JP2018063319A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】映像源の画素間に存在する非画素領域が起因となる非映像領域が視認されてしまうことを抑制することができる表示装置を提供する。【解決手段】光学シート20は、第1の単位形状と第2の単位形状とを有しており、第1の単位形状は、第1の方向に延在し、第1の方向に直交する第2の方向に配列されており、第2の単位形状は、第3の方向に延在し、第3の方向に直交する第4の方向に配列されており、前記映像源は、複数色の画素が並べて配置されて構成されており、同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第1近接配列方向として規定し、第1近接配列方向とは異なる方向であって、第1近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が近接している方向を第2近接配列方向として規定した場合、第2の方向及び第4の方向の少なくとも一方は、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して5度以上の角度を持って配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、観察者に映像を表示する表示装置に関するものである。
従来、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等の映像源による映像を、光学系を介して観察者に観察させる頭部装着型の表示装置、いわゆるヘッドマウントディスプレイ(HMD)が提案されている(例えば、特許文献1)。このような頭部装着型の表示装置は、レンズ等の光学系によって映像源から投射される映像光を拡大して鮮明な映像を観察者に表示している。
このような表示装置に用いられる映像源は、映像を構成する複数の画素領域と、各画素領域間に設けられ、映像の表示に寄与しない非画素領域とが設けられている。このような映像源から出射された映像光をレンズにより拡大した場合、画素領域により構成される映像だけでなく、非画素領域が起因となる非映像領域も拡大されてしまうこととなり、映像だけでなく非映像領域も観察者に視認されてしまう場合があり、鮮明な映像の表示の妨げとなる場合があった。
特表2011−509417号公報
本発明の課題は、映像源の画素間に存在する非画素領域が起因となる非映像領域が視認されてしまうことを抑制することができる表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、映像光を出射する映像源(11)と、前記映像光を拡大して観察者側へ出射するレンズ(12)と、前記映像源(11)及び前記レンズ(12)間、又は、前記レンズ(12)の観察者側に配置される光学シート(20)と、を備え、前記光学シート(20)は、凸状又は凹状に形成されている単位形状(21a,23a)を有し、前記単位形状(21a,23a)は、少なくとも光学シート(20)の厚み方向に直交するシート面内の特定の配列方向に配列されており、前記映像源(11)は、複数色の画素が並べて配置されて構成されており、同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第1近接配列方向として規定し、前記第1近接配列方向とは異なる方向であって、前記第1近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が近接している方向を第2近接配列方向として規定した場合、前記特定の配列方向は、前記第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して5度以上の角度を持って配置されている、表示装置(1)である。
第2の発明は、請求項1に記載の表示装置(1)において、前記第1近接配列方向及び前記第2近接配列方向とは異なる方向であって、前記第2近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第3近接配列方向として規定し、前記第1近接配列方向及び前記第2近接配列方向及び前記第3近接配列方向とは異なる方向であって、前記第3近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第4近接配列方向として規定した場合、前記特定の配列方向は、前記第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して6度以上の角度を持って配置されており、前記特定の配列方向は、前記第3近接配列方向及び第4近接配列方向に対して3度以上の角度を持って配置されていること、を特徴とする表示装置(1)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の表示装置(1)において、前記光学シート(20)は、2つの層間の界面である第1の界面に凸状又は凹状に形成されている第1の単位形状(21a)と、前記第1の界面とは異なる2つの層間の界面である第2の界面に凸状又は凹状に形成されている第2の単位形状(23a)と、を有しており、前記第1の単位形状(21a)は、前記光学シート(20)の厚み方向に直交するシート面内の第1の方向に延在し、前記第1の方向に直交する第2の方向に配列されており、前記第2の単位形状(23a)は、前記光学シート(20)の厚み方向に直交するシート面内の第3の方向に延在し、前記第3の方向に直交する第4の方向に配列されており、前記特定の配列方向は、前記第2の方向及び前記第4の方向であること、を特徴とする表示装置(1)である。
第4の発明は、第3の発明に記載の表示装置(1)において、前記第1の界面において隣接する層の屈折率の差である第1の屈折率差Δn1が、0.005≦Δn1≦0.1を満たしており、前記第2の界面において隣接する層の屈折率の差である第2の屈折率差Δn2が、0.005≦Δn2≦0.1を満たしていること、を特徴とする表示装置(1)である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかに記載の表示装置(1)において、前記光学シート(20)を保持する保持部(32)を備えており、前記光学シート(20)のシート面内における回転方向の位置を前記映像源(11)に対して規定するための位置決め形状又は位置決め指標を前記光学シート(20)と前記保持部(32)との少なくとも一方に備えること、を特徴とする表示装置(1)である。
第6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の表示装置(1)において、前記光学シート(20)と前記映像源(11)との間の距離は、前記画素の配列ピッチの100倍以上であること、を特徴とする表示装置(1)である。
本発明によれば、映像源の画素間に存在する非画素領域が起因となる非映像領域が視認されてしまうことを抑制することができる表示装置を提供することができる。
本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向上側から見た図である。 本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20と保持部32と映像源11とを観察者側(−Y側)から見た図である。 本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の詳細を説明する図である。 本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の輝度と拡散角との関係を示す図である。 本実施形態の表示装置1によって表示された画像の例を示す図である。 比較例の表示装置5を説明する図である。 角度θと色にじみとの関係を評価した結果をまとめた図である。 映像源11の画素配列の例を示す図であって、緑(G)の画素の間隔について説明する図である。 映像源11の画素配列の例を示す図であって、青(B)の画素の間隔について説明する図である。 角度θをどのような角度とすることが望ましいかを説明する図である。 光学シート20の別の形態を説明する図である。 光学シート20に設けられる第1の単位形状21aの別の形態を示す図である。 本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の他の形態を説明する図である。 図13に示す他の形態の光学シート20の輝度と拡散角との関係を示す図である。 図13に示す光学シート20の別の形態を説明する図である。 図13に示す光学シート20の別の形態を説明する図である。 図13に示す光学シート20の別の形態を説明する図である。 光学シート20の別の形態を説明する図である。 光学シート20の別の形態を説明する図である。 本実施形態の頭部装着型の表示装置1の他の形態を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向上側から見た図である。
なお、図1を含め以下に示す図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、観察者がその頭部に表示装置1を装着した状態において、鉛直方向(上下方向)をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、光学シート20の厚み方向をY方向とし、その厚み方向に直交する左右方向をX方向とする。このY方向の−Y側を観察者側とし、+Y側を映像源側(背面側)とする。
