JP2018072318A - 超音波移動体検出装置、超音波移動体検出方法及び超音波移動体検出プログラム - Google Patents

超音波移動体検出装置、超音波移動体検出方法及び超音波移動体検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】反射波が小さいか、又は、他に物体が存在するような環境であっても、移動体からの反射波を認識して、移動体検出を可能にする超音波移動体検出装置を提供する。【解決手段】超音波移動体検出装置1は、特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信する送信部15と、超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調する受信部21、25と、復調した受信信号と特定の符号との相関値を算出する相関値算出部31と、特定の符号の1周期分に相当する相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出する差分算出部33と、差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定する移動体検出部34とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は超音波移動体検出装置、超音波移動体検出方法及び超音波移動体検出プログラムに関する。
超音波は電波や光よりも伝播速度が遅く、このため、超音波センサは、比較的に高精度の距離測定を安価に実現でき、自動車のバックソナーや人検出センサなどの幅広い分野での利用が見込まれている。
一般に、超音波センサは、キャリア周波数、たとえば40kHzで変調した幅の狭い一発のパルスを送信信号(送信波)として出力し、この送信波が物体に反射して戻ってくる反射波を検出し、送信してから検出するまでの時間を測定して超音波センサから当該物体までの距離を測定する。これは、ToF(Time of Flight)方式と呼ばれている。
このような超音波センサでは、反射波の強度が極めて小さくなるような状況、例えば、物体までの距離が長く、超音波の減衰が大きい場合や、物体表面での超音波の反射率が小さい場合などには、反射波がノイズに埋もれてしまい、測定が不可能になるといった問題がある。
この問題を解決するために、送信信号としてある特定の符号系列信号を用い、物体からの反射波(反射信号)と、送信した符号系列信号との間の相関を算出することにより、符号化利得で雑音の影響を軽減しつつ、反射信号の遅延時間(位相差)を測定することができる超音波センサがある(例えば、特許文献1参照)。
特に、符号系列信号としてよく知られる疑似雑音符号(PN符号、Pseudo Noise符号)を用いた場合に、大きなピークが得られるPN符号の優れた自己相関特性を利用し、算出した相関値(相関信号)のピークの時間的位置から、物体までの距離を正確に知ることができる。
特開2002−055158号公報
上記従来の超音波センサを、人検出センサとして利用した場合に、次のような問題がある。
1)衣類を着用した人の超音波反射率は一般に極めて小さく(数%以下)、かつ、衣類の種類、部屋の状態、人までの距離など状況によっても反射率が大きく変動するため、PN相関方式を用いても相関信号のピークが雑音に埋もれて測定が難しい。
2)室内環境では、家具や壁などの様々な反射物(物体)が存在し、人からの反射波を特定することが難しい。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、反射波が小さいか、又は、他に物体が存在するような環境であっても、移動体、例えば、人からの反射波を認識して、移動体検出を可能にする超音波移動体検出装置、超音波移動体検出方法及び超音波移動体検出プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る超音波移動体検出装置は、特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信する送信部と、超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調する受信部と、復調した受信信号と特定の符号との相関値を算出する相関値算出部と、特定の符号の1周期分に相当する相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出する差分算出部と、差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定する移動体検出部とを備えるものである。
また、本発明に係る超音波移動体検出方法は、特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信するステップと、超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調するステップと、復調した受信信号と特定の符号との相関値を算出するステップと、特定の符号の1周期分に相当する相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出するステップと、差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定するステップとを有するものである。
また、本発明に係る超音波移動体検出プログラムは、コンピュータに、特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信する手順と、超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調する手順と、復調した受信信号と特定の符号との相関値を算出する手順と、特定の符号の1周期分に相当する相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出する手順と、差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定する手順とを実行させるためのものである。
本発明により、反射波が小さいか、又は、他に物体が存在するような環境であっても、移動体からの反射波を認識して、移動体を検出する超音波移動体検出装置、超音波移動体検出方法及び超音波移動体検出プログラムを提供することができる。
実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1の各信号の例を示す図である。 実施の形態1に係る相関値算出結果の例を示す図である。 実施の形態1に係るフレーム間差分算出結果の例を示す図である。 実施の形態1に係る移動体検出部34の判定結果の例を示す図である。 実施の形態1に係るフレーム間差分の平均値による移動体検出の例を示す図である。 実施の形態1に係るフレーム間差分値を用いた移動体までの距離推定の例を示す図である。 実施の形態1に係る移動体検出しきい値の自動設定の例を示す図である。 実施の形態2に係る超音波移動体検出装置101の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る区間及び区間毎のフレーム間差分の例を示す図である。 実施の形態3に係る超音波移動体検出装置201の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る移動体距離の算出方法を説明するための図である。 実施の形態4に係るフレーム間差分Xi及び分散Uの例を示す図である。 実施の形態5に係るフレーム間差分Xi及び環境フレーム差分Eの例を示す図である。 実施の形態6に係る超音波移動体検出装置301の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態6に係る相関出力の例を示す図である。 実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401の各信号を説明するための図である。 実施の形態8に係る送信波と、直接波及び反射波との関係を説明するための図である。 実施の形態8に係る送信波と、直接波及び反射波との関係を説明するための別の図である。 実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1の動作例を説明するための図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置について説明する。
