JP2018073359A - 警告表示システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、内水氾濫とは市街地に降った雨による水害のことであり、雨水の量が都市の処理能力を超えると内水氾濫が発生する。通常なら内水は下水道の雨水管やポンプ施設によって河川へと排水されるが、施設の能力が雨量に追い付かなかったり、外水の水位が上昇して排水できなかったりすると、内水の水はけが悪くなって建物や土地、道路などが水につかってしまう。とくに、最近はゲリラ豪雨のような局地的な豪雨が頻発し、内水氾濫による被害が増えている。
近年、集中豪雨の多発や都市化の進展に伴い、短時間に大量の雨水が流出し内水氾濫の被害リスクが増大している。
この従来のリアルタイム動的氾濫シミュレーションシステムでは、河川情報データベースと、氾濫原データベースと、流出解析手段と、河道水位予測手段と、破堤点流入量計算手段と、氾濫解析手段と、フィードバック補正手段と、シミュレーション表示手段と、地図情報、住所・ランドマーク情報、雨に関する河川情報及び洪水ハザードマップ関連情報を配信サーバより自動的に発信させるデータ配信手段とを組み合わせて、インターネット、パソコン通信、ネットワークが利用できるプラットフォームから自動的に配信するようにしている。
また、氾濫解析手段が、河道及び氾濫源に関するデータを河川情報データベース及び氾濫原データベースを用いてリアルタイムな氾濫予測を行うこと、および、破堤が起きる以前において内水による浸水区域を予測する浸水想定区域計算機能を有することによって、氾濫解析のシミュレーションを行える。
図1に示すハザードマップシステム1は、端末群10と情報提供部12と複数の閉域通信網14a,14b,・・・,14mとを備えており、各部の間は通信網で接続されている。すなわち、情報提供部12と端末群10とは不特定多数の利用者によって共有して利用される拠点間を結ぶ公衆通信網やインターネット通信網からなるなる通信網11で接続され、閉域通信網14a〜14mと情報提供部12とは、インターネット通信網や公衆通信網からなる広域通信網13で接続される。
閉域通信網14a〜14mは、ハザードマップシステム1が作成しようとするハザードマップの地域をm分割して、m分割した地域毎に設置されている。すなわち、作成しようとするハザードマップの全地域をカバーする閉域通信網14a〜14mが設置される。閉域通信網は、専用の通信回線を利用する通信網であり、データを途中で傍受されたり改ざんされるおそれを防止できる通信網である。
A子機20は図8に示すように、マイクロコントローラ21、センサー22、位置測位装置23、警告表示器24、閉域通信網通信I/F25とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置26を備えている。マイクロコントローラ21は、子機20の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ21は、センサー22で検出した水位のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、子機20が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、子機20の位置情報は、子機20における位置測位装置23がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した子機20の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置26から電源が投入された際には、子機20を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該子機20の位置情報に、当該子機20に割り当てられている一意の子機IDを付加して、閉域通信網通信I/F25から親機a1へ送信する。また、マイクロコントローラ21が、センサー22から取得した水位が規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ21は、そのセンサー情報と取得した時刻情報からなる水位情報に子機IDを付加して閉域通信網通信I/F25を介して所定時間毎に親機a1へ送信すると共に、規定水位を超えたと云う警告表示を警告表示器24を点灯させることにより行う。これにより、子機20を観察することで、当該子機の地点の水位が規定水位を超えたことが分かるようになる。警告表示器24は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置26は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
