JP2018071757A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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祐一 淺野
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【課題】トリポード型等速自在継手の性能を維持しながら円周方向ガタを大幅に削減することができるトリポード型等速自在継手を提供する。【解決手段】内周に軸線方向に延びる3本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されるとともに前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラを有するトルク伝達部材とを備えたトリポード型等速自在継手である。外側継手部材のトラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間の最小値が無負荷状態において−50μm〜+10μmである。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達装置に用いられるトリポード型等速自在継手に関する。
等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手とに大別される。また、摺動式等速自在継手には、図9及び図10に示すトリポード型等速自在継手がある。
このようなトリポード型等速自在継手は、外側継手部材1と、内側継手部材としてのトリポード部材2と、トルク伝達部材としてのローラ3とを備える。外側継手部材1は一端にて開口したカップ状のカップ部5と、このカップ部5の底壁5aから突設される軸部6とを有する。カップ部5は、その内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝7が形成してある。カップ部5は、横断面で見ると、大径部8aと小径部8bが交互に現れる非円筒形状である。すなわち、カップ部5は、大径部8aと小径部8bとを形成することによって、その内周面に、軸方向に延びる3本の前記トラック溝7が形成される。
各トラック溝7の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)7a、7aが形成される。また、内径面においては、円周方向に交互に現れる小内径部9bと大内径部9aをローラ案内面7aで接続した3弁の花冠状を呈している。すなわち、外側継手部材1は、円周方向に向き合ったローラ案内面7a,7aと両ローラ案内面7a,7a間に設けられた大内径部9aからなるトラック溝7が内周の三箇所に形成されるものである。
トリポード部材2はボス10と脚軸11とを備える。ボス10にはシャフト(図示省略)とトルク伝達可能に結合するスプライン孔10aが形成してある。脚軸11はボス10の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。
この場合、ローラ3は、脚軸11の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ12を介して外嵌されている。脚軸11の外周面は針状ころ12の内側転動面を構成し、ローラ3の内周面は針状ころ12の外側転動面を構成している。すなわち、この図9と図10に示すトリポード型等速自在継手は、シングルローラタイプである。なお、複数の針状ころ12は、脚軸11の外周面とローラ3の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ12は、脚軸11の付け根部に外嵌されたインナワッシャ13と半径方向内側で接すると共に、脚軸11の先端部に外嵌されたアウタワッシャ14と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ14は、脚軸11の先端部に形成された環状溝15に丸サークリップ等の止め輪16を嵌合させることにより抜け止めされている。
図12と図13は、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手である。この場合、トルク伝達部材は、その外径面が凸球面とされたリング状体からなるローラ20と、このローラ20に複数の針状ころ21を介してリング22とを備える。すなわち、ローラ20とリング22とが複数の針状ころ21を介してユニット化され、これら等でローラアセンブリ(ローラユニット)を構成している。この場合、ローラ20を外側ローラ(アウタローラ)と呼び、リング22を内側ローラ(インナローラ)と呼ぶことができる。
すなわち、リング(内側ローラ)22は脚軸11の外周面に外嵌している。内側ローラ22の円筒形外周面を内側軌道面とし、外側ローラ20の円筒形内周面を外側軌道面として、これらの内外軌道面間に針状ころ21が転動自在に介在する。針状ころ21は、できるだけ多くのころを入れた、保持器のない、いわゆる総ころ状態で組み込まれている。なお、外側ローラ20の端部内周面に形成した環状溝には、針状ころ21の抜け止め用のワッシャ23a、23bが装着されている。なお、このダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手の他の構成は、前記シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手と同様であるので、同一部材については、図12と図13において、図9と図10と同一の符号を附して、それらの説明を省略する。
ところで、シングルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであっても、外側継手部材のトラック溝のローラ案内面・ローラ・ニードル(針状ころ)・トリポード部材(トラニオン)等の各部品間に隙間が形成されている。これによって、ローラが滑らかに回転することができ、かつ、作動角を取りながら滑らかにスライドさせることができるように設定している。
一般に、各部品間の隙間の中でも、鍛造で成形されるトラック溝の案内面とローラの間の隙間は他の部品間の隙間よりも大きく設定される(特許文献1及び特許文献2参照)。
すなわち、シングルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであっても、図11及び図14に示すように、トラック溝のローラ案内面とローラとの間に隙間t`が形成される。この隙間t`は、例えば、0.20mm程度に設定される。
