JP2018063791A - ロールプレス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】双極型電極の電極前駆体における正極合材層及び負極合材層を同時に、かつ、各々所望の圧縮量にプレスし得るロールプレス方法の提供。【解決手段】正負極ロール31、32の温度と、プレスの前後での正負極合材層21及22の厚さと、の相互関係を予め収集する収集工程と、前記収集工程で得られた前記相互関係を参照して、前記プレス前後の正極合材層21の厚さ及び目標厚さ、前記プレス前後の負極合材層22の厚さ及び目標厚さから、正極ロール31に必要な正極加熱温度及び負極ロール32に必要な負極加熱温度をそれぞれ演算する演算工程と、正極ロール31を前記正極加熱温度に加熱しかつ負極ロール32を前記負極加熱温度に加熱しつつ、一定荷重のもと、電極前駆体25を正極ロール31及び負極ロール32の間でプレスするロールプレス工程。【選択図】図1

Description

本発明は、双極型電極を製造するためのロールプレス方法に関する。
集電体の一方の面に正極活物質層を有し他方の面に負極活物質層を有する双極型電極は、バイポーラ型電極とも呼ばれ、従来から種々のものが知られている。
例えば特許文献1には、リチウムイオン二次電池用の双極型電極が開示されている。双極型電極においては、正極と負極とが同じ集電体を共有する。一般には、当該双極型電極を具備する電池は複数の双極型電極を具備し、かつ、各双極型電極は直列に接続される。
この種の双極型電極を製造する際には、正極又は負極を一つの集電体の両面にそれぞれ形成する。一般的な双極型電極の製造方法の一例を挙げると、特許文献1にも紹介されているように、先ず、集電体の一方の面にスラリー状の正極合材を塗布して正極合材層を形成し、集電体と正極合材層との複合体を形成する。その後、当該複合体を乾燥及びプレスすることで、正極合材層に含まれる溶剤を揮発させるとともに正極合材層の密度及び集電体に対する密着性を高めて、正極活物質層とする。次いで、集電体と正極活物質層との複合体の他方の面にスラリー状の負極合材を塗布して、正極活物質層、集電体及び負極合材層の複合体を製造する。この複合体を上記と同様に乾燥及びプレスすることで負極合材層を負極活物質層とし、正極活物質層、集電体及び負極活物質層を具備する双極型電極を製造する。
ところで、このような方法で双極型電極を製造する場合には、正極合材層のプレス工程と負極合材層のプレス工程とを別々に行う必要があるため、製造工程が煩雑でありかつ製造コストも高いという問題がある。またこの場合には、プレス工程により負極活物質層を形成する際に、予め形成されている正極活物質層に更なる負荷が加わるため、電極に悪影響を及ぼす可能性がある。
特許第5790848号公報
例えば、正極合材層のプレスと、負極合材層のプレスとを同時に行えば、双極型電極の製造工程を簡易にできる可能性がある。例えば特許文献1にも、正極合材層及び負極合材層のプレスをまとめて行っても良い旨の記載がある。
ところで、正極合材層及び負極合材層を同時にプレスする場合には、正極合材層及び負極合材層に同じ大きさの力が作用する。しかし正極合材層と負極合材層とは組成が異なり、正極合材層と負極合材層とに要求される圧縮量もまた異なるために、単純に正極合材層及び負極合材層を同時にプレスするだけでは、正極合材層及び負極合材層を各々要求される圧縮量となるようにプレスすることはできなかった。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、双極型電極を製造するためのロールプレス方法において、正極合材層及び負極合材層を同時に、かつ、各々所望の圧縮量となるようにプレスし得る技術を提供することを目的とする。
本発明のロールプレス方法は、箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の一方の面に形成されている正極合材層と、負極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の他方の面に形成されている負極合材層と、を具備する双極型電極の電極前駆体を、正極ロール及び負極ロールの間でプレスするロールプレス方法であって、
一定荷重のもと、前記正極ロールの温度及び前記負極ロールの温度と、前記プレスの前後での前記正極合材層の厚さ及び前記負極合材層の厚さと、の相互関係を予め収集する収集工程と、