上記したA子機20およびB子機120が、第1の閉域通信網14a〜第mの閉域通信網14mにおける子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkとして選択的に用いられる。B子機120は、構成が簡略化されていることから安価に提供することができる。これらの子機は、各閉域通信網に割り当てられた区域内の地点に設置されているが、過去の水害情報や海抜高度を考慮して、浸水あるいは冠水が発生しやすい地点には、A子機20を重点的に設置するのが好ましい。なお、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」と一般的に云われているが、本明細書においては、「浸水」と「冠水」とを住宅などや田畑や道路などが水に浸ることを意味する同義語として扱い、以下の説明においては特に断らない限り「冠水」というものとする。
第1の親機30は図10に示すように、マイクロコントローラ31、広域通信網通信I/F32、閉域通信網通信I/F33とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置34を備えている。マイクロコントローラ31は、前述した図12に示す構成と同様とされ、CPU41、ROM42、RAM43、I/O44を備え、これらをバス45で接続して構成されているが、ROM42には親機30用の制御プログラムが記憶されている。マイクロコントローラ31では、ROM42に記憶されている親機30用の制御プログラムをCPU41が実行することにより、親機30の動作を統括制御している。すなわち、マイクロコントローラ31におけるCPU41は、閉域通信網通信I/F33を介して子機20から送信された子機ID付きの位置情報、子機ID付きの水位情報を受信してRAM43の領域に設定したテンポラリメモリに書き込む。そして、CPU41は、子機20から受信した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位情報を、広域通信網通信I/F32を介して情報提供部12へ送信する。なお、電源装置34は、商用電源を所定電圧の直流電圧に降圧する電源装置とされている。また、電源装置34は、商用電源に替えて使用電力容量に合わせた大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成するようにしてもよい。
さらに、受信した水位情報における水位が規定水位を上回っている場合は、第1の親機30は、自機に属しているB子機120に水位に応じた警告情報を送信する。これにより、B子機120において警告情報に応じた警告表示を行うことができる。
第2の親機130は、閉域通信網通信I/F33を介して子機20から送信された子機ID付きの水位情報を受信した際に、RAM43の領域に設定したテンポラリメモリに書き込む。この時に、受信した水位情報における水位が規定水位を上回っている場合は、オープンネットワーク通信I/F35を介して冠水したことの警告を特定のエリア内において配信する。この警告は、特定のエリアに存在するオープンネットワークに接続された端末装置において受信され、その端末装置のユーザが冠水地域に進入することを防止することができる。
また、第1の親機30と同様に親機a1〜親機m1の閉域通信網に属する子機にB子機120が含まれている場合は、その閉域通信網の親機としては第2の親機130が採用される。
図13(a)に示す構成の情報提供部12では、親機a1〜親機m1から広域通信網13を介して送られてきたデータが広域通信網通信I/F12dを介して受信されて、データ処理サーバー12bに渡される。データ処理サーバー12bは、受信したデータが子機ID付きの位置情報であった場合は、その位置情報を子機IDと関連付けてデータベース部12cのセンサー座標DB(DB:データベース)51に書き込む。この位置情報は、地図上の座標を示している。また、子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)の場合は、現在時刻と共に子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)を子機IDおよび取得時刻と関連付けてデータベース部12cのセンサー情報DB52に書き込む。これにより、親機a1〜親機m1から送出された子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkで検出された水位情報(センサー情報+時刻情報)が、子機IDと関連付けられてセンサー情報DB52に時々刻々と書き込まれていくようになる。
情報配信サーバー12a内に設けられているデータ処理装置50は、閲覧要求を情報配信サーバー12aが受け付けた際に、閲覧要求された地点を含む所定のエリアのリアルタイムの本発明にかかるハザードマップを作成する。このハザードマップは、例えば第1レイヤーの表示情報と、第1にレイヤーに重ねられる第2レイヤーの表示情報とから構成される。第1レイヤーの表示情報として、所定のエリアの地図情報が地図情報DB54から読み出されて設定され、第2レイヤーの表示情報として、少なくとも、子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkで検出された水位情報の水位を示すアイコンが、水位情報を取得した地点の座標に配置されている表示情報が設定される。この第2レイヤーの表示情報に、避難所やアンダーパスの地点の座標に配置されている避難所やアンダーパスのアイコン、冠水した地点の座標に配置されている冠水したことを示すアイコンを含ませることができる。