特開2002−54649号公報 特開2002−235766号公報
ところで、トリポード型等速自在継手の課題の1つに、円周方向ガタ(バックラッシュ)が大きいという問題がある。また、トリポード型等速自在継手は、外側継手部材のカップ部内を冷間鍛造で仕上げることが多く、トラック溝の幅寸法(トラック径)は、軸方向でばらつきがある。また、3位相のトラック径のばらつきもある。そのため、トラック径の軸方向ばらつきと3位相のトラック径のばらつきを考慮し、常に隙間になるローラを選択する必要があり、円周方向ガタを小さくすることが難しい。
このガタが大きいと等速自在継手の内部部品間の衝突に起因する打音が発生したり、他の駆動系と影響し合って振動を引き起こすことがある。また、アクセルを踏み込んだ時のレスポンス性が悪くなるという問題もある。そのため、バックラッシュを大幅に削減するよう強い要望がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、トリポード型等速自在継手の性能を維持しながら円周方向ガタを大幅に削減することができるトリポード型等速自在継手を提供するものである。
本発明のトリポード型等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる3本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されるとともに前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラを有するトルク伝達部材とを備えたトリポード型等速自在継手であって、外側継手部材のトラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間の最小値が無負荷状態において−50μm〜+10μmであるものである。
本発明のトリポード型等速自在継手によれば、トラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間が、しまりばめから微小のすきまばめとなって、円周方向のガタを低減できる。
すなわち、本発明のトリポード型等速自在継手は、外側継手部材のトラック溝の実車でのスライド範囲において、外側継手部材のトラック溝の案内面とローラ間の隙間がほぼ0または僅かに負になる部分を設けることになる。外側継手部材のトラック溝の案内面とローラとの間がほぼ0または僅かに負隙間になる部位においては、円周方向のガタはほぼ無くなる。また、負隙間でない部分においても、全トラック溝において隙間になるローラを選択する場合より、ほぼ0または負隙間を許容したローラを選択する方が隙間を低減できるため、等速自在継手全体の円周方向ガタを大幅に削減することができる。
外側継手部材のトラック溝の案内面とローラ間の隙間が負になると、ローラの摺動抵抗が増加するため、スライド抵抗の増加や、スライド抵抗に起因する誘起スラスト力の増加が懸念されるが、トルクが負荷されるとトラック間距離が弾性変形で拡大し、トラックとローラ間の隙間が負から正に変わるように設定できる。これによって、ローラがスムーズに回転し、滑らかにスライドできる。
従って、トラックとローラ間の隙間が負隙間であっても、トルクが入力される実車においては、実用上問題は無く、しかも円周方向ガタは大幅に削減することができる。
トラック溝の長手方向中央部に、ローラ案内面間距離が最小となる部位を設け、この部位における、トラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間が0または僅かに負であるものであってもよい。このように設定することによって、トラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間がしまりばめから中間ばめとなり円周方向のガタを低減できる。
ローラが、脚軸に複数の針状ころを介して回転可能に取付られるシングルローラタイプであっても、ローラが、脚軸に外嵌されたインナローラの外周側に配置されたアウタローラであるダブルローラタイプであってもよい。
本発明のトリポード型等速自在継手では、円周方向のガタを低減できるので、継手内部の内部部品(トリポード部材及びトルク伝達部材等からなる内部部品)間の衝突に起因する打音や、他の駆動系と影響し合って引き起こされる振動の発生を抑制でき、またアクセルを踏み込んだ時のレスポンス性を向上させることができる。
本発明のシングルローラタイプのトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 図1のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 図1のトリポード型等速自在継手の要部拡大断面図である。 図1のトリポード型等速自在継手を示し、(a)はトルクが負荷される前の要部拡大断面図であり、(b)はトルクが負荷されている状態の要部拡大図である。 負荷トルクとスライド抵抗との関係を示すグラフ図である。 本発明のダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 図6のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 図6のトリポード型等速自在継手の要部拡大断面図である。 従来のシングルローラタイプのトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 図9のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 図9のトリポード型等速自在継手の要部拡大断面図である。 従来のダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 図12のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 図12のトリポード型等速自在継手の要部拡大断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1〜図3に本発明にかかる第1のトリポード型等速自在継手(シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手)を示す。このトリポード型等速自在継手は、外側継手部材31と、内側継手部材としてのトリポード部材32と、トルク伝達部材としてのローラ33とを備える。外側継手部材31は一端にて開口したカップ状のカップ部35と、このカップ部35の底壁35aから突設される軸部36とを有する。カップ部35は、その内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝37が形成してある。カップ部35は、横断面で見ると、大径部38aと小径部38bが交互に現れる非円筒形状である。すなわち、カップ部35は、大径部38aと小径部38bとを形成することによって、その内周面に、軸方向に延びる3本の前記トラック溝37が形成される。
