JP2018068237A - 果汁感増強剤 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、果汁は、果汁そのものが沈殿の原因となったり、とくに果汁が酸性果汁である場合には他の成分との相互作用による品質悪化の原因になりやすいため配合量を抑えざるをえない場合がある。また一般的に果汁原料は高価なため、飲食品への配合量を抑えたり、果汁の配合を止めて香料のみを使用した無果汁飲料とすることも多い。
しかし、果汁の含量を減じた飲食品や果汁を含まない飲食品、とくに飲料は、味が単調で、コクがなく、甘味のみ強い人工的な風味にも感じられてしまうという欠点があった。
また、本出願人は乳清ミネラルを飲料の呈味改質剤としての使用することも提案している(特許文献18)。しかし、この効果は口中で呈味速度の異なる複数の呈味成分の感じ方をまとめる作用によるものであり、特定の成分の呈味を改善する効果についての記載があるものではない。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、乳清ミネラルを有効成分とする果汁感増強剤を提供するものである。
まず、本発明の果汁感増強剤について説明する。本発明の果汁感増強剤は乳清ミネラルを有効成分とするものである。本発明の果汁感増強剤を果汁感を有する飲食品に用いることにより、該飲食品の果汁感を増強することができる。果汁感は果実によって飲食品に付与される。果実によって飲食品に果汁感を付与する場合、例えば、果実そのものを用いることができ、或いは、果汁や果肉等の果実の一部を用いることができる。また、果汁感は果実由来の物質によっても飲食品に付与される。果実由来の物質によって飲食品に果汁感を付与する場合、例えば、果実から抽出されたエキスや果実由来の香料を用いることができる。更に、果汁感は人工合成された物質によっても飲食品に付与される。人工合成された物質によって飲食品に果汁感を付与する場合、例えば、果実の香りを有する、人工合成された香料を用いることができる。本発明の果汁感増強剤によれは、その由来を問わず、飲食品が有するいかなる果汁感も増強することができる。果汁感とは、具体的には、果実から得られる果汁や、香料、エキス等が有する、香気、甘味、酸味、苦味、自然な風味、フレッシュ感、コク、ボリューム感、厚みのある呈味感、とろみ、濃厚感、爽快感等を意味する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエイ(乳清)から、可能な限りタンパク質や乳糖を除去したものであり、そのため、高濃度に乳の灰分(ミネラル)を含有し、且つ、固形分に占める灰分の割合が極めて高いという特徴を有する。そして、乳清ミネラルのミネラル組成は、原料となる乳やホエイ中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明の飲食品は、上記果汁感増強剤を含有するものであり、果汁の含有量が少ない場合、さらには香料やエキスのみ含有し果汁を含有しない場合であっても、飲食品に優れた果汁感を付与されているという特徴を有するものである。本発明において飲食品とは、果汁感を有する、果汁入り又は無果汁の様々なフルーツ風味の飲食品を意味し、例えば、フレーバーコーヒー・フルーツコーヒー等のコーヒー飲料、フレーバーティー・フルーツティーなどの紅茶飲料、緑茶・ウーロン茶・煎茶・抹茶・麦茶などの茶飲料、フルーツ牛乳などの乳飲料、発酵乳飲料、豆乳、食酢飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、健康飲料、果汁入り野菜ジュース、果汁入り飲料、果実ジュース、果実ミックスジュース、顆粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果実飲料、フルーツ風味飲料、炭酸飲料、ニアウォーター、乳性飲料、ココア飲料、チョコレート飲料、麦芽飲料、飴湯、しょうが湯、くず湯、ニッキ水、レモン湯、柚子茶、日向夏茶、ノンアルコールビール、ノンアルコール酎ハイ、ノンアルコール梅酒、ノンアルコールカクテル、ミネラルウォーター、ゼリー状飲料、などの非アルコール飲料や、チューハイ、カクテル、ビール、焼酎、ウォッカ、ウイスキー、ワイン、ブランデー、日本酒、みりん、醸造酒、蒸留酒、発泡酒、第3のビール、果実酒、甘味果実酒、スピリッツ、リキュールなどのアルコール飲料、カスタードクリーム・フラワーペースト・ホワイトクリーム・ホイップクリーム・バタークリーム等のクリーム類、シチュー・カレー・ホワイトソース・グラタン等のクリーム状食品、コーンスープ・クラムチャウダー等のスープ類、アイスクリーム・シャーベット・フローズンヨーグルト・ラクトアイス・ゼリー・杏仁豆腐・ババロア・ムース・プリン等のデザート類、マーガリン類、マヨネーズ・ドレッシング等のドレッシング類、かき氷用シロップ等のシロップ・食酢などの調味料、チーズ類、ヨーグルト、パン類、ドーナツ類・キャラメル・キャンディー・グミ・タブレット・ラムネ菓子・チョコレート・ビスケット・クッキー・スポンジケーキ・バターケーキ・スナック・ようかん・かるかん・ガム等の菓子類、ジャム、ハム・ソーセージその他加工食品、香料、味噌汁、汁粉などが挙げられる。本発明においては、商品全体の風味に対し、果汁そのものの風味が占める割合が高く、果汁感の向上が商品価値の向上に直結し、本発明の効果が得やすい点で、飲食品が非アルコール飲料又はアルコール飲料等の飲料であることが好ましい。なお、これら非アルコール飲料又はアルコール飲料は、果肉やゼリー等を含んでいる場合がある。
しかし本発明で使用する乳清ミネラルは呈味速度の異なる複数成分の呈味をまとめる効果をも有し、さらには苦味をごく少量の添加でマスキングする効果をも有するため、本発明の飲食品は、高甘味度甘味料、とくにステビア甘味料を含有する場合であっても、果汁感が優れたものとなる。本発明の飲食品における高甘味度甘味料の含有量は、飲食品の種類や、高甘味度甘味料の種類等に応じて適宜決定されるが、例えば、飲食品中に、好ましくは0.00001〜0.1質量%、より好ましくは0.0001〜0.001質量%となる量である。
本発明の飲食品の果汁感増強方法は、上記本発明の果汁感増強剤を飲食品に添加するものであり、果汁の使用量が少ない場合であっても、さらには香料やエキスのみで果汁を含有しない場合であっても、飲食品自体の風味や物性に影響を与えることなく、果汁感のみを特異的に増強し、飲食品に優れた果汁感を付与するものである。
