JP2018065908A - 封止用樹脂組成物、並びに、それを用いた再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

封止用樹脂組成物、並びに、それを用いた再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】WLPにおいて生産性の低下を招く擬似ウエハの反りを抑制することができる封止用樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)エポキシ基含有化合物と、(B)フェノール硬化剤と、(C)飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基がマレイミド基に結合した構造を有するマレイミド化合物と、(D)リン原子を含む硬化促進剤と、(E)充填材と、を含有する封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物、並びに、それを用いた再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化、軽量化、高集積化、高速動作化の動向を反映して、半導体パッケージに占める半導体チップの面積、体積は大きくなり、半導体パッケージ内の配線は微細化、短小化している。
従来、このような半導体チップを配線基板に電気的に接続する方法としては、半導体チップに突起電極(バンプ)を形成して、このバンプによって配線基板と一括接合するフリップチップ接続と呼ばれる実装方法がある。この方法では、例えば、半導体チップを小型化した場合、配線基板上の配線パターンも変更しなければならず、開発の際のタイムラグ及びコスト増につながり、多品種少量生産には向かなくなってしまう。
そこで、ウエハレベルパッケージ(WLP)と呼ばれる、半導体回路の形成されたウエハを個別の半導体チップに切断する前に、電気接続用のバンプを設け、ウエハ全体を封止する手法が考え出された(例えば、特許文献1参照)。
WLPでは配線基板を用いたフリップチップ接続が不要なため、多品種少量生産にも適する。しかしWLPでは、半導体パッケージの機能拡大と共に増大する単位面積あたりの実装用IO(入出力)バンプ数の上限が半導体チップの面積に比例するため、小チップに機能を詰め込んだIO半導体チップには対応できない。
そこで、予め切断した半導体チップを支持体となるキャリア上に並べ、それをウエハ状に封止樹脂で封止した後(擬似ウエハ化)、半導体チップの回路面に再配線を行うことで、半導体チップのデザイン変更にも低コストで対応しつつ、半導体チップのサイズに対して過多なIO数にも対応できる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところが、このタイプのWLPでは、封止樹脂とキャリアとの熱膨張係数の差に起因する内部応力から、擬似ウエハに反りが発生することにより、封止より後の工程での擬似ウエハの吸着搬送が困難になり、生産性が低下することが問題となっている。
特許第3616615号公報 米国特許出願公開第2007/205513号公報
本発明は、WLPにおいて生産性の低下を招く擬似ウエハの反りを抑制することができる封止用樹脂組成物、並びに、それを用いた再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の課題を解決すべく検討を進めた結果、下記の本発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
[1](A)エポキシ基含有化合物と、(B)フェノール硬化剤と、(C)飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基がマレイミド基に結合した構造を有するマレイミド化合物と、(D)リン原子を含む硬化促進剤と、(E)充填材と、を含有する封止用樹脂組成物。
[2]上記(C)マレイミド化合物の含有量が、上記(A)エポキシ基含有化合物、上記(B)フェノール硬化剤及び上記(C)マレイミド化合物の総量を基準として30〜70質量%である、上記[1]に記載の封止用樹脂組成物。
[3]上記(C)マレイミド化合物が1分子内に少なくとも2つのマレイミド基を含む、上記[1]又は[2]に記載の封止用樹脂組成物。
[4]上記(C)マレイミド化合物における上記飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基の炭素数が8〜100である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
[5]上記(C)マレイミド化合物が下記一般式(1)で表される構造を有するマレイミド化合物を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
Figure 2018065908

[式(1)中、xは10〜50の整数を示す。]
[6]上記(C)マレイミド化合物が下記一般式(2)で表されるマレイミド化合物を含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
Figure 2018065908

[式(2)中、xは10〜50の整数を示し、nは0〜50の整数を示す。]
