JP2018068927A - 車両用操作期間推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転状況に拘らず運転者に適したタスク実行時間を推定することができる車両用操作期間推定装置を提供する。【解決手段】運転者による操作手段の一連操作からなるタスクの実行期間を推定する車両用操作期間推定装置において、運転者の周期的生体現象に基づく第1,第2心周期を記憶する記憶部11と、操作開始された対象タスクを検出するクラッチセンサ26と、クラッチセンサ26により検出されたクラッチ6の対象タスクの操作期間を第1,第2心周期に基づいて推定する推奨操作期間推定部13及び実操作期間推定部14とを備え、半随意運動状態の周期に基づいて運転者による対象タスクの操作期間を推定している。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用操作期間推定装置に関し、特に運転者による操作手段の一連操作からなるタスクの実行期間を推定する車両用操作期間推定装置に関する。
従来より、運転者が有段変速機の変速操作を手動によって行う手動変速機(MT)では、変速時、変速ショックを生じることが知られている。
操作手段の1つであるクラッチペダルの操作に連動したクラッチによって有段変速機とエンジンとの接続が遮断された後、シフトレバー操作によりギヤ段が変更されて再度有段変速機とエンジンとが接続される再接続時、有段変速機の回転数とエンジンの回転数が同期していない運転状況が考えられる。
このような運転状況では、車両に回転数差に伴う振動、所謂変速ショックが発生する。
そこで、手動変速機による変速時、変速ショックを抑制するため、シフトアシスト制御に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献2の車両の制御装置は、運転者によるシフトレバー操作の動きを撮像する撮像部と、この撮像部によって撮像されたシフトレバー操作の動きから変更されたギヤ段を推定するシフトポジションを推定するシフト操作位置推定部と、エンジン回転数を制御するエンジンECUとを備え、エンジンECUが、エンジン回転数をシフト操作位置推定部によって推定されたシフトポジションに応じて制御している。
これにより、運転者によるシフトレバー操作が完了する前に、変更先のシフトポジションに応じたエンジン回転数に迅速に制御される。
ところで、生活環境における人間の生理的な反応行動には、視床下部が中枢として関与しており、この視床下部が自律神経系と内分泌系の2つの調節系によって支えられていることが知られている。
自律神経系による調節の特徴は、迅速な応答性であることから、自律神経系は、外部刺激に相当する様々な外部環境の変化等に基づく姿勢等の身体的条件変化に対する過渡的な応答に対して必須な調節系になっている。
自律神経系は、機能的、形態的分類により交感神経系と副交感神経系とに区分される。
生命維持に不可欠な心臓は、自身で歩調可能な洞房結節から心房、心室に伝播する活動電位により律動的に拍動する自動能によって不随意運動を行い、亢進性の役割を果たす交感神経と、抑制性の役割を果たす迷走神経によって支配されていることも知られている。
即ち、心拍数(脈拍数)の調節現象は、洞房結節に対する交感神経と迷走神経の作用による自律神経系特有のリズムであるため、周期的生体現象である心拍数変動をパラメータとして自律神経の活動を評価することが可能である。
自律神経活動計測手法の1つである心電図は、心臓の電気的活動を体表面で計測し、数値によって可視化することができる。
通常、心電図における心拍変動中において、最も大きい変化を示す変動現象は心拍動のピーク値の1つであるR波であるため、特定のR波から連続した次のR波までの時間をRRI(R-R Interval、R−R間隔又は心周期とも言う)によって表すことができ、このRRIの逆数によって心拍数を表すことができる。
平常時のRRIは、一般に、0.6〜1.0secの範囲に含まれる値である。
また、血圧は、圧受容体を介して心拍数と密接に関連して変動する傾向があるため、心拍数変動と同様に、血圧変動によって自律神経の活動を評価することができる。
特開2007−032341号公報 特開2016−118162号公報
車両の操縦は、走行環境の影響は受けるものの、運転者による操作手段の一連操作からなるタスクの連結であるため、これら個々のタスクの連続が全体として単一の大きな運転タスクを形成する行動モデルであると考えることが可能である。
例えば、操作手段がステアリングホイールの場合、切込み及び切戻しが1タスクに相当し、操作手段がクラッチペダルの場合、踏込み及び踏戻しが1タスクに相当している。
本発明者は、検討を重ねた結果、意のままの操縦感を認識できる状態とは、運転者が運転経験に基づいて操作習熟を終えた状態、換言すれば、再現性が高く且つ半自動的に操縦動作を実行できる半随意運動状態(歩行状態に相当する)であることを知見するに至った。
半随意運動状態は、主に、四肢等の外受容系に係る自律神経系による調節現象であるため、平常時の自律神経系リズムに合致した運動状態は、感覚的に半随意運動状態であり、また、運転者にとって主観的に好感を認識できる状態と言える。