図2は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20と保持部32と映像源11とを観察者側(−Y側)から見た図である。
図2中には、上述したX−Y−Zの方向に加えて、Y軸まわりで(X−Z平面内で)角度θだけ回転した(傾いた)第2の方向を示す記号として、SX−SY(Y)−SZを示している。なお、SY方向は、上述のY方向と一致している。このSX−SY−SZの方向は、光学シート20の方向を示すために設けている。
図3は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の詳細を説明する図である。図3(a)は、光学シート20の水平面(SX−SY面)に平行な断面における断面図であり、図3(b)は、図3(a)のb部断面図である。図3(c)は、図3(a)のc部詳細を示す図であり、図3(d)は、図3(b)のd部詳細を示す図である。
図4は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の輝度と拡散角との関係を示す図である。
図5は、本実施形態の表示装置1によって表示された画像の例を示す図である。
図6は、比較例の表示装置5を説明する図である。図6(a)は、比較例の表示装置5の構成を説明する図であり、図1に対応する図である。図6(a)では、理解を容易にするために、表示装置5として、映像源51とレンズ52のみを示している。図6(b)は、比較例の表示装置5によって表示された画像の例を示す図である。
表示装置1は、観察者がその頭部に装着し、観察者の眼前に映像を表示する、いわゆるヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。図1に示すように、本実施形態の頭部装着型の表示装置1は、筐体30の内側に、映像源11と、レンズ12と、光学シート20とを備えており、筐体30が観察者の眼前となるようにその頭部に装着することによって、映像源11に表示された映像を光学シート20、レンズ12を介して観察者の眼Eに視認させることができる。
なお、図1において、表示装置1は、観察者の両眼E1,E2に対して映像を表示する例を挙げて説明するが、これに限定されるものでなく、例えば、観察者の片側の眼E1に対して配置され、その眼E1に対して映像を表示する形態としてもよい。
筐体30は、左右方向に横長の矩形の箱型の筐体であり、その内側に、映像源11を保持する保持部31、光学シート20(20A,20B)を保持する保持部32、レンズ12(12A,12B)を保持する保持部33を備えている。この筐体30は、例えば、不図示のベルト等により、観察者の頭部に装着可能である。
保持部31は、映像源11を保持する部材であり、その映像源11の表示面11a側の面上、かつ、観察者の眼E(E1,E2)及びレンズ12(12A,12B)に対応する位置に開口部311(311A,311B)を有している。本実施形態では、映像源11は、この保持部31(すなわち、表示装置1)に着脱可能に保持される。映像源11から出射した映像光Lは、この開口部311(311A,311B)を通ってレンズ12(12A,12B)へ入射する。
保持部32は、保持部31及び映像源11よりも観察者側(−Y側)に位置し、光学シート20を保持する部材である。保持部32は、開口部311(311A,311B)に対応する位置に設けられた開口部321(321A,321B)内に、光学シート20(20A,20B)が嵌めこまれ、保持されている。
光学シート20は、後述するように直交する2つの単位形状を備えている。そして、光学シート20は、この単位形状の配列方向(言い替えると延在方向)が映像源11における画素配列の特定の画素方向(第1近接配列方向、第2近接配列方向、第3近接配列方向、第4近接配列方向)に対して、角度を持って配置されている。この特定の画素方向については、後述するが、光学シート20は、保持部32に対して特定の配列方向(上述の特定の画素方向に対して角度を持った方向)を向いて配置可能なように、位置決め形状としての凸部20aが保持部32の開口部321に設けられた位置決め形状としての凹部321aに嵌め込まれている。
図2中には、SX方向とSZ方向を併記しているが、この方向が光学シート20の単位形状の配列方向及び延在方向と一致している。図2の例では、角度θだけ光学シート20がX方向及びY方向に対して傾いて(回転して)配置されている。
なお、本実施形態では、光学シート20の外形形状を図2のような円形を基本としたが、例えば、光学シート20の形状を多角形形状として、装着される向き(XY面内での回転方向の位置)を規定するようにしてもよい。
この保持部32と前述の保持部31とは、一体となってY方向に移動可能であり、Y方向において所望の位置で固定可能である。したがって、観察者の視力等に応じて、映像源11及び光学シート20とレンズ12との間の距離(レンズ12に対するY方向における位置)を調整可能(ピント調整可能)である。なお、これに限らず、保持部31及び保持部32は、Y方向の位置が固定された形態としてもよい。
保持部33は、保持部32及び光学シート20よりも観察者側(−Y側)に位置し、レンズ12(12A,12B)を保持する部材である。この保持部33は、光学シート20(20A,20B)に対応する位置に開口部331(331A,331B)を有し、その開口部331(331A,331B)内にレンズ12(12A,12B)が嵌めこまれ、保持されている。
映像源11は、映像光Lを出射し、表示面11aに映像を表示するマイクロディスプレイであり、例えば、透過型の液晶表示デバイスや、反射型の液晶表示デバイス、有機EL等を使用することができる。本実施形態の映像源11は、例えば、対角が5インチの有機ELディスプレイが使用される。
映像源11は、その表示面11aが観察者側(−Y側)となるようにして、保持部31に保持されている。
なお、本実施形態では、この表示装置1は、映像源11を1つ備える例を示したが、これに限らず、例えば、後述するレンズ12A,12B及び観察者の眼E1,E2にそれぞれ対応する2台の映像源を備える形態としてもよい。
レンズ12(12A,12B)は、映像源11から出射された映像光Lを拡大して観察者側に出射する凸レンズである。本実施形態では、映像源11及び光学シート20(20A,20B)よりも観察者側(−Y側)に配置されている。レンズ12は、透光性の高いガラス製又は樹脂製である。
レンズ12の映像源側(背面側、+Y側)の表面には、反射抑制層12aが形成されている。この反射抑制層12aは、例えば、汎用の反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化ケイ素(SiO)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により設けてもよいし、光の波長より小さなピッチで形成された微小な凹凸形状を有するモスアイ構造を光の入射側の面に有することにより反射抑制機能を奏する層をレンズ12の映像源側に一体に積層して設けてもよい。
このような反射抑制層12aを設けることにより、レンズ12に入射する光がレンズ12の映像源側で反射して光学シート20側へ向かい、光学シート20の表面で再度反射する等により迷光となることを抑制し、映像のコントラストや明るさの向上を図ることができる。
また、反射抑制層12aは、さらに、レンズ12の観察者側(−Y側)の面に設けてもよい。この位置にさらに反射抑制層12aを設けることにより、レンズ12から映像光が出射する際に、レンズ12と空気との界面で反射し、レンズ12内で迷光となることを抑制でき、映像のコントラスト等を向上できる。
光学シート20は、図1に示すように、映像源11とレンズ12との間に配置されている。光学シート20は、映像源11から出射した映像光Lを微少に拡散する拡散機能を有する光透過性のあるシートである。
本実施形態では、観察者の両眼E1,E2に対応して、それぞれ、レンズ12A,12B及び光学シート20A,20Bが設けられている。しかし、これに限らず、例えば、レンズ12A,12Bの領域をカバーできる程度に大きい1枚の光学シート20を、レンズ12よりも映像源側(背面側、−Y側)に配置する形態としてもよい。ただし、光学シート20を1枚で構成する場合においても、光学シート20は、保持部32に対して所定の方向(上述の特定の画素方向に対して角度を持った方向)を向いて配置可能なように構成する。
従来、主に使用されている頭部装着型の表示装置5(以下、比較例の表示装置5という)は、図6(a)に示すように、上述の光学シート20を備えていない形態であり、映像源51から出射された映像光Lをレンズ52により拡大して、その映像を観察者に表示していた。
映像源51及び映像源11に用いられる有機EL等のディスプレイは、その表示部に映像を形成する画素領域G1が複数配列されており、また、各画素領域G1間には映像の形成に寄与しない非画素領域G2が設けられている。そのため、比較例の表示装置5では、映像源51から出射する映像光Lにより表示される映像は、レンズ52を介して拡大された場合に、図6(b)に示すように、画素領域G1による映像F1だけでなく、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2も拡大されてしまう。そして、非映像領域F2も明瞭に観察者に視認され、鮮明な映像表示の妨げとなってしまう場合があった。
