JP2018067183A - 移動体追尾制御装置 - Google Patents

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Mitsuhiro Ando
充宏 安藤
博敏 落合
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博敏 落合
▲高▼柳 渉
渉 ▲高▼柳
Wataru Takayanagi
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Abstract

【課題】演算負荷の軽減が可能で、スムーズに追尾対象体を追尾できる移動体追尾制御装置を提供する。
【解決手段】移動体追尾制御装置は、移動体が追尾する追尾対象体を特定する対象特定部と、移動体の周辺の物体の位置関係を示す情報を取得する情報取得部の取得結果に基づき、少なくとも移動体と追尾対象体との相対距離と、追尾対象体の移動方向と、を取得する取得部と、追尾対象体の移動方向を基準に当該移動方向から所定角度ずれた方向上に位置し、かつ追尾対象体から第一の相対距離の位置に移動体の移動目標位置を設定する目標設定部と、移動体が移動目標位置に移動するように制御する制御部と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、移動体追尾制御装置に関する。
従来、追従(追尾)する対象(オペレータ等)の移動経路を算出して、追従経路を設定して追従(追尾)を実行する移動体の追従方法が提案されている。また、オペレータの発進、停止の操作を必要とせずに、オペレータに自動で追従して行く追従型走行車両が提案されている。
特許第4316477号公報 特許第4552869号公報 特開平6−274223号公報
しかしながら、移動体の周囲には、追従対象者(オペレータ等)の他にも歩行者や障害物が多数存在する場合が想定されるため、オペレータの移動経路の算出には高負荷な演算が要求される。また、オペレータ以外の周囲の移動体(例えば、歩行者等)との接触回避も要求されるため、移動経路の算出の複雑性がさらに増加してしまうという問題があった。
そこで、本発明の課題の一つは、演算負荷の軽減が可能で、スムーズに追尾対象体(オペレータ、ターゲット)を追尾(追従)できる移動体追尾制御装置を提供することである。
本発明の実施形態にかかる移動体追尾制御装置は、例えば、移動体が追尾する追尾対象体を特定する対象特定部と、上記移動体の周辺の物体の位置関係を示す情報を取得する情報取得部の取得結果に基づき、少なくとも上記移動体と上記追尾対象体との相対距離と、上記追尾対象体の移動方向と、を取得する取得部と、上記追尾対象体の上記移動方向を基準に当該移動方向から所定角度ずれた方向上に位置し、かつ上記追尾対象体から第一の相対距離の位置に上記移動体の移動目標位置を設定する目標設定部と、上記移動体が上記移動目標位置に移動するように制御する制御部と、を備える。この構成によれば、移動体は、追尾対象体の移動方向を基準とした所定角度の位置に、第一の相対距離を維持しながら移動する。その結果、例えば、追尾対象体の移動経路を推定(算出)する必要がなく、演算負荷の軽減ができる。また、移動体は、追尾対象体に対して、常に所定の位置に存在しながら追尾対象体を追尾するので、移動体の管理(監視)が容易になる。
本発明の実施形態にかかる移動体追尾制御装置の上記目標設定部は、例えば、上記追尾対象体の位置を中心とし、半径が上記第一の相対距離で規定される円軌道上に上記移動目標位置を設定してもよい。この構成によれば、例えば、移動体の周辺状況に変化がある場合や追尾対象体が不規則な移動を行う場合でも、移動体は追尾対象体の位置を中心とする一定半径の円軌道上に存在するので、追尾対象体から離れることなく、スムーズな追尾動作が実現できる。
本発明の実施形態にかかる移動体追尾制御装置の上記目標設定部は、例えば、上記追尾対象体の側方および後方の領域から上記移動方向の逆方向ベクトルを含む所定の後方領域を除く領域に上記移動目標位置を設定してもよい。この構成によれば、移動体は追尾対象体の側方から真後ろを除く後方の領域に存在するように追尾動作を行う。その結果、例えば、移動体が追尾対象体より前方に離れて先行してしまうことが抑制できる。また、追尾対象体の真後ろには、移動しないので、例えば、追尾対象体が急停止した場合等でも追尾対象体と移動体とが接触してしまうことを避けることができる。
本発明の実施形態にかかる移動体追尾制御装置の上記目標設定部は、例えば、上記移動体の周辺状況に応じて、上記第一の相対距離を変更してもよい。この構成によれば、例えば、移動体の周囲の物体の存在状況が通常の場合、例えば「疎」の場合より「密」の場合は、より移動体を追尾対象体に接近させた位置で移動させることができる。その結果、移動体の周囲が混雑している場合でも移動体をスムーズに移動させることができる。逆に、移動体の周囲が混雑していない「疎」場合は、移動体と追尾対象体との相対距離を広げて、例えば、お互いの圧迫感を軽減した状態で移動体を追尾対象体に追尾させることができる。
本発明の実施形態にかかる移動体追尾制御装置の上記取得部は、例えば、上記情報取得部の上記取得結果に含まれる上記移動体の周辺に存在する障害物と上記移動体との第二の相対距離または、上記第二の相対距離が縮まる場合に上記移動体に接触するまでの接触予測時間を取得し、上記目標設定部は、上記第二の相対距離が所定の距離閾値以下になった場合または上記接触予測時間が所定の時間閾値以下になった場合、上記移動目標位置を上記追尾対象体から上記第一の相対距離より近い位置に設定してもよい。この構成によれば、障害物が接近する場合に、障害物と接触する可能性を低減させつつ、移動体のスムーズな追尾運動を実行させやすくなる。
本発明の実施形態にかかる移動体追尾制御装置の上記取得部は、上記情報取得部の上記取得結果に含まれる上記移動体の周辺に存在する障害物と上記移動体との第二の相対距離または、上記第二の相対距離が縮まる場合に上記移動体に接触するまでの接触予測時間を取得し、上記目標設定部は、上記第二の相対距離が所定の距離閾値以下になった場合または上記接触予測時間が所定の時間閾値以下になった場合、上記追尾対象体を挟んで、上記障害物の逆側に上記移動目標位置を設定し、上記制御部は、上記移動体が上記障害物から離れるような軌道を通り上記逆側の上記移動目標位置に移動するように制御してもよい。この構成によれば、障害物が接近する場合、移動体は、障害物との相対距離を広げるように移動する。その結果、例えば、障害物との接触確率をより低減させて、障害物に対する移動体のよりスムーズな回避運動を実行させやすくなる。