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエイをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中の灰分含量は35質量%、カルシウム含量は2.2質量%であった。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエイをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中の灰分含量は55質量%、カルシウム含量は0.4質量%であった。
〔実施例1〕
上記製造例1及び2で得られた乳清ミネラルA及びBについて、市販の果肉・果汁入り飲料(なっちゃん(登録商標) オレンジ:サントリー食品インターナショナル製:果汁40%)、市販の果汁入り炭酸飲料(ぜいたく三ツ矢長野県産黄金桃:アサヒ飲料製:果汁1%含有)及び市販のカクテル飲料(ネクターサワー ピーチ:サッポロビール製:果汁10%含有)100質量部に対し、乳清ミネラルが固形分としてそれぞれ、0.000002質量部、0.00001質量部、0.00005質量部、0.0001質量部、0.0005質量部、0.001質量部、0.005質量部、0.01質量部、0.03質量部、0.1質量部、0.2質量部、0.3質量部となるように添加、溶解し、下記の果汁感強度・味質評価を行なった。
12人のパネラーに対し、上記実施例1で得られた飲料と、対照として用意した乳清ミネラル無添加の飲料を舐めさせ、その果汁感強度、味質について、下記パネラー評価基準により評価させ、その合計点数について下記<評価基準>で7段階評価を行ない、その結果を果汁感強度については表1、味質については表2に記載した。
対照に比べあきらかに強化された果汁感を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された果汁感を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の果汁感を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い果汁感を感じる・・・・・・・・・・ −1点
果汁感を感じない・・・・・・・・・・・・・・・ −2点
<パネラーの味質評価基準>
果汁感以外の風味を全く感じない・・・・・・・・・・・・・・2点
果汁感以外の風味を感じるが、果汁感として違和感がない・・・1点
果汁感以外の風味を感じ、且つ果汁感として違和感がある・・・0点
耐えがたい異味を感じる・・・・・・・・・・・・・・・・・−1点
<評価基準>
◎ :12人のパネラーの合計点が 21〜24点
○+ :12人のパネラーの合計点が 16〜20点
○ :12人のパネラーの合計点が 11〜15点
○−:12人のパネラーの合計点が 6〜10点
△ :12人のパネラーの合計点が 1〜5点
× :12人のパネラーの合計点が −4〜 0点
××:12人のパネラーの合計点が −5点未満
またアルコール飲料では、100質量部あたりの添加量が、乳清ミネラルの固形分にして0.0001〜0.1質量部で優れた果汁感の増強効果が見られることがわかる。また、固形分中のカルシウム含量が低い乳清ミネラルであると、より優れた効果が得られることがわかる。
市販の果汁入り飲料(バヤリース(登録商標) アップル:アサヒ飲料製:果汁10%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Aを得た。果汁入り飲料Aは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、フレッシュ感ととろみ・コクを伴った果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(リボン やさしいりんご:ポッカサッポロフード&ビバレッジ製:果汁20%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Bを得た。果汁入り飲料Bは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、フレッシュ感ととろみ・コクを伴った果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(なっちゃん(登録商標) オレンジ:サントリー食品インターナショナル製:果汁40%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Cを得た。果汁入り飲料Cは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、後味がすっきりとしつつ、果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(バヤリース(登録商標) オレンジ:アサヒ飲料製:果汁20%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Dを得た。果汁入り飲料Dは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、爽快感を伴った濃厚感のある果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(バヤリース(登録商標) 冬のこくレモン:アサヒ飲料製:果汁10%未満)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Eを得た。果汁入り飲料Eは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、レモン特有のピール感を伴ったコク・濃厚感のある果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(ピーチネクター:不二家製:果汁30%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Fを得た。果汁入り飲料Fは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、桃の自然な甘味ととろみを伴った果汁感が強いものであった。
市販の果汁100%ジュース(トロピカーナ(登録商標) リンゴ&マンゴー:トロピカーナ(キリン・ビバレッジ)製:果汁100%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Gを得た。果汁入り飲料Gは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、濃厚感がいっそう強く感じる果汁感が強いものであった。
