JP6536389B2 - 研磨部材固定用粘着剤、および研磨部材固定用粘着シート - Google Patents

研磨部材固定用粘着剤、および研磨部材固定用粘着シート Download PDF

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本発明は、研磨部材を研磨機に固定する用途に好適に用いることができる研磨部材固定用の粘着剤に関する。更に詳しくは、研磨部材に対し、優れた密着性を発現するため、高温環境下でも浮きや剥がれなどの生じない粘着剤層を形成できる粘着剤に関するものである。
従来、液晶ガラス、ハードディスク用基板、光学レンズ、シリコンウェハ、集積回路等は、研磨部材等を用いて研磨されており、研磨部材の固定には、例えば、研磨部材に粘着テープを貼り合わせた後、粘着テープ付きの研磨部材を、研磨機の定盤に貼り合せるなどして使用されている。研磨工程では粘着剤層に対して強い剪断力がかかり、さらに研磨中の摩擦熱などにより高温となることがあるため、強い剪断力に耐えうる凝集力と、高温に耐えうる耐熱性が求められる。また、研磨工程では酸性やアルカリ性のスラリーを用いる事もあるため、耐酸性や耐アルカリ性も求められる。
この様に、研磨部材固定用粘着剤には多種の性能が求められ、例えば、特許文献1、特許文献2、では研磨部材用として、テルペン樹脂やクマロン樹脂を用いることが記載されているが、使用するポリマーの架橋による研磨部材への密着性向上などは考慮されておらず、近年求められる要求性能からは劣るため、十分ではない。すなわち、従来よりも長時間の研磨を可能とし、更に、従来のガラスより硬度の高いガラスの研磨にも好適な研磨部材固定用粘着剤は見出されていなかった。
特開2010−194700号公報 特開2011-122069号公報
本発明は、研磨部材に対し、優れた密着性を発現することで、従来よりも粘着剤層の凝集力を高めることが可能となり、高温環境下でも浮きや剥がれが生じることなく、かつ耐酸性や耐アルカリ性にも優れた研磨部材固定用粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のアクリル系共重合体(A)と、特定のイソシアネート硬化剤(C)を用い、かつ特定量の粘着付与樹脂(B)を含有することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、アクリル系共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、およびイソシアネート硬化剤(C)を含有する研磨部材固定用粘着剤であって、前記アクリル系共重合体(A)が、カルボキシル基含モノマー、および水酸基含有モノマーを含むモノマーの共重合体であり、前記イソシアネート硬化剤(C)が、トリレンジイソシアネート系化合物中のイソシアネート基の10〜40モル%が、炭素数1〜25の単官能アルコールによって変性されてなる化合物であり、粘着付与樹脂(B)の含有量が、アクリル系共重合体(A)100重量部に対し、5〜60重量部であることを特徴とする研磨部材固定用粘着剤に関する。
また、本発明は、前記粘着付与樹脂(B)の軟化点が、80〜150℃である前記研磨部材固定用粘着剤に関する。
また、本発明は、前記粘着付与樹脂(B)が、テルペンフェノール樹脂およびクマロン樹脂の少なくともいずれかを含有してなる前記研磨部材固定用粘着剤に関する。
また、本発明は、研磨部材が、ウレタン系であることを特徴とする前記研磨部材固定用粘着剤に関する。
また、本発明は、基材上に、前記研磨部材固定用粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、研磨部材固定用粘着シートに関する。
本発明によれば、研磨部材に対する優れた密着性を発現することができ、粘着剤層の凝集力を高める事が可能となり、高温環境下でも浮きや剥がれなどが生じることなく、耐酸性や耐アルカリ性にも優れる。また、従来よりも長時間の研磨を可能とし、更に、従来のガラスより硬度の高いガラスの研磨にも好適な研磨部材固定用粘着剤の供給を可能とする。
引張りせん断力測定の説明図。
本発明の研磨部材盤固定用粘着剤は、アクリル系共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、およびイソシアネート硬化剤(C)を含有する研磨部材固定用粘着剤であって、前記アクリル系共重合体(A)が、カルボキシル基含有モノマー、および水酸基含有モノマーを含むモノマーの共重合体であり、前記イソシアネート硬化剤(C)が、トリレンジイソシアネート系化合物中のイソシアネート基の10〜40モル%が、炭素数1〜25の単官能アルコールによって変性されてなる化合物であり、粘着付与樹脂(B)の含有量が、アクリル系共重合体(A)100重量部に対し、5〜60重量部であることを特徴とする。