つまり、図10に示すように、操作手段の一連操作からなるタスクを運転者が実際に経験し、この経験により運転者がこのタスクを習熟した場合、タスクが半随意運動化するため、外受容系によるタスクの周期と自律神経系のリズムは同期(協調)傾向を示すものと推測される。
図11に示すように、人間は、外受容系による運動を行う場合、特に集中度合いが高い程(無意識性が高い程)、随意的統制が容易ではない心拍動のピーク値(R波)を回避した心周期(以下、R波回避周期とする)で運動が実行されることから、運転者による一連のタスクも、生体現象の観点から、R波回避周期に従って実行されることが好ましい。
しかし、実際の車両操縦中において、運転者による特定タスクの実行時間を推定し、このタスクの実行時間をR波回避周期に合致させることは容易ではない。
即ち、運転者の心周期は外部刺激に相当する外部環境の変化に同調しながら変化する傾向があるため、予め準備した運転者の心周期を用いてタスクの実行時間を推定することは現実的ではなく、タスク実行時間を高精度に推定できない虞がある。
特許文献2の車両の制御装置は、クラッチが締結される前に推定されたギヤ段に応じたエンジン回転数に制御することにより、変速ショックを防止している。
しかし、特許文献2の車両の制御装置では、運転者によるクラッチペダル操作に係る対象タスクに相当するクラッチペダルの踏込み及び踏戻し動作の実行時間を推定するものではない。この特許文献2の技術は、シフトレバー操作に応じた手の撮像情報に基づきシフトレバー操作中の手の動きの方向を示す操作ベクトルを算出し、算出された操作ベクトルによって変更先のギヤ段を推定した後、推定されたギヤ段と実際の車速を用いて目標エンジン回転数を設定しているため、クラッチの締結タイミングが考慮されることなく、目標エンジン回転数の設定と同時にエンジン回転数が制御される。
これにより、目標エンジン回転数への到達タイミングとクラッチの締結タイミングとの間に時間的なずれが生じることになり、運転者が変速ショックを伴う違和感を認識する虞がある。
本発明の目的は、運転状況に拘らず運転者に適したタスク実行時間を推定することができる車両用操作期間推定装置等を提供することである。
請求項1の車両用操作期間推定装置は、運転者による操作手段の一連操作からなるタスクの実行期間を推定する車両用操作期間推定装置において、運転者の周期的生体現象に基づく自律神経系生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、操作開始された対象タスクを検出する対象タスク検出手段と、前記対象タスク検出手段により検出された対象タスクの操作期間を前記自律神経系生体情報に基づいて推定するタスク期間推定手段と、を備えたことを特徴としている。
この車両用操作期間推定装置では、運転者の周期的生体現象に基づく自律神経系生体情報を記憶する生体情報記憶手段を有するため、運転状況毎に運転者自身の半随意運動状態の周期(自律神経系リズム)を保有することができる。
操作開始された対象タスクを検出する対象タスク検出手段と、前記対象タスク検出手段により検出された対象タスクの操作期間を前記自律神経系生体情報に基づいて推定するタスク期間推定手段とを有するため、半随意運動状態の周期に基づいて運転者による対象タスクの操作期間を推定することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記生体情報記憶手段が、平常時の心拍数、血圧、脈波の何れかである第1自律神経系生体情報を記憶していることを特徴としている。
この構成によれば、平常時の運転者の自律神経系を基準にすることができ、運転者にとって主観的に好感を認識できる対象タスクの操作期間を推定することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記対象タスクの直前の運転者の自律神経系生体情報を検出する生体情報検出手段を備え、前記生体情報記憶手段が、前記対象タスク以前のタスク実行時における第2自律神経系生体情報を記憶していることを特徴としている。
この構成によれば、操縦中の運転者の自律神経系を基準にすることができ、対象タスクの操作期間を高精度に推定することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、走行状態判定手段を備え、前記走行状態判定手段によって危険回避時と判定されたとき、前記第2自律神経系生体情報に基づく対象タスクの操作期間の推定のみを有効化し、高速道路の合流時又は車両発進時と判定されたとき、対象タスクの操作期間の推定を無効化することを特徴としている。
この構成によれば、自律神経系からの影響が大きい危険回避状態の推定を有効化し、運転者の意識の影響が大きい高速合流時又は発進時の推定を無効化することにより、対象タスクの操作期間の推定精度を高くすることができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記対象タスクがクラッチペダルの踏込み及び踏戻し操作であり、前記自律神経系生体情報が心周期であることを特徴としている。
この構成によれば、運転者が主観的な好感を認識しつつ、変速時の変速ショックを防止することができる。
本発明の車両用操作期間推定装置によれば、運転状況に拘らず運転者に適したタスク実行時間を推定することができる。
