JP2018070858A - 研磨部材固定用粘着剤、研磨部材固定用粘着シート、および研磨部材積層体 - Google Patents

研磨部材固定用粘着剤、研磨部材固定用粘着シート、および研磨部材積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】粘着剤層の凝集力を高めることが可能であり、高温環境下でもズレなどが生じることなく、従来よりも高圧力の研磨に使用でき、また、耐酸性や耐アルカリ性を持ち合わせ、研磨終了後の研磨部材を研磨機定盤から容易に再剥離することが可能で糊残りし難い、研磨部材固定用粘着剤の提供。【解決手段】スチレン含有量20〜40重量%、かつジブロック含有量15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)、ならびにポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含み、ポリテルペン樹脂(B1)の含有量が、共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部であって、粘着付与樹脂(B2)の含有量が、共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部である研磨部材固定用粘着剤により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨部材の固定用途に好適に用いることができる、粘着剤組成物に関する。更に詳しくは、適度な粘着性能と、高温環境下で用いてもズレや剥がれなどが生じ難い耐熱性を有し、研磨後に研磨部材を研磨機定盤から剥がす際に、糊残りし難く、容易に剥離することが可能な性能を有する粘着剤層を形成できる粘着剤組成物に関するものである。
従来、液晶ガラス、ハードディスク用基板、光学レンズ、シリコンウェハ、集積回路等は、研磨部材等を用いて研磨されており、研磨部材の固定には、例えば、研磨部材に粘着テープを貼り合わせ一体化し、積層体とした後、粘着テープ付きの研磨部材積層体を、研磨機の定盤に貼り合せるなどして使用されている。この研磨部材の固定には、様々な被着体に対し、適度な粘着力を発現することが可能なゴム系粘着剤が使用されているが、研磨工程では、粘着剤層に対して強い剪断力がかかり、さらに研磨中の摩擦熱などにより高温となることがあるため、高温環境下で用いてもズレや剥がれなどが生じ難い耐熱性が求められるが、アクリル系などに比較して凝集力の劣る従来のゴム系粘着剤では、高圧力の研磨に使用することは困難であった。また、研磨後には研磨部材積層体を研磨機定盤から剥がすことが必要となるが、その際、研磨機定盤に粘着剤層が残る(糊残り)ことがあり、研磨機定盤の洗浄が必要となることで、総生産時間が長くなるため、研磨後に、研磨機定盤側に粘着剤が残らない、再剥離性も求められていた。更に、研磨工程では酸性やアルカリ性の薬品(スラリーともいう)を用いることもあるため、耐薬品性も求められており、様々な被着体に対し適度な粘着力を発現させ、高圧力の研磨に使用できる凝集力と耐熱性を持ち合わせたゴム系粘着剤が求められている。
この様に、ゴム系の研磨部材固定用粘着剤には多種の性能が求められ、例えば、特許文献1では、研磨部材用としてゴム系粘着剤が用いられているが、スチレン含有量やジブロック含有量に関わる設計が考慮されておらず、近年求められる要求性能からは十分ではない。また特許文献2では、天然ゴムと放射状構造を有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)が用いられているが、粘着付与樹脂に関わる設計が考慮されておらず、近年求められる要求性能を満足できていないのが現状である。この様に、様々な被着体に対し、優れた粘着力を発現し、凝集力と耐熱性を持ち合わせた研磨部材固定用粘着剤は見出されていなかった。
特開2007−245276号公報 特開2000−290609号公報
本発明の研磨部材固定用粘着剤は、粘着剤層の凝集力を高めることが可能であり、高温環境下でもズレなどが生じることなく、従来よりも高圧力の研磨に使用でき、また、耐酸性や耐アルカリ性を持ち合わせ、研磨終了後の研磨部材を研磨機定盤から容易に再剥離することが可能で糊残りし難い、研磨部材固定用粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、スチレン含有量とジブロック含有量が特定範囲であることとを必須としたスチレンイソプレンブロック共重合体と、特定含有量のポリテルペン樹脂と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかとを用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、合成ゴムと、粘着付与樹脂とを含有する研磨部材固定用粘着剤において、前記合成ゴムが、スチレン含有量20〜40重量%、かつジブロック含有量15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)を含み、前記粘着付与樹脂が、ポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含み、前記ポリテルペン樹脂(B1)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部であって、前記芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とした研磨部材固定用粘着剤に関する。