前記収集工程で得られた前記相互関係を参照して、前記プレスの前の前記正極合材層の厚さ、前記プレスの後の前記正極合材層の目標厚さ、前記プレスの前の前記負極合材層の厚さ、及び、前記プレスの後の前記負極合材層の目標厚さから、前記正極ロールに必要な正極加熱温度及び前記負極ロールに必要な負極加熱温度をそれぞれ演算する演算工程と、
前記正極ロールを前記正極加熱温度に加熱しかつ前記負極ロールを前記負極加熱温度に加熱しつつ、前記一定荷重のもと、前記電極前駆体を前記正極ロール及び前記負極ロールの間でプレスするプレス工程と、を有する。
本発明のロールプレス方法によると、双極型電極の電極前駆体における正極合材層及び負極合材層を同時にプレスし、かつ、正極合材層及び負極合材層を各々所望の圧縮量となるようにプレスし得る。
実施例のロールプレス方法を模式的に表す説明図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明のロールプレス方法は双極型電極を製造するためのロールプレス方法であり、特に、正極合材層と負極合材層とを同時にロールプレスする方法である。したがって、本発明のロールプレス方法の対象となる電極前駆体は、集電体と、集電体の一方の面に形成されている正極合材層と、集電体の他方の面に形成されている負極合材層と、を具備する双極型電極の電極前駆体である。本発明のロールプレス方法は、当該電極前駆体を、正極ロール及び負極ロールの間でプレスするための工程として、収集工程、演算工程及びプレス工程の3工程を有する。
収集工程では、一定荷重のもと、正極ロールの温度及び負極ロールの温度と、プレスの前後での正極合材層の厚さ及び負極合材層の厚さと、の相互関係を予め収集する。つまり収集工程では、正極ロールの温度及び負極ロールの温度を変えた複数の条件の下で、プレス前の正極合材層及び負極合材層の実測厚さ、及び、プレス後の正極合材層及び負極合材層の実測厚さを収集する。各合材層のプレス前後での実測厚さの差は、各合材層の圧縮量の実測値であるから、収集工程では、正極ロールの温度及び負極ロールの温度を変えた複数の条件の下で、正極合材層の圧縮量の実測値、及び負極合材層の圧縮量の実測値を収集する、と言うこともできる。
演算工程では、プレス前の正極合材層及び負極合材層の実測厚さと、プレス後の正極合材層及び負極合材層の目標厚さと、に基づき、上記の収集工程で収集した上記の相互関係を参照して、正極ロールに必要な加熱温度(正極加熱温度)及び負極ロールに必要な加熱温度(負極加熱温度)をそれぞれ演算する。
プレス工程では、上記した一定荷重のもと、正極加熱温度に加熱した正極ロールと負極加熱温度に加熱した負極ロールとの間で、電極前駆体をプレスする。したがって電極前駆体がプレスされる際には、正極合材層はプレス前の実測厚さ及びプレス後の目標厚さに応じた最適な温度、つまり、正極合材層に要求される圧縮量に応じた最適な温度で加熱される。負極合材層もまた、プレス前の実測厚さ及びプレス後の目標厚さに応じた最適な温度、つまり、負極合材層に要求される圧縮量に応じた最適な温度で加熱される。
このように、本発明のロールプレス方法によると、正極合材層及び負極合材層を各々最適な温度で加熱することで、正極合材層及び負極合材層を同時にプレスするにも拘わらず、正極合材層及び負極合材層を各々所望の圧縮量にプレスし得る。
双極型電極の正極合材層及び負極合材層は、集電体箔の表裏に形成された比較的薄い層であるため、単純に考えると、正極合材層と負極合材層とを同時プレスする以上、プレス温度の設定を個別に行うことに技術的な意義があるとは考え難い。したがって従来のロールプレス方法では、双極型電極を製造する際のプレス温度を、正極合材層及び負極合材層の両方について同じ温度とするのが一般的であった。しかし本発明のロールプレス方法においては、従来その価値が見出されていなかったために実施されていなかった方法、すなわち、双極型電極の電極前駆体における正極合材層及び負極合材層をそれぞれ最適な温度で同時にプレスする方法を採用することで、望み通りの品質の双極型電極を容易に製造することを可能とする。
以下、本発明のロールプレス方法の各工程について具体的に説明する。
(収集工程)
既述したように収集工程では、一定荷重のもと、正極ロールの温度及び負極ロールの温度と、プレスの前後での正極合材層の厚さ及び負極合材層の厚さと、の相互関係を予め収集する。本明細書においては、「一定荷重のもとの、正極ロールの温度及び負極ロールの温度と、プレスの前後での正極合材層の厚さ及び負極合材層の厚さと、の相互関係」を、必要に応じて、単に相互関係と略する。
当該相互関係は、プレス工程における正極ロール及び負極ロールの温度を決定するのに用いられる。したがって、当該相互関係に最低限度必要な要素は、正極合材層の圧縮量とプレス温度との関係、及び、負極合材層の圧縮量とプレス温度との関係である。
