JP2018063267A - ナビゲーション装置 - Google Patents

ナビゲーション装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018063267A
JP2018063267A JP2018005088A JP2018005088A JP2018063267A JP 2018063267 A JP2018063267 A JP 2018063267A JP 2018005088 A JP2018005088 A JP 2018005088A JP 2018005088 A JP2018005088 A JP 2018005088A JP 2018063267 A JP2018063267 A JP 2018063267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
information
estimated
position information
acquired
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018005088A
Other languages
English (en)
Inventor
裕昭 柴▲崎▼
Hiroaki Shibazaki
裕昭 柴▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
Priority to JP2018005088A priority Critical patent/JP2018063267A/ja
Publication of JP2018063267A publication Critical patent/JP2018063267A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Instructional Devices (AREA)
  • Navigation (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】ユーザが他の移動体を表示上で見失うあるいは他の移動体が停止したと誤認識す
るのを防止する。
【解決手段】車載システムSは、無線通信を介して受信された情報より他車両Vの現実位
置情報を取得する取得部102と、取得された現実位置情報を蓄積するRAM12bと、
取得部102によって情報が取得できなくなった場合に、蓄積された現実位置情報を用い
て他車両Vの車速及び走行方向を推定し、直前に取得された現実位置情報と、推定された
推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づいて、他車両Vの現在位置を推定する推定部
103と、取得された現実位置情報又は推定された推定位置情報に基づいて他車両Vの現
在位置を表示するディスプレイ2とを備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、無線通信を介して受信された情報に基づき他の移動体の現在位置を表示する
ナビゲーション装置に関する。
例えば特許文献1には、車車間通信を利用して他の移動体と情報の送受信を行う技術が
開示されている。
特開2004−164315号公報
車車間通信による通信可能範囲は、ビルなどの障害物の有無や移動体同士の位置関係に
応じて大きく変動する。したがって、車車間通信により他の移動体の位置情報を取得して
、継続的にその移動する他の移動体の位置を、ディスプレイ等の表示手段に表示している
電子地図に重畳して表示している最中に、通信が途切れる可能性がある。この場合、位置
情報の取得が途切れることになり、他の移動体の位置表示を更新できずに停止した状態と
なるので、ユーザが他の移動体を表示上で見失ったり、実際には移動しているにもかかわ
らず他の移動体が停止したと誤認識されるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、無線通信を介して受信された情報
より他の移動体の位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報を蓄積する蓄
積手段と、前記取得手段によって情報が取得できなくなった場合に、前記蓄積された位置
情報を用いて前記他の移動体の車速及び走行方向を推定し、直前に取得された位置情報と
、前記推定された車速情報及び走行方向情報とに基づいて、前記他の移動体の現在位置を
推定する推定手段と、前記取得された位置情報又は前記推定された位置情報に基づいて前
記他の移動体の現在位置を表示する表示手段と、を備えた。
また上記課題を解決するために、請求項2記載の発明は、無線通信を介して受信された
情報より他の移動体の位置情報、車速情報ならびに走行方向情報を取得する取得手段と、
移動体が走行する道路形状に関する情報を記憶した記憶手段と、前記取得手段によって情
報が取得できなくなった場合に、直前に取得された位置情報、車速情報ならびに走行方向
情報と、当該位置情報に対応する前記道路形状に関する情報とに基づいて、前記他の移動
体の現在位置を推定する推定手段と、前記取得された位置情報又は前記推定された位置情
報に基づいて前記他の移動体の現在位置を表示する表示手段と、を備えた。
また上記課題を解決するために、請求項3記載の発明は、無線通信を介して受信された
情報より他の移動体の位置情報及び車速情報を取得する取得手段と、前記取得された位置
情報を蓄積する蓄積手段と、前記取得手段によって前記他の移動体の情報が取得できなく
なった場合に、前記蓄積された位置情報を用いて前記他の移動体の走行方向を推定すると
共に、当該他の移動体と同一道路を同一方向に走行する現在継続的に通信が行えているか
又は前記他の移動体よりも近い時刻に通信が行えた第三の移動体の車速情報を用いて前記
他の移動体の車速を推定し、直前に取得された前記他の移動体の位置情報と、前記推定さ
れた車速情報及び走行方向情報とに基づいて、前記他の移動体の現在位置を推定する推定
手段と、前記取得された位置情報又は前記推定された位置情報に基づいて前記他の移動体
の現在位置を表示する表示手段と、を備えた。
また上記課題を解決するために、請求項4記載の発明は、無線通信を介して受信された
情報より他の移動体の位置情報及び当該位置情報に対応する渋滞情報を取得する取得手段
と、前記取得された位置情報を蓄積する蓄積手段と、前記取得手段によって情報が取得で
きなくなった場合に、前記蓄積された位置情報を用いて前記他の移動体の現在位置を推定
する推定手段と、前記取得された位置情報又は前記推定された位置情報に基づいて前記他
の移動体の現在位置を表示する表示手段と、を有し、前記推定手段は、前記取得された渋
滞情報に基づく前記他の移動体の走行する道路の渋滞の有無に応じて推定方法を変更する
本発明のナビゲーション装置の第1実施形態である車載システムを搭載した複数の車両の一例を示す図である。 各車両の電子系統のハードウェア構成例を示すブロック図である。 各車両の車載システムにおけるCPUが記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することで発揮される制御部10の機能構成例を示す機能ブロック図である。 自車両及び他車両の移動に伴う、自車両の車載システムにおけるディスプレイに表示される電子地図上での自車両及び他車両の位置の表示の推移を表す説明図である。 自車両及び他車両の移動に伴う、自車両の車載システムにおけるディスプレイに表示される電子地図上での自車両及び他車両の位置の表示の推移を表す説明図である。 自車両及び他車両の移動に伴う、自車両の車載システムにおけるディスプレイに表示される電子地図上での自車両及び他車両の位置の表示の推移を表す説明図である。 自車両及び他車両の移動に伴う、自車両の車載システムにおけるディスプレイに表示される電子地図上での自車両及び他車両の位置の表示の推移を表す説明図である。 自車両及び他車両の移動に伴う、自車両の車載システムにおけるディスプレイに表示される電子地図上での自車両及び他車両の位置の表示の推移を表す説明図である。 自車両の車載システムにおけるCPUにより実行される処理の手順例を示すフローチャートである。 ステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。 第2実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。 第3実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。 第4実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。 第5実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明のナビゲーション装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のナビゲーション装置の第1実施形態である車載システムを搭載した複
数の車両の一例を示す図である。
図1に示すように、複数の車両V(移動体に相当)はそれぞれ、車載装置100を含む
車載システムSを搭載する。各車両Vの車載システムS(ナビゲーション装置に相当)は
、無線通信を介して他の車両V(以下では適宜「他車両V」という)の車載システムSと
の間で互いに情報を送受信することが可能である。また、各車両Vの車載システムSは、
無線通信を介して他車両Vの車載システムSから送信された情報に基づき、当該他車両V
の現在位置を表示することが可能である。図1では2台の車両Vを示しているが、もっと
多くの車両V同士が通信を行えるようにしてもよい。
図2は、各車両Vの電子系統のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、各車両Vは、車載装置100、ディスプレイ2、無線通信アンテナ
3、車速センサ4、ブレーキスイッチ5、ウィンカースイッチ6、車載カメラ7、GPS
8、及び走行方向センサ9を含む車載システムSを有する。車載装置100は、制御部1
0、グラフィックコントローラ13、及び無線通信制御部14を有する。
制御部10は、CPU11及び記憶装置12を備える。CPU11は、記憶装置12に
記憶された所定のプログラム(後述の図9のフローに示す処理を実行するプログラムを含
む)を実行することで各種の処理を行うと共に、他の各部との間で情報の交換や各種の制
御指示を出力することで、車載装置100全体を制御する機能を有する。
記憶装置12は、ROM12a、RAM12b、及び記憶媒体12cを備える。ROM
12aは、各種のプログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である
。RAM12b(蓄積手段に相当)は、CPU11が上記各種のプログラムを実行する上
で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。記憶媒体12cは
、例えばフラッシュメモリやハードディスクなどの不揮発性の情報記憶媒体である。この
記憶媒体12cは、地図データ等の各種の情報を記憶している。
グラフィックコントローラ13は、CPU11の制御によりビデオRAM(図示せず)
などから画像データを取得し、この画像データに基づく画像をディスプレイ2に表示させ
る機能を有する。
ディスプレイ2(表示手段に相当)は、例えばLCDパネルなどで構成され、グラフィ
ックコントローラ13から入力された画像信号に基づき、各種の情報画像を表示する。例
えば、ディスプレイ2は、CPU11の制御に基づくグラフィックコントローラ13の制
御により、記憶媒体12cに記憶された地図データに基づき、公知のナビゲーションシス
テムによる電子地図EM(後述の図4(b)等参照)を表示する。また、ディスプレイ2
は、CPU11の制御に基づくグラフィックコントローラ13の制御により、表示した電
子地図EM上に、自己の車両V(以下では適宜「自車両V」という)の現在位置や他車両
Vの現在位置を表示する。なお、ディスプレイ2は、表示した電子地図EM上に、他車両
Vの現在位置を表示すればよく、自車両Vの現在位置を表示しなくてもよい。
無線通信制御部14は、無線通信アンテナ3を介した無線通信により、他車両Vの車載
システムSなどとの情報の送受信を制御する機能を有する。
無線通信アンテナ3は、自車両Vの室外に取り付けられ、無線通信制御部14から入力
された情報信号の発信と、他車両Vの車載システムSなどから受信した情報信号の無線通
信制御部14への出力とを行う。
車速センサ4は、自車両Vの車速(走行速度)を検出する機能を有する。以下では適宜
、車速センサ4により検出された車速情報を「現実車速情報」という。CPU11は、こ
の車速センサ4の検出信号、つまり現実車速情報に基づき、その時点で自車両Vがどのく
らいの速度で走行しているかを認識できる。
ブレーキスイッチ5は、自車両Vのブレーキが所定量以上踏み込まれて作動状態に入っ
ているか否か、つまり自車両Vが制動操作による減速中の状態であるか否かを検出する機
能を有する。
ウィンカースイッチ6は、自車両Vの右方向又は左方向いずれか一方のウィンカー操作
