以下、図面を参照して実施の形態について説明する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の貯湯式給湯システムを示す図である。図1に示すように、本実施の形態の貯湯式給湯システム1は、ヒートポンプユニット2及び貯湯タンク10を備える。ヒートポンプユニット2は、水を加熱する加熱手段の例である。ヒートポンプユニット2内には、圧縮機、給湯用熱交換器、膨張弁、及び空気熱交換器が冷媒配管により順次接続されて構成されたヒートポンプ回路が備えられている。ヒートポンプユニット2及び貯湯タンク10は、ヒートポンプ配管3を介して接続されている。ヒートポンプ配管3は、貯湯タンク10の下部とヒートポンプユニット2とを接続している。また、ヒートポンプ配管3は、貯湯タンク10の上部とヒートポンプユニット2とを接続している。
貯湯タンク10内には、温度による水の密度の差により、上側が高温で下側が低温になる温度成層が形成される。ヒートポンプユニット2及び循環ポンプ4を作動させることで、貯湯タンク10に湯を蓄積する運転である、沸き上げ運転を行うことができる。沸き上げ運転では、以下のようになる。ヒートポンプ配管3の途中に配置された循環ポンプ4により、貯湯タンク10の下部から取り出された水がヒートポンプ配管3を通ってヒートポンプユニット2内に導かれる。この水はヒートポンプユニット2内で沸き上げられて高温の湯になる。この高温の湯が、ヒートポンプ配管3を通って貯湯タンク10の上部に戻される。貯湯タンク10内に上部から高温の湯が蓄積し、下側の低温水との間の温度境界層が下方へ移動する。以下の説明では、沸き上げ運転のときにヒートポンプユニット2から貯湯タンク10の上部へ供給される湯の温度を「沸き上げ温度」と称する。
貯湯タンク10の外面には、上から順に第1〜第4の温度センサ5a〜5dが間隔をあけて設けられている。これらの温度センサ5a〜5dは、貯湯タンク10の上部からの内容積がそれぞれ所定の量、例えば、0L、50L、100L、150Lとなるような高さの位置に配置されている。貯湯タンク10の下部とヒートポンプユニット2とをつなぐヒートポンプ配管3の途中には、第5の温度センサ5eが設けられている。第1〜第5の温度センサ5a〜5eで検知される温度に基づいて、貯湯タンク10内の貯湯量及び蓄熱量を計算できる。ヒートポンプ配管3と貯湯タンク10の上部との接続部分には、沸き上げ温度センサ6が設けられている。この沸き上げ温度センサ6は、沸き上げ温度を検知する。
一般給湯側電動混合弁7は、貯湯タンク10の上部に接続された給湯管8からの高温湯と、水道管等の水源に接続された給水管9からの水とを混合し、その混合された湯水を、混合給湯管30を経由して蛇口等に供給する。
給水管9には、給水温度センサ23が設けられており、給水管9を流れる水の温度を検知することができる。混合給湯管30には、給湯用流量センサ19及び給湯用温度センサ20が設けられており、混合給湯管30を流れる湯の流量及び温度を検知することができる。
風呂給湯側電動混合弁11は、給湯管8からの高温湯と給水管9からの水とを混合し、その混合された湯水を、混合風呂管18及び風呂側循環回路12を経由して浴槽(図示省略)に供給することにより、湯張りを行う。浴槽内の湯量が適量となったところで混合風呂管18の途中に設けられた電磁弁13が閉じ、湯張りが完了する。
混合風呂管18には、風呂用流量センサ21及び風呂用温度センサ22が設けられており、混合風呂管18を流れる湯の流量及び温度を検知することができる。
風呂側循環回路12は、風呂循環ポンプ14により浴槽から浴槽水を引き込み、熱交換器15を経由して浴槽に戻る経路である。また、タンク側循環回路16は、貯湯タンク10の上部から貯湯タンク10内の湯をタンク循環ポンプ17で引き込み、熱交換器15を経由して貯湯タンク10の下部に繋がる経路である。浴槽内の湯の温度を昇温または保温するための浴槽加熱動作を行う場合には、風呂循環ポンプ14及びタンク循環ポンプ17が作動される。これにより、浴槽から風呂側循環回路12に引き込まれた浴槽水と、貯湯タンク10の上部からタンク側循環回路16に引き込まれた高温湯とが、熱交換器15において熱交換を行う。浴槽内の湯の温度が目標温度に達すると、風呂循環ポンプ14及びタンク循環ポンプ17が停止され、浴槽加熱動作が終了する。
本実施の形態の貯湯式給湯システム1は、制御装置24及びリモコン25を備える。上述したヒートポンプユニット2、循環ポンプ4、第1〜第5の温度センサ5a〜5e、沸き上げ温度センサ6、一般給湯側電動混合弁7、風呂給湯側電動混合弁11、電磁弁13、風呂循環ポンプ14、タンク循環ポンプ17、給湯用流量センサ19、給湯用温度センサ20、風呂用流量センサ21、風呂用温度センサ22及び給水温度センサ23は、制御装置24に対して、電気的に接続されている。制御装置24は、貯湯式給湯システム1の各部の動作を制御する。