[7]上記(D)硬化促進剤が、下記一般式(3)で表されるアニオン種に1つ以上のカルボキシ基を有するホスホニウム塩を含む、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
Figure 2018065908

[式(3)中、R〜Rは各々独立に一価の有機基を示す。]
[8]上記一般式(3)中、上記R〜Rは各々独立に、メチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、トルイル基又はp−メトキシフェニル基を示す、上記[7]に記載の封止用樹脂組成物。
[9]上記一般式(3)中、上記R〜Rは互いに同一である、上記[7]又は[8]に記載の封止用樹脂組成物。
[10]上記(D)硬化促進剤中の上記アニオン種が、互いに隣接する炭素原子の一方にカルボキシ基が、他方にカルボキシ基からプロトンが脱離したCOO基が、それぞれ結合した構造を有する、上記[7]〜[9]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物を用いて、支持体上に多数個配置された半導体チップを封止してなる、再配置ウエハ。
[12]上記[11]に記載の再配置ウエハを個片化してなる半導体パッケージ。
[13]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物を用いた半導体パッケージの製造方法であって、半導体チップを支持体上に多数個配置する工程と、上記半導体チップ及び上記支持体上に、上記封止用樹脂組成物を散布する工程と、散布した上記封止用樹脂組成物を金型により成形する工程と、を含む半導体パッケージの製造方法。
本発明の封止用樹脂組成物によれば、上記特定の各成分を含むことにより、低弾性、低収縮及び低熱膨張の三つの特性を満たすことができ、WLPにおいて生産性の低下を招く擬似ウエハの反りを抑制することができる。特に、上記特定の(C)マレイミド化合物と、上記特定の(D)硬化促進剤とを組み合わせて用いることにより、擬似ウエハの反りを大幅に抑制することができる。従来、市販のマレイミド樹脂は150℃以下の低温硬化が困難であったが、本発明における上記特定のマレイミド化合物、特に上記一般式(1)で表される構造を有するマレイミド化合物、及び、上記一般式(2)で表されるマレイミド化合物は反応性に優れ、適切な硬化促進剤を用いることで低温硬化を実現できる。また、本発明における上記一般式(1)で表される構造を有するマレイミド化合物、及び、上記一般式(2)で表されるマレイミド化合物は、アルキル基を多く含むため低弾性を発現し、該化合物を用いることで封止用樹脂組成物の弾性率がより低減し、反りがより抑制されると考えられる。
本発明によれば、WLPにおいて生産性の低下を招く擬似ウエハの反りを抑制することができる封止用樹脂組成物、並びに、それを用いた再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法を提供することができる。また、本発明の封止用樹脂組成物を用いることで、ウエハレベルパッケージ、とりわけ圧縮成形でウエハ状に形成されたウエハレベルパッケージを作製する際に、反りが少なく、吸着搬送が容易で生産性の高い擬似ウエハを提供することができるため、ウエハレベルパッケージの生産性を向上させることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。更に本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ基含有化合物と、(B)フェノール硬化剤と、(C)飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基がマレイミド基に結合した構造を有するマレイミド化合物と、(D)リン原子を含む硬化促進剤と、(E)充填材と、を含有する。以下、各成分を詳細に説明する。
<(A)エポキシ基含有化合物>
本実施形態で用いる(A)エポキシ基含有化合物としては、一分子中にエポキシ基を2個以上有し、常温(本明細書では15〜35℃を常温と定義する)における性状は問わず、分子量及び構造も限定されない。(A)エポキシ基含有化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA・F型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイド等の脂環式エポキシなどの脂肪族エポキシ樹脂、エポキシ変性シリコーンなどが挙げられる。本実施形態では、反り低減の観点からは、低弾性化に有効なトリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリルェノールプロパン型エポキシ樹脂が好ましく、機械特性の観点からは、ビフェニル型エポキシ樹脂を適用することが好ましい。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(B)フェノール硬化剤>