の有無を検出する機能を有する。
車載カメラ7は、例えばCCD撮像素子などを利用して、自車両Vからの撮像方向の風
景画像を撮像し、対応する画像信号をCPU11へ出力する機能を有する。なお、車載カ
メラ7は、赤外線センサやレーダーなどでもよい。
GPS8は、自車両Vの現在位置の測位を行い、緯度及び経度で表記した位置情報を取
得すると共に、CPU11へ出力する機能を有する。以下では適宜、GPS8により取得
された位置情報を「現実位置情報」という。
走行方向センサ9は、例えばジャイロセンサ9などで構成され、自車両Vの走行方向(
走行方位)を検出する機能を有する。以下では適宜、走行方向センサ9により検出された
走行方向情報を「現実走行方向情報」という。CPU11は、この走行方向センサ9の検
出信号、つまり現実走行方向情報に基づき、その時点で自車両Vがどの方向に走行してい
るかを認識できる。
なお、車載システムSは、上記車速センサ4、ブレーキスイッチ5、ウィンカースイッ
チ6、車載カメラ7、及び走行方向センサ9のうちの1以上を備えていなくてもよい。ま
た、車載システムSは、上記以外のハードウェアを備えていてもよい。
図3は、各車両Vの車載システムSにおけるCPU11が記憶装置12に記憶された所
定のプログラムを実行することで発揮される制御部10の機能構成例を示す機能ブロック
図である。
図3に示すように、制御部10は、送受信部101、取得部102、及び推定部103
を備える。
送受信部101は、無線通信を介して他車両Vの車載システムSとの間で情報の送受信
を行う。送受信部101の主要な機能の1つは、他車両Vの車載システムSに、自車両V
にユニークに付与された識別情報(以下では適宜「車両ID」という)及びGPS8から
入力された自車両Vの現実位置情報を少なくとも含む情報を送信すると共に、他車両Vの
車載システムSから情報を受信することである。なお、識別情報はユニークに付与されて
いるものの固有と限るものではない。例えば、車両VのエンジンのONからOFFの間に
限り一時的な識別情報が割り振られるようにし、次のエンジンONのときには再度これま
でとは違う識別情報が割り振られるようにする。一時的であってもランダム等変化をつけ
て識別情報を付与することでそれと同様にして識別情報が付与された周囲を走行する他車
両Vとの識別が可能となる。ユニークであるが100%を保障するものでなくてもよい。
また、以降の説明では適宜、他車両Vの車載システムSに情報を送信することを「他車両
Vに情報を送信する」、他車両Vの車載システムSから情報を受信することを「他車両V
から情報を受信する」という。なお、送受信部101が他車両Vに送信する情報には、例
えば、車速センサ4から入力された自車両Vの現実車速情報や、走行方向センサ9から入
力された自車両Vの現実走行方向情報、自車両Vの加減速情報などの自車両Vの車両ID
及び現実位置情報以外の情報が含まれていてもよい。送受信部101からの他車両Vへの
情報の送信は、この例では、第1所定期間(例えば100msec)ごとに繰り返して行
われる。具体的には、送受信部101からの他車両Vへの情報の送信は、第1所定期間内
のいずれかタイミング(例えば0〜100msec間内のいずれかのタイミング)で行わ
れることが繰り返して行われる。また、送受信部101は、他車両V以外の設備(例えば
信号機など)から情報を受信することも可能である。なお、他車両Vは1台とは限らず複
数の車両V同士が相互に同様の通信を行えるようにしてもよい。複数の車両V同士が通信
を行える方式は一つに限るものではないが、複数の車両Vと同時に通信が行える方式でも
よいし、例えば時分割通信方式のように、送信側は他が通信を行っていない時分割スロッ
トを選択して送信を行い、受信側はそれぞれからの送信を受信順に受信処理をする方式で
もよい。
取得部102(取得手段に相当)は、送受信部101により1台以上の他車両Vから受
信された情報から他車両Vの現実位置情報などを抽出してそれぞれの他車両Vの車両ID
と関連付けて取得する。この取得部102により取得された他車両Vの現実位置情報など
は、RAM12bに蓄積される。この例では、当該他車両Vの現実位置情報などは、送受
信部101による情報の受信時刻(又は、取得部102による現実位置情報の取得時刻で
もよい)と関連付けられて、RAM12bに蓄積される。CPU11は、グラフィックコ
ントローラ13を制御し、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、この取得部1
02により取得された他車両Vの現実位置情報に基づく現在位置を表示させる。以下では
適宜、現実位置情報に基づく現在位置を「現実位置」という。そして、送受信部101に
より1台以上の他車両Vから情報が継続して受信され、取得部102により1台以上の他
車両Vの現実位置情報が継続して取得される間は、CPU11は、グラフィックコントロ
ーラ13を制御し、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、当該他車両Vの現実
位置を更新表示させる。なお、情報が継続して受信される(現実位置情報が継続して取得
される)状態とは、この例では、直前の情報の受信時刻から後述する第2所定期間が経過
するまでの間に再び送受信部101により情報が受信される(取得部102により現実位
置情報が取得される)ことが繰り返される状態をいう。また、現実位置を更新表示させる
ときには、現実位置の表示を一旦消失させて新たに現実位置を表示させてもよいし、現実
位置の表示を移動させてもよいし、それまでの位置の軌跡とともに新たに現実位置を表示
するようにしてもよい。
推定部103(推定手段に相当)は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に1
台以上の他車両Vの現実位置が表示されている最中に、そのうちの1台以上の他車両Vか
ら情報の受信が途切れ、取得部102により当該他車両Vの現実位置情報が第2所定期間
以上取得できなくなった場合に、それ以降の当該他車両Vの現在位置を推定し、対応する
位置情報を生成する。以下では適宜、推定部103により生成された位置情報を「推定位
置情報」という。なお、情報の受信が途切れた場合とは、この例では、直前の情報の受信
時刻から第2所定期間が経過してもまだ送受信部101により情報が受信されていない状
態となった場合をいう。推定位置情報は当該他車両Vそれぞれの車両IDと関連付けて用
いてもよい。また、生成した推定位置情報を当該他車両Vそれぞれの車両IDと関連付け
て記憶するようにしてもよい。
第2所定期間は、ユーザが適宜の期間に設定可能であり特に限定されないが、本実施形
態では、送受信部101により情報が受信されて取得部102により現実位置情報が取得
されてから、本来であれば次の情報が受信されて次の現実位置情報が取得されるまでの期
間に設定されている場合について説明する。なお、上述したように、送受信部101から
の他車両Vへの情報の送信は第1所定期間内のいずれかタイミングで行われているので、
第1所定期間(例えば100msec)を2倍した期間(例えば200msec)を第2
所定期間に設定してもよい。
また、上記のような情報の受信が途切れて現実位置情報が第2所定期間以上取得できな
くなる要因としては、例えば、他車両Vとの間に無線通信を障害するビルなどの障害物が
存在するために無線通信を可能な通信可能範囲が短縮したり、他車両Vとの距離が相対的
に大きくなったなどにより、他車両Vが通信可能範囲外に位置することになったことなど
が挙げられる。
本実施形態では、推定部103は、次のような手法を用いて、情報の受信が途切れて現
実位置情報が第2所定期間以上取得できなくなった他車両V(以下では適宜「情報の受信
が途切れた他車両V」という)の現在位置を推定する。
すなわち、まず、推定部103は、情報の受信が途切れた他車両Vについて、RAM1
2bに蓄積された当該他車両Vの連続する所定数の位置情報及びそれらに対応する所定数
の時刻情報を用いて、それ以降の車速及び走行方向を推定し、対応する車速情報及び走行
方向情報を生成する。以下では適宜、推定部103により生成された車速情報を「推定車
速情報」、推定部103により生成された走行方向速情報を「推定走行方向情報」という
。なお、他車両Vの位置情報に対応する時刻情報は、位置情報と共にRAM12bに蓄積
されている。
このとき、推定部103が推定する車速は、上記連続する所定数の位置情報に対応する
所定数の位置間の平均車速でもよいし、当該所定数の位置間の加減速を加味した車速でも
よし、これら以外でもよい。ここで、上記所定数の位置間の加減速を加味した車速を推定
する手法の一例について説明する。ここでは、連続する所定数の位置情報に対応する所定
数の位置を、対応する時刻情報が新しいものから順にa1,a2,a3,a4とする。ま
た、位置a1,a2間の平均車速をb1、位置a2,a3間の平均車速をb2、位置a3
,a4間の平均車速をb3とする。さらに、車速b2から車速b1への減速率をc1=b
1/b2、車速b3から車速b2への減速率をc2=b2/b3とする。この場合、情報
の受信が途切れて現実位置情報が取得できなくなった以降も減速率c1がそのまま継続す
るとして、推定する車速b0をb0=b1×c1としてもよい。あるいは、情報の受信が
途切れて現実位置情報が取得できなくなった以降も減速率c2から減速率c1への変化率
と同じ変化率で減速率c1から減速率c0への変化がそのまま継続するとして減速率c0
を求め、車速b0をb0=b1×c0としてもよい。
また、推定部103が推定する走行方向は、例えば上記連続する所定数の位置情報に対
応する所定数の位置間の走行方向と同じ方向(電子地図の情報をもとに位置情報に対応し
た走行中の道路と判定した道路を道なりに走行する方向)などでよい。ここで推定に用い
る電子地図はディスプレイ2に表示された電子地図EMでもよいし、表示用とは別に備え
た推定処理用の電子地図データであってもよい。
そして、推定部103は、情報の受信が途切れた他車両Vについて、直前の位置から上
記推定した車速及び走行方向に上記走行中の道路と判定した道路に沿って走行すると仮定
して、RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報と、上記生成した当該他
車両Vの推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づき、第2所定期間経過後の位置を現
在位置として推定し、対応する推定位置情報を生成する。この例では、この推定部103
により生成された他車両Vの推定位置情報は、その生成時刻と関連付けられて、RAM1
2bに蓄積される。なお、情報の受信が途切れて現実位置情報が第2所定期間以上取得で
きなくなった際の最初の上記推定に用いられるRAM12bに記憶された直前の位置情報
は、直前に取得部102により取得された現実位置情報であるが、上記推定が行われた後
の再度の上記推定に用いられるRAM12bに記憶された直前の位置情報は、直前に推定
部103により生成された推定位置情報でもよい。
CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、取得部102により取得され
た他車両Vの現実位置情報に基づき、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、当
該他車両Vの現在位置を表示させる。そして、取得部102により当該他車両Vの現実位
置情報が継続して取得される間は、CPU11は、ディスプレイ2に表示された電子地図
EM上に、当該他車両Vの現在位置を更新表示させる。現在位置を更新表示させるときに
は、現在位置の表示を一旦消失させて新たに現在位置を表示させてもよいし、現在位置の
表示を移動させてもよい。一方、他車両Vの現実位置情報が取得部102により取得され
なくなった場合には、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、ディスプ
レイ2に表示された電子地図EM上に、それまで現実位置が表示されていた他車両Vから
の情報の受信が第2所定期間以上途切れた場合に他車両Vの現実位置に代えて、推定部1
03により生成された当該他車両Vの推定位置情報に基づく現在位置を表示させる。以下
では適宜、推定位置情報に基づく現在位置を「推定位置」という。そして、現実位置情報
が取得できない間は、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、通信で取
得した現状位置情報により他車両の現状位置の更新表示をする場合と同様の表示方法で、
ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、当該他車両Vの推定位置を更新表示させ
る。なお、推定位置を表示させるときには、現実位置の表示に代えて推定位置の表示であ
ることを示す表示を用いてもよい。例えば、現実位置の表示に対してその表示の色彩を薄
くしたり、大きさを小さくしたり、形を変えたりするようにしてもよい。また、推定位置
を更新表示するごとに、その表示の色彩を薄くしたり大きさを小さくするなどして、推定
位置の表示の継続経過時間あるいは継続回数がわかるように表示を工夫するようにしても