以下の説明においては、子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkを総称して示すとき、あるいは、いずれかを示すときには子機20として説明するものとする。また、同様に、親機a1〜親機m1を総称して示すとき、あるいは、いずれかを示すときには親機30として説明するものとする。
また、データ処理装置50は、閲覧要求された現在の時刻のリアルタイムのハザードマップを含む、直近の過去から現在の時刻までのいくつかのハザードマップが作成されており、閲覧者は、閲覧者がいる位置情報あるいは閲覧者が指定した位置情報に応じたエリアの時々刻々と推移するリアルタイムのハザードマップを閲覧できる。
上記したように、水位を示すアイコンは、エリアA内に設置された子機20の内の規定水位を超えた有意な水位を検出した子機20が設置された地点の座標位置に表示されている。そして、規定水位を超えた水位を検出した子機20においては、規定水位を超えたことを警告する警告表示を警告表示器24を点灯させることにより行われる。すなわち、図2に示すアイコンに対応する地点に設置された子機20において警告表示が行われ、エリアAにいるユーザはこの警告表示を見ることで冠水状態を知ることができる。なお、警告表示では冠水した水位を概略的に表す発光パターンで行うことができるが、その詳細は後述する。
図3に示すように、エリアAを管轄する親機130がエリアAの中央のブロックA−5に設置されており、8台のA子機20−1〜20−8が区域aを取り囲むように設置されている。これは、区域aが冠水が予見される区域であることから、区域aの周囲に水位を検出するセンサー22を備えたA子機20−1〜20−8が重点的に設置される。すなわち、ブロックA−6にA子機20−2が、ブロックA−8にA子機20−6が、ブロックA−9にA子機20−4が、ブロックA−5とブロックA−6との間の道路にA子機20−1が、ブロックA−5とブロックA−8との間の道路にA子機20−7が、ブロックA−6とブロックA−9との間の道路にA子機20−3が、ブロックA−8とブロックA−9との間の道路にA子機20−5が、ブロックA−5,A−6,A−8,A−9の中央の道路にA子機20−8が設置されている。
なお、親機130として、後述するA子機20の機能を有する端末装置300を適用すれば、端末装置300を適用した親機130においても水位が規定水位を超えた際に、警告表示を行うことができる。
なお、図5における特定エリアPは、親機として第2の親機130を用いた場合の警告を配信する地域であり、特定エリアPに進入した人や車両に対してオープンネットワークを通じて冠水したことの警告が第2の親機130から配信される。この場合、特定エリアPに進入した人や車両が有する端末装置がオープンネットワークに対応していることを前提としており、特定エリアPに人や車両が進入すると、これらの人や車両が有する端末装置は自動的にオープンネットワークに接続されて、第2の親機130から配信される警告を受信可能となる。第2の親機130から配信される警告を受信した際には、特定エリアPから退去したり、それ以上の進入をしないようになる。
図6ではブロックA−1,A−2,A−4,A−5だけを示しており、その中央のD地点がユーザの現在地Dとされている。ユーザは、自らの端末である携帯電話10aから情報提供部12にハザードマップの閲覧要求を行っており、閲覧要求された現在地Dを含むエリアAの図4に示すハザードマップが情報提供部12から携帯電話10aに配信されている。ユーザの携帯電話10aには配信された図4に示すハザードマップが表示されているものとする。ユーザが現在値Dから周りを見渡すと、ブロックA−1とブロックA−2との間の道路に設置された2台の視線誘導標20−1,20−2と、ブロックA−2とブロックA−5との間の道路に設置された3台の視線誘導標20−3,20−4,20−5の警告表示部で警告表示されていることを視認することができる。視線誘導標20−1〜20−9の警告表示部における警告表示の態様を図7に示す。
なお、現在地Dにいるユーザが閲覧しているハザードマップは、視線誘導標20−1〜20−9に一体化された端末装置の内のセンサー22を備える端末装置で検出した水位のセンサー情報に基づいて作成されている。
なお、子機処理(A)はA子機20の電源装置26がオンされている限り実行されており、電源装置26がオフされた際に子機処理(A)は終了する。
なお、子機処理(B)はB子機120の電源装置26がオンされている限り実行されており、電源装置26がオフされた際に子機処理(B)は終了する。