これに対して、本実施形態の表示装置1では、上述の光学シート20が設けることにより、映像源11から出射した映像光を微少に拡散させ、図5に示すように、その拡散された映像光によって、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
本実施形態の光学シート20は、図3に示すように、映像源側(背面側、+Y(SY)側)から順に、反射抑制層24、第1光学層21、第2光学層22、第3光学層23が積層されている。光学シート20は、この第1光学層21及び第2光学層22の間の第1の界面と、第2光学層22及び第3光学層23の間の第2の界面とに、それぞれ第1の単位形状21a、第2の単位形状23aが複数形成されている。
第1光学層21は、光学シート20の厚み方向(Y(SY)方向)において、第2光学層22及び第3光学層23よりも映像源側(+Y(SY)側)に位置し、光透過性を有する層である。第1光学層21の映像源側の面は、略平坦に形成されている。第1光学層21の観察者側(−Y(SY)側)の面には、図3(a)に示すように、凸状の第1の単位形状21aが複数形成されている。第1の単位形状21aは、観察者側(−Y(SY)側)に凸となっている。
この第1の単位形状21aは、第1光学層21の観察者側の面に沿うようにして、第1の方向(SZ方向)に延在し、延在方向に直交する第2の方向(SX方向)に複数配列されている。また、第1の単位形状21aは、SX方向及び厚み方向に平行な面(SX−SY面)における断面形状が略円弧状に形成されたレンチキュラーレンズ形状である。ここで、略円弧状とは、真円の円弧だけでなく、楕円や長円等の一部を含む曲線状の形状を含むものをいう。
第3光学層23は、光学シート20の最も観察者側(−Y(SY)側)に位置する光透過性を有する層である。第3光学層23の観察者側の面は、光学シート20を透過した映像光が出射する面であり、略平坦に形成されている。第3光学層23の映像源側(+Y(SY)側)の面は、図3(b)に示すように、凸状の第2の単位形状23aが複数形成されている。第2の単位形状23aは、映像源側(+Y(SY)側)に凸となっている。
この第2の単位形状23aは、第3光学層23の映像源側の面に沿うようにして、第3の方向(SX方向)に延在し、延在方向に直交する第4の方向(SZ方向)に複数配列されており、SZ方向及び厚み方向に平行な面(SY−SZ面)における断面形状が略円弧状に形成されたレンチキュラーレンズ形状である。
光学シート20の厚み方向(シート面の法線方向、Y(SY)方向)から見て、第3光学層23に設けられた第2の単位形状23aの延在方向(SX方向)と第1光学層21に設けられた第1の単位形状21aの延在方向(SZ方向)とは、交差(直交)している。
また、光学シート20の厚み方向(シート面の法線方向、Y(SY)方向)から見て、第1の単位形状21aの配列方向(SX方向)と第2の単位形状23aの配列方向(SZ方向)とは、交差(直交)している。
したがって、第1の方向と第4の方向とは同一方向となり、また、第2の方向と第3の方向とは同一方向となっている。ただし、第1の単位形状21aの延在方向と第2の単位形状23aの延在方向とは、直交させなくてもよい。
第2光学層22は、第1光学層21及び第3光学層23間に設けられた光透過性を有する層である。第2光学層22の両面は、第1光学層21の第1の単位形状21a側の面と、第3光学層23の第2の単位形状23a側の面とが互いに対向するようにして配置されている。
本実施形態の光学シート20は、映像源側の面から入射角度0°で入射して観察者側に出射した透過光の半値角αが、0.05°≦α≦0.2°を満たし、透過光の最大輝度が1/20となる拡散角βが、β≦5×αを満たすようにして形成されている。
ここで、光学シート20の半値角αとは、図4に示すように、光の輝度が最大値となる光学シート20のシート面の観察位置から、画面左右方向及び画面上下方向において、光の輝度が最大値の半分の値になる観察角度のうち絶対値が最も大きい角度をいう。また、拡散角βは、光の輝度が最大値となる光学シート20のシート面の観察位置から、画面左右方向及び画面上下方向において、光の輝度が最大値の1/20の値になる観察角度のうち絶対値が最も大きい角度をいう。
また、本実施形態の光学シート20は、互いに隣接する光学層の屈折率差、すなわち、第1光学層21及び第2光学層22の屈折率差である第1の屈折率差Δn1と、第2光学層22及び第3光学層23の屈折率差である第2の屈折率差Δn2とが、それぞれ0.005≦Δn1≦0.1、0.005≦Δn2≦0.1を満たすようにして形成されている。
このように、光学シート20の半値角α及び拡散角βの値の範囲と、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aが形成された面を界面として互いに隣接する層の第1の屈折率差Δn1,第2の屈折率差Δn2の範囲とを規定することによって、本実施形態の表示装置1は、映像源11から出射した映像光LをSZ方向やSX方向に微少に拡散することができる。これにより、表示装置1は、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像光Lの微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを抑制することができる。
上述の効果をより効果的に奏する観点から、光学シート20の拡散角βは、半値角αに略等しいか、それに近い値であることがより望ましい。
仮に、半値角αが0.05°未満である場合、光学シートによって光の拡散される範囲が狭くなりすぎてしまい、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2を目立たなくする効果が弱まり、非映像領域F2が観察者に視認されやすくなるので望ましくない。また、半値角αが0.2°よりも大きい場合、映像光の拡散される範囲が広くなりすぎてしまい、映像の鮮明さが低下してしまうので望ましくない。
また、仮に、拡散角βが5×αよりも大きい場合、輝度の低い映像光の拡散される範囲が広くなりすぎてしまい、映像の鮮明さが低下してしまうので望ましくない。
さらに、第1の屈折率差Δn1,第2の屈折率差Δn2が0.005未満である場合、光学層間の屈折率差が小さくなりすぎ、光学層間における映像光の屈折が生じ難くなってしまい、十分な拡散作用が発揮されなくなるため望ましくない。また、第1の屈折率差Δn1,第2の屈折率差Δn2が0.1よりも大きい場合、光学層間における光の屈折が大きくなりすぎてしまい、光学シートを透過する映像光が不鮮明になってしまうので望ましくない。
第1光学層21及び第3光学層23は、それぞれ、光透過性の高いPC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂等から形成されており、本実施形態では、第1光学層21及び第3光学層23はともに同じ材料で形成され、同じ屈折率を有している。
また、第2光学層22は、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂や、エポキシアクリレート樹脂等の紫外線硬化型樹脂等から形成されており、本実施形態では、第1光学層21及び第3光学層23の屈折率よりも低い屈折率で形成されている。
また、第1の単位形状21aのSX−SY断面における断面形状が円弧状に形成されている場合、図3(c)に示すように、第1光学層21に形成される第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)における配列ピッチをP1とし、第1の単位形状21aのSX−SY断面における円弧状の断面形状の曲率半径をR1としたときに、第1の単位形状21aは、0.05≦P1/R1≦1.0の範囲で形成されるのが望ましい。
また同様に、第2の単位形状23aのSY−SZ断面における断面形状が円弧状に形成されている場合、図3(d)に示すように、第3光学層23に形成される第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)における配列ピッチをP2とし、第2の単位形状23aのSY−SZ断面における円弧状の断面形状の曲率半径をR2としたときに、第2の単位形状23aは、0.05≦P2/R2≦1.0の範囲で形成されるのが望ましい。
このように第1の単位形状21a及び第2の単位形状23aの配列ピッチP1,P2及び曲率半径R1,R2を上述の範囲で形成することによって、表示装置1は、映像源11から出射された映像光を効率よく均等に上下方向及びSX方向に微少に拡散させることができる。
なお、本実施形態の光学シート20は、第1の単位形状21aと第2の単位形状23aとは、その断面形状が同じ形状であり、P1=P2、R1=R2となるように形成されている。
また、本実施形態では、第1の単位形状21aの配列ピッチP1及び第2の単位形状23aの配列ピッチP2は、それぞれ、0.1mm≦P1≦0.5mm、0.1≦P1≦0.5mmを満たすことが好ましい。仮に、配列ピッチP1,P2が0.1mm未満であると、このような寸法の第1の単位形状21a,第2の単位形状23aを製造するのが困難となり、また、光の回折現象が生じやすくなり、回折光の影響によって映像が不鮮明になるので好ましくない。また、配列ピッチP1,P2が0.5mmよりも大きい場合、隣り合う単位形状間のラインが視認されてしまう場合があり、好ましくない。