本実施形態で用いる(B)フェノール硬化剤としては、一分子中にフェノール性水酸基を2個以上有し、常温(本明細書では15〜35℃を常温と定義する)における性状は問わず、分子量及び構造も限定されない。(B)フェノール硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック型樹脂、クレゾールノボラック型樹脂等のノボラック型樹脂、ビスフェノールA・F型フェノール樹脂、ハイドロキノン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、スチルベン型フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、トリフェノールプロパン型フェノール樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型フェノール樹脂、ナフトール型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型フェノール脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン等の脂環式フェノール樹脂などの脂肪族フェノール樹脂樹脂などが挙げられる。本実施形態では、反り低減の観点からは、低弾性化に有効なトリフェノールメタン型フェノール樹脂、トリフェノールプロパン型フェノール樹脂が好ましく、機械特性の観点からは、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂を適用することが好ましい。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の封止用樹脂組成物において、(B)フェノール硬化剤の配合量は、(A)エポキシ基含有化合物/(B)フェノール硬化剤の当量比が0.7〜1.5である範囲が好ましく、0.8〜1.2である範囲がより好ましく、0.9〜1.1である範囲が更に好ましい。上記範囲外である場合、組成物の硬化性、耐湿信頼性、生産性、作業性が低下する恐れがある。
<(C)マレイミド化合物>
本実施形態で用いる(C)マレイミド化合物は、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基がマレイミド基に結合した構造を有するマレイミド化合物である。(C)マレイミド化合物は、少なくとも2つのマレイミド基を有することが好ましく、反り低減の観点から、下記一般式(1)で表される構造を一分子中に1つ以上有するマレイミド化合物であることがより好ましい。また、(C)マレイミド化合物は、反り低減の観点から、下記一般式(2)で表されるマレイミド化合物であることが好ましい。また、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜100であることが好ましく、2〜50であることがより好ましく、4〜40であることが更に好ましい。また、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基の炭素数は8〜100であってもよい。(C)マレイミド化合物に含有される飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基は直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造であってもよく、脂肪族の脂環式骨格を含有していてもよい。
Figure 2018065908

Figure 2018065908
上記一般式(1)及び(2)中、xは10〜50の整数を示すが、20〜40の整数であることが好ましい。また、上記一般式(2)中、nは0〜50の整数を示すが、1〜10の整数であることが好ましい。
上記一般式(2)で表されるマレイミド化合物の具体例としては、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。下記式(4)において、nは1〜10の整数を示す。
Figure 2018065908
(C)マレイミド化合物の分子量は特に限定されない。(C)マレイミド化合物の重量平均分子量(Mw)の下限値は、500、1000、1500又は1700であってもよい。また、(C)マレイミド化合物のMwの上限値は、30000、20000、10000であってもよい。(C)マレイミド化合物のMwは、500〜30000であってもよく、1000〜30000であってもよく、1500〜30000であってもよく、1500〜30000であってもよく、1700〜30000であってもよい。
(C)マレイミド化合物のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
なお、GPCの測定条件は下記のとおりである。
ポンプ:L−6200型[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
検出器:L−3300型RI[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
カラムオーブン:L−655A−52[株式会社日立ハイテクノロジーズ製]
ガードカラム及びカラム:TSK Guardcolumn HHR−L+TSKge
l G4000HHR+TSKgel G2000HHR[すべて東ソー株式会社製、商
品名]
カラムサイズ:6.0×40mm(ガードカラム)、7.8×300mm(カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:30mg/5mL
注入量:20μL
流量:1.00mL/分
測定温度:30℃