本発明によれば、粘着剤層の凝集力を高めることができることにより、高温環境下でもズレや剥がれなどが生じ難く、従来よりも高圧力の研磨に使用でき、耐酸性や耐アルカリ性をも持ち合わせた、研磨部材固定用粘着剤とすることができる。また、研磨終了後の研磨部材の再剥離性に優れ、糊残りし難い、研磨部材固定用粘着剤の供給が可能となる。
本発明の研磨部材固定用粘着剤は、合成ゴムと、粘着付与樹脂とを含有する研磨部材固定用粘着剤において、前記合成ゴムが、スチレン含有量20〜40重量%、かつジブロック含有量15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)を含み、前記粘着付与樹脂が、ポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含み、前記ポリテルペン樹脂(B1)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部であって、前記芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部である粘着剤である。
本発明の研磨部材固定用粘着剤は、塗工することで粘着剤層を形成し、基材を備えた粘着シートとして使用することができる。
すなわち、基材の片面または両面に、研磨部材固定用粘着剤から形成されてなる粘着剤層を備えた、研磨部材固定用粘着シートとして用いることができる。
なお本発明で粘着シート、粘着テープ、粘着フィルムは同義語である。
ゆえに、本発明において、研磨部材固定用粘着剤とは、研磨部材に粘着シートを貼り合わせ一体化された、研磨部材積層体を研磨機に貼り合わせるために用いる粘着シートを形成することが出来る粘着剤のことである。
また、本発明の研磨部材固定用粘着剤は、粘着剤層の凝集力を高めることができることにより、高温環境下でもズレや剥がれなどが生じ難く、従来よりも高圧力の研磨に使用でき、耐酸性や耐アルカリ性をも持ち合わせているため、定盤側、および研磨部材側のいずれにも用いることができ、基材の片面または両面に、本発明の研磨部材固定用粘着剤から形成されてなる粘着剤層を備えた、研磨部材用粘着シートであればよい。また、定盤側に本発明の研磨部材固定用粘着剤を用いた場合、再剥離性に優れるため、研磨機の定盤から容易に再剥離が可能である。
この時、他方の面の粘着剤層を形成する粘着剤は、従来公知の粘着剤を用いることができる。
また、本発明において、研磨部材とは、例えば、ウレタン系研磨部材、不織布系研磨部材、スウェード系研磨部材などが挙げられ、研磨部材であれば、これらに限定されるものではない。
《研磨部材固定用粘着剤》
本発明の研磨部材固定用粘着剤は、合成ゴムと、粘着付与樹脂とを含有する研磨部材固定用粘着剤において、前記合成ゴムが、スチレン含有量20〜40重量%、かつジブロック含有量15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)を含み、前記粘着付与樹脂が、ポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含み、前記ポリテルペン樹脂(B1)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部であって、前記芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
<合成ゴム>
合成ゴムは、スチレン含有量が20〜40重量%、かつジブロック含有量が15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)を含む。
また、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)は、リニア構造、または放射状構造(ラジアル構造)を有するものが存在するが、リニア構造を有する場合、柔軟性が高い構造であるため、様々な被着体に対する密着性に優れ、粘着性能と耐熱性とに、より優れた効果がみられる。そのため、スチレン−イソプレン−スチレンブロックのトリブロック体(SIS)、スチレン−イソプレンのジブロック体(SI)からなるリニア構造であることが好ましい。
リニア構造であるスチレンイソプレンブロック共重合体とは、スチレンのブロックとイソプレンのブロックとが結合した線状共重合体をさす。
本発明においては、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)全量(100重量%)中の、ジブロック含有量が、15〜70重量%であり、好ましくは15〜50重量%であり、更に好ましくは、15〜25重量%である。ジブロック体の含有量がこの範囲にあることで、凝集力と再剥離性とに優れたものとすることができる。
スチレン含有量は、20〜40重量%であり、好ましくは22〜40重量%である。この範囲にあることで、凝集力に優れた接着剤とすることができる。