さらに、本実施形態の光学シート20は、第1光学層21の映像源側(背面側、+SY側)に、反射抑制層24が設けられている。
この反射抑制層24は、レンズ12の映像源側に設けられた反射抑制層12aと同様に、例えば、汎用の反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化ケイ素(SiO)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により設けてもよい。また、映像源11が表示装置に固定され、着脱不可能である場合等には、光の波長より小さなピッチで形成された微小な凹凸形状を有するモスアイ構造を光の入射側の面に有することにより反射抑制機能を奏する層を光学シート20の映像源側に一体に積層して設けてもよい。
反射抑制層24を光学シート20の映像源側に設けることにより、光学シート20に入射する光が光学シート20の映像源側の面で反射して映像源11側へ向かうことによる映像の明るさの低下を抑制できる。
また、反射抑制層24を光学シート20の映像源側に設けることにより、光学シート20に入射する光が光学シート20の映像源側の面で反射して映像源11側へ向かい、映像源11の表示面11aで再度反射する等により迷光となることを抑制し、映像のコントラスト向上を図ることができる。
なお、反射抑制層24は、さらに、光学シート20の観察者側(−Y(SY)側)の面に設けてもよい。この位置にさらに反射抑制層24を設けることにより、光学シート20から映像光が出射する際に、光学シート20と空気との界面で反射し、光学シート20内で迷光となることを抑制でき、映像のコントラスト等を向上できる。
また、光学シート20の映像源側(+Y(SY)側)の面に、ハードコート機能や、防汚機能等を有する層を設けてもよい。このような層を設けることにより、映像源11が筐体30に着脱可能である場合に、映像源11を筐体30から外したときに、光学シート20が傷ついたり、汚れが付着したりして、映像の視認の妨げになることを抑制できる。
本実施形態の表示装置1は、Y(SY)方向における映像源11の表示面11aから光学シート20の映像源側(−Y(SY)側)の面までの距離D1が、映像源11の画素の配列ピッチの寸法d(画素領域G1の複数の配列方向において配列ピッチが異なる場合は、小さい方の配列ピッチとする)の100倍以上である。仮に、距離D1が、寸法dの100倍未満であると、画素領域G1によるモアレが視認されたり、非画素領域G2に起因する非映像領域が目立って観察されやすくなるため、好ましくない。
一般的に、表示装置1に用いられる映像源11の画素の配列ピッチdは、400〜500ppi(pixel per inch)である。本実施形態では、例えば、映像源11の画素の配列ピッチdは、d=0.0508mm(500ppi)であり、映像源11の表示面11aから光学シート20の映像源側(−Y(SY)側)の面までのY(SY)方向における距離D1は、5.08mmである。
したがって、本実施形態の表示装置1では、光学シート20が映像源11から十分な間隔を空けて配置されているので、光学シート20の配置方向に関わりなく(θの値に関わりなく)、モアレの発生は抑制されている。
また、本実施形態の表示装置1は、上述のように、レンズ12よりも映像源側(+Y(SY)側)に光学シート20が位置するので、映像源11が筐体30に着脱可能である表示装置1において映像源11を筐体30から外した場合等に、筐体内に侵入した埃やゴミ等の異物によってレンズ12が破損したり汚れたりすることがない。また、光学シート20の映像源側が異物等で汚れた場合にも、単位形状を傷つけることなく、ふき取ることが可能である。
また、特に、モスアイ構造を有する反射抑制層に関しては、高い反射抑制効果を有しているが、破損しやすいために観察者の指等が触れない位置に設けることが重要となる。本実施形態の表示装置1では、レンズ12よりも映像源側(+Y(SY)側)に光学シート20が位置するので、そのような反射抑制層を光学シート20の観察者側やレンズ12の映像源側等に設けることができ、より高い反射抑制効果が得られ、映像のコントラストや明るさの向上を図ることができる。
次に、映像源11から出射された映像光Lが観察者の眼E(E1,E2)に届くまでの動作について説明する。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、光学シート20(20A,20B)の映像源側(+Y(SY)側)の面に入射する。そして、光学シート20に入射した映像光Lは、第1光学層21を透過して、第1光学層21と第2光学層22との間の第1の界面の第1の単位形状21aによって、第2の方向(SX方向)に微少に拡散して第2光学層22内を透過する。
第2光学層22を透過した映像光Lは、第2光学層22と第3光学層23との間の第2の界面に形成された第2の単位形状23aによって、第4の方向(SZ方向)に微少に拡散し、第3光学層23を透過して光学シート20の観察者側(−Y(SY)側)の面から出射する。
光学シート20を透過した映像光Lは、レンズ12(12A,12B)へ入射する。そして、レンズ12により、映像光Lが拡大され、観察者側(−Y(SY)側)へ出射する。
映像光Lは、光学シート20により第2の方向(SX方向)及び第4の方向(SZ方向)に微少に拡散させられる。そのため、レンズ12により画像が拡大されても、観察者の眼Eによって視認される画像には、図5に示すように、比較例の表示装置5の場合と比べて(図6(b)参照)、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを極力抑制することができ、鮮明な映像を表示することができる。
しかも、上述のように、映像源11と光学シート20との間には、十分な距離D1が設けられているので、映像光を適度に拡散させて非映像領域F2が目立って観察されることを抑制でき、かつ、画素領域G1及び非画素領域G2によるモアレ等の発生も十分抑制できる。
ここで、光学シート20の映像源11に対してのSX−SZ面内の回転方向における配置について説明する。
先にも述べたように、各画素は、間隔を空けて配置されており、この間隔部分を目立たなくするように、光学シート20が映像光を拡散させる。先の図2に示したように、本実施形態では、映像源11のX−Zの方向に対して、光学シート20のSX−SZの方向を角度θだけ傾けて配置している。多くの場合、この角度θは、0度、すなわち、光学シート20を映像源11に対して傾けて配置しなくても、良好な画像を観察することができる。しかし、映像源11は、多くの種類が想定され、また、光学シート20の具体的な形状も多くの種類が作製可能である。また、光学シート20の配置位置も、適宜設計変更が可能である。これら多くの組合せの中には、光学シート20に起因して、拡大観察される映像にわずかな色にじみが生じる場合がある。これは、互いに隣接する異なる発光色の画素からの光が、混色されて他の色として観察されることが主な原因であることが研究の結果、判明した。
この色にじみを解消する技術を様々検討した結果、図2に示したように、光学シート20を映像源11に対して傾けて配置することが有効であるとの結論に達した。光学シート20を映像源11に対して傾けて配置することにより、光学シート20による拡散方向が映像源11の各画素の配列方向と不一致となって、混色が抑制されて、色にじみを解消できる。
図7は、角度θと色にじみとの関係を評価した結果をまとめた図である。
図7の結果は、本実施形態の図2に示した角度θを徐々に変えて光学シート20を配置し、色にじみを実際に観察した結果である。評価は、本来白色となるように映像源11を発光させた状態で実際に目視で観察して行った。この結果から光学シート20は、θを5度から40度の範囲となるように配置することが望ましいことがわかる。また、光学シート20は、θを10度から15度、及び、30度から35度の範囲となるように配置することがより望ましいことがわかる。
そして、光学シート20をどの方向に配置すれば効果的であるかについて、さらに検討を行った結果、画素の配列において、同色の画素同士の距離とその方向が重要なパラメータの1つであることが判明した。具体的には、同色の画素同士の距離が近い部分ほど、色にじみに影響を及ぼすので、同色の画素同士の距離が近い順に、その向きを特定した。
図8は、映像源11の画素配列の例を示す図であって、緑(G)の画素の間隔について説明する図である。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイでは、通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の画素を多数配列した表示領域を備えている。図8に示した本実施形態の例は、ペンタイル(Pentile)配列の有機ELディスプレイの場合である。なお、図8中で、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の画素をそれぞれ、R,G,Bの文字を付した丸で表している。ペンタイル配列では、緑(G)の数が、赤(R)及び青(B)の数の2倍となっている。