図18に示すDB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS40でCPU71は、親機30(親機130)からデータを受信する。受信できない場合は、受信できるまで待機する。受信するデータは、IDを付加したA子機20の位置情報、あるいは、A子機20が取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報である。次いで、ステップS41でCPU71は、受信したデータが、IDを付加したA子機20の位置情報の場合は、I/O74を介してセンサー座標DB51にそのIDに関連つけて位置情報をき込み、A子機20が取得したセンサー情報の場合は、I/O74を介してセンサー情報DB52に取得時刻と水位情報を取得したA子機20のIDに関連して書き込む。ステップS41の処理が終了するとステップS40にリターンして、ステップS40,S41の処理が繰り返し実行される。DB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源がオフされた際に終了する。
メッセージ配信処理が起動されるとステップS50で、CPU61は前回配信した時から所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する。ここで、所定時間経過していないとCPU61が判断した場合(NO)は所定時間経過するまでステップS50で待機される。ステップS50で所定時間経過したとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS51に進み警告メッセージあるいは警告解除メッセージをCPU61が作成する。この場合、センサー情報DB51からA子機20が検出した最新の時刻の水位情報を読み出して、冠水の危険が迫っているエリアがあるとCPU61が判断した場合に警告メッセージが作成され、冠水の危険が去ったエリアがあるとCPU61が判断した場合に警告解除メッセージが作成される。次いで、ステップS52でCPU61は、危険が迫っているエリアである警告領域が登録者情報DB55に登録されている登録者を抽出する。そして、ステップS53でCPU61は、作成したメッセージは配信済みか否かを判断する。ここで、配信済みでないとCPU61が判断した場合(NO)は、ステップS54に分岐してステップS52で抽出した登録者に作成したメッセージを配信する。また、配信済みとCPU61が判断した場合(YES)と、ステップS54の処理が終了した場合は、ステップS50にリターンしてステップS50ないしステップS54の処理が繰り返し実行される。このように、所定時間、例えば1分毎に警告/警告解除メッセージが作成されて、その領域にいる登録者にメッセージが配信されることから、登録者は遅滞なく危険が迫っている/危険が去ったことを理解することができる。
メッセージ配信処理が起動されるとステップS60でCPU61は、センサー情報DB51からA子機20が検出した同じ時刻とされる水位情報を読み出して、警告あるいは警告解除に相当する程度だけ、取得したA子機20のセンサー情報の水位が変化したか否かを判断する。ここで、水位が変化していないとCPU61が判断した場合(NO)は、水位が変化するまでステップS60で待機される。また、ステップS60で水位が変化したとCPU61が判断した場合(YES)はステップS61に進み、警告メッセージあるいは警告解除メッセージをCPU61が作成する。この場合、冠水の危険が迫っている程度の水位が変化したとCPU61が判断した場合に警告メッセージが作成され、冠水の危険が去った程度の水位が変化したとCPU61が判断した場合に警告解除メッセージが作成される。次いで、ステップS62でCPU61は、危険が迫っているエリアとされる警告領域内の携帯電話基地局を指定する。そして、ステップS63でCPU61は、作成したメッセージは配信済みか否かを判断する。ここで、配信済みでないとCPU61が判断した場合(NO)は、ステップS64に分岐してステップS62で指定した携帯電話基地局から作成したメッセージを登録者情報DB55に登録されている登録者に配信する。また、配信済みとCPU61が判断した場合(YES)と、ステップS64の処理が終了した場合は、ステップS60にリターンしてステップS60ないしステップS64の処理が繰り返し実行される。このように、冠水の危険が迫っている程度の水位が変化した際に警告メッセージが作成されて、その領域にいる登録者に警告メッセージが配信されることから、登録者は遅滞なく危険が迫っていることを理解することができる。
閲覧要求処理が起動されるとステップS70で、CPU61はハザードマップの閲覧要求があったか否かを判断する。ここで、閲覧要求がないとCPU61が判断した場合(NO)は、閲覧要求があるまでステップS70で待機される。閲覧者が自身の携帯電話10aあるいはPC10bから閲覧要求を行い、ステップS70で閲覧要求があったとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS71に進みハザードマップをCPU61が作成する。次いで、ステップS72でCPU61は、作成したハザードマップを閲覧要求した閲覧者に配信する。ステップS72の処理が終了するとステップS70にリターンして、ステップS70ないしステップS72の処理が繰り返し実行されることから、閲覧要求がある毎にハザードマップが作成されて、閲覧要求した閲覧者に配信されるようになる。閲覧要求処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた際に終了する。
