JP2018065555A - 自動車車両ワイパーシステム用のブラシレス直流電気モータ - Google Patents

Abstract

【課題】電気モータの動的平衡を犠牲にすることなく、回転軸の長手方向軸に沿った高い水準の緊密さを得ることを可能にする自動車車両ワイパーシステム用の歯車付きモータを提供する。【解決手段】歯車付きモータは、磁気要素を含む回転子２０と、回転子を電磁的に励磁するためのコイルを有する固定子２１と、回転子にしっかりと接続された回転軸２２とを含むブラシレス直流電気モータ２と、回転軸と歯車付きモータの出力軸とを連結する減速機構３とを備えている。本発明によれば、ころ軸受２３が、回転軸の長手方向端部の一方において、回転軸を案内し、中空支持体２５が、周囲に分配された磁気要素を支えるとともに、回転軸と同軸上に配置され、かつ共に回転し、中空支持体は、ころ軸受に被さり、中空支持体は、中空支持体の回転軸の周囲に分配された、少なくとも１つの一連の孔を有する。【選択図】図２

Description

本発明は、自動車車両ワイパーシステム用の歯車付きモータおよびそのような歯車付きモータを備えるワイパーシステムに関する。

歯車付きモータは、本質的に、回転により大きな伝達トルクを得るために、速度を減速する減速機構に結合された電気モータから構成されている。

様々なタイプの電気モータが、歯車付きモータおよび特定のブラシレス直流モータに使用され得て、長寿命、小型化および低消費電力化、並びに低騒音化のような多くの利点を有している。

しかしながら、電機モータを制御することは、ブラシ付き電気モータに比べて複雑であり、それらの正確な機能のために、ブラシレス直流電気モータの回転子の角度位置を正確に知る必要がある。

実際、このような電気モータは、固定子に位置付けられ、回転子を駆動することを可能にするためにインバータを介して択一的に電力供給される電磁石の励磁コイルを含んでいる。

ここで、回転子が望ましく駆動されることを可能にするために、インバータスイッチを切り替えて（一般に、回転子の１回転ごとに６回の切替動作）、時間内の最適な瞬間に電磁石コイルに電力供給ができるようにするために、回転子の位置は常に知られるべきである。この目的のため、回転子の位置およびその角速度は、回転可能に回転子に取り付けられた多極電磁石と、磁石に対して固定された位置に配置されたホール効果センサとを含む装置によって発生される信号を処理することによって、頻繁に決定される。

国際公開第２０１６／０１００２３号の文献は、ブラシレス直流モータを使用する自動車車両ワイパーシステム用の歯車付きモータを開示している。ブラシレスモータは、回転子の電磁石の励磁用コイルを有する固定子を含み、回転子は、回転軸の端部にしっかりと取り付けられている。この回転軸は、回転子／固定子組立体用のケーシング部分から延びるとともに、ウォーム歯車である減速機構を収容するケーシング部分に至るまで延びている。

歯車のねじは、回転子の回転軸にしっかりと接続されているとともに、歯車付きモータの出力軸にしっかりと接続されている。

特に、国際公開第２０１６０１００２３号の文献の図４（または図８）に見られるように、回転子の回転軸の回転を案内するために２つの転がり軸受のみが使用される。一方では、回転軸の中央部分を支持する参照符号３９の第１の転がり軸受が、回転子とウォームねじとの間に介在する。他方では、軸の長手方向端部において、第２のころ軸受が回転子とウォームねじとの間に介在し、当該端部は、第１のころ軸受に対して、ウォームねじの他端部に位置付けられている。

特に、回転子に向かう第１のころ軸受から延びる回転軸の長さ部分は、第１のころ軸受によってのみ案内され、回転子の他端部に現れる軸の長手方向端部は、案内がない。

このような２つのころ軸受のみによる案内は、回転子に近接した軸の遠位端部の回転を案内するために、慣例的に第３のころ軸受を使用する通常の実施とは異なっている。本発明者の知見によれば、このように２つのころ軸受のみを使用する軸の案内は、軸の方向に沿った歯車付きモータのサイズを制限することを可能にする。しかしながら、第３のころ軸受の省略は、機械的負荷の点で理想的ではなく、回転子が回転するときに、振動の発生の原因となる可能性がある。

