JP2018071125A - 鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法および鋼板コンクリート構造体の構築方法 - Google Patents

鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法および鋼板コンクリート構造体の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業手間を軽減しつつ、コンクリート上面に形成された凹部の面積を高精度で把握できる、鋼板コンクリート構造体の構築方法を提供すること。【解決手段】鋼板コンクリート構造体の構築方法は、免震基礎1の構築方法である。鋼板コンクリート構造体の構築方法は、所定のコンクリートまたはグラウト材の調合で、鋼板コンクリート構造体の試験体40を構築し、この試験体40の充填率を求めるステップS1〜S8と、この得られた充填率が所定の閾値を超える場合には、試験体40に用いたコンクリートまたはグラウト材の調合で、免震基礎1を実施工するステップS9、S10と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリートまたはグラウト材が充填されて上面に鋼板が打ち込まれた鋼板コンクリート構造体について、コンクリートまたはグラウト材の充填状況を測定する方法、および鋼板コンクリート構造体の構築方法に関する。
従来より、鉄筋コンクリート造の免震基礎の上に免震装置を取り付けることが行われる。この場合、免震基礎のコンクリートに、免震装置を取り付けるためのベースプレートを打ち込む必要がある。
免震基礎は、以下の手順で構築される。すなわち、免震基礎の配筋を行い、その後、免震基礎の外周側面に沿って型枠を建て込む。次に、鉄筋の上にベースプレートを設置する。この状態で、ベースプレートの中央の開口から型枠内にコンクリートを圧入する。
ここで、コンクリートの充填率は、一般に、90〜95%程度必要とされている。コンクリートの充填率とは、ベースプレート下面のコンクリート表面積に対する、気泡(凹部)が形成されていない平滑な部分の面積の割合である。ベースプレートには、免震装置から大きな鉛直加重が作用するため、コンクリートの充填率が低いと、この鉛直荷重を免震基礎に伝達できないためである。
この問題を解決するため、例えば、以下のような方法が提案されている。
第1に、特許文献1には、免震基礎に打設したコンクリートの硬化前に、超音波をこのコンクリートに照射し、測定される波形変化によってコンクリートの状況を判定する充填状況測定方法が提案されている。
第2に、特許文献2には、免震基礎とベースプレートとの間に被充填空間を設け、水硬性スラリー注入管から、この被充填空間に水硬性スラリーを注入し充填し、水硬性スラリーを硬化させることによって水硬性組成物の充填率を高める方法が提案されている。
第3に、特許文献3には、免震装置用ベースプレート下部へのグラウト充填方法が提案されている。このグラウト充填方法では、ベースプレートの中央に設けた孔にグラウトロートを設置し、このグラウトロートの上端からベースプレート下部の隙間にグラウト材を充填する。この提案によれば、グラウトロートの先端部をベースプレート下面より下方に設置した状態で、グラウト材を注入することで、空気の巻き込みを防止しつつ充填できる。
第4に、免震基礎の施工前に、実物大の試験体を用いてコンクリートの圧入実験を行う方法が提案されている。
具体的には、試験体のコンクリートを圧入した後、ベースプレートを取り外す。すると、ベースプレート下面であるコンクリート表面の一部には、気泡である凹部が形成されている。そこで、このコンクリート表面を撮影し、この画像を画像処理することで凹部の面積を算出して、コンクリートの充填率を算出する。
なお、この場合、コンクリート表面の画像を撮影した際、平滑な部分と凹部との区別がつきにくいため、凹部を手作業で着色する。これにより、コンクリート表面の画像において、凹部が認識しやすくなり、コンクリートの充填率を高精度で算出できる。
特開2004−53376号公報 特開2010−242332号公報 特開2000−240073号公報
しかしながら、第1〜3の方法では、コンクリートの充填率を高精度で把握することは困難であった。また、第4の方法では、コンクリート表面の凹部を手作業で着色するため、作業手間がかかる、という問題があった。