本実施形態では、緑(G)が他の色よりも多く配置されていることから、緑(G)の画素同士の距離が最も近くなっている。
図8中には、ある緑(G)の画素を中心として、そこから他の緑(G)の画素までを半径とした円を二点鎖線で示した。また、中心とした画素から上記他の緑(G)の画素へ延ばした直線がX方向となす角度を併記した。
図8を参照すると、同一色の画素同士の距離が最も近接しているのは、距離Q1の方向であり、X方向とのなす角度は、0度の方向である。この方向を第1近接配列方向として規定する。なお、この距離Q1の方向は、90度回転した方向にも同様に存在している。
また、第1近接配列方向とは異なる方向であって、第1近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が近接している方向を第2近接配列方向として規定した場合、これは、距離Q2の方向であり、X方向とのなす角度は、45度の方向である。
さらに、第1近接配列方向及び第2近接配列方向とは異なる方向であって、第2近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第3近接配列方向として規定した場合、これは、Q3の方向であり、X方向とのなす角度は、26.6度の方向である。
さらに、第1近接配列方向及び第2近接配列方向及び第3近接配列方向とは異なる方向であって、第3近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第4近接配列方向として規定した場合、これは、赤(R)及び青(B)の画素に関するものとなる。
図9は、映像源11の画素配列の例を示す図であって、青(B)の画素の間隔について説明する図である。
第4近接配列方向となるのは、図9に示したQ4の方向あり、X方向とのなす角度は、18.4度の方向である。
なお、第2近接配列方向(Q2)と、第3近接配列方向(Q3)と、第4近接配列方向(Q4)についても、第1近接配列方向と同様に、90度回転した方向にも同様に存在している。
上述の第1近接配列方向(X方向からの角度=0度)、第2近接配列方向(X方向からの角度=45度)、第3近接配列方向(X方向からの角度=18.4度)、第4近接配列方向(X方向からの角度=26.6度)の方向のそれぞれに対して、第1の単位形状21aの第2の方向及び第2の単位形状23aの第4の方向が角度を持って配置されていることが色にじみを防止するためには望ましい。
図10は、角度θをどのような角度とすることが望ましいかを説明する図である。
図10の上方には、先の図7の評価結果をその下の角度スケールに対応して示している。また、図10の下方には、上述の第1〜第4近接配列方向を、先の角度スケールに対応して示している。
(条件1)
先ず、第1近接配列方向及び第2近接配列方向の付近では、目視評価の結果が非常によくない。そして、第1近接配列方向及び第2近接配列方向から5度離れた角度位置では、評価結果が△でまずまずの結果が得られている。よって、第1近接配列方向及び第2近接配列方向から5度以上離れた角度にθを設定することが望ましいといえる。よって、θは、5度から40度の範囲とすることが好ましい。
これを第1近接配列方向及び第2近接配列方向との関係で書き換えると以下のようになる。
第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)及び第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)は、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して5度以上の角度を持って配置することが好ましい。
(条件2)
また、第3近接配列方向及び第4近接配列方向に近い角度範囲では、目視評価の結果が好ましくない結果となっており、これらに近い角度のθとすることは、よくないことが分かる。また、上記条件1では許容した5度及び40度の角度位置であっても、若干の色にじみが発生しているので、この部分ももう少し余裕を持った方が望ましいと考えられる。
したがって、図10の中からより好ましい範囲として、6度から15.4度の範囲、及び、29.6度から39度の範囲が設定できる。
これを第1から第4近接配列方向との関係で書き換えると以下のようになる。
第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)及び第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)は、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して6度以上の角度を持って配置されており、かつ、第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)及び第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)は、第3近接配列方向及び第4近接配列方向に対して3度以上の角度を持って配置されていることが好ましい。
このような配置とすることにより、本実施形態の表示装置1は、色にじみの少ない、又は、色にじみのない、より良好な画像を表示可能である。
次に、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の製造方法について説明する。
上述したように、光学シート20の第1光学層21及び第3光学層23に設けられた第1の単位形状21a、第2の単位形状23aは、互いに同じ形状に形成されているため、まず、この凸状の単位形状に対応する凹形状が設けられた金型を使用して、単位形状が形成されたシート状部材を押出成形法や、射出成形法等により形成する。
それから、単位形状が形成されたシート状部材を、所定の寸法に裁断して、第1光学層21及び第3光学層23を得る。
このように、第1の単位形状21a及び第2の単位形状23aが同形状に形成されている場合、1枚のシート状部材から第1光学層21及び第3光学層23を同時に切り出すことができ、光学シート20の製造効率を向上させることができる。
続いて、第1光学層21の第1の単位形状21a側の面上に、第2光学層22を形成する樹脂を充填し、その樹脂と、第3光学層23の第2の単位形状23a側の面とを貼り合わせて、第1光学層21及び第3光学層23間に所定の距離を設けた状態で樹脂を硬化させる。このとき、第1光学層21及び第3光学層23は、第1の単位形状21aの延在方向と第2の単位形状23aの延在方向とが互いに交差(直交)するようにして配置される。
これにより、第1光学層21、第2光学層22、第3光学層23が順次積層された状態となる。さらに、第1光学層21の表面(第2光学層22側とは反対側の面)に、反射抑制層24を設けることにより、光学シート20が完成する。
以上より、本実施形態の表示装置1は、映像源11とレンズ12との間に、少なくとも2層以上の光学層を有し、各光学層間の界面に第1の単位形状21a,第2の単位形状23aが複数形成された光学シート20を備える。また、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aが界面に形成された隣接する光学層の第1の屈折率差Δn1,第2の屈折率差Δn2が、それぞれ0.005≦Δn1≦0.1、0.005≦Δn2≦0.1を満たす。さらに、映像源11の表示面11aから光学シート20の映像源側(+Y(SY)側)の面までの距離D1は、画素領域G1の配列ピッチdの100倍以上である。これにより、表示装置1は、映像源11から出射した映像光Lを微少に拡散することができ、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態の表示装置1は、上述のように、レンズ12よりも映像源側(+Y(SY)側)に光学シート20が位置する。したがって、映像源11が表示装置1(筐体30)から外された状態であったとしても、侵入した埃やごみ等の異物からレンズ12を保護することができ、異物によってレンズ12が破損したり汚れたりすることがない。さらに、光学シート20の映像源側表面が汚れたり曇ったりした場合等にも、単位形状を傷つけることなく、ふき取ることが可能である。
また、本実施形態の表示装置1は、映像源11と光学シート20とがY(SY)方向において一体となって移動可能であり、Y(SY)方向においてピント調整の等のために映像源11を動かした場合にも、映像源11と光学シート20との間の距離D1を一定としたままY(SY)方向に移動可能である。したがって、非画素領域G2に起因する非映像領域F2が観察者に視認されることを抑制する光学シート20の拡散効果を維持したままピント調整作業を行うことができる。
また、本実施形態の表示装置1は、光学シート20の映像源側(入光側、+Y(SY)側)の面に反射抑制層24を備え、レンズ12の映像源側の面に反射抑制層12aを備えているので、迷光を抑制し、映像の明るさやコントラストを向上できる。