さらに、知られた従来技術では、軸が上述したように２つのころ軸受または３つのころ軸受に案内されるかどうかにかかわらず、回転軸の長さの中間位置にあるころ軸受と、近接するウォームねじと、ウォームねじの他端部において軸の長手方向端部にある別のころ軸受とを常に備えていることが通常である。ころ軸受を可能な限りウォームねじに近接して配置することによるこのような案内は、係合部分での回転軸の曲げを制限することが可能であるとともに、減速機構の十分な動作を確保する目的において、歯車の滑りの危険性がない。

国際公開第２０１６０１００２３号の文献において、参照符号３９の中間ころ軸受は、回転子の位置の決定する装置の多極電磁石に近接して位置付けられる。軸の曲げを制限することは、多極電磁石と各ホール効果センサとの間の半径方向の距離を許容誤差内に保つことを可能にし、センサ装置が正確に機能することを確実にする。

本発明の１つの目的は、電気モータの動的平衡を犠牲にすることなく、回転軸の長手方向軸に沿った高い水準の緊密さを得ることを可能にする自動車車両ワイパーシステム用の歯車付きモータを提案することによって、上述した欠点を改善することである。

本発明の他の目的は、良好な冷却能力を示す、少なくとも一実施の形態による歯車付きモータを提案することである。

本発明の他の目的および利点は、表示としてのみ与えられ、それを制限することを目的とはしない以下の説明を通じて明らかになるであろう。

そのようなものとして、本発明は、自動車車両ワイパーシステム用歯車付きモータであって、磁気要素を含む回転子と、前記回転子を電磁的に励磁するためのコイルを有する固定子と、前記回転子にしっかりと接続された回転軸とを含むブラシレス直流電気モータと、前記回転軸と前記歯車付きモータの出力軸とを連結する減速機構とを備え、ころ軸受が、前記回転軸の長手方向端部の一方において、前記回転軸を案内し、中空支持体が、周囲に分配された磁気要素を支えるとともに、前記回転軸と同軸上に配置され、かつ共に回転し、当該中空支持体は、前記ころ軸受に被さり、前記中空支持体は、当該中空支持体の回転軸の周囲に分配された、少なくとも１つの一連の孔を有する、歯車付きモータである。

単独または組み合わせて実行されることができる本発明の任意の特徴によれば、
当該孔は、全体または部分的に貫通孔である。
前記中空支持体は、前記中空支持体が前記回転軸に取り付けられることを可能にするスリーブと、前記回転子の前記磁気要素が外周にしっかりと接続される、前記支持体の長さの実質的に円筒形状の部分と、前記スリーブと、前記支持体の長さの当該円筒形状の部分とを連結する連結部の長さの部分とを含む。
一連の当該孔は、当該中空支持体の前記連結部における長さの前記部分の前記壁内に配置されている。
前記連結部における長さの前記部分の前記孔は、当該ころ軸受に対向して、横方向に配置された貫通孔である。
当該中空支持体は、前記支持体の長さの当該部分の遠位端部において、半径方向外方に延びる、前記磁気要素用のフランジを含む。
一連の前記孔は、当該フランジ内に配置されている。
当該中空支持体は、一体構造の要素からなる。
前記中空支持体は、成形された金属板である。
当該中空支持体は、前記電気モータ側に、前記回転軸の前記長手方向端部を越えて軸方向に延びている。
１つ以上の重りが前記孔のうちの幾つかに固定され、重りは前記回転要素の動的平衡を確保するように配置されている。
前記孔は、貫通孔であり、前記重りまたは各重りは、前記貫通孔の１つに固定されたリベットの形態を取っている。
ケーシングが、前記電機モータおよび当該減速機構用の保護包囲体を形成し、前記ケーシングの当該包囲体は、前記回転子の内側の当該空間の中を通るとともに当該ころ軸受用の台座を形成する内方への突出部分を含み、当該中空支持体は、前記ケーシングの当該突出部分に被さる。
前記回転軸の回転は、前記回転軸の長手方向の２つの端部に配置された２つのころ軸受によって単独で案内され、前記ころ軸受は、前記中空支持体によって被せられたころ軸受と、前記減速手段側の、前記回転軸の長手方向の他の端部における別のころ軸受とを含む。