市販の果汁100%ジュース(トロピカーナ(登録商標) グレープフルーツ:トロピカーナ(キリン・ビバレッジ)製:果汁100%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.001g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Hを得た。果汁入り飲料Hは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、フレッシュ感とすっきり感を伴いつつ濃厚感がいっそう強く感じる果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(素のままづくり(登録商標) 赤ぶどう 天然水仕立て:ポッカサッポロフード&ビバレッジ製:果汁10%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Iを得た。果汁入り飲料Iは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、赤ぶどう特有の渋味を伴った濃厚感・コク・とろみのある果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(素のままづくり(登録商標) シャルドネ 天然水仕立て:ポッカサッポロフード&ビバレッジ製:果汁10%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Jを得た。果汁入り飲料Jは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、白ぶどう特有の爽快感と濃厚感・コク・とろみを伴った果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り飲料(グリーンバヤリース(登録商標) からだすっぱい ライムグレープフルーツ(ぶどう入り):アサヒ飲料製:果汁10%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り飲料Kを得た。果汁入り飲料Kは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、ピール感やフレッシュ感を伴ったコクととろみを伴った果汁感が強いものであった。
市販の果汁風味炭酸飲料(ファンタ(登録商標) すいか:日本コカ・コーラ製:無果汁)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0003g添加した後均一に混合し、本発明の果汁風味炭酸飲料Aを得た。果汁風味炭酸飲料Aは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、果汁を含有しないにもかかわらず、果汁を含むような自然な風味に感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、果汁風味炭酸飲料Aは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(ステビア甘味料)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販の果汁入り炭酸飲料(シュウェップス(登録商標) グレープスパークリング:日本コカ・コーラ製:果汁10%未満)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0002g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入り炭酸飲料Aを得た。果汁入り炭酸飲料Aは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、ぶどう特有の爽快感を伴った濃厚感・コク・とろみのある果汁感が強いものであった。
メロン、キウイフルーツを一口大にカットした後、メロン:キウイ=1:1の質量比となるようにミキサーで混合しミックスフルーツジュース(果汁100%)を得た。ミックスフルーツジュース100mlに対して上記乳清ミネラルBを0.001g添加した後均一に混合し、本発明のミックスフルーツジュースAを得た。ミックスフルーツジュースAは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、メロンの濃厚感や甘味、キウイフルーツの爽やかさの広がりが強く感じられ、全体として強い果汁感が感じられるものであった。
市販のニアウォーター(い・ろ・は・す(登録商標) みかん:日本コカ・コーラ製:無果汁)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0001g添加した後均一に混合し、本発明のニアウォーターAを得た。ニアウォーターAは果汁を含有しないにもかかわらず、果汁を含むような自然な風味に感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販の果汁入り乳性飲料(ヨーグルスタンド(登録商標) 希少糖の飲むヨーグルジー ピーチ:日本コカ・コーラ製:果汁10%未満(りんご含有))100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.001g添加した後均一に混合し、本発明の果汁入りヨーグルトドリンクAを得た。果汁入りヨーグルトドリンクAは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、低果汁にも関わらず、ヨーグルトの味に負けない果汁のコク・濃厚感、すなわち果汁感が強いものであった。また、果汁入りヨーグルトドリンクAは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販のイチゴ25g、上白糖5g、牛乳70g、果汁感増強剤として上記乳清ミネラルB 0.002gをミキサーで混合し、本発明のイチゴミルクA(果汁25%)を得た。イチゴミルクAは、乳清ミネラルのみを添加せず、同様の方法で作成した乳清ミネラル未添加のイチゴミルクに比べて、フレッシュ感を伴った果汁感が強いものであった。