本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置は、送信信号としてある特定の符号系列信号を用い、物体からの反射信号と、符号系列信号との間の相関を算出するときに、符号系列信号1周期分の相関結果を1フレームとして、時間的に連続する2フレーム間の差分値(例えば、2乗誤差)を算出し、この差分値が所定のしきい値を超えたときに、移動体を検出したと判定するもので、従来の検出装置と比べて、雑音の影響を軽減して、高感度な移動体検出を可能にする。
なお、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置は、移動体として、例えば、人を検出する。
図1は、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1の各信号の例を示す図である。図2は、上から順番に、PN符号A、送信信号B、受信信号C、復調受信信号Dを示している。
超音波移動体検出装置1は、PN符号発生部11、キャリア信号発生部(Carrier)12、混合部(ミキサ)13、ドライバ回路(Driver)14、超音波送信部15、超音波受信部21、増幅部(Amp)22、ローパスフィルタ(LPF)23、ADコンバータ(ADC)24、AM検波部25、相関値算出部31、差分算出部33、移動体検出部34などを備えている。
なお、送信側のPN符号発生部11、キャリア信号発生部12、混合部13、受信側のADコンバータ24、AM検波部25、相関値算出部31、差分算出部33、移動体検出部34などは、デジタル部6として1つのMPUを用いて構成することができる。また、デジタル部6以外の一部の構成はアナログ部を構成することができる。
PN符号発生部11は、定められたパターン及び周期を有するPN符号A(図2参照)を定められた周波数で発生する。すなわち、PN符号発生部11は、例えば、生成多項式X+X+1で生成される周期127ビットのM系列符号、つまり、パターンの要素「0」「1」の数が127であるM系列符号を、定められた周波数が1kHzであったならば、1ms単位で「0」又は「1」の値をとるように、1周期が127msのPN符号Aとして発生する。そして、PN符号発生部11は、PN符号Aを混合部13と相関値算出部31とに出力する。
キャリア信号発生部12は、超音波に相当する周波数(例えば、40kHz)のキャリア信号を発生し、混合部13に出力する。
混合部13は、キャリア信号をPN符号AによりAM(Amplitude Modulation)変調、すなわち、オン/オフ変調し、生成した変調信号(送信信号)B(図2参照)をドライバ回路14に出力する。
ドライバ回路14は、変調信号Bを必要な電圧に増幅して、超音波送信部15に出力する。
超音波送信部15は、増幅された変調信号Bを超音波信号(送信波)に変換して空間に放出する。
一方、超音波受信部21は、人などの物体で反射された超音波信号(反射波)を電気信号に変換して、増幅部22に出力する。なお、超音波送信部15、超音波受信部21は、定められたキャリア周波数(ここでは40kHz)に合わせて設計されているため、不要な周波数の音波を減衰させるバンドパスフィルタとしての役割も果たす。
増幅部22は、電気信号に変換された反射波を増幅して受信信号C(図2参照)とし、ADコンバータ24に出力する。受信信号Cはバンドパスフィルタ効果により帯域が制限され、送信信号Bに比べてなめらかな波形になっている。
ADコンバータ24は、受信信号Cをデジタル信号に変換して、AM検波部25に出力する。ADコンバータ24のサンプリング周波数は、サンプリング定理を考慮して、超音波信号のキャリア周波数の2倍以上、例えば、100kHzとする。なお、通常はADコンバータ24の前段にローパスフィルタ23が設置され、アンチエイリアスフィルタとして機能する。
AM検波部25は、デジタル化された受信信号Cを、その絶対値をとってフィルタを通すことで、すなわち、受信信号Cの包絡線をとることでAM復調し、復調受信信号D(図2参照)として相関値算出部31に出力する。なお、図2に示す復調受信信号Dの波形は、物体が近距離にあって強い反射波を受信した場合のものであり、ほとんど雑音が見られないが、実際の復調受信信号Dの多くは雑音に埋もれ、そのままでは反射波として判別できないことが多い。
相関値算出部31は、復調受信信号Dと、送信時に用いたPN符号Aとの相関演算を行い、相関値(相関信号)を逐次算出する。すなわち、相関値算出部31は、AM検波部25から出力された復調受信信号Dのサンプル毎に、例えば、ADコンバータ24のサンプリング周波数が100kHzであったときには0.01ms毎に、復調受信信号Dの過去1周期(127ms)分の信号と、PN符号Aの1周期分の信号との相関値を算出する。そして、相関値算出部31は、算出した相関値を、差分算出部33に出力する。
このとき、相関値算出部31は、サンプル番号i、AM検波後の信号サンプル列r(i)、これと同じサンプリング周波数で発生させたPN符号(送信側と同じPN符号)PN(p)、PN符号の周期(サンプル周期)NPNに基づいて、次の式(1)により、相関信号Corr(i)を算出する。
また、相関値を算出するときのサンプリング周波数は、ADコンバータ24のサンプリング周波数よりも小さくすることもでき、時間分解能を考慮しつつ、1〜100kHzの範囲とすることが可能である。例えば、相関値算出部31は、相関値を算出するときのサンプリング周波数を10kHzとしたときは、0.1ms毎に、信号サンプル列r(i)の1270サンプルと、PN符号PN(i)の1270サンプルとの積和演算を行って、相関値Corr(i)を算出する。
図3は、本実施の形態1に係る相関値算出結果(相関信号)の例を示す図である。横軸はPN符号1周期分の時間(TPN)におけるサンプル番号(サンプル数はNPN)を示し、縦軸は相関値Corr(i)を示す。本明細書では、このPN符号の1周期分の相関結果を「フレーム」という。図3に示す例では、1kHzで127ビットの周期を有するPN符号なので、1フレームは127ms分(相関値算出のサンプリング周波数を100kHzとしたときは、0.01ms毎の積和演算の12700回分)の相関結果になる。また、図3に示す例では、相関信号はサンプル番号が小さいとき、すなわち、遅延時間が少ないときにそのピークを示し、当該サンプル番号で復調受信信号DとPN符号Aとが良く相関していることを示している。
ここで、もしも超音波を反射するものが不動の物体のみであるならば、超音波の反射状況は不変となり、相関値算出結果は、どのフレームも同じ値(形状)を繰り返す。逆に、人のような移動体が存在すると、相関値算出結果は、フレーム毎に変動する。
そこで、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、時間的に連続する2フレームについて、それらを比較するために、相関値の差分を算出し、差分(値)の大きさに基づいて移動体を検出できるようにする。
具体的には、差分算出部33は、式(2)のように、2乗誤差を用いてフレーム間差分FrameDifference(i)を算出し、移動体検出部34に出力する。
図4は、本実施の形態1に係るフレーム間差分算出結果の例を示す図である。横軸は観測時間(0〜10s)を示し、縦軸はフレーム間差分値FrameDifference(i)を示す。この例では、フレーム間差分値は、観測開始直後から上昇し約1秒後にピークとなった後、ゆるやかに低下している。
なお、差分算出部33は、フレーム間差分FrameDifference(i)を1フレーム毎に、すなわち、127ms毎に算出しても良いし、それ以外のタイミング、例えば、1/2フレーム(63.5ms)毎や、2フレーム(254ms)毎に算出しても良い。ただし、差分値は、できればフレームを単位とするデータを用いて算出することが好ましい。
また、差分算出部33は、フレーム間差分の算出式として、上記の式(2)に代えて、2フレーム間の相関値の差を定量化するような他の算出式を用いても良い。例えば、式(2)の平方根を計算するRMS(Root Mean Square: 2乗平均平方根)を用いても良い。
また、差分算出部33は、次の式(3)に示すような各サンプルの差の絶対値を加算する算出式を用いても良い。式(3)のような絶対値による算出の方が、乗算による算出よりも、計算処理量を少なくすることができる。
移動体検出部34は、フレーム間差分が検出しきい値を越えたか否かで、移動体の有無の判定を行い、判定結果を出力する。検出しきい値は移動体が存在しないときのフレーム間差分値の実績値に基づいて設定する。
図5は、本実施の形態1に係る移動体検出部34の判定結果の例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸はフレーム間差分値を示す。
フレーム間差分値は時刻が6秒を過ぎた辺りから検出しきい値を越えている。移動体検出部34は、6秒辺りまでは「移動体無」と判定し、それ以降は「移動体有」と判定する。移動体検出部34は、固定物からの反射波があっても、また、移動体に基づくピークを特定できないことがあっても、移動体を高い感度で検出することができる。
