JP2018071239A - 建具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、火災時に排煙等のために開放される突き出し窓において、高温状態となった場合でも開放状態を保持できるように構成したものが提案されている。
図1の突き出し窓10は、枠体20と、枠体20内に配置された障子30とを有している。障子30は、上端側に設けられた図示しない回動支持部を介して枠体20に支持され、枠体20に対して横軸線(見付方向に沿う軸線)周りに回動可能となっている。
図1では障子30が閉塞状態に配置されている。障子30は、下框32に設けられたハンドル38で施解錠を行い、ハンドル38を外方向D1に突き出すことで開放することができる。
枠体20は、建築物の躯体の開口部に装着されている。枠体20の内側に障子30を配置する開口部24が形成されている。開口部24は、障子30が配置される外側開口部24aと、外側開口部24aより室内側に設けられた内側開口部24bとを有する。
外側開口部24aと内側開口部24bとの境界には、障子30の框体31の周縁と対向する段差状の対向部24cが形成されている。対向部24cには、障子30の閉塞状態において框体31の周縁と密着するシール材26が環状に連続して配置されている。
本実施形態のガラスパネル35は、複層ガラスで構成されており、防火性能を確保するために室外側のガラスには網入りガラス(耐熱ガラス)が採用されている。なお、ここで言う耐熱ガラスは、20分間火を貫通させなければいいガラスのことである。つまり、ガラス自体が割れても問題無く、火を貫通さえさせなければよい。
図2、図4及び図5に示すように、補強部材40は、障子30の下框32の下面に固定され、下枠22に向かって下向きに突出するように配置されている。補強部材40は、障子30の見付方向D2の略中央のガラスパネル35の下方に設けられている。
また、補強部材40がガラスパネル35の下方に設けられているため、該ガラスパネル35の荷重を支えることができ、ガラスパネル35の落下防止にも寄与している。さらに、補強部材40は下框32の転び防止にも寄与する。そして、補強部材40が下枠22に当接した後、障子30の荷重により補強部材40と下枠22との間に摩擦力が生じ、下框32が見込方向に移動するのを抑制することができる。
パネル支持部材50は、略L字状に形成された部材であり、障子30の縦框33のパネル嵌合溝36に固定される固定部51と、固定部51と一体に設けられて下框32のパネル嵌合溝36内でガラスパネル35を支持する支持部52と、を有している。パネル支持部材50は、例えばステンレスなどの金属で形成されていればよい。
本実施形態のダンパー60は、作動油等の流体が封入された本体部61と、本体部61から突出して両端に設けられた連結端部62と、を有している。ダンパー60の両端に設けられた連結端部62が、それぞれ枠体20の縦枠23と障子30の縦框33とに直接連結されている。
カバー部材65は、例えばステンレスの板材を屈曲させて形成されている。カバー部材65は、縦框33に締結される固定部67と、固定部67から屈曲して立ち上がるように形成された立上部68と、立上部68に連設されダンパー60の連結端部62を挟んで互いに対向するように両側に配置される被覆部69と、を有している。
これにより、火災時に四方枠状に構成された框体31が高温に晒されることで、下框32が框体31の他の部位から下方へ変位し易くなっても、下框32にガラスパネル35の自重が直接かからないため、下框32の変形を抑制することができる。その結果、火災等の際に障子30の閉塞状態を保持することができ、突き出し窓10の防火性能を長時間に亘って確保することができる。
例えば、上記では枠体20の各枠21,22,23や框体31の各框32,33,34の形状を例示したが、何ら限定されるものではなく、各種の形状を有する枠材や框体に本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、建具として突き出し窓10の例を用いて説明したが、枠体20内に配置された障子30が、回動支持部により軸線周りに回動可能に支持されていて障子30の下に間隙が形成されている建具、例えば、縦辷り窓や框ドアなどであれば、本発明を適用することができる。
また、補強部材40の取付箇所や形状については上記実施形態の構成に限られず、火災等の際に障子の荷重を補強部材を介して下枠で支持することができるようになっていればよい。例えば、補強部材40は下框32の平坦面32aの見付方向略全長に亘って設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、下框32にセッティングブロック75を設けたが、セッティングブロック75は無くてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材40およびセッティングブロック75が下框32の見付方向略中央に設けられた場合の説明をしたが、設置場所は見付方向略中央でなくてもよい。例えば、框ドアなどは吊元側をヒンジで支持固定しているため、補強部材40およびセッティングブロック75は若干戸先側に設けてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材40を障子30の下框32に固定した例について説明したが、補強部材40を枠体20の下枠22に固定して設けることも可能である。
さらに、上記実施形態では、パネル支持部材50が突き出し窓10の障子30に取り付けられた場合で説明したが、このパネル支持部材50は他の種類の建具の障子に取り付けることもできる。
Claims (7)
- 枠体と該枠体内に配置された障子とを有し、前記障子が回動支持部により前記枠体に対して軸線周りに回動可能に支持され、前記枠体の下枠と前記障子の下框との間に間隙を有する建具において、
火災時に、前記枠体に対して前記障子が下方に移動した際に、前記下枠及び前記下框に当接し、前記下框を前記下枠で支持する補強部材が前記間隙に設けられていることを特徴とする建具。 - 前記障子は、四方枠状に構成された框体と、該框体の内側に配置されたパネルと、を備え、
前記下框の見付方向の略中央部に、前記パネルを支持可能なセッティングブロックが配され、
該セッティングブロックの下方に前記補強部材が設けられている請求項1に記載の建具。 - 前記障子の縦框のパネル嵌合溝に固定された固定部と、前記固定部と一体に設けられて前記下框のパネル嵌合溝内で前記パネルを支持する支持部と、を有するパネル支持部材が設けられている請求項1または2に記載の建具。
- 前記補強部材は、前記下枠及び前記下框の一方側から他方側に延びる突出部を備え、
前記パネルが複層ガラスで構成され、該複層ガラスの少なくとも一方が耐熱ガラスであり、
前記突出部は、前記パネル嵌合溝の見込方向中央より前記耐熱ガラス側に設けられている請求項3に記載の建具。 - 前記間隙における前記下枠及び前記下框の少なくともいずれか一方に、前記下枠及び前記下框の反りを防止する反り防止部材が設けられており、
前記補強部材は、前記反り防止部材よりも先に前記下枠及び前記下框に当接するように構成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の建具。 - 前記補強部材は、前記下框に取り付けられる取付部と、該取付部から前記下枠に向かって突出する突出部と、を備え、
前記下框に前記補強部材を取り付けた状態において、前記下枠における前記突出部に対向する対向面よりも室外側は、該対向面と同じ高さまたは下方に延びる面で構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の建具。 - 前記障子が上端側の前記回動支持部により前記枠体に横軸線周りに回動可能に支持された突き出し窓であり、
前記障子が防火性能を有するもので構成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の建具。
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