また、本実施形態の表示装置1は、第1の単位形状21aが、凸状であって、光学シート20の厚み方向(Y(SY)方向)に直交するシート面(SX−SZ面)内のSZ方向(第1の方向)に延在し、シート面内のSZ方向に直交するSX方向(第2の方向)に配列され、光学シート20の厚み方向及び配列方向に平行な断面(SX−SY面)における断面形状が略円弧状に形成されている。同様に、第2の単位形状23aが、凸状であって、光学シート20の厚み方向(Y(SY)方向)に直交するシート面(SX−SZ面)内のSX方向に延在し、シート面内のSX方向に直交するSZ方向に配列され、光学シート20の厚み方向及び配列方向に平行な断面(SY−SZ面)における断面形状が円弧状に形成されている。これにより、表示装置1は、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aを通過する映像光を効率よく均等に拡散させることができる。
また、本実施形態の表示装置1は、光学シート20に入射角度0で入射した透過光における半値角αが0.05°≦α≦0.2°を満たし、最大輝度が1/20となる光学シート20の拡散角βが、β≦5×αを満たすようにして形成されている。これにより、映像源11から出射した映像光Lを微少に拡散することができ、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制する効果を高めることができる。
さらに、本実施形態の表示装置1は、光学シート20が3層以上の光学層を有しており、隣り合う光学層間の各界面に設けられた第1の単位形状21a及び第2の単位形状23aのシート面内における延在方向(Z方向、X方向)が、光学シート20の厚み方向から見て直交(交差)している。これにより、表示装置1は、映像源11から出射した映像光を複数の方向に拡散させることができ、映像源11の非画素領域が起因となる非映像領域をより効果的に目立たなくすることができる。
また、本実施形態の表示装置1は、光学シート20に関して、第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)及び第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)は、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して5度以上の角度を持って配置している。
さらに、本実施形態の表示装置1は、光学シート20に関して、第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)及び第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)は、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して6度以上の角度を持って配置されており、かつ、第1の単位形状21aの第2の方向(SX方向)及び第2の単位形状23aの第4の方向(SZ方向)は、第3近接配列方向及び第4近接配列方向に対して3度以上の角度を持って配置されている。
このような配置とすることにより、本実施形態の表示装置1は、映像源の画素間に存在する非画素領域が起因となる非映像領域が視認されてしまうことを抑制した上で、色にじみのないより良好な画像を表示可能である。
なお、第1光学層21の第1の単位形状21a及び第3光学層23の第2の単位形状23aの各配列方向や、各配列方向及び光学シート20の厚み方向に沿った断面での第1の単位形状21a,第2の単位形状23aの断面形状に関しては、上述の例に限らず、適宜変更してよい。
以下に、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の他の形態について説明する。
図11は、光学シート20の別の形態を説明する図である。図11(a)は、厚み方向(Y(SY)方向)に平行であって、SX方向に平行な断面(SX−SY断面)における断面図であり、図11(b)は、厚み方向(Y(SY)方向)に平行であってSZ方向に平行な断面(SY−SZ断面)における断面図である。
先の図3に示した光学シート20は、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aは、その断面形状が略円弧状に形成されていたが、これに限定されるものでない。
例えば、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aは、その断面形状が図11に示すように断面形状が略三角形状、いわゆるプリズム形状に形成されている。ここで、略三角形状とは、二等辺三角形や、正三角形等を含む三角形状だけでなく、三角形状の頂部が曲面や平面に面取りされた形状や、三角形状の斜面が微小に湾曲された形状等も含むものをいう。
光学シート20をこのような形態としても、上述の実施形態と同様に、映像源11から出射した映像光を微少に拡散させ、図4に示すように、その拡散された映像光によって、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
また、光学シート20を配置する向きを、先に説明した角度θの値を適切な範囲となるようにすることにより、色にじみを防止できる。
図12は、光学シート20に設けられる第1の単位形状21aの別の形態を示す図である。図12の各図は、それぞれ図11(a)のa部を拡大した図に相当するものであるが、第1の単位形状21aの形状が図11とは異なっている。図12は、第1光学層21の第1の単位形状21aの別の形態について図示するが、第3光学層23の第2の単位形状23aについても同様である。
例えば、図12(a)に示すように、同断面における三角形状の頂部が曲面S1により形成される形態としてもよいし、図12(b)に示すように、三角形状の頂部が平坦面S2により形成される形態としてもよい。
また、図12(c)に示すように、同断面における三角形状の斜面が平坦な面ではなく微少に湾曲した曲面S3、S4により形成されるようにしてもよい。
各単位形状を上述のような形態とした光学シートは、図3に示す光学シートと同様の効果を奏することができる。
図13は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の他の形態を説明する図である。図13(a)は、光学シート20の水平面(SX−SY面)に平行な断面における断面図であり、図13(b)は、図13(a)のb部断面図である。図13(c)は、図13(a)のc部詳細を示す図であり、図13(d)は、図13(b)のd部詳細を示す図である。
図13に示す光学シート20は、第1光学層21及び第2光学層22の界面に凸状の第1の単位形状21aが複数形成され、第2光学層22及び第3光学層23の界面に凸状の第2の単位形状23aが複数形成されている。
第1光学層21の観察者側(−Y(SY)側)の面には、図13(a)に示すように、第1の単位形状21aと平坦部21bとが交互に設けられている。この第1の単位形状21a及び平坦部21bは、第1光学層21の観察者側の面に沿うようにして、SZ方向に延在し、SX方向に複数配列されている。
また、第3光学層23の映像源側(+Y(SY)側)の面は、図13(b)に示すように、第2の単位形状23aと平坦部23bとが交互に複数形成されている。この第2の単位形状23a及び平坦部23bは、第3光学層23の映像源側の面に沿うようにして、SX方向に延在し、SZ方向に複数配列されている。
第3光学層23に設けられた第2の単位形状23a及び平坦部23bは、その延在方向(SX方向)が、上述の第1光学層21に設けられた第1の単位形状21a及び平坦部21bの延在方向(SZ方向)と交差(直交)している。
図13に示す他の形態の光学シート20において、第1の単位形状21aは、図13(c)に示すように、第1光学層21の観察者側の面(−Y(SY)側の面)から凸となり、SX−SY断面における断面形状が略円弧状になるように形成されている。ここで、略円弧状とは、真円の円弧だけでなく、楕円や長円等の一部を含む曲線状の形状を含むものをいう。
図13に示す光学シート20では、第1の単位形状21aは、円弧状に形成されており、その曲率半径がR1であり、SX方向における幅寸法がW1である。第1の単位形状21a(平坦部21b)のSX方向における配列ピッチはP1である。
同様に、第2の単位形状23aは、図13(d)に示すように、第3光学層23の映像源側の面(+Y(SY)側の面)から凸となり、SY−SZ断面における断面形状が略円弧状に形成されている。図13に示す光学シート20では、第2の単位形状23aは、円弧状に形成されており、その曲率半径がR2であり、SZ方向における幅寸法はW2である。第2の単位形状23a(平坦部23b)のSZ方向における配列ピッチは、P2である。
さらに、第1光学層21及び第3光学層23に設けられた各単位形状及び各平坦部は、それぞれ同等の寸法に形成されており、例えば、W1=W2=0.1mm、P1=P2=0.24mm、R1=R2=0.5mmである。
図13に示す光学シート20では、第1の単位形状21aの配列ピッチP1及び第2の単位形状23aの配列ピッチP2は、0.1mm≦P1≦0.5mm、0.1mm≦P2≦0.5mmを満たすことが好ましい。
仮に、配列ピッチP1,P2が0.1mm未満である場合、単位形状の配置間隔が細かくなりすぎてしまい、回折光の影響が大きくなり、映像が不鮮明になるので望ましくない。また、単位形状の製造も困難となる。
また、仮に、P1、P2が0.5mmよりも大きい場合、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aの配置間隔が粗くなりすぎてしまい、観察者に非映像領域F2が視認されやすくなるため望ましくない。
