JP2018062863A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2018062863A
JP2018062863A JP2016200057A JP2016200057A JP2018062863A JP 2018062863 A JP2018062863 A JP 2018062863A JP 2016200057 A JP2016200057 A JP 2016200057A JP 2016200057 A JP2016200057 A JP 2016200057A JP 2018062863 A JP2018062863 A JP 2018062863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
back pressure
filter
fluid machine
type fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016200057A
Other languages
English (en)
Inventor
杉本 和禧
Kazuyoshi Sugimoto
和禧 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Environmental Products Corp
Original Assignee
Sanden Environmental Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Environmental Products Corp filed Critical Sanden Environmental Products Corp
Priority to JP2016200057A priority Critical patent/JP2018062863A/ja
Publication of JP2018062863A publication Critical patent/JP2018062863A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】背圧室の圧力を適正に調整する背圧制御弁が異物によって機能不良を起こす不都合を解消する。
【解決手段】固定スクロール36と可動スクロール34を有し、固定スクロールの渦巻きラップ36Aと可動スクロールの渦巻きラップ34Aを噛み合わせ、両渦巻きラップ間に作動流体の圧力室を形成するスクロールユニット30と、可動スクロールの鏡板の背面側に形成された背圧室46と、この背圧室の圧力を適正に調整するための背圧制御弁51とを備え、この背圧制御弁の背圧室側にフィルタ57を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクロール型流体機械に係り、詳しくは、給湯用、暖房用、給湯暖房用、冷蔵用、冷凍用、或いは、冷凍冷蔵用の冷凍回路システムに好適なスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械には、冷媒(作動流体)の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットが容器内に備えられている。このスクロールユニットは互いに噛み合う固定スクロールと可動スクロールを備えており、可動スクロールの背面にはボスが形成され、このボスには回転軸と一体形成されたクランクピンが連結されている。可動スクロールは、ボスを介して回転軸により駆動されることにより、自転することなく主軸フレームに支持されながら固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動する。これにより、各スクロールの渦巻きラップ間に形成される空間の容量が減少し、上記一連のプロセスが行われる。
また、このようなスクロール型流体機械では、各スクロールの渦巻きラップ同士を確実に噛み合わせ、渦巻きラップ間に形成される空間(圧力室)を密閉して冷媒の漏れを防止することが重要である。そこで、可動スクロールの鏡板の背面側に背圧室を形成すると共に、この背圧室と吸入室よりも圧縮が進んだ位置とを連通路で連通し、且つ、この連通路には背圧調整弁(背圧制御弁)を介装して、背圧室の圧力が圧力室の圧力よりも所定差圧大きくなるように、背圧室の圧力を適正に調整していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−43598号公報