本実施形態の封止用樹脂組成物において、(C)マレイミド化合物の含有量は、(A)エポキシ基含有化合物、(B)フェノール硬化剤、及び(C)マレイミド化合物の総量を基準として、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。この含有量が10質量%以上であることで、組成物の弾性率が低下し、反りが抑制される傾向があり、90質量%以下であることで、組成物が低弾性を発現し、封止材作製工程において作業性にも優れる傾向がある。
<(D)硬化促進剤>
本実施形態で用いる(D)硬化促進剤は、リン原子を含む硬化促進剤である。(D)硬化促進剤は、反り低減の観点から、下記一般式(3)で表されるアニオン種に1つ以上のカルボキシ基を有するホスホニウム塩を含むことが好ましい。リン原子に結合する置換基はアルキル基でもベンゼン環等の芳香族基でもよい。アルキル基の場合は、直鎖状、分岐状、環状のどの構造であってもよい。また、芳香族基はメチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、又は水酸基などで置換されていてもよい。また、カチオン種であるリン原子のカウンターアニオン種は、特に限定されない。カウンターアニオン種のアニオン部位はホウ素及び窒素でもよく、カルボキシ基及び水酸基等からプロトンが脱離し、アニオンになっている構造でもよい。ただし、カルボキシ基及び水酸基等からプロトンが脱離し、アニオンになっている構造体では、同一分子内の2つの酸素原子は互いに隣接する。また、カルボキシ基又は水酸基が結合している主骨格は脂肪族でも、芳香族でもよい。
Figure 2018065908
一般式(3)中、R〜Rは各々独立に一価の有機基を示す。一般式(3)中のR〜Rのリン原子に結合する基は各々独立に、メチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、トルイル基又はp−メトキシフェニル基を示すことが好ましい。また、R〜Rは互いに同一であることが好ましい。
(D)硬化促進剤中のアニオン種は、互いに隣接する炭素原子の一方にカルボキシ基が、他方にカルボキシ基からプロトンが脱離したCOO基が、それぞれ結合した構造(例えば、HOOC−CR−CR−COOのような構造)を有するものであることが好ましい。
一般式(3)中のカルボキシ基を1つ以上有するアニオン種としては例えば、酢酸;プロピオン酸;酪酸;カプロン酸;エナント酸;ラウリン酸;ミリスチン酸;パルミチン酸;ステアリン酸;フタル酸;イソフタル酸;テレフタル酸;ヒドロキシイソフタル酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;アジピン酸;1,3−アダマンタンジカルボン酸;アゾベンゼン−4,4’−ジカルボン酸;1,3,5−ベンゼントリカルボン酸;1,10−ビス(4−カルボキシフェノキシ)デカン;2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸;デカヒドロ−1,4−ナフタレンジカルボン酸;2,3−ピラジンジカルボン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般式(3)中のRは、これらのアニオン種に対応する有機基(すなわち、これらのアニオン種からカルボキシ基を除いた残基)であることができる。
このようなカチオン種(ホスホニウム基)とアニオン種からなるホスホニウム塩としては例えば、テトラフェニルホスホニウム−フタル酸(カチオン種:アニオン種=1:1、商品名「TPP−フタル酸」、北興化学工業株式会社製)、テトラブチルホスホニウム−1,2−シクロへキシルジカルボン酸(カチオン種:アニオン種=1:1.5、商品名「TBP−3」、北興化学工業株式会社製)、テトラブチルホスホニウム−1,2−シクロへキシルジカルボン酸(カチオン種:アニオン種=1:1、商品名「TBP−3S」、北興化学工業株式会社製)、テトラブチルホスホニウム−ラウリン酸(カチオン種:アニオン種=1:1、商品名「TBPLA」、北興化学工業株式会社製)等を挙げることができる。なお、本実施形態においては、1種類のホスホニウム塩を単独で使用してもよく、種類の異なるホスホニウム塩を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の封止用樹脂組成物において、(D)硬化促進剤の含有量は、硬化性及び保存安定性の観点から、(A)エポキシ基含有化合物、(B)フェノール硬化剤、及び(C)マレイミド化合物の総量100質量部に対して、0.3〜5質量部であることが好ましく、0.5〜4質量部であることがより好ましく、0.7〜3質量部であることが更に好ましい。
<(E)充填材>
本実施形態で用いる(E)充填材は、封止材で一般的に用いられるものであれば特に限定されない。(E)充填材としては、例えば、無機充填材及び有機充填材が挙げられるが、無機充填材が好ましい。流動性の観点から、(E)充填材の形状は角形より球状であることが好ましい。例えば、(E)充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の粒子;これらを球形化したビーズなどが挙げられる。