このように、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、物体からの(復調)反射信号Dと、送信符号Aとの間の相関値Corr(i)を算出して、反射信号Dの遅延時間を測定するときに、送信符号Aの1周期分に相当する相関値Corr(i)を1フレームとして、時間的に連続する2フレーム間の差分FrameDifference(i)を算出し、差分値が所定のしきい値を超えたときに、移動体を検出したと判定するものである。このような構成により、反射波が小さいか、又は、他にも物体が存在するような環境であっても、移動体からの反射波を認識して、移動体を検出することができる。
なお、デジタル部6が実現するPN符号発生部11などの各構成要素は、例えば、コンピュータであるデジタル部6が備える演算装置(図示せず)の制御によって、プログラムを実行させることにより実現できる。
より具体的には、デジタル部6は、記憶部(図示せず)に格納されたプログラムを主記憶装置(図示せず)にロードし、演算装置の制御によってプログラムを実行して実現する。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせなどにより実現しても良い。
上述したプログラムは、様々なタイプの記録メディア、すなわち、非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、デジタル部6に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。
非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってデジタル部6に供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は、無線通信路を介して、プログラムをデジタル部6に供給できる。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、さまざまな変形が可能である。
例えば、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、人が移動(動作)/停止を繰り返して、フレーム間差分値がしきい値に対して上下し、人が存在するにもかかわらず、検出/非検出の判定が小刻みに切り替わる状況が発生し得る。そこで、移動体検出部34は、現在及び過去の数フレームのフレーム間差分値の平均を算出し、当該平均値としきい値とを比較して移動体の検出を判定し、安定的な判定を実現するようにしても良い。
図6は、本実施の形態1に係るフレーム間差分の平均値による移動体検出の例を示す図である。
図6に示す例では、移動体検出部が、現在のフレーム及び過去の6フレームの計7フレームのフレーム間差分の平均値を用いて、現在のフレームで移動体が存在すると判定している。なお、この例では、単純に7フレームの平均値を利用しているが、デジタルフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)を利用して差分値の瞬時変動を抑制し、同様の効果を得るようにしても良い。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、移動体の有無の判定のみならず、移動体が有る場合に、検出装置1から移動体までの距離を推定するようにしても良い。
例えば、同じ人が同じような動きをする場合に、検出装置1の近くにいる場合と離れた所にいる場合とでは、近くにいる場合の方が反射波の変化が大きくなり、相関値が変動し、フレーム間差分値が大きくなる。
そこで、例えば、移動体検出部が、フレーム間差分値の大きさと移動体までの距離とを対応付けたテーブルをあらかじめ有し、フレーム間差分値がしきい値より大きくなって移動体を検出したときに、当該フレーム間差分値の大きさから移動体までの距離を推定するようにしても良い。
図7は、本実施の形態1に係るフレーム間差分値を用いた移動体までの距離推定の例を示す図である。
図7に示す例では、フレーム間差分値はその大きさが移動体までの距離(close、near、far)と関連付けられており、移動体検出部34は、フレーム間差分値の変化に基づいて、移動体が接近し、また、遠ざかっていると推定する。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、移動体を検出するときのしきい値を、キャリブレーションにより自動で設定するようにしても良い。
例えば、キャリブレーション時間T及び検出精度調整値αを定義しておき、次の式(4)に従い、時間T内のフレーム差分値のうち、「最小の値」+αの値をしきい値として採用するようにしても良い。
図8は、本実施の形態1に係る移動体検出しきい値の自動設定の例を示す図である。
この例では、キャリブレーション終了時点(T=10秒)でしきい値をほとんど0に近い小さな値に設定している。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、AM検波部をアナログ回路で構成し、AM検波後の復調受信信号をADコンバータでデジタル変換するようにしても良い。この場合には、ADコンバータのサンプリング周波数を、例えば、10kHz程度にまで下げることができる。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、送信側の変調方式を受信側の復調方式に応じて変更し、AM変調以外の、例えば、FM変調、BPSK変調などを用いるようにしても良い
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、送信部15及び受信部21をそれぞれ1つずつ備えるようにしたが、送信部又は受信部の少なくとも一方を、複数備えるようにしても良い。そのような検出装置では、複数の送信部又は受信部の間の複数の距離測定情報を利用して三角測量の計算を行い、対象物までの距離だけでなく、対象物の方位及び位置、すなわち、対象物の3次元座標を算出することができる。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1では、検出する移動体は人に限らず、動物などの生物や、自動車などの装置であっても良いし、それらの一部分であっても良い。
また、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置を、超音波移動体検出方法、超音波移動体検出プログラム、又は、送信装置や受信装置を備える超音波移動体検出システム、更には、超音波人物検出装置、超音波動体検出装置、超音波測距装置などとして構成しても良い。
また、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置を、超音波の代わりに電波、光線などを用いる移動体検出装置などとして構成しても良い。
以上、説明したように、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信する送信部11〜15と、超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調する受信部21〜25と、復調した受信信号と当該特定の符号との相関値を算出する相関値算出部31と、特定の符号の1周期分に相当する相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出する差分算出部33と、当該差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定する移動体検出部34とを備えるものである。
このような構成により、反射波が小さいか、又は、他に物体が存在するような環境であっても、移動体からの反射波を認識して、移動体を検出することができる。このような超音波移動体検出装置1は、例えば、部屋の中の特定の場所の近くに人がいるのかいないのか、人がいる場合には、当該特定の場所に対してどのくらいの距離にいるのかなどを検出するために用いることができる。
また、超音波移動体検出装置1は、人がいる場合に、その旨を報せる信号を生成して、例えば、超音波移動体検出装置1の内部又は外部のカメラを起動し、静止画像又は動画像を記録したり、当該画像をユーザのモニタに表示したり、又は、人がいる領域の照明を点けたりすることもできる。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、所定の2フレームが、時間的に連続する2フレームであることが好ましい。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、移動体検出部34が、当該差分の大きさと、移動体までの距離とを対応付けて記憶し、算出した差分の大きさから、検出した移動体までの距離を推定することが好ましい。