当該相互関係は、正極ロールの温度及び負極ロールの温度と、プレスの前後での正極合材層の厚さ及び負極合材層の厚さと、の関係をマップとして表すものであっても良い。或いは、当該相互関係は、正極ロールの温度及び負極ロールの温度と、プレスの前後での正極合材層の厚さ及び負極合材層の厚さと、の関係を関係式で表すものであっても良い。プレスの前後での正極合材層の厚さ等の各値は、差や比等として表すこともできる。
当該相互関係が関係式であれば、正極合材層や負極合材層のプレス前の実測厚さ及びプレス後の目標厚さが、収集工程で収集した値と多少異なっていても、正極加熱温度及び負極加熱温度を算出できる利点がある。
正極合材層の圧縮量とプレス温度との関係、及び、負極合材層とプレス温度との関係は、それぞれ別々に収集しても良いし、同時に収集しても良い。例えば、集電体と正極合材層とからなる正極前駆体と、集電体と負極合材層とからなる負極前駆体と、について、それぞれ別々に、一定荷重のもとのプレス温度と合材層の圧縮量との関係を収集しても良い。或いは、集電体の一方の面(正極形成面と呼ぶ)に正極合材層を形成し、かつ他方の面(負極形成面と呼ぶ)に負極合材層を形成した電極前駆体を準備し、当該電極前駆体について、上記の相互関係を収集しても良い。
ロールプレス時には正極合材層及び負極合材層に同じ大きさの荷重が作用する。このため、正極前駆体における正極合材層及び負極前駆体における負極合材層のそれぞれについて一定荷重のもとで収集したプレス温度と合材層の圧縮量との関係は、当該一定荷重が作用する条件であれば、同じ電極前駆体の表裏面に形成された正極合材層及び負極合材層にもあてはまると考えられる。したがって、収集工程で相互関係を収集するために、電極前駆体に代えて正極前駆体及び負極前駆体を用い得る。また、収集工程で用いるロールプレス装置は、後述するプレス工程で用いるロールプレス装置と同じ装置であっても良いが、異なる装置であっても良い。更には、収集工程で用いる電極前駆体は、プレス工程でプレス対象となる電極前駆体と同じものであっても良いが、正極合材層や負極合材層の厚さ、集電体の厚さ、集電体の材料等の異なるものを用いても良い。
収集した相互関係の信頼性をより高める為には、プレス工程でプレス対象となる電極前駆体を用いて相互関係を収集する方がより好ましく、また、収集工程とプレス工程で用いるロールプレス装置は同じ装置であるのが好ましい。収集工程で用いる電極前駆体は、プレス工程でプレス対象となる電極前駆体と同じものであるのが好ましい。
なお、上記した一定荷重とは、数値を特定するものでなく、収集工程において上記の相互関係を収集する際のプレス荷重、及び、プレス工程において電極前駆体をロールプレスする際のプレス荷重を、一定の値に統一する、ということを意味する。当該一定荷重は、厳密に同じ値でなくても良く、例えば±5%程度の誤差を許容し得る。
収集工程において相互関係を収集する際のプレス条件は、荷重以外の条件についても一定であるのが好ましい。当該プレス条件としては、例えば、正極合材層及び負極合材層の組成、正極合材層及び負極合材層のプレス前の厚さ、集電体の材料、集電体の厚さ、正極ロール及び負極ロールの材料、並びに、正極ロール及び負極ロールの形状等が挙げられる。収集工程においては、これらのプレス条件の2以上を一定にするのが好ましい。特に、正極合材層及び負極合材層の組成、正極合材層及び負極合材層のプレス前の厚さ、正極ロール及び負極ロールの材料、並びに、正極ロール及び負極ロールの形状の4種のプレス条件から選ばれる2以上を一定にするのが好ましく、これら4種のプレス条件の全てを一定にするのがより好ましい。
収集工程は、本発明のロールプレス方法を実施する度毎に行っても良いし、或いは、収集工程で一度収集した相互関係を流用して複数回ロールプレス方法を実施しても良い。基本的には、収集工程で用いた電極前駆体とプレス工程に用いる電極前駆体との正極合材層及び負極合材層が同じ組成であれば、相互関係を流用することができる。
(演算工程)
演算工程は、収集工程で得られた相互関係を参照して、プレス前の正極合材層の厚さ、プレス後の正極合材層の目標厚さ、プレス前の負極合材層の厚さ、及び、プレス後の負極合材層の目標厚さから、正極ロールに必要な正極加熱温度及び負極ロールに必要な負極加熱温度をそれぞれ演算する工程である。
プレス前の正極合材層の厚さ及びプレス前の負極合材層の厚さについては、実測値又は製造条件から想定される値を用いれば良く、プレス後の正極合材層の目標厚さ及びプレス後の負極合材層の目標厚さについては、製造対象となる電極に要求される各値を用いれば良い。演算工程では、これらの値と上記の収集工程で得た相互関係とを基に、正極加熱温度及び負極加熱温度をそれぞれ演算する。