しかしながら、このようなスクロール型流体機械ではオイルや冷媒中に異物(塵埃、加工屑等のコンタミネーション)が混入する。そして、これらの異物が背圧制御弁に詰まり、上記の如き背圧室の圧力調整機能が不能となってしまう問題が発生していた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、背圧室の圧力を適正に調整する背圧制御弁が異物によって機能不良を起こす不都合を解消することができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスクロール型流体機械は、固定スクロールとこの固定スクロールに対して公転旋回運動される可動スクロールを有し、固定スクロールの渦巻きラップと可動スクロールの渦巻きラップを噛み合わせ、両渦巻きラップ間に作動流体の圧力室を形成するスクロールユニットと、可動スクロールの鏡板の背面側に形成された背圧室と、この背圧室の圧力を適正に調整するための背圧制御弁とを備え、この背圧制御弁の背圧室側にフィルタを設けたことを特徴とする。
請求項2の発明のスクロール型流体機械は、上記発明においてフィルタは、背圧制御弁に一体に設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において背圧制御弁は、弁座部材と、この弁座部材の一面に形成された弁座と、ボール又は円錐体で形成された弁体と、この弁体を弁座に押し付ける付勢部材とから構成されており、フィルタは、弁座部材の弁座とは反対側にカシメ固定されていることを特徴とする。
請求項4の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において弁体は、セラミックスにて構成され、弁座部材及びフィルタは、ステンレスにて構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において固定スクロールの鏡板に形成された取付孔を備え、この取付孔は、固定スクロールの鏡板の可動スクロール側の面にて開口しており、この開口側にフィルタが位置するかたちで背圧制御弁は取付孔内に圧入されていることを特徴とする。
請求項6の発明のスクロール型流体機械は、上記発明において取付孔は、背圧制御弁の弁座部材が圧入される圧入部と、この圧入部の開口側に形成された治具ガイド部を有し、この治具ガイド部の内径寸法は、圧入部の内径寸法より大きいことを特徴とする。
請求項7の発明のスクロール型流体機械は、上記発明において治具ガイド部の深さ寸法は、圧入部の深さ寸法より大きいことを特徴とする。
請求項8の発明のスクロール型流体機械は、請求項5乃至請求項7の発明において背圧制御弁が取付孔内に圧入された状態で、フィルタは取付孔の開口より内側に位置することを特徴とする。
請求項9の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明においてフィルタはドーム形状を成すと共に、粗目のメッシュサイズの第1のフィルタ部材と、細目のメッシュサイズの第2のフィルタ部材を有し、第1のフィルタ部材の背圧室側に第2のフィルタ部材が位置するかたちで各フィルタ部材が重合されていることを特徴とする。
請求項10の発明のスクロール型流体機械は、上記発明において第1のフィルタ部材のメッシュサイズは50〜100メッシュ、第2のフィルタのメッシュサイズは200〜300メッシュである条件の双方又は何れか一方が満足することを特徴とする。
請求項11の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において作動流体として、二酸化炭素冷媒を使用することを特徴とする。
請求項12の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において給湯用、暖房用、給湯暖房用、冷蔵用、冷凍用、冷凍冷蔵用のうちの何れかの冷凍回路システムに使用されることを特徴とする。