よい。あるいは、推定位置の表示の仕方を工夫する代わりに、ディスプレイ2の表示上ま
たはディスプレイ2の属する機器やディスプレイ2の接続された機器の表示上に推定位置
の表示の継続経過時間あるいは継続回数あるいはそれらに代わる情報を表示するようにし
てもよい。また、推定位置情報に基づく推定位置の更新表示は、その推定位置がディスプ
レイ2に表示された電子地図EM上の表示範囲内に存する限り更新を継続するようにして
もよいし、所定の条件が満たされるまで(例えば、所定の期間が経過するまで、所定の地
点に到達するまでなど)に限るようにしてもよい。また、他車両Vの現実位置の表示及び
推定位置の表示は、その位置がまだディスプレイ2に表示された電子地図EMの表示範囲
内に存する間は継続されるが、ディスプレイ2に表示された電子地図EMの表示範囲を逸
脱した場合には表示を終了してもよいし、電子地図EMの表示縮尺の変更あるいはスクロ
ールによってディスプレイ2に表示された電子地図EMの表示範囲を適宜変更することで
表示を継続するようにしてもよい。
なお、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に情報の受信が途切れた他車両Vの
推定位置が表示されている最中に、情報の受信が再開されて現実位置情報が取得できた場
合には、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、取得部102により取
得された当該他車両Vの現実位置情報に基づき、ディスプレイ2に表示された電子地図E
M上でそれまで行われていた当該他車両Vの推定位置の表示に代えて、電子地図EM上で
の当該他車両Vの現実位置の表示を再開させる。なお、現実位置の表示を再開させる際に
、推定位置と現実位置とに齟齬が生じていた場合には、対応する他車両Vの位置の表示が
おかしくならない(例えば急に違う位置に表示されない)ように、再開後しばらくは現実
位置を表示する位置を補正しつつ現実位置の表示を行ってもよい。具体的には例えば、現
実位置を表示する位置を、推定位置を表示していた位置の走行方向と反対側の地点になら
ないよう、あるいは位置が停まったようにならないよう、あるいは急に遠くの位置に表示
されることにならないように補正すればよい。この場合、例えば、齟齬が無くなるまで、
現実位置の表示を、対応する他車両Vが実際の車速よりも遅い(あるいは速い)予め定め
た一定の車速、あるいは予め定めた一定の減速率(あるいは加速率)で走行しているよう
に更新し続けることで、取得した現実位置に合致する位置の表示になるまで補正を続ける
ようにしてもよい。
図4〜図8は、ある1台の車両V(ここでは「自車両V1」という)及びそれ以外の車
両V(ここでは「他車両V2」という)の移動に伴う、自車両V1の車載システムSにお
けるディスプレイ2に表示される電子地図EM上での自車両V1及び他車両V2の位置の
表示の推移を表す説明図である。なお、これら図4〜図8では、図示の煩雑を避けて理解
を容易とするために、自車両V1を太線で示すと共に、現在位置の表示対象となる他車両
V2を1台とし、かつ、自車両V1が進行しても当該自車両V1のディスプレイ2に表示
される電子地図EMが推移しないとしている。
図4〜図8において、これら図4〜図8に示す道路網は、図示の煩雑を避けて理解を容
易とするために、複数の直線道路を単純に直交させて格子状に配置した道路網としている
。そして、この道路網に存在する複数の交差点のうち適宜の交差点には信号機が配置され
、また、適宜の位置には、無線通信の障害となるビルなどの障害物Oが配置されている。
図4(a)には、自車両V1が図中上下方向に沿った道路R1を図中下側に向かって走
行すると共に、他車両V2が図中左右方向に沿った道路R2を図中右側に向かって走行し
ている状態を示している。この状態では、他車両V2の位置は自車両V1の通信可能範囲
内となっており、自車両V1における送受信部101は他車両V2から情報を受信し、取
得部102は他車両V2の現実位置情報を取得している。
この場合、図4(b)に示す例のように、自車両V1のディスプレイ2に表示された電
子地図EM上の対応する位置に、自車両V1の現実位置を示す現実位置表示マークM1が
表示されると共に、他車両V2の現実位置を示す現実位置表示マークM2が表示される。
上記図4(a)に示す状態よりも少し後のタイミングを示す図5(a)には、自車両V
1が道路R1の上記図4(a)に示す位置よりも少し図中下側を図中下側に向かって走行
すると共に、他車両V2が道路R2の上記図4(a)に示す位置よりも少し図中右側を図
中右側に向かって走行している状態を示している。この状態でも、他車両V2の位置は自
車両V1の通信可能範囲内となっており、自車両V1における送受信部101は他車両V
2から情報を継続して受信し、取得部102は他車両V2の現実位置情報を継続して取得
している。
この場合、図5(b)に示す例のように、自車両V1のディスプレイ2に表示された電
子地図EM上の対応する位置に、自車両V1の現実位置表示マークM1が更新表示される
と共に、他車両V2の現実位置表示マークM2が更新表示される。
上記図5(a)に示す状態よりも少し後のタイミングを示す図6(a)には、自車両V
1が道路R1の上記図5(a)に示す位置よりも少し図中下側を図中下側に向かって走行
すると共に、他車両V2が道路R2の上記図5(a)に示す位置よりも少し図中右側を図
中右側に向かって走行している状態を示している。この状態では、自車両V1と他車両V
2との間に障害物Oが存在し、それにより通信可能範囲が変化することで他車両V2の位
置は自車両V1の通信可能範囲外となっており、自車両V1における送受信部101によ
る他車両V2からの情報の受信は途切れ、取得部102は他車両V2の現実位置情報を第
2所定期間以上取得できなくなっている。この場合、推定部103によりそれ以降の他車
両V2の現在位置が推定される。
この場合、図6(b)に示す例のように、自車両V1のディスプレイ2に表示された電
子地図EM上の対応する位置に、自車両V1の現実位置表示マークM1が更新表示される
と共に、それまで表示されていた他車両V2の現実位置表示マークM2に代えて、他車両
V2の推定位置を示す推定位置表示マークM3が表示される。なお、現実位置表示マーク
M2と推定位置表示マークM3とは、同じ表示態様としてもよいし、例えば異なる色彩や
大きさや形状としたり一方を点滅とし他方を点灯とするなどにより異なる表示態様として
もよいが、この例では同じ表示態様としている。
上記図6(a)に示す状態よりも少し後のタイミングを示す図7(a)には、自車両V
1が道路R1の上記図6(a)に示す位置よりも少し図中下側を図中下側に向かって走行
すると共に、他車両V2が道路R2の上記図6(a)に示す位置よりも少し図中右側で、
かつ交差点P1よりも図中左側を図中右側に向かって走行している状態を示している。こ
の状態でも、自車両V1と他車両V2との間に障害物Oが存在し、他車両V2の位置は自
車両V1の通信可能範囲外となっており、自車両V1における送受信部101による他車
両V2からの情報の受信は途切れたままで再開されておらず、取得部102による他車両
V2の現実位置情報の取得はできないままで再開されていない。
この場合、図7(b)に示す例のように、自車両V1のディスプレイ2に表示された電
子地図EM上の対応する位置に、自車両V1の現実位置表示マークM1が更新表示される
と共に、他車両V2の推定位置表示マークM3が更新表示される。
上記図7(a)に示す状態よりも少し後のタイミングを示す図8(a)には、自車両V
1が道路R1の上記図7(a)に示す位置よりも少し図中下側を図中下側に向かって走行
すると共に、他車両V2が道路R2の上記図7(a)に示す位置から図中右側に向かって
走行し交差点P1を左折して図中上側に向かって走行している状態を示している。この状
態では、他車両V2の位置は自車両V1の通信可能範囲内となって、自車両V1における
送受信部101による他車両V2からの情報を受信が再開され、取得部102による他車
両V2の現実位置情報の取得が再開される。
この場合、図8(b)に示す例のように、自車両V1のディスプレイ2に表示された電
子地図EM上の対応する位置に、自車両V1の現在位置表示マークM1が更新表示される
と共に、それまで表示されていた他車両V2の推定位置表示マークM3に代えて、他車両
V2の現実位置表示マークM2が再び表示される。
図9は、自車両V1の車載システムSにおけるCPU11により実行される処理の手順
例を示すフローチャートである。なお、これら図9〜図11では、図示の煩雑を避けて理
解を容易とするために、現在位置の表示対象となる他車両V2が1台である場合について
説明する。但し、在位置の表示対象となる他車両V2が複数台である場合は、以下で説明
する処理を各他車両V2ごとに実行するなどにより適用可能である。
図9において、このフローに示す処理は、例えば自車両V1の車載システムSの電源が
投入された場合に開始される。
まず、ステップS5で、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、記憶
装置12に記憶された地図データに基づき、電子地図EMをディスプレイ2に表示させる
。そして、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、GPS8から入力さ
れた自車両V1の現実位置情報に基づき、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上の
対応する位置に、自車両V1の現状位置マークM1を表示させる。なお、電子地図EM及
び自車両V1の現状位置マークM1は、所定期間(例えば100msec)ごとに更新表
示される。
そして、ステップS10で、CPU11は、送受信部101の機能により、他車両V2
から送信された情報(車両ID及び現実位置情報を少なくとも含む)を受信したか否かを
判定する。他車両V2から送信された情報を受信した場合には、ステップS10の判定が
満たされて、ステップS20に移る。
ステップS20では、CPU11は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、
上記ステップS10で情報を受信した他車両V2の現実位置表示マークM2又は推定位置
表示マークM3が既に表示されているか否かを判定する。電子地図EM上に上記ステップ
S10で情報を受信した他車両V2の現実位置表示マークM2又は推定位置表示マークM
3が表示されていない場合には、ステップS20の判定は満たされず、ステップS30に
移る。
ステップS30では、CPU11は、取得部102の機能により、上記ステップS10
で他車両V2から受信された情報から、他車両V2に関する情報、具体的には現実位置情
報などを抽出して取得する。
その後、ステップS40に移り、CPU11は、上記ステップS30で取得された他車
両V2に関する情報、具体的には現実位置情報などと、上記ステップS10で他車両V2
から受信された情報の受信時刻とを関連付けて、RAM12bに新規記録する。
そして、ステップS50で、CPU11は、RAM12bから、他車両V2の現実位置
情報を取得する。
その後、ステップS60に移り、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御
し、上記ステップS50で取得された他車両V2の現実位置情報に基づき、ディスプレイ
2に表示された電子地図EM上の対応する位置に、他車両V2の現実位置表示マークM2
を表示させる。その後、上記ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す。
一方、ステップS10において、他車両V2から送信された情報を受信していない場合
には、ステップS10の判定は満たされず、ステップS70に移る。
ステップS70では、CPU11は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、
他車両V2の現実位置表示マークM2又は推定位置表示マークM3が既に表示されている
か否かを判定する。電子地図EM上に他車両V2の現実位置表示マークM2又は推定位置
表示マークM3が表示されていない場合には、ステップS70の判定は満たされず、上記
ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す。一方、電子地図EM上に他車両V2の現実
位置表示マークM2又は推定位置表示マークM3が既に表示されている場合には、ステッ
プS70の判定が満たされて、ステップS80に移る。
ステップS80では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2の最新の位
置情報に関連する受信時刻又は生成時刻が、現在時刻の第2所定期間以上前であるか否か
を判定する。これにより、CPU11は、現実位置情報が第2所定期間以上取得できてい
ないか否か(現実位置表示マークM2が表示されている場合)、又は、推定位置情報が第
2所定期間以上生成されていないか否か(推定位置表示マークM3が表示されている場合