リモコン25は、制御装置24に対し、双方向にデータ通信可能に接続される。リモコン25は、ユーザーインターフェースの例である。リモコン25は、例えば、浴室または台所等に設置される。貯湯式給湯システム1は、異なる場所に設置される複数のリモコン25を備えてもよい。リモコン25は、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置などからなる表示部と、使用者が操作するスイッチ等の操作部と、スピーカー、マイク等を備える。使用者は、リモコン25の操作部を操作することで、例えば運転動作指令、設定値の変更などの入力操作を行うことができる。リモコン25は、貯湯式給湯システム1の状態等の情報を表示部に表示することで使用者に報知できる。また、リモコン25は、スピーカーから発する音声または音によって使用者に情報を報知できる。
制御装置24は、沸き上げ制御手段24a、使用熱量算出手段24b、目標蓄熱量算出手段24c、モード設定手段24d、及び停止設定手段24eを備える。沸き上げ制御手段24aは、沸き上げ運転におけるヒートポンプユニット2及び循環ポンプ4の運転を制御する。
使用熱量算出手段24bは、貯湯タンク10から取り出されて使用された湯の熱量を次のようにして算出する。使用熱量算出手段24bは、給湯用流量センサ19、給湯用温度センサ20及び給水温度センサ23によって検出される流量及び温度に基づいて、給湯に使用された熱量を算出する。また、使用熱量算出手段24bは、風呂用流量センサ21、風呂用温度センサ22及び給水温度センサ23によって検出される流量及び温度に基づいて、風呂湯張りに使用された熱量を算出する。使用熱量算出手段24bは、そのようにして算出された、1日間(24時間)の使用熱量を積算することで、1日間の使用熱量Q_dayを算出する。使用熱量算出手段24bは、浴槽水の追い焚きが行われた場合に、浴槽水の湯量と、浴槽水の温度上昇値とに基づいて、追い焚きに使用された熱量を算出し、この算出した熱量を上記使用熱量に加算してもよい。追い焚きに使用された熱量は、例えば、浴槽水の量(例えば180L)×浴槽水の温度上昇値(例えば10℃)/換算係数、という計算式によって求めることができる。
目標蓄熱量算出手段24cは、使用熱量算出手段24bによって算出された、過去の複数日の使用熱量データに基づいて、貯湯タンク10に蓄える目標蓄熱量を算出する。制御装置24のメモリには、目標蓄熱量のうち、電気料金単価が割安に設定されている夜間時間帯に貯めるべき熱量の割合である夜間率が記憶されている。夜間時間帯とは、例えば、23時から翌朝7時までである。目標蓄熱量算出手段24cは、目標蓄熱量に、上記夜間率を乗じて夜間目標熱量を算出する。上記夜間率は、貯湯式給湯システム1が24時間で使用する電力量のうち、上記夜間時間帯に使用すべき電力量の割合にも相当する。
上記夜間時間帯とは、深夜電力、時間帯別電灯契約等の電力会社との契約によって定められる。深夜電力とは、電力消費の少ない深夜から朝にかけての電気を使用することによって、電気料金が割安になる契約である。時間帯別電灯契約とは、電力を昼間と夜間の2つの時間帯に分けて、電気料金を計算する契約であり、昼間の電気料金は若干高くなるが、夜間の電気料金は大幅に割引されるものである。上述した電力料金契約は一例であり、本実施の形態の貯湯式給湯システム1は、あらゆる電力料金契約の元で使用可能であることは言うまでもない。
モード設定手段24dは、使用者の指示に応じて、満タン沸き増しモードを設定する。満タン沸き増しモードは、貯湯タンク10内の蓄熱量を所定量以上に維持するように沸き上げ運転を行う沸き上げモードである。例えば、リモコン25に設けられた所定のスイッチが使用者により操作された場合に、モード設定手段24dが満タン沸き増しモードを設定する。満タン沸き増しモードが設定された場合には、沸き上げ制御手段24aは、その当日は、貯湯タンク10内の蓄熱量を監視し、蓄熱量の低下が検出された場合には、蓄熱量が上記所定量以上まで回復するように、随時、沸き上げ運転を実行する。
例えば、親戚あるいは友人が遊びに来る日など、普段の日に比べて使用湯量が増加すると考えられる日に、使用者は、満タン沸き増しモードを設定することで、湯切れを確実に防止できる。
モード設定手段24dは、使用者により満タン沸き増しモードが設定されない場合には、満タン沸き増しモード以外の沸き上げモードを設定する。満タン沸き増しモードが設定されていない場合には、沸き上げ制御手段24aは、満タン沸き増しモードが設定されている場合に比べて、貯湯タンク10内の蓄熱量が少なくなるように沸き上げ運転を行う。以下の説明では、満タン沸き増しモードが設定された日を「満タン沸き増し日」と称する。