図1は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置を搭載する移動体の一例である車いすの斜視図である。 図2は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置を含む移動体追尾システムの一例が示されたブロック図である。 図3は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置の移動体に搭載される周囲の状況を検出するレーザセンサの検出範囲の一例を示す説明図である。 図4は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置のECU内に実現される追尾動作を実現する制御部(CPU)の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置の移動体の追尾位置の一例を示す説明図である。 図6は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、追尾対象体が前方に直進する場合の、移動体の移動目標位置の一例を示す説明図である。 図7は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、追尾対象体が右斜め前方に移動する場合の、移動体の移動目標位置の一例を示す説明図である。 図8は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、追尾対象体が図7と同じ位置に移動するものの、その位置で向いている方向(移動方向)が図7の場合と異なるときの、移動体の移動目標位置の一例を示す説明図である。 図9は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、移動体の追尾動作の一例を実現するための処理手順の前半部分を説明するフローチャートである。 図10は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、移動体の追尾動作の一例を実現するための処理手順の後半部分を説明するフローチャートである。 図11は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、移動体の周囲の混雑度が低い場合の移動体の追尾位置の一例を示す説明図である。 図12は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、移動体の周囲の混雑度が図11の場合より高い場合の移動体の追尾位置の一例を示す説明図である。 図13は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、移動体の前方から障害物が接近する場合の移動体の回避位置および、回避位置に移動するための移動軌道の一例を示す説明図である。 図14は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置において、移動体の後方から障害物が接近する場合の移動体の回避位置および、回避位置に移動するための移動軌道の一例を示す説明図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
本実施形態において、移動体追尾制御装置は、図1に示すような小型の移動体、例えば、「車いす」等に適用されうる。以下に示す実施形態では、移動体として「車いす」を一例として示すが、これに限定されない。例えば、健常者の移動手段として、着座姿勢や起立姿勢で搭乗する移動車両でもよい。移動体は、モータ等の駆動源を備える車両であり、ユーザ(搭乗者)が操縦(運転)することにより移動する通常走行モードを備えてもよいし、追尾対象体を特定して自動的に追尾する追尾走行モードを備えていてもよい。また、ユーザが自ら手や足を用いて移動体に駆動力を付与して移動する自走モードを備えていてもよい。移動体は、人間以外の物体(荷物、動物等)を積載可能な荷台を備える無人車両でもよい。また、移動体は、単体で走行してもよいし、複数が連結されたり、複数が分離状態で連なる態様で移動されたりしてもよい。
図1は、移動体の一例としての車いす10に移動体追尾制御装置を搭載した具体的な構成を示す。車いす10は、例えば金属製のフレーム12に柔軟性を有する布材や樹脂材等で形成されるシート14やバックサポート16が固定された折り畳み自在の椅子である。シート14の前方下部には、収納自在なフットサポート18が設けられ、ユーザ(利用者)が着座姿勢で足を乗せることができる。フットサポート18とシート14との間には、ユーザがシート14に着座した場合に、脹ら脛を支持してシート14の下側に足が入り込んでしまうことを防止するレッグサポート20が設けられている。
シート14の左右側方には、駆動輪22(左駆動輪22L,右駆動輪22R)が配置されている。駆動輪22には、当該駆動輪22の外側に一体にリング状のハンドリム22aが固定されている。ハンドリム22aは、シート14に着座したユーザが当該ハンドリム22aを手で把持して回転させることにより駆動輪22を駆動して車いす10を移動させる自走モードを実現する。また、本実施形態の車いす10の駆動輪22は、駆動システム24を備え、自動走行ができるように構成されている。なお、駆動輪22には例えばドラム式のブレーキシステム26が設けられ、駆動輪22の減速および停止、停止状態の保持を行うことができる。ブレーキシステム26は駆動システム24と一体化することもできる。
駆動輪22の前方には、車いす10の進行方向を決めるためのキャスタ28が一対設けられている。キャスタ28はギヤ等で構成される操舵システム30に接続されている。操舵システム30は、ユーザがハンドリム22aを回転させて車いす10を移動させる自走モードの場合、または同伴者等が手押しハンドル12aを把持して車いす10を押し動かす場合は、キャスタ28を旋回自在にする。つまり、操舵方向を拘束しないようしている。一方、操舵システム30は、駆動輪22が駆動システム24によって回転する通常走行モードまたは後述する追尾走行モードで駆動される場合には、ユーザによる旋回指示やECU44(図2参照)による追尾制御により、キャスタ28を所定の方向に旋回させて車いす10の走行方向を決定するように制御される。
駆動システム24、ブレーキシステム26および操舵システム30は、例えばシート14の下面に配置されたバッテリシステム32のバッテリ32aから電力供給を受けて駆動することができる。
また、ユーザがシート14に着座した姿勢で手の届く位置、例えばシート14の側方には、コントロールボックス34が配置されている。コントロールボックス34には、車いす10を通常走行モードまたは追尾走行モードで走行させる場合の制御ユニットが収められている。また、コントロールボックス34には、車いす10をユーザが通常走行モードで走行させる場動に移動速度や移動方向を指示する操作部36が設けられていてもよい。操作部36は、例えば360°任意の方向に倒すことのできるジョイスティックとすることができる。この場合、ジョイスティックを倒す方向で車いす10の進行方向を指示し、ジョイスティックを倒す量によって、車いす10の移動速度を指示することができる。なお、ジョイスティックを中立位置(直立位置)に戻すことにより車いす10を停止させことができる。この場合、ブレーキシステム26のアクチュエータ26aを駆動して、駆動輪22の停止状態を維持するようにしてもよい。
また、コントロールボックス34には車いす10の主として前方の領域について、そこに存在する物体の位置関係を示す情報を取得する情報取得部の一例として、レーザセンサ38(フロントセンサ38F)が設けられる。同様に、車いす10の主として後方の領域について、そこに存在する物体の位置関係を示す情報を取得するレーザセンサ38(リヤセンサ38R)が設けられる。図1の場合、一例としてリヤセンサ38Rは、バッテリシステム32を構成する筐体に支持されている例が示されている。フロントセンサ38Fとリヤセンサ38Rとで、車いす10の周囲の範囲、例えば360°の範囲をカバーできるようにすることが望ましい。フロントセンサ38Fやリヤセンサ38Rを設置する位置は、一例であり、車いす10の周囲の状況が取得できれば適宜変更することができる。また、本実施形態は、レーザセンサ38を二個設けた例を示したが、車いす10の周囲の範囲、例えば360°の範囲をカバーできれば、一個でも三個以上でもよい。レーザセンサ38の数を増やすことにより非検出範囲(死角)を縮小または排除することができる。