本発明によれば、固定スクロールとこの固定スクロールに対して公転旋回運動される可動スクロールを有し、固定スクロールの渦巻きラップと可動スクロールの渦巻きラップを噛み合わせ、両渦巻きラップ間に作動流体の圧力室を形成するスクロールユニットと、可動スクロールの鏡板の背面側に形成された背圧室と、この背圧室の圧力を適正に調整するための背圧制御弁とを備えたスクロール型流体機械において、背圧制御弁の背圧室側にフィルタを設けたので、作動流体中の異物をフィルタにより捕獲し、背圧制御弁に異物が詰まる不都合を解消することができるようになる。
これにより、例えば請求項11の発明の如く作動流体として二酸化炭素冷媒を使用し、請求項12の発明の如く給湯用、暖房用、給湯暖房用、冷蔵用、冷凍用、冷凍冷蔵用のうちの何れかの冷凍回路システムに使用されるスクロール型流体機械において、背圧制御弁が機能不良に陥る不都合を解消し、背圧室の圧力調整機能を円滑に維持して、安定した運転を実現することができるようになる。
また、請求項2の発明の如くフィルタを、背圧制御弁に一体に設けることで、異物を直前で効果的に捕獲することができるようになる。また、スクロール型流体機械への組付作業性や部品管理作業性も向上させることができるようになる。
このとき、請求項3の発明の如く背圧制御弁を、弁座部材と、この弁座部材の一面に形成された弁座と、ボール又は円錐体で形成された弁体と、この弁体を弁座に押し付ける付勢部材とから構成し、フィルタを、弁座部材の弁座とは反対側にカシメ固定することで、比較的容易にフィルタを背圧制御弁に一体化することができる。
特に、請求項4の発明の如く弁体をセラミックスにて構成し、弁座部材及びフィルタをステンレスにて構成することで、錆の防止やエロージョン摩耗対策に効果を発揮する。
この場合、請求項5の発明の如く固定スクロールの鏡板に取付孔を形成し、この取付孔は、固定スクロールの鏡板の可動スクロール側の面にて開口するようにし、この開口側にフィルタが位置するかたちで背圧制御弁を取付孔内に圧入するようにすれば、固定スクロールの鏡板の中に背圧制御弁を取り付けて流体機械の小型化を図ることができるようになる。
その際、請求項6の発明の如く取付孔に、背圧制御弁の弁座部材が圧入される圧入部と、この圧入部の開口側に形成された治具ガイド部を形成し、この治具ガイド部の内径寸法を、圧入部の内径寸法より大きくすることで、背圧制御弁を圧入するための治具の内径を適宜逃がし、フィルタとの接触を回避することが可能となり、治具によってフィルタが潰れる不都合も防止することができる。
また、請求項7の発明の如く治具ガイド部の深さ寸法を、圧入部の深さ寸法より大きくすることで、最後まで円滑に背圧制御弁を取付孔に圧入することができるようになる。
そして、請求項8の発明の如く背圧制御弁が取付孔内に圧入された状態で、フィルタが取付孔の開口より内側に位置するようにすれば、可動スクロールとフィルタが干渉する不都合も発生しなくなる。
また、請求項9の発明の如くフィルタがドーム形状を成し、粗目のメッシュサイズの第1のフィルタ部材と、細目のメッシュサイズの第2のフィルタ部材を有して第1のフィルタ部材の背圧室側に第2のフィルタ部材が位置するかたちで各フィルタ部材を重合するようにすれば、背圧室側からフィルタに流入する作動流体中の異物を細目のメッシュサイズの第2のフィルタ部材で確実に捕獲し、更に、粗目のメッシュサイズの第1のフィルタ部材で第2のフィルタ部材を支え、第2のフィルタ部材の潰れも防止することができるようになる。また、ドーム形状により、フィルタの通過面積が拡大され、異物により一部に目詰まりが生じても、作動流体の通過面積を確保することが可能となる。
上記のことは、例えば請求項10の発明の如く第1のフィルタ部材のメッシュサイズが50〜100メッシュ、第2のフィルタのメッシュサイズが200〜300メッシュである条件の双方を満足させることで最大の効果を発揮できるが、何れか一方を満足させることでも、ある程度有効に働く。
本発明のスクロール型流体機械を適用した一実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の固定スクロールを渦巻きラップ側から見た図である。 図2のA−A線断面における背圧制御弁部分を示す図である。 図3の背圧制御弁の弁座部材とフィルタの断面図である。 図4のフィルタの拡大断面図である。 図2の固定スクロールの取付孔部分の断面図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明に係るスクロール型流体機械の一実施例としての密閉型のスクロール圧縮機1の縦断面図を示している。実施例のスクロール圧縮機1は、図示しない給湯用、暖房用、給湯暖房用、冷蔵用、冷凍用、冷凍冷蔵用等の冷凍回路システムに組み込まれている。この冷凍回路システムは、作動流体の一実施例である冷媒として、二酸化炭素冷媒が循環する冷媒回路を備え、スクロール圧縮機1は冷媒回路から冷媒(二酸化炭素冷媒:作動流体)を吸入し、圧縮して冷媒回路に向けて吐出するものである。