このような構成により、移動体までの距離を簡便に推定することができる。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、移動体検出部34が、当該差分の平均値がしきい値を超えたときに、移動体を検出したと判定することが好ましい。
このような構成により、移動体を安定的に検出することができる。
また、本実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、移動体検出部34が、当該差分の最小値に基づいて、しきい値を設定することが好ましい。
このような構成により、移動体検出のためのしきい値を、検出装置1の設置環境に応じて、簡便に設定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る超音波移動体検出装置は、時間的に連続する2フレーム間の差分値に基づいて移動体の有無を判定し、場合によっては、移動体までの距離を推定するものであったが、本実施の形態2に係る超音波移動体検出装置は、特定の符号の1周期分の相関結果(フレーム)の全部又は一部を複数の区間に分割し、各区間を移動体までの距離と対応付け、連続する2フレーム間の差分に代えて、連続する2フレーム間の区間毎の差分を算出することにより、距離毎に移動体の有無を検出するものである。
図9は、本実施の形態2に係る超音波移動体検出装置101の概略構成を示すブロック図である。
超音波移動体検出装置101は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1と同様のPN符号発生部11、キャリア信号発生部12、混合部13、ドライバ回路14、超音波送信部15、超音波受信部21、増幅部22、ローパスフィルタ23、ADコンバータ24、AM検波部25、相関値算出部31に加えて、区間分割部132、差分算出部133a〜133m、移動体検出部134a〜134m、移動体数距離判定部135などを備えている。
上記したように、PN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成、動作は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1のものと同様であって、ここでは、説明を省略する。
相関値算出部31は、実施の形態1のときと同様に、AM復調後の復調受信信号Dと、送信時に用いたPN符号Aとの相関値を逐次算出して、算出した相関値を区間分割部132に出力する。
区間分割部132は、相関結果(フレーム)を複数の区間に分割し、それぞれ対応する差分算出部133a〜133mへ出力する。
図10は、本実施の形態2に係る区間及び区間毎のフレーム間差分値の例を示す図である。
この例では、区間分割部132は、フレームの前半部分を4つの区間(区間1〜4)に分割している。PN符号周期(NPNサンプル:127ms)と音速(340m/s)との関係から、区間1〜4はそれぞれ、超音波移動体検出装置101から移動体までの距離0〜3m、3〜6m、6〜9m、9〜12mに対応する。
差分算出部133a〜133mは、区間1〜4毎のフレーム間差分を算出し、それぞれ対応する移動体検出部134a〜134mに出力する。
移動体検出部134a〜134mは、区間1〜4について、フレーム間差分が検出しきい値を超えるような変動があれば、移動体を検出したと判定し、判定結果を移動体数距離判定部135に出力する。
移動体数距離判定部135は、移動体検出部134a〜134mが移動体を検出したと判定した区間及び時間に基づいて、検出した移動体との距離や検出した移動体の数を判定する。図10に示す例では、移動体数距離判定部135は、時刻1秒前後のときに距離0〜3mに少なくとも1名、時刻4秒前後のときに距離6〜9m及び距離9〜12mに少なくとも1名ずつ、時刻9秒前後のときに距離3〜6mに少なくとも1名の人が存在すると判定する。
以上、説明したように、本実施の形態2に係る超音波移動体検出装置101は、フレームの全体あるいは一部を複数の区間に分割する区間分割部132を更に備え、差分算出部133は、時間的に連続する2フレームの対応する区間の間での相関値の差分を算出し、移動体検出部134は、対応する区間の間での差分がしきい値よりも大きいときに、区間で移動体を検出したと判定することが好ましい。
このような構成により、距離の異なる複数の移動体を同時に検出することができる。
また、本実施の形態2に係る超音波移動体検出装置101は、当該区間と移動体までの距離とを対応付けて記憶し、移動体検出部134が当該区間で移動体を検出したと判定したときに、移動体までの距離を算出する距離算出部135を更に備えることが好ましい。
このような構成により、検出した移動体までの距離を算出することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、フレーム間差分値に基づいて移動体の有無を判定し、フレーム間差分値の大きさに基づいて移動体までの距離を推定するものであったが、本実施の形態3に係る超音波移動体検出装置は、移動体を検出したときに、相関値のピークの時間的位置に基づいて、検出した移動体までの距離を算出するものである。
図11は、本実施の形態3に係る超音波移動体検出装置201の概略構成を示すブロック図である。
超音波移動体検出装置201は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1と同様のPN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成に加えて、相関ピーク検出部236、距離算出部237などを備えている。
上記したように、PN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成、動作は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1のものと同様であって、ここでは、説明を省略する。
相関値算出部31は、実施の形態1のときと同様に、AM復調後の復調受信信号Dと、送信時に用いたPN符号Aとの相関値を逐次算出し、差分算出部33と相関ピーク検出部236とに出力する。
差分算出部33は、フレーム間差分値を算出し、移動体検出部34に出力する。
移動体検出部34は、フレーム間差分値が検出しきい値を越えたときに、移動体を検出したと判定し、判定結果を外部と相関ピーク検出部236とに出力する。
相関ピーク検出部236は、移動体を検出したタイミング、すなわち、フレーム間差分値が検出しきい値を越えたフレームで出現した相関値のピークを移動体によるピークとして検出し、距離算出部237に出力する。
距離算出部237は、PN符号の時間周期TPN、PN符号のサンプル周期NPN、音速Vs、ピークのサンプル位置piを用いて、次の式(5)に従い、移動体までの距離Dを算出し、出力する。
図12は、本実施の形態3に係る移動体距離の算出方法を説明するための図である。上の図は第1フレームの相関値、下の図は第18フレームの相関値を示す。また、横軸はサンプル番号、縦軸は相関値を占めす。
距離算出部237は、相関ピークの位置から、移動体までの距離Dは、第1フレームでは1m以内、第18フレームでは1〜2mの範囲であると算出する。
以上、説明したように、本実施の形態3に係る超音波移動体検出装置201は、移動体検出部34が移動体を検出したと判定したときに、差分がしきい値を超えたときの相関値のピークを検出するピーク検出部236と、検出したピークの時間的位置から、検出した移動体との距離を算出する距離算出部237とを更に備えることが好ましい。
このような構成により、検出した移動体の距離を高精度に算出することができる。
(実施の形態4)
実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1は、時間的に連続するフレーム間の差分値に基づいて移動体の有無を判定するものであったが、本実施の形態4に係る超音波移動体検出装置は、時間的に連続するフレーム間の差分値の、所定の期間の変動(分散、ばらつき)に基づいて移動体の有無を判定するものである。
本実施の形態4に係る超音波移動体検出装置の概略構成は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1のものと同様で良く、ここでは、図1を参照して、本実施の形態4に係る超音波移動体検出装置1の動作について説明する。
相関値算出部31は、実施の形態1のときと同様に、復調受信信号Dと、送信時に用いたPN符号Aとの相関演算を行い、相関値を逐次算出して、差分算出部33に出力する。