市販の酎ハイ飲料(Slat(登録商標) 白桃サワー:アサヒビール製:果汁1%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明での酎ハイ飲料Aを得た。酎ハイ飲料Aは果汁含量が1質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、とろみ・コクがあり、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、酎ハイAは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販の酎ハイ飲料(Slat(登録商標) レモンスカッシュサワー:アサヒビール製:果汁1%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明の酎ハイ飲料Bを得た。酎ハイ飲料Bは果汁含量が1質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、コクがあり、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、酎ハイ飲料Bは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物、スクラロース配合)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販の酎ハイ飲料(CLEAR COOLER グレープフルーツ:アサヒビール製:果汁5%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.005g添加した後均一に混合し、本発明の酎ハイ飲料Cを得た。酎ハイ飲料Cは果汁含量が5質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、まろやかで濃厚感が感じられ、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販の酎ハイ飲料(ストロングゼロ(登録商標) ダブルレモン:サントリースピリッツ製:果汁3%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明の酎ハイ飲料Dを得た。酎ハイ飲料Dは果汁含量が3質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、レモンの爽やかさの広がりを感じ、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、酎ハイ飲料Dは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販の酎ハイ飲料(極ゼロチューハイ グレープフルーツ:サッポロビール製:果汁0.5%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明の酎ハイ飲料Eを得た。酎ハイ飲料Eは果汁含量が0.5質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、グレープフルーツの甘味と爽やかさの広がりを感じ、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、酎ハイ飲料Eは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(ステビア甘味料)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販の酎ハイ飲料(キレートレモンサワー:サッポロビール製:果汁10%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.001g添加した後均一に混合し、本発明の酎ハイ飲料Fを得た。酎ハイ飲料Fは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、レモン特有のピール感を伴った濃厚感のある強い果汁感が感じられるものであった。
市販の酎ハイ飲料(ネクターサワー ピーチ:サッポロビール製:果汁10%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明の酎ハイ飲料Gを得た。酎ハイ飲料Gは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、とろみとコクを伴った強い果汁感が感じられるものであった。
市販のカクテル飲料(カクテルパートナー(登録商標) 桃とマンゴーとオレンジ:アサヒビール製:果汁5%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明のカクテル飲料Aを得た。カクテル飲料Aは果汁含量が5質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、果汁の甘味とトップから後伸びする果汁風味が強く、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、カクテル飲料Aは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販の梅酒ソーダ(ウメッシュ(登録商標) プレーンソーダ缶:チョーヤ製)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.005g添加した後均一に混合し、本発明の梅酒ソーダAを得た。梅酒ソーダAは梅の濃厚感、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、梅酒ソーダAは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販のノンアルコールチューハイテイスト飲料(のんある気分(登録商標) 地中海レモン:サントリースピリッツ製:果汁1%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明のノンアルコールチューハイテイスト飲料Aを得た。ノンアルコールチューハイテイスト飲料Aは果汁含量が1質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、レモンの爽やかさの広がりを感じ、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、ノンアルコールチューハイテイスト飲料Aは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販のノンアルコールチューハイテイスト飲料(のんある気分(登録商標) カシスオレンジテイスト:サントリースピリッツ製:果汁3%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明のノンアルコールチューハイテイスト飲料Bを得た。ノンアルコールチューハイテイスト飲料Bは果汁含量が1質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、特有の苦味を伴ったコクと爽やかさの広がりを感じ、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、ノンアルコールチューハイテイスト飲料Bは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
