JP2018070738A - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、上記の従来技術の有する課題を鑑みてなされたものであり、LED光源での紫外線硬化性に優れ、しかも基板材料に対して初期、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後に高い密着性を有する光硬化性組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)と、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)と、脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)とを必須成分として含有し、光重合開始剤(D)のメタノール中での365nmにおける吸光係数が1000ml/g・cm以上であり、硬化後のガラス転移点が100〜200℃であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物を用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は光硬化性組成物に関する。詳しくは、プリント基板の防湿絶縁に適した基材との密着性に優れた光硬化性樹脂に関する。
電気機器は、年々小型軽量化および多機能化の傾向にあり、これを制御する各種電気機器に搭載したプリント基板は、湿気、塵埃、ガス等から保護する目的で絶縁処理が行われている。この絶縁処理法には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の塗料による保護コーティング処理が広く採用されている。このような防湿絶縁塗料は、有機溶剤に溶解した状態で塗布、乾燥することにより目的とする塗膜を形成する方法が一般的に行われている(例えば特許文献1)。
しかし、これらの防湿絶縁塗料は、塗装の際に大気中に有機溶剤が排出されるため、大気汚染の原因となっており、また、これらの有機溶剤が火災を引き起こす危険性も高く、環境への負荷が高い物となっている。
また、紫外線または電子線の照射によって硬化可能な樹脂組成物が多く開発され、プリント基板の絶縁処理用途でも、既に、種々の光硬化性塗料が実用化され、使用に供されている。このような樹脂組成物として、ポリオレフィンポリオール化合物をポリイソシアネ−トとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させてなるウレタン変性アクリレート樹脂組成物が知られている(例えば特許文献2)。
しかしながら、ポリオレフィンポリオール化合物を使用するウレタン変性アクリレート樹脂組成物は基板材料との密着性が劣るため、高温高湿条件下およびヒートサイクル条件下で密着性が低下するという問題がある。
一方、LED光源を用いた紫外線照射装置でも硬化できる光硬化性樹脂の需要が高まっている。
LED光源を用いた紫外線照射装置は、低消費電力であり、かつオゾンの発生も少ない。よってランニングコスト及び自然環境への影響を小さくできる利点がある。
しかしながらLED光源は他の紫外線光源と違って単一波長であることから、硬化する樹脂組成物には紫外線に対する高い感度が求められる。
このような紫外線に対する高い感度を有する樹脂組成物としては、ポリオレフィンポリオール化合物、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和化合物及び1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物を反応させて得られるエチレン性不飽和二重結合を有するウレタン化合物と、分子内に5以上10以下のエチレン性不飽和二重結合を有する光重合性単量体と、及び光重合開始剤とを含有してなる光硬化性樹脂組成物が知られている(特許文献3)。
しかしながらこの組成物では膜厚が大きくなると樹脂と電子部品基材との界面での硬化不良が起き易いという問題があった。
特開2002−146266号公報 特開2008−291114号公報 特開2008−280414号公報
本発明は、LED光源での紫外線硬化性に優れ、基板材料に対して初期密着性はもちろん、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後でも高い密着性を有するプリント基板などの用途に適した光硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)と、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)と、脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)とを含有し、光重合開始剤(D)のメタノール中での365nmにおける吸光係数が1000ml/g・cm以上であり、硬化物のガラス転移点が100〜200℃であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物;およびこの光硬化性組成物を硬化させてなるプリント基板用コーティング膜である。
本発明の光硬化性組成物はLED光源での紫外線硬化性に優れ、基板材料に対して初期密着性はもちろん、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後でも高い密着性を有するプリント基板用コーティング膜を与えることができるという効果を奏する。
特に、従来から使われている高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等に比べて低消費電力でオゾンの発生も少なくランニングコストが低く環境負荷が少ないLED光源に対応しているメリットは大きい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)と、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)と、脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、光重合開始剤(D)とを含有し、光重合開始剤(D)のメタノール中での365nmにおける吸光係数が1000ml/g・cm以上であり、硬化物のガラス転移点が100〜200℃であることを特徴とする。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基又はメタクリロイル基」を意味する。