本発明の研磨部材固定用粘着剤は、塗工することで粘着剤層を形成し、基材を備えた粘着シートとして使用することができる。
すなわち、本発明において、研磨部材固定用粘着剤とは、研磨に用いる目的で使用される研磨パッド等の研磨部材を研磨機に固定するために用いる粘着シートを形成することが出来る粘着剤のことである。なお、定盤側の粘着剤は、従来公知の粘着剤を用いることができ、本発明の研磨部材盤固定用粘着剤を用いても良い。
また、本発明で粘着シート、粘着テープ、粘着フィルムは同義語である。
また、本発明において、研磨部材とは、例えば、ウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、スウェード系研磨パッドなどが挙げられるが、研磨を目的とした研磨部材として使用されるのであれば、これらに限定されるものではない。なかでも、本発明の研磨部材固定用粘着剤は、従来粘着剤よりもウレタン結合等を多く含有し、ウレタン系材料に対する密着性に優れた効果を有するため、ウレタン系の研磨部材に対し、とくに好適に用いることができる。
《研磨部材盤固定用粘着剤》
<アクリル系共重合体(A)>
アクリル系共重合体とは、エチレン性不飽和結合を有するアクリルモノマーを用いて合成することが可能な(メタ)アクリル系重合体である。本発明のアクリル系共重合体(A)は、カルボキシル基含有モノマー、および水酸基含有モノマーを含むモノマーの共重合体であり、すなわち、カルボキシル基、および水酸基を有するアクリル系供重合体である。
カルボキシル基含有モノマーとしては、カルボキシル基を有するものであればよく、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられるが、これに限定するものではなく、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのなかでも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
アクリル系共重合体がカルボキシル基を含有することで、硬化剤との架橋密度をコントロールし易く、研磨部材に対する密着性と粘着剤層の凝集力のバランスが得やすくなり、研磨工程で研磨部材と粘着層の浮きや剥がれなどが発生し難い。上記の観点から、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマー全量100重量部中、カルボキシル基含有モノマーは0.1〜10.0重量部を用いることが好ましく、0.5〜8.0重量部がより好ましい。
水酸基含有モノマーは、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これに限定するものではなく、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのなかでも、硬化剤との適度な架橋性の観点から炭素数1〜3のアルキレン基を有する水酸基含有モノマーは、密着性と凝集力をより向上できるため好ましい。
これらのなかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
水酸基含有モノマーを用いることで、アクリル系共重合体(A)と硬化剤との架橋密度をコントロールし易く、研磨部材に対する密着性と粘着剤層の凝集力のバランスが得やすいため、研磨工程で研磨部材と粘着層の浮きや剥がれなどが発生し難い。上記の観点から、アクリル系共重合体(A)を構成するモノマー全量100重量部中、水酸基含有モノマーは、0.01〜1.5重量部を用いることが好ましく、0.05〜1.0重量部がより好ましい。
また、本発明のアクリル系共重合体(A)を構成するためのモノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、および水酸基含有モノマー以外のその他のモノマーを含有しても良い。
その他のアクリルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、アクリルニトリル等が挙げられるが、これに限定するものではなく、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
合成する際は、溶液重合、乳化重合、塊状重合または紫外線照射による重合等の重合方法をとることができるが、本発明では、反応制御や物性コントロールが容易な溶液重合を用いることが好ましい。
共重合には、過酸化物系の重合開始剤やアゾビス系の重合開始剤等、従来公知の重合開始剤を使用することができる。有機過酸化物の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等が挙げられ、アゾ系の重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)等が挙げられるが、これら重合開始剤は単独で使用しても、2種類以上の併用で使用してもよい。