(E)充填剤の平均粒子径は、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましい。(E)充填剤の平均粒子径が1μm以上であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑えられやすく、50μm以下であると、封止用樹脂組成物と(E)充填剤との混合性が向上し、硬化によって得られるパッケージが均質化する傾向があり、特性のばらつきが抑えられ、狭い領域への充填性が向上する傾向がある。また、凝集を抑制するために1μm以下の小粒径の(E)充填材を併用してもよい。なお、本明細書において、(E)充填剤の平均粒子径は、下記の方法を用いて粒子径を階級、体積を度数とし、度数の累積で表記された積算分布において、積算分布が50%となる粒子径を意味する。粒子の粒子径を測定する方法としては、例えば、レーザー回折、動的光散乱、小角X線散乱等の装置を用いて一括して多数の粒子を測定する方法、及び電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等を用いて画像化し、粒子1つ1つの粒子径を測定する方法が挙げられる。液相遠心沈降、フィールドフロー分別、粒子径排除クロマトグラフィー、流体力学クロマトグラフィー等の方法を用い、粒子を測定する前に100μm以上の粒子を分離する前処理を行ってもよい。また測定試料が硬化物である場合は、例えば、マッフル炉等で800℃以上の高温で処理した後に残渣として得られる灰分を上記の方法で測定することができる。
本実施形態の封止用樹脂組成物において、(E)充填材の含有量は、流動性及び信頼性の観点から、封止用樹脂組成物の固形分全量を基準として、65〜90体積%であることが好ましく、70〜88体積%であることがより好ましく、75〜85体積%であることであることが更に好ましい。
なお、本明細書において、固形分とは、常温且つ常圧条件下における不揮発成分を意味し、常温且つ常圧条件下で液状、水飴状及びワックス状のものも含む。したがって、封止用樹脂組成物の固形分全量とは、封止用樹脂組成物の全量から揮発性成分(溶剤等)の量を除いた量を意味する。
<応力緩和剤>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、必要に応じて応力緩和剤として、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を含有してもよい。応力緩和剤を含有させることによって、パッケージの反り変形量及びパッケージクラックを低減させることが可能である。使用可能な応力緩和剤としては、当該技術分野で一般に用いられる公知の可とう剤(応力緩和剤)を適宜選択して使用することができる。
一般に使用されている可とう剤としては、シリコーン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリブタジエン等の熱可塑性エラストマー;NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子;メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子;などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、シリコーン系可とう剤が好ましく、シリコーン系可とう剤としては、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
<カップリング剤>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、必要に応じて、樹脂成分と(E)充填材との接着性を高める観点から、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤の種類は、特に限定されない。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム及びジルコニウム含有化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物がカップリング剤を含有する場合、カップリング剤の含有量は、(E)充填剤100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜2.5質量部であることがより好ましい。この含有量が0.05質量部以上であると樹脂成分と(E)充填材との接着性が向上し、また、封止用樹脂組成物とCu及びAl等との接着性が向上する傾向があり、5質量部以下であるとパッケージの成形性に優れる傾向がある。
<その他の添加剤>
<難燃剤>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、難燃性を付与するために、必要に応じて難燃剤を含有してもよい。難燃剤の種類は特に制限されない。具体的に、難燃剤としては、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機化合物又は無機化合物、金属水酸化物、アセナフチレン等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
難燃剤の含有量は、難燃効果が達成されれば特に制限はない。封止用樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は、(A)エポキシ基含有化合物100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。
