノード活性層用ペースト(10ErSZ)を作製した。
導電成分としての酸化ニッケル(キシダ化学社製)36質量部、骨格成分としての10モル%イッテルビア安定化ジルコニア(10YbSZ)の粉末24質量部、気孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)2質量部、溶剤としてのα−テルピネオール(和光純薬工業社製)36質量部、バインダーとしてのエチルセルロース(和光純薬工業製)4質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤4質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、アノード活性層用ペースト(10YbSZ)を作製した。
次に、各実施例又は各比較例に係るSOFCの作製に用いた電解質層用ペーストの作製方法について説明する。
セラミックス質としての8モル%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)の粉末(第一稀元素社製、商品名「HSY−8」)60質量部、バインダーとしてエチルセルロース(和光純薬工業社製)5質量部、溶剤としてα−テルピネオール(和光純薬工業社製)40質量部、可塑剤としてジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、電解質層用ペースト(8YSZ)を作製した。
セラミックス質としての10モル%イットリア安定化ジルコニア(10YSZ)の粉末(第一稀元素社製、商品名「HSY−10」)60質量部、バインダーとしてエチルセルロース(和光純薬工業社製)5質量部、溶剤としてα−テルピネオール(和光純薬工業社製)40質量部、可塑剤としてジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、電解質層用ペースト(10YSZ)を作製した。
セラミックス質としての10モル%スカンジア1モル%セリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)の粉末(第一稀元素社製、商品名「10Sc1CeSZ」)60質量部、バインダーとしてエチルセルロース(和光純薬工業社製)5質量部、溶剤としてα−テルピネオール(和光純薬工業社製)40質量部、可塑剤としてジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)を作製した。
セラミックス質としての10モル%エルビア安定化ジルコニア(10ErSZ)の粉末60質量部、バインダーとしてエチルセルロース(和光純薬工業社製)5質量部、溶剤としてα−テルピネオール(和光純薬工業社製)40質量部、可塑剤としてジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、電解質層用ペースト(10ErSZ)を作製した。
セラミックス質としての10モル%イッテルビア安定化ジルコニア(10YbSZ)の粉末60質量部、バインダーとしてエチルセルロース(和光純薬工業社製)5質量部、溶剤としてα−テルピネオール(和光純薬工業社製)40質量部、可塑剤としてジブチルフタレート(和光純薬工業社製)6質量部、及び分散剤としてソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」ロール材質:アルミナ)を用いて解砕し、電解質層用ペースト(10YbSZ)を作製した。
次に、各実施例又は各比較例に係るSOFCの作製に用いたバリア層用ペーストの作製方法について説明する。セラミックス質として、10モル%ガドリニアがドープされているセリアの粉末(阿南化成株式会社製)60質量部、バインダーとしてのエチルセルロース(和光純薬工業株式会社製)5質量部、溶剤としてのα−テルピネオール(和光純薬工業株式会社製)40質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業株式会社製)6質量部、及び分散剤としてのソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成工業株式会社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を、乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質;アルミナ)を用いて解砕した。このようにして、バリア層用ペーストを作製した。
(アノード基板用グリーンシートの作製)
導電成分としての酸化ニッケル(正同化学社製)60質量部、骨格成分としての3モル%イットリア安定化ジルコニア(3YSZ)の粉末(東ソー社製、商品名「TZ3Y」)40質量部、空孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)10質量部、メタクリレート系共重合体からなるバインダー(分子量:30,000、ガラス転移温度:−8℃、固形分濃度:50質量部)30質量部、可塑剤としてジブチルフタレート2質量部、及び分散媒としてトルエン/イソプロピルアルコール(質量比=3/2)の混合溶剤80質量部を、ボールミルにより混合して、アノード基板用のスラリーを調製した。得られたスラリーをドクターブレード法によってシート成形し、70℃で5時間乾燥させて、厚さ約300μmのアノード基板用グリーンシートを作製した。
アノード活性層用ペースト(8YSZ)を、上記のアノード基板用グリーンシートに、焼成後の厚さが約20μmとなるようにスクリーン印刷によって印刷し、100℃で30分間乾燥させ、アノード活性層用グリーン層を形成した。
上記のアノード活性層用グリーン層の上に、電解質層用ペースト(8YSZ)を焼成後の厚さが約2μmとなるようにスクリーン印刷によって印刷した。さらにその上に、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)を焼成後の厚さが約10μmとなるようにスクリーン印刷によって印刷し、100℃で30分間乾燥させ、カソード側電解質層用グリーン層及びアノード側電解質層用グリーン層を形成した。ここで、電解質層用ペースト(8YSZ)によって形成されたグリーン層がアノード側電解質層用グリーン層であり、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)によって形成されたグリーン層がカソード側電解質層用グリーン層である。
カソード側電解質層用グリーン層の上に、上記のバリア層用ペーストを焼成後の厚さが3μm以下となるようにスクリーン印刷によって印刷した。これを100℃で30分間乾燥させることによって、バリア層用グリーン層を形成した。