)を判定する。他車両V2の最新の位置情報に関連する受信時刻又は生成時刻が現在時刻
の第2所定期間以上前でない場合、つまり、現実位置情報が第2所定期間以内に取得でき
ている(現実位置表示マークM2が表示されている場合)、又は、推定位置情報が第2所
定期間以内に生成されている(推定位置表示マークM3が表示されている場合)場合には
、ステップS80の判定は満たされず、上記ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す
。一方、他車両V2の最新の位置情報に関連する受信時刻又は生成時刻が現在時刻の第2
所定期間以上前である場合、つまり、現実位置情報が第2所定期間以上取得できていない
(現実位置表示マークM2が表示されている場合)、又は、推定位置情報が第2所定期間
以上生成されていない(推定位置表示マークM3が表示されている場合)場合には、ステ
ップS80の判定が満たされて、ステップS90に移る。
ステップS90では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2に関する情
報、具体的には位置情報などに基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位
置情報を生成する処理を行う。なお、このステップS90の処理の詳細については、後で
説明する。その後、後述するステップS120に移る。
一方、ステップS20において、電子地図EM上に上記ステップS10で情報を受信し
た他車両V2の現実位置表示マークM2又は推定位置表示マークM3が既に表示されてい
る場合には、ステップS20の判定が満たされて、ステップS100に移る。
ステップS100では、CPU11は、上記ステップS10で他車両V2から受信され
た情報の受信時刻を、RAM12bに追加記録する。
そして、ステップS110で、CPU11は、取得部102の機能により、上記ステッ
プS10で他車両V2から受信された情報から、他車両V2に関する情報、具体的には現
実位置情報などを抽出して取得する。
その後、ステップS120に移り、CPU11は、上記ステップS100でRAM12
bに追加記録された受信時刻に、上記ステップS110で取得された他車両V2に関する
情報、具体的には現実位置情報などを関連付けて、追加記録するか、又は、上記ステップ
S90で生成された他車両V2の推定位置情報と、その生成時刻とを関連付けて、RAM
12bに追加記録する。
そして、ステップS130で、CPU11は、RAM12bから、他車両V2の最新の
位置情報を取得する。
その後、ステップS140に移り、CPU11は、上記ステップS130で取得された
位置情報が、推定位置情報であるか否かを判定する。上記ステップS130で取得された
位置情報が現実位置情報である場合には、ステップS140の判定は満たされず、ステッ
プS150に移る。
ステップS150では、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、上記
ステップS130で取得された他車両V2の現実位置情報に基づき、ディスプレイ2に表
示された電子地図EM上の対応する位置に、他車両V2の現実位置表示マークM2を表示
させる。具体的には、直前のステップS20において、電子地図EM上に上記ステップS
10で情報を受信した他車両V2の現実位置表示マークM2が既に表示されているとした
場合、つまり情報が継続して受信されて現実位置情報が継続して取得できている場合には
、CPU11は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上の対応する位置に、他車両
V2の現実位置表示マークM2を更新表示させる。一方、直前のステップS20において
、電子地図EM上に上記ステップS10で情報を受信した他車両V2の推定位置表示マー
クM3が既に表示されているとした場合、つまり情報の受信が再開されて現実位置情報の
取得が再開された場合には、CPU11は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上
にそれまで表示されていた他車両V2の推定位置表示マークM3に代えて、電子地図EM
上での他車両V2の現実位置表示マークM2の表示を再開させる。その後、上記ステップ
S10に戻り同様の手順を繰り返す。
一方、ステップS140において、上記ステップS130で取得された位置情報が推定
位置情報である場合には、ステップS140の判定が満たされて、ステップS170に移
る。
ステップS170では、CPU11は、グラフィックコントローラ13を制御し、上記
ステップS130で取得された他車両V2の推定位置情報に基づき、ディスプレイ2に表
示された電子地図EM上の対応する位置に、他車両V2の推定位置表示マークM3を表示
させる。具体的には、直前のステップS20において、電子地図EM上に上記ステップS
10で情報を受信した他車両V2の現実位置表示マークM2が既に表示されているとした
場合、つまり情報の受信が途切れて現実位置情報が取得できなくなった場合には、CPU
11は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上に、それまで表示されていた他車両
V2の現実位置表示マークM2に代えて、他車両V2の推定位置表示マークM3を表示さ
せる。一方、直前のステップS20において、電子地図EM上に上記ステップS10で情
報を受信した他車両V2の推定位置表示マークM3が既に表示されているとした場合、つ
まり情報の受信が途切れたままで再開されておらず現実位置情報の取得ができないままで
再開されていない場合には、CPU11は、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上
の対応する位置に、他車両V2の推定位置表示マークM3を更新表示させる。その後、上
記ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す。
なお、このフローに示す処理は、例えば自車両V1の車載システムSの電源が切断され
た場合に終了される。
図10は、上記図9のステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。
図10において、まず、ステップS210で、CPU11は、RAM12bから、他車
両V2の位置情報及びそれに対応する時刻情報を新しいものから順に所定数取得する。
そして、ステップS220で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS210で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報及びそれらに対応する時
刻情報を用いて、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、
他車両V2の車速を推定する手法は、前述した通りである。
その後、ステップS230に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS210で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報を用いて、他車両V
2の走行方向を推定し、対応する推定走向方向情報を生成する。なお、他車両V2の走行
方向を推定する手法は、前述した通りである。
そして、ステップS240で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS210で取得された他車両V2の直前の位置情報、上記ステップS220で生成され
た他車両V2の推定車速情報、及び、上記ステップS230で生成された他車両V2の推
定走行方向情報に基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成
する。なお、他車両V2の現在位置を推定する手法は、前述した通りである。その後、こ
のルーチンに示す処理が終了される。
以上説明したように、本実施形態の車載システムS(ナビゲーション装置に相当)は、
無線通信を介して受信された情報より他車両V(他の移動体に相当)の現実位置情報(位
置情報に相当)を取得する取得部102(取得手段に相当)と、取得された現実位置情報
を蓄積するRAM12b(蓄積手段に相当)と、取得部102によって情報が取得できな
くなった場合に、蓄積された現実位置情報を用いて他車両Vの車速及び走行方向を推定し
、直前に取得された現実位置情報と、推定された車速情報及び走行方向情報とに基づいて
、他車両Vの現在位置を推定する推定部103(推定手段に相当)と、取得された現実位
置情報又は推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づいて他車両Vの現在位置を
表示するディスプレイ2(表示手段に相当)と、を備える。
本実施形態では、取得部102により他車両Vの現実位置情報が取得できなくなった場
合に、推定部103がそれ以降の他車両Vの現在位置を推定し、ディスプレイ2がその推
定された推定位置情報に基づいて他車両Vの推定位置を表示する。これにより、車車間通
信による通信状況の悪化により情報の受信が途切れた他車両Vについて、その現在位置を
終了あるいは停止させることなく継続して移動するように表示することができるので、ユ
ーザが当該他車両Vをディスプレイ2の表示上で見失うあるいは当該他車両Vが停止した
と誤認識するのを防止できる。また、本実施形態では、RAM12bが上記取得された現
実位置情報を蓄積し、推定部103がその蓄積された現実位置情報を用いて他車両Vの車
速及び走行方向を推定する。これにより、他車両Vから現実車速情報や現実走行方向情報
を取得できない場合であっても、それまでに一度以上現実位置情報さえ取得できれば、他
車両Vの現在位置を推定することができる。したがって、通信データ量の低減や、車載シ
ステムSの通信機能に対する要求仕様の抑制等を図ることができる。
次に、本発明のナビゲーション装置の第2実施形態について説明する。ここでは、主に
上記第1実施形態と異なる点などについて説明する。
本実施形態の車載システムSを搭載する各車両Vの電子系統のハードウェア構成は、上
記第1実施形態とほぼ同様である(図2参照)。但し、本実施形態では、記憶装置12の
記憶媒体12c(記憶手段に相当)に記憶された地図データは、車両Vが走行する道路形
状に関する情報(例えば道路形状が直線であるかカーブであるかなどを表す情報など)を
含んでいる。
また、各車両Vが搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11が記憶装置
12に記憶された所定のプログラムを実行することで発揮される制御部10の機能構成は
、上記第1実施形態とほぼ同様である(図3参照)。但し、本実施形態では、送受信部1
01は、他車両Vの車載システムSに、自車両Vの車両ID、GPS8から入力された自
車両Vの現実位置情報、車速センサ4から入力された自車両Vの現実車速情報、及び、走
行方向センサ9から入力された自車両Vの現実走行方向情報を少なくとも含む情報を送信
する。そして、取得部102は、送受信部101により他車両Vから受信された情報から
他車両Vの現実位置情報、現実車速情報、及び現実走行方向情報などを抽出して取得する
。この取得部102により取得された他車両Vの現実位置情報、現実車速情報、及び現実
走行方向情報などは、RAM12bに蓄積される。この例では、当該他車両Vの現実位置
情報、現実車速情報、及び現実走行方向情報などは、送受信部101による情報の受信時
刻(又は、取得部102による現実位置情報の取得時刻でもよい)と関連付けられて、R
AM12bに蓄積される。
また、本実施形態では、推定部103は、次のような手法を用いて、情報の受信が途切
れた他車両Vの現在位置を推定する。
すなわち、推定部103は、情報の受信が途切れた他車両Vについて、RAM12bに
記憶された当該他車両Vの少なくとも直前の位置情報、車速情報、及び走行方向情報と、
記憶媒体12cに記憶された地図データ(具体的には、当該位置情報に対応する道路形状
に関する情報)とに基づき、現在位置を推定する。以下、その具体例について説明する。
なお、情報の受信が途切れた他車両Vの現在位置を推定する手法は、以下の具体例に限定
されず、別の手法でもよい。
すなわち、まず、推定部103は、直前の位置情報と、地図データとに基づき、地図デ
ータ上の当該位置情報に対応する道路形状、つまり情報の受信が途切れた他車両Vの直前
の道路形状が、直線であるかカーブであるかの判定を行う。なお、情報の受信が途切れた
他車両Vについて、情報の受信が途切れる直前に送受信部101により受信された情報か
ら、取得部101により横加速度情報が取得されてRAM12bに記憶されていた場合に
は、推定部103は、その横加速度情報に基づき、上記判定を行ってもよい。
直前の道路形状が直線である、情報の受信が途切れた他車両Vについては、推定部10
3は、直前の位置から直前の車速及び走行方向に沿ってそのまま走行すると仮定して、直
前の車速及び走行方向をそれ以降の車速及び走行方向として推定し、対応する推定車速情
報及び推定走行方向情報を生成すると共に、RAM12bに記憶された当該他車両Vの直