演算工程は、作業者が行っても良いが、後述する制御要素によって行っても良い。制御要素によって演算工程を行う場合、収集工程で収集した上記の相互関係は、制御要素に記憶させるのが好ましい。
(プレス工程)
プレス工程においては、正極ロールを正極加熱温度に加熱しかつ負極ロールを負極加熱温度に加熱しつつ、電極前駆体を正極ロール及び負極ロールの間でプレスする。プレス工程は、正極ロール及び負極ロールと、正極ロール及び負極ロールを各々加熱するための加熱要素と、を用いて実施し得る。以下、必要に応じて、正極ロール及び負極ロールを含み電極前駆体をプレスする要素をプレス要素と呼ぶ場合がある。また、本発明のロールプレス方法を実施するための装置を、本発明のロールプレス装置と呼ぶ場合がある。
プレス工程は、電極前駆体を搬送しつつ連続的に行うのが好ましい。電極前駆体の搬送方法は特に限定されず、例えば巻き出しロールに巻回しておいた電極前駆体又は集電体の一端を巻き取りロールに取り付け、ロールプレス後の電極前駆体を巻き取りロールに巻き取りつつ、巻き出しロールと巻き取りロールとによって電極前駆体を搬送しても良い。或いは、搬送要素として当該巻出しロール及び巻き取りロール以外のものを用いても良い。なお、搬送要素として巻出しロール及び巻き取りロールを用いる場合には、正極ロール及び負極ロールと搬送要素とを同期させ易い利点がある。
本発明のロールプレス装置では、正極ロール及び負極ロールによって電極前駆体をプレスする。したがって、電極前駆体をプレスするためのプレス要素は当該正極ロール及び負極ロールのみで構成されても良い。プレス要素は、正極ロール及び負極ロールを一対のみ有しても良いし、複数対有しても良い。或いは、プレス要素は、正極ロール及び負極ロールに加えて、正極ロール及び/又は負極ロールを補助するバックアップロールを有しても良い。何れの場合にも、正極ロールが正極加熱温度に加熱され、負極ロールが負極加熱温度に加熱されれば良く、バックアップロール等の正極ロール及び負極ロール以外のロールは加熱されなくても良い。プレス要素は、正極ロール及び負極ロール以外に、電極前駆体をプレスする非加熱のロールを有しても良い。正極合材層の圧縮量及び負極合材層の圧縮量を精密にコントロールするためには、電極前駆体をプレスするロールの全てが、正極加熱温度に加熱される正極ロールと、負極加熱温度に加熱される負極ロールと、で構成されるのが好ましい。
プレス工程では、正極ロール及び負極ロールをそれぞれ加熱する。したがって本発明のロールプレス装置は、正極ロールを正極加熱温度に加熱する正極加熱要素と、負極ロールを負極加熱温度に加熱する負極加熱要素とを有する。正極加熱要素及び負極加熱要素としては電気ヒータや熱電変換素子に代表される既知のヒータを用いれば良く、その加熱方式は特に問わない。
本発明のロールプレス装置は、正極加熱要素及び負極加熱要素を温度制御するための制御要素を有するのが良い。制御要素による正極加熱要素及び負極加熱要素の温度制御は既知の方法で行えば良く、制御要素としては、CPU及び記憶媒体を備えるコンピュータ等、工業製品の製造装置に一般的に用いられるものを用いれば良い。更に、本発明のロールプレス装置には、正極ロールの温度及び負極ロールの温度を検知する温度検知要素を設けても良い。温度検知要素は、正極ロール及び負極ロールの温度を直接検知しても良いし、正極加熱要素及び負極加熱要素の温度若しくはプレス時又はプレス直後の正極合材層及び負極合材層の温度を検知することで、間接的に、正極ロール及び負極ロールの温度を検知しても良い。温度検知要素としては、これらの温度を直接的に検知する接触型のものを用いても良いし、間接的に検知する非接触型のものを用いても良い。上記の制御要素に温度検知要素を接続すれば、検知結果をフィードバックしつつ温度制御できる。
以下、本発明のロールプレス方法でプレスする電極前駆体、及び本発明のロールプレス方法で製造される電極について説明する。
本発明のロールプレス方法でプレスする電極前駆体は、箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し集電体の一方の面すなわち正極形成面に形成されている正極合材層と、負極活物質と結着剤とを含有し集電体の他方の面すなわち負極形成面に形成されている負極合材層と、を具備する。
電極前駆体において、正極合材層及び負極合材層は、集電体の一方の面又は他方の面に各々形成されていれば良く、如何なる方法で形成しても良い。