なお、車いす10は、ブレーキパッド40aを駆動輪22のタイヤ表面に接触させて、駆動輪22の停止状態を維持するハンドブレーキレバー40が設けられている。また、例えば、コントロールボックス34の反対側には、車いす10の走行状態や周囲の状況等の各種情報をユーザに提供するモニタ装置42が設けられてもよい。モニタ装置42は、例えば支持アームの角度調整により任意の姿勢で固定可能であり、ユーザがシート14に着座した姿勢での視認性を確保しやすくするとともに、着座姿勢および着座動作の際に邪魔にならないように配置できるようにしている。
図2は、実施形態にかかる移動体追尾制御装置を含む移動体追尾システム100の一例が示されたブロック図である。移動体追尾制御装置の主構成であるECU44(electronic control unit)と各種システム、各種センサ等はインタフェース102を介して電気的に接続され、移動体としての車いす10の走行制御(追尾制御)を実現する。インタフェース102には、例えば、駆動システム24、ブレーキシステム26、操舵システム30、バッテリシステム32、レーザセンサ38、舵角センサ46、車輪速センサ48等が接続されている。
駆動システム24は、アクチュエータ24aとトルクセンサ24bを有する。駆動システム24は、ECU44等によって電気的に制御されて、車いす10を通常走行モードや追尾走行モードの際にアクチュエータ24a(例えば、モータ)を駆動する。駆動システム24は、駆動輪22の速度調整やトルク調整を行い、車いす10を前進方向または後退方向に所望の速度(例えば操作部36の操作量で指示された速度)で移動させる。なお、トルクセンサ24bは、アクチュエータ24aのトルクを検出し、ECU44がアクチュエータ24aに発生しているトルクを解析することにより、アクチュエータ24aの指令値を補正して、車いす10の速度制御の精度を向上させる。
ブレーキシステム26は、アクチュエータ26aとブレーキセンサ26bを有する。ブレーキシステム26は、ECU44等によって電気的に制御されて、アクチュエータ26a(例えばピストン)を動作させて、例えば、ドラムブレーキのドラムに対するブレーキシューの押圧状態を変化させる。ブレーキシューの押圧状態を変化させることにより、駆動輪22の速度調整を行ったり、駆動輪22を停止させたり、駆動輪22の停止様態の維持を行ったりする。ブレーキセンサ26bは、例えばフットサポート18に配置されたブレーキペダルの操作状態(踏み込み量等)を検出するセンサである。
操舵システム30は、アクチュエータ30aとトルクセンサ30bを有する。操舵システム30は、ECU44等によって電気的に制御されて、車いす10を通常走行モードや追尾走行モードで走行させる際に、アクチュエータ30a(例えばモータ)を駆動することによりギヤ等にトルクを付加してキャスタ28を旋回させる。その結果、キャスタ28の向く方向(操舵方向)を変化させて車いす10の走行方向を変化させる。この場合、アクチュエータ30aは、一つのキャスタ28を転舵してもよいし、左右のキャスタ28を転舵してもよい。また、トルクセンサ30bは、例えば、キャスタ28の旋回軸に生じているトルクを検出し、アクチュエータ30aによるキャスタ28の旋回状態が指令通りに実行されているかを検出する。ECU44はこの検出結果にしたがいアクチュエータ30aのフィードバック制御を行い、キャスタ28の転舵精度を向上させる。
舵角センサ46は、例えば、キャスタ28の方向を検出するセンサである。舵角センサ46は、例えば、ホール素子などを用いて構成され、例えば、車いす10の正面方向を基準として、正方向(時計回り方向)の角度と負方向(反時計回り方向)の角度を取得する。車輪速センサ48は、例えば、駆動輪22の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサである。車輪速センサ48は、各駆動輪22に配置され、各駆動輪22で検出した回転数を示す車輪速パルス数をセンサ値として出力する。車輪速センサ48は、例えば、ホール素子などを用いて構成されうる。ECU44は、車輪速センサ48から取得したセンサ値に基づいて車いす10の移動量などを演算し、各種制御を実行する。ECU44は、各車輪速センサ48のセンサ値に基づいて車両1の車速を算出する場合、左右の駆動輪22のうち小さい方のセンサ値の駆動輪22の速度に基づき車いす10の車速を決定し、各種制御を実行する。
バッテリシステム32は、充放電を行うバッテリ32aと電圧センサ32bと電流センサ32cを有する。バッテリ32aは、外部電源に接続して充電されるタイプでもよいし、駆動輪22が通常走行モードで回転する場合に充電されてもよい。また、駆動システム24のアクチュエータ24a(モータ)の回生動作によって充電されてもよい。またそれらの組み合わせでもよい。電圧センサ32b、電流センサ32cは、バッテリ32aの充放電の際に電圧値や電流値を管理する。また、電圧センサ32b、電流センサ32cは、バッテリ32aを回生により充電する場合、バッテリ32aを最適な充電状態に維持するように管理する。
レーザセンサ38(フロントセンサ38F、リヤセンサ38R)は、移動体としての車いす10の周辺の物体の位置関係を示す情報を取得する情報取得部として機能する。レーザセンサ38は、センサ内部の光源(レーザダイオード等)から照射されたレーザ光が、測定対象物(例えば、追尾対象体や障害物等)にあたると反射され、受光素子で受光される。このとき受光した反射光を評価、演算することで、レーザ光が反射された位置までの距離を算出する。また、その情報を時系列で比較することにより、測定対象物が移動する場合の移動方向を算出することができる。レーザセンサ38のうちフロントセンサ38Fは、図3に示すように、車いす10の前方に向けられ、例えば、検出角θFで前方を含む第1領域FEを検出範囲とする。また、リヤセンサ38Rは、車いす10の後方に向けられ、例えば、検出角θRで後方および側方を含む第2領域REを検出範囲とする。なお、複数のレーザセンサ38を組み合わせて車いす10の周囲360°を検出領域とする場合、非検出領域(死角)が形成されてしまう場合がある。図3に示す例では、第1領域FEと第2領域REとは重複領域CEで重なり、非検出領域DEを低減するようにしている。なお、図3の場合、非検出領域DEが存在するが、車いす10の前方の直近の位置なので、レーザセンサ38としては死角になるが、車いす10に着座するユーザによる目視確認が容易な領域なので、制御上の影響は最小限(実質無視できる程度)である。
また、インタフェース102には、さらにECU44、モニタ装置42等が接続されている。ECU44は、インタフェース102を通じて制御信号を送ることで、駆動システム24、ブレーキシステム26、操舵システム30、バッテリシステム32等を制御することができる。また、ECU44は、インタフェース102を介して、トルクセンサ24b、ブレーキセンサ26b、トルクセンサ30b、電圧センサ32b、電流センサ32c、舵角センサ46、車輪速センサ48、レーザセンサ38等の検出結果や、操作部36等の操作信号を、受け取ることができる。
ECU44は、例えば、CPU44a(central processing unit)や、ROM44b(read only memory)、RAM44c(random access memory)、SSD44d(solid state drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU44aは、追尾走行モードの場合、例えば、車いす10が追尾すべき追尾対象体(例えば、同伴者や先導者、先導体等)を特定し、追尾対象体との相対距離を一定に保ちつつ、追尾対象体を基準に一定の位置で車いす10を追尾させるための処理を行う。CPU44aは、通常走行モードの場合、操作部36を介してユーザから指示される移動方向や移動速度による車いす10の走行を実現するように、駆動システム24や操舵システム30、バッテリシステム32等を制御する。また、車いす10が自走モードで走行される場合には、駆動システム24や操舵システム30をシステムから切り離し、駆動輪22が軽負荷で容易に回転し、キャスタ28が任意の方向に向くようにする。この場合、ブレーキシステム26は制御可能な状態としてもよく、自走モードにおける緊急停止ブレーキとして利用できるようにしてもよい。CPU44aは、ROM44b等の不揮発性の記憶装置に記憶された(インストールされた)プログラムを読み出し、当該プログラムに従って演算処理を実行する。