<陰イオン交換体>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、必要に応じて陰イオン交換体を含有してもよい。特に、封止用樹脂組成物は封止用成形材料として用いるため、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、陰イオン交換体を含有させることが好ましい。
陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来から当該技術分野において一般に使用されるものが挙げられる。陰イオン交換体としては、下記一般式(5)で示されるようなハイドロサルタイト化合物;マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスから選ばれる元素の含水酸化物;等が挙げられる。陰イオン交換体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Mg1−yAl(OH)(COy/2・mHO (5)
[式中、yは0<y≦0.5を満たす数を示し、mは正の数を示す。]
ハイドロサルタイト化合物は、ハロゲンイオン等の陰イオンを構造中のCOと置換することで捕捉し、結晶構造の中に取り込まれたハロゲンイオンは約350℃以上で結晶構造が破壊するまで脱離しない性質を持つ化合物である。この様な性質を持つハイドロサルタイトを例示すれば、天然物として産出されるMgAl(OH)16CO・4HO、合成品としてMg4.3Al(OH)12.6CO・mHO等が挙げられる。また、本実施形態の封止用樹脂組成物は、(B)フェノール硬化剤の影響で、純水を使用した硬化物の抽出液がpH3〜5と酸性を示す。したがって、本実施形態の封止用樹脂組成物は、両性金属であるアルミニウムに対しては腐食しやすい環境となるが、ハイドロサルタイト化合物は酸を吸着する作用も持つことから抽出液を中性に近づける作用もある。このハイドロサルタイト化合物の添加による作用効果により、アルミニウムの腐食を効果的に防ぐことができると推察できる。
また、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物も、ハロゲンイオンを水酸化物イオンと置換することで捕捉でき、更にこれらのイオン交換体は酸性側で優れたイオン交換能を示す。本実施形態の封止用樹脂組成物については、前述のように抽出液が酸性側となることから、これらの含水酸化物もアルミニウムの腐食防止に対し特に有効である。このような含水酸化物を例示すれば、MgO・mHO、Al・mHO、ZrO・HO、Bi・HO、Sb・mHO等の含水酸化物が挙げられる。
陰イオン交換体の含有量は、ハロゲンイオン等の陰イオンを捕捉できる充分な量であれば特に制限はない。封止用樹脂組成物が陰イオン交換体を含有する場合、陰イオン交換体の含有量は、(A)エポキシ基含有化合物100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
<離型剤>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、成形工程において金型に対する良好な離型性を発揮させる観点から、離型剤を含有してもよい。離型剤の種類は特に制限されず、当該技術分野において公知の離型剤が挙げられる。具体的に、離型剤としては、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、離型剤としては、酸化型又は非酸化型のポリオレフィン系ワックスが好ましい。
封止用樹脂組成物が離型剤としてポリオレフィン系ワックスを含有する場合、ポリオレフィン系ワックスの含有量としては、(A)エポキシ基含有化合物100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。ポリオレフィン系ワックスの含有量が0.01質量部以上であると離型性が充分となる傾向があり、10質量部以下であると接着性が充分となる傾向がある。
また、ポリオレフィン系ワックスにその他の離型剤を併用する場合、その他の離型剤の含有量は、(A)エポキシ基含有化合物100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。
<着色剤等>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤を含有してもよい。その他、必要に応じて、本発明による効果を低下させない範囲において種々の添加剤を含有してもよい。
<封止用樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の封止用樹脂組成物の製造方法としては、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いずれの手法を用いてもよい。一般的な手法として、所定の配合量の成分をミキサー等によって充分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、封止用樹脂組成物は、例えば、上述した成分の所定量を混合して攪拌し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練した後、冷却し、粉砕するなどの方法によって、固形樹脂組成物として得ることができる。封止用樹脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化すると取り扱いが容易になる。