本発明の技術思想から、本発明のロールプレス方法は、収集工程で収集した上記の相互関係に基づいて、正極合材層及び負極合材層をそれぞれ最適な正極加熱温度及び負極加熱温度で加熱しつつ電極前駆体をプレスするだけで、正極合材層及び負極合材層を同時にプレスし、かつ、正極合材層及び負極合材層を各々所望の圧縮量にプレスし得るという本発明の効果を奏すると考え得る。したがって本発明のロールプレス方法は、正極合材層及び負極合材層の組成や集電体の種類等、電極前駆体の構成を問わず、様々な電極を製造する方法として利用できる。具体的には、本発明のロールプレス方法は、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、及びニッケル金属水素化物電池用の電極を製造する方法として好ましく使用できる。
電極前駆体は、プレス後に適宜裁断等を行うことで、双極型電極となる。双極型電極は、正極活物質及び結着剤を含有する正極活物質層と、負極活物質及び結着剤を含有する負極活物質層とを有する。正極合材層はプレスを経て正極活物質層となる。負極合材層はプレスを経て負極活物質層となる。以下、正極合材層及び負極合材層を総称して単に合材層と呼ぶ場合がある。また、正極合材層がプレスされてなる正極活物質層、及び負極合材層がプレスされてなる負極活物質層を、総称して単に活物質層と呼ぶ場合がある。
電極前駆体においては、箔状の集電体の両面に合材層が形成されている。電極前駆体を製造する際には、一方の合材層を先に形成しても良いし、或いは、両方を同時に形成しても良い。
合材層は、集電体にスラリー状の合材を塗布することで形成できる。当該スラリーは、後述するように、活物質、結着剤、溶剤、並びに必要に応じて導電助剤等のその他の添加剤を混合したものである。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水等の揮発し易い液体を例示できる。
正極合材及び後述する負極合材の塗布方法としては、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用い得る。
合材層は、溶剤等の揮発成分を含有するため、プレス工程前に乾燥して当該揮発成分を除去すると良い。
乾燥は、加熱、送風及び/又は減圧雰囲気下で行うのが良く、その温度や時間等は特に問わない。正極合材層及び負極合材層を同時に形成する場合には、両者を同時に乾燥しても良い。乾燥後、必要に応じて、電極前駆体を加熱しても良い。加熱温度及び時間は、結着剤及び活物質の機能を損なわないような温度及び時間を適宜設定すれば良い。なお、加熱は既述したロールプレスと同時に行っても良いし、ロールプレス後に行っても良い。加熱することで、活物質層中の活物質及び導電助剤と結着剤の密着性を高めたり、活物質層と集電体との密着性を高めたりできる利点がある。
以下、電極前駆体及び/又は電極を構成し得る各種の要素について説明する。
集電体は、ニッケル金属水素化物電池、リチウムイオン二次電池等の電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔状をなす。ここで言う箔状とは、シート状、フィルム状、リボン状等を含む概念であり、厚さ1mm以下かつ幅及び長さが厚さよりも大きいものを指す。
合材層の組成及び活物質層の組成は、本発明のロールプレス方法により製造された電極を用いる電池の種類に応じて適宜決定すれば良い。各合材層は、活物質、結着剤、溶剤、並びに必要に応じて導電助剤、分散剤及び増粘剤に代表される各種の添加剤を含み得る。
結着剤は、正極活物質、負極活物質等を集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。
結着剤としては、電池用の正極又は負極に使用されるものを選択すれば良い。
例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸やメタクリル酸などのモノマー単位を含むアクリル系樹脂を例示することができる。また、結着剤として、親水基を有するポリマーを採用してもよい。親水基を有するポリマーの親水基としては、カルボキシル基、スルホ基、シラノール基、アミノ基、水酸基、リン酸基が例示される。親水基を有するポリマーの具体例として、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸などの分子中にカルボキシル基を含むポリマー、又は、ポリ(p−スチレンスルホン酸)などのスルホ基を含むポリマーを挙げることができる。