本発明は、１つ以上のワイパーブレードと、前記１つ以上のワイパーブレードを往復運動させるように駆動する接続ロッド機構と、本発明による歯車付きモータとを備え、前記歯車付きモータの前記出力軸が前記接続ロッド機構を駆動する、自動車車両ワイパーシステムに関する。

本発明は、添付された図面によって伴われる以下の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。

図１は、本発明の一実施の形態による歯車付きモータの斜視図である。 図２は、図１の歯車付きモータの電動モータにおいて、回転子の回転軸の軸線を通る平面に沿った断面図である。 図３は、図２の歯車付きモータの部分図であって、回転軸、軸にしっかりと接続された中空支持体、および中空支持体によって支えられた磁気要素を詳細に示す部分図である。 図３の中空支持体の詳細図であって、支持体の回転軸の周囲に角度的に分配された第１の一連の孔を有し、当該孔は、連結部の長さの部分の壁に作られている。連結部は、一方では軸への取り付け用のスリーブを、他方では、支持体の長さのより大きい直径の実質的に円筒形状の部分を連結する。中空支持体は、軸の周囲に角度的に分配された第２の一連の孔を有し、支持体の長さの部分の遠位端部において、半径方向に延びるフランジの壁に形成され作られている。

したがって、本発明は、電気モータ２と減速機構３とを備える自動車車両ワイパーシステム用歯車付きモータ１に関する。

電気モータ２は、ブラシレス直流電気モータである。それは、回転子の軸の周囲に分配され、典型的には交互にかわる極性の永久磁石のような磁気要素２９を含む回転子２０と、回転子を励磁するためのコイルを有する固定子２１とを含む。回転子のトルクは、それと共に回転するように拘束された回転軸２２に伝達される。

減速機構３は、回転軸２２と歯車付きモータの出力軸８とを連結している。一実施の形態によれば、減速機構３は、ウォームねじ３０／歯車３１システムを含んできてもよく、ウォームねじ３０は、回転子２０の回転軸２２にしっかりと接続され、歯車３１は、歯車付きモータの出力軸８にしっかりと接続されている。この出力軸８は、電気モータ２の回転軸２２に実質的に垂直である。ウォームねじ３０のねじ山は、典型的には金属製である回転軸２２からの材料から得られていてもよい。

このような歯車付きモータは、固定子２１に対して回転子２０の角度位置を決定するための装置を含んでいる。制御ユニット（図示せず）は、回転子の角度位置を決定するための装置によって決定された回転子の角度位置に応じて、固定子２１の電磁石の励磁コイルに電力供給するための制御信号を発生させるように構成されている。

一実施の形態によれば、回転子の角度位置を決定するための装置は、回転子と共に回転するように拘束された多極電磁石５と、固定された位置にある１つ以上のホール効果センサ（図示せず）と、を含み、回転子が回転するときに、多極電磁石の磁区の変化を検出することができるようになっている。

回転軸２２の回転は、典型的にはころ軸受２３、２４によって案内される。１つのころ軸受２３は、回転軸の長手方向端部のうちの１つにおいて、回転軸２２を電気モータ側に案内する。特に、このころ軸受２３は、回転子２０の内側の空間に収納された、回転子２０と固定子２１との組立体の内側に位置付けられている。したがって、回転軸の端部は、端部が回転子を越えて現れるような、文献により知られた従来技術による軸長を必要とすることなく、ころ軸受２３によって有利に案内されることができる。また、このころ軸受２３を回転子の内側に取り付けることは、ウォームねじを支持および／または極性のある磁石５を支持するためにすでに使用されている、回転子の外側の回転軸の有効長さの部分に近づくことができるようにせざるを得ない状態を回避する。回転子の外側の軸の長さの部分は、この方向において、歯車付きモータの綿密さを向上させるために、最小限に低減されていてもよい。