RAM44cは、CPU44aでの演算で用いられる各種データを一時的に記憶する。また、SSD44dは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU44の電源がオフされた場合であってもデータを記憶することができる。なお、CPU44a、ROM44b、RAM44c等は、同一パッケージ内に集積されることができる。また、ECU44は、CPU44aに替えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD44dに替えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよい。
モニタ装置42は、表示装置42aと操作入力部42bと音声出力装置42cを含む。表示装置42aは、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等であってもよい。表示装置42aに車いす10の周囲の状況、例えば障害物の位置等を表示してもよい。特に着座姿勢で目視し難い後方の状況等を撮像装置(カメラ)で撮像して、表示することができる。また、車いす10が通常走行モードや追尾走行モードの場合に、車いす10の制御状態、例えば、バッテリ32aの充電状態や走行速度等を表示してもよい。また、表示装置42aは、表示灯のみで構成されるシンプルなものであってもよい。この場合、障害物の接近等は、表示灯の表示色の変化や点滅等の表示態様の変化で表示するようにしてもよい。操作入力部42bは、スイッチや、ダイヤル、押しボタン等で構成することができる。なお、表示装置42aがタッチパネル等で構成される場合、操作入力部42bを表示装置42aの表示画面上で実現してもよい。音声出力装置42cは、車いす10が通常走行モードや追尾走行モードの場合に、例えば、急停止する場合や進路変更する場合、障害物が存在する場合等に、メッセージ(警報等)を出力したり、バッテリ32aの状態を通知したりしてもよい。
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
ECU44に含まれるCPU44aは、上述したような追尾走行を実現するために、図4に示されるような各種モジュールを備える。CPU44aは、モジュールとして、取得部58、対象特定部60、障害物特定部62、目標設定部64、走行制御部66、表示制御部68、音声制御部70、出力部72等を含む。そして、取得部58は、相対距離取得部58a、移動方向取得部58b、移動速度取得部58c、障害物距離算出部58d、接触予測時間算出部58e等を含む。また、目標設定部64は、軌道円設定部64a、移動目標位置設定部64b、周辺状況認識部64c等を含む。走行制御部66は、直進速度算出部66a、旋回速度算出部66b、舵角設定部66c、バッテリ制御部66d、モータ制御部66e等を含む。これらのモジュールは、ROM44b等の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、それを実行することで実現可能である。CPU44aは、各種モジュールによる処理を実行することにより、例えば追尾対象体を基準に、車いす10を所定の方向に所定の相対距離だけ離れるように誘導して追尾させることができる。
取得部58は、移動体としての車いす10の周辺の物体の位置関係を示す情報を取得するレーザセンサ38(情報取得部)の取得結果に基づき、車いす10と、その周囲の物体との相対距離やその物体の移動方向等を取得する。レーザセンサ38は、例えば、1/16秒ごとにレーザ光の送受信を行う。そして、相対距離取得部58aは、レーザセンサ38の検出結果に基づき、車いす10の周囲について物体の有無および物体が存在する場合にその物体と車いす10との相対距離を検出する。
移動方向取得部58bは、レーザセンサ38の検出結果を時系列で比較することにより、物体の移動の有無および移動方向を取得する。例えば、ある検出タイミングにおける物体の位置と、次の検出タイミングにおける同じ物体の位置とを比較することにより、両者をつなぐ方向ベクトルを得ることができる。この方向ベクトルが物体の移動方向となる。
移動速度取得部58cは、レーザセンサ38の検出結果を微分することにより、車いす10の周囲で検出された物体の移動速度を算出する。
対象特定部60は、取得部58が取得した車いす10の周囲に存在する物体の中から、車いす10が追尾する追尾対象体を特定する。例えば、車いす10に最も近い位置に存在する移動体(例えば、人間、動物、他の移動体)を追尾対象体としてもよい。また、車いす10の周囲の状況を撮像部(例えばカメラ)で撮像し、表示装置42aに撮像画像に含まれる物体を表示させて、ユーザに操作入力部42b等を介して指定させて追尾対象体を特定してもよい。また、追尾対象体となる物体に送信機(例えばビーコン)を所持させて、その送信機からの信号を対象特定部60が受信することにより、送信機を携帯する物体を追尾対象体と見なしてもよい。また、撮像部(例えばカメラ)が撮像した撮像画像に含まれる物体を周知のパターンマッチング技術等を用いて抽出して追尾対象体を特定してもよい。一方、障害物特定部62は、対象特定部60が特定した物体(追尾対象体)以外に車いす10の周囲に存在する物体を障害物として特定する。
障害物距離算出部58dは、障害物特定部62が特定した障害物と車いす10との相対距離(第二の相対距離)を算出する。また、移動速度取得部58cは、障害物特定部62が特定した障害物についても移動速度を取得する。そして、接触予測時間算出部58eは、移動速度取得部58cが取得した障害物の移動速度と車輪速センサ48のセンサ値に基づく車いす10の速度とを用いて(比較して)、障害物と車いす10とが接触するまでの接触予測時間を算出する。障害物距離算出部58dの算出する第二の相対距離と接触予測時間算出部58eの算出する接触予測時間は、車いす10がその障害物を回避する場合の回避運動を決定する際に用いる。例えば、車いす10の周辺に存在する障害物と車いす10との第二の相対距離が所定の距離閾値以下(例えば3m以下)の場合、CPU44aは障害物を回避する回避運動を実行する。同様に、車いす10と障害物のとの第二の相対距離が縮まる場合で、車いす10に接触するまでの接触予測時間が所定の時間閾値以下(例えば5秒以下)になった場合、CPU44aは、障害物を回避する回避運動を実行する。回避運動は、同心円76aの半径R1を小さくしたり、車いす10の追尾位置(ターゲット74から見た位置)をターゲット74を挟んで障害物が少ない側に変更したりすることで実現する。
目標設定部64は、対象特定部60が決定した追尾対象体を基準として、車いす10の移動目標位置を決定する。本実施形態の移動体追尾システム100の場合、移動体としての車いす10の移動目標位置は、一例として、図5に示すように追尾対象体としてのターゲット74を中心とする追尾間隔(第一の相対距離)が半径R1の同心円上に設定される。軌道円設定部64aは、対象特定部60が特定した追尾対象体(ターゲット74)を中心にターゲット74の移動、停止に拘わらず、常に半径R1の同心円76aを設定する。