また、多官能とは、(メタ)アクリロイル基の数が2個以上であることを意味し、以下同様の記載法を用いる。
以下に、必須成分のリン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)、脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)、および光重合開始剤(D)を順次説明する。
本発明の必須成分であるリン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)としてはヒートサイクル試験後の密着性の観点から、少なくとも2個、好ましくは3〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
具体的には、ジ(メタ)アクリレート(A1)、3価以上の(メタ)アクリレート(A2)が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレート(A1)としては、炭素数2〜30の脂肪族2価アルコールのジ(メタ)アクリレート:ネオペンチルグリコールおよび1,6−ヘキサンジオールの各ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3価以上の(メタ)アクリレート(A2)としては、3価以上のアルコールのポリアクリレートが挙げられる。
3価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとしてはトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、グリセリンのトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとしてはペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンのテトラアクリレート等が挙げられる。
6価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとしてはジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物中の(A)〜(C)の合計重量に対するリン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)の重量割合は、初期およびヒートサイクル試験後の密着性の観点から好ましくは10〜50重量%であり、更に好ましくは15〜40重量%である。
本発明の脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチル−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート及びアダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、化学構造上、ホモポリマーのガラス転移点(以下、Tgと略記)が高い(50℃以上)ことから、ヒートサイクル試験後の密着性の観点で好ましい。
(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物中の(A)〜(C)の合計重量に対する脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)の重量割合は、初期およびヒートサイクル試験後の密着性の観点から好ましくは20〜80重量%であり、更に好ましくは35〜65重量%である。
本発明の第3の必須成分である脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)として、密着性の観点から、少なくとも1個のリン酸基を有し、(メタ)アクリロイル基の数は1個も2個以上でもよい。
少なくとも1個のリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルカプロエートアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。
リン酸基は一般に、カルボキシル基よりも水素結合が強く、さらに配位結合能を有する官能基であるため、ガラスや金属などの無機材料に対する密着性付与剤として有用である。
本発明の光硬化性樹脂組成物中の(A)〜(C)の合計重量に対する脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)の重量割合は、初期密着性の観点から好ましくは1〜30重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%である。
本発明で使用する光重合開始剤(D)としてはLED光源での硬化性の観点から、光重合開始剤をメタノール中で測定した365nmにおける吸光係数が1000ml/g・cm以上であり、好ましくは2000ml/g・cm以上である。
なお、吸光係数はその溶媒の種類で多少変動する場合があるので、本発明ではメタノール中で測定した際の吸光係数とする。
本発明の光重合開始剤(D)としてはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(メタノール中で測定した365nmにおける吸光係数が2309ml/g・cm)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(吸光係数が7858ml/g・cm)等が挙げられる。
光重合開始剤(D)の使用量は、硬化性および硬化物の着色の観点から、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は100〜200℃であり、好ましくは120℃〜180℃である。100℃未満ではヒートサイクル試験後の密着性が悪くなり、200℃を超えると、初期密着性が悪くなる。
なお、Tgは動的粘弾性測定装置を使って、得られたスペクトルの貯蔵弾性率E’に対する損失弾性率E”の比(tanδ)の最大値の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
初期密着性向上の観点から、本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)〜(D)以外にさらに、シランカップリング剤(E)を含有していることが好ましい。