実施例1に係る車両用操作期間推定装置のブロック図である。 シフトアップ時におけるタイムチャートの例である。 通常モードにおけるタイムチャートの例である。 通常モードにおけるタイムチャートの別の例である。 制振モードにおけるタイムチャートの例である。 差分とゲインの相関関係を示すグラフである。 操作期間推定処理手順を示すフローチャートである。 制振モード制御処理手順を示すフローチャートである。 通常モード制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明の着想を示す概念図である。 心拍動と運動との関係を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を手動変速機を備えた車両の制御装置1に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図9に基づいて説明する。
本実施例の車両は、有段変速機の変速操作を手動によって行う手動変速機(図示略)が搭載されており、運転者によるシフトレバー(図示略)の手動操作を介して有段変速機のギヤ段の切替え(シフト変更)が行われている。
図1に示すように、この車両は、ステアバイワイヤ機構Sと、アクセルバイワイヤ機構Aと、ブレーキバイワイヤ機構Bと、運転者による操作手段の一連操作からなるタスクの操作期間(実行期間)を推定可能な制御装置1を備えている。
ステアバイワイヤ機構Sは、ステアリングホイール(以下、ステアリングと略す)3と操舵装置(図示略)が機械的に分離形成され、運転者によるステアリング3の操作量に基づきステアリング3に操作反力を付与する反力モータ3a等を備えている。
アクセルバイワイヤ機構Aは、アクセルペダル(以下、アクセルと略す)4とエンジン2のスロットルバルブ(図示略)が機械的に分離形成され、運転者によるアクセル4の操作量に基づきアクセル4に操作反力を付与する反力モータ4a等を備えている。
ブレーキバイワイヤ機構Bは、ブレーキペダル(以下、ブレーキと略す)5と液圧ブレーキ機構(図示略)が機械的に分離形成され、運転者によるブレーキ5の操作量に基づきブレーキ5に操作反力を付与する反力モータ5a等を備えている。
尚、反力モータ3a,4a,5aに係る具体的な構成は、本出願人が既に出願しているため、詳細な説明を省略する(特願2016−099456号参照)。
また、同様に、クラッチペダル(以下、クラッチと略す)6についても、クラッチ6に操作反力を付与する反力モータ6aが設けられている。
制御装置1は、運転者の平常時の第1心周期を基準とする通常モードと変速直前の第2心周期を基準とする制振モードの何れかに切替可能に構成されると共に、エンジン回転数を推定されたタスク操作期間に基づいて変速開始時のエンジン回転数から変速終了後の目標エンジン回転数に制御するように構成されている。
この制御装置1は、操作手段の一連操作からなるタスクの操作期間推定機能及び運転者に対する操作タイミング報知機能を有しているため、操作期間推定装置並びに運転支援装置に相当している。
図1に示すように、制御装置1は、ECU(Electronic Control Unit)10を備えている。このECU10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって構成されている。
ROMには、操作期間推定処理、通常モード制御処理及び制振モード制御処理するための種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。
ECU10は、エンジン2と、反力モータ3a〜6aと、点灯装置やスピーカ装置からなる報知手段7と、回転数センサ21と、車速センサ22と、舵角センサ23と、アクセルセンサ24と、ブレーキセンサ25と、クラッチセンサ26と、ナビゲーションシステム27と、外部CCD(Charge Coupled Device)カメラ28と、内部CCDカメラ29と、心拍数センサ30と、制振モードスイッチ31等に電気的に接続されている。
そして、ECU2は、各センサ類21〜31からの入力信号を受けて、エンジン2の回転数制御を行うと共に、反力モータ3a,4a,5a,6a及び報知手段7等に対して夫々必要な指令信号を出力している。
反力モータ6aは、運転者によるクラッチ6の操作量を検出する操作量センサと、クラッチ6の操作量に対応した操作力を検出する操作力センサ(何れも図示略)からの検出信号に基づいて求められた操作反力をクラッチ6に付与するように構成されている。
この反力モータ6aは、ECU10から出力された指令信号のゲインが大きい程クラッチ6に付与する操作反力が高くなるように形成されている。尚、クラッチ6に付与する操作反力は、運転者によるクラッチ6の操作に支障が生じない範囲で制御されている。
報知手段7の点灯装置は、例えば、インスツルメントパネルの中央部位に設置され、ECU10から出力された指令信号のゲインが大きい程表示ランプの輝度が高くなる或いは点灯領域が拡大するように制御されている。
スピーカ装置は、例えば、インスツルメントパネルの左右両端部位に設置され、ECU10から出力された指令信号のゲインが大きい程出力される報知音量が大きくなるように制御されている。
次に、各センサ類21〜31について説明する。
回転数センサ21は、エンジン2のクランク軸回転数に応じた信号を出力し、車速センサ22は、車両の移動速度に応じた信号を出力する。舵角センサ23は、運転者によるステアリング3の操舵角に関連する信号を出力し、アクセルセンサ24は、運転者によるアクセル4の踏込量を検出して検出信号を出力する。