前の位置情報と、上記生成した当該他車両Vの推定車速情報及び推定走行方向情報とに基
づき、第2所定期間経過後の位置を現在位置として推定し、対応する推定位置情報を生成
する。この例では、この推定部103により生成された他車両Vの推定位置情報、推定車
速情報、及び推定走行方向情報は、それらの生成時刻と関連付けられて、RAM12bに
蓄積される。
一方、直前の道路形状がカーブである、情報の受信が途切れた他車両Vについては、推
定部103は、RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の車速情報に基づき、直前
の車速を当該道路形状に応じた掛け率を用いて直線を走行する場合の速度に換算して、そ
の換算後の速度をそれ以降の車速として推定し、対応する推定車速情報を生成する。
なお、このとき、推定部103は、直前の情報の受信時刻又は生成時刻以降にそのまま
直前の位置情報に対応する道路を走行した場合の、当該道路形状に応じた加減速を加味し
て、上記車速の推定を行ってもよい。この場合、推定部103は、道路の各カーブの曲率
に応じて当該カーブを走行する際の減速率を設定し、各カーブを走行する間は基準となる
速度(例えば直前の車速)に上記設定した減速率を掛けた速度で走行すると仮定して、上
記車速の推定を行ってもよい。あるいは、推定部103は、各カーブを走行する場合の当
該カーブの曲率に応じた速度自体を一律に設定してもよい。また、推定部103は、各カ
ーブ前後の走行時の所定の加速度による減速や、各カーブ走行時の加速時間を加味して、
上記車速の推定を行ってもよい。また、道路に信号のある交差点が存在し、その交差点の
信号の状況を示す信号情報が取得できた場合には、推定部103は、その信号情報を加味
して、上記車速の推定を行ってもよい。この場合、推定部103は、信号情報が赤信号を
示すものである場合には、その信号のある交差点で走行が停止され(減速され)、青信号
に切り替わった際に走行が再開される(加速される)と仮定して、上記車速の推定を行っ
てもよい。
また、RAM12bに、直前の道路形状がカーブである、情報の受信が途切れた他車両
Vに関する情報が複数蓄積されている場合には、推定部103は、直線道路(又は、最も
直線道路に近いカーブ形状の道路、つまり曲率が最も少ない場所)を走行していたときの
位置情報のうち最新の位置情報に関連する車速情報を用いて、上記車速の推定を行っても
よい。このとき、推定部103は、その車速が継続すると仮定してもよいし、その車速情
報に関連する位置情報に対応する位置の曲率から所定の減速率を設定し、直線道路を走行
する場合の速度を推定して、その速度が継続すると仮定してもよい。
また、直前の道路形状がカーブである、情報の受信が途切れた他車両Vについては、推
定部103は、RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の走行方向情報に基づき、
直前の走行方向を当該道路形状に応じて変化させた方向をそれ以降の走行方向として推定
し、対応する推定走行方向情報を生成する。
そして、直前の道路形状がカーブである、情報の受信が途切れた他車両Vについて、推
定部103は、直前の位置から上記推定した車速及び走行方向に沿って走行すると仮定し
て、RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報と、上記生成した当該他車
両Vの推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づき、第2所定期間経過後の位置を現在
位置として推定し、対応する推定位置情報を生成する。この例では、この推定部103に
より生成された他車両Vの推定位置情報、推定車速情報、及び推定走行方向情報は、それ
らの生成時刻と関連付けられて、RAM12bに蓄積される。
なお、情報の受信が途切れて現実位置情報が第2所定期間以上取得できなくなった際の
最初の上記推定に用いられるRAM12bに記憶された直前の位置情報、車速情報、及び
走行方向情報は、直前に取得部102により取得された現実位置情報、現実車速情報、及
び現実走行方向情報であるが、上記推定が行われた後の再度の上記推定に用いられるRA
M12bに記憶された直前の位置情報、車速情報、及び走行方向情報は、直前に推定部1
03により生成された推定位置情報、推定車速情報、及び推定走行方向情報でもよい。
また、自車両V1が搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11により実
行される処理の手順は、上記第1実施形態とほぼ同様である(図9参照)。但し、本実施
形態では、ステップS30では、CPU11は、取得部102の機能により、前述のステ
ップS10で他車両V2から受信された情報から、他車両V2の現実位置情報、現実車速
情報、及び現実走行方向情報などを抽出して取得し、ステップS40では、CPU11は
、上記ステップS30で取得された他車両V2の現実位置情報、現実車速情報、及び現実
走行方向情報などと、前述のステップS10で他車両V2から受信された情報の受信時刻
とを関連付けて、RAM12bに新規記録する。
また、ステップS90では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2の位
置情報、車速情報、及び走行方向情報などと、記憶媒体12cに記録された地図データと
に基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する処理を行う
。なお、本実施形態におけるステップS90の処理の詳細については、後で説明する。
また、ステップS110では、CPU11は、取得部102の機能により、前述のステ
ップS10で他車両V2から受信された情報から、他車両V2の現実位置情報、現実車速
情報、及び現実走行方向情報などを抽出して取得し、ステップS120では、CPU11
は、前述のステップS100でRAM12bに追加記録された受信時刻に、上記ステップ
S110で取得された他車両V2の現実位置情報、現実車速情報、及び現実走行方向情報
などを関連付けて、追加記録するか、又は、上記ステップS90で生成された他車両V2
の推定位置情報、推定車速情報、及び推定走行方向情報と、それらの生成時刻とを関連付
けて、RAM12bに追加記録する。
図11は、本実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。
図11において、まず、ステップS310で、CPU11は、RAM12bから、他車
両V2の少なくとも直前の位置情報、車速情報、及び走行方向情報を取得する。
そして、ステップS320で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS310で取得された他車両V2の直前の位置情報と、記憶媒体12cに記憶された地
図データとに基づき、他車両V2の直前の道路形状が、直線であるかカーブであるかを判
定する。他車両V2の直前の道路形状が直線である場合には、ステップS330に移る。
ステップS330では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS3
10で取得された他車両V2の直前の位置情報、車速情報、及び走行方向情報を用いて、
他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。なお、他車両V2の
現在位置を推定する手法は、前述した通りである。その後、このルーチンに示す処理が終
了される。
一方、ステップS320において、情報の受信が途切れた他車両V2の直前の道路形状
がカーブである場合には、ステップS340に移る。
ステップS340では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS3
10で取得された他車両V2の直前の車速情報を用いて、他車両V2の車速を推定し、対
応する推定車速情報を生成する。なお、他車両V2の車速を推定する手法は、前述した通
りである。
その後、ステップS350に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS310で取得された他車両V2の直前の走行方向情報を用いて、他車両V2の走
行方向を推定し、対応する推定走行方向情報を生成する。なお、他車両V2の走行方向を
推定する手法は、前述した通りである。
そして、ステップS360で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS310で取得された他車両V2の直前の位置情報、上記ステップS340で生成され
た他車両V2の推定車速情報、及び、上記ステップS350で生成された他車両V2の推
定走行方向情報に基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成
する。なお、他車両V2の現在位置を推定する手法は、前述した通りである。その後、こ
のルーチンに示す処理が終了される。
以上説明したように、本実施形態の車載システムS(ナビゲーション装置に相当)は、
無線通信を介して受信された情報より他車両V(他の移動体に相当)の現実位置情報(位
置情報に相当)、現実車速情報(車速情報に相当)ならびに現実走行方向情報(走行方向
情報に相当)を取得する取得部102(取得手段に相当)と、車両V(移動体に相当)が
走行する道路形状に関する情報を記憶した記憶媒体12c(記憶手段に相当)と、取得部
102によって情報が取得できなくなった場合に、直前に取得された現実位置情報、現実
車速情報ならびに現実走行方向情報と、当該現実位置情報に対応する道路形状に関する情
報とに基づいて、他車両Vの現在位置を推定する推定部103(推定手段に相当)と、取
得された現実位置情報又は推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づいて他車両
Vの現在位置を表示するディスプレイ2(表示手段に相当)と、を備える。
本実施形態では、記憶媒体12cが車両Vが走行する道路形状に関する情報を記憶して
おり、推定部103が直前に取得された現実位置情報、現実車速情報、及び現実走行方向
情報と、当該現実位置情報に対応する道路形状に関する情報とに基づいて、他車両Vの現
在位置を推定する。これにより、他車両Vが直線道路以外の形状の道路(カーブ等)を走
行している場合でも、推定位置と現実位置との乖離を抑えることができ、推定位置の精度
を高めることができる。
次に、本発明のナビゲーション装置の第3実施形態について説明する。ここでは、主に
上記第1実施形態と異なる点などについて説明する。
本実施形態の車載システムSを搭載する各車両Vの電子系統のハードウェア構成は、上
記第1実施形態と同様である(図2参照)。
また、各車両Vが搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11が記憶装置
12に記憶された所定のプログラムを実行することで発揮される制御部10の機能構成は
、上記第1実施形態と同様である(図3参照)。但し、本実施形態では、送受信部101
は、他車両Vの車載システムSに、自車両Vの車両ID、GPS8から入力された自車両
Vの現実位置情報、及び、車速センサ4から入力された自車両Vの現実車速情報を少なく
とも含む情報を送信する。そして、取得部102は、送受信部101により他車両Vから
受信された情報から他車両Vの現実位置情報及び現実車速情報などを抽出して取得する。
この取得部102により取得された他車両Vの現実位置情報及び現実車速情報などは、R
AM12bに蓄積される。この例では、当該他車両Vの現実位置情報及び現実車速情報な
どは、送受信部101による情報の受信時刻(又は、取得部102による現実位置情報の
取得時刻でもよい)と関連付けられて、RAM12bに蓄積される。
また、本実施形態では、推定部103は、次のような手法を用いて、情報の受信が途切
れた他車両Vの現在位置を推定する。
すなわち、まず、推定部103は、RAM12bに、情報の受信が途切れた他車両Vと
同一道路を同一方向に走行する、現在継続的に通信が行えているか又は当該他車両Vより
も近い時刻に通信が行えた、つまり当該他車両Vの最新の現実位置情報などよりも受信時
刻が新しい別の車両V(第3の移動体に相当。以下では適宜「別車両V」という)の現実
車速情報が記憶されているか否かの判定を行う。
上記別車両Vの現実車速情報が記憶されていない、情報の受信が途切れた他車両Vにつ
いては、推定部103は、上記第1実施形態と同様の手法などを用いて、当該他車両Vの
現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。
一方、上記別車両Vの現実車速情報が記憶されている、情報の受信が途切れた他車両V
については、推定部103は、当該別車両Vの直前の現実車速情報及び引き続き継続的に
当該別車両Vから現実車速情報を得られる間はその当該別車両Vの現実車速情報を用いて
、それ以降の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成すると共に、上記第1実施形態