一般的に合成ゴム系粘着剤は、高極性から低極性の幅広い被着体に対し、優れた粘着性能を発現することが知られている。本発明では、合成ゴムのスチレン含有量%を一定範囲とすることで、スチレンブロック体の物理架橋により、凝集力を付与することができる。さらにジブロック含有量%を一定範囲とすることで、末端にスチレンブロック体のないジブロック体が一定量存在することとなり、密着性や粘着力を向上させることが可能となる。本来、ゴム系粘着剤では、多くの粘着付与樹脂を添加しないと、タック性が発現しないため、粘着付与樹脂の添加を必須とするが、凝集力低下の原因となってしまうことが多い。しかし、本発明のスチレンイソプレンブロック共重合体(A)であれば、粘着付与樹脂の添加量を少なくすることが可能であり、粘着付与樹脂を加えたことによる凝集力の低下等を抑えることが可能となり、高い粘着力と凝集力をバランスよく保持することが可能である。
このようなスチレンイソプレンブロック共重合体(A)としては、例えば、Quintac3280(日本ゼオン社製、スチレン量25%、ジブロック量17%、リニア構造)、Quintac3270(日本ゼオン社製、スチレン量24%、ジブロック量67%、リニア構造)、Kraton D1119(クレイトン社製、スチレン量22%、ジブロック量66%、リニア構造)、Kraton D1126(クレイトン社製、スチレン量21%、ジブロック量30%、ラジアル構造)、Kraton D1193(クレイトン社製、スチレン量24%、ジブロック量20%、リニア構造)などが挙げられるが、これらに限定するものではなく、このようなスチレンイソプレンブロック共重合体は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて使用することができ、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
また、求められる性能を損なわない範囲であれば、上記特定のスチレンイソプレンブロック共重合体(A)以外のその他の合成ゴムを含んでも良い。その他の合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、またはブチルゴム(IIR)などが挙げられる。
合成ゴムが、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)以外の合成ゴムを含有する場合には、合成ゴム100重量%中、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)を50〜100重量%含有することが、粘着力と凝集力のバランスの点で好ましく、より好ましくは、80〜100重量%である。
また、求められる性能を損なわない範囲であれば、天然ゴムを併用してもよい。天然ゴムとしては、特に限定されないが、素練ロールにて素練りし、ムーニー粘度をたとえば10〜100程度になるよう調整して用いることができればよい。
その他の合成ゴムや天然ゴムは、これらに限定されることなく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
<粘着付与樹脂>
本発明において、粘着付与樹脂は、ポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含む。これにより、合成ゴムに適度な密着性を付与する事が可能となり、粘着剤層とした場合に、粘着性能と凝集力のバランスが得やすく、高温環境下でもズレなどが生じることなく、従来よりも高圧力の研磨に使用できる粘着剤とすることができる。
[ポリテルペン樹脂(B1)]
ポリテルペン樹脂(B1)を用いることで、密着性を向上させる効果が得られ、適度な粘着性と凝集性を付与することが可能となる。
また、ポリテルペン樹脂(B1)の軟化点は、80〜170℃であることが好ましい。軟化点がこの範囲であることにより、粘着付与樹脂を起因とした凝集力の低下を抑制し、研磨部材の再剥離性が向上する。上記の観点から軟化点が95〜150℃がより好ましい。
本発明においてポリテルペン樹脂(B1)の含有量は、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部である。上記範囲とすることで、粘着性能と凝集力のバランスが得やすい。上記の観点から、15〜55重量部がより好ましい。
特に、55重量部以下である場合、保持力により優れたものとすることができる。
ポリテルペン樹脂(B1)としては、例えば、SylvaresTRA125(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点25℃)、SylvaresTRB115(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点115℃)、SylvaresTRB1115T(アリゾナケミカル社製ポ
リテルペン樹脂、軟化点115℃)、SylvaresTR7115(アリゾナケミカル社製ポリ
テルペン樹脂、軟化点115℃)、SylvaresTRM1115(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点115℃)、SylvaresTR7125(アリゾナケミカル社製ポリテル
ペン樹脂、軟化点125℃)、SylvaresTRB125(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点125℃)、SylvaresTRB1135(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点135℃)、SylvaresTR90(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟
化点90℃)、SylvaresTR105(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点1
05℃)、YSレジンPX1250(ヤスハラケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点125℃)、YSレジンPX1150(ヤスハラケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点115℃)、YSレジンPX1000(ヤスハラケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点100℃)、YSレジンPX800(ヤスハラケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点80℃)などを例示することができる。ポリテルペン樹脂として、これらに限定するものではなく、このようなポリテルペン樹脂は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
[粘着付与樹脂(B2)]
本発明の粘着付与樹脂は、ポリテルペン樹脂(B1)に加えて、さらに芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)を含有することで、適度なタック性と再剥離性を付与することが可能となる。
芳香族変性テルペン樹脂とは、テルペンと芳香族モノマーとを共重合した樹脂であり、芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
粘着付与樹脂(B2)の含有量は、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。上記範囲とすることで、タック性と再剥離性をバランスよく得やすい。上記の観点から、0.3〜8重量部がより好ましい。
特に、8重量部以下である場合、保持力により優れたものとすることができる。
また、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の両方を含んでも良く、この場合、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の合計量が、0.1〜10重量部の範囲内である。
また、芳香族変性テルペン樹脂の軟化点は、80〜160℃であることが好ましい。
軟化点がこの範囲であることにより、粘着付与樹脂を起因とした凝集力の低下を抑制し、研磨部材の再剥離性が向上する。上記の観点から軟化点が95〜140℃がより好ましい。
芳香族変性テルペン樹脂としては、例えば、SylvaresZT105LT(アリゾナケミカル
社製芳香族変性テルペン樹脂、軟化点105℃)、YSレジンTO125(ヤスハラケミカル社製芳香族変性テルペン樹脂、軟化点125℃)、YSレジンTO115(ヤスハラケミカル社製芳香族変性テルペン樹脂、軟化点115℃)、YSレジンTO105(ヤスハラケミカル社製芳香族変性テルペン樹脂、軟化点105℃)、YSレジンTO85(ヤスハラケミカル社製芳香族変性テルペン樹脂、軟化点85℃)、YSレジンLP(ヤスハラケミカル社製芳香族変性テルペン樹脂、鉱物油50%希釈品)が挙げられる。
キシレン樹脂としては、例えば、ニカノールL(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノー
ルLL(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノールLLL(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノ
ールY-50(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノールY-100(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノールY-1000(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノールH(フドー社製キシレン樹脂)、ニカノールG(フドー社製キシレン樹脂)、などを例示することができる。
芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂は、これらに限定されるものではなく、このような粘着付与樹脂(B2)は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
[その他の粘着付与樹脂]
本発明において、その他の粘着付与樹脂も、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて、使用することができる。その他の粘着付与樹脂として、例えば、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、ロジンフェノール樹脂などのロジン系樹脂;、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂またはその共重合体などが挙げられるが、これらに限定するものではなく、これら、その他の粘着付与樹脂は、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
<鉱物油>
本発明の粘着剤は、必要に応じて鉱物油を含むことができる。鉱物油を用いることで、適度なタック性と再剥離性を付与することが可能となる。