また、移動目標位置設定部64bは、対象特定部60が特定したターゲット74に対して、軌道円設定部64aが設定した同心円76a上で、移動方向取得部58bが取得したターゲット74のターゲット移動方向Pを基準に追尾角度θとなる位置(図5の場合一例として、反時計方向に所定角度(追尾角度θ)だけ回転した(ずれた)位置)に車いす10の移動目標位置を設定する。移動目標位置設定部64bは、追尾角度θとして、ターゲット74(追尾対象体)の側方および後方の領域からターゲット移動方向Pの逆方向ベクトルPVを含む所定の後方領域(解除角度θN)を除く領域に移動目標位置を設定する。つまり、車いす10の移動目標位置は、ターゲット74の真後ろの位置には設定されない。このような設定を行うことにより、例えば、車いす10がターゲット74を追尾して移動しているときに、ターゲット74が急停止したり、急に方向転換したりした場合でも、車いす10は、ターゲット74と接触することを回避できる。図5の場合、逆方向ベクトルPVを中心として、例えば、左右45°(合計90°)で解除角度θNが設定されている例を示している。そして、図5の場合は、ターゲット74が図示の位置に移動した場合の車いす10の位置が示されている。このように、ターゲット74がターゲット移動方向Pで示される方向にターゲット速度VTで移動する場合、車いす10も同様に移動し、ターゲット74と車いす10の相対位置関係を保ちながら移動するとともに、ターゲット74との接触も容易に回避することができる。
なお、車いす10の移動目標位置は、基本的には、同心円76a上の後方領域(解除角度θN)を除く領域で設定されればよいが、車いす10のユーザに、より安心感を与えるためには、ターゲット74の真横より後方の位置(標準角度θGで規定される位置)で設定されることが望ましい。この場合、車いす10に着座するユーザの視野に常にターゲット74(この場合、付添人)が入り、安心感を得ることができる。なお、人間の視野は例えば、120°程度あるので、ターゲット74(この場合、付添人)は、ターゲット移動方向Pを向きつつも首を少し振るのみで標準角度θGに存在する車いす10を確認することができる。その結果、例えば、ターゲット74である付添人は車いす10に着座するユーザを確認しながら(例えば会話をしながら)移動することができる。また、追尾中の車いす10が何らかの原因でターゲット74から離れてしまうような場合でも、迅速にその状況を認識することができる。
周辺状況認識部64cは、障害物特定部62が特定した車いす10の周囲の障害物の混雑の程度を検出する。例えば、ROM44bは、単位面積当たりの障害物の密度を示す混雑度Mを予め保持し、車いす10の周囲が混雑度M以上の「密」状態なのか、混雑度M未満の「疎」の状態なのかを認識する。軌道円設定部64aは、周辺状況認識部64cの認識した周囲状況が「疎」の場合、軌道円の半径R1(第一の相対距離)を例えば、標準距離(例えば1m)に設定する。車いす10とターゲット74との相対距離が例えば1mに維持されることにより、お互いの圧迫感を軽減できるとともに、離れ過ぎによる不安感を低減できる。逆に周辺状況認識部64cの認識した周囲状況が「密」の場合、軌道円設定部64aは、軌道円の半径R1(第一の相対距離、例えば半径1m)を小さくして(例えば半径0.5m)、車いす10をターゲット74に、より接近させて混雑状態でも車いす10が容易に走行できるようにする。
走行制御部66は、車いす10の走行に関する全体的な制御を行う。直進速度算出部66aは、追尾走行モード時に車いす10がターゲット74を追尾する場合に移動速度取得部58cの取得したターゲット74の移動速度に基づき車いす10の直進速度VM、つまり、駆動輪22の回転速度を算出する。旋回速度算出部66bは、車いす10がターゲット74を追尾する場合に、移動方向取得部58bが取得したターゲット74の移動方向と車輪速センサ48が取得するセンサ値に基づく車いす10の現在の速度にしたがいキャスタ28の旋回速度ωMを算出する。例えば、ターゲット74が急に進行方向を変える場合は旋回速度ωMが早くなり、ゆっくりと進行方向を変える場合には、旋回速度ωMがそれより遅くなる。舵角設定部66cは、車いす10が移動目標位置設定部64bの設定した移動目標位置に到達するように、キャスタ28の舵角の制御、すなわち操舵システム30のアクチュエータ30aの制御量を決定する。
バッテリ制御部66dは、車いす10が移動目標位置設定部64bの設定した移動目標位置に、次の制御周期による移動目標位置が決定されるまでに移動できるような速度を駆動システム24が実現できるようにバッテリシステム32の出力値を制御する。なお、バッテリ制御部66dは、バッテリ32aの充放電の制御を行いバッテリ量の管理も行う。モータ制御部66eは、トルクセンサ24bから得られるトルク値に基づき、アクチュエータ24a(モータ)の負荷状態を取得し、移動目標位置設定部64bの設定した移動目標位置に、次の制御周期による移動目標位置が決定されるまでに移動できるように速度の増減調整行う。例えば、路面の状態(勾配状態や凹凸状態等)に応じてアクチュエータ24a(モータ)の出力値を決定する。
表示制御部68は、通常走行モード時や追尾走行モード時の車いす10の走行状態(速度や走行方向等)を表示したり、バッテリ32aの充電状態を表示したり、車いす10の周囲の障害物の数や存在位置等の表示を行うための処理を実行する。音声制御部70は、通常走行モード時や追尾走行モード時に車いす10の駆動状態に関する情報や障害物等が存在する場合の警報等を行うための処理を実行する。出力部72は、走行制御部66により制御結果を各システムに向けて出力するとともに、表示制御部68や音声制御部70の制御結果をモニタ装置42に向けて出力する。
なお、走行制御部66は、通常走行モードの場合、操作部36の操作内容(例えばジョイスティックの倒し方向や倒し量)にしたがい、直進速度算出部66a、旋回速度算出部66b、舵角設定部66c、バッテリ制御部66d、モータ制御部66e等の制御を実行し、ユーザの指示に従う車いす10の走行を実行する。
このように構成される車いす10がターゲット74を追尾する際の移動目標位置の設定例を図6〜図8を用いて説明する。なお、図6〜図8に示す例は、車いす10の周囲に障害物が存在しないまたは、障害物が存在する場合でも「疎」の状態(非混雑状態)のときに移動目標位置を設定する場合を示している。
図6は追尾対象体であるターゲット74が、現在の位置からターゲット速度VTでターゲット移動方向Pに直進して点線で示される位置に移動した場合の車いす10の移動目標位置78を示している。対象特定部60は、まず、取得部58の取得した車いす10の周囲の物体の位置関係に基づきターゲット74を特定する。例えば、車いす10に最も近い位置に存在する物体をターゲット74として設定する。また、軌道円設定部64aは、周辺状況認識部64cの認識結果に基づき、車いす10の周囲の混雑度を取得して、図6に示すような非混雑時には、半径R1の同心円76a(第一の相対距離)の設定を行う。このとき、もし車いす10が同心円76a上に存在しない場合、走行制御部66は、移動方向取得部58bの取得したターゲット74のターゲット移動方向Pを基準として、ターゲット74を中心とする同心円76a上で追尾角度θだけ、反時計方向に移動した位置に車いす10を移動させて、この位置をターゲット74の現在位置に対応する現在の車いす10の位置とする。ターゲット74が、図6に示すようにターゲット移動方向Pに直進移動する場合、半径R1の同心円76aも同様にターゲット移動方向Pに直進移動した位置、つまり、点線で示すターゲット74を中心とした位置に設定される。そして、移動目標位置78は、点線で示すターゲット74を中心に設定された同心円76a上で、点線のターゲット74のターゲット移動方向Pを基準として、ターゲット74を中心とする同心円76a上で追尾角度θだけ、反時計方向に移動した位置に設定される。直進速度算出部66aは、次の移動目標位置が設定されるまでに、車いす10が移動目標位置78に到達するような車いす10の直進速度VMを算出する。この場合、ターゲット74はターゲット移動方向Pに直進しているのみなので、旋回速度算出部66bは旋回速度ωθを算出しない。このように、点線示すターゲット74のように、ターゲット移動方向Pに直進移動する場合、ターゲット74から見た車いす10の相対位置関係は変わらず、ターゲット74を追尾することができる。
