JP2018069528A - 中空部材 - Google Patents

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【課題】軽量でありながらも、被処理物を載せた際に破損しにくい、高い信頼性を有する中空部材の提供。【解決手段】第1壁部1と、第1壁部に対向して位置する第2壁部2と、第1壁部1及び第2壁部2の間に位置する第3壁部3とを備え、第1壁部2、第2壁部2及び第3壁部3に囲まれた空隙部4に対応する、第1壁部1における第1部位及び第2壁部2における第2部位のいずれかは、中央にあたる部分をA部、第3壁部側3をB部としたとき、B部がA部よりも厚い部分を有している中空部材10。A部からB部にかけて漸次厚くなっている、中空部材10。【選択図】図1

Description

本開示は、中空部材に関する。
半導体や液晶等の製造、検査装置には、ウエハ等の被処理物を載せて、上下、左右、前後に移動し、被処理物を搬送する部材やこの搬送する部材を支持する部材が用いられている。そして、このような部材には、被処理物の搬送速度の向上および位置決め精度の向上のため、軽量化が求められている。
例えば、特許文献1には、中空部を有し、一体に焼成されたセラミック部材が開示されている。
特開2014−233883号公報
このような部材は、軽量でありながらも、被処理物を載せた際に破損しにくい、高い信頼性が要求されている。
本開示は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、軽量でありながらも、被処理物を載せた際に破損しにくい、高い信頼性を有する中空部材を提供するものである。
本開示の中空部材は、第1壁部と、該第1壁部に対向して位置する第2壁部と、前記第1壁部および前記第2壁部の間に位置する第3壁部とを備える。そして、前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部に囲まれた空隙部に対応する、前記第1壁部における第1部位および前記第2壁部における第2部位のいずれかは、中央にあたる部分をA部、前記第3壁部側をB部としたとき、前記B部が前記A部よりも厚い部分を有している。
本開示の中空部材は、軽量でありながらも、被処理物を載せた破損しにくいことから、高い信頼性を有する。
本開示の中空部材の一例を示す模式図である。 図1に示す空隙部の拡大図である。 本開示の中空部材の他の例を示す、空隙部の拡大図である。 本開示の中空部材のさらに他の例を示す、空隙部の拡大図である。 本開示の中空部材のさらに他の例を示す模式図である。
以下、本開示の中空部材について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図においては、中空部材の識別のために数字とアルファベットとにより符号を付すが、本開示の中空部材に共通する箇所の記載においては、数字のみを付して説明する。
本開示の中空部材10は、図1に示すように、第1壁部1と、第1壁部1に対向して位置する第2壁部2と、第1壁部1および第2壁部2の間に位置する第3壁部3とを備える。そして、本開示の中空部材10は、第1壁部1、第2壁部2および第3壁部3に囲まれた空隙部4を有する。
また、第1壁部1は、図2に示すように、空隙部4に対応する第1部位を有する。ここで、第1部位とは、第1壁部1において空隙部4を構成する部位のことである。図2に示す構成によれば、中空部材10を第1壁部1から第2壁部2にかけて切断した切断面(以下、単に切断面という。)の第1壁部1において、第3壁部3の内壁の延長線同士に挟まれている領域のことである。また、第2壁部2は、図2に示すように、空隙部4に対応する第2部位を有する。ここで、第2部位とは、第1部位と同様に、図2に示す構成によれば、切断面の第2壁部2において、第3壁部3の内壁の延長線同士に挟まれている領域のことである。
そして、第1壁部1における第1部位および第2壁部2における第2部位のいずれかは、中央にあたる部分をA部、第3壁部3側をB部としたとき、B部がA部よりも厚い部分を有している。以下、図2を用いて、第1部位に着目して説明する。第1部位におけるA部とは、図2に示す切断面において、第1部位の長さを5等分となるように分割した際の真ん中の部位のことである。一方、第1部位におけるB部とは、図2に示す切断面において、第1部位の長さを5等分となるように分割した際の両端の部位のことである。また、B部がA部よりも厚い部分を有しているとは、切断面において、B部がA部の最大厚み(At)よりも厚い部分を有しているということである。なお、第1部位の長さとは、図示面における左右の寸法のことであり、第1部位の厚みとは、図示面における上下寸法のことである。
そして、本開示の中空部材10は、このような構成を満足していることで、空隙部4の領域を確保して軽量化を図りつつ、B部がA部と同じ厚みであるときよりも被処理物を載せた際に破損が発生しにくい。
また、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位のいずれかにおいて、B部がA部よりも厚くてもよい。ここで、B部がA部よりも厚いとは、A部の最大厚みよりもB部の最小厚みが厚いことをいう。このような構成を満足するならば、本開示の中空部材10は、被処理物を載せた際に破損がさらに発生しにくいものとなる。
また、図3に示すように、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位の両方において、B部がA部よりも厚くてもよい。このような構成を満足するならば、第1壁部1側および第2壁部2側の両方において、被処理物を載せた際に破損が発生しにくいものであることから、第1壁部1側および第2壁部2側の両方の面を被処理物の載置面とすることができる。
また、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位のいずれかは、図2に示すように、A部の最大厚みをAt、B部の最大厚みをBtとしたときの比Bt/Atが1.5以上5.0以下であってもよい。このような構成を満足するならば、本開示の中空部材10は、より空隙部4の領域を確保しつつ、空隙部4の角部であるB部の機械的強度を向上させることができる。なお、空隙部4のA部の最大厚みAtは0.1mm以上1.0.mm以下であることが好適である。
さらに、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位の両方において、比Bt/Atが1.5以上5.0以下であってもよい。このような構成を満足するならば、本開示の中空部材10は、さらに空隙部4の領域を確保しつつ、第1壁部1側および第2壁部2側
の両方から負荷が加えられても、破損が発生しにくいものとなる。
また、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位のいずれかは、A部からB部にかけて漸次厚くなっている部分を有していてもよい。このような構成を満足するならば、第1部位および第2部位のいずれかにおいて、応力の集中箇所を有していないことから、被処理物を載せた際により破損が発生しにくいものとなる。