ブレーキセンサ25は、運転者によるブレーキ5の踏込操作を検出してオン操作検出信号を出力し、ブレーキ5の踏戻操作を検出してオフ操作検出信号を出力する。クラッチセンサ26は、運転者によるクラッチ6の踏込操作を検出してオン操作検出信号を出力し、クラッチ6の踏戻操作を検出してオフ操作検出信号を出力する。
ナビゲーションシステム27は、車両の経路案内を行うシステムである。
ナビゲーションシステム27には、車両の現在位置を検出するためのGPS受信部(図示略)が電気的に接続されている。GPS受信部は、複数のGPS衛星からの信号を受信することで車両の現在位置を検出する。また、ナビゲーションシステム27は、高速道路の出入口や合流位置等の道路地図データを記憶した地図データベースと、交通規則データを記憶した交通規則データベース(何れも図示略)等を備えている。
これにより、ナビゲーションシステム27は、車両の現在位置データ及び道路地図データ等をECU10に出力する。
外部CCDカメラ28は、例えば、ルームミラー(図示略)に内蔵して配設されている。
この外部CCDカメラ28は、車体前方を監視領域として設定され、所定の視野角内の画像を撮像可能に構成されている。外部CCDカメラ28によって撮像された画像により、自車両の走行レーン内に進入する(割り込む)先行車両の割り込み度合いを判定している。
内部CCDカメラ29は、例えば、運転席上方の天井に配設されている。
この内部CCDカメラ29は、シフトレバーの操作範囲を含むシフト領域を監視領域として設定され、運転者の手の位置や動きの画像を撮像可能に構成されている。内部CCDカメラ29によって撮像された画像により、変速時、シフトレバーの変更先の操作位置、所謂変速終了後のギヤ段を判定している。
心拍数センサ30は、例えば、シートの座面又は背面等に配設された複数の電極によって構成されている。
この心拍数センサ30は、車両操縦中の運転者の心筋が伸縮するときの刺激伝導に伴う脱分極によって各電極間に生じる電位差に基づき心拍動(図11参照)を検出可能に構成されている。心拍数センサ30によって検出された心拍動履歴、所謂心拍数変動により、運転状況毎の心周期(RRI)を判定している。
心周期とは、所定期間内における心拍動のR波とこのR波に隣接したR波との時間間隔における平均値である。
尚、心拍数センサ30は、運転者が把持しているステアリング3に配設しても良く、運転者が携帯する計測機能付携帯端末装置を心拍数センサ30とし、ECU10に対して送信可能に構成しても良い。
制振モードスイッチ31は、例えば、ステアリング3に装備されている。
この制振モードスイッチ31は、運転者によって切替操作されたときのみHレベルの信号が出力され、それ以外のときはLレベルの信号が出力されるモーメンタリ式切替スイッチによって構成されている。オフ状態に操作された通常モードのとき、運転者が制振モードスイッチ31をオン状態に切替操作した場合、制振モード制御の実行を許可する制振モードが設定され、オン状態に操作された制振モードのとき、運転者が制振モードスイッチ31をオフ状態に切替操作した場合、制振モード制御の実行を停止して通常モードが設定される。
次に、ECU10について説明する。
ECU10は、操作手段の一連操作からなるタスクの実行時間を推奨操作期間T1と実操作期間T2(T3)との2種類の操作期間を用いて推定している。
推奨操作期間T1は、平常時(日常)の最も平均的な心周期を基準にした操作期間であり、歩行等のように再現性が高く且つ半自動的にタスクを実行可能な操作期間である。それ故、運転者にとって推奨操作期間T1に合ったタスクの実行は、主観的に好感を認識することができる動作である。
実操作期間T2(T3)は、推定する対象タスクの直前状態の心周期を基準にした操作期間であり、実際の運転状況を反映した運転者の自律神経系リズムに合致する操作期間である。それ故、運転者は、周期的生体現象として、無意識的に実操作期間T2(T3)に合ったタスクを実行する可能性が高い。
図1に示すように、ECU10は、記憶部11と、ギヤ段推定部12と、推奨操作期間推定部13と、実操作期間推定部14と、走行状態判定部15と、エンジン回転数制御部16と、差分演算部17と、ゲイン設定部18等を備えている。
以下、本実施例では、クラッチ6を操作手段とし、変速時における運転者の踏込み及び踏戻し操作を対象タスクとした例について説明を行う。
まず、記憶部11について説明する。
記憶部11は、平常時における半随意運動中の第1心周期(第1自律神経系生体情報)を記憶している。この第1心周期は、車両操縦開始以前に、予め日常生活の歩行等の心拍数変動の平均値に基づいて取得している。
また、この記憶部11は、心拍数センサ30の検出信号に基づいて車両操縦中の心拍数変動を記憶している。この車両操縦中の心拍数変動に基づき、対象タスクの直前の操作手段のタスク、例えば、クラッチ6の操作前に操作するブレーキ5の踏込み及び踏戻し或いはアクセル4の踏戻し等、の実行中における移動平均による心周期を第2心周期(第2自律神経系生体情報)として記憶している。
次に、ギヤ段推定部12について説明する。