鉱物油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油が挙げられ、また、これらの混合物を使用することができる。一般市販品としては、ダイアナプロセスPW−380(出光興産社製、ナフテン系)、ダイアナプロセスNM280(出光興産社製、パラフィン系)などが挙げられる。
鉱物油の含有量は、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。上記範囲とすることで、タック性と再剥離性をバランスよく得やすい。上記の観点から、0.3〜8重量部がより好ましい。
<硬化剤>
更に、本発明において、必要に応じて、硬化剤を使用することができる。研磨機定盤から剥離する際の剥離力は、高い粘着力から低い粘着力まで、求められる数値が様々であるため、粘着力をコントロールすること目的で硬化剤を添加することが可能である。硬化剤としては、求めうる性能を損なわない範囲で、必要に応じて、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、およびエポキシ化合物等を使用できる。
イソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、及びこれらイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体やビュレット体、またイソシアヌレート体、更にはこれらイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられるが、イソシアネート化合物として好ましくは、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体である。
アジリジン化合物としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、金属錯体化合物を使用できる。金属は、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、銅、スズ、ジルコニウム等が挙げられる。金属キレート化合物は、例えば第二鉄トリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられるが、これらの中でのアルミニウムトリスアセチルアセトネートがより好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N’−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
これら硬化剤は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。
<老化防止剤>
更に、本発明において、必要に応じて老化防止剤を使用することができる。老化防止剤は、ゴム成分の劣化等を防止する目的で使用され、このような老化防止剤としては、例えば、ノンフレックスWS(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスWS−P(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスMBP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスCBP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスEBP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスTNP(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスMB(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスRD(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスOS(精工化学社製、老化防止剤)、ノンフレックスDCD(精工化学社製、老化防止剤)などを例示することができるが、老化防止剤であれば、これらに限定するものではなく、このような老化防止剤は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて使用することができ、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
尚、本発明において、老化防止剤とは、酸化等による劣化を防止する目的や、熱による劣化等を防止する目的で使用されるもので、酸化防止剤、酸化劣化防止剤、熱劣化防止剤は同義語である。
<その他添加剤>
本発明の粘着剤には、必要に応じて公知の粘着剤に配合される充填剤、顔料、染料、希釈剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、カップリング剤等、各種添加剤を含んでもよく、また、2種類以上を用いてもよい。また、添加剤の添加量は、必要な物性が得られる量とすればよく、特に限定されるものではない。
《研磨部材固定用粘着シート》
本発明の研磨部材固定用粘着シートは、基材の片面または両面に、本発明の研磨部材固定用粘着剤から形成されてなる粘着剤層を備えた、粘着シートである。