と同様の手法などを用いて、それ以降の走行方向を推定し、対応する推定走行方向情報を
生成する。なお、車速は、所定の遡り時間の範囲で通信により情報取得できた同一道路を
同一方向に走行する全ての別車両Vの車速情報から、統計的に処理して算出(推定)する
ようにしてもよい。また、走行方向は、上記第1実施形態と同様の手法を用いて推定する
のではなく、通信により走行方向情報を取得するようにしてもよい。
このとき、推定部103が推定する車速は、別車両Vの直前の車速をそのまま当てはめ
てもよいし、当該他車両Vの直前の位置から別車両Vの直前の位置までに当該他車両Vの
直前の車速から別車両Vの直前の車速に加減速すると仮定して求めてもよい。
なお、推定部103は、別車両Vの現実車速情報を用いるのではなく、別車両Vの連続
する複数の位置情報及びそれらに対応する複数の時刻情報を用いて、それ以降の車速を推
定してもよい。
そして、上記別車両Vの現実車速情報が記憶されている、情報の受信が途切れた他車両
Vについて、推定部103は、直前の位置から上記推定した車速及び走行方向に沿って走
行すると仮定して、RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報と、上記生
成した当該他車両Vの推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づき、第2所定期間経過
後の位置を現在位置として推定し、対応する推定位置情報を生成する。この例では、この
推定部103により生成された他車両Vの推定位置情報及び推定車速情報は、それらの生
成時刻と関連付けられて、RAM12bに蓄積される。
また、自車両V1が搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11により実
行される処理の手順は、上記第1実施形態とほぼ同様である(図9参照)。但し、本実施
形態では、ステップS30では、CPU11は、取得部102の機能により、前述のステ
ップS10で他車両V2から受信された情報から、他車両V2の現実位置情報及び現実車
速情報などを抽出して取得し、ステップS40では、CPU11は、上記ステップS30
で取得された他車両V2の現実位置情報及び現実車速情報などと、前述のステップS10
で他車両V2から受信された情報の受信時刻とを関連付けて、RAM12bに新規記録す
る。
また、ステップS90では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2の位
置情報などに基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する
処理を行う。なお、本実施形態におけるステップS90の処理の詳細については、後で説
明する。
また、ステップS110では、CPU11は、取得部102の機能により、前述のステ
ップS10で他車両V2から受信された情報から、他車両V2の現実位置情報及び現実車
速情報などを抽出して取得し、ステップS120では、CPU11は、前述のステップS
100でRAM12bに追加記録された受信時刻に、上記ステップS110で取得された
他車両V2の現実位置情報及び現実車速情報などを関連付けて、追加記録するか、又は、
上記ステップS90で生成された他車両V2の推定位置情報及び推定車速情報と、それら
の生成時刻とを関連付けて、RAM12bに追加記録する。
図12は、本実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。
図12において、まず、ステップS410で、CPU11は、推定部103の機能によ
り、RAM12bに、上記別車両Vの現実車速情報が記憶されているか否かを判定する。
上記別車両Vの現実車速情報が記憶されていない場合には、ステップS410の判定は満
たされず、ステップS420に移る。
ステップS420では、CPU11は、RAM12bから、他車両V2の位置情報及び
それに対応する時刻情報を新しいものから順に所定数取得する。
そして、ステップS430で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS420で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報及びそれらに対応する時
刻情報を用いて、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、
他車両V2の車速を推定する手法は、前述した通りである。その後、後述するステップS
470に移る。
一方、ステップS410において、上記別車両Vの現実車速情報が記憶されている場合
には、ステップS410の判定が満たされて、ステップS440に移る。
ステップS440では、CPU11は、RAM12bから、上記別車両Vの現実車速情
報を取得する。
その後、ステップS450に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS440で取得された別車両Vの現実車速情報を用いて、他車両V2の車速を推定
し、対応する推定車速情報を生成する。なお、他車両V2の車速を推定する手法は、前述
した通りである。
そして、ステップS460で、CPU11は、RAM12bから、他車両V2の位置情
報及びそれに対応する時刻情報を新しいものから順に所定数取得する。
その後、ステップS470に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS420又は上記ステップS460で取得された他車両V2の連続する所定数の位
置情報を用いて、他車両V2の走行方向を推定し、対応する推定走向方向情報を生成する
。なお、他車両V2の走行方向を推定する手法は、前述した通りである。
そして、ステップS480で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS420又はステップS460で取得された他車両V2の直前の位置情報、上記ステッ
プS430又は上記ステップS450で生成された他車両V2の推定車速情報、及び、上
記ステップS470で生成された他車両V2の推定走行方向情報に基づき、他車両V2の
現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。なお、他車両V2の現在位置を推
定する手法は、前述した通りである。その後、このルーチンに示す処理が終了される。
以上説明したように、本実施形態の車載システムS(ナビゲーション装置に相当)は、
無線通信を介して受信された情報より他車両V(他の移動体に相当)の現実位置情報(位
置情報に相当)及び現実車速情報(車速情報に相当)を取得する取得部102(取得手段
に相当)と、取得された現実位置情報を蓄積するRAM12b(蓄積手段に相当)と、取
得部102によって他車両Vの情報が取得できなくなった場合に、蓄積された現実位置情
報を用いて他車両Vの走行方向を推定すると共に、当該他車両Vと同一道路を同一方向に
走行する現在継続的に通信が行えているか又は当該他車両Vよりも近い時刻に通信が行え
た別車両V(第三の移動体に相当)の現実車速情報を用いて他車両Vの車速を推定し、直
前に取得された他車両Vの現実位置情報と、推定された推定車速情報(車速情報に相当)
及び推定走行方向情報(走行方向情報に相当)とに基づいて、他車両Vの現在位置を推定
する推定部103(推定手段に相当)と、取得された現実位置情報又は推定された推定位
置情報(位置情報に相当)に基づいて他車両Vの現在位置を表示するディスプレイ2(表
示手段に相当)と、を備える。
本実施形態では、推定部103が、他車両Vと同一道路を同一方向に走行する別車両V
の現実車速情報を用いて他車両Vの車速を推定する。他車両Vと同一道路を同一方向に走
行する別車両Vの現実車速情報は、当該道路の現実の道路状況を反映した速度情報である
ことから、これを用いて別車両Vの車速を推定することで、推定位置と現実の位置との乖
離を抑えることができ、推定位置の精度を高めることができる。
次に、本発明のナビゲーション装置の第4実施形態について説明する。ここでは、主に
上記第1実施形態と異なる点などについて説明する。
本実施形態の車載システムSを搭載する各車両Vの電子系統のハードウェア構成は、上
記第1実施形態と同様である(図2参照)。
また、各車両Vが搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11が記憶装置
12に記憶された所定のプログラムを実行することで発揮される制御部10の機能構成は
、上記第1実施形態とほぼ同様である(図3参照)。但し、本実施形態では、送受信部1
01は、適宜の設備から車両Vが走行する道路を含む道路の所定の地点までの所要時間を
表す旅行時間情報を受信する。そして、取得部102は、送受信部101により適宜の設
備から受信された情報から当該位置情報に対応する旅行時間情報を抽出して取得する。
また、本実施形態では、推定部103は、次のような手法を用いて、情報の受信が途切
れた他車両Vの現在位置を推定する。
すなわち、まず、推定部103は、情報の受信が途切れた他車両Vについて、取得部1
02によりRAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報に対応する旅行時間
情報、つまり他車両V2の走行する道路の旅行時間情報を取得できたか否かの判定を行う
走行する道路の旅行時間情報を取得できなかった、情報の受信が途切れた他車両Vにつ
いては、推定部103は、上記第1実施形態と同様の手法などを用いて、当該他車両Vの
現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。あるいは、詳しくは説明しないが
、この場合、別途の手段で当該道路の制限速度を取得し、その制限速度で走行するものと
して当該他車両Vの現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成してもよい。
一方、走行する道路の旅行時間情報を取得できた、情報の受信が途切れた他車両Vにつ
いては、推定部103は、当該旅行時間情報に基づいて当該道路を走行する車両Vの平均
速度を算出し、その平均速度で当該他車両Vが走行するものとして対応する推定車速情報
を生成し、当該他車両Vの現在位置を推定する。
この例では、当該他車両Vについて、推定部103は、当該旅行時間情報、及び、記憶
媒体12cに記憶された地図データを用いて、所定の地点までの所要時間及び距離を求め
、その所要時間及び距離に基づき、それ以降の車速を推定し、対応する推定車速情報を生
成する。
また、旅行時間情報が取得できた、情報の受信が途切れた他車両Vについて、推定部1
03は、上記第1実施形態と同様の手法などを用いて、それ以降の走行方向を推定し、対
応する推定走行方向情報を生成する。
そして、この情報の受信が途切れた他車両Vについて、推定部103は、直前の位置か
ら上記推定した車速及び走行方向に沿って走行すると仮定して、RAM12bに記憶され
た当該他車両Vの直前の位置情報と、上記生成した当該他車両Vの推定車速情報及び推定
走行方向情報とに基づき、第2所定期間経過後の位置を現在位置として推定し、対応する
推定位置情報を生成する。この例では、この推定部103により生成された他車両Vの推
定位置情報及び推定車速情報は、それらの生成時刻と関連付けられて、RAM12bに蓄
積される。なお、ここでは旅行時間情報を取得するとしたが、旅行時間情報に代えて道路
の(現在のあるいは統計的な)平均速度情報を取得することでもよい。平均速度情報を取
得できた場合は、取得した平均速度で当該他車両Vが走行するものとして推定車速情報を
生成する。
また、自車両V1が搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11により実
行される処理の手順は、上記第1実施形態とほぼ同様である(図9参照)。但し、本実施
形態では、ステップS90では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2の
位置情報などに基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成す
る処理を行う。
図13は、本実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。
図13において、まず、ステップS610で、CPU11は、RAM12bから、他車
両V2の位置情報及びそれに対応する時刻情報を新しいものから順に所定数取得する。取
得する位置情報は現実位置情報であっても推定位置情報であってもよい。
そして、ステップS620で、CPU11は、推定部103の機能により、送信部10
1の機能により適宜の設備から受信された情報あるいは図示しない機器内の蓄積媒体から
、上記ステップS610で取得された他車両V2の直前の位置情報に対応する旅行時間情
報、つまり他車両V2の走行する道路の旅行時間情報を取得できたか否かを判定する。他
車両V2の走行する道路の旅行時間情報が取得できなかった場合には、ステップS620
の判定は満たされず、ステップS630に移る。