この目的のために、歯車付きモータは、周囲に分配された磁気要素２９を支えるとともに、回転軸と同軸上に配置された中空支持体２５を備えている。この中空支持体は、回転軸２２と共に回転し、有利にはころ軸受２３に被さる。

図２に示すように、中空支持体２５は、近位端部と称される軸方向端部の１つのみにおいて、回転軸に取り付けられていることが知られている。中空支持体２５の近位端部は、特に取付スリーブ２６からなる。この中空支持体２５は、ころ軸受２３に被さるために、近位端部から片持ち梁のように軸方向に延びている。中空支持体２５は、回転軸２２の長手方向端部を越えて、電気モータ側に向かって、軸方向に延びていてもよい。図２の例に示されるように、回転子の当該磁気要素２９を少なくとも一部分が回転軸２２の長手方向端部を越えるように位置付けることが可能になる。中空支持体２５は、中空支持体２５は、例えば、ころ軸受２３、または機能を以下に説明するケーシングの突出部４０を収容することができる内径を有する中空のチューブ状の部品を含む回転体である。

スリーブ２６は、中空支持体２５が回転軸２２に取り付けられることを可能にする。このスリーブ２６は、減速機構３ところ軸受２３との間の回転軸２２上の中間の位置に取り付けられている。スリーブ２６の内径は、この中間の位置において、回転軸の外径に適合されていてもよい。これは、中空支持体２５と当該回転軸２２との間の締り嵌めを可能にする緊密な調整であり得る。このスリーブ２６は、接着によって回転軸２２に取り付けられていてもよい。

注目すべきは、多極電磁石５は、回転軸の周囲に取り付けられたリングの形状をとることができることである。磁性（Ｎ／Ｓ）は、リングの円周の周囲に交互に延びている。この多極電磁石５は、当該中空支持体２５を取り付けるために当該スリーブ２６の周囲に配置された当該中空支持体２５にしっかりと接続されていてもよい。

当該中空支持体２５は、磁気要素２９用の支持体の長さの部分２７を含んでいる。支持体の長さの部分２７は、実質的に円筒形状である。回転子の磁気要素２９は、円筒の外壁にしっかりと接続されている。特に王冠形状のフランジ２８は、磁気要素用の支持体の長さの当該部分２７の遠位端部において、半径方向外方に延びていてもよい。このフランジ２８は、回転子の当該磁気要素２９用の側部ストップを形成する。このフランジ２８は、磁気要素の全く同一の直径の栓に沿った調整を容易にする。

注目すべきは、中空支持体２５は、スリーブ２６と支持体の長さの当該円筒部分２７とを連結する連結部を有し、その部分の直径はスリーブ２６の直径よりも大きい。

中空支持体２５は、本質的に、一体構造の要素からなり、特に、スリーブ２６、連結部分、支持体の円筒部分２７、さらには当該フランジ２８を連続して形成するために成形された金属板からなる。

本発明者の知見によれば、ころ軸受２３を覆う、このような中空支持体２５は、有利には、軸方向の歯車付きモータの綿密さを向上させることができる。

しかしながら、図２の断面図から理解され得るように、中空支持体２５は、歯車付きモータのケーシングの内側の良好な空気循環を妨げる内部障害物を構成する。また、中空支持体に取り付けられる軸方向片持ち梁は、回転要素、すなわち回転子回転軸と中空支持体との組立体の動的平衡に悪影響を及ぼし得る。

これら２つの問題を部分的または完全に解決するために、中空支持体は、当該中空支持体の回転軸の周囲に分配された、少なくとも１つの一連の孔を有する。

これらの孔９、１０が貫通孔であるとき、それらはモータのケーシングの内側の空気の循環を促進させる。例えば、一実施の形態によれば、一連の当該孔１０は、当該中空支持体の連結部の長さの部分の壁に配置されていてもよい。これらの孔１０が貫通孔であるとき、それらは中空支持体の内部から外部への循環を可能にする通気孔を構成し、その逆も同様である。このようにして、中空支持体２５によって被せられたころ軸受２３の冷却が可能になる。これらの孔１０は、ころ軸受２３の冷却を促進するために、ころ軸受２３に向かって側方に配置されていてもよい。