また、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位のいずれかは、A部からB部にかけて漸次厚くなっていてもよい。さらに、本開示の中空部材10の第1部位および第2部位の両方が、A部からB部にかけて漸次厚くなっていてもよいことは言うまでもない。
また、本開示の中空部材10は、空隙部4に対応する第3壁部3の表面に凹凸を有していてもよい。ここで、凹凸の形状としては、図4(a)に示すようなS字状、図4(b)に示すような角ばった形状等、様々な形状であってよい。このような構成を満足するならば、被処理物を載せた際に掛かる応力が、凹凸の箇所に集中しやすく、結果として応力が分散されて中空部材10の破損が抑制されることから、本開示の中空部材10は高い信頼性を有するものとなる。
また、本開示の中空部材10は、図5に示すように、切断面において、空隙部4が一方向に並んで複数設けられており、複数の空隙部4の全てを見たときに、空隙部4は、両端より中央に向かうにつれて漸次第1壁部1側または第2壁部2側にずれて配置されていてもよい。このような構成を満足するならば、中空部材10を断熱部材として使用する場合、中央に向けて傾斜的な断熱効果を提供できる。例えば、中空部材10bのように、空隙部4が、両端より中央に向かうにつれて漸次第1壁部1側にずれて配置されているならば、第1壁部1上に被処理物を載置し、被処理物に対して中央付近に熱が発生しやすい処理を行なう際、生じた熱を効果的に断つことができる。また、中空部材10cのように、空隙部4が、両端より中央に向かうにつれて漸次第2壁部2側にずれて配置されているならば、第1壁部1上に被処理物を載置し、被処理物に対して両端付近に熱が発生しやすい処理を行なう際、生じた熱を効果的に断つことができる。
また、本開示の中空部材10における第1壁部1、第2壁部2および第3壁部3は、どのような材料で構成されていてもよいが、セラミックスからなるならば、高い耐久性および耐食性を兼ね備えており、腐食性の高いガス雰囲気下や、高温・高圧下での使用が可能となる。ここで、セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラミックス、コージェライト質セラミックス、酸化ジルコニウム質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックスまたはムライト質セラミックス等を用いることができる。
そして、セラミックスが酸化アルミニウム質セラミックスであるならば、原料代が安く加工をしやすいため、他材質よりも安価に中空部材10を製造することができる。また、セラミックスが炭化珪素質セラミックスであるならば、高剛性により中空部材10の機械的強度を高めることができる。また、セラミックスがコージェライト質セラミックスであるならば、中空部材10は軽量かつ耐熱性に優れたものとなる。
ここで、例えば酸化アルミニウム質セラミックスとは、酸化アルミニウムを主成分としたセラミックスであり、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、酸化アルミニウムを70質量%以上含有するものである。そして、本開示の中空部材10における第1壁部1、第2壁部2および第3壁部3の材質は、以下の方法により確認することができる。まず、X線回折装置(XRD)を用いて測定し、得られた2θ(2θは、回折角度である。)の値をJCPDSカードで同定することにより、酸化アルミニウムの存在を確認
する。次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)または蛍光X線分析装置(XRF)を用いて、アルミニウム(Al)の定量分析を行なう。そして、ICPまたはXRFで測定したAlの含有量から酸化アルミニウム(Al)に換算した含有量が70質量%以上であれば、酸化アルミニウム質セラミックスである。なお、他のセラミックスについても同様である。
また、第1壁部1、第2壁部2および第3壁部3がセラミックスからなる場合、空隙部4には、空気、アルゴン、窒素等の気体が内部に存在するか真空状態であることが好適である。セラミックスの熱伝導率は一般的に4W/m・K〜160W/m・K程度である。これに対し、空隙部4に、空気、アルゴン、窒素等の気体が内部に存在するか真空状態である場合には、空隙部4内の熱伝導率は0.05W/m・K程度以下と非常に低くなる。このように、セラミックスよりも熱伝導率が低い空隙部4が存在すれば、断熱効果を得ることができ、中空部材10を断熱部材として使用することができる。
以下、本開示の中空部材10の製造方法の一例について示す。
まず、主成分原料(炭化珪素、酸化アルミニウム等)の粉末に、焼結助剤、バインダ、溶媒および分散剤等を適宜添加し混合してスラリーを作製する。そして、このスラリーを用いて、ドクターブレード法により複数のセラミックグリーンシートを形成する。
なお、セラミックグリーンシートを形成する他の方法としては、スラリーを噴霧乾燥造粒法(スプレードライ法)により噴霧乾燥して造粒することによって顆粒を作製し、得られた顆粒をロールコンパクションにより成形する方法がある。また、顆粒を用いて、メカプレス法や冷間静水圧加圧成形(CIP)法、または、スラリーの代わりに坏土を作製して、押出成形法によってセラミックグリーンシートを得てもよい。
次に、得られた複数のセラミックグリーンシートをそれぞれ所望の形状となるように金型もしくはレーザを用いて加工する。ここで、焼成後の第1壁部1や第2壁部2において、B部がA部よりも厚い部分を有するように、セラミックグリーンシートを加工する。なお、B部をA部よりも厚くしたり、A部の最大厚みAtとB部の最大厚みBtとの比Bt/Atが1.5以上5.0以下となるようにしたり、A部からB部にかけて漸次厚くなっている部分を有するようにしたり、A部からB部にかけて漸次厚くなるように加工してもよい。
その後、それぞれのセラミックグリーンシートに上記スラリーを塗布して積層し、加圧することで成形体とする。なお、空隙部4に対応する第3壁部の表面が凹凸を有するようにするには、セラミックグリーンシートを積層することで空隙部4となる部分を形成した後に、内面を切削加工して凹凸を形成すればよい。または、空隙部4となる孔の形状を異ならせたセラミックグリーンシートを積層することで、空隙部4となる部分を形成してもよい。
そして、成形体を乾燥、脱脂することで脱脂体を作製した後、主成分原料に合わせた焼成温度および焼成雰囲気で焼成することで、本開示の中空部材10を得る。なお、焼成雰囲気を大気雰囲気、アルゴン雰囲気、窒素雰囲気または真空雰囲気として脱脂体を焼成すれば、空隙部4の内部はそれぞれ、空気、アルゴン、窒素の気体が存在するものになるか、または真空状態となる。
なお、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
10、10a、10b、10c:中空部材
1:第1壁部
2:第2壁部
3:第3壁部
4:空隙部