ポリアクリル酸、あるいはアクリル酸とビニルスルホン酸との共重合体など、カルボキシル基及び/又はスルホ基を多く含むポリマーは水溶性となる。親水基を有するポリマーは、水溶性ポリマーであることが好ましく、化学構造でいうと、一分子中に複数のカルボキシル基及び/又はスルホ基を含むポリマーが好ましい。
本発明のロールプレス方法で製造される電極がリチウムイオン二次電池用の電極である場合、正極活物質層に含まれる正極活物質としては、一般的なリチウムイオン二次電池用の正極活物質を使用できる。
具体的には、正極活物質としては、層状岩塩構造の一般式:LiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)で表されるリチウム複合金属酸化物、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル構造の金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。
同様に、負極活物質としては、一般的なリチウムイオン二次電池用の負極活物質を使用できる。
具体的には、負極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出し得る材料が使用可能である。したがって、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiO(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質して、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Fe等の酸化物、又は、Li3−xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
本発明のロールプレス方法で製造される電極がニッケル金属水素化物電池用の電極である場合、正極活物質層に含まれる正極活物質としては、水酸化ニッケルに代表されるニッケル酸化化合物等、公知のものを採用できる。また、負極活物質としては、各種の水素吸蔵合金を採用できる。水素吸蔵合金としては、例えば、希土類を含有するAB型の水素吸蔵合金が知られている。AB型の水素吸蔵合金は、六方晶であるCaCu型相を主たる結晶構造とすることが知られており、希土類元素、ニオブ、ジルコニウム、遷移金属、Mg及びAl等を含有するものが一般的である。より具体的には、AB型の水素吸蔵合金としては、例えばLaNiに代表されるように希土類元素を単体で用いた合金か、或いは、MmNi系水素吸蔵合金とも呼ばれる複数の希土類元素の混合物を用いた合金が実用化されている。
MmNi系水素吸蔵合金は、Mmつまりミッシュメタルと呼ばれるLa、Ce、Pr、Nd等の混合希土類元素を含有する。また、MmNiのNiの一部は、Al、Mn等の元素で置換され得る。
その他の水素吸蔵合金としては、MgZn、ZrNiに代表されるAB型、TiFe、TiCoに代表されるAB型、MgNi、MgCuに代表されるAB型、Ti−V、V−Nbに代表される固溶体型、及び、希土類、Mg及びNiを含有する超格子構造のA型及びA19型等が挙げられる。
導電助剤は化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、及び各種金属粒子等が例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて正極活物質層に添加することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例)
実施例のロールプレス方法を模式的に表す説明図を図1に示す。
<準備工程>
集電体20として、図1に示すように、巻き出しロール50に巻かれたアルミニウム箔を用いる。巻き出しロール50は搬送方向の後側に配置され、巻き取りロール51は搬送方向の先側に配置されている。巻き取りロール51は、巻き出しロール50から巻き出された集電体20の長手方向の一端を巻き取る。
巻き出しロール50及び巻き取りロール51は、各々、別々のモータM1又はM2に接続されている。各モータM1及びM2は制御要素40に接続され、制御要素40によって各々独立に制御される。
巻き出しロール50及び巻き取りロール51は、モータM1又はM2に駆動されて図1中矢印方向に回転し、当該矢印方向に集電体20を巻き出し及び巻き取ることで、図1に示す後側から先側に向けて、集電体20及び電極前駆体25を搬送する。なお、当該後側及び先側は、搬送方向における後側及び先側を指す。