これらの孔９、１０は、回転要素、特に回転子／中空支持体組立体の動的平衡のために使用されることもできる。孔（これらが貫通孔であるか否かに関わらず）は、孔の幾つかに固定され、回転要素の動的平衡を確保するように配置された１つ以上の重りのアンカーポイントを構成してもよい。

回転要素の組立体の動的平衡は、１つ以上の重り（図示せず）を、調整に最も適した１つ以上の孔に固定することにより確保されている。孔９、１０が貫通孔である場合、重りまたは各重りは、貫通孔の１つに固定されたリベットの形態を取り得る。

一連のまたは各一連の孔９、１０の孔は、当該中空支持体２５の回転軸の周囲に分配され、全く同一の直径に配置され、かつ好ましくは規則的に分配されていてもよい。全く同一の一連の孔である連続的な孔９または１０は、２０°から４０°、例えば３０°といった一定の角度で分配されていてもよい。例えば、３０°の間隔では、当該中間支持体２５の回転軸の周囲に３０°毎に設置され、１２の孔が全く同一の直径において分配される。これにより、重りの位置を調整するための、多数の十分な個別の取り付け位置を提供する。

注目すべきは、一連の孔は、当該中空支持体２５の遠位端部において、フランジ２８を形成する冠部の壁に形成されていてもよい。これらの孔９は、貫通孔であってもよく、貫通孔でなくてもよい。注目すべきは、これらの孔９の位置が、これらが当該中空支持体２５の最も大きい直径を有する部分に設置されているということであり、当該中空支持体２５の小さい直径を有する位置に同じ重りを取り付けることと比較して、重りの補正効果を増大させる。

ケーシングの包囲体は、ケーシングの内部に向かって方向付けられた当該突出部４０を含んでいてもよい。図２に示すように、この突出部４０は、回転子３の磁気要素２９の内側の当該空間を貫通するとともに、当該ころ軸受２３用の台座４１を支える。この突出部４０は、中空支持体２５、支持体の長さの円筒部分２７、および必要であれば当該フランジ２８によって、被されている。突出部４０は、回転軸２２と同軸に延びるチューブ状の壁４７を含んでいてもよく、ころ軸受用の台座４１は、ころ軸受２３用のハウジングによって、突出部４０の遠位端部に形成されている。

このハウジングは、チューブ状の壁４７における円筒の内部の表面と、円筒の表面４７から半径方向内方に延びるフランジ４８とによって画定されていてもよい。ころ軸受２３は、外輪と、内輪と、ボール等の転動体とを含んでおり、ケーシングの台座４１の直径は、ころ軸受２３の外輪に適合されていてもよい。注目すべきは、必要に応じて、ころ軸受２３用のハウジング内に余分な深さの空洞４９が形成されながら、フランジ４８を形成する壁は、突出部の隙間を完全に閉鎖するために、延ばされていてもよい。このハウジング内の余分な深さの空洞４９は、ころ軸受２３からわずかに現れる回転軸の端部の部分を収容するように意図されている。回転軸２２の溝に収容された弾性リング６は、ケーシングの対応する台座４１内のころ軸受２３の位置が固定されることを可能にし得る。

一実施の形態によれば、ケーシングは、一方では、電気モータ２の側方開口を有する少なくとも回転子２０および固定子２１を電気モータに収容する、特に円筒形状の包囲体部分４４を含み、他方では、当該側方開口が取り外し可能に閉鎖されることを可能にする閉鎖端部板４３を含む。一実施の形態によれば、ケーシングの当該突出部４０は、閉鎖端部板４３によって支えられていてもよい。包囲体部分４４は、熱の除去を容易にするように意図されたフィン４６を有する、特に金属から作られたベースであってもよい。

閉鎖端部板４３が取り外されたとき、側方開口は、特に回転子２０、固定子２１、回転軸２２および中空支持体２５のような電気モータの構成要素が取り外されることを可能にする。この閉鎖端部板４３は、固定子と回転子との組立体に横方向に延び、当該側方開口部の相補的な縁部にしっかりと作用する周縁部を有する円板５０の形状の壁を含んでいてもよい。当該突出部４０は、この円板形状壁から孔の内部に延びている。閉鎖端部板４３のこの円板形状壁および突出部４０は、一体構造の要素、特に金属から作られていてもよい。