ギヤ段推定部12は、予め保持する運転者によるシフトレバー操作が成されていない基準画像と内部CCDカメラ29から入力された入力画像とを比較してシフトレバー操作の動きに関する差分を時系列に取得し、取得した差分情報によってシフトレバーの操作ベクトルを算出して変速先のギヤ段を運転者によるシフトレバー操作完了前に推定している。
尚、シフトレバーのガイド溝に位置センサを配設し、この位置センサによって変速先のギヤ段を検出しても良い。
次に、推奨操作期間推定部13について説明する。
推奨操作期間推定部13は、記憶部11に記憶された第1心周期に基づき、対象タスクの推奨操作期間T1を推定している。
図2に示すように、例えば、ギヤ段を2速から3速にシフトアップする場合、運転者はt0からアクセル4の踏戻し(操作手段のタスク)を開始し、アクセル4の踏戻し終了時点であるt1からのブレーキ5の踏込みによって車両を減速した後、ブレーキ5の踏戻し終了時点であるt2にクラッチ6の踏込みを行う。そして、クラッチ6踏込み後のt3において、シフトレバー操作によりギヤ段を2速から3速に変更し、シフトレバー操作後のt4にクラッチ6の踏戻し操作を行ってシフトアップを完了する。
尚、説明の便宜上、運転者によるクラッチ6の操作を単純モデル化している。
この推奨操作期間推定部13では、クラッチ6の踏込みタイミングt2から踏戻しタイミングt4までの操作期間を記憶部11に記憶された平常時の第1心周期と同一期間である推奨操作期間T1として推定している。
次に、実操作期間推定部14について説明する。
実操作期間推定部14は、記憶部11に記憶された第2心周期に基づき、対象タスクの実操作期間T2を推定している。
ギヤ段を2速から3速にシフトアップする際、運転者の自律神経系が平常時よりも活性化していない場合、クラッチ6の操作以前のアクセル4の操作やブレーキ5の操作実行中の第2心周期は、自律神経系の影響を受けて第1心周期よりも大きい値になる。
図3に示すように、t0からt1までのアクセル4の踏戻し実行中の第2心周期が第1心周期よりも大きい場合、実操作期間推定部14では、クラッチ6の踏込みタイミングt2から踏戻しタイミングt5(t4<t5)までの操作期間を記憶部11に記憶されたt0からt1までのアクセル4の踏戻し実行中の第2心周期と同一期間である実操作期間T2(T1<T2)として推定している。
また、ギヤ段を2速から3速にシフトアップする際、運転者の自律神経系が平常時よりも活性化している場合、クラッチ6の操作以前のアクセル4の操作やブレーキ5の操作実行中の第2心周期は、自律神経系の影響を受けて第1心周期よりも小さい値になる。
図4に示すように、t0からt1までのアクセル4の踏戻し実行中の第2心周期が第1心周期よりも小さい場合、実操作期間推定部14では、クラッチ6の踏込みタイミングt2から踏戻しタイミングt6(t6<t4)までの操作期間を記憶部11に記憶されたt0からt1までのアクセル4の踏戻し実行中の第2心周期と同一期間である実操作期間T3(T3<T1)と推定している。
尚、ギヤ段推定部12がシフトアップを検出した場合、推奨操作期間推定部13と実操作期間推定部14は、記憶部11に記憶された第1心周期及び第2心周期に基づき推定された対象タスクの推奨操作期間及び実操作期間よりも更に短縮する、例えば、推定された操作期間を80〜90%にする、補正しても良い。エンジン回転数の減少不足に起因したショックの発生を確実に防止するためである。
次に、走行状態判定部15について説明する。
走行状態判定部15は、危険回避時を判定したとき、通常モード制御を禁止して制振モード制御を実行することにより、第2心周期に基づく対象タスクの操作期間の推定のみを有効化し、高速合流時又は発進時を判定したとき、通常モード制御及び制振モード制御を禁止することにより、対象タスクの操作期間の推定自体を無効化している。
この走行状態判定部15は、対象タスクの操作期間を第2心周期に基づき高精度に判定できる走行状態と、第2心周期に基づき高精度に判定できない走行状態とを判定している。
自車両の走行レーン内に先行車両が割り込んだ場合、運転者は反射的に危険回避動作を行う必要があるため、対象タスクの操作期間は自律神経系の影響を多分に受ける。
それ故、危険回避時は、第2心周期に基づき対象タスクの操作期間を高精度に判定できる走行状態である。そこで、先行車両の割り込み度合いが所定の閾値よりも高いという条件が成立したとき、危険回避時を判定している。
高速道路において、加速レーンから本線に合流する場合、運転者は本線を走行する他車両の状況に合わせた操縦をする必要があるため、対象タスクの操作期間は自律神経系よりも運転者の意識の影響を多分に受ける。それ故、高速合流時は、第2心周期に基づき対象タスクの操作期間を高精度に判定できない走行状態である。そこで、ナビゲーションシステム27から入力した道路地図データに基づき高速合流時を判定している。
また、車両を発進させる場合、運転者は周囲の状況に合わせた操縦をする必要があるため、高速合流時と同様に、運転者の意識の影響を多分に受ける。それ故、発進時は、第2心周期に基づき対象タスクの操作期間を高精度に判定できない走行状態である。そこで、車速が零、アクセルセンサ24が踏込操作、ブレーキセンサ25がオフ操作の全ての条件が成立したとき、発進時を判定している。
次に、エンジン回転数制御部16について説明する。
エンジン回転数制御部16は、推定された変速先のギヤ段と車速とに基づき変速終了後の目標エンジン回転数R2を演算し、エンジンの回転数が変速開始時のエンジン回転数R1から目標エンジン回転数R2に対して漸近するように構成されている。