本発明において、アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、30万〜150万が好ましく、50万〜120万がより好ましい。上記範囲とすることで、研磨部材への密着性と粘着剤層の凝集力のバランスが得やすいため、研磨工程で研磨部材と粘着層の浮きや剥がれなどが発生し難い。
なお本発明において樹脂の重量平均分子量とは、GPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<粘着付与樹脂(B)>
本発明の粘着剤は、粘着付与樹脂としての機能を有する粘着付与樹脂(B)を含有する。
粘着付与樹脂(B)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対し、5〜60重量部である。上記範囲とすることで、研磨部材に対する密着性と粘着剤層の凝集力のバランスが得られる。上記の観点から、15〜50重量部がより好ましい。
粘着付与樹脂(B)として、好ましくは、軟化点が80〜150℃の粘着付与樹脂である。
粘着付与樹脂の軟化点を上記範囲とすることで、研磨部材への密着性や耐熱性をバランスよく付与することができる。上記の観点から、軟化点が95〜135℃がより好ましい。
粘着付与樹脂(B)としては、例えば、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、ロジンフェノール樹脂などのロジン系樹脂;、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂またはその共重合体などが挙げられるが、これらに限定するものではなく、このような粘着付与樹脂は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じて使用することができ、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
これらのなかでも、好ましくは、テルペンフェノール樹脂、またはクマロン樹脂である。
テルペンフェノール樹脂、およびクマロン樹脂は、アクリル系共重合体(A)への相溶性に優れるため、粘着剤層の凝集力低下を引き起こす事なく、熱ラミネートや熱プレスした際、研磨部材等への密着性がより向上する。また、テルペンフェノール樹脂とクマロン樹脂同士の相溶性も良好であるため、テルペンフェノール樹脂とクマロン樹脂を併用した場合でも、粘着付与樹脂を起因とした、粘着剤層の凝集力低下を引き起こすことなく、研磨部材等への密着性を向上させることが可能である。
テルペンフェノール樹脂として具体的には、例えば、YSポリスターU130(ヤスハラケミカル社製、軟化点130±5℃)、YSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製、軟化点115±5℃)、YSポリスターT145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145±5℃)、YSポリスターT130(ヤスハラケミカル社製、軟化点130±5℃)、YSポリスターT115(ヤスハラケミカル社製、軟化点115±5℃)、YSポリスターT100(ヤスハラケミカル社製、軟化点100±5℃)、YSポリスターT80(ヤスハラケミカル社製、軟化点80±5℃)、YSポリスターS145(ヤスハラケミカル社製、軟化点145±5℃)、YSポリスターG125(ヤスハラケミカル社製、軟化点125±5℃)、YSポリスターN125(ヤスハラケミカル社製、軟化点125±5℃)、YSポリスターK140(ヤスハラケミカル社製、軟化点140±5℃)、YSポリスターK125(ヤスハラケミカル社製、軟化点125±5℃)、YSポリスターTH130(ヤスハラケミカル社製、軟化点130±5℃)、などを例示することができる、
クマロン樹脂としては、例えば、クマロンG−90(日塗化学社製、軟化点90±5℃)、クマロンV−120(日塗化学社製、軟化点120±5℃)、クマロンV−120S(日塗化学社製、軟化点120±5℃)などが例示できる。
なお、テルペンフェノール樹脂およびクマロン樹脂であれば、これらに限定するものではなく、このような粘着付与樹脂は、求められる性能を損なわない範囲で必要に応じ、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
<イソシアネート硬化剤(C)>
本発明の粘着剤は、イソシアネート硬化剤(C)を含有する。イソシアネート硬化剤(C)は、トリレンジイソシアネート化合物中のイソシアネート基の10〜40モル%が、炭素数1〜25の単官能アルコールによって変性されてなる化合物である。