閉鎖端部板４３は、典型的には包囲体部分４４のねじ孔を介してねじ止めされた、閉鎖端部板４３の取ってを貫通する取付部品４５によって部分４４に対して保持されていてもよい。

一実施の形態によれば、回転軸２２の回転は、単に、回転軸２２の２つの長手方向端部に配置された２つのころ軸受２３、２４、すなわち、一方では、電気モータ側において、中空支持体２５に被せられ、または突出部４０の台座４１に支えられた当該ころ軸受２３によって、他方では、減速機構３側において、回転軸２２の他の長手方向端部において、別のころ軸受２４によって案内される。

各ころ軸受２３または２４は、外輪、内輪、およびボールのような転動体を含んでいる。回転軸の各長手方向端部のために、対応するころ軸受２３（または２４）の内輪の内部の直径は、対応する長手方向端部において、軸の外部の直径に適合されていてもよい。

直径が外輪に適合された、第２の台座４２は、減速機構３側において、回転軸２２の他の長手方向端部を案内するころ軸受２４を収容している。２つのころ軸受２３、２４のうちの一方および／または他方の、回転軸２２上における軸方向位置は、回転軸２２の溝に収容された弾性リング６、７によって固定されていてもよい。

第１の弾性リングと称される弾性リング６は、回転軸２２の第１の溝に収容されている。これにより、ケーシングの対応する台座４１において、ころ軸受２３の位置が固定されることを可能にする。回転軸２２の溝に収容された第２の弾性リング７は、ケーシングの他の台座４２において、他のころ軸受２４の軸方向位置を固定する。２つのころ軸受２３、２４が回転軸２２に近づくことを抑制するために、２つの弾性リング６、７は、内側において、隣接する２つのころ軸受２３、２４にそれぞれ係合していてもよい。

注目すべきは、２つのころ軸受２３、２４によって支持された長手方向端部における回転軸２２の直径は、ウォームねじ３０における軸の直径よりも大きくてもよいことである。したがって、回転軸の直径の平均増加分、回転軸２２の曲げ強度を向上させることができる。特に、減速機構の歯車装置のねじ３０と歯車３１との間の滑りの危険性がなく、回転軸の案内が軸の中央部分において案内軸受を奪われたとしても、減速機構の十分な機能が常に得られる。

本発明はさらに、１つ以上のワイパーブレードと、１つ以上のワイパーブレードを往復運動させるように駆動する接続ロッド機構と、本発明による歯車付きモータとを備える自動車車両ワイパーシステムに関し、歯車付きモータの出力軸８が接続ロッド機構を駆動する。

このようなシステムでは、出力軸８の連続的な回転運動は、接続ロッド機構によって１つ以上のワイパーブレードの往復運動に変換される

１ 歯車付きモータ
２ 電気モータ
３ 減速機構
４ ケーシング
５ 多極電磁石
６、７ 弾性リング
８ 出力軸（減速機構）
９、１０ 孔（中空支持体）
２０ 回転子
２１ 固定子
２２ 回転軸
２３、２４ ころ軸受
２５ 中空支持体
２６ 取付スリーブ（中空支持体２５）
２７ 回転子の磁気要素用の支持体の長さの部分（中空支持体２５）
２８ フランジ（中空支持体１２）
２９ 回転子の磁気要素（すなわち、永久磁石）
３０ ウォームねじ
３１ 歯車
４０ 突出部
４１、４２ 台座（ころ軸受）
４３ 閉鎖端部板
４４ 包囲体部分（ベース）
４５ 取付部品
４６ フィン（ベース）
４７ チューブ状壁（突出部分４０）
４８ フランジ
４９ 余分な深さの空洞
５０ 円板形状壁

Claims (15)