シランカップリング剤(E)としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、レベリング剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物は、ガラス基材等の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、光照射し硬化させることにより、硬化物を得ることができる。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、スプレーコーター、ディップコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ロールコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を紫外線により硬化させる場合は、種々のLED光源紫外線照射装置[例えば、LED光源紫外線照射装置[パナソニックデバイスSUNX(株)製の「UJ35」]を使用できる。
なお、LED光源は、その他の通常 の紫外線光源と比較して、低消費電力でオゾンの発生も少なくランニングコストが低く環境負荷が少ない。
紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは100〜10,000mJ/cm、更に好ましくは500〜5,000mJ/cmである。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例1
撹拌機および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(A−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]20.0部、イソボルニルアクリレート(B−1)[商品名:IBXA、大阪有機化学工業(株)製]60.0部、2−アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(C−1)[商品名:KAYAMER PM−2、日本化薬(株)製]10.0部、を仕込み30分間攪拌した後、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(D−1)[商品名:イルガキュア819、BASF社製]3.0部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(E−1)[商品名:KBM−5103、信越化学(株)製]10.0部を加え、60℃で均一になるまで混合攪拌し、実施例1の光硬化性組成物を得た。
実施例2、3および比較例1〜8
実施例1と同様にして、表1に示す部数で均一混合させ、実施例2、3および比較例1〜8の光硬化性組成物を得た。
なお、表1中で使用した原料は以下の通りである。
(A−1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製、6官能]
(A−2):ペンタエリスリトールテトラアクリレート[商品名:ネオマーEA−300、三洋化成工業(株)製、4官能]
(A−3):ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名:ライトアクリレート PE−3A、共栄社化学(株)製、3官能]
(B−1):イソボルニルアクリレート[商品名:IBXA、大阪有機化学工業(株)製]
(B−2):シクロヘキシルアクリレート[商品名:ビスコート #155、大阪有機化学工業(株)製]
(B’−1):フェノキシエチルアクリレート[商品名:ライトアクリレート PO−A、共栄社化学(株)製]
(B’−2):2−エチルヘキシルアクリレート[商品名:アクリル酸2エチルヘキシル、日本触媒(株)製]
(B’−3):ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート[商品名:ライトアクリレート DCP−A、共栄社化学(株)製](C−1):2−アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート[商品名:KAYAMER PM−2、日本化薬(株)製]
(C−2):2−メタクリロイロキシエチルカプロエートアシッドホスフェート[商品名:KAYAMER PM−21、日本化薬(株)社製]
(C’−1):2−アクリロイロキシエチルコハク酸[商品名:HOA−MS、共栄社化学(株)製]
(D−1):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド[商品名:イルガキュア819、BASF社製、メタノール中での365nmにおける吸光係数が2,309ml/g・cm]
(D’−1):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[商品名:ルシリンTPO、BASF(株)社製、365nmにおける吸光係数が472ml/g・cm]
(D’−2):2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン[商品名:イルガキュア127、BASF(株)社製、365nmにおける吸光係数が107ml/g・cm]
(E−1):3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン[商品名:KBM−5103、信越化学(株)製]
(E−2):3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシシラン[商品名:KBE−502、信越化学(株)製]
実施例1〜3、および比較例1〜8で作製した光硬化性樹脂組成物の硬化物のTgの測定および、LED光源での紫外線硬化性および硬化物の初期密着性、高温高湿試験後の密着性、ヒートサイクル試験後の密着性の評価を行った。
<硬化物のTgの測定方法>
本発明における硬化物のTgは、以下の方法で測定することができる。
(1)テストピースの作製方法