イソシアネート硬化剤(C)の含有量は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対し、合計で2.0〜15.0重量部が好ましい。上記範囲とすることで、アクリル系共重合体(A)と硬化剤との架橋密度をコントロールし易く、研磨部材に対する密着性と粘着剤層の凝集力のバランスが得やすいため、研磨工程で研磨部材と粘着層の浮きや剥がれなどが発生し難い。上記の観点から、3.0〜12.0重量部がより好ましい。
トリレンジイソシアネート系化合物とは、トリレンジイソシアネートはもとより、そのビュレット体、イソシアヌレート体、およびアルコール類とのアダクト体等の誘導体を包含する。トリレンジイソシアネート系化合物として好ましくは、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体である。
また、本発明のイソシアネート硬化剤(C)は、トリレンジイソシアネート系化合物のイソシアネート基の一部が1価アルコールによって変性されてなる化合物である。なお、ここでいう変性とは、具体的には、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、ウレタン結合を生成させることをいう。イソシアネート硬化剤(C)の変性は、イソシアネート基の10〜40モル%が変性されており、これにより、イソシアネート硬化剤中にウレタン結合を一定量含有させ、さらにアクリル系共重合体(A)に含有される水酸基との反応によりウレタン結合が形成される事で、粘着塗膜中のウレタン結合の割合が増加し、研磨部材、特にウレタン系の研磨部材に対する密着性が向上する。ウレタン結合が少ない場合、密着性を向上させることができず、ウレタン結合が多い場合、粘着塗膜が硬くなりすぎるため、密着性が低下する。上記の観点から、イソシアネート基の15〜35モル%が変性されていることがより好ましい。
イソシアネート硬化剤(C)における、トリレンジイソシアネート系化合物のイソシアネート基の一部を変性する1価アルコールは炭素数1〜25の単官能アルコールである。炭素数1〜25の1 価アルコールを用いることで、イソシアネート硬化剤とアクリル系共重合体(A)との相溶性に優れたものとすることができる。上記の観点から、炭素数3〜20の1価アルコールを用いるのがより好ましい。
このような、炭素数1〜25の単官能アルコールとしては、脂肪族アルコール、芳香族アルコールの他、エーテル骨格、エステル骨格、カーボネート骨格を有するアルコール等が挙げられる。具体的には、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ミスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソプロピルアルコール、イソオクチルアルコール、イソステアリルアルコール、ブチルデカノール、ヘキシルデカノール、デシルテトラデカノール、オクチルドデシルアルコール、などが挙げられる。これらの単官能アルコールは、単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。
なかでも、脂肪族アルコールを用いることが好ましい。
カルボキシル基、および水酸基を有するアクリル系供重合体(A)の存在下で、イソシアネート硬化剤(C)が、水酸基と架橋しウレタン結合を形成し、また、雰囲気中の水を介して自己架橋することで、剛直な骨格を有するウレア結合を形成し、研磨部材に対する密着性と、粘着剤層の凝集力をバランスよく持ち合わせることが可能となる。
更に、求めうる性能を損なわない範囲で、必要に応じて、その他のイソシアネート化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、およびエポキシ化合物等を使用できる。
イソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物、及びこれらイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体やビュレット体、またイソシアヌレート体、更にはこれらイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、金属錯体化合物を使用できる。金属は、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、銅、スズ、ジルコニウム等が挙げられる。金属キレート化合物は、例えば第二鉄トリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられるが、これらの中でのアルミニウムトリスアセチルアセトネートがより好ましい。
アジリジン化合物としては、例えば、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N’−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