巻き出しロール50と巻き取りロール51との間には正極ロール31及び負極ロール32からなるプレス要素30が設けられている。巻き出しロール50とプレス要素30との間には、図略の塗工要素及び乾燥要素が設けられている。塗工要素は塗工ロール及びドクターブレードで構成され、乾燥要素は加熱炉である。乾燥要素は塗工要素の先側にある。
塗工要素は、集電体20の正極形成面20aに正極合材を塗布することで正極合材層21を形成し、集電体20の負極形成面20bに負極合材を塗布することで、負極合材層22を形成する。正極合材及び負極合材は、それぞれ異なる結着剤を含有する。
塗工要素により正極合材層21及び負極合材層22が形成された集電体20は、次いで乾燥要素に供給される。乾燥要素では正極合材層21及び負極合材層22を加熱乾燥する。
上記した正極合材層21及び負極合材層22の形成及び乾燥は、巻き出しロール50及び巻き取りロール51からなる搬送要素5によって電極前駆体25を搬送しつつ行う。
なお実施例の準備工程において、塗工要素は、正極形成面20aにおける正極合材の塗布量よりも負極形成面20bにおける負極合材の塗布量が多くなるように、集電体20に正極合材及び負極合材を塗布する。更に、正極合材及び負極合材の塗布量が電極前駆体25の長手方向に一定になるように、集電体20に正極合材及び負極合材を塗布する。したがって正極合材層21及び/又は負極合材層22の厚さは、各々、電極前駆体25の長手方向に沿って均一であり、かつ、負極合材層22の厚さは正極合材層21の厚さよりも厚い。
<収集工程>
巻き出しロール50の先側かつ図略の塗工要素の先側には、正極ロール31及び負極ロール32が設けられている。図1に示すように、正極ロール31及び負極ロール32は、電極前駆体25を挟んで対面する。また、電極前駆体25は、正極合材層21を正極ロール31に向け、負極合材層22を負極ロール32に向ける。
正極ロール31及び負極ロール32の位置は、プレス対象である電極前駆体25の形状等に応じて位置決めされる。具体的には、電極前駆体25をプレスするために、正極ロール31及び負極ロール32の隙間は電極前駆体25の厚さよりも短い。この正極ロール31及び負極ロール32の隙間に応じて、電極前駆体25に負荷されるプレス圧が決定する。したがって、収集工程及び後述するプレス工程においては、正極ロール31及び負極ロール32の隙間は一定に保たれる。
正極ロール31及び負極ロール32にはモータM3が接続され、当該モータM3もまた上記の制御要素40に接続されている。制御要素40は、正極ロール31及び負極ロール32が同期して回転するように、モータM3を駆動制御する。電極前駆体25は、巻き出しロール50及び巻き取りロール51によって搬送されてプレス要素30に到達し、正極ロール31と負極ロール32とによってプレスされる。
正極ロール31には正極加熱要素61が接続され、負極ロール32には負極加熱要素62が接続されている。図示しないが、正極加熱要素61及び負極加熱要素62は、熱媒体流通経路と、熱媒体流通経路内を流通する熱媒油と、熱媒油を熱媒体流通経路内に循環させるポンプと、熱媒油を加熱する温度調節器と、を有している。正極加熱要素61及び負極加熱要素62は、制御要素40に接続されている。正極加熱要素61及び負極加熱要素62は、正極ロール31及び負極ロール32をそれぞれ無段階で加熱できる。
上記したように電極前駆体25における正極合材層21及び負極合材層22の厚さは、それぞれ一定である。収集工程においては、電極前駆体25を長手方向に複数の領域に区分けし、各領域の電極前駆体25について、それぞれ異なる加熱温度で正極合材層21及び負極合材層22を加熱しつつ電極前駆体25のプレスを行う。より具体的には、正極ロール31及び負極ロール32の加熱温度を各領域毎に変えて、電極前駆体25のプレスを行う。こうすることで、一定荷重のもと、正極ロール31の温度及び負極ロール32の温度を多様な組み合わせにできる。
上記のプレス後に、プレス後の正極合材層21及び負極合材層22、つまり、正極活物質層27及び負極活物質層28の厚さを実測する。測定は如何なる方法で行っても良く、例えば、ノギス等を用いて目視で行っても良い。正極合材層21及び負極合材層22は、それぞれ、領域毎に異なる温度でプレスされるため、正極活物質層27及び負極活物質層28は領域毎に異なる厚さとなる。実測した領域毎のプレス後の正極合材層21及び負極合材層22の厚さを、正極ロール31の温度及び負極ロール32の温度、並びに、プレスの前の正極合材層21及び負極合材層22の厚さと関連づけて、相互関係として制御要素40に格納する。実施例の収集工程では、一定荷重のもとの、正極ロール31の温度及び負極ロール32の温度と、プレスの前後での正極合材層21及び負極合材層22の厚さと、の相互関係が多様な組み合わせで収集される。