粘着剤層の厚みは、10〜150μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。粘着剤層を上記範囲にすることで、研磨部材の再剥離に優れた粘着テープを得ることが出来る。
粘着剤の塗工は、例えばロールコーター法、コンマコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等の公知の方法が使用できる。塗工後は、熱風オーブン、赤外線ヒーター等で乾燥することができる。
基材としては、不織布、紙、プラスチックフィルム、合成紙等粘着剤の基材として使用できる部材が使用できる。粘着シートの基材(芯材)として使用する場合は、不織布およびプラスチックフィルムが好ましい。前記プラスチックフィルムは、例えばポリエチレンおよびポロプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン、ポリイミドおよびポリアミド等をフィルムにしたものが挙げられる。また基材は、前記プラスチックフィルムに所望塗工液を塗工した、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板など光学部材であっても良い。また、基材は、粘着剤層との密着性を高めるため易接着処理を施しても良い。前記易接着処理は、コロナ放電を行う乾式法およびアンカーコート剤と塗工する湿式法等の公知の方法を使用できる。また、基材は、帯電防止層を形成することができる。帯電防止剤は上段で説明した帯電防止剤の他に、導電性カーボン粒子、導電性金属粒子および導電性ポリマー等の少なくともいずれかを必要に応じて樹脂と配合した組成物が好ましい、または基材に金属蒸着または金属メッキを施すことで帯電防止層を形成できる。本発明で基材の厚さは特に制限されないが、5〜300μmが好ましい。前記基材の中で、易接着処理等の施されていないフィルムを用いることがより好ましい。ゴム系粘着剤の場合、コロナ放電を行う易接着処理が施されていると、基材から粘着剤が剥がれやすくなるため、コロナ放電を行う易接着処理の施されていない面にゴム系粘着剤を塗布することが好ましい。
粘着シートを作製する際の剥離ライナーには、紙、プラスチックフィルム、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有する。剥離剤は、例えばシリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なお、剥離ライナーの厚さは特に制限はないが10〜200μm程度である。
以下に、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味するものとする。
また、粘着付与樹脂の軟化点の測定方法は以下の通りである。
粘着付与樹脂の軟化点: JISK5902およびJISK2207に準じて測定した。
[実施例1]
(研磨部材固定用粘着剤1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下で、合成ゴムとしてD1193(クレイトン社製)を100重量部、溶剤としてメチルエチルケトン、トルエンを適量仕込んだ。次いでフラスコを徐々に加熱し、内温約50℃で3時間加熱を継続した。加熱終了後、冷却し、内温約40℃以下で、粘着付与樹脂として、SylvaresTRB115(アリゾナケミカル社製)を20重量部と、YSレジンLP(ヤスハラケミカル社製)、を5重量部、老化防止剤としてノンフレックスEBP(精工化学社製)を2重量部仕込み、メチルエチルケトン、トルエンで希釈し、粘着付与樹脂が溶解するまで攪拌を継続し、不揮発分50.0重量%、粘度2000mPa・sの研磨部材固定用粘着剤(粘着剤1)溶液を得た。
[実施例2〜20、比較例1〜9]
(研磨部材固定用粘着剤2〜29)
粘着性樹脂、硬化剤、粘着付与樹脂の種類、および配合量(不揮発分重量部)を表2、3に記載したように変更する以外は、研磨部材固定用粘着剤1と同様にして、研磨部材固定用粘着剤2〜29を得た。
Figure 2018070858
Figure 2018070858
Figure 2018070858
表2、3中の略号は下記の通りである。また、配合量は、合成ゴムの固形分に対する不揮発分換算の添加量(重量部)である。
<合成ゴム:スチレンイソプレンブロック共重合体(重量%)>
・Kraton D1193
(クレイトン社製、スチレン量24重量%、ジブロック量20%重量、リニア構造)
・Quintac3280
(日本ゼオン社製、スチレン量25重量%、ジブロック量17重量%、リニア構造)
・Kraton D1126
(クレイトン社製、スチレン量21重量%、ジブロック量30重量%、ラジアル構造)
・QuintacSL-165
(日本ゼオン社製、スチレン量30重量%、ジブロック量60重量%、リニア構造)
・Kraton D1119
(クレイトン社製、スチレン量22重量%、ジブロック量66重量%、リニア構造)
・Quintac3270
(日本ゼオン社製、スチレン量24重量%、ジブロック量67重量%、リニア構造)
・Quintac3620
(日本ゼオン社製、スチレン量14重量%、ジブロック量12重量%、リニア構造)
・Kraton D1161
(クレイトン社製、スチレン量15重量%、ジブロック量19重量%、リニア構造)
・Kraton DX406
(クレイトン社製、スチレン量16重量%、ジブロック量52重量%、リニア構造)
・Quintac3520
(日本ゼオン社製、スチレン量15重量%、ジブロック量78重量%、リニア構造)