図7は追尾対象体であるターゲット74が、現在の位置から旋回運動を行い、かつ旋回した方向をターゲット移動方向Pとする点線で示されるターゲット74の位置に移動した場合の車いす10の移動目標位置78を示している。この場合も対象特定部60は、取得部58の取得した車いす10の周囲の物体の位置関係に基づきターゲット74を特定する。また、軌道円設定部64aは、周辺状況認識部64cの認識結果に基づき、車いす10の周囲の混雑度を取得して、図7に示すような非混雑時の場合は、半径R1の同心円76a(第一の相対距離)の設定を行う。ターゲット74が、図7に示すように旋回した後ターゲット移動方向Pに直進移動する場合も、半径R1の同心円76aが、点線で示すターゲット74を中心とした位置に設定される。そして、移動目標位置78は、点線のターゲット74を中心に設定された同心円76a上で、点線のターゲット74のターゲット移動方向Pを基準として、点線のターゲット74を中心とする同心円76a上で追尾角度θだけ、反時計方向に移動した位置に設定される。直進速度算出部66aは、次の移動目標位置78が設定されるまでに、車いす10が移動目標位置に到達するような車いす10の直進速度VMを算出する。この場合、ターゲット74は旋回しているので、旋回速度算出部66bは次の移動目標位置78が設定されるまでに、車いす10が移動目標位置に到達するように旋回する旋回速度ωθを算出する。このように、ターゲット74が旋回した後、その旋回方向にターゲット移動方向Pを向けて直進移動する場合も、ターゲット74から見た車いす10の相対位置関係は変わらず、ターゲット74を追尾することができる。
図8は追尾対象体であるターゲット74が、現在の位置から旋回運動を行った後、点線で示されるターゲット74のように旋回方向とは異なる方向をターゲット移動方向Pとする場合の車いす10の移動目標位置78を示している。この場合、点線のターゲット74の位置は、図7の点線のターゲット74の位置と同じであるが、点線のターゲット74が現在向いている方向が異なる。この場合も対象特定部60は、取得部58の取得した車いす10の周囲の物体の位置関係に基づきターゲット74を特定する。また、軌道円設定部64aは、周辺状況認識部64cの認識結果に基づき、車いす10の周囲の混雑度を取得して、図8に示すように非混雑時の場合は、半径R1の同心円76a(第一の相対距離)の設定を行う。点線のターゲット74が、図8に示すように旋回した後、ターゲット移動方向Pに直進移動する場合、半径R1の同心円76aが、点線のターゲット74を中心とした位置に設定される。そして、移動目標位置78は、点線のターゲット74を中心に設定された同心円76a上で、点線のターゲット74のターゲット移動方向Pを基準として、点線のターゲット74を中心とする同心円76a上で追尾角度θだけ、反時計方向に移動した位置に設定される。この場合、図7の点線のターゲット74と図8の点線のターゲット74とでは、ターゲット移動方向Pの方向が異なるため、ターゲット移動方向Pを基準として追尾角度θで設定される移動目標位置78の位置が図7の移動目標位置78の位置と異なる。直進速度算出部66aは、次の移動目標位置78が設定されるまでに、車いす10が移動目標位置78に到達するような車いす10の直進速度VMを算出する。この場合も、ターゲット74は旋回しているので、旋回速度算出部66bは次の移動目標位置78が設定されるまでに、車いす10が移動目標位置78に到達するように旋回する旋回速度ωθを算出する。このように、ターゲット74が旋回した後のターゲット移動方向Pにしたがって、移動目標位置78の位置が決定されるので、ターゲット74から見た車いす10の相対位置関係は変わらず、ターゲット74を追尾することができる。そして、図6〜図8の動作を組み合わせて実行することにより、ターゲット74がいずれの方向に移動しても車いす10は、一定の相対位置関係で追尾することができる。
上述したような車いす10の追尾動作の一例を実現するための処理手順の一例を図9および図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図9は、処理の前半部分を説明するフローチャートで、図10が処理の後半部分を説明するフローチャートである。
まず、CPU44aは、例えば、モニタ装置42の操作入力部42b等の操作状態に基づき、車いす10の走行モードとして、ターゲット74を特定して追尾する追尾走行モードが選択されているか、ユーザが操作部36を操作して車いす10を移動させる通常走行モードが選択されているかを検出する(S100)。なお、追尾走行モードでも通常走行モードでもない場合、つまり、自走モードの場合、図9、図10のフローチャートは実行されず、車いす10はユーザ自らが左右のハンドリム22a(駆動輪22)を回すことによって移動する。
CPU44aは、追尾走行モードが選択されていることを検出した場合(S100のYes)、表示制御部68は、追尾走行モードである旨を示す制御信号を出力部72を介して出力し、表示装置42aに「追尾走行モード制御中」等の表示を行う(S102)。続いて、取得部58は、レーザセンサ38を介して車いす10の周辺状況(車いす10の周辺に存在する物体の位置関係等)を取得する(S104)。また、対象特定部60は、車いす10の周囲に存在する物体の中から追尾対象体(ターゲット74)を特定する(S106)。この場合、ターゲット74の特定方法は種々ある。例えば、取得部58が検出した物体のうち車いす10に最も近い物体をターゲット74としてもよい。また、別の実施形態では、予めターゲット74にビーコン等の発信器を携帯させ、その信号を取得することによりターゲット74を特定してもよい。また、別の実施形態では、車いす10が備える撮像部によって取得された画像に基づき、ターゲット74を特定してもよい。なお、ターゲット74の特定は、これらの方法を組み合わせて行ってもよい。例えば、車いす10の周囲に存在する物体の存在密度が「密」の場合、ビーコン等の発信器を用いた方法が迅速にターゲット74を特定できる点で有利である。また、車いす10の周囲に存在する物体の存在密度が「疎」の場合、最も近くに存在する物体をターゲット74として特定する場合、処理負荷が少なく、ビーコン等の機器が不要になりコストの点でも有利である。画像処理を行う場合、特定するターゲット74の種類を容易に変更可能であるとともに、ビーコン等の機器を用いることなく、特定制度を向上できる点で有利である。
ターゲット74の特定が完了した場合(S108のYes)、相対距離取得部58aはがターゲット74の相対距離を取得するとともに、相対距離の時系列情報に基づき、移動方向取得部58bがターゲット74の移動方向を取得する(S110)。なお、ターゲット74の特定ができない場合(S108のNo)、ターゲット74の特定処理を継続して実行する。