ステップS630では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS6
10で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報及びそれらに対応する時刻情報
を用いて、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、他車両
V2の車速を推定する手法は、前述した通りである。その後、後述するステップS660
に移る。
一方、ステップS620において、他車両V2の走行する道路の旅行時間情報が取得で
きた場合には、ステップS620の判定が満たされて、ステップS640に移る。
ステップS640では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS6
20で取得された他車両V2の走行する道路の旅行時間情報に基づき、当該道路を走行す
る車両Vの平均速度を算出する。
その後、ステップS650に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS640で算出された他車両V2の走行する道路を走行する車両Vの平均速度を用
いて、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、他車両V2
の車速を推定する手法は、前述した通りである。
そして、ステップS660で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS610で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報を用いて、他車両V2の
走行方向を推定し、対応する推定走向方向情報を生成する。なお、他車両V2の走行方向
を推定する手法は、前述した通りである。
その後、ステップS670に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS610で取得された他車両V2の直前の位置情報、上記ステップS630又は上
記ステップS650で生成された他車両V2の推定車速情報、及び、上記ステップS66
0で生成された他車両V2の推定走行方向情報に基づき、他車両V2の現在位置を推定し
、対応する推定位置情報を生成する。なお、他車両V2の現在位置を推定する手法は、前
述した通りである。その後、このルーチンに示す処理が終了される。
本実施形態によれば、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明のナビゲーション装置の第5実施形態について説明する。ここでは、主に
上記第1実施形態と異なる点などについて説明する。
本実施形態の車載システムSを搭載する各車両Vの電子系統のハードウェア構成は、上
記第1実施形態と同様である(図2参照)。但し、本実施形態では、記憶装置12の記憶
媒体12c(記憶手段に相当)には、車両Vが走行する道路の法定速度に関する情報が記
憶されている。
また、各車両Vが搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11が記憶装置
12に記憶された所定のプログラムを実行することで発揮される制御部10の機能構成は
、上記第1実施形態とほぼ同様である(図3参照)。但し、本実施形態では、送受信部1
01は、適宜の設備から車両Vが走行する道路の渋滞の有無を表す渋滞情報を含む情報を
受信する。なお、渋滞情報が渋滞有りを示す場合には、取得する渋滞情報に渋滞の度合い
を示す情報あるいは所定の地点までの所要時間を表す旅行時間情報を含むものとしてもよ
い。そして、取得部102は、送受信部101により適宜の設備から受信された情報から
当該位置情報に対応する渋滞情報を抽出して取得する。
また、本実施形態では、推定部103は、次のような手法を用いて、情報の受信が途切
れた他車両Vの現在位置を推定する。
すなわち、まず、推定部103は、情報の受信が途切れた他車両Vについて、取得部1
02によりRAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報に対応する渋滞情報
、つまり他車両V2の走行する道路の渋滞情報を取得できたか否かの判定を行う。
走行する道路の渋滞情報を取得できなかった、情報の受信が途切れた他車両Vについて
は、推定部103は、上記第1実施形態と同様の手法などを用いて、当該他車両Vの現在
位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。
一方、走行する道路の渋滞情報を取得できた、情報の受信が途切れた他車両Vについて
は、推定部103は、当該渋滞情報に基づく当該他車両Vの走行する道路の渋滞の有無に
応じて、当該他車両Vの現在位置の推定方法を変更する。
すなわち、推定部103は、走行する道路の渋滞情報を取得できた、情報の受信が途切
れた他車両Vについて、当該渋滞情報に基づき、当該他車両Vの走行する道路の渋滞の有
無を判定する。
走行する道路に渋滞がある、情報の受信が途切れた他車両Vについては、推定部103
は、当該渋滞情報に基づき、それ以降の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する
。この例では、当該他車両Vについて、推定部103は、当該渋滞情報に含まれる旅行時
間情報、及び、記憶媒体12cに記憶された地図データを用いて、所定の地点までの所要
時間及び距離を求め、その所要時間及び距離に基づき、それ以降の車速を推定し、対応す
る推定車速情報を生成する。なお、走行する道路に渋滞がある場合に、渋滞情報に旅行時
間情報ではなく渋滞の度合いを示す情報が含まれる場合には、その度合いに応じた平均車
速あるいは適用する車速のテーブルを適用する方法で対応する推定車速情報を生成しても
よい。また単に走行する道路に渋滞があるという情報のみ取得された場合には、渋滞あり
に対応してあらかじめ設定した車速を適用するようにしてもよい。
また、走行する道路に渋滞がある、情報の受信が途切れた他車両Vについて、推定部1
03は、上記第1実施形態と同様の手法などを用いて、それ以降の走行方向を推定し、対
応する推定走行方向情報を生成する。
そして、走行する道路に渋滞がある、情報の受信が途切れた他車両Vについて、推定部
103は、直前の位置から上記推定した車速及び走行方向に沿って走行すると仮定して、
RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報と、上記生成した当該他車両V
の推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づき、第2所定期間経過後の位置を現在位置
として推定し、対応する推定位置情報を生成する。この例では、この推定部103により
生成された他車両Vの推定位置情報及び推定車速情報は、それらの生成時刻と関連付けら
れて、RAM12bに蓄積される。
一方、走行する道路に渋滞がない、情報の受信が途切れた他車両Vについては、推定部
103は、当該他車両Vの走行する道路の法定速度を、それ以降の当該他車両Vの車速と
して推定し、対応する推定車速情報を生成すると共に、上記第1実施形態と同様の手法な
どを用いて、それ以降の走行方向を推定し、対応する推定走行方向情報を生成する。法定
速度の情報は通信を用いて取得してもよいし、図示しない機器内の蓄積手段から取得して
もよい。
そして、走行する道路に渋滞がない、情報の受信が途切れた他車両Vについて、推定部
103は、直前の位置から上記推定した車速及び走行方向に沿って走行すると仮定して、
RAM12bに記憶された当該他車両Vの直前の位置情報と、上記生成した当該他車両V
の推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づき、第2所定期間経過後の位置を現在位置
として推定し、対応する推定位置情報を生成する。この例では、この推定部103により
生成された他車両Vの推定位置情報及び推定車速情報は、それらの生成時刻と関連付けら
れて、RAM12bに蓄積される。
また、自車両V1が搭載する本実施形態の車載システムSにおけるCPU11により実
行される処理の手順は、上記第1実施形態とほぼ同様である(図9参照)。但し、本実施
形態では、ステップS90では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2の
位置情報などに基づき、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成す
る処理を行う。
図14は、本実施形態におけるステップS90の処理の手順例を示すルーチンである。
図14において、まず、ステップS510で、CPU11は、RAM12bから、他車
両V2の位置情報及びそれに対応する時刻情報を新しいものから順に所定数取得する。取
得する位置情報は現実位置情報であっても推定位置情報であってもよい。
そして、ステップS520で、CPU11は、推定部103の機能により、送信部10
1の機能により適宜の設備から受信された情報あるいは図示しない機器内の蓄積媒体から
、上記ステップS510で取得された他車両V2の直前の位置情報に対応する渋滞情報、
つまり他車両V2の走行する道路の渋滞情報を取得できたか否かを判定する。渋滞情報は
、リアルタイムの情報でもよいし、過去のデータから統計的に処理された情報でもよい。
他車両V2の走行する道路の渋滞情報が取得できなかった場合には、ステップS520の
判定は満たされず、ステップS530に移る。
ステップS530では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS5
10で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報及びそれらに対応する時刻情報
を用いて、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、他車両
V2の車速を推定する手法は、前述した通りである。その後、後述するステップS580
に移る。
一方、ステップS520において、他車両V2の走行する道路の渋滞情報が取得できた
場合には、ステップS520の判定が満たされて、ステップS540に移る。
ステップS540では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS5
20で取得された他車両V2の走行する道路の渋滞情報に基づき、当該道路の渋滞の有無
を判定する。他車両V2の走行する道路に渋滞がある場合には、ステップS540の判定
が満たされて、ステップS550に移る。
ステップS550では、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステップS5
20で取得された他車両V2の走行する道路の渋滞情報に含まれる旅行時間情報を用いて
、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、他車両V2の車
速を推定する手法は、前述した通りである。その後、後述するステップS580に移る。
一方、他車両V2の走行する道路に渋滞がない場合には、ステップS540の判定は満
たされず、ステップS560に移る。
ステップS560では、CPU11は、記憶媒体12cから、上記ステップS510で
取得された他車両V2の直前の位置情報に対応する道路の法定速度、つまり他車両V2の
走行する道路の法定速度に関する情報を取得する。
その後、ステップS570に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS560で取得された他車両V2の走行する道路の法定速度に関する情報を用いて
、他車両V2の車速を推定し、対応する推定車速情報を生成する。なお、他車両V2の車
速を推定する手法は、前述した通りである。
そして、ステップS580で、CPU11は、推定部103の機能により、上記ステッ
プS510で取得された他車両V2の連続する所定数の位置情報を用いて、他車両V2の
走行方向を推定し、対応する推定走向方向情報を生成する。なお、他車両V2の走行方向
を推定する手法は、前述した通りである。
その後、ステップS590に移り、CPU11は、推定部103の機能により、上記ス
テップS510で取得された他車両V2の直前の位置情報、上記ステップS530、上記
ステップS550、又は上記ステップS570で生成された他車両V2の推定車速情報、
及び、上記ステップS580で生成された他車両V2の推定走行方向情報に基づき、他車
両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。なお、他車両V2の現在
位置を推定する手法は、前述した通りである。その後、このルーチンに示す処理が終了さ
れる。
以上説明したように、本実施形態の車載システムS(ナビゲーション装置に相当)は、
無線通信を介して受信された情報より他車両V(他の移動体に相当)の現実位置情報(位
置情報に相当)及び当該現実位置情報に対応する渋滞情報を取得する取得部102(取得
手段に相当)と、取得された現実位置情報を蓄積するRAM12b(蓄積手段に相当)と