図1に示すように、このスクロール圧縮機1はハウジング(容器)2を備え、ハウジング2の胴部4は、その上側及び下側に嵌合された上蓋6及び下蓋8によってそれぞれ気密に封止されており、胴部4の内部が密閉され、高圧の吐出圧力が作用している。また、胴部4には上記冷媒回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置には、ハウジング2内の圧縮冷媒を上記冷媒回路へ送出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。また、回転軸16の上端側は主軸フレーム18に回転自在に支持されている。
一方、回転軸16の下端側は副軸フレーム22に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ24が装着されており、オイルポンプ24は下蓋8の内側、即ち、ハウジング2の底部に形成された貯油室26内の潤滑油Lを吸引する。この潤滑油Lは、回転軸16の内部に軸線に沿って穿設される給油路28を経て各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールを行う。
尚、貯油室26の潤滑油Lの油面には冷媒の吐出圧力が作用しており、この冷媒の吐出圧力が潤滑油Lの油面に作用することも給油路28における潤滑油Lの上昇に寄与する。これより、給油路28の出口においては冷媒の吐出圧力に略等しい高圧環境となる。
また、副軸フレーム22の適宜位置には潤滑油Lの導入口32が形成されており、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油Lは、導入口32を介して貯油室26に貯留される。
そして、この胴部4内におけるモータ14の上方には、スクロールユニット30が配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。詳しくは、当該スクロールユニット30は、可動スクロール34及び固定スクロール36から構成され、各スクロール34、36の各鏡板34B、36Bには、それぞれ対峙する面に渦巻きラップ34A、36Aが各々一体に立設されており、これら渦巻きラップ34A、36A間に圧力室としての圧縮室39を形成している。これより、固定スクロール36に対して可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34A、36Aが互いに噛み合い、協働して可動スクロール34の外周側に形成された吸入室37から吸入管10を介して冷媒が当該圧縮室39に吸入され、圧縮室39が渦巻きラップ34A、36Aの中心(軸心)に向けて移動しながらその容積が減少され、冷媒の圧縮が行われる。
詳しくは、可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34A、36Aの側面が微少隙間を有して噛み合うとともに渦巻きラップ34Aの頂面と固定スクロール36の鏡板36Bの面、及び、渦巻きラップ36Aの頂面と可動スクロール34の鏡板34Bの面が微少隙間を有して噛み合いながら圧縮室39の容積が減少し、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスが実施される。
上述した可動スクロール34に旋回運動を付与するため、可動スクロール34の鏡板34Bの背面側にはボス38が突出して形成され、このボス38はクランクピン42に連結されている。このクランクピン42は、回転軸16の上端側に一体に形成され、回転軸16の回転に伴い主軸フレーム18上にて可動スクロール34を自転すること無く公転旋回運動させる。尚、可動スクロール34の自転阻止と公転旋回はオルダムリング20により達成される。
固定スクロール36は主軸フレーム18に固定され、上蓋6に形成される吐出室44側と圧縮室39側とを仕切っている。詳しくは、主軸フレーム18には回転軸16と同心円状に円筒状の外周壁19が固定スクロール36に向けて延びており、固定スクロール36は当該外周壁19の上縁に接合されている。