市販のノンアルコール梅酒ソーダ(酔わないウメッシュ(登録商標) ノンアルコール:チョーヤ製:果汁10%)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.003g添加した後均一に混合し、本発明のノンアルコール梅酒ソーダAを得た。ノンアルコール梅酒ソーダAは梅の濃厚感、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販のかき氷用シロップ(氷みつ いちご:井村屋製:無果汁)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.01g添加した後均一に混合し、本発明のかき氷用シロップAを得た。かき氷用シロップAをかき氷器で砕氷した氷にかけて食べたところ、乳清ミネラル未添加のかき氷用シロップをかけた場合(氷とシロップの重量比は同じ)に比べて、無果汁であるにもかかわらず、フレッシュなイチゴ果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販のパイナップルジュース(デルモンテパイナップルジュース:デルモンテ製:果汁100%)190gに粉末ゼラチン30gを加え、10分静置したのち、60℃の湯煎で溶かした。グラニュー糖30g、上記乳清ミネラルB 0.005gを溶かしたのち、型に入れて冷やして固め、本発明のパイナップル味のグミキャンディーA(果汁76%)を作成した。グミキャンディーAは、乳清ミネラルを入れずに同様の方法で作成したグミキャンディーに比べ、フレッシュ感と濃厚感を伴った強い果汁感が感じられるものであった。
市販のアンズジャム(アヲハタ55ジャム アンズ:アヲハタ製:果汁不明)100gに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.005g添加した後均一に混合し、本発明のアンズジャムAを得た。アンズジャムAはアンズの濃厚感、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販の果汁・果肉入り飲料(つぶたっぷり贅沢みかん:ポッカサッポロフード&ビバレッジ製:果汁40%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明である果汁入り飲料Lを得た。果汁入り飲料Lは乳清ミネラル未添加の場合に比べて、果汁感が強いものであった。
市販の果汁入り炭酸飲料(ぜいたく三ツ矢長野県産黄金桃:アサヒ飲料製:果汁1%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明である果汁入り炭酸飲料Bを得た。果汁入り果汁入り炭酸飲料Bは果汁含量が1質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販のニアウォーター(白桃香るおいしい水:ポッカサッポロフード&ビバレッジ製:無果汁)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.0005g添加した後均一に混合し、本発明であるニアウォーターBを得た。ニアウォーターBは果汁を含有しないにもかかわらず、果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。
市販のカクテル飲料(カクテルパートナー(登録商標) 特濃はちみつ柚子みかん:アサヒビール製:果汁13%含有)100mlに対し果汁感増強剤として上記乳清ミネラルBを0.002g添加した後均一に混合し、本発明であるカクテル飲料Bを得た。カクテル飲料Bは果汁含量が13質量%と低いにもかかわらず、乳清ミネラル未添加の場合に比べて、より多くの果汁を含むように感じられ、すなわち強い果汁感が感じられるものであった。また、カクテル飲料Bは乳清ミネラル未添加品と比べ、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース)に由来する甘味の後引き感と苦味も軽減され、自然な風味に感じられた。
Claims (7)
- 乳清ミネラルを有効成分とする果汁感増強剤。
- 上記乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である請求項1記載の果汁感増強剤。
- 請求項1又は2記載の果汁感増強剤を含有する飲食品。
- 上記飲食品の果汁含量が40質量%以下である請求項3記載の飲食品。
- 高甘味度甘味料を含有する請求項3又は4記載の飲食品。
- 乳清ミネラルを飲食品に添加する飲食品の果汁感増強方法。
- 上記飲食品の果汁含量が40質量%未満である請求項6記載の果汁感増強方法。
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---|---|---|---|---|
CN114711314A (zh) * | 2022-04-29 | 2022-07-08 | 武夷学院 | 一种武夷岩茶茶汤酒伴侣及其制备方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH03240470A (ja) * | 1990-02-19 | 1991-10-25 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 果汁飲料及びその製造法 |
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JP2000175648A (ja) * | 1998-12-11 | 2000-06-27 | Sanei Gen Ffi Inc | 乳清ミネラルを含有する甘味組成物 |
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-
2016
- 2016-10-31 JP JP2016213893A patent/JP6844990B2/ja active Active
Patent Citations (5)
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