また、図13に示す光学シート20において、第1光学層21と第2光学層22との第1の屈折率差Δn1、第2光学層22と第3光学層23との第2の屈折率差Δn2は、前述の実施形態と同じ範囲であることが好ましい。
図12に示す光学シート20は、映像源11から出射され、光学シート20の映像源側の面から入射した光のうち、平坦部21b、平坦部23bを透過した光を直接観察者側に出射させるとともに、第1の単位形状21aに入射した光をSX方向へ拡散させ、また、第2の単位形状23aに入射した光をSZ方向に拡散させて、レンズ12側へ出射させることができる。
これにより、表示装置1は、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを抑制することができる。特に、平坦部21b、平坦部23bを透過した光は、ほとんど拡散されないため、このような形態とすることにより、観察者に届く映像光をより鮮明に表示することができる。
また、光学シート20を配置する向きを、先に説明した角度θの値を適切な範囲となるようにすることにより、色にじみを防止できる。
図14は、図13に示す他の形態の光学シート20の輝度と拡散角との関係を示す図である。
上述の効果を効果的に奏するために、図13に示す光学シート20は、図14(a)に示すように、映像源側から入射角度0°で入射して観察者側から出射した透過光のSX方向及びSZ方向における拡散角が−0.1°以上0.1°以下の範囲において、光の輝度が最大輝度に近い状態であるとともに、同拡散角が0.1°以上0.3°以下と、−0.3°以上−0.1°以下との範囲においても所定の輝度を維持するようにして形成される。
具体的には、SX方向及びSZ方向における拡散角が−0.1°以上0.1°以下の範囲の透過光量が、それぞれ光学シート20を透過する全透過光量の30%以上となり、また、SX方向及びSZ方向における拡散角が−0.3°以上0.3°以下の範囲の透過光量が、それぞれ光学シート20を透過する全透過光量の95%以上となるように形成されている。
さらに、図13に示す光学シート20のSX方向及びSZ方向における拡散角が0.1°以上0.3°以下の範囲の透過光量が、光学シート20を透過する全透過光量の20%以上となり、拡散角が−0.3°以上−0.1°以下の範囲の透過光量が、光学シート20を透過する全透過光量の20%以上となるように形成されている。
ここで、光学シート20の拡散角とは、光の輝度が最大値となる光学シート20のシート面の観察位置から、SX方向及びSZ方向における観察角度をいう。
このように、図13に示す光学シート20の特定の拡散角の範囲における透過光量を規定することによって、本実施形態の表示装置1は、映像源11から出射した映像光のうち、平坦部21b,23bに入射した光をほとんど拡散させることなく透過させるとともに、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aに入射した光をSZ方向やSX方向に微少に拡散させることができる。
これにより、表示装置1は、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを抑制することができる。特に、平坦部21b,23bを透過した光はほとんど拡散されないため、このような光学シート20を用いることにより、より鮮明な映像を観察者に届けることができ、映像のぼやけが生じてしまうことを極力抑制することができる。
仮に、拡散角が−0.1°以上0.1°以下における透過光量が、図13に示す光学シート20を透過する全透過光量の30%未満となる場合、観察者側に届く光量が少なくなりすぎてしまい、映像の鮮明さが失われ、ぼやけてしまうので望ましくない。
また、拡散角が−0.3°以上0.3°以下における透過光量が、図13に示す光学シート20を透過する全透過光量の95%未満となる場合、観察者側に届く映像の光量が少なくなりすぎてしまい、映像が暗くなってしまうので望ましくない。
さらに、拡散角が0.1°以上0.3°以下における透過光量と、拡散角が−0.3°以上−0.1°以下における透過光量とが、それぞれ図13に示す光学シート20を透過する全透過光量の20%未満となる場合、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aによる映像光の微少な拡散が少なくなりすぎてしまい、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ちやすくなってしまうので望ましくない。
さらに、図13に示す他の形態の光学シート20では、光学シート20のSX方向及びSZ方向における拡散角が−0.1°以上0.1°以下の範囲の透過光量が、光学シート20を透過する全透過光量の30%以上であり、拡散角が0.5×sin−1(d/D2)以上、5×sin−1(d/D2)以下の範囲の透過光量が、全透過光量の20%以上であり、拡散角が−5×sin−1(d/D2)以上、−0.5×sin−1(d/D2)以下の範囲の透過光量が、全透過光量の20%以上である場合においても、上述と同様の効果を奏することができる。
すなわち、表示装置1は、映像源11から出射した映像光をSZ方向やSX方向に微少に拡散することができ、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。また、表示装置1の仕様(画素の配列ピッチdや、観察者の眼Eと表示面11aとの距離D2)に合わせて、適宜、特定の拡散角の範囲を規定することができるので、より効率よく鮮明な映像の表示と、非映像領域F2の視認の抑制とを実現することができる。
また、光学シート20を配置する向きを、先に説明した角度θの値を適切な範囲となるようにすることにより、色にじみを防止できる。
図15、図16、図17は、図13に示す光学シート20の別の形態を説明する図である。図15(a)、図16(a)、図17(a)は、それぞれ図13(a)に対応する図であり、また、図15(b)、図16(b)、図17(b)は、それぞれ図13(b)に対応する図である。
図13に示す他の形態の光学シート20において、第1の単位形状21aは、例えば、図15に示すように、第1光学層21の観察者側(−Y(SY)側)の面から凸となり、SX−SY断面における断面形状が三角形状に形成され、第2の単位形状23aが、第3光学層23の映像源側(+Y(SY)側)の面から凸となり、SY−SZ断面における断面形状が三角形状である形態としてもよい。
また、第1の単位形状21a,第2の単位形状23aは、凸状ではなく、凹状であってもよい。
例えば、図16に示すように、第1の単位形状21aは、第1光学層21の観察者側(−Y(SY)側)の面から窪んだ凹状であり、そのSX−SY断面における断面形状は、円弧状に形成された2つの凸面がSX方向において互いに対向する形態としてもよい。
同様に、第2の単位形状23aは、第3光学層23の映像源側(+Y(SY)側)の面から窪んだ凹状であり、そのSX−SY断面における断面形状は、円弧状に形成された2つの凸面がSZ方向において互いに対向する形態としてもよい。
さらに、図17に示すように、SX−SY断面における断面形状が三角形状であって、第1光学層21の観察者側の面(−Y(SY)側の面)から窪んだ凹状である第1の単位形状21aと、SY−SZ断面における断面形状が三角形状であって、第3光学層23の映像源側の面(+Y(SY)側の面)から窪んだ凹状である第2の単位形状23aを備える形態としてもよい。
上述のような凸状又は凹状の形態としても、表示装置1は、映像源11から出射された光のうち、平坦部21b、平坦部23bを透過した光をほとんど拡散させることなく観察者側に出射させるとともに、第1の単位形状21aに入射した光をSX方向へ微少に拡散させ、また、第2の単位形状23aに入射した光をSZ方向に微少に拡散させて観察者側へ出射させることができる。
これにより、表示装置1は、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2が目立って観察されることを抑制することができる。
また、光学シート20を配置する向きを、先に説明した角度θの値を適切な範囲となるようにすることにより、色にじみを防止できる。
図18は、光学シート20の別の形態を説明する図である。図18(a)は、厚み方向(Y(SY)方向)に平行であって、左右方向(SX方向)に平行な断面(SX−SY断面)における断面図であり、図18(b)は、厚み方向(SY方向)に平行であって鉛直方向(SZ方向)に平行な断面(SY−SZ断面)における断面図である。図18(c)は、第1光学層21を観察者側(−Y(SY)側)の面から見た斜視図である。
光学シート20は、図18に示すように、第1光学層21及び第2光学層22の2層から構成される形態とし、第1光学層21の観察者側(−Y(SY)側)の面に略四角錐形状の単位形状21aが、鉛直方向及び左右方向に複数隙間なく配列されるようにしてもよい。ここで、略四角錐形状とは、完全な四角錐の形状だけでなく、四角錐の頂部が曲面や平面に面取りされた形状や、四角錐の各三角形状の斜面が微小に湾曲された形状等も含むものをいう。
光学シート20を図18に示す形態としても、映像源11から出射した映像光を微少に拡散させ、その拡散された映像光によって、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。また、上述の図3に示す光学シート20や図13に示す光学シート20等に比べて層構成を減らすことができ、光学シート20を薄型化したり、軽量化したりすることが可能となる。さらに、光学シート20をより容易に安価に製造することも可能となる。