<演算工程>
演算工程において、作業者は、実際にロールプレスする電極前駆体25の厚さ情報を、制御要素40に入力する。制御要素40は、当該厚さ情報を収集工程で得られた上記の相互関係に参照して、正極ロール31に必要な正極加熱温度及び負極ロール32に必要な負極加熱温度をそれぞれ演算する。当該電極前駆体25の厚さ情報とは、実際にロールプレスしようとする電極前駆体25におけるプレス前の正極合材層21及び負極合材層22の厚さ、並びに、プレス後の正極合材層21及び負極合材層22の目標厚さを指す。プレス後の正極合材層21及び負極合材層22の目標厚さとは、製造しようとする正極活物質層27及び負極活物質層28の厚さと言い換えても良い。
演算工程において算出した正極加熱温度及び負極加熱温度は、制御要素40に格納され、以下のプレス工程で用いられる。なお、実施例のロールプレス方法において、プレス前の正極合材層21の厚さとプレス後の正極合材層21の目標厚さとの差(つまり正極合材層21の圧縮量)と、プレス前の負極合材層22の厚さとプレス後の負極合材層22の目標厚さとの差(つまり負極合材層22の圧縮量)と、は大きく異なり、かつ、正極加熱温度と負極加熱温度とは異なる。
<プレス工程>
プレス工程においてプレス対象となる電極前駆体25は、上述した収集工程においてプレス対象となる電極前駆体25と同じものである。プレス工程では、演算工程で算出した正極加熱温度及び負極加熱温度に基づき、プレス要素30によって電極前駆体25のプレスを行う。
具体的には、制御要素40は、正極加熱要素61及び負極加熱要素62を温度制御して、正極ロール31を正極加熱温度に加熱し、かつ、負極ロール32を負極加熱温度に加熱する。正極ロール31及び負極ロール32には、各々、正極温度検知要素71及び負極温度検知要素72が接続されている。正極温度検知要素71及び負極温度検知要素72は、更に制御要素40に接続され、各々、検知した温度を制御要素40に伝送する。したがって制御要素40は、実際に検知された正極ロール31及び負極ロール32の温度を基に、正極ロール31が正極加熱温度になりかつ負極ロール32が負極加熱温度になるように、正極加熱要素61及び負極加熱要素62をフィードバック制御する。
電極前駆体25の正極合材層21は、正極ロール31によって正極加熱温度に加熱されつつ正極ロール31及び負極ロール32によってプレスされる。また、電極前駆体25の負極合材層22は、負極ロール32によって負極加熱温度に加熱されつつ正極ロール31及び負極ロール32によってプレスされる。こうすることで、実施例のロールプレス方法によると、正極合材層21と負極合材層22とを同時にプレスでき、かつ、正極合材層21の圧縮量と負極合材層22の圧縮量との異なる双極型電極の電極前駆体25を製造することができる。
20:集電体 21:正極合材層 22:負極合材層
25:電極前駆体 31:正極ロール 32:負極ロール

Claims (2)

  1. 箔状をなす集電体と、正極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の一方の面に形成されている正極合材層と、負極活物質と結着剤とを含有し前記集電体の他方の面に形成されている負極合材層と、を具備する双極型電極の電極前駆体を、正極ロール及び負極ロールの間でプレスするロールプレス方法であって、
    一定荷重のもと、前記正極ロールの温度及び前記負極ロールの温度と、前記プレスの前後での前記正極合材層の厚さ及び前記負極合材層の厚さと、の相互関係を予め収集する収集工程と、
    前記収集工程で得られた前記相互関係を参照して、前記プレスの前の前記正極合材層の厚さ、前記プレスの後の前記正極合材層の目標厚さ、前記プレスの前の前記負極合材層の厚さ、及び、前記プレスの後の前記負極合材層の目標厚さから、前記正極ロールに必要な正極加熱温度及び前記負極ロールに必要な負極加熱温度をそれぞれ演算する演算工程と、
    前記正極ロールを前記正極加熱温度に加熱しかつ前記負極ロールを前記負極加熱温度に加熱しつつ、前記一定荷重のもと、前記電極前駆体を前記正極ロール及び前記負極ロールの間でプレスするプレス工程と、を有するロールプレス方法。
  2. 前記正極加熱温度と前記負極加熱温度とは異なる温度である、請求項1に記載のロールプレス方法。
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