1. 自動車車両ワイパーシステム用歯車付きモータ（１）であって、
   磁気要素（２９）を含む回転子（２０）と、前記回転子を電磁的に励磁するためのコイルを有する固定子（２１）と、前記回転子にしっかりと接続された回転軸（２２）とを含むブラシレス直流電気モータ（２）と、
   前記回転軸（２２）と前記歯車付きモータの出力軸（８）とを連結する減速機構（３）とを備え、
   ころ軸受（２３）が、前記回転軸の長手方向端部の一方において、前記回転軸（２２）を案内し、
   中空支持体（２５）が、周囲に分配された当該磁気要素（２９）を支えるとともに、前記回転軸（２２）と同軸上に配置され、かつ共に回転し、
   当該中空支持体（２５）は、前記ころ軸受（２３）に被さり、
   前記中空支持体は、当該中空支持体の回転軸の周囲に分配された、少なくとも１つの一連の孔（９、１０）を有する、歯車付きモータ。
2. 当該孔（９、１０）は、全体または部分的に貫通孔である、請求項１に記載の歯車付きモータ。
3. 前記中空支持体（２５）は、
   前記中空支持体が前記回転軸（２２）に取り付けられることを可能にするスリーブ（２６）と、
   前記回転子の前記磁気要素（２９）が外周にしっかりと接続される、前記支持体の長さの実質的に円筒形状の部分（２７）と、
   前記スリーブ（２６）と、前記支持体の長さの当該円筒形状の部分（２７）とを連結する連結部の長さの部分とを含む、請求項１または２に記載の歯車付きモータ。
4. 一連の当該孔（１０）は、当該中空支持体（２５）の前記連結部における長さの前記部分の前記壁内に配置されている、請求項３に記載の歯車付きモータ。
5. 前記連結部における長さの前記部分の前記孔（１０）は、当該ころ軸受（２３）に対向して、横方向に配置された貫通孔である、請求項４に記載の歯車付きモータ。
6. 当該中空支持体（２５）は、前記支持体の長さの当該部分（２７）の遠位端部において、半径方向外方に延びる、前記磁気要素（２９）用のフランジ（２８）を含む、請求項４または５に記載の歯車付きモータ。
7. 一連の前記孔（９）は、当該フランジ（２８）内に配置されている、請求項６に記載の歯車付きモータ。
8. 当該中空支持体（２５）は、一体構造の要素からなる、請求項１乃至７のいずれか一項に記載の歯車付きモータ。
9. 前記中空支持体は、成形された金属板である、請求項８に記載の歯車付きモータ。
10. 当該中空支持体（２５）は、前記電気モータ側に、前記回転軸（２２）の前記長手方向端部を越えて軸方向に延びている、請求項１乃至９のいずれか一項に記載の歯車付きモータ。
11. １つ以上の重りが前記孔のうちの幾つかに固定され、重りは前記回転要素の動的平衡を確保するように配置されている、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載の歯車付きモータ。
12. 前記孔は、貫通孔であり、前記重りまたは各重りは、前記貫通孔の１つに固定されたリベットの形態を取っている、請求項１１に記載の歯車付きモータ。
13. ケーシングが、前記電機モータ（２）および当該減速機構（３）用の保護包囲体を形成し、
    前記ケーシングの当該包囲体は、前記回転子（３）の内側の当該空間の中を通るとともに当該ころ軸受（２３）用の台座（４１）を形成する内方への突出部分（４０）を含み、
    当該中空支持体（２５）は、前記ケーシングの当該突出部分（４０）に被さる、請求項１乃至１２のいずれか一項に記載の歯車付きモータ。
14. 前記回転軸（２２）の回転は、前記回転軸（２２）の２つの前記長手方向端部に配置された２つのころ軸受（２３、２４）によって単独で案内され、
    前記ころ軸受（２３、２４）は、前記中空支持体（２５）によって被せられたころ軸受（２３）と、前記減速手段（３）側の前記回転軸の他の前記長手方向端部における別のころ軸受（２４）とを含む、請求項１乃至１３のいずれか一項に記載の歯車付きモータ。
15. １つ以上のワイパーブレードと、前記１つ以上のワイパーブレードを往復運動させるように駆動する接続ロッド機構と、請求項１乃至１４のいずれか一項に記載の歯車付きモータとを備え、
    前記歯車付きモータの前記出力軸（８）が前記接続ロッド機構を駆動する、自動車車両ワイパーシステム。