差分算出部33は、時間的に連続する2フレームの間の差分FrameDifference(i)(または、「差分Xi」という。)を算出するとともに、N秒間(Nは1以上の整数)の差分Xiの平均値
、N秒間のフレーム数nを用いて、次の式(6)に従い、所定の期間であるN秒間の差分の分散Uを算出し、それぞれ移動体検出部34に出力する。
移動体検出部34は、フレーム間差分値Xiと所定のしきい値ThXiとを比較し、また、分散値Uと所定のしきい値ThUとを比較して、移動体の有無の判定を行い、判定結果を出力する。
図13は、本実施の形態4に係るフレーム間差分Xi及び分散Uの例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸はフレーム間差分Xi又は分散Uの大きさを示す。
この例は、超音波移動体検出装置1の検出領域に、人が入って来て(時刻t1〜t2)、そこでしばらく静止し、又は、小さく動き(時刻t2〜t3)、出て行った(時刻t3〜t4)ときのものである。
時刻t1〜t2、時刻t3〜t4では、移動体(人)の動きが大きいので、フレーム間差分Xiが検出しきい値ThXiを大きく越えており、移動体検出部34は、フレーム間差分Xiに基づいて、移動体が存在すると判定する。
しかしながら、時刻t2〜t3では、移動体の動きが小さいので、フレーム間差分Xiはしきい値ThXiを挟んで上下し、移動体検出部34は、フレーム間差分Xiに基づいて、移動体が存在すると判定することができない。
一方、時刻t1〜t5では、移動体の動きが小さい時刻t2〜t3を含めて、フレーム間差分の所定の期間の分散Uがしきい値ThUを超えていて、移動体検出部34は、分散Uに基づいて、移動体が存在すると判定することができる。
つまり、本実施の形態4に係る超音波移動体検出装置1は、時刻t1において、フレーム間差分Xiに基づいて、短い時間で感度良く移動体の存在を検出し、時刻t1〜t5において、分散Uに基づいて、比較的長い時間の分析により、確実に移動体の存在を検出し、時刻t5において、フレーム間差分Xi及び分散Uに基づいて、感度良く、そして、比較的長い時間の分析により、確実に移動体の不在を検出することができる。
特に、フレーム間差分Xiに基づく時刻t1〜t2、時刻t3〜t4の検出結果では、同一の移動体を2回検出したのか、別々の移動体をそれぞれ検出したのかが分からないようなときでも、分散Uに基づく時刻t1〜t5の検出結果を併用することにより、同一の移動体を連続して検出していること、すなわち、検出した移動体が領域に留まっていることが分かる。
そして、例えば、超音波移動体検出装置1の判定結果に基づいてカメラを動作させるような場合には、フレーム間差分Xiがしきい値ThXiよりも大きくなったとき(時刻t1)にカメラを起動し、フレーム間差分Xiがしきい値ThXiよりも大きいか、又は、分散Uがしきい値ThUよりも大きいとき(時刻t1〜t5)は、カメラを動作させ続け、フレーム間差分Xiがしきい値ThXiよりも小さくなり、かつ、分散Uがしきい値ThUよりも小さくなったとき(時刻t5)に、カメラを停止させることもできる。
なお、本実施の形態4に係る超音波移動体検出装置1は、フレーム間差分Xiを用いず
に、フレーム間差分の分散Uだけを用いて、移動体を検出しても良い。
以上、説明したように、本実施の形態4に係る超音波移動体検出装置1は、移動体検出部34が、所定の期間における、連続するフレーム間の差分の分散Uが所定のしきい値ThUを超えたときに、移動体を検出したと判定することが好ましい。
このような構成により、微小な動きを示す移動体を高精度に検出することができる。
(実施の形態5)
実施の形態4に係る超音波移動体検出装置1は、時間的に連続するフレーム間の差分値Xiの所定の期間の分散Uに基づいて移動体の有無を判定するものであったが、本実施の形態5に係る超音波移動体検出装置は、移動体がないことがわかっているときに算出したフレームと、順次出力されるフレームとの差分に基づいて移動体の有無を判定するものである。
本実施の形態5に係る超音波移動体検出装置の概略構成も、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1のものと同様で良く、ここでは、図1を参照して、本実施の形態5に係る超音波移動体検出装置1の動作を説明する。
相関値算出部31は、実施の形態1のときと同様に、復調受信信号Dと、送信時に用いたPN符号Aとの相関演算を行い、相関値を算出して、差分算出部33に順次出力する。
差分算出部33は、時間的に連続する2フレームの間の差分Xiを算出するとともに、移動体がないことがわかっているときにあらかじめ算出して記憶しておいたPN符号の1周期分の相関値(以下、「環境フレーム」という。)と、相関値算出部31から順次出力される各フレームとの差分(以下、「環境フレーム差分」という。)Eを順次算出し、移動体検出部34に出力する。
移動体検出部34は、フレーム間差分値Xiと所定のしきい値ThXiとを比較し、また、環境フレーム差分Eと所定のしきい値ThEとを比較して、移動体の移動体の有無の判定を行い、判定結果を出力する。
図14は、本実施の形態5に係るフレーム間差分Xi及び環境フレーム差分Eの例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸はフレーム間差分Xi又は環境フレーム差分Eの大きさを示す。
この例も、超音波移動体検出装置1の検出領域に、人が入って来て(時刻t11〜t12)、そこでしばらく静止し(時刻t12〜t13)、出て行った(時刻t13〜t14)ときのものである。
移動体検出部34が、フレーム間差分Xiに基づいて、時刻t11〜t12、時刻t13〜t14では移動体が存在すると判定し、時刻t12〜t13では移動体が存在すると判定することができない点は、実施の形態4の場合と同様である。
一方、時刻t11〜t14では、移動体の動きが小さい時刻t12〜t13を含めて、環境フレーム差分Eがしきい値ThEを超えており、移動体検出部34は、環境フレーム差分Eに基づいて、時刻t11〜t14に移動体が存在すると判定することができる。
つまり、本実施の形態5に係る超音波移動体検出装置1は、時刻t11において、フレーム間差分Xiに基づいて、短い時間で感度良く移動体の存在を検出し、時刻t11〜t14において、環境フレーム差分Eに基づいて、確実に移動体の存在を検出し、時刻t14において、フレーム間差分Xi及び環境フレーム差分Eに基づいて、短い時間で感度良く、そして、確実に移動体の不在を検出することができる。
このときも、フレーム間差分Xiに基づく時刻t11〜t12、時刻t13〜t14の検出結果と、環境フレーム差分Eに基づく時刻t11〜t14の検出結果とを併用することにより、検出した移動体が検出領域に留まっていることが分かる。
そして、例えば、超音波移動体検出装置1の判定結果に基づいてカメラを動作させるような場合に、フレーム間差分Xiがしきい値ThXiよりも大きくなったとき(時刻t11)にカメラを起動し、フレーム間差分Xiがしきい値ThXiよりも小さくなり、かつ、環境フレーム差分Eがしきい値ThEよりも小さくなったとき(時刻t14)に、カメラを停止させるようにすることができるのは、実施の形態4の場合と同様である。
なお、本実施の形態5に係る環境フレームは、移動体がないことがわかっているときに算出した複数フレームの平均値であっても良い。
また、本実施の形態5に係る超音波移動体検出装置1は、フレーム間差分Xiを用いずに、環境フレーム差分Eだけを用いて、移動体を検出しても良い。
以上、説明したように、本実施の形態5に係る超音波移動体検出装置1は、所定の2フレームが、移動体がないことがわかっているときに算出した相関値である環境フレーム、及び、相関値算出部31が順次出力するフレームであることが好ましい。
このような構成により、微小な動きを示す移動体を高精度に検出することができる。
(実施の形態6)
実施の形態1〜5に係る超音波移動体検出装置は、超音波を送受信して、移動体の有無を判定したり、移動体までの距離を算出したりするものであったが、本実施の形態6に係る超音波移動体検出装置は、超音波を送受信して、移動体の有無を判定したり、移動体までの距離を算出したりするときに、送信部と受信部との間の直接波や、雨粒などの近距離非検出対象物体からの反射波(以下、「近接反射波」という。)に対して、それらの信号レベル及び遅延時間を検出して、受信信号から減算するもので、これにより、直接波又は近接反射波の影響を排除して、更に精度の高い移動体検出、距離算出を可能にするものである。
図15は、本実施の形態6に係る超音波移動体検出装置301の概略構成を示すブロック図である。