本発明は、作業手間を軽減しつつ、コンクリートまたはグラウト材の充填率を高精度で把握できる、鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法および鋼板コンクリート構造体の構築方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、密実な鋼板コンクリート構造体を実現するために、小人数であっても短時間で鋼板コンクリート構造体の密実度合いを確認できる鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法と、この充填状況測定方法を用いた鋼板コンクリート構造体の構築方法を発明するに至った。
本発明の鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法は、鋼板を取り除いたコンクリート表面に形成される凹部分をペンキ等で着色するのではなく、コンクリート表面に粒状体を散布し、凹部分に留まった粒状体の投影面積を算出してコンクリートの充填率を求めるものである。
また、本発明の鋼板コンクリート構造体の構築方法は、先ず、試験体の施工を行い、その試験体を対象に本発明の充填状況測定方法によって得られた充填率が所定の閾値を超えるように、コンクリートまたはグラウト材の調合を決定した後、実施工を行うことを特徴とする。
第1の発明の鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法は、コンクリートまたはグラウト材が充填されて上面に鋼板(例えば、後述のベースプレート20)が打ち込まれた鋼板コンクリート構造体(例えば、後述の免震基礎1)の充填状況を測定する方法であって、前記鋼板コンクリート構造体の鋼板を取り除いた上面(例えば、後述のベースプレート支持面45)に粒状体(例えば、後述の粒状体50)を散布する工程(例えば、後述のステップS4)と、前記粒状体のうち当該鋼板コンクリート構造体の上面に形成された凹部(例えば、後述の凹部46)以外の部分に位置するものを除去する工程(例えば、後述のステップS5)と、前記凹部内に留まった粒状体の投影面積を算出し、前記鋼板コンクリート構造体におけるコンクリートまたはグラウト材の充填率を算出する工程(例えば、後述のステップS6、S7)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、凹部にのみ粒状体が留まるので、この粒状体の投影面積を求めることで、凹部の面積を簡単に求めることができる。よって、鋼板コンクリート構造体の上面の面積に対する、鋼板コンクリート構造体上面のうち凹部以外の部分の面積の割合を求めることで、コンクリートまたはグラウト材の充填率を高精度で求めることができる。
また、従来のようにコンクリート上面の凹部を手作業で着色する必要がないので、作業手間を軽減できる。また、小人数で作業しても、短時間で、鋼板コンクリート構造体の上面の凹部と凹部以外の略平滑な部分とを容易に識別できる。また、鋼板コンクリート構造体上面の凹部に代表される空隙部分と略平滑な部分とを数値化して、定量的に鋼板コンクリート構造体の充填率を確認できる。
なお、粒状体の投影面積を求める場合、構造体の鋼板を取り除いた上面を撮影し、この撮影した画像を画像処理することで、粒状体の投影面積を求めてもよい。
第2の発明の鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法は、前記粒状体が透過性を有していることを特徴とする。
この発明によれば、透過性を有する粒状体を用いることで、凹部に留まる粒状体同士が凹部の深さ方向に重なり合って配置されることになり、粒状体の色の濃淡によって凹部の深さを容易に推定できる。
本発明の鋼板コンクリート構造体の構築方法は、鋼板コンクリート構造体の構築方法であって、所定のコンクリートまたはグラウト材の調合で、鋼板コンクリート構造体の試験体(例えば、後述の試験体40)を構築し、上述の鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法を用いて、当該試験体の充填率を求める工程(例えば、後述のステップS1〜S8)と、当該求めた充填率が所定の閾値を超える場合には、当該試験体に用いたコンクリートまたはグラウト材の調合で、鋼板コンクリート構造体を実施工する工程(例えば、後述のステップS9、S10)と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、予め、試験施工によって、鋼板コンクリート構造体の試験体を構築し、その試験体を対象に充填状況測定方法で得られた充填率が所定の閾値を超えるように、コンクリートまたはグラウト材の調合を決定する。この決定した調合のコンクリートまたはグラウト材で実施工を行うことで、密実な鋼板コンクリート構造体を構築できる。