各トラック溝37の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)37a、37aが形成される。また、内径面においては、円周方向に交互に現れる小内径部39bと大内径部39aをローラ案内面37aで接続した3弁の花冠状を呈している。すなわち、外側継手部材31は、円周方向に向き合ったローラ案内面37a,37aと両ローラ案内面37a,37a間に設けられた大内径部39aからなるトラック溝37が内周の三箇所に形成されるものである。
トリポード部材32はボス40と脚軸41とを備える。ボス40にはシャフト(図示省略)とトルク伝達可能に結合するスプライン孔40aが形成してある。脚軸41はボス40の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。
この場合、ローラ33は、脚軸41の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ42を介して外嵌されている。脚軸41の外周面は針状ころ42の内側転動面を構成し、ローラ33の内周面は針状ころ42の外側転動面を構成している。すなわち、この図1と図2に示すトリポード型等速自在継手は、シングルローラタイプである。なお、複数の針状ころ42は、脚軸41の外周面とローラ33の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ42は、脚軸41の付け根部に外嵌されたインナワッシャ43と半径方向内側で接すると共に、脚軸41の先端部に外嵌されたアウタワッシャ44と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ44は、脚軸41の先端部に形成された環状溝45に丸サークリップ等の止め輪46を嵌合させることにより抜け止めされている。
外側継手部材31のトラック溝37のローラ案内面37aとローラ33との間の隙間の最小値が−50μm〜+10μmであるように設定する。また、トラック溝37の長手方向(継手軸方向)中央部に、ローラ案内面間距離が最小となる部位を設けるのが良い。
すなわち、トラック溝37のローラ案内面37a間の距離は、カップ部35の入口側から中央にかけて徐々に小さくなり、カップ部35の奥側にかけて徐々に大きくなる形状をしている。外側継手部材31は、一般には、鍛造工程→切削工程→焼入れ工程→研削工程で製作され、カップ部35内は鍛造で仕上げられているため、鍛造の工程にてカップ部35の中央部に、ローラ案内面間距離が最小となる形状を成形しておく。カップ部35の中央部は、実車で使用するスライド範囲となるため、実車の使用域において円周方向ガタを低減することができる。
トラック間距離が最も小さくなるカップ部35の中央部において、トラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が適正範囲になるように、ローラ33を選択して使用する。その際、トラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間がほぼ0または僅かに負になるように選択する。この場合、トラック溝37の入口側(継手入口側)と奥側(継手奥側)は負の隙間でも正の隙間でも構わない。また、トラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間の最小値の範囲としては、―50〜10μmの範囲とし、継手のサイズや入力されるトルクによって適宜隙間を決定する。
外側継手部材31のトラック溝37の実車でのスライド範囲において、外側継手部材31のトラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間がほぼ0または僅かに負になる部分を設けることになる。外側継手部材31のトラック溝37の案内面37aとローラ33との間がほぼ0または僅かに負隙間になる部位においては、円周方向のガタはほぼ無くなる。また、負隙間でない部分においても、全トラック溝37において隙間になるローラ33を選択する場合より、ほぼ0または負隙間を許容したローラを選択する方が隙間を低減できるため、等速自在継手全体の円周方向ガタを大幅に削減することができる。
外側継手部材31のトラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が負になると、ローラ33の摺動抵抗が増加するため、スライド抵抗の増加や、スライド抵抗に起因する誘起スラスト力の増加が懸念されるが、トルクが負荷されるとトラック間距離が弾性変形で拡大し、トラック溝37とローラ33間の隙間が負から正に変わるように設定できる。すなわち、トルクが負荷されていない状態では、図4(a)に示すように、外側継手部材31のトラック溝37の案内面37aとローラ33間には、正の隙間が形成されない。しかしながら、トルクFが負荷されると、図4(b)に示すように、外側継手部材31のトラック溝37の案内面37aとローラ33間には、正の隙間tが形成される。これによって、ローラ33がスムーズに回転し、滑らかにスライドできる。なお、図4(b)は隙間を説明するために誇張した図にしている。
図5は、負荷トルクとスライド抵抗との関係を示している。図5の実線は、無負荷状態において、トラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が正隙間の場合であり、図5の点線は、無負荷状態において、トラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が負隙間の場合である。
この図5からわかるように、無負荷の時はトラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が負のため、スライド抵抗は高い値であるが、トルクが増大するにつれ、スライド抵抗が低下し、あるトルクからトラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が正のものと同じスライド抵抗の値になる。