バリア層用グリーン層、カソード側電解質層用グリーン層、アノード側電解質層用グリーン層、及びアノード活性層用グリーン層が形成されたアノード基板用グリーンシートを、焼成後の1辺が60mmの正方形になるように打ち抜いた。打ち抜いた後、1300℃で2時間焼成してバリア層を有するハーフセルを得た。
LSCFカソードの原料となる粉体材料として、市販の純度99.9%のLa2O3、SrCO3、純度99%のCoO及びFe2O3の粉末を元素比がLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8となるように混合した。得られた混合物にエタノールを加えて、これをビーズミルで1時間粉砕混合した。次いで、得られた混合物を乾燥させてから、800℃で1時間仮焼した。仮焼後の混合物に対し、さらにエタノールを加えてビーズミルで1時間粉砕混合してから、乾燥させた。その後、1200℃で混合物を5時間固相反応させることによって、粉末を得た。この粉末にエタノールを加え、さらにボールミルで10時間粉砕混合してから乾燥させて、粉末を得た。この粉末は、X線回折によって、ペロブスカイトからなる単一相であることが確認された。その後、遊星ボールミルを用い、回転数と回転時間を調整しながら粉砕することによって、平均粒子径(D50)が0.52μmのLSCF粉末を得た。なお、本明細書で平均粒子径(D50)とは、レーザー回折式粒度分布測定法によって測定した粒度分布において、体積累積が50%に相当する粒径を意味する。
上記のLSCF粉末100質量部、バインダーとしてのエチルセルロース3質量部、及び溶剤としてのα−テルピネオール30質量部を乳鉢に加え、乳鉢で混合した。その後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質:アルミナ)を用いて混練し、カソード用ペーストを得た。
上記のハーフセルのバリア層の上に、上記カソード用ペーストを1cm×1cmの正方形状にスクリーン印刷によって塗布し、90℃で1時間乾燥させ、カソード用グリーン層を形成した。このカソード用グリーン層を、1000℃で2時間焼成し、実施例1のSOFCを得た。
実施例1において、カソード側電解質層用グリーン層の焼成後の厚み及びアノード側電解質層用グリーン層の焼成後の厚みがともに約5μmとなるように、カソード側電解質層用グリーン層及びアノード側電解質層用グリーン層の印刷条件を変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2のSOFCを作製した。
実施例1において、アノード活性層用ペースト(8YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(8YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、実施例1と同様にして実施例3のSOFCを作製した。
実施例2において、アノード活性層用ペースト(8YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層の形成し、電解質層用ペースト(8YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、実施例2と同様にして実施例4のSOFCを作製した。
実施例3において、アノード側電解質層用グリーン層の焼成後の厚みが約1μm、カソード側電解質層用グリーン層の焼成後の厚みが約10μmになるように調整した以外は、実施例3と同様にして実施例5のSOFCを作製した。
実施例5において、上記のアノード活性層用ペースト(10YSZ)の作製において、酸化ニッケルと10モル%イットリア安定化ジルコニア(10YSZ)の粉末とをボールミルで混合/粉砕する処理を行い、その処理した混合粉を使用してアノード活性層用ペースト(10YSZ)を作製した以外は、実施例5と同様にして実施例6のSOFCを作製した。
実施例4において、アノード活性層用ペースト(10YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10ErSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層の形成し、電解質層用ペースト(10YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10ErSZ)を用いてアノード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、実施例4と同様にして実施例7のSOFCを作製した。
実施例4において、アノード活性層用ペースト(10YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YbSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層の形成し、電解質層用ペースト(10YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YbSZ)を用いてアノード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、実施例4と同様にして実施例8のSOFCを作製した。
実施例2において、アノード活性層用ペースト(8YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10Sc1CeSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)を使用して焼成後の厚みが約10μmとなるように単層の電解質層用グリーン層を形成した以外は、実施例2と同様に比較例1のSOFCを作製した。
比較例1において、アノード活性層用ペースト(10Sc1CeSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(8YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)の代わりに電解質層用ペースト(8YSZ)を用いて単層の電解質層用グリーン層を形成した以外は、比較例1と同様にして比較例2のSOFCを作製した。
比較例1において、アノード活性層用ペースト(10Sc1CeSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YSZ)を用いて単層の電解質層用グリーン層を形成した以外は、比較例1と同様にして比較例3のSOFCを作製した。
実施例1において、アノード活性層用グリーン層の上に、電解質層用ペースト(10Sc1CeSZ)を焼成後の厚さが約10μmとなるようにスクリーン印刷によってアノード側電解質層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(8YSZ)を焼成後の厚さが約2μmとなるようにスクリーン印刷によってカソード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較例4のSOFCを作製した。