これら硬化剤は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。
<その他添加剤>
本発明の粘着剤には、必要に応じて公知の粘着剤に配合される充填剤、顔料、染料、希釈剤、老化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、カップリング剤等、各種添加剤を含んでもよく、また、2種類以上を用いてもよい。また、添加剤の添加量は、必要な物性が得られる量とすればよく、特に限定されるものではない。
《研磨部材固定用粘着シート》
本発明の研磨部材固定用粘着シートは、研磨に用いる目的で使用される研磨パッド等の研磨部材を研磨機に固定するために用いる粘着シートであって、基材の両面に粘着剤層を有する粘着シートであり、少なくとも研磨部材側に本発明の研磨部材固定用粘着剤を用いて形成した粘着層を有するものである。定盤側の粘着層は、従来公知の粘着剤を用いて形成した粘着層でも良く、本発明の研磨部材盤固定用粘着剤を用いて形成した粘着層であっても良い。
粘着シートとした場合、粘着剤層の厚みは、10〜150μmが好ましく、30〜120μmがより好ましい。粘着剤層を上記範囲にする事で、研磨部材の固定に優れた粘着テープを得ることが出来る。
粘着剤の塗工は、例えばロールコーター法、コンマコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等の公知の方法が使用できる。塗工後は、熱風オーブン、赤外線ヒーター等で乾燥することができる。
粘着シートを作成する際の基材には、不織布、紙、プラスチックフィルム、合成紙等粘着剤の基材として使用できる部材が使用できる。粘着シートの基材(芯材)として使用する場合は、不織布およびプラスチックフィルムが好ましい。前記プラスチックフィルムは、例えばポリエチレンおよびポロプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン、ポリイミドおよびポリアミド等をフィルムにしたものが挙げられる。
また基材は、前記プラスチックフィルムに所望塗工液を塗工した、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板など光学部材であっても良い。また、基材は、粘着剤層との密着性を高めるため易接着処理を施しても良い。前記易接着処理は、コロナ放電を行う乾式法およびアンカーコート剤と塗工する湿式法等の公知の方法を使用できる。また、基材は、帯電防止層を備えていてもよい。 また、帯電防止層を備えていてもよい。帯電防止層は、上段で説明した帯電防止剤の他に、導電性カーボン粒子、導電性金属粒子および導電性ポリマー等の少なくともいずれかを、必要に応じて樹脂と配合した組成物により形成されてなることが好ましい。または基材に金属蒸着または金属メッキを施すことで帯電防止層を形成できる。
前記基材の中でも、易接着処理面の施されたフィルムを用いる事がより好ましい。易接着処理面の施されたフィルムを用いる事で、研磨部材や研磨機等に粘着成分が移行し難くなる。
基材の厚さは、特に制限されないが、5〜300μmが好ましい。
粘着シートを作製する際の剥離ライナーには、紙、プラスチックフィルム、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有する。剥離剤は、例えばシリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。本発明の再剥離型粘着剤は、剥離力が剥離剤の種類に依存し難い効果が得られる。なお、剥離ライナーの厚さは特に制限はないが10〜200μm程度である。
以下に、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味するものとする。
また、樹脂の重量平均分子量、粘着付与樹脂の軟化点、硬化剤のイソシアネート基量、イソシアネート基(NCO基)の変性率(モル%)の測定方法は以下の通りである。
(樹脂の重量平均分子量)
樹脂の重量平均分子量は、GPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、GPC測定条件は以下のとおりである。装置:SHIMADZU Prominence((株)島津製作所製)カラム:TOSOH TSK−GEL GMHXL(東ソー(株)製)を使用。溶媒:テトラヒドロフラン、流速:0.5ml/min、温度:40℃、試料濃度:0.1wt%、試料注入量:100μl。
(粘着付与樹脂の軟化点)
JISK5902およびJISK2207に準じて測定した。
(イソシアネート基(NCO基)量)
JIS K1603−1に準じて測定した。
(トリレンジイソシアネート系化合物中のイソシアネート基(NCO基)の変性率(モル%))
下記式により求めた。
NCO基変性mol%=