本発明によれば、作業手間を軽減して、小人数であっても短時間にて、鋼板コンクリート構造体を構成するコンクリートまたはグラウト材の充填率を高精度で把握できる。また、高い充填率で密実な鋼板コンクリート構造体を構築できる。
第1実施形態に係る鋼板コンクリート構造体の構築方法が適用される免震基礎の縦断面図である。 鋼板コンクリート構造体の構築方法で免震基礎を構築する方法のフローチャートである。 免震基礎の構築方法の説明図(その1、コンクリート打設状況)である。 免震基礎の構築方法の説明図(その2、コンクリート上面の模式図)である。 免震基礎の構築方法の説明図(その3、粒状体の散布状況)である。 免震基礎の構築方法の説明図(その4、粒状体の刷毛引き状況)である。 第2実施形態に係る免震基礎の構築方法の説明図(透過性粒状体の使用例)である。 第3実施形態に係る免震基礎の構築方法の説明図(熱可塑性樹脂粒状体の使用例)である。
本発明は、免震基礎下に充填された鋼板コンクリート構造体を対象としたコンクリートの充填状況測定方法と、当該充填状況測定方法を用いた鋼板コンクリート構造体の構築方法である。
充填状況測定方法は、鋼板を取り除いた鋼板コンクリート構造体の上面に粒状体を散布し、その上面に形成された凹部分に留まる粒状体の投影面積を算出して、鋼板コンクリート構造体におけるコンクリートまたはグラウト材の充填率を求める第1実施形態(図1〜図6)がある。他に、透過性を有する粒状体を用いる点が第1実施形態と異なる第2実施形態(図7)と、熱可塑性樹脂の粒状体を用いる点が第1実施形態と異なる第3実施形態(図8)と、がある。
また、本明細書でいう調合とは、調合強度、水セメント比、単位水量、混和剤量、単位セメント量などを決定するとともに、混和材料、細骨材、粗骨材量などを決定し、コンクリート等に要求される性能を実現するために行う調合設計と定義する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る鋼板コンクリート構造体の構築方法が適用される鋼板コンクリート構造体としての免震基礎1の縦断面図である。
免震基礎1は、免震装置10を介して基礎2で建物3を支持する免震構造に用いられる。免震基礎1は、基礎2の上に設けられており、免震装置10は、この免震基礎1の上に設置される。
この免震装置10は、下側のフランジ11と、この下側のフランジ11の上に設けられた積層ゴム12と、この積層ゴム12の上に設けられた上側のフランジ13と、を備える。
積層ゴム12は、鋼板とゴムとが交互に積層されたものである。
上下のフランジ11、13には、周縁部に沿って所定間隔おきに、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔14、15が設けられている。
免震基礎1は、コンクリートが充填された鉄筋コンクリート造であり、この免震基礎1の上面には、矩形状の鋼板としてのベースプレート20が打ち込まれている。このベースプレート20の中央部には、コンクリート打設用の貫通孔21が形成されるとともに、ベースプレート20の周縁部には、貫通孔21を中心とする円環状の所定間隔おきに、雌ねじ22が設けられている。
また、建物3の下面には、ベースプレート30が打ち込まれているが、このベースプレート30は、ベースプレート20と略同一の構造である。
上述の免震装置の下側のフランジ11は、ベースプレート20の上に載置される。この状態で、下側のフランジ11のボルト挿通孔14にボルト16を挿通して、このボルト16をベースプレート20の雌ねじ22に締め付けて固定する。これにより、免震装置10が免震基礎1に接合される。
また、免震装置の上側のフランジ13は、フランジ11と同一の構造であり、ボルト17により、ベースプレート30に固定される。
上述の免震基礎1には、ベースプレート20を介して大きな荷重が作業するため、上述のように、免震基礎1のコンクリートの充填率は、一般に90〜95%程度必要とされている。
そこで、免震基礎1の施工前に、免震基礎1の実物大の試験体を試験施工し、この試験体のコンクリートの充填状況を測定して、合否を判定する。ここで、コンクリートの充填率としては、95%以上を目標とし、90%以上を合格と判断する。また、空隙許容できる最大の許容最大空隙径を80mm以内とする。
試験体40のコンクリートの充填状況が合格である場合には、この試験体に用いたコンクリートの調合および打設方法を用いて、免震基礎1を実施工する。
以下、試験体40のコンクリートの充填状況を測定して、免震基礎1を実施工で構築する手順について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