比較例4において、アノード活性層用ペースト(8YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(8YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YSZ)を用いてカソード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、比較例4と同様にして比較例5のSOFCを作製した。
比較例1において、アノード活性層用ペースト(10Sc1CeSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(8YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成した以外は、比較例1と同様にして比較例6のSOFCを作製した。
比較例6において、アノード活性層用ペースト(8YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成した以外は、比較例6と同様にして比較例7のSOFCを作製した。
実施例2において、アノード活性層用ペースト(8YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10Sc1CeSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成した以外は、実施例2と同様にして比較例8のSOFCを作製した。
比較例8において、電解質層用ペースト(8YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YSZ)を用いてアノード側電解質層用グリーン層を形成した以外は、比較例8と同様にして比較例9のSOFCを作製した。
比較例3において、アノード活性層用ペースト(10YSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10ErSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(10YSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10ErSZ)を用いて単層の電解質層を形成した以外は、比較例3と同様にして比較例10のSOFCを作製した。
比較例10において、アノード活性層用ペースト(10ErSZ)の代わりにアノード活性層用ペースト(10YbSZ)を用いてアノード活性層用グリーン層を形成し、電解質層用ペースト(10ErSZ)の代わりに電解質層用ペースト(10YbSZ)を用いて単層の電解質層を形成した以外は、比較例10と同様にして比較例11のSOFCを作製した。
各実施例及び各比較例のSOFCの電池性能を以下の方法によって評価した。SOFCのアノードに窒素を100mL/分で、カソードに空気を100mL/分で供給しつつ、100℃/時間の速度で測定温度(750℃)までSOFCを昇温した。昇温後、アノード及びカソードの出口側で流量計を用いてガス流量を測定し、ガスの漏れが無いことを確認した。次に、水素を6mL/分、窒素を194mL/分の加湿した混合ガスをアノードへ、400mL/分の空気をカソードへ供給した。供給開始から10分以上経過後に、起電力が発生したこと及びガス漏れが無いことを再度確認した。次に、加湿水素を200mL/分の流量でアノードへ供給した。起電力が安定してから10分以上経過後に、電流−電圧特性による電池性能評価試験を実施した。測定された電流密度−電圧特性から、0.8Vにおける出力密度(W/cm2)を求めた。表1に、各実施例及び各比較例の電池性能評価試験の結果を示す。
実施例1〜5及び比較例1〜9のSOFCについて、上記の電池性能評価試験の後に、水素6mL/分、窒素を194mL/分の混合ガスをアノードへ供給してSOFCの降温を行うことによって、アノード活性層の導電成分が金属ニッケルの状態を常温において維持しているサンプルを得た。この各サンプルをガラスカッターによって切断し、断面観察用サンプルを作製した。この断面観察用サンプルの断面を、電界放出型走査電子顕微鏡(日本電子社製:JSM−7600F)を用いて撮影した。
実施例1〜6のSOFCに係る断面観察用サンプルについて、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて、断面観察用サンプルの電解質層/アノード活性層の境界面付近の断面観察を行い、倍率1万倍の拡大写真を撮影した。この撮影はカソードが形成されている部分の中央部分に対して行い、拡大写真を得た。得られた拡大写真を用いてアノード活性層中のニッケルの大きさを測定した。具体的には、電解質層/アノード活性層の境界面とその境界面からアノード活性層側に5μm離れた位置との間に存在する任意のニッケルの粒子100個について、Media Cybernetics社製の画像解析用ソフトImage-Pro(version 4.0.0.11)を用いて拡大写真中のニッケル粒子の周長を計測し、その周長と等しい円周を有する真円の直径を求めた。この直径をアノード活性層中のニッケルの粒子径とみなし、100個のニッケル粒子の粒子径の個数分布から、10%粒子径及び90%粒子径をそれぞれ求めた。結果を表2に示す。
1B SOFC
10 電解質層
10A カソード側電解質層
10B アノード側電解質層
20A アノード活性層
Claims (2)
- イットリア、イッテルビア、及びエルビアからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属酸化物によって安定化されたジルコニアと酸化ニッケルとを含むアノード活性層と、
スカンジア安定化ジルコニアを主成分として含むカソード側電解質層と、
前記アノード活性層と接するように前記カソード側電解質層と前記アノード活性層との間に位置し、イットリア、イッテルビア、及びエルビアからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属酸化物によって安定化されたジルコニアを主成分として含むアノード側電解質層と、を備え、
前記カソード側電解質層の厚みは、前記カソード側電解質層の厚み及び前記アノード側電解質層の厚みの和の30%以上である、固体酸化物形燃料電池ハーフセル。 - 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池ハーフセルと、
前記カソード側電解質層の前記アノード活性層と反対側に形成されたカソードと、を備える固体酸化物形燃料電池。
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