このように固定スクロール36が当該外周壁19の上縁に接合されていることにより、固定スクロール36と主軸フレーム18との間には、可動スクロール34の摺動する旋回摺動領域が形成されている。そして、当該旋回摺動領域のうち可動スクロール34の鏡板34Bの背面側と主軸フレーム18の上面との間、及び、外周壁19と摺接する可動スクロール34の摺接点以外の部分には背圧室46が形成されている。
この背圧室46は主軸フレーム18の上面に設けられたシールリング17により高圧となる中心側の空間46Aと、その外側で中間圧となる空間46Bとに区画されている。そして、背圧室46の空間46Aには、上記給油路28の出口から吐出した高圧の潤滑油Lが加圧された状態で充填されている。また、シールリング17には外周のシール性向上のために切欠が形成されている。また、可動スクロール34の鏡版34B背面には連通溝が形成されており、可動スクロール34の公転旋回中に空間46Aと空間46Bとがこの連通溝により連通され、高圧の潤滑油Lが空間46B側に漏出する。これにより、空間46Bは中間圧となり、背圧室46の空間46Aの高圧と空間46Bの中間圧を背圧として可動スクロール34を固定スクロール36側に押圧し、圧縮室39の密閉性を確保し、圧縮不良の発生を防止可能とされている。
固定スクロール36の中央部分の適宜位置には、圧縮室39側に連通する吐出孔71が貫通して穿設されており、この吐出孔71は固定スクロール36の鏡板36Bの背面側に配置された吐出弁72により開閉される。また、吐出弁71は吐出ヘッド73で覆われており、この吐出ヘッド73により、吐出弁71の開弁時における音が抑制される。固定スクロール36及び主軸フレーム18には、外周部分に位置して冷媒通路(図示せず)が軸線方向に延びて貫通している。これより、詳細については説明を省略するが、吐出孔71から吐出された冷媒が当該冷媒通路を経てハウジング2内を循環可能である。
一方、固定スクロール36の鏡板36B内には、図3に示す如く背圧室46の空間46Bと吸入室37とを連通する連通路45が形成されている。この連通路45は、固定スクロール36の鏡板36Bの可動スクロール34側の面(渦巻きラップ36A側の面)にて開口する取付孔47と、この取付孔47の奥部から吸入室37に至る連通孔48とから成る。そして、前記取付孔47内に本発明の背圧制御弁51が圧入にて取り付けられている。
この背圧制御弁51は、ステンレス製の弁座部材52と、セラミック製のボール(円錐体でも良い)から成る弁体53と、この弁体53を弁座部材52の一面に形成された弁座54に押し付ける付勢部材としてのスプリング56とから構成されている。この場合、弁座54は弁座部材52の取付孔47の開口(背圧室46の空間46B側)とは反対側の一面に形成されており、弁体53及びスプリング56も弁座部材52より取付孔47の奥側に配置されている。そして、連通孔48は弁座部材52の弁座54よりスプリング56側にて取付孔47に連通している。
スプリング56は常時弁体53を弁座54に押し付けているので、吸入室37の圧力よりも背圧室46の空間46Bの圧力が高くなり、その差が、スプリング56の付勢力と弁体53の自重よりも大きくなった場合、弁体53は弁座54から離れて開弁し、連通路45が開放される。連通路45が開放されることで、背圧室46の空間46B側の冷媒(中間圧)が吸入室37側に移動するので、これにより、背圧室46は適正に調整されることになる。
そして、本発明ではこの背圧制御弁51の背圧室46(空間46B)側にフィルタ57を設けている。実施例のフィルタ57は取付孔47の開口側(背圧室46の空間46B側)に張り出すドーム形状を呈しており、何れもステンレスから成る第1のフィルタ部材58と第2のフィルタ59の二重構造とされている(図5)。
この場合、第1のフィルタ部材58は粗目のメッシュサイズを有しており、そのメッシュサイズは実施例では50〜100メッシュとされている。また、第2のフィルタ部材59の細目のメッシュサイズを有しており、そのメッシュサイズは実施例では200〜300メッシュとされ、係る第2のフィルタ部材59と第1のフィルタ部材58が重合されてフィルタ57が構成されている。