<半導体パッケージ及びその製造方法>
本実施形態の半導体パッケージの種類としては、例えば次の様な種類があるが、これに限るものではない。即ち、BGA(Ball Grid Array)、FCBGA(Flip Chip BGA)、MAPBGA(Molded Array Process BGA)等が挙げられる。また、本実施形態の封止材用樹脂組成物の適用例としてより好ましい例として、eWLB(Embedded Wafer−Level BGA)があり、Fan−Out型、Fan−In型、SiP(System in Package)等の形態がある。
本実施形態の半導体パッケージの製造方法としては、例えば次の様な方法があるが、これに限るものではない。即ち、支持体であるキャリア上に、バッファーコート材をスピンコートし、バッファーコート材を硬化して絶縁膜層を形成した後、パターニング処理により電極パッド部分を開孔する。開孔部分からバッファーコート材表面へ、めっき等により再配線加工と実装用バンプ形成とを行う(再配線工程)。次に、予め動作することが分かっている半導体チップをその活性面を下向きに多数個並べる工程(半導体チップを支持体に多数個配置する工程)、次に、リフロー工程を経ることでチップを再配線層と接続する工程(導通確保工程)、次に、アンダーフィルを注入し、硬化させることでチップと再配線層間を保護する工程(アンダーフィル工程)、次に、本実施形態の封止材用樹脂組成物を均一に散布する工程(散布工程)、次に、圧縮成形(金型により成形する工程)後、キャリアを剥がして半導体チップが封止され再配置されたウエハ(再配置ウエハ)を得る。その後、このウエハを任意の厚みにグラインドし、ダイシングにより個片化する(個片化工程)ことで半導体パッケージが得られる。
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。また、表中の「−」は該当する成分を含有しないことを意味する。以下に実施例及び比較例で用いた材料を示す。
<(A)エポキシ基含有化合物>
(1)EPPN−501HY:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製
(2)YX−4000H:ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製
(3)KF−1001:エポキシ変性シリコーン、信越化学工業株式会社製
<(B)フェノール硬化剤>
(4)MEH−7500:トリフェニルメタン型フェノール樹脂、明和化成株式会社製
<(C)マレイミド化合物(マレイミド樹脂)>
(5)SFR−2300:下記一般式(6)で表される1分子内に少なくとも2つのイミド結合を有するビスマレイミド化合物(長鎖アルキル基含有ビスマレイミド樹脂)、日立化成株式会社製
Figure 2018065908

[式中、nは1〜10の整数を示す。]
<(D)硬化促進剤>
(6)TBP−3S:テトラブチルホスホニウム−カルボキシレート、北興化学工業株式会社製
(7)TBP−3:テトラブチルホスホニウム−カルボキシレート、北興化学工業株式会社製
(8)TPP−フタル酸:テトラフェニルホスホニウム−フタル酸塩、北興化学工業株式会社製
(9)TPP:トリフェニルホスフィン、北興化学工業株式会社製
(10)TPP24:トリ−p−トルイルホスフィンとベンゾキノンの付加物、北興化学工業株式会社製
<(E)充填剤>
(11)ST7010−2:平均粒子径11μmの球状溶融シリカ、マイクロン社製
(12)SO−25R:平均粒子径0.6μmの球状溶融シリカ、アドマッテクス社製
<(F)カップリング剤>
(13)KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製
<(G)着色剤>
(14)MA−100:カーボンブラック、三菱化学株式会社製
<(H)陰イオン交換体>
(15)DHT−4A:ハイドロタルサイト化合物、協和化学工業株式会社製
[実施例1〜6及び比較例1〜4]
下記表1に示した各成分を同表に示した量(単位:質量部)で配合し、ミキサーで充分混合した後、予め80℃に加熱してあるニーダーで溶融混練した後、冷却し、ミキサー等を用いて粉砕することで、実施例1〜6及び比較例1〜4の封止用樹脂組成物(固形樹脂組成物)をそれぞれ得た。
[封止用樹脂組成物の硬化物の特性評価]
各実施例及び比較例で得られた封止用樹脂組成物について、以下の評価を行った。各評価(反り評価を除く)で使用した試験サンプルは、所定の形状に成形した封止用樹脂組成物を、130℃で10分、次いで175℃で6時間の硬化条件により硬化することで作製した。
<ガラス転移温度>
粘弾性測定装置(RSA III、TA instruments社製)を用いて、封止用樹脂組成物を短冊状に成形した試験サンプルをスパン間距離40mm、周波数1Hzの条件下、3点曲げ法にて20℃から300℃まで5℃/minで昇温し、tanδが最大値を示す温度をガラス転移温度とした。
<40℃弾性率>
上記ガラス転移温度の測定と同じ測定装置、条件で測定を行い、40℃における貯蔵弾性率の値を40℃弾性率(E’(40℃))とした。
<200℃弾性率>
上記ガラス転移温度の測定と同じ測定装置、条件で測定を行い、200℃における貯蔵弾性率の値を200℃弾性率(E’(200℃))とした。