このエンジン回転数制御部16は、通常モード制御と制振モード制御の2種類のモード制御を実行可能に形成されている。制振モード制御の実行中、フラグFに1が代入され、通常モード制御の実行中、フラグFに2が代入され、何れの制御も実行されていないとき、フラグFに0が代入されている。
まず、通常モード制御について説明する。
通常モードが設定されたとき、エンジン回転数制御部16は、変速終了時として推定された推奨操作期間T1の終期、所謂変速開始から推奨操作期間T1経過した時点においてエンジン回転数を目標エンジン回転数R2に制御している。
エンジン回転数制御部16は、変速開始時のエンジン回転数R1と推奨操作期間T1経過時のエンジン回転数R2に基づきゲインとしての制御係数k1を設定し、この制御係数k1に基づきエンジン2を制御している。
図3に示すように、運転者による実際の対象タスク操作期間が推奨操作期間T1よりも長い場合、P1地点から制御係数k1に基づきエンジン回転数が線形状に減少され、P2地点でエンジン回転数が目標エンジン回転数R2に到達するように制御される。
P2地点では、運転者によるクラッチ6の踏戻しが終了していないため、制御係数k1に基づくエンジン回転数の減少制御が継続される。
運転者による対象タスク(クラッチ6の踏戻し)が終了するP3(t5)地点において、エンジン回転数の減少制御が終了され、エンジン回転数R3は目標エンジン回転数R2に強制的に移行される。これにより、エンジン回転数R3から目標エンジン回転数R2への移行に伴う変速ショックによって、運転者は自己の対象タスク実行時間と推奨操作期間T1とのずれ量を認識することができ、対象タスクに対して学習が行われる。
図4に示すように、運転者による実際の対象タスク操作期間が推奨操作期間T1よりも短い場合、P1地点から制御係数k1に基づきエンジン回転数が線形状に減少され、P2(t4)地点でエンジン回転数が目標エンジン回転数R2に到達するように制御される。
P2よりも早いP4(t6)地点で、運転者によるクラッチ6の踏戻しが終了するため、エンジン回転数の減少制御が終了され、エンジン回転数R4は目標エンジン回転数R2に強制的に移行される。これにより、エンジン回転数R4から目標エンジン回転数R2への移行に伴う変速ショックによって、運転者は自己の対象タスク実行時間と推奨操作期間T1とのずれ量を認識することができ、対象タスクに対して学習が行われる。
尚、図2に示すように、通常モードが設定されていても、運転者による実際の対象タスク操作期間が推奨操作期間T1と同じ長さの場合、運転者によるクラッチ6の踏戻しタイミングと目標エンジン回転数到達タイミングとが同時期になるため、変速ショックは発生しない。
次に、制振モード制御について説明する。
制振モードが設定されたとき、エンジン回転数制御部16は、実操作期間T2の間、所謂変速開始から実操作期間T2経過する間においてエンジン回転数を目標エンジン回転数R2に制御している。
エンジン回転数制御部16は、変速開始時のエンジン回転数R1と実操作期間T2経過時におけるエンジン回転数R2に基づきゲインとしての制御係数k2を設定し、この制御係数k2に基づきエンジン2を制御している。
図5に示すように、運転者による実際の対象タスク操作期間が推奨操作期間T1よりも長い場合、P1地点から制御係数k2に基づきエンジン回転数が線形状に減少され、P5(t5)地点でエンジン回転数が目標エンジン回転数R2に到達するように制御される。
P5地点で、運転者によるクラッチ6の踏戻しが終了するため、エンジン回転数の減少制御が終了され、エンジン回転数は目標エンジン回転数R2に維持される。
これにより、対象タスク操作期間が推奨操作期間T1と異なる場合、或いは危険回避等によって平常時の対象タスク操作期間と異なる場合であっても、変速ショックを発生させることなく対象タスクを含む運転者による変速操作を完了することができる。
また、図5に示すように、エンジン回転数制御部16は、変速開始時のエンジン回転数R1と実操作期間T2経過前のt7におけるエンジン回転数R2に基づき制御係数k3を設定しても良く、変速開始時のエンジン回転数R1と実操作期間T2経過前のt2におけるエンジン回転数R2に基づき制御係数k4を設定することも可能である。
何れの場合も、エンジン回転数R2に到達後、クラッチ6の踏戻しが終了するまでエンジン回転数R2に維持されている。
この制御係数k2〜k4は、シフトダウン時、勾配が小さい程違和感が小さく、勾配が大きい程燃費改善に有利である。
次に、差分演算部17とゲイン設定部18について説明する。
差分演算部17は、推奨操作期間T1と実操作期間T2(T3)との差分ΔTを次式(1)によって演算している。
ΔT=|T1−T2| …(1)
これにより、平常時に運転者が主観的に好感を認識できる推奨操作期間T1と実際に運転者による実行が予想される実操作期間T2(T3)との差を求めている。
ゲイン設定部18は、差分演算部17で求められた差分ΔTに対応したゲインをECU10に格納されたマップに基づき設定し、反力モータ6aと報知手段7に出力している。
図6に示すように、ゲインは差分ΔTに対して対数関数状に設定されている。
本実施例では、運転者が対象タスクに対して学習意欲を有する通常モードが設定された場合、反力モータ6aと報知手段7がゲインに応じて作動するように構成されている。