試験体40は、免震基礎1と同様に、コンクリートが充填された鉄筋コンクリート造の構造体であり、この試験体40の上面には、免震装置を取り付けるための鋼板としてのベースプレート20が打ち込まれる。
ステップS1では、試験体40の配筋を行い、この試験体40の外周側面に沿って外側型枠41を建て込む。ここで、外側型枠41の上端の高さ位置を、ベースプレート20の高さ位置よりも10cm程度高くしておく。
ステップS2では、配筋した鉄筋の上にベースプレート20を設置し、内側型枠42を建て込む。
ステップS3では、図3に示すように、ベースプレート20の中央の貫通孔21にコンクリート打設配管43を接続して、このコンクリート打設配管43を通して外側型枠41の内側にコンクリートを圧入する。外側型枠41の上端の高さ位置は、ベースプレート20より10cm程度高くなっているので、圧入するコンクリートが外側型枠41の天端からオーバーフローするのを確認できるまで、ベースプレート20の下面にコンクリートを圧入する。
ステップS4では、コンクリートが硬化した後、ベースプレート20を取り外す。すると、図4に示すように、コンクリート上面44のうちベースプレート20の直下に位置してベースプレート20を支持する部分(以下、ベースプレート支持面45)が露出する。このベースプレート支持面45はほぼ平滑であるが、一部に気泡である凹部46(図4中斜線で示す)が形成されている。
そこで、図5に示すように、このベースプレート支持面45に、着色した樹脂製の略球形の粒状体50を散布する。この粒状体は、例えば、ガラス製や樹脂製であり、直径2〜5mm程度の大きさである。
ステップS5では、図6に示すように、刷毛60でベースプレート支持面45を掃くことで、粒状体50のうち凹部46以外の部分に位置するものを除去する。
ステップS6では、凹部46の面積を算出する。
具体的には、凹部46は粒状体50が溜まって着色されているので、ベースプレート支持面45をカメラ等で撮影し、この撮影画像をパーソナルコンピュータのソフトウェアに取り込んで画像処理することで、粒状体50で着色された部分の投影面積を算出して、凹部46の面積とする。
ステップS7では、コンクリートの充填率を算出する。
具体的には、撮影画像を画像処理することで、ベースプレート支持面45の面積を算出する。次に、ベースプレート支持面45のうち凹部46以外の部分の面積(つまり、ベースプレート支持面45の面積から凹部46の面積を減算した値)をベースプレート支持面45の面積で除算した値を、コンクリートの充填率として算出する。
ステップS8では、凹部46の平均深さを算出する。
具体的には、凹部46に溜まった粒状体50を図示しない吸引器で吸引して、この吸引した粒状体50の体積を計測し、この計測した体積を凹部46の面積で除算した値を、凹部46の平均深さとして算出する。
ステップS9では、コンクリートの充填率が所定の閾値である90%以上であるか否かを判定する。この判定がYesの場合には、ステップS10に移り、この判定がNoの場合には、ステップS11に移る。
ステップS10では、試験施工で使用したコンクリートの調合および打設方法が良好であったため、今回のコンクリートの調合および打設方法で複数の免震基礎1を実施工で構築する。
ステップS11では、試験施工で使用したコンクリートの調合および打設方法が良好ではなかったため、コンクリートの調合および打設方法のうち少なくとも一方を変更してステップS1に戻り、再度、試験施工を行う。このようにして、良好なコンクリートの調合とコンクリートの打設方法の選定を行う。具体的には、コンクリートの充填率を向上させるために、試験施工時のコンクリートの配合設計をベースとし、コンクリートの流動性を確保するために主にスランプフロー値を調整して、新たに試験施工用の調合を行う。また、グラウト材の場合は、主に水量でフロー調整を行う。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)凹部46にのみ粒状体50が留まるので、この粒状体50の投影面積を求めることで、凹部46の面積を簡単に求めることができる。よって、免震基礎の試験体40のベースプレート支持面45の面積に対する、ベースプレート支持面45のうち凹部46以外の部分の面積の割合を求めることで、コンクリートの充填率を高精度で求めることができる。また、従来のようにベースプレート支持面45の凹部46を手作業で着色する必要がないので、作業手間を軽減できる。
(2)凹部46に留まった粒状体50を集めて、この集めた粒状体50の体積を凹部46の面積で除算することで、凹部46の平均深さを容易に算出できる。また、吸引して集めた粒状体50を再利用することで、コストを低減できる。