そして、このような構造のフィルタ57は、その縁部が弁座部材52の弁座54とは反対側(背圧室46側)にカシメ固定(カシメ部を図4に61で示す)されて背圧制御弁51と一体化されている(図4)。この状態で、第2のフィルタ部材59は第1のフィルタ部材58の背圧室46(空間46B)側に位置するかたちとなる。
他方、取付孔47は背圧制御弁51の弁座部材52が圧入される寸法の圧入部63と、この圧入部63よりも取付孔47の開口(固定スクロール36の鏡板36Bの可動スクロール34側の面の開口)側に形成された治具ガイド部64を有しており、図6に示す如く治具ガイド部64の内径寸法T1は、圧入部63の内径寸法T2よりも大きい値とされている。また、治具ガイド部64の深さ寸法D1は、圧入部64の深さ寸法D2よりも大きい値とされている。
背圧制御弁51を取付孔47内に取り付ける際には、先ずスプリング56と弁体53を奥部に挿入した後、フィルタ57がカシメ固定された弁座部材52を圧入部62内に圧入するものであるが、この圧入の際には、圧入治具66により開口側から圧入する。このとき、圧入治具66はカシメ部61に宛がわれ、治具ガイド部64に案内されて取付孔47内に進入するものであるが、このとき、治具ガイド部64の内径寸法T1は圧入部63の内径寸法T2よりも大きくされているので、圧入治具66を支障無くカシメ部61に宛がうことができるようになり、圧入治具66の内径を適宜逃がし、フィルタ57との接触を回避することで、フィルタ57の潰れを防止できる。また、治具ガイド部64の深さ寸法D1は、圧入部64の深さ寸法D2よりも大きくされているので、弁座部材52が圧入部63内に圧入される最後まで圧入治具66は治具ガイド部64内に進入することができる。
このように、背圧制御弁51が取付孔47内に圧入された状態で、フィルタ57はその開口側に位置する。また、フィルタ57は取付孔47の開口よりも内側に位置することになる(図3)。
以下、このように構成された本発明に係るスクロール圧縮機1の動作について説明する。スクロール圧縮機1の電動モータ14により回転軸16が回転すると、可動スクロール34が公転旋回運動を開始する。この可動スクロール34の公転旋回運動は、吸入管10から冷媒をスクロールユニット30の内部に向けて吸入し、圧縮室39の容積を縮小させながら当該冷媒を圧縮する。そして、このように圧縮された高圧の冷媒は吐出孔71から吐出され、ハウジング2内を潤滑油Lを分離しながら循環した後、吐出室44から吐出管12を通じて外部へ送出される。
そして、この際、背圧室46の空間46Bの圧力が、背圧制御弁51の弁体53のスプリング56側に供給される吸入室37の圧力にスプリング56の付勢力と弁体53の自重を加えた圧力より高くなると、背圧制御弁51は圧力差により弁体53がスプリング56の付勢力に抗して上方に押し上げられて開弁する。これにより、背圧室46の空間46Bが連通路45を介して吸入室37と連通し、空間46B側から吸入室37側に冷媒が移動するため、背圧室46の空間46Bの圧力が吸入室37の圧力よりも所定差圧だけ大きくなるように適正に調圧される。
このとき、本発明では背圧制御弁51の背圧室46(空間46B)側にフィルタ57を設けているので、オイルや冷媒(作動流体)中の異物をフィルタ57により捕獲し、背圧制御弁51に異物が詰まる不都合を解消することができるようになる。これにより、背圧制御弁51が機能不良に陥る不都合を解消し、背圧室46の圧力調整機能を円滑に維持して、安定した運転を実現することができるようになる。
この場合、実施例ではフィルタ57がドーム形状を成し、粗目のメッシュサイズの第1のフィルタ部材58と、細目のメッシュサイズの第2のフィルタ部材59を有して第1のフィルタ部材58の背圧室46(空間46B)側に第2のフィルタ部材59が位置するかたちで各フィルタ部材58、59を重合しているので、背圧室46(空間46B)側からフィルタ57に流入する冷媒中の異物を細目のメッシュサイズの第2のフィルタ部材59で確実に捕獲し、更に、粗目のメッシュサイズの第1のフィルタ部材58で第2のフィルタ部材59を支え、第2のフィルタ部材59の潰れも防止することができるようになる。また、ドーム形状により、フィルタ57の通過面積が拡大され、異物により一部に目詰まりが生じても、オイルや冷媒(作動流体)の通過面積を確保することが可能となる。
尚、実施例では第1のフィルタ部材58のメッシュサイズを50〜100メッシュ、且つ、第2のフィルタ59のメッシュサイズを200〜300メッシュとすることで、最大の効果を発揮できるが、第1のフィルタ部材58のメッシュサイズが50〜100メッシュ、第2のフィルタ59のメッシュサイズが200〜300メッシュである条件の何れか一方を満足していれば、ある程度係る効果を有効に働かせることが可能となる。