次に、図7〜図9のフローチャートに基づいて、操作期間推定処理手順について説明する。尚、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示す。
図7のフローチャートに示すように、操作期間推定処理では、まず、S1にて、各センサの検出値、記憶部11に記憶されている第1,第2心周期及び記憶部制振モードスイッチ31の信号を含む各種情報を読み込み、S2へ移行する。
S2では、現在の状態が高速合流時又は発進時か否か判定する。
S2の判定の結果、現在の状態が高速合流時又は発進時の場合、対象タスクの操作期間を高精度に判定できない走行状態であるため、各モード制御を終了し(S17)、フラグFに0を代入した後(S18)、リターンする。
S2の判定の結果、現在の状態が高速合流時又は発進時ではない場合、S3に移行し、クラッチセンサ26がオン操作された状態か否か判定する。
S3の判定の結果、クラッチセンサ26がオン操作された状態の場合、変速開始又は変速実行中であるため、S4に移行し、フラグFに0が代入されているか否か判定する。
S4の判定の結果、フラグFに0が代入されている場合、何れのモード制御も実行されていないため、S5に移行し、第1心周期に基づき推奨操作期間T1を推定する。
次に、第2心周期に基づき実操作期間T2を推定した後(S6)、S7に移行し、現在の車速と変更先のギヤ段に基づき変速終了後の目標エンジン回転数R2を設定する。
次に、S8に移行し、現在の状態が危険回避時か否か判定する。
S8の判定の結果、現在の状態が危険回避時ではない場合、S9に移行し、制振モードスイッチ31がオン操作されたか否か判定する。
S9の判定の結果、制振モードスイッチ31がオン操作された場合、S10に移行し、制振モードを実行してリターンする。
S9の判定の結果、制振モードスイッチ31がオン操作されていない場合、S11に移行し、通常モードを実行してリターンする。
S8の判定の結果、現在の状態が危険回避時である場合、第2心周期に基づき対象タスクの操作期間を高精度に判定できる走行状態であるため、S10に移行する。
S4の判定の結果、フラグFに0が代入されていない場合、S12に移行し、フラグFに1が代入されているか否か判定する。
S4の判定の結果、フラグFに1が代入されている場合、既に制振モード制御が実行中であるため、S23に移行する。
S4の判定の結果、フラグFに1が代入されていない場合、既に通常モード制御が実行中であるため、S23に移行する。
S3の判定の結果、クラッチセンサ26がオフ操作された状態の場合、変速終了であるため、S13に移行し、フラグFに2が代入されているか否か判定する。
S13の判定の結果、フラグFに2が代入されている場合、既に通常モード制御が実行中であるため、S14に移行する。
S13の判定の結果、フラグFに2が代入されていない場合、変速中ではなく、また、通常モード制御も実行されてないため、リターンする。
S14では、通常モード制御を終了し、フラグFに0を代入した後(S15)、S16に移行する。
S16では、報知手段7の作動を停止して、リターンする。
次に、S10の制振モード制御について説明する。
図8のフローチャートに示すように、制振モード制御処理では、まず、S21にて、フラグFに1を代入して、S22に移行する。
S22では、制御係数k2を演算し、制御係数k2に基づくエンジン回転数制御を実行した後(S23)、S24に移行する。
S24では、エンジン回転数が目標エンジン回転数R2に到達したか否か判定する。
S24の判定の結果、エンジン回転数が目標エンジン回転数R2に到達した場合、制振モード制御を終了し(S25)、フラグFに0を代入した後(S26)、終了する。
S24の判定の結果、エンジン回転数が目標エンジン回転数R2に到達していない場合、終了する。
次に、S11の通常モード制御について説明する。
図9のフローチャートに示すように、通常モード制御処理では、まず、S31にて、フラグFに2を代入して、S32に移行する。
S32では、制御係数k1を演算し、制御係数k1に基づくエンジン回転数制御を実行した後(S33)、S34に移行する。
S34では、推奨操作期間T1と実操作期間T2が一致するか否か判定する。
S34の判定の結果、推奨操作期間T1と実操作期間T2が一致する場合、終了する。
S34の判定の結果、推奨操作期間T1と実操作期間T2が一致しない場合、S35に移行する。S35では、差分ΔTに対応したゲインに基づき報知手段7を作動させた後、終了する。また、同時に、反力モータ6aについてもゲインに基づき作動を開始する。
次に、本実施例の制御装置1における作用、効果について説明する。
この制御装置1では、運転者の周期的生体現象に基づく第1,第2心周期を記憶する記憶部11を有するため、運転状況毎に運転者自身の半随意運動状態の周期を保有することができる。
操作開始された対象タスクを検出するクラッチセンサ26と、クラッチセンサ26により検出されたクラッチ6の対象タスクの操作期間を第1,第2心周期に基づいて推定するタスク期間推定手段(推奨操作期間推定部13,実操作期間推定部14)とを有するため、半随意運動状態の周期に基づいて運転者による対象タスクの操作期間T1,T2(T3)を推定することができる。