・Quintac3450
(日本ゼオン社製、スチレン量19重量%、ジブロック量30重量%、ラジアル構造)
<粘着付与樹脂>
[ポリテルペン樹脂(B1)]
・SylvaresTRB115(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点115℃)
・SylvaresTRB125(アリゾナケミカル社製ポリテルペン樹脂、軟化点125℃)
・YSレジンPX1150(ヤスハラケミカル社製、ポリテルペン樹脂、軟化点115℃)
・YSレジンPX1250(ヤスハラケミカル社製、ポリテルペン樹脂、軟化点125℃)[粘着付与樹脂(B2)]
・YSレジンTO125(ヤスハラケミカル社製、芳香族変性テルペン樹脂、軟化点125℃)
・YSレジンLP(荒川化学社製、テルペン系液状粘着付与樹脂)
・ニカノールL(フドー社製、キシレン系液状粘着付与樹脂)
・ニカノールLLL(フドー社製、キシレン系液状粘着付与樹脂)
<鉱物油>
・ダイアナプロセスPW380(出光興産社製、鉱物油)
<添加剤>
・ノンフレックスEBP(精工化学社製、老化防止剤)
ポリテルペン樹脂(B1)/共重合体(A)100重量部
=スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対するポリテルペン樹脂(B1)の含有量(重量部)
粘着付与樹脂(B2)/共重合体(A)100重量部
=スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対する粘着付与樹脂(B2)の含有量(重量部)
<粘着シートの評価>
得られた研磨部材固定用粘着剤を用いて粘着シートを形成し、下記方法で評価した。表4〜8に評価結果を示す。
(粘着シートの作製)
表4〜7記載の通りに、得られた研磨部材固定用粘着剤を用い、乾燥後の厚みが40μmになるよう25μmの剥離ライナーに塗工(研磨部材側粘着剤層)し、100℃で2分間乾燥した後、PETフィルム基材を貼り合わせ、次いで得られた研磨部材固定用粘着剤を、乾燥後の厚さが20μmになるよう剥離ライナーに塗工(定盤側粘着剤層)し、100℃で2分間乾燥した後、PETフィルム基材の粘着剤が塗布されていない面に貼り合わせ、23℃-50%で1週間放置し、粘着シートを得た。
なお、実施例1−Aは、定盤側に粘着剤1を、研磨部材側にトーヨーケム社製BPS3156D(アクリル系粘着剤)100重量部に、トーヨーケム社製BHS8515(イソシアネート硬化剤)を4.0重量部配合し攪拌した粘着剤30を用いて得られた粘着シートである。
(粘着力)
得られた粘着シートの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から、25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をステンレス板(対SUS粘着力)またはポリプロピレン板(対PP粘着力)に2kgのローラーで1往復圧着し、20分
または24時間放置後、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で粘着力を測定した。同様の方法にて両面の粘着力を測定した。
(保持力)
得られた粘着シートの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを長さ25mm×幅25mm剥がしステンレス板に2kgロールで1往復圧着し、23℃−50%RHの雰囲気下で20分間放置した。その後、80℃の雰囲気下で1kgの重りを付け180度の方向に力が加わるようセットし、24時間後に粘着シートが被着体から何ミリずれているか、もしくは完全にずれ落ちた落下秒数を測定した。同様の方法にて両面の保持力を測定した。
なお、保持力の結果は、定盤側は1.0mm未満であれば特に優れているといえ、研磨部材側は1.2mm未満であれば特に優れているといえる。
(耐酸性)
得られた粘着シートの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RHの雰囲気下で長さ10mm×幅25mmの粘着シートの剥離ライナーを剥がし、ステンレス板へ貼着し、23℃−50%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、硫酸を用いてpH1.5に調整した水溶液中に浸し、40℃の環境下で、さらに24時間放置した。その後、水溶液より試料を取り出し、水洗浄後、23℃−50%RHの雰囲気下にて1時間放置した。その後、23℃−50%RHの雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引張り試験を用いて剥離速度300mm/minで硫酸浸漬後の粘着力を測定した。(粘着力)の評価において測定した、ステンレス板に対する180度粘着力24時間後の値との差が小さいほど耐酸性に優れるといえる。

粘着力差=(pH1.5水溶液浸漬後の粘着力)−(ステンレス板に対する180度24時間後の粘着力)
(耐アルカリ性)