満タン沸き増し日の翌日、満タン沸き増しモードが設定されなかったと仮定する。この場合には、当該満タン沸き増し日は、親戚あるいは友人が遊びに来る日などの、使用湯量が一時的に増加する特異日だった可能性が高いと判断できる。そのような特異日の使用湯量データを目標蓄熱量の計算に算入したと仮定すると、目標蓄熱量の値が必要以上に大きくなってしまう。
満タン沸き増し日が複数日連続したと仮定する。この場合には、例えば世帯の人数が増えるなどの理由によって使用湯量が恒常的に増加した可能性が高いと判断できる。このような場合に、満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないと仮定すると、恒常的に増加した使用湯量を学習することができず、目標蓄熱量の値が過小になってしまう。その結果、貯湯タンク10内の蓄熱量が不足しがちになる日が何日も続いてしまう可能性がある。
上述した事項を鑑みて、本実施の形態では、以下のようにする。目標蓄熱量算出手段24cは、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数に達している場合には、それらの連続した満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入する。これにより、世帯の人数が増えるなどの理由で使用湯量が恒常的に増加した場合に、その増加した使用湯量を速やかに学習することができ、不足の無い適切な目標蓄熱量を計算できる。
また、本実施の形態では、目標蓄熱量算出手段24cは、満タン沸き増し日が連続している日数が基準日数に達していない場合には、その満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないようにする。満タン沸き増し日が連続した日数がまだ基準日数に達していない場合には、当該満タン沸き増し日は、親戚あるいは友人が遊びに来る日などの、使用湯量が一時的に増加する特異日である可能性が高いと判断できる。よって、この場合には、満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないようにすることで、目標蓄熱量の値が必要以上に大きくなることを防止できる。
なお、以下の記述では、上記基準日数が2日である場合を例に説明するが、上記基準日数を、3日、またはそれ以上の日数にしてもよい。また、上記基準日数の値を使用者が変更できるように構成されていてもよい。
停止設定手段24eは、使用者の指示に応じて、指定された期間、沸き上げ運転の停止を設定する。以下の説明では、沸き上げ運転の停止を「沸き上げ停止」とも呼ぶ。例えば、リモコン25に設けられた所定のスイッチが使用者により操作された場合に、停止設定手段24eは、使用者が指定した日数の間、沸き上げ停止を設定する。沸き上げ停止が設定された場合には、沸き上げ制御手段24aは、その期間の沸き上げ運転を停止する。すなわち、沸き上げ制御手段24aは、その期間、沸き上げ運転を実行しない。停止設定手段24eを備えたことで、湯の使用者が不在となる期間(例えば、家族旅行の期間)に、沸き上げ運転を停止できるので、不必要な沸き上げ運転の実行を回避できる。以下の説明では、停止設定手段24eにより沸き上げ運転が停止された日を「沸き上げ停止日」と称する。
沸き上げ停止日の使用熱量は、ごく少ないか、またはゼロであると考えられる。このため、沸き上げ停止日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入したと仮定すると、目標蓄熱量の値が過小になってしまう。そこで、本実施の形態では、目標蓄熱量算出手段24cは、沸き上げ停止日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないようにする。これにより、適切な目標蓄熱量を計算できる。
次に、実施の形態1の動作を図2に基づいて説明する。図2は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1の制御動作のフローチャートである。以下の説明では、制御装置24は、23時から翌日の23時までの24時間を1日として制御するものとする。23時が到来して直近の1日間が終了すると、制御装置24は、図2の処理を開始し、次の1日のための目標蓄熱量を算出する。以下の説明では、当該「次の1日」、すなわち目標蓄熱量の対象となる日を「制御対象日」と称する。23時で終了した直近の1日間は、制御対象日の1日前の日に相当する。以下の説明では、制御対象日の1日前の日のことを単に「1日前」と呼ぶ場合がある。同様にして、制御対象日のn日前の日のことを単に「n日前」と呼ぶ場合がある。
図2のステップS1で、使用熱量算出手段24bは、23時で終了した直近の1日間の使用熱量Q_dayを計算する。その計算された使用熱量データは、1日前の使用熱量Q_day1としてメモリに記憶される。メモリには、前日以前に同様にして計算された、2日前の使用熱量Q_day2,3日前の使用熱量Q_day3,・・・,n日前の使用熱量Q_daynからなる過去の複数日の使用湯量データが記憶されている。