超音波移動体検出装置301は、実施の形態3に係る超音波移動体検出装置201と同様のPN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成に加えて、オペアンプ341、ヒステリシスコンパレータ(Comp)342、バンドパスフィルタ(BPF)343、電圧制御可変ゲインアンプ(VGA)344、VGAゲイン調整部345、DAコンバータ(DAC)346などを備えている。
上記したように、PN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成、動作は、実施の形態3に係る超音波移動体検出装置201のものと同様であって、ここでは、説明を省略する。
増幅部22は、電気信号に変換された反射波を増幅して受信信号Cとし、オペアンプ341とヒステリシスコンパレータ342とに出力する。
ヒステリシスコンパレータ342は、そのしきい値V+とV−の絶対値が、想定される反射波の振幅よりも大きく、かつ、直接波又は近接反射波の振幅よりも小さく設定されていて、受信信号Cから振幅の大きな直接波又は近接反射波のみを分離し、それらの位相(遅延)情報を有するキャンセル用信号を生成して、バンドパスフィルタ343に出力する。
バンドパスフィルタ343は、送信部15及び受信部21の周波数特性(帯域特性)と同様の特性を有するように設計されており、キャンセル用信号を帯域制限して、電圧制御可変ゲインアンプ344に出力する。
電圧制御可変ゲインアンプ344は、帯域制限されたキャンセル用信号のレベルを調整して、オペアンプ341に出力する。
オペアンプ341は、受信信号Cからレベル調整されたキャンセル用信号を減算し、直接波又は近接反射波に基づくピーク(以下、「非対象ピーク」という。)のレベルが減少するようにする。
一方、相関ピーク検出部236は、相関値算出部31が算出した各フレームを監視し、移動体が存在すると考えられている距離よりも近い距離(例えば、0.5m以内)に対応する時間的位置(サンプル番号)に、所定のしきい値よりも大きい相関ピークが現れた場合に、これを非対象ピークとして検出し、非対象ピークの位置及び大きさをVGAゲイン調整部345に出力する。
VGAゲイン調整部345は、当該非対象ピークの大きさが減少するように、DAコンバータ346を介して電圧制御可変ゲインアンプ344のゲインを調整する。
図16は、本実施の形態6に係る相関出力の例を示す図である。上図は、比較例としての本実施の形態6に係るキャンセル用信号を用いていない場合の相関出力であり、下図は、本実施の形態6に係るキャンセル用信号を用いた場合の相関出力である。
図16の上図では、非検出対象の距離に大きな相関ピーク(非対象ピーク)が立ち、また、非対象ピークによってアナログ回路やADコンバータ24が飽和しているため、本来の検出対象からの反射波による相関ピークが見え難くなっている。これに対して、図16の下図では、検出対象からの反射波による相関ピークがはっきりと現れているので、フレーム間差分を用いた移動体の検出や、ピーク位置の位相差(遅延時間Δt)を用いた距離の算出の精度を更に向上させることができる。
なお、実施の形態6に係る超音波移動体検出装置301を、距離測定などの移動体検出以外の用途向けの超音波送受信装置、電波、光線などの超音波以外の直接波又は近接反射波をキャンセルするための直接波近接反射波キャンセル装置などとして構成しても良い。
以上、説明したように、本実施の形態6に係る超音波移動体検出装置301は、受信信号からキャンセル用信号を生成するヒステリシスコンパレータ342と、算出したフレームの中から、ピークの大きさが所定値よりも大きく、かつ、ピークに対応する物体まで距離が所定値よりも小さい特定のピークを検出するピーク検出部236と、特定のピークの大きさが減少するように、受信信号からキャンセル用信号を減算する減算部341とを更に備えることが好ましい。
このような構成により、直接波又は近接反射波の影響を排除して、高い精度で移動体を検出することができる。
(実施の形態7)
実施の形態6に係る超音波移動体検出装置301は、送信部と受信部との間の直接波や、雨粒などからの近接反射波に対して、それらの信号レベル及び遅延時間を検出して、受信信号から減算するものであったが、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置は、送信信号、受信信号の符号の要素毎に送信休止期間、受信期間を設けて、直接波及び近接反射波による、検出対象物からの反射波への影響を軽減するものである。
図17は、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401の概略構成を示すブロック図である。
超音波移動体検出装置401は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1と同様のPN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成に加えて、送信休止期間設定部451、受信期間設定部452、相関ピークタイミング検出部453などを備えている。
上記したように、PN符号発生部11、キャリア信号発生部12などの構成、動作は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1のものと同様であり詳細な説明は省略するが、PN符号発生部11は、ここでは、周期127ビットのPN符号を1.5ms単位で「0」又は「1」の値をとるように、つまり、1周期が190.5msとなるように発生する。
混合部13は、キャリア信号をPN符号によりAM変調し、符号の各要素が隙間なしで連続する、つまり、デューティ比が100%の送信信号Bを送信休止期間設定部451に出力する。
図18は、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401の各信号を説明するための図である。上から順番に、送信信号B、間欠送信信号H、近接反射波I、検出対象物からの反射波J、受信期間W、間欠受信信号Kを示す。横軸は時間を示し、各信号については、縦軸は信号の大きさを示す。
送信休止期間設定部451は、送信信号Bについて、符号の各要素の間に隙間ができるように、そのデューティ比を20〜50%程度にまで小さくし、例えば、0.5msの送信期間と、1.0msの送信休止期間とを交互に有する間欠送信信号Hとして、ドライバ回路14に出力する。
そして、ドライバ回路14は、間欠送信信号Hを必要な電圧に増幅し、超音波送信部15は、増幅された間欠送信信号Hを超音波信号に変換して空間に放出する。
一方、超音波受信部21は、間欠送信信号Hの送信から、例えば、0.6〜0.8ms遅れて届く、近接非対象物からの間欠した強い近接反射波Iと、検出対象物などからの連続した弱い反射波Jとを受信して電気信号に変換する。
そして、増幅部22が、電気信号に変換された近接反射波Iと反射波Jとを増幅し、ADコンバータ24が、これらをデジタル信号に変換して、受信期間設定部452に出力する。
受信期間設定部452は、近接反射波又は直接波に対応する信号が小さいか、存在しない位置(時間)に受信期間Wを設け、近接反射波Iに対応する信号を遮断し、反射波Jに対応する信号のうちの受信期間Wのものを間欠受信信号Kとして、AM検波部25に出力する。
このとき、受信期間設定部452は、直接波又は近接反射波に対応する信号を遮断するために、受信期間Wの長さを送信休止期間の長さ以下、例えば、0.95msとし、また、受信期間Wの周期を送信休止期間の周期と同一の、ここでは、1.5msとする。
AM検波部25は、間欠受信信号KをAM復調して相関値算出部31に出力する。
相関値算出部31は、復調した間欠受信信号Kと、送信時に用いたPN符号との相関演算を行い、相関値を逐次算出して、差分算出部33と相関ピークタイミング検出部453とに出力する。このとき、算出した相関値は、直接波又は近接反射波に対応するピーク(非対象ピーク)が小さくなり、又は、消滅し、検出対象物に対応するピークが明確になっている。
そして、差分算出部33が時間的に連続する2フレームの差分を算出し、移動体検出部34が移動体を検出する。
また、相関ピークタイミング検出部453は、相関値の中に非対象ピークがあれば、これを検出し、そのピーク位置及び大きさを受信期間設定部452に出力する。
受信期間設定部452は、非対象ピークの大きさが減少するように、受信期間Wを設定する。すなわち、受信期間設定部452は、受信期間Wを、例えば、0.1msずつ時間的に前後にずらして、非対象ピークが最も小さくなる受信期間Wの位置を適応的に設定しても良いし、検出した非対象ピークの位置から受信期間Wの位置を計算により求めても良い。図18では、受信期間Wに重ね合わせた矢印が、受信期間Wが取り得る位置を示す。