Claims (10)

  1. 第1壁部と、
    該第1壁部に対向して位置する第2壁部と、
    前記第1壁部および前記第2壁部の間に位置する第3壁部とを備え、
    前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部に囲まれた空隙部に対応する、前記第1壁部における第1部位および前記第2壁部における第2部位のいずれかは、中央にあたる部分をA部、前記第3壁部側をB部としたとき、前記B部が前記A部よりも厚い部分を有している中空部材。
  2. 前記第1部位および前記第2部位のいずれかは、前記B部が前記A部よりも厚い請求項1に記載の中空部材。
  3. 前記第1部位および前記第2部位は、前記B部が前記A部よりも厚い請求項2に記載の中空部材。
  4. 前記第1部位および前記第2部位のいずれかは、前記A部の最大厚みをAt、前記B部の最大厚みをBtとしたときの比Bt/Atが1.5以上5.0以下である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の中空部材。
  5. 前記第1部位および前記第2部位は、前記A部の最大厚みをAt、前記B部の最大厚みをBtとしたときの比Bt/Atが1.5以上5.0以下である請求項4に記載の中空部材。
  6. 前記第1部位および前記第2部位のいずれかは、前記A部から前記B部にかけて漸次厚くなっている部分を有している請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の中空部材。
  7. 前記第1部位および前記第2部位のいずれかは、前記A部から前記B部にかけて漸次厚くなっている請求項6に記載の中空部材。
  8. 前記第1部位および前記第2部位は、前記A部から前記B部にかけて漸次厚くなっている請求項7に記載の中空部材。
  9. 前記空隙部に対応する前記第3壁部の表面が凹凸を有している請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の中空部材。
  10. 前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部は、セラミックスからなる請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の中空部材。
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