処理はステップS1からステップS2に進む。ステップS2で、制御装置24は、1日前に沸き上げ停止が設定されていたかどうかを判断する。1日前に沸き上げ停止が設定されていない場合、すなわち1日前が沸き上げ停止日に該当しない場合には、処理はステップS2からステップS3に進む。ステップS3で、制御装置24は、1日前に満タン沸き増しモードが設定されていたかどうかを判断する。1日前に満タン沸き増しモードが設定されていない場合、すなわち1日前が満タン沸き増し日に該当しない場合には、処理はステップS3からステップS4に進む。ステップS4で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前及び2日前を含む過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS4で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の使用熱量Q_day1及び2日前の使用熱量Q_day2を含む過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。学習対象日とする日数は、例えば、14日程度でもよい。
ステップS3で、1日前に満タン沸き増しモードが設定されていた場合、すなわち1日前が満タン沸き増し日に該当する場合には、処理はステップS5に進む。ステップS5で、制御装置24は、2日前に満タン沸き増しモードが設定されていたかどうかを判断する。2日前に満タン沸き増しモードが設定されていない場合、すなわち2日前が満タン沸き増し日に該当しない場合には、処理はステップS5からステップS6に進む。ステップS6で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前を除いた過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS6で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の使用熱量Q_day1を除いた過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。ステップS6の処理は、満タン沸き増し日が連続している日数が基準日数(2日)に達していない場合に、その満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しない処理に相当する。
ステップS5で、2日前に満タン沸き増しモードが設定されていた場合、すなわち2日前が満タン沸き増し日に該当する場合には、処理はステップS7に進む。ステップS7で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前及び2日前を含む過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS7で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の使用熱量Q_day1及び2日前の使用熱量Q_day2を含む過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。ステップS7の処理は、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数(2日)に達している場合に、それらの連続した満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入する処理に相当する。
ステップS2で、1日前に沸き上げ停止が設定されていた場合、すなわち1日前が沸き上げ停止日に該当する場合には、処理はステップS8に進む。ステップS8で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前を除いた過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS8で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の使用熱量Q_day1を除いた過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。ステップS8の処理は、沸き上げ停止日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しない処理に相当する。