なお、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401では、間欠送信信号Hは、符号の各要素について、0.5msの送信期間と、1.0msの送信休止期間とを有していたが、送信期間、送信休止期間の長さは、直接波、近接反射波の予想される位置(時間)や、超音波移動体検出装置401の構成に応じて変更することができる。
また、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401では、送信休止期間設定部451が、送信信号Bの符号の要素毎に送信休止期間を設けていたが、PN符号発生部11が、符号の各要素について、0.5ms送信期間と、1.0msの送信休止期間とを有する間欠PN符号を発生し出力しても良い。このときは、送信休止期間設定部451は不要となり、また、相関値算出部31は、復調した間欠受信信号Kと、送信時に用いた間欠PN符号との相関演算を行い、相関値を逐次算出する。
以上、説明したように、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401は、送信信号が、符号の要素「0」「1」毎に第1の送信休止期間を有し、受信部21〜25は、第1の送信休止期間以下の長さの期間であって第1の送信休止期間と同一の周期を有する受信期間Wを有することが好ましい。
このような構成により、直接波又は近接反射波の影響を軽減して、高い精度で移動体を検出することができる。
また、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401は、受信部21〜25、452、453は、算出した相関値の中の、ピークの大きさが所定値よりも大きく、かつ、ピークに対応する物体まで距離が所定値よりも小さい特定のピークの大きさが減少するように、受信期間Wを時間的に前後させることが好ましい。
このような構成により、より精度良く直接波又は近接反射波の影響を排除することができる。
また、本実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401は、受信部21〜25、452、453は、算出した相関値の中の、ピークの大きさが所定値よりも大きく、かつ、ピークに対応する物体まで距離が所定値よりも小さい特定のピークの時間的な位置に基づいて、受信期間の時間的位置を決定することが好ましい。
このような構成により、より短時間に直接波又は近接反射波の影響を排除することができる。
(実施の形態8)
実施の形態7に係る超音波移動体検出装置401は、送信信号、受信信号の符号の要素毎に送信休止期間、受信期間を設けて直接波及び近接反射波の影響を軽減するものであったが、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置は、符号系列信号の周期毎に送信休止期間を設け、直接波及び近接反射波の影響を軽減するものである。
本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置の概略構成は、実施の形態1に係る超音波移動体検出装置1のものと同様で良く、ここでは、図1を参照して、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1の動作を説明する。
PN符号発生部11は、1ms単位で「0」又は「1」の値をとる周期15ビットのPN符号を60ms毎に発生する。
図19は、本実施の形態8に係る送信波と、直接波及び反射波との関係を説明するための図である。上図は、比較例としての従来技術に係る送信波と、その直接波及び反射波とを示し、下図は、本実施の形態8に係る送信波と、その直接波及び反射波とを示す。横軸は時間を示し、縦軸は各信号の大きさを示す。
従来技術では、PN符号発生部が127ビットで周期127msのPN符号を連続的に発生し、超音波送信部が連続的に空間に放出した超音波信号(送信波)について、超音波受信部が、超音波の送信からほとんど遅延しない強い直接波、近接反射波、又は、多少遅延する検出対象物からの弱い反射波として連続して受信する。このため、反射波は、直接波、近接反射波に埋もれて、判別できないこともあった。
これに対して、本実施の形態8の超音波移動体検出装置1は、PN符号発生部11が、15ビットで周期15msのPN符号を発生し、次に45msの送信休止期間を設け、また、15ビットで周期15msのPN符号を発生し、次に送信休止期間を設けるというように、送信期間と送信休止期間とを交互に繰り返すようにしている。
これにより、超音波送信部15も、AM変調され、増幅されたPN符号を超音波信号に変換して、15msの送信期間と45msの送信休止期間とを繰り返しながら、空間に放出する。
超音波受信部21は、超音波の送信からほとんど遅延しない強い直接波、近接反射波を送信期間に対応する長さの期間(約15ms)だけ受信するが、その後の送信休止期間に対応する長さの期間(約45ms)は、直接波又は近接反射波の影響を受けない検出対象物からの反射波を受信することができる。図19に示す例では、超音波受信部21は、5m離れた人からの反射波を、直接波などの影響を受けずに、やはり、送信期間に対応する長さの期間(約15ms)だけ受信する。
本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1の超音波を受信した後の動作は、実施の形態1のものと同様であるが、相関値算出部31は、AM検波部25から出力された復調受信信号Dのサンプル毎に、例えば、ADコンバータ24のサンプリング周波数が100kHzであったときには0.01ms毎に、復調受信信号Dの過去1周期分(15ms)の信号と、PN符号の1周期分(15ms)の信号との相関値を算出する。
そして、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1では、検出対象物までの距離にかかわらず、検出対象物を良好に検出することができる。
図20は、本実施の形態8に係る送信波と、直接波及び反射波との関係を説明するための別の図である。上から順番に、送信波、検出対象物(人)までの距離が1〜5mのときの直接波及び反射波を示す。横軸は時間を示し、縦軸は各信号の大きさを示す。
人までの距離が1〜2mのときは、直接波と反射波との重なりが大きいが、反射波の強度が大きく、超音波移動体検出装置1は、PN符号の符号化利得により、反射波から信号を適切に復調することができる。また、人までの距離が3〜5mのときは、反射波の強度は小さいが、直接波と反射波との重なりがなく、超音波移動体検出装置1は、反射波から信号を問題なく復調することができる。
図21は、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1の動作例を説明するための図である。上図は省電力モードのときの、下図は通常モードのときの、送信波と、直接波又は反射波との関係を示している。横軸は時間を、縦軸は各信号の大きさを示す。また、横軸下の太線は、送信部又は受信部が動作している期間を示す。
超音波移動体検出装置1は、動作モードとして、省電力モードと通常モードとを有しており、ふだんは、省電力モードで動作する。
超音波移動体検出装置1は、省電力モードでは、離れたところから超音波移動体検出装置1の方に接近してくる移動体を検出できるように、例えば、距離が6m程度の対象物を検出するための、超音波の送信から35〜50ms遅れた位置に15msの受信期間を設けている。そして、送信期間も受信期間も15msとして省電力を実現する。
また、超音波移動体検出装置1は、省電力モードにおいて移動体を検出すると、動作モードを通常モードに変更し、受信期間を連続する期間として反射波を受信する。
そして、超音波移動体検出装置1が、実施の形態2と同様に、複数の差分算出部、複数の移動体検出部、及び、移動体数距離判定部を備えていれば、複数の受信期間(受信区間)と対象物までの距離(例えば、1〜5m)を対応付けておいて、移動体までの距離や移動体の数、更には、移動体の動きを検出することもできる。
以上、説明したように、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1は、送信信号は、特定の符号の1周期分の送信期間と、第2の送信休止期間とを交互に有し、差分算出部33は、第2の送信休止期間に相当する期間を間に挟んだ連続する2フレームの間での相関値の差分を算出することが好ましい。
このような構成により、直接波又は近接反射波の影響を軽減して、高い精度で移動体を検出することができる。
また、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1は、受信部21〜25は、送信期間と略同一の長さの受信期間を有することが好ましい。
このような構成により、装置の消費電力を削減することができる。