また、光学シート20を配置する向きを、先に説明した角度θの値を適切な範囲となるようにすることにより、色にじみを防止できる。
図19は、光学シート20の別の形態を説明する図である。図19は、図2と同様な方向から見た図である。
光学シート20は、左右の目それぞれに対応して独立して設ける必要はなく、例えば、図19(a)に示すように、左右それぞれの領域の間を繋げた異形の形状としてもよい。また、光学シート20は、図19(b)に示したように長方形形状としてもよい。このような形状とすれば、光学シート20のSX方向及びSZ方向をX方向及びZ方向に対して所定の角度θだけ傾けて配置することが容易になる。なお、図19のような形態にしても、対称形状になっているので、光学シート20の方向を示す指標を設けたり、非対称形状にしたりしてもよい。
図20は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1の他の形態を説明する図である。
図20に示すように、光学シート20をレンズ12よりも観察者側(−Y側)に配置してもよい。このような配置を採用しても、表示装置1は、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2が目立って観察されることを抑制することができる。
また、光学シート20を配置する向きを、先に説明した角度θの値を適切な範囲となるようにすることにより、色にじみを防止できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態等に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、第1の単位形状21aが配列されている第2の方向と、第2の単位形状23aが配列されている第4の方向との双方を、第1近接配列方向及び第2近接配列方向等に対して角度を持って配置する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第2の方向のみを第1近接配列方向及び第2近接配列方向等に対して角度を持って配置し、第4の方向については、第1近接配列方向又は第2近接配列方向と同一の方向としてもよい。このような場合であっても、色にじみを防止する効果を得ることが可能である。
(2)本実施形態等において、第1の単位形状21aが延在する第1の方向と、第2の単位形状23aが延在する第3の方向とは、直交している例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第1の単位形状21aが延在する第1の方向と、第2の単位形状23aが延在する第3の方向とが90度以外の角度を持って交差する構成としてもよい。その場合であっても、第1の単位形状21aが配列されている第2の方向と、第2の単位形状23aが配列されている第4の方向を、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して5度以上の角度を持って配置すれば、色にじみを抑えることが可能である。
また、第2の方向及び第4の方向を、第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して6度以上の角度を持って配置し、第2の方向及び第4の方向を、第3近接配列方向及び第4近接配列方向に対して3度以上の角度を持って配置すれば、色にじみを抑える効果をさらに高めることができる。
(3)本実施形態等において、光学シート20のシート面内における回転方向の位置を映像源11に対して規定するための位置決め形状(20a,321a)を備えた例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、光学シート及び保持部に、位置決め指標を設けてもよい。
(4)本実施形態において、光学シート20は、2種類の単位光学形状を備えて、2方向の拡散を行う例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、1種類のみ、すなわち、一方向のみの拡散を行う形態としてもよいし、3種類以上(3方向以上)に拡散を行う形態としてもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 表示装置
5 表示装置(従来)
11 映像源
11a 表示面
12 レンズ
12A レンズ
12B レンズ
12a 反射抑制層
20 光学シート
20A 光学シート
20B 光学シート
20a 凸部
21 第1光学層
21a 第1の単位形状
21b 平坦部
22 第2光学層
23 第3光学層
23a 第2の単位形状
23b 平坦部
24 反射抑制層
30 筐体
31 保持部
32 保持部
33 保持部
51 映像源
52 レンズ
311 開口部
321 開口部
321a 凹部
331 開口部

Claims (6)

  1. 映像光を出射する映像源と、
    前記映像光を拡大して観察者側へ出射するレンズと、
    前記映像源及び前記レンズ間、又は、前記レンズの観察者側に配置される光学シートと、
    を備え、
    前記光学シートは、凸状又は凹状に形成されている単位形状を有し、
    前記単位形状は、少なくとも光学シートの厚み方向に直交するシート面内の特定の配列方向に配列されており、
    前記映像源は、複数色の画素が並べて配置されて構成されており、
    同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第1近接配列方向として規定し、
    前記第1近接配列方向とは異なる方向であって、前記第1近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が近接している方向を第2近接配列方向として規定した場合、
    前記特定の配列方向は、前記第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して5度以上の角度を持って配置されている、表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記第1近接配列方向及び前記第2近接配列方向とは異なる方向であって、前記第2近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第3近接配列方向として規定し、
    前記第1近接配列方向及び前記第2近接配列方向及び前記第3近接配列方向とは異なる方向であって、前記第3近接配列方向の次に同一色の画素同士の距離が最も近接している方向を第4近接配列方向として規定した場合、
    前記特定の配列方向は、前記第1近接配列方向及び第2近接配列方向に対して6度以上の角度を持って配置されており、
    前記特定の配列方向は、前記第3近接配列方向及び第4近接配列方向に対して3度以上の角度を持って配置されていること、
    を特徴とする表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
    前記光学シートは、
    2つの層間の界面である第1の界面に凸状又は凹状に形成されている第1の単位形状と、
    前記第1の界面とは異なる2つの層間の界面である第2の界面に凸状又は凹状に形成されている第2の単位形状と、
    を有しており、
    前記第1の単位形状は、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面内の第1の方向に延在し、前記第1の方向に直交する第2の方向に配列されており、
    前記第2の単位形状は、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面内の第3の方向に延在し、前記第3の方向に直交する第4の方向に配列されており、
    前記特定の配列方向は、前記第2の方向及び前記第4の方向であること、
    を特徴とする表示装置。
  4. 請求項3に記載の表示装置において、
    前記第1の界面において隣接する層の屈折率の差である第1の屈折率差Δn1が、0.005≦Δn1≦0.1を満たしており、
    前記第2の界面において隣接する層の屈折率の差である第2の屈折率差Δn2が、0.005≦Δn2≦0.1を満たしていること、
    を特徴とする表示装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の表示装置において、
    前記光学シートを保持する保持部を備えており、
    前記光学シートのシート面内における回転方向の位置を前記映像源に対して規定するための位置決め形状又は位置決め指標を前記光学シートと前記保持部との少なくとも一方に備えること、
    を特徴とする表示装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の表示装置において、
    前記光学シートと前記映像源との間の距離は、前記画素の配列ピッチの100倍以上であること、
    を特徴とする表示装置。
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