<熱膨張係数CTE1、CTE2>
熱機械分析装置(TMA2940、TA instruments社製)を用いて、封止用樹脂組成物を四角柱状に成形した試験サンプルを圧縮法にて0℃から300℃まで5℃/minで昇温測定し、10〜30℃における接線の傾きをCTE1、200〜220℃における接線の傾きをCTE2とした。
<反り評価>
TOWA社製の成形機(型番CPM−1080)を用い、直系12インチ(300mm)、厚み750μmのシリコンウエハー片面上で、各実施例及び比較例で得た封止用樹脂組成物を圧力5.0MPa、温度130℃、時間10分間の条件で圧縮成形することで厚み500μmのウエハ付き成形物を得た。得られたウエハ付き成形物を175℃/6hの条件で後硬化し、後硬化後のウエハ付き成形物をakrometrix社製の表面形状測定装置(型番サーモレイAXP)を用いて後硬化後の反りを評価した。反り量はウエハ付き成形物の最も反りが少ない箇所と最も反っている箇所の値の差をそのウエハ付き成形物の反り量とした。
Figure 2018065908
表1の結果から、実施例の配合組成では、いずれの場合でも成形後に硬化しており、後硬化後の反り量が0.98〜1.2mmと反りが抑制されていることが分かる。これはマレイミド樹脂が実施例で用いた硬化促進剤存在下で硬化し、組成物が低弾性化したことによる反り抑制効果によるものと考えられる。一方で比較例に示す配合組成では成形後に未硬化のものが多く、成形が困難であった。また成形できたものでも、反り量は2.5mmと悪いレベルであった。

Claims (13)

  1. (A)エポキシ基含有化合物と、
    (B)フェノール硬化剤と、
    (C)飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基がマレイミド基に結合した構造を有するマレイミド化合物と、
    (D)リン原子を含む硬化促進剤と、
    (E)充填材と、
    を含有する封止用樹脂組成物。
  2. 前記(C)マレイミド化合物の含有量が、前記(A)エポキシ基含有化合物、前記(B)フェノール硬化剤及び前記(C)マレイミド化合物の総量を基準として30〜70質量%である、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記(C)マレイミド化合物が1分子内に少なくとも2つのマレイミド基を含む、請求項1又は2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記(C)マレイミド化合物における前記飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基の炭素数が8〜100である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  5. 前記(C)マレイミド化合物が下記一般式(1)で表される構造を有するマレイミド化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
    Figure 2018065908

    [式(1)中、xは10〜50の整数を示す。]
  6. 前記(C)マレイミド化合物が下記一般式(2)で表されるマレイミド化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
    Figure 2018065908

    [式(2)中、xは10〜50の整数を示し、nは0〜50の整数を示す。]
  7. 前記(D)硬化促進剤が、下記一般式(3)で表されるアニオン種に1つ以上のカルボキシ基を有するホスホニウム塩を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
    Figure 2018065908

    [式(3)中、R〜Rは各々独立に一価の有機基を示す。]
  8. 前記一般式(3)中、前記R〜Rは各々独立に、メチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基、トルイル基又はp−メトキシフェニル基を示す、請求項7に記載の封止用樹脂組成物。
  9. 前記一般式(3)中、前記R〜Rは互いに同一である、請求項7又は8に記載の封止用樹脂組成物。
  10. 前記(D)硬化促進剤中の前記アニオン種が、互いに隣接する炭素原子の一方にカルボキシ基が、他方にカルボキシ基からプロトンが脱離したCOO基が、それぞれ結合した構造を有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物を用いて、支持体上に多数個配置された半導体チップを封止してなる、再配置ウエハ。
  12. 請求項11に記載の再配置ウエハを個片化してなる半導体パッケージ。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物を用いた半導体パッケージの製造方法であって、
    半導体チップを支持体上に多数個配置する工程と、
    前記半導体チップ及び前記支持体上に、前記封止用樹脂組成物を散布する工程と、
    散布した前記封止用樹脂組成物を金型により成形する工程と、
    を含む半導体パッケージの製造方法。
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