(変性前NCO基mol数−変性後NCO基mol数)÷変性前NCO基mol数×100
続いて、実施例および比較例で用いたアクリル系共重合体(A)、および粘着剤の製造方法について説明する。
<アクリル系共重合体(A)>
(アクリル系共重合体溶液(A−1))
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下で、ブチルアクリレート23.5重量部、2-エチルヘキシルアクリレート22.45重量部、サクサンビニル2.5重量部、アクリル酸1.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.05重量部、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込んだ。別途、滴下管に、ブチルアクリレート23.5重量部、2-エチルヘキシルアクリレート22.45重量部、サクサンビニル2.5重量部、アクリル酸1.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.05重量部、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込んだ。次いでフラスコを徐々に加熱し、反応開始を確認後、滴下管から溶液を1時間かけて滴下した。さらに内温約80℃で8時間反応を継続した。反応終了後、冷却しつつ、酢酸エチル、トルエンで希釈することで、不揮発分は46.2%、粘度は9100mPa・s、重量平均分子量=780000のアクリルポリマー溶液(A−1)を得た。
(アクリル系共重合体溶液(A−2〜6))
アクリルポリマー溶液(A−1)の製造における、アクリルモノマーの種類、および配合量(重量部)を表1に示すように変更した以外は、アクリルポリマー溶液(A−1)と同様にして、合成例2〜6のアクリル系共重合体溶液(A−2〜6)を得た。
Figure 0006536389
表1の略語を下記に記す。
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
VAC:サクサンビニル
(カルボキシル基含有モノマー)
AA:アクリル酸
(水酸基含有モノマー)
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
<イソシアネート硬化剤(C)>
(イソシアネート硬化剤溶液(C−1))
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器の反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、NCO%=13.0%、不揮発分=75%、東ソー社製)100部、次いでカルコール200GD(オクチルドデシルアルコール(炭素数20)、花王社製)15.4部を仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この溶液を60℃へ昇温し、7時間反応することでオクチルドデシルアルコールによって反応させた(NCO%=9.39%、NCO基の16.7%変性)、反応終了後、冷却しつつ、適量の酢酸エチルで希釈することで、不揮発分42.0%のイソシアネート硬化剤溶液(C−1)を得た。
(イソシアネート硬化剤溶液(C−2〜8))
イソシアネート硬化剤(C−1)の製造における、アルコールの種類、および配合量(重量部)を表2に示すように変更した以外は、イソシアネート硬化剤(C−1)と同様にして、イソシアネート硬化剤溶液(C−2〜8)を得た。
トリレンジイソシアネート系化合物中のイソシアネート基(NCO基)の変性率(NCO基 変性mol%)も、表2に記した。
Figure 0006536389
[実施例1]
(粘着剤の作製)
アクリル系共重合体溶液(A−1)中のアクリルポリマーの不揮発分100重量部に対して、粘着付与樹脂として、YSポリスターK125(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点125℃)を30重量部、イソシネート硬化剤溶液(C−1)(不揮発分42.0重量%の酢酸エチル溶液)中のイソシネート硬化剤を、不揮発分換算で9.5重量部、溶剤として酢酸エチルを適量配合し、ディスパーで攪拌することで粘着剤1を得た。
[実施例2〜20、比較例1〜6]
アクリル系共重合体、粘着付与樹脂、イソシアネート硬化剤の種類、および配合量を、表3〜5に記載したように変更する以外は、実施例1の粘着剤1と同様にして、粘着剤1〜26を得た。
Figure 0006536389
Figure 0006536389
Figure 0006536389
表3〜5中の略号は下記の通りである。また、配合量(重量部)は、アクリル系共重合体の固形分に対する不揮発分換算の添加量である。
<粘着付与樹脂>
YSポリスターK125:(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点125℃)