生体情報記憶手段が、平常時の心拍数である第1心周期を記憶しているため、平常時の運転者の自律神経系を基準にすることができ、運転者にとって主観的に好感を認識できる対象タスクの推奨操作期間T1を推定することができる。
対象タスクの直前の運転者の心周期を検出する心拍数センサ30を備え、記憶部11が、対象タスク以前のタスク(アクセル4踏戻し)実行時における第2心周期を記憶しているため、操縦中の運転者の自律神経系を基準にすることができ、対象タスクの実操作期間T2(T3)を高精度に推定することができる。
走行状態判定部15を備え、走行状態判定部15によって危険回避時と判定されたとき、第2心周期に基づく対象タスクの実操作期間T2(T3)の推定のみを有効化し、高速道路の合流時又は車両発進時と判定されたとき、対象タスクの操作期間T1,T2(T3)の推定を無効化している。
これにより、自律神経系からの影響が大きい危険回避時の推定を有効化し、運転者の意識の影響が大きい高速合流時又は発進時の推定を無効化することにより、対象タスクの操作期間T1,T2(T3)の推定精度を高くすることができる。
対象タスクがクラッチ6の踏込み及び踏戻し操作であり、自律神経系生体情報が心周期であるため、運転者が主観的な好感を認識しつつ、変速時の変速ショックを防止することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、操作手段がクラッチ、対象タスクがクラッチの踏込み及び踏戻しの例を説明したが、少なくとも運転者の周期的生体現象に基づくタスクであれば適用可能であり、走行状態を限定した上でアクセル又はブレーキの踏込み及び踏戻しを対象タスクとしても良く、踏込み又は踏戻しの一方のみを対象タスクとしても良い。
また、変速時においては、シフトアップに限られずシフトダウンにも適用可能である。
2〕前記実施形態においては、運転者の周期的生体現象に基づく生体情報として心周期の例を説明したが、少なくとも運転者の自律神経系生体情報を反映できれば良く、血圧変動周期や指尖脈波による脈波変動周期を用いても良い。
3〕前記実施形態においては、通常モードが設定された場合、クラッチの反力モータと報知手段を作動させる例を説明したが、通常モードと制振モードの両モードにおいて実行することも可能である。
4〕前記実施形態においては、シフトアップの例を説明したが、補助モータを設け、シフトダウン時、エンジン回転数の上昇速度を増加することも可能である。この場合、回生エネルギーとして蓄積された電力を利用して補助モータを駆動することが好ましい。
5〕前記実施形態においては、日常生活に基づく第1心周期と運転実行中の第2心周期とを記憶した例を説明したが、第2心周期に、車両制御システム上能力的に実行可能な最短操作期間を最短心周期として含めても良い。
具体的には、危険回避時が判定されたとき、割り込み度合いが所定閾値よりも高い場合、第2心周期を用い、更に、割り込み度合いが前期閾値よりも高く設定された特別閾値よりも高い場合、最短心周期を用いる。これにより、自律神経系のポテンシャルに合わせて対象タスクの操作期間を推定することができる。
6〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 制御装置
6 クラッチ
10 ECU
11 記憶部
13 推奨操作期間推定部
14 実操作期間推定部
15 走行状態判定部
26 クラッチセンサ

Claims (5)

  1. 運転者による操作手段の一連操作からなるタスクの実行期間を推定する車両用操作期間推定装置において、
    運転者の周期的生体現象に基づく自律神経系生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
    操作開始された対象タスクを検出する対象タスク検出手段と、
    前記対象タスク検出手段により検出された対象タスクの操作期間を前記自律神経系生体情報に基づいて推定するタスク期間推定手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用操作期間推定装置。
  2. 前記生体情報記憶手段が、平常時の心拍数、血圧、脈波の何れかである第1自律神経系生体情報を記憶していることを特徴とする請求項1に記載の車両用操作期間推定装置。
  3. 前記対象タスクの直前の運転者の自律神経系生体情報を検出する生体情報検出手段を備え、
    前記生体情報記憶手段が、前記対象タスク以前のタスク実行時における第2自律神経系生体情報を記憶していることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用操作期間推定装置。
  4. 走行状態判定手段を備え、
    前記走行状態判定手段によって危険回避時と判定されたとき、前記第2自律神経系生体情報に基づく対象タスクの操作期間の推定のみを有効化し、高速道路の合流時又は車両発進時と判定されたとき、対象タスクの操作期間の推定を無効化することを特徴とする請求項3に記載の車両用操作期間推定装置。
  5. 前記対象タスクがクラッチペダルの踏込み及び踏戻し操作であり、
    前記自律神経系生体情報が心周期であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用操作期間推定装置。

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