(3)試験施工によって免震基礎1の試験体40の充填率を算出した後、この充填率を予め設定した閾値と比較し、良好なコンクリートの調合および打設方法を選定した。よって、施工条件によるばらつきが少なく、安定して高い充填率を有する免震基礎1を構築できる。また、複数の仕様について試験施工し、その施工結果を記録しておくことで、実施工の仕様を短時間で決定できる。
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態に係る充填状況測定方法により試験体40のコンクリートの充填状況を測定する手順の説明図である。
本実施形態では、粒状体50Aが着色されて透過性を有している点が、第1実施形態と異なる。
本実施形態では、図7に示すように、凹部46の深度に応じて色が変化する。つまり、凹部46の深い部分は色が濃くなり、浅い部分は、色が薄くなる。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(4)透過性を有する粒状体50Aを用いることで、凹部46の色の濃淡に基づいて凹部46の深さを容易に目視で確認できる。
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態に係る充填状況測定方法により試験体40のコンクリートの充填状況を測定する手順の説明図である。
本実施形態では、図8に示すように、粒状体50Bが着色された直径略5mmの円盤状の熱可塑性樹脂である点が、第1実施形態と異なる。
本実施形態では、凹部46の面積を算出する際、凹部46内の粒状体50Bに熱風を当てて溶かして、凹部46内に充実させておき、この状態で、ベースプレート支持面45をカメラ等で撮影し、この撮影画像を画像処理して、粒状体50で着色された部分の投影面積を凹部46の面積として算出する。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(5)粒状体50Bを直径略5mmの円盤状としたので、粒状体50Bが直径5mm未満の凹部46に入り込むことはない。よって、直径5mm以上のある程度大きな凹部46についてのみ、面積を求めることができる。
また、粒状体50Bを熱風で溶かして凹部46内に充実させたので、凹部46の面積をより高精度で算出できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態は、鋼板下にコンクリートが充填される免震基礎1を対象としたが、これに限らず、コンクリートの打継面や、ダイヤフラム(補剛板)を有するコンクリート充填鋼管柱についても、適用可能である。
1…免震基礎(鋼板コンクリート構造体) 2…基礎 3…建物
10…免震装置 11…フランジ 12…積層ゴム 13…フランジ
14…ボルト挿通孔 15…ボルト挿通孔 16…ボルト 17…ボルト
20…ベースプレート(鋼板) 21…貫通孔 22…雌ねじ 30…ベースプレート
40…試験体 41…外側型枠 42…内側型枠 43…コンクリート打設配管
44…コンクリート上面 45…ベースプレート支持面 46…凹部
50、50A、50B…粒状体 60…刷毛

Claims (3)

  1. コンクリートまたはグラウト材が充填されて上面に鋼板が打ち込まれた鋼板コンクリート構造体の充填状況を測定する方法であって、
    前記鋼板コンクリート構造体の鋼板を取り除いた上面に粒状体を散布する工程と、
    前記粒状体のうち当該鋼板コンクリート構造体の上面に形成された凹部以外の部分に位置するものを除去する工程と、
    前記凹部内に留まった粒状体の投影面積を算出し、前記鋼板コンクリート構造体におけるコンクリートまたはグラウト材の充填率を算出する工程と、を備えることを特徴とする鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法。
  2. 前記粒状体は、透過性を有していることを特徴とする請求項1に記載の鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法。
  3. 鋼板コンクリート構造体の構築方法であって、
    所定のコンクリートまたはグラウト材の調合で、鋼板コンクリート構造体の試験体を構築し、請求項1または2に記載の鋼板コンクリート構造体の充填状況測定方法を用いて、当該試験体の充填率を求める工程と、
    当該求めた充填率が所定の閾値を超える場合には、当該試験体に用いたコンクリートまたはグラウト材の調合で、鋼板コンクリート構造体を実施工する工程と、を含むことを特徴とする鋼板コンクリート構造体の構築方法。
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