YSポリスターN125:(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点125℃)
クマロンV120:(日塗化学社製、クマロン樹脂、軟化点120℃)
クマロンG90:(日塗化学社製、クマロン樹脂、軟化点90℃)
SYLVARES SA100:(アリゾナケミカル社製、石油系樹脂、軟化点100℃)
ペンセルD125:(荒川化学社製、ロジン系樹脂、軟化点125℃)
<イソシアネート硬化剤>
TDI−TMP(変性なし):トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
得られた粘着剤を用いて粘着シートを形成し、以下の物性評価を行った。
<粘着シートの作製>
表6〜8記載の通りに、得られた粘着剤を用い、乾燥後の厚みが80μmになるよう25μmのPETフィルム基材に塗工(研磨部材側粘着剤層)し、100℃で2分間乾燥した後、剥離ライナーを貼り合わせ、次いで得られた粘着剤を、乾燥後の厚さが50μmになるよう剥離ライナーに塗工(定盤側粘着剤層)し、100℃で2分間乾燥した後、PETフィルム基材の粘着剤が塗布されていない面に貼り合わせ、23℃-50%で1週間放置し、粘着シートを得た。
なお、実施例1−Aは、研磨部材側に粘着剤1を、定盤側に粘着剤26を用い、粘着シートを得た。
<粘着力>
得られた粘着シートの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から、25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をステンレス板に2kgのローラーで1往復圧着し、20分または24時間放置後、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で粘着力を測定した。同様の方法にて両面の粘着力を測定した。
<保持力>
得られた粘着シートの測定しない面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、得られた試料から25μmのPETフィルムを貼り合せた面と逆の剥離ライナーを長さ25mm×幅25mm剥がしステンレス板に2kgロールで1往復圧着し、23℃−50%の雰囲気下で20分間放置した。その後、80℃の雰囲気下で1kgの重りを付け180度の方向に力が加わるようセットし、24時間後に粘着シートが被着体から何ミリずれているか、もしくは完全にずれ落ちた落下秒数を測定した。同様の方法にて両面の保持力を測定した。ズレが小さいほど、保持力は高いといえる。
<研磨部材粘着力>
得られた粘着シートの定盤面側の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%の雰囲気下で長さ10mm×幅25mmの粘着シートの研磨部材面側の剥離ライナーを剥がし、研磨部材(一般市販硬質ウレタンパッド)へ熱ラミネート(ラミネート速度:1.0m、ラミネート温度:90℃、ラミネート圧力:4.0kg/cm)で貼着し、23℃−50%の雰囲気下で24時間放置した。その後、23℃−50%の雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度300mm/minで粘着力を測定した(研磨部材粘着力1)。数値が大きいほど粘着力が高く優れている。
<耐アルカリ性>
得られた粘着シートの定盤面側の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%の雰囲気下で長さ10mm×幅25mmの粘着シートの研磨部材面側の剥離ライナーを剥がし、研磨部材(一般市販硬質ウレタンパッド)へ熱ラミネート(ラミネート速度:1.0m、ラミネート温度:90℃、ラミネート圧力:4.0kg/cm)で貼着し、23℃−50%の雰囲気下で24時間放置した。その後、水酸化ナトリウムを用いてpH11.5に調整した水溶液中に浸し、40℃の環境下で、さらに24時間放置した。その後、水溶液より試料を取り出し、水洗浄後、23℃−50%の雰囲気下にて1時間放置。その後、23℃−50%の雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引っ張り試験を用いて剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。180度粘着力(研磨部材粘着力1)の値に対する変化が少ないほど耐アルカリ性に優れる。
<耐酸性>