閲覧要求処理のステップS71の処理が開始されると、ハザードマップを作成処理が開始され、ステップS80で、閲覧者のいる地点、あるいは、閲覧者が指定した地点の座標と閲覧要求の現在の時刻とをCPU71が検出する。そして、ステップS81でCPU71は、検出した座標の地点を含む所定範囲のエリアを設定し、当該エリアの地図を地図情報DB54から取得して該地図をハザードマップの第1レイヤーの表示情報として設定する。次いで、ステップS82でCPU71は、センサー情報DB52から、設定したエリアの各A子機20の取得時刻が同時刻の水位情報を取得する。この場合、センサー情報DB52から読み出される同時刻の水位情報は、閲覧要求された現在の時刻と、その時刻より過去の直近のいくつかの過去の時刻との水位情報とされ、読み出された水位情報は時刻毎にまとめられる。そして、ステップS83でCPU71は、センサー座標DB51から、設定したエリアの各A子機20の座標を取得し、各A子機20の座標位置に、取得した時刻毎にまとめられた各A子機20の水位を表すアイコンを配置し、時刻毎の第2レイヤーの表示情報として設定する。この場合、例えば、現在の時刻が10:03の場合は、時刻が10:00,10:01,10:02,10:03の時刻毎の第2レイヤーの表示情報が設定される。次いで、ステップS84でCPU71は、避難情報DB53から、設定したエリアの避難所、アンダーパスの座標を取得し、各座標位置に避難所、アンダーパスのアイコンを配置し、第2レイヤーの表示情報として設定する。次に、ステップS85でCPU71は、取得した時刻毎にまとめられた各A子機20の水位に応じて冠水している領域を割り出し、該領域にある道路やアンダーパスに冠水注意のアイコンを配置して、時刻毎の第2レイヤーの表示情報として設定する。この場合、CPU71が、取得した各A子機20の水位に応じて冠水した領域を割り出し、割り出した冠水領域に避難所がある場合には、避難所のアイコンの表示態様を点滅あるいは点灯表示もしくは色調を変更する。さらに、ステップS86でCPU71は、第1レイヤーの表示情報に、第2レイヤーの表示情報および時刻毎の第2レイヤーの表示情報を重ねた画像データを時刻毎に分けて作成し、設定したエリアの時刻毎のハザードマップを作成する。ステップS86の処理が終了すると、ハザードマップ作成処理は終了し、閲覧請求処理のステップS72にリターンする。
図23に示す端末装置300は、マイクロコントローラ301、センサー302、位置測位装置303、警告表示器304、閉域通信網通信I/F305、広域通信網通信I/F306とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置308を備えている。端末装置300を第2の親機130として用いる場合は、さらに、破線で示すブロックのオープンネットワーク通信I/F307を備えさせる。マイクロコントローラ301は、端末装置300の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ301は、マイクロコントローラ301に記憶されている端末装置300用の制御プログラムを実行することにより、A子機20の機能を備える端末装置300として動作する。すなわち、センサー302で検出した水位のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、端末装置300が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、端末装置300の位置情報は、位置測位装置303がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した端末装置300の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置308から電源が投入された際には、端末装置300を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該端末装置300の位置情報に、当該端末装置300に割り当てられている一意の子機IDを付加する。また、マイクロコントローラ301が、センサー302から取得した水位が規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ301は、そのセンサー情報と取得した時刻情報からなる水位情報に子機IDを付加してテンポラリメモリに書き込む。そして、規定水位を超えたことを報知する警告表示器304を点灯させる。さらに、マイクロコントローラ301は、閉域通信網通信I/F305を介して子機120から送信された子機ID付きの位置情報、子機ID付きの水位情報を受信してテンポラリメモリに書き込む。そして、マイクロコントローラ301は、A子機20から受信した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位情報と、端末装置300が取得した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位情報とを、広域通信網通信I/F306を介して情報提供部12へ送信する。