続いて、周辺状況認識部64cは、相対距離取得部58aが取得した物体の存在情報に基づき、車いす10の周囲の混雑状態を算出し、ROM44b等に予め保持した混雑度Mと比較する(S112)。車いす10の周囲の混雑度が所定の混雑度M未満の場合(S112のNo)、例えば、周辺状況認識部64cの認識した周囲状況が、図11に示すように、車いす10の周囲にターゲット移動方向Pでターゲット速度VTのターゲット74の他に、歩行者80a(歩行速度VSa),80b(歩行速度VSb)が数人(例えば二人)存在するような「疎」の場合、図12に示すような歩行者80a(歩行速度VSa)〜80g(歩行速度VSg)のような「密」の場合より大きな半径R1の同心円76a(第1軌道円)を設定する(S114)。第1軌道円は、例えば第一の相対距離が標準距離(1m)の円とすることができる。一方、車いす10の周囲の混雑度が所定の混雑度M以上の場合(S112のYes)、例えば、周辺状況認識部64cの認識した周囲状況が、図12に示すように、車いす10の周囲にターゲット74の他に歩行者80a(歩行速度VSa)〜歩行者80g(歩行速度VSg)のように多数存在するような「密」の場合、図11に示すように歩行者80a,80bが「疎」の場合より小さな半径R2の同心円76b(第2軌道円)を設定する(S116)。第2軌道円は、第一の相対距離が標準距離(例えば1m)の半分の0.5mの円とすることができる。第1軌道円と第2軌道円とを周囲の状況に応じて使い分けることにより、障害物の回避が容易になったり、車いす10の移動が容易になったりする。また、ターゲット74と車いす10との相対距離がそのときの周囲の状況に応じて変化するため、ターゲット74と車いす10とが必要以上に接近し過ぎて圧迫感を感じさせてしまったり、逆に、離れすぎて不安感を抱かしてしまったりするようなことが回避できる。なお、図11、図12の場合、車いす10の移動目標位置が一例としてターゲット74の真横に来るように設定されている例である。
CPU44aは、周辺状況認識部64cの認識結果により、車いす10の周囲に回避すべき障害物が存在するか否かを判定する(S118)、例えば、CPU44aは、障害物距離算出部58dの算出した障害物と車いす10との第二の相対距離が所定の距離閾値より長い場合(例えば3m以上の場合)、回避すべき障害物が存在しないと判定する。または、CPU44aは、接触予測時間算出部58eが算出した障害物が車いす10に接触するまでの接触予測時間が所定の時間閾値より長い場合(例えば5秒以上の場合)、回避すべき障害物が存在しないと判定する。CPU44aが回避すべき障害物が存在しないと判定した場合(S118のNo)、移動目標位置設定部64bは、ターゲット74のターゲット移動方向Pを基準に追尾角度θで移動目標位置78を設定する(S120)。移動目標位置78が設定されると、直進速度算出部66aは追尾直進速度を算出するとともに、旋回速度算出部66bが追尾旋回速度を算出する(S122)。そして、走行制御部66は、移動目標位置に車いす10が移動するように、舵角設定部66cによりキャスタ28の向きを設定するとともに、モータ制御部66eによりアクチュエータ24a(モータ)を駆動して、車いす10を移動目標位置へ移動させる(S124)。
CPU44aは、今回の制御周期における移動目標位置への移動が完了したことを、移動後のターゲット74との相対位置とターゲット74のターゲット移動方向Pを基準にする追尾角度θに基づき確認できた場合(S126のYes)、追尾走行モードの完了条件が成立しているか否かを検出する(S128)。例えば、走行モードが追尾走行モード以外のモードになった場合やターゲット74の移動が所定期間以上確認できない場合(ターゲット74が例えば60秒以上停止した場合)等は、CPU44aは、追尾走行モードの完了条件が成立した判定する(S128のYes)。CPU44aは、表示制御部68により追尾走行モードの終了表示を実行させて(S130)、このフローを一旦終する。また、S128において、追尾走行モードの終了条件が成立したことが検出できない場合(S128のNo)、CPU44aは、S108に移行して、それ以降の処理を実行する。これにより、ターゲット74が移動し続けるかぎり、車いす10がターゲット74を追尾することができる。また、S126で今回の制御周期における移動目標位置への移動が完了したことが確認できない場合(S126のNo)、CPU44aは、S124に戻り移動目標位置への移動を継続して行う。
S118において、CPU44aが、車いす10の周囲に回避すべき障害物が存在すると判定した場合(S118のYes)、移動目標位置設定部64bは、車いす10が存在する領域として、回避すべき障害物が存在する領域とは別の領域に回避位置を設定する(S132)。この回避位置は、例えば、ターゲット74を挟んで回避すべき障害物の数がより少ない側の領域に設定される。例えば、図13、図14に示すように、ターゲット74を挟んで左側に回避すべき障害物80a(80b)が存在する場合、車いす10をターゲット74の右側に回避させて、この位置を基準に追尾移動を実行するようにする。本実施形態の場合、回避すべき障害物が接近する方向に基づき、回避位置82へ移動するために回避軌道が異なる。例えば、図13は、車いす10の前方から障害物として歩行者80bが接近速度VQで接近する場合である。歩行者80bが点線で示すように、車いす10の前方から接近する場合(S134のYes)、移動目標位置設定部64bは、車いす10が歩行者80bから離れるように後退しながら移動する後退回避軌道を選択する(S136)。例えば、歩行者80bと車いす10との第二の相対距離Lが所定の距離閾値以下(例えば3m以下)になった場合、車いす10は、後退回避軌道を通りターゲット74を挟んで反対側の回避位置82に移動する。また、歩行者80bと車いす10との第二の相対距離Lが縮まる場合で、直進速度VMの車いす10と接近速度VQの歩行者80bとが接触するまでの接触予測時間が所定の時間閾値以下(例えば5秒以下)になった場合、車いす10は、歩行者80bから離れるように後退する後退回避軌道を通りターゲット74を挟んで反対側の回避位置82に移動する。
また、図14は、車いす10の後方から障害物として歩行者80aが接近速度VQで接近する場合である。歩行者80aが点線で示すように、車いす10の後方から接近する場合(S134のNo)、移動目標位置設定部64bは、車いす10が歩行者80aから離れるように前進しながら移動する前進回避軌道を選択する(S138)。例えば、歩行者80aと車いす10との第二の相対距離Lが所定の距離閾値以下(例えば3m以下)になった場合、車いす10は、歩行者80aから離れる前進回避軌道を通りターゲット74を挟んで反対側の回避位置82に移動する。また、歩行者80aと車いす10との第二の相対距離Lが縮まる場合で、直進速度VMの車いす10と接近速度VQの歩行者80aとが接触するまでの接触予測時間が所定の時間閾値以下(例えば5秒以下)になった場合、車いす10は、歩行者80aから離れるような前進回避軌道を通りターゲット74を挟んで反対側の回避位置82に移動する。
回避位置82と回避軌道が決まったら、直進速度算出部66aは回避位置82に移動するための車いす10の回避直進速度を算出し、旋回速度算出部66bは、回避旋回速度を算出する(S140)。そして、走行制御部66は、車いす10の回避位置82への回避移動を実行する(S142)。なお、この回避移動は、車いす10の現在の位置から回避位置82まで直線的に移動させてもよいし、軌道円(第1軌道円:半径R1または第2軌道円:半径R2)に沿って移動させてもよい。車いす10を直線的に移動させて回避する場合、移動時間が短縮可能であり歩行者80aや歩行者80bから迅速に離れることができる。一方、第1軌道円または第2軌道円に沿って回避移動する場合、車いす10とターゲット74との相対距離が一定に保たれたまま回避運動を行うので、通常より車いす10とターゲット74とが接近したりしないため、急に回避運動が始まってもユーザやターゲット74に違和感を与え難くすることができる。そして、CPU44aは、車いす10が回避位置82への回避移動が完了した場合(S144のYes)、S120に移行して以降の処理を実行して、回避位置82を基準とするターゲット74の追尾制御を実施する。S144において、回避移動が完了していない場合(S144のNo)、S142の回避移動を継続し、回避位置82に到達させる。