得られた粘着シートの定盤面の剥離ライナーを剥がし、25μmのPETフィルムを貼り合せた後、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%の雰囲気下で長さ10mm×幅25mmの粘着シートの研磨部材面側の剥離ライナーを剥がし、研磨部材(一般市販硬質ウレタンパッド)へ熱ラミネート(ラミネート速度:1.0m、ラミネート温度:90℃、ラミネート圧力:4.0kg/ cm)で貼着し、23℃−50%の雰囲気下で24時間放置した。その後、硫酸を用いてpH1.5に調整した水溶液中に浸し、40℃の環境下で、さらに24時間放置した。その後、水溶液より試料を取り出し、水洗浄後、23℃−50%の雰囲気下にて1時間放置。その後、23℃−50%の雰囲気下でJISZ1528の測定方法に準拠して、引張り試験を用いて剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。180度粘着力(研磨部材粘着力1)の値に対する変化が少ないほど耐酸性に優れる。
<引張りせん断力>
得られた粘着シートの定盤面側の剥離ライナーを剥がし、188μmのPETフィルム(PET188)を貼り合せた後、幅10mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%の雰囲気下で長さ10mm×幅10mmの粘着シートの研磨部材側の剥離ライナーを剥がし、ステンレス板に2kgのローラーで1往復圧着し、すぐに50℃の温水中に投入、24時間放置する。24時間経過後、水中より試料を取り出し、水洗浄後、23℃−50%の雰囲気下にて1時間放置。その後、23℃−50%の雰囲気下で、貼り合わせした試料の両端を引張り試験機に固定し、180度の方向へ引張り試験を用いて剥離速度100mm/minで引張り、引張りせん断力を測定した(図1)。引張りせん断力が高いほど、せん断力に優れており、長時間の研磨が可能なことを表す。
Figure 0006536389
Figure 0006536389
Figure 0006536389
表6〜8の結果から、本発明の、研磨部材固定用粘着剤は、粘着力が高く、かつ保持力評価におけるズレも小さく、研磨部材に対する優れた密着性を発現することで、高温環境下でも浮きや剥がれが生じることがなかった。また、耐酸性や耐アルカリ性にも優れた研磨部材固定用粘着剤であることが確認できた。
なかでも、粘着付与樹脂(B)が、テルペンフェノール樹脂、またはクマロン樹脂である場合、粘着剤層の凝集力がより高く、研磨部材への粘着力、および保持力評価におけるズレが小さく、研磨部材等への密着性に優れていた。
これに対し、イソシアネート硬化剤(C)を含有しない粘着剤21を用いて形成した粘着シートは、粘着力が小さい結果であり、とくに研磨部材に対する粘着力に問題がみられた。また、イソシアネート硬化剤(C)における、イソシアネート基の変性率が高すぎる場合には、保持力および引張せん断力が弱く、密着性に劣る結果であり、アルコールの炭素数が多すぎる場合にも、引張せん断力が弱い結果であった。
また、粘着付与樹脂(B)を含有しない粘着剤22を用いて形成した粘着シートは、粘着力が小さいだけでなく、保持力評価におけるズレが大きく、さらに耐酸性、および耐アルカリ性も悪い結果であった。また、粘着付与樹脂(B)の含有量が多すぎる場合にも粘着力が小さい結果であった。
これらの結果より、本発明の研磨部材固定用粘着剤を用いて形成した研磨部材固定用粘着テープは、粘着力に優れているだけでなく、従来よりも長時間の研磨が可能であり、更に、従来のガラスより硬度の高いガラスの研磨にも好適に用いることができることが明らかである。

Claims (5)

  1. アクリル系共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、およびイソシアネート硬化剤(C)を含有する研磨部材固定用粘着剤であって、
    前記アクリル系共重合体(A)が、カルボキシル基含有モノマー、および水酸基含有モノマーを含むモノマーの共重合体であり、
    前記イソシアネート硬化剤(C)が、トリレンジイソシアネート系化合物中のイソシアネート基の10〜40モル%が、炭素数1〜25の単官能アルコールによって変性されてなる化合物であり、
    粘着付与樹脂(B)の含有量が、アクリル系共重合体(A)100重量部に対し、5〜60重量部であることを特徴とする研磨部材固定用粘着剤。
  2. 前記粘着付与樹脂(B)の軟化点が、80〜150℃である、請求項1記載の研磨部材固定用粘着剤。
  3. 前記粘着付与樹脂(B)が、テルペンフェノール樹脂およびクマロン樹脂の少なくともいずれかを含有してなる、請求項1または2記載の研磨部材固定用粘着剤。
  4. 研磨部材が、ウレタン系であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の研磨部材固定用粘着剤。
  5. 基材上に、請求項1〜4いずれか1項記載の研磨部材固定用粘着剤から形成してなる粘着剤層を備えた、研磨部材固定用粘着シート。
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