処理は、ステップS4、ステップS6、ステップS7、またはステップS8から、ステップS9へ進む。ステップS9で、目標蓄熱量算出手段24cは、ステップS4、ステップS6、ステップS7、またはステップS8で算出された、1日間の使用熱量の平均値Q_aveに基づいて、下記(1)式に従い、目標蓄熱量Qoを算出する。
Qo=Q_ave×放熱係数+起動熱量 ・・・(1)
ここで、放熱係数とは、沸き上げた熱量に対し、風呂湯張り及び入浴等によって湯が使用されるまでの間に貯湯タンク10からの放熱によって熱量が減少することを考慮して、予め設定されている値(例えば1.1)である。起動熱量とは、昼間時間帯の沸き上げを開始する貯湯タンク10内の残湯量から演算されるタンク熱量条件(例えば3500kcal)である。
なお、目標蓄熱量算出手段24cは、Q_aveを用いる処理に代えて、上述した学習対象日のうちで使用熱量が最大である日の使用熱量Q_maxに基づいて、目標蓄熱量Qoを算出するようにしてもよい。
次に、ステップS10で、目標蓄熱量算出手段24cは、目標蓄熱量Qoと、前述した夜間率とに基づいて、下記(2)式に従い、夜間時間帯に貯湯タンク10に貯める熱量の目標値である夜間目標熱量Qo_nightを算出する。上記夜間率は、100%未満の値(例えば80%)に設定されている。
Qo_night=Qo×夜間率 ・・・(2)
次に、ステップS11で、制御装置24は、夜間目標熱量Qo_nightに基づいて、下記(3)式に従い、沸き上げ目標温度Tpを算出する。
Tp=Qo_night/(タンク容量−マージン)+給水温度 ・・・(3)
ここで、タンク容量とは、貯湯タンク10の容量(例えば370L)である。マージンとは、貯湯タンク10内の一定量は、放熱して給湯に使用できないことを考慮した値(例えば60L)である。給水温度とは、給水温度センサ23によって検出される給水温度(例えば10℃)である。
次に、ステップS12で、制御装置24は、第2〜第5の温度センサ5b〜5eからの入力値に基づいて、貯湯タンク10内の蓄熱量Qtを算出する。次いで、ステップS13で、制御装置24は、この蓄熱量Qtと、夜間目標熱量Qo_nightとに基づいて、下記(4)式に従い、夜間時間帯の沸き上げ熱量Qnを算出する。
Qn=Qo_night−Qt ・・・(4)
次に、ステップS14で、制御装置24は、夜間時間帯の沸き上げ熱量Qnに基づいて、下記(5)式に従い、夜間時間帯の沸き上げ時間Twを算出する。次に、ステップS15で、制御装置24は、下記(6)式に従い、夜間時間帯の沸き上げ開始時刻t−startを算出する。
Tw=Qn/860[cal/Wh]/Hac[kW]×60[分] ・・・(5)
t−start=夜間時間帯終了時刻−Tw ・・・(6)
ここで、Hacとは、ヒートポンプユニット2における加熱能力(例えば4.5kW)である。
次に、ステップS16で、制御装置24は、現在時刻が沸き上げ開始時刻t−startになったかどうかを判断する。現在時刻がまだ沸き上げ開始時刻t−startになっていない場合には、処理はステップS12に戻る。このようにして、沸き上げ開始時刻t−startになるまでは、ステップS12からステップS15の処理が繰り返し実行される。
現在時刻が沸き上げ開始時刻t−startになった場合には、処理はステップS17に進む。ステップS17に進むと、沸き上げ制御手段24aが沸き上げ運転を実行する。次のステップS18で、沸き上げ制御手段24aは、貯湯タンク10内の蓄熱量Qtが夜間目標熱量Qo_nightに達したかどうかを判断し、蓄熱量Qtが夜間目標熱量Qo_nightに達するまで沸き上げ運転を継続する。蓄熱量Qtが夜間目標熱量Qo_nightに達すると、処理はステップS19に進み、沸き上げ制御手段24aが沸き上げ運転を終了する。
本実施の形態において、沸き上げ制御手段24aは、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数に達した場合、次回の沸き上げ運転での貯湯タンク10に蓄積する湯の量または温度を、前回の沸き上げ運転で貯湯タンク10に蓄積した湯の量または温度に比べて大きくしてもよい。これにより、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数に達した場合の貯湯タンク10の蓄熱量を、より適切に制御することが可能となる。
また、本実施の形態において、沸き上げ制御手段24aは、停止設定手段24eにより沸き上げ運転が停止された場合、次回の沸き上げ運転(沸き上げ停止期間後の最初の沸き上げ運転)での貯湯タンク10に蓄積する湯の量または温度を、前回の沸き上げ運転(沸き上げ停止期間の直前の沸き上げ運転)で貯湯タンク10に蓄積した湯の量または温度と同一にしてもよい。これにより、沸き上げ停止期間の後に沸き上げ運転を再開する場合の貯湯タンク10の蓄熱量を、より適切に制御することが可能となる。
実施の形態2.