得られた粘着シートの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RHの雰囲気下で長さ10mm×幅25mmの粘着シートの剥離ライナーを剥がし、ステンレス板へ貼着し、23℃−50%RHの雰囲気下で24時間放置した。その後、水酸化ナトリウムを用いてpH11.5に調整した水溶液中に浸し、40℃の環境下で、さらに24時間放置した。その後、水溶液より試料を取り出し、水洗浄後、23℃−50%RHの雰囲気下にて1時間放置。その後、23℃−50%RHの雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引っ張り試験を用いて剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。(粘着力)の評価において測定した、ステンレス板に対する180度粘着力24時間後の値との差が小さいほど耐アルカリ性に優れるといえる。

粘着力差=(pH11.5水溶液浸漬後の粘着力)−(ステンレス板に対する180度24時間後の粘着力)
(再剥離性)
得られた粘着シートの研磨部材面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RHの雰囲気下で長さ10mm×幅25mmの粘着シートの定盤側面の剥離ライナーを剥がしステンレス板へ貼着し、2kgロールで1往復圧着し、すぐに80℃の温水中に投入し、24時間放置した。24時間経過後、温水中より試料を取り出し、水洗浄後、23℃−50%RHの雰囲気下にて1時間放置。その後、JISZ1528の測定方法に準拠して、引っ張り試験を用いて剥離速度300mm/minで剥離した。剥離後のSUS板の表面を目視で評価することで再剥離性を評価した。評価基準は以下の通りである。

◎:SUS板を汚染せず粘着シートを剥離できた。(非常に良好)
〇:SUS板を極わずかに汚染した。(良好)
△:SUS板をわずかに汚染した。 (実用上、問題なし)
×:SUS板を汚染した。 (実用不可)
Figure 2018070858
Figure 2018070858
Figure 2018070858
Figure 2018070858
Figure 2018070858
表4〜表8の結果から、本発明の粘着テープは、スチレン含有量20〜40重量%、かつジブロック含有量15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)と、前記粘着付与樹脂が、ポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含み、前記ポリテルペン樹脂(B)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部であって、前記芳香族変性テルペン樹脂(C)またはキシレン樹脂(D)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部である粘着剤から形成されることで、優れた粘着性能と高い凝集力を併せ持つことが確認できた。さらに本願発明の粘着シートは、高温環境下でもズレなどが生じることなく、従来よりも高圧力の研磨に使用でき、また、耐酸性や耐アルカリ性を持ち合わせていた。
特に、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)がリニア構造を有する場合には、ポリプロピレン板に対する粘着力も良好であり、様々な被着体に対する密着性に優れ、粘着性能に優れることが確認できた。
なかでも、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)のジブロック含有量が15〜25重量%である場合、再剥離性について、より優れた効果が確認できた。

Claims (7)

  1. 合成ゴムと、粘着付与樹脂とを含有する研磨部材固定用粘着剤において、
    前記合成ゴムが、スチレン含有量20〜40重量%、かつジブロック含有量15〜70重量%であるスチレンイソプレンブロック共重合体(A)を含み、
    前記粘着付与樹脂が、ポリテルペン樹脂(B1)と、芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)とを含み、
    前記ポリテルペン樹脂(B1)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、10〜60重量部であって、
    前記芳香族変性テルペン樹脂およびキシレン樹脂の少なくともいずれかである粘着付与樹脂(B2)の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部であることを特徴とした研磨部材固定用粘着剤。
  2. 前記スチレンイソプレンブロック共重合体(A)がリニア構造である、請求項1に記載の研磨部材固定用粘着剤。
  3. 前記ポリテルペン樹脂(B1)の軟化点が、80〜170℃である、請求項1または2記載の研磨部材固定用粘着剤。
  4. さらに鉱物油を含有する、請求項1〜3いずれか1項記載の研磨部材固定用粘着剤。
  5. 前記鉱物油の含有量が、スチレンイソプレンブロック共重合体(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部である、請求項4記載の研磨部材固定用粘着剤。
  6. 基材の片面または両面に、請求項1〜5いずれか1項記載の研磨部材固定用粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、研磨部材固定用粘着シート。
  7. 請求項6記載の研磨部材固定用粘着シートを、研磨部材に貼り合わせ、一体化された、研磨部材積層体。
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