ガラス板上にPETフィルム[東レ(株)製の「ルミラーS」]を載せ、その上に縦幅40mm、横幅5mmの空洞ができるように刳り抜いた、シリコンスペーサー(厚さ1mm)を載せて、その空洞に光硬化性組成物を流し込む。さらにその上からPETフィルムを被せてその上にガラス板を載せ、市販のLED光源紫外線照射装置[パナソニックデバイスSUNX(株)製の「UJ35」]により、23℃で紫外線を2000mW/cm2で1.5秒照射し、硬化させてシリコンスペーサーをはがすことにより縦幅40mm、横幅5mm、厚み1mmのテストピースを作成する。
(2)Tgの測定方法
(1)で得られたテストピースを使用し、動的粘弾性測定(DMA)装置[(株)ユービーエム製の「Rheogel−E4000」]を用いて、下記条件で測定する。
周波数:10Hz
昇温速度:4℃/分
得られたスペクトルの貯蔵弾性率E’に対する損失弾性率E”の比(tanδ)の最大値の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
<LED光源での紫外線硬化性>
光硬化性組成物をガラス基材の片面にバーコーターを用い、硬化後の膜厚が30μmになるように塗布し、LED光源紫外線照射装置[型番「UJ35」、パナソニックデバイスSUNX(株)製]により、紫外線を2000mW/cm2で1.5秒照射し、光硬化性組成物を硬化させた。
硬化物の表面を指で触ってべた付きがあるかどうか確認し、下記の判定基準で評価した。
○:べた付きが無い
×:べた付きが残っている
<初期密着性の評価>
JIS K5600−5−6に準拠して行った。
前記のLED照射で得られた硬化物を、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置した後、1mm幅にカッターナイフで切込みを入れて碁盤目(10×10個)を作成した。
碁盤目上にセロハン粘着テープを貼り付け、90度剥離を行い、ガラス基材からの硬化物の剥離状態を目視で観察した。100マス中の剥離せずに密着しているマス目の個数を数えて評価した。
<高温高湿試験後の密着性評価>
前記のLED照射で得られた硬化物を、65℃、相対湿度90%の環境下で500時間静置した。その後水分を乾燥させ23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置し同様にして、100マス中剥離せず密着しているマス目の個数を数えて評価した。
<ヒートサイクル試験後の密着性評価>
前記のLED照射で得られた硬化物を、低温側は−40℃で30分保持した後、高温側は80℃で30分保持する操作を1サイクルとし、ヒートサイクル試験を500サイクル実施した。
その後、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置し同様にして、100マス中剥離せず密着しているマス目の個数を数えて評価した。
本発明の実施例1〜3の光硬化性樹脂組成物は、表1に示す通り、LED光源での紫外線硬化性、ガラス基材に対する初期密着性、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後密着性のすべての点で優れている。
一方、本発明のリン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)を使用しない比較例1、および脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)の代わりに脂肪族単官能(メタ)アクリレート(B’−2)を使用した比較例3ではTgが100℃以下であり、ヒートサイクル試験後の密着性が不十分である。
(B)の代わりに芳香族単官能(メタ)アクリレート(B’−1)を使用した比較例2では高温高湿試験後の密着性が不十分で、脂環式構造を有する2官能(メタ)アクリレート(B’−3)を使用した比較例4では初期密着性が不十分で、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後の密着性が不良である。
脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)を使用しない比較例5では初期密着性、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後の密着性が不良であり、(C)の代わりにリン酸基ではなくカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート(C’−1)を使用した比較例6では初期密着性が不十分であり、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後の密着性が不良である。365nmにおける吸光係数が1000ml/g・cm未満である光重合開始剤(D’−1)および(D’−2)を使用した比較例7と8ではLED光源での硬化性が不良である。
本発明の光硬化性組成物は、LED光源での紫外線硬化性、基板材料に対する初期密着性、高温高湿試験後およびヒートサイクル試験後密着性が優れているため、プリント基板用コーティング膜として好適に使用できる。

Claims (5)

  1. リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(A)と、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリレート(B)と、脂環式構造を有さずリン酸基を有する(メタ)アクリレート(C) と、光重合開始剤(D)とを含有し、光重合開始剤(D)のメタノール中での 365nmにおける吸光係数が1000ml/g・cm以上であり、硬化物のガラス転移点 が100〜200℃であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. (A)〜(C)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が10〜50重量%であり、(B)の含有量が20〜80重量%であり、(C)の含有量が1〜30重量%である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. さらにシランカップリング剤(E)を含有する請求項1または2記載の光硬化性組成物。
  4. プリント基板用である請求項1〜3いずれか記載の光硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の光硬化性組成物を硬化させてなるプリント基板用コーティング膜。
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