また、本実施の形態8に係る超音波移動体検出装置1は、複数の受信期間と移動体までの距離とを対応付けて記憶する距離算出部を更に備え、受信部21〜25は、複数の受信期間を有し、移動体検出部は、受信期間毎に移動体を検出し、距離算出部は、移動体検出部が移動体を検出したと判定したときに、受信期間に基づいて移動体までの距離を算出することが好ましい。
このような構成により、距離の異なる複数の移動体を同時に検出することができる。
1、101、201、301、401 超音波移動体検出装置
11 PN符号発生部
12 キャリア信号発生部
13 混合部
14 ドライバ回路
15 送信部
21 受信部
22 増幅部
23 ローパスフィルタ
24 ADコンバータ
25 AM検波部
31 相関値算出部
33、133 差分算出部
34、134 移動体検出部
132 区間分割部
135 移動体数距離判定部
236 相関ピーク検出部
237 距離算出部
341 オペアンプ
342 ヒステリシスコンパレータ
343 バンドパスフィルタ
344 電圧制御可変ゲインアンプ
345 VGAゲイン調整部
346 DAコンバータ
451 送信休止期間設定部
452 受信期間設定部
453 相関ピークタイミング設定部
A PN符号
B 送信信号
C 受信信号
D 復調受信信号
H 間欠送信信号
I 近接反射波
J 反射波
W 受信期間
K 間欠受信信号

Claims (19)

  1. 特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信する送信部と、
    前記超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調する受信部と、
    前記復調した受信信号と前記特定の符号との相関値を算出する相関値算出部と、
    前記特定の符号の1周期分に相当する前記相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出する差分算出部と、
    前記差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定する移動体検出部と
    を備える超音波移動体検出装置。
  2. 前記所定の2フレームが、時間的に連続する2フレームである
    請求項1記載の超音波移動体検出装置。
  3. 前記移動体検出部は、前記差分の大きさと、移動体までの距離とを対応付けて記憶し、前記算出した差分の大きさから、前記検出した移動体までの距離を推定する
    請求項1又は請求項2記載の超音波移動体検出装置。
  4. 前記移動体検出部は、所定の期間における前記差分の平均値が前記しきい値を超えたときに、移動体を検出したと判定する
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  5. 前記移動体検出部は、前記差分の最小値に基づいて、前記しきい値を設定する
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  6. 前記フレームの全体あるいは一部を複数の区間に分割する区間分割部を更に備え、
    前記差分算出部は、時間的に連続する2フレームの対応する前記区間の間での前記相関値の差分を算出し、
    前記移動体検出部は、前記対応する区間の間での前記差分が所定のしきい値よりも大きいときに、前記区間で移動体を検出したと判定する
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  7. 前記区間と移動体までの距離とを対応付けて記憶し、前記移動体検出部が前記区間で移動体を検出したと判定したときに、前記移動体までの距離を算出する距離算出部を
    更に備える請求項6記載の超音波移動体検出装置。
  8. 前記移動体検出部が移動体を検出したと判定したときに、前記差分が前記しきい値を超えたときの相関値のピークを検出するピーク検出部と、
    前記検出したピークの時間的位置から、前記検出した移動体との距離を算出する距離算出部と
    を更に備える請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  9. 前記移動体検出部は、所定の期間における前記差分の分散が、所定のしきい値を超えたときに、移動体を検出したと判定する
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  10. 前記所定の2フレームが、移動体がないことがわかっているときに前記算出した相関値である環境フレーム、及び、前記相関値算出部が順次出力するフレームである
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  11. 前記受信信号からキャンセル用信号を生成するヒステリシスコンパレータと、
    前記算出した相関値の中から、ピークの大きさが所定値よりも大きく、かつ、ピークに対応する物体まで距離が所定値よりも小さい特定のピークを検出するピーク検出部と、
    前記特定のピークの大きさが減少するように、前記受信信号から前記キャンセル用信号を減算する減算部と
    を更に備える請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  12. 前記送信信号は、前記符号の要素毎に第1の送信休止期間を有し、
    前記受信部は、前記第1の送信休止期間以下の長さの期間であって前記第1の送信休止期間と同一の周期を有する受信期間を有する
    請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  13. 前記受信部は、前記算出した相関値の中の、ピークの大きさが所定値よりも大きく、かつ、ピークに対応する物体まで距離が所定値よりも小さい特定のピークの大きさが減少するように、前記受信期間を時間的に前後させる
    請求項12記載の超音波移動体検出装置。
  14. 前記受信部は、前記算出した相関値の中の、ピークの大きさが所定値よりも大きく、かつ、ピークに対応する物体まで距離が所定値よりも小さい特定のピークの時間的な位置に基づいて、前記受信期間の時間的位置を決定する
    請求項12又は請求項13記載の超音波移動体検出装置。
  15. 前記送信信号は、前記特定の符号の1周期分の送信期間と、第2の送信休止期間とを交互に有し、
    前記差分算出部は、前記第2の送信休止期間に相当する期間を間に挟んだ連続する2フレームの間での前記相関値の差分を算出する
    請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の超音波移動体検出装置。
  16. 前記受信部は、前記送信期間と略同一の長さの受信期間を有する
    請求項15記載の超音波移動体検出装置。
  17. 複数の前記受信期間と移動体までの距離とを対応付けて記憶する距離算出部を更に備え、
    前記受信部は、前記複数の受信期間を有し、
    前記移動体検出部は、前記受信期間毎に移動体を検出し、
    前記距離算出部は、前記移動体検出部が移動体を検出したと判定したときに、前記受信期間に基づいて前記移動体までの距離を算出する
    請求項16記載の超音波移動体検出装置。
  18. 特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信するステップと、
    前記超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調するステップと、
    前記復調した受信信号と前記特定の符号との相関値を算出するステップと、
    前記特定の符号の1周期分に相当する前記相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出するステップと、
    前記差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定するステップと
    を有する超音波移動体検出方法。
  19. コンピュータに、
    特定の符号で変調した送信信号を超音波に変換して送信する手順と、
    前記超音波が物体で反射した反射波を受信して受信信号に変換し、復調する手順と、
    前記復調した受信信号と前記特定の符号との相関値を算出する手順と、
    前記特定の符号の1周期分に相当する前記相関値を1フレームとしたときの、所定の2フレームの差分を算出する手順と、
    前記差分が所定のしきい値よりも大きいときに、移動体を検出したと判定する手順と
    を実行させるための超音波移動体検出プログラム。
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