S100において、自走モードではなく、また追尾走行モードが選択されていることを検出されない場合(S100のNo)、表示制御部68は、通常走行モードである旨を示す制御信号を出力部72を介して出力し、表示装置42aに「通常走行モード制御中」等の表示を行う(S146)。そして、走行制御部66は、操作部36の操作状態にしたがい、スティック操作駆動処理を実行する(S148)。例えば、ジョイスティックの倒し量にしたがい、直進速度算出部66aが直進速度を算出し、ジョイスティックの倒す方向にしたがい旋回速度算出部66bが旋回速度を算出する。そして、舵角設定部66cがキャスタ28の舵角を設定して操舵システム30のアクチュエータ30aを所定量駆動させる。また、モータ制御部66eが駆動システム24のアクチュエータ24a(モータ)を所定速度で回転させて、車いす10をジョイスティックで指示された方向に指示された速度で移動させる。
CPU44aは、通常走行モードにおける停止処理の条件が成立するまで、スティック操作駆動処理を継続する(S150のNo)。通常走行モードにおける停止処理の条件は、例えば、ジョイスティックが中立位置に戻られて所定期間(例えば30秒)経過した場合に成立したものともと見なすことができる。通常走行モードにおける停止処理の条件が成立した場合(S150のYes)、CPU44aは、通常走行モードの終了条件が成立した判定し、表示制御部68により通常走行モードの終了表示を実行させて(S152)、このフローを一旦終する。
このように、本実施形態の移動体追尾システム100によれば、車いす10はターゲット74から第一の相対位置を維持しながら、かつターゲット74のターゲット移動方向Pに基づく追尾角度θの位置(例えばターゲット74の手の届く左右のポジション)に常に移動目標位置を設定して移動する。その結果、車いす10をターゲット74に追尾させるために、複雑なターゲット74の移動経路を推定させる必要がなく、追尾のための演算負荷の軽減が可能で、低コストでスムーズな追尾(追従)動作を実現することができる。
なお、上述した実施形態では、移動体の一例として車いす10を示したが、これに限らず、健常者の移動手段として、着座姿勢や起立姿勢で搭乗する移動車両でもよく、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、人間以外を移動させる車両でもよい。例えば、荷物運搬用や動物輸送用の無人車両やロボット等でもよい。この場合、走行モードは、追尾走行モードのみとしてもよい。また、移動体を複数走行させてもよい。例えば、先頭の移動体は、ターゲット74を追尾し、後続の移動体は先行する移動体を追尾対象体と見なし、これを追尾するようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施形態において、障害物の混雑度は、取得部58の取得結果に基づき周辺状況認識部64cにより判定する例を示した。別の実施形態において、CPU44aは、移動体(車いす10)の周囲のインフラから混雑度や障害物(歩行者80)の位置を取得してもよいし、移動体(車いす10)が存在する領域の過去の混雑度データを参照して混雑度(例えば、時間帯による混雑度等)を取得して、追尾制御に反映させてもよい。
また、上述した実施形態では、移動体(車いす10)の周辺の物体の位置関係を示す情報を取得する情報取得部の一例として、レーザセンサ38を示したが、物体の位置関係(物体の検出、および物体との相対距離等)が検出可能であれば、適宜変更できる。例えば、撮像装置(ステレオカメラ等)により画像を取得し、その画像に画像処理を施すことにより周辺の物体の位置関係を示す情報を取得してもよく、レーザセンサ38を用いた場合と同様の効果をえることができる。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…車いす、22…駆動輪、24…駆動システム、26…ブレーキシステム、28…キャスタ、30…操舵システム、32…バッテリシステム、36…操作部、38…レーザセンサ、42…モニタ装置、44…ECU、60…対象特定部、62…障害物特定部、64…目標設定部、64a…軌道円設定部、64b…移動目標位置設定部、64c…周辺状況認識部、66…走行制御部、66a…直進速度算出部、66d…バッテリ制御部、66e…モータ制御部、68…表示制御部、72…出力部、74…ターゲット、76a,76b…同心円、78…移動目標位置、80…歩行者、82…回避位置、100…移動体追尾システム、P…ターゲット移動方向、θ…追尾角度。

Claims (6)

  1. 移動体が追尾する追尾対象体を特定する対象特定部と、
    前記移動体の周辺の物体の位置関係を示す情報を取得する情報取得部の取得結果に基づき、少なくとも前記移動体と前記追尾対象体との相対距離と、前記追尾対象体の移動方向と、を取得する取得部と、
    前記追尾対象体の前記移動方向を基準に当該移動方向から所定角度ずれた方向上に位置し、かつ前記追尾対象体から第一の相対距離の位置に前記移動体の移動目標位置を設定する目標設定部と、
    前記移動体が前記移動目標位置に移動するように制御する制御部と、
    を備える移動体追尾制御装置。
  2. 前記目標設定部は、前記追尾対象体の位置を中心とし、半径が前記第一の相対距離で規定される円軌道上に前記移動目標位置を設定する請求項1に記載の移動体追尾制御装置。
  3. 前記目標設定部は、前記追尾対象体の側方および後方の領域から前記移動方向の逆方向ベクトルを含む所定の後方領域を除く領域に前記移動目標位置を設定する請求項1または請求項2に記載の移動体追尾制御装置。
  4. 前記目標設定部は、前記移動体の周辺状況に応じて、前記第一の相対距離を変更する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の移動体追尾制御装置。
  5. 前記取得部は、前記情報取得部の前記取得結果に含まれる前記移動体の周辺に存在する障害物と前記移動体との第二の相対距離または、前記第二の相対距離が縮まる場合に前記移動体に接触するまでの接触予測時間を取得し、
    前記目標設定部は、前記第二の相対距離が所定の距離閾値以下になった場合または前記接触予測時間が所定の時間閾値以下になった場合、前記移動目標位置を前記追尾対象体から前記第一の相対距離より近い位置に設定する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移動体追尾制御装置。
  6. 前記取得部は、前記情報取得部の前記取得結果に含まれる前記移動体の周辺に存在する障害物と前記移動体との第二の相対距離または、前記第二の相対距離が縮まる場合に前記移動体に接触するまでの接触予測時間を取得し、
    前記目標設定部は、前記第二の相対距離が所定の距離閾値以下になった場合または前記接触予測時間が所定の時間閾値以下になった場合、前記追尾対象体を挟んで、前記障害物の逆側に前記移動目標位置を設定し、
    前記制御部は、前記移動体が前記障害物から離れるような軌道を通り前記逆側の前記移動目標位置に移動するように制御する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移動体追尾制御装置。
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