従って、トラック溝37の案内面37aとローラ33間の隙間が負隙間であっても、トルクが入力される実車においては、実用上問題は無く、しかも円周方向ガタは大幅に削減することができる。すなわち、本発明のトリポード型等速自在継手では、円周方向のガタを低減できるので、継手内部の内部部品(トリポード部材及びトルク伝達部材等からなる内部部品)間の衝突に起因する打音や、他の駆動系と影響し合って引き起こされる振動の発生を抑制でき、またアクセルを踏み込んだ時のレスポンス性を向上させることができる。
図6と図7は、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手である。この場合、トルク伝達部材は、その外径面が凸球面とされたリング状体からなるローラ50と、このローラ50に複数のころ51を介してリング52とを備える。すなわち、ローラ50とリング52とが複数のころ51を介してユニット化され、これら等でローラアセンブリ(ローラカセット)を構成している。この場合、ローラ50を外側ローラ(アウタローラ)と呼び、リング52を内側ローラ(インナローラ)と呼ぶことができる。
すなわち、リング(内側ローラ)52は脚軸41の外周面に外嵌している。内側ローラ52の円筒形外周面を内側軌道面とし、外側ローラ50の円筒形内周面を外側軌道面として、これらの内外軌道面間に針状ころ51が転動自在に介在する。針状ころ51は、できるだけ多くのころを入れた、保持器のない、いわゆる総ころ状態で組み込まれている。なお、外側ローラ50の端部内周面に形成した環状溝には、針状ころ51の抜け止め用のワッシャ53a、53bが装着されている。なお、このダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手の他の構成は、前記シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手と同様であるので、同一部材については、図6と図7において、図1と図2と同一の符号を附して、それらの説明を省略する。
このダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手においても、外側継手部材31のトラック溝37のローラ案内面37aとローラ50との間の隙間の最小値が−50μm〜+10μmであるように設定する。また、トラック溝37の長手方向(継手軸方向)中央部に、ローラ案内面間距離が最小となる部位を設けるのが好ましい。カップ部35の中央部は、実車で使用するスライド範囲となるため、実車の使用域において円周方向ガタを低減することができる。
このため、このダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手においても、図1と図2に示すシングルローラタイプのトリポード型等速自在継手と同様、「円周方向のガタを低減できるので、継手内部の内部部品間の衝突に起因する打音や、他の駆動系と影響し合って引き起こされる振動の発生を抑制でき、またアクセルを踏み込んだ時のレスポンス性を向上させることができる。」という作用効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、ダブルローラタイプにおいて、図例では、外径面が楕円筒面形状の脚軸としてローラカセットの首振りを可能としたものであったが、外径面が球面形状の脚軸としてローラカセットの首振りを可能としたものであってもよい。
内部部品間の衝突に起因するガタ打ち音、アクセル踏込み時のレスポンス性、スライド対抗、誘起スラスト等について本発明品と従来品とを比較した。従来品として、トラック溝の案内面とローラとの間の隙間を+10μm〜+240μmとし、本発明品として、トラック溝の案内面とローラとの間の隙間を−50μm〜+10μmとした。また、隙間を−50μmよりもさらに負とした場合と、+240μmよりもさらに正としてた場合も調べた。それらの結果を次に表1に示す。なお、従来品における+10μmには、+10μmは入らず、10μmを越えているものであり、本発明品の+10μmには、+10μmが入り、10μm以下である。
Figure 2018071757
本発明品は、無負荷時のスライド抵抗が高いため、実車装着前の取り扱い易さに一部に難有りそれ以外は良である。なお、表1の◎は最良を示し、○は良を示し、×は不良を示し、△は一部に難ありを示している。
31 外側継手部材
32 トリポード部材
33 ローラ
37 トラック溝
37a ローラ案内面
42 針状ころ
50 ローラ(アウタローラ)
52 リング(インナローラ)

Claims (5)

  1. 内周に軸線方向に延びる3本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されるとともに前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラを有するトルク伝達部材とを備えたトリポード型等速自在継手であって、
    外側継手部材のトラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間の最小値が無負荷状態において−50μm〜+10μmであることを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. トラック溝の長手方向中央部に、ローラ案内面間距離が最小となる部位を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. 外側継手部材のトラック溝のローラ案内面とローラとの間の隙間が負隙間となる場合において、トルクが負荷されるとトラック間距離が弾性変形で拡大し、ローラ案内面とローラとの間の隙間が負隙間から正隙間に変わることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. ローラが、脚軸に複数の針状ころを介して回転可能に取付られるシングルローラタイプであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. ローラが、前記脚軸に外嵌されたインナローラの外周側に配置されたアウタローラであるダブルローラタイプであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023068018A1 (ja) * 2021-10-22 2023-04-27 Ntn株式会社 トリポード型等速自在継手

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