また、端末装置300が第2の親機130として用いられる場合は、端末装置300は、閉域通信網通信I/F305介してA子機20から送信された子機ID付きの水位情報を受信した際に、テンポラリメモリに書き込む。この時に、受信した水位情報における水位が規定水位を上回っている場合は、オープンネットワーク通信I/F307を介して冠水したことの警告を特定のエリアP内に配信する。この警告は、特定のエリアPに存在するオープンネットワークに接続された端末装置において受信され、その端末装置のユーザが冠水地域に進入することを防止することができる。さらに、受信した水位情報における水位が規定水位を上回っている場合は、端末装置300に属しているB子機120に水位に応じた警告情報を送信する。これにより、B子機120において警告情報に応じた警告表示を行うことができる。
視線誘導標201は、路側や道路に設置される道路付属物であるが、設置する理由は次の通りである。自動車のドライバーは、区画線や防護柵などを走行する際の目印として運転をしているが、夜間や霧、降雨、降雪時にはその視認性が著しく低下することが知られている。そこで、視線誘導標により、視程不良時にも自動車のヘッドライトを反射し、路側や道路線形の視認性を高め、ドライバーの視線を正しく誘導するようにしている。
また、図24(b)に示す視線誘導標202は、端末装置300が一体化されており、円筒状の縦に細長いポール部202aと、ポール部202aの下端に固着された円形や矩形の板状の基部202bとから構成されている。路側や道路に基部202bが固定されることにより、視線誘導標202が設置される。ポール部202aの外周面の上部に3段のリング状発光部からなる警告表示部220が設けられている。警告表示部220では、3段のリング状発光部で矢印の図形を表示させる発光が行われ、その矢印の方向で冠水している方向が報知される。
さらに、図24(d)に示す視線誘導標204は、端末装置300が一体化されており、円筒状の縦に細長いポール部204aと、ポール部204aの下端に固着された円形や矩形の板状の基部204bとから構成されている。路側や道路に基部204bが固定されることにより、視線誘導標204が設置される。ポール部204aの外周面の上部に円筒状の発光部からなる警告表示部240が設けられている。警告表示部240では、円筒状の発光部に「浸水」や「冠水」の文字を表示する発光を行うことにより、規定水位を超えた冠水状態となったことを報知する。
これらの図に示すように、本発明にかかる警告表示システムが備える視線誘導標100は、円筒状の縦に細長い樹脂製の円筒状ケース110と、円筒状ケース110の下端に装着される樹脂製あるいは金属製の基部113とから構成され、円筒状ケース110と基部113からなるケース内に後述する端末装置001と一体化されている。視線誘導標100は、道路付属物とされる視線誘導標として機能し、基部113は、接着やボルトによって道路等に固定することができる。また、基部113の内部に水や砂をつめて設置することもでき、この場合は、視線誘導標100を道路上等に置くだけでA子機20として利用することができる。また、第1の親機30(第2の親機130)としても利用することができる。これにより、視線誘導標100は必要な時だけ(例えば、大雨警報時)設置して、その後は撤去する等柔軟に対応できるようになる。視線誘導標100の縦方向の長さL1は約300mm〜1200mmとされ、基部113の外径R1は約200mmとされる。
さらに図27に示すように、基部113の底面に嵌め込まれる厚さの薄い円盤状の基部底板113bの上面には、マイクロコントローラー118a、位置測位装置118b、広域通信網通信I/F118c、閉域通信網通信I/F118d、二次電池118eからなる回路部118が接着やネジ止め等で固定されている。回路部118の各部間はバスで接続されている。なお、広域通信網用アンテナ部115aと広域通信網通信I/F118cとが通線117aで接続され、閉域通信網用アンテナ部115bと閉域通信網通信I/F118dとが通線117bで接続され、GPSアンテナ112と位置測位装置118bとが通線で接続されている。なお、広域通信網通信I/F118cは、インターネット通信や公衆通信に対応しており、閉域通信網通信I/F118dは、無線LANなどのワイヤレスの閉域通信網に対応している。
また、設置環境に合わせるよう太陽光パネル111に替えて振動発電機等を適宜選択することができる。また、開口部110aを設けることに替えて、円筒状ケース110を光が透過するようにしてもよい。なお、太陽光パネル111、GPSアンテナ112と位置測位装置118b、アンテナ部115と閉域通信網通信I/F118dおよび広域通信網通信I/F118c、マイクロコントローラー118aと二次電池118e、警告表示部114からなる端末装置001は視線誘導標100の機能を阻害しないように、視線誘導標100に内蔵される構造となっている。視線誘導標100は自立可能とされ、閉域通信網をワイヤレスとすると、外部電源が確保できない道路以外の地面などに直接おいて設置可能となり、公園や避難所、広場、田んぼの中や畦、住宅の庭、河川敷内などの地面にも設置可能となる。