、取得部102によって情報が取得できなくなった場合に、蓄積された現実位置情報を用
いて他車両Vの現在位置を推定する推定部103(推定手段に相当)と、取得された現実
位置情報又は推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づいて他車両Vの現在位置
を表示するディスプレイ2(表示手段に相当)と、を有し、推定部103は、取得された
渋滞情報に基づく他車両Vの走行する道路の渋滞の有無に応じて推定方法を変更する。
車両Vが走行する道路が渋滞している場合、渋滞が無い場合に比べて車両Vの車速は大
幅に小さくなるので、道路の渋滞の有無は車両Vの推定位置の精度に大きく影響する。本
実施形態では、推定部103が、取得された渋滞情報に基づく他車両Vの走行する道路の
渋滞の有無に応じて推定方法を変更する。これにより、渋滞の有無に応じて他車両Vの推
定車速を変更して位置を推定することができるので、推定位置と現実の位置との乖離を抑
制し、推定位置の精度を高めることができる。
また、本実施形態の車載システムSにおいては、車両Vが走行する道路の法定速度に関
する情報を記憶した記憶媒体12c(記憶手段に相当)をさらに備え、推定部103は、
他車両Vの走行する道路に渋滞がある場合には、蓄積された現実位置情報を用いて他車両
Vの走行方向を推定すると共に、渋滞情報に含まれる旅行時間情報から車速を推定し、直
前に取得された現実位置情報と、推定された推定車速情報(車速情報に相当)及び推定走
行方向情報(走行方向情報に相当)とに基づいて、他車両Vの現在位置を推定し、他車両
Vの走行する道路に渋滞がない場合には、蓄積された現実位置情報を用いて他車両Vの走
行方向を推定すると共に、他車両Vの走行する道路の法定速度から車速を推定し、直前に
取得された現実位置情報と、推定された推定車速情報及び推定走行方向情報とに基づいて
、他車両Vの現在位置を推定する。
本実施形態では、他車両Vの走行する道路に渋滞がある場合には、渋滞情報に含まれる
旅行時間情報から車速を推定するので、当該道路の渋滞状況を反映した現実に近い推定車
速を用いて他車両Vの位置を推定することができる。また、他車両Vの走行する道路に渋
滞がない場合には、他車両Vの走行する道路の法定速度から車速を推定するので、当該道
路の渋滞の無い状況での一般的な車速を用いて他車両Vの位置を推定することができる。
このようにすることで、推定位置と現実位置との乖離を抑えることができ、推定位置の精
度を高めることができる。
なお、本発明は、上記第1〜第5実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術
的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、推定部103は、情報の
受信の途切れた他車両Vの走行する道路の種別(例えば道路が幹線道路であるか細街路で
あるかなど)を加味して(例えばそれ以降は道路の種別に応じて定めた車速で走行すると
仮定するなどして)、車速の推定を行ってもよい。
また、推定部103は、送信部101により情報の受信の途切れた他車両Vから情報の
受信が途切れる前に受信された情報に、目的地情報や経路情報が含まれていた場合には、
それらの情報を加味して、走行方向の推定を行ってもよい。
また、以上では、CPU11は、上記他車両Vからの情報受信毎にあるいは第2所定期
間ごとに他車両Vの現在位置を更新表示する際、この更新するまでの間は、他車両Vの現
在位置の表示を停止させる表示方法の例についても触れたが、これに限られない。例えば
、CPU11は、この更新するまでの間でも、以上で述べた推定方法のいずれかを用いて
、より細かい間隔で滑らかに他車両Vの現在位置の表示を更新表示させてもよい。
また、上記第2所定期間を、ユーザが他車両Vの現在位置の表示を見る場合にほぼ連続
して見ることのできる視覚分解能に応じて設定してもよい。
また、本発明は、現在位置の表示を行っている他車両Vが無線通信を行うことのできな
い遠方に移動した場合でも所定の条件が満たされるまで(例えば、所定の期間が経過する
まで、所定の地点に到達するまでなど)は、当該他車両Vの現在位置を推定し、当該他車
両Vの現在位置を表示する場合にも適用可能である。
なお、図9〜図14に示すフローチャートは本発明を図示する手順に限定するものでは
なく、趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をし
てもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせ
て利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々
の変更が加えられて実施されるものである。
2 ディスプレイ(表示手段に相当)
12b RAM(蓄積手段に相当)
12c 記憶媒体(記憶手段に相当)
102 取得部(取得手段に相当)
103 推定部(推定手段に相当)
S 車載システム(ナビゲーション装置に相当)
V 車両(移動体に相当)

Claims (1)

  1. 無線通信を介して受信された情報より他の移動体の位置情報を取得する取得手段と、
    前記取得された位置情報を蓄積する蓄積手段と、
    前記取得手段によって情報が取得できなくなった場合に、前記蓄積された位置情報を用いて前記他の移動体の車速及び走行方向を推定し、直前に取得された位置情報と、前記推定された車速情報及び走行方向情報とに基づいて、前記他の移動体の現在位置を推定する推定手段と、
    前記取得された位置情報又は前記推定された位置情報に基づいて前記他の移動体の現在位置を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
JP2018005088A 2018-01-16 2018-01-16 ナビゲーション装置 Pending JP2018063267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018005088A JP2018063267A (ja) 2018-01-16 2018-01-16 ナビゲーション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018005088A JP2018063267A (ja) 2018-01-16 2018-01-16 ナビゲーション装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012289122A Division JP2014130116A (ja) 2012-12-28 2012-12-28 ナビゲーション装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019132254A Division JP2019204531A (ja) 2019-07-17 2019-07-17 ナビゲーション装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018063267A true JP2018063267A (ja) 2018-04-19

Family

ID=61967744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018005088A Pending JP2018063267A (ja) 2018-01-16 2018-01-16 ナビゲーション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018063267A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116153082A (zh) * 2023-04-18 2023-05-23 安徽省中兴工程监理有限公司 一种基于机器视觉的高速公路路况采集分析处理系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10103980A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Mazda Motor Corp ナビゲーション装置
JP2004246458A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Toyota Motor Corp 車両用運転支援装置及び車両用制御装置
JP2006275673A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Alpine Electronics Inc ナビゲーション装置
US20070054685A1 (en) * 2005-09-07 2007-03-08 Kellum Carroll C Vehicle-to-vehicle communication

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10103980A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Mazda Motor Corp ナビゲーション装置
JP2004246458A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Toyota Motor Corp 車両用運転支援装置及び車両用制御装置
JP2006275673A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Alpine Electronics Inc ナビゲーション装置
US20070054685A1 (en) * 2005-09-07 2007-03-08 Kellum Carroll C Vehicle-to-vehicle communication

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116153082A (zh) * 2023-04-18 2023-05-23 安徽省中兴工程监理有限公司 一种基于机器视觉的高速公路路况采集分析处理系统
CN116153082B (zh) * 2023-04-18 2023-06-30 安徽省中兴工程监理有限公司 一种基于机器视觉的高速公路路况采集分析处理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10303168B2 (en) On-vehicle control device, host vehicle position and posture specifying device, and on-vehicle display device
JP6328254B2 (ja) 自動走行管理システム、サーバおよび自動走行管理方法
JP6368651B2 (ja) 走行環境認識システム
WO2015145637A1 (ja) 渋滞判定装置、渋滞判定方法、渋滞判定プログラム、端末装置、渋滞情報表示方法、及び、渋滞情報表示プログラム
JP2020140535A (ja) サーバ、車両支援システム
JPWO2017110002A1 (ja) 予測装置、予測システム、予測方法および予測プログラム
JP2020087217A (ja) 情報提供システム、サーバ、車載装置、車両、プログラム及び情報提供方法
JP2005174314A (ja) 道路情報作成・配信装置、車載装置、道路情報作成・配信システム
JP4797849B2 (ja) 運転支援画像表示システム及び車載装置
CN111627248A (zh) 服务器、车辆管制系统
US11292491B2 (en) Server and vehicle control system
JP4970922B2 (ja) 車載用ナビゲーション装置及び緊急情報提供方法
JP2009276845A (ja) 移動体通信装置および移動体通信システム
JP4930441B2 (ja) 運転支援装置
JP2018063267A (ja) ナビゲーション装置
JP2015007818A (ja) ナビゲーション装置、通信装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム
JP6387744B2 (ja) 車載器及び運転支援システム
JP2014021884A (ja) 車両検知システム
JP2014130550A (ja) 情報表示装置及び情報表示方法
JP2014130116A (ja) ナビゲーション装置
JP2019204531A (ja) ナビゲーション装置
JP7252001B2 (ja) 認識装置及び認識方法
JP2021009743A (ja) 情報表示装置及び情報表示方法
JP2018077243A (ja) ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム
JP2017162516A (ja) 情報表示装置及び情報表示方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190507