次に、図3を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本実施の形態2の貯湯式給湯システム1のハードウェア構成は実施の形態1と同じであるので、図示及び説明を省略する。
前述した実施の形態1では、満タン沸き増し日が連続している日数が基準日数に達していない場合には、その満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないようにした。これに対し、本実施の形態2では、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の日が満タン沸き増し日に該当している場合には、満タン沸き増し日が連続している日数が基準日数に達していなくても、1日前の日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入する。
そして、本実施の形態2では、目標蓄熱量算出手段24cは、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数に達する前に、満タン沸き増しモードが設定されない日が発生した場合には、当該満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないようにする。
本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。1日前の日が満タン沸き増し日である場合には、その満タン沸き増し日の使用熱量データが目標蓄熱量の計算に算入されるので、例えば世帯の人数が増えたなどの理由によって使用湯量が急増したときに、その翌日から迅速に目標蓄熱量に反映させることができる。このため、例えば世帯の人数が増えたなどの理由で使用湯量が急増した直後の日でも、貯湯タンク10内の蓄熱量が不足しがちになることを防止できる。また、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数に達する前に、満タン沸き増しモードが設定されない日が発生した場合には、使用湯量が恒常的に増加したのではなく、その満タン沸き増し日は、親戚あるいは友人が遊びに来るなどの一時的な理由によるものと判断できる。よって、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数に達する前に、満タン沸き増しモードが設定されない日が発生した場合に、当該満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しないようにすることで、目標蓄熱量の値が不必要に大きくなることを防止できる。
図3は、実施の形態2の貯湯式給湯システム1の制御動作のフローチャートである。図3のフローチャートは、図2のフローチャートと比べて、ステップS4,S5,S6及びS7に代えて、ステップS20,S21,S22及びS23を有すること以外は同じである。
図3のステップS3で、1日前に満タン沸き増しモードが設定されていない場合、すなわち1日前が満タン沸き増し日に該当しない場合には、処理はステップS20に進む。ステップS20で、制御装置24は、2日前に満タン沸き増しモードの突発的な設定があったかどうかを判断する。この「突発的」とは、3日前に満タン沸き増しモードが設定されることなく2日前に満タン沸き増しモードが設定されること、を意味する。2日前に満タン沸き増しモードの突発的な設定がなかった場合には、処理はステップS20からステップS21に進む。「2日前に満タン沸き増しモードの突発的な設定がなかった場合」とは、2日前が満タン沸き増し日に該当しない場合と、2日前及び3日前が共に満タン沸き増し日に該当する場合とを含む。ステップS21で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前及び2日前を含む過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS21で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の使用熱量Q_day1及び2日前の使用熱量Q_day2を含む過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。
ステップS20で、2日前に満タン沸き増しモードの突発的な設定があった場合には、処理はステップS22に進む。ステップS22で、目標蓄熱量算出手段24cは、2日前を除いた過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS22で、目標蓄熱量算出手段24cは、2日前の使用熱量Q_day2を除いた過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。ステップS22の処理は、満タン沸き増し日が連続した日数が基準日数(2日)に達する前に、満タン沸き増しモードが設定されない日が発生した場合に、当該満タン沸き増し日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入しない処理に相当する。
ステップS3で、1日前に満タン沸き増しモードが設定されていた場合、すなわち1日前が満タン沸き増し日に該当する場合には、処理はステップS23に進む。ステップS23で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前を含む過去の複数日を学習対象日とし、その学習対象日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。すなわち、ステップS23で、目標蓄熱量算出手段24cは、1日前の使用熱量Q_day1を含む過去の複数日の使用熱量データを算術平均することで、1日間の使用熱量の平均値Q_aveを算出する。ステップS23の処理は、1日前の日が満タン沸き増し日に該当している場合には、満タン沸き増し日が連続している日数が基準日数に達していなくても、1日前の日の使用熱量データを目標蓄熱量の計算に算入する処理に相当する。
本実施の形態において、沸き上げ制御手段24aは、制御対象日の1日前の日が満タン沸き増し日に該当している場合には、制御対象日の沸き上げ運転での貯湯タンク10に蓄積する湯の量または温度を、制御対象日の1日前の沸き上げ運転で貯湯タンク10に蓄積した湯の量または温度に比べて大きくしてもよい。これにより、満タン沸き増し日の翌日における貯湯タンク10の蓄熱量を、より適切に制御することが可能となる。
貯湯式給湯システム1の制御装置24は、以下のように構成されてもよい。制御装置24の各機能は、処理回路により実現されてもよい。制御装置24の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備えてもよい。制御装置24の処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェアを備えてもよい。単一の制御装置により動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の制御装置が連携することで動作を制御する構成にしてもよい。