本発明の実施例にかかる警告表示システムを備えるハザードマップシステムでは、閲覧要求があった際にハザードマップを作成して、閲覧要求した閲覧者に配信していたが、子機が検出した水位情報を情報提供部が取得した際に、ハザードマップの表示情報を作成して避難情報DBに格納し、閲覧者からの閲覧要求があった際に、情報配信サーバーが閲覧者がいる位置情報あるいは閲覧者が指定した位置情報に対応するエリアの地図を地図情報DBから読み出すと共に、避難情報DBから閲覧者がいる位置情報あるいは閲覧者が指定した位置情報に対応するエリアの表示情報を読み出してハザードマップを作成して閲覧者に配信するようにしても良い。
また、以上説明した本発明の実施例にかかる警告表示システムの位置測位装置を備える子機においては、GPSに限らず、設置された位置の座標を位置測位装置が、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを使用して測位するようにしてもよい。
さらに、水位を示すアイコンは第2レイヤーの表示情報とされており、形状が円筒状とされて、円筒状のアイコンの高さで水位を示しているが、アイコンの図形は水位を示す図形であればどのような図形でもよい。また、冠水した道路および冠水地点に隣接する道路が冠水により通行が危険となるおそれがある場合は、冠水した道路および冠水地点に隣接する道路に重なるアイコンを表示して、そのアイコンの表示色や図形などにより冠水により通行が危険であることを表示しても良い。
Claims (5)
- 水位センサーと警告表示部とを少なくとも有し、ハザードマップを作成する所定の地点に設置され、設置された地点の座標情報を送出すると共に、前記水位センサーで検出した水位が有意な水位となった時に、取得された水位と取得された時刻とを含む水位情報を送出すると共に、前記警告表示部において取得された水位に応じた警告表示を行う複数の子機と、
前記水位情報を受け取って前記座標情報に対応するマップの位置に、前記取得された水位を示すアイコンが表示されるハザードマップを作成し、該ハザードマップをウェブ上において閲覧可能とするハザードマップ作成部とを備え、
閲覧した前記ハザードマップに表示された前記アイコンが示す冠水情報に連動する警告表示が、該アイコンの座標位置に設置された前記子機の前記警告表示部において行われることを特徴とする警告表示システム。 - さらに、警告情報を受信可能な通信部と、該通信部で受信された警告情報に応じた警告表示を行う第2の警告表示部とを備え、所定の地点に設置される第2の子機と、
所定の地域内に設置された複数の前記子機および前記第2の子機とが属する親機とを備え、
該親機は、該親機に属する複数の前記子機から送出された前記座標情報および前記水位情報を受信して、前記ハザードマップ作成部に送信し、受信した前記水位情報に応じた警告情報を前記第2の子機に送信し、
前記第2の子機は、前記親機から送信された警告情報を前記通信部で受信し、受信された前記警告情報に応じた警告表示を前記第2の警告表示部において行うことを特徴とする請求項1に記載の警告表示システム。 - 水位センサーと警告表示部とを少なくとも有し、海抜が低い区域や従来から冠水が発生している冠水が予見される区域に重点的に設置され、設置された地点の座標情報を送出すると共に、前記水位センサーで検出した水位が有意な水位となった時に、取得された水位と取得された時刻とを含む水位情報を送出すると共に、前記警告表示部において取得された水位に応じた警告表示を行う複数の第1の子機と、
警告情報を受信可能な通信部と、該通信部で受信された警告情報に応じた警告表示を行う第2の警告表示部とを備え、所定の地点に設置される第2の子機と、
所定の地域内に設置された複数の前記第1の子機および前記第2の子機とが属する親機とを備え、
前記親機は、該親機に属する複数の前記第1の子機から送出された前記座標情報および前記水位情報を受信して、受信した前記水位情報に応じた警告情報を前記第2の子機に送信し、
前記第2の子機は、前記親機から送信された警告情報を前記通信部で受信し、受信された前記警告情報に応じた警告表示を前記第2の警告表示部において行うことを特徴とする警告表示システム。 - 前記親機は、受信した前記座標情報および前記水位情報を、ハザードマップ作成部に送出し、
前記ハザードマップ作成部は、前記水位情報を受け取って前記座標情報に対応するマップの位置に、前記取得された水位を示すアイコンが表示されるハザードマップを作成し、該ハザードマップをウェブ上において閲覧可能とすることを特徴とする請求項4に記載の警告表示システム。 - 前記親機は、オープンネットワークを介して前記警告情報を所定の特定のエリア内に配信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の警告表示システム。
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