また、実施例ではフィルタ57を背圧制御弁51に一体に設けているので、異物を直前で効果的に捕獲することができるようになる。また、スクロール圧縮機1の固定スクロール36への組付作業性や部品管理作業性も向上させることができるようになる。
このとき、実施例では背圧制御弁51を、弁座部材52と、この弁座部材52の一面に形成された弁座54と、ボール又は円錐体で形成された弁体53と、この弁体53を弁座54に押し付けるスプリング56(付勢部材)とから構成し、フィルタ57を、弁座部材52の弁座54とは反対側にカシメ固定しているので、比較的容易にフィルタ57を背圧制御弁51に一体化することができる。特に、弁体53をセラミックスにて構成し、弁座部材52及びフィルタ57をステンレスにて構成しているので、錆の防止やエロージョン摩耗対策に効果を発揮する。
この場合、固定スクロール36の鏡板36Bに取付孔47を形成し、この取付孔47は、固定スクロール36の鏡板36Bの可動スクロール34側の面にて開口するようにし、この開口側にフィルタ57が位置するかたちで背圧制御弁51を取付孔47内に圧入しているので、固定スクロール36の鏡板36Bの中に背圧制御弁51を取り付けて圧縮機1の小型化を図ることができるようになる。
その際、取付孔47に、背圧制御弁51の弁座部材52が圧入される圧入部63と、この圧入部63の開口側に形成された治具ガイド部64を形成し、この治具ガイド部64の内径寸法T1を、圧入部63の内径寸法T2より大きくしているので、背圧制御弁51を圧入するための圧入治具66の内径を適宜逃がし、フィルタ57との接触を回避することが可能となり、圧入治具66によってフィルタ57が潰れる不都合も防止することができる。
また、治具ガイド部64の深さ寸法D1を、圧入部63の深さ寸法D2より大きくしているので、最後まで円滑に背圧制御弁51を取付孔47に圧入することができるようになる。そして、背圧制御弁51が取付孔47内に圧入された状態で、フィルタ57は取付孔47の開口より内側に位置するので、可動スクロール34とフィルタ57が干渉する不都合も発生しなくなる。
尚、実施例では密閉型のスクロール圧縮機について説明しているが、これに限らず、種々の分野における密閉型以外の圧縮機または膨張機等のスクロール型流体機械に本発明は適用可能である。
1 スクロール圧縮機(スクロール型流体機械)
2 ハウジング
30 スクロールユニット
34 可動スクロール
36 固定スクロール
37 吸入室
39 圧縮室(圧力室)
45 連通路
46 背圧室
46B 空間
47 取付孔
51 背圧制御弁
52 弁座部材
53 弁体
54 弁座
56 スプリング(付勢部材)
63 圧入部
64 治具ガイド部
66 圧入治具

Claims (12)

  1. 固定スクロールと該固定スクロールに対して公転旋回運動される可動スクロールを有し、前記固定スクロールの渦巻きラップと前記可動スクロールの渦巻きラップを噛み合わせ、両渦巻きラップ間に作動流体の圧力室を形成するスクロールユニットと、
    前記可動スクロールの鏡板の背面側に形成された背圧室と、
    該背圧室の圧力を適正に調整するための背圧制御弁とを備え、
    該背圧制御弁の前記背圧室側にフィルタを設けたことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記フィルタは、前記背圧制御弁に一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記背圧制御弁は、弁座部材と、該弁座部材の一面に形成された弁座と、ボール又は円錐体で形成された弁体と、該弁体を前記弁座に押し付ける付勢部材とから構成されており、
    前記フィルタは、前記弁座部材の前記弁座とは反対側にカシメ固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記弁体は、セラミックスにて構成され、前記弁座部材及びフィルタは、ステンレスにて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
  5. 前記固定スクロールの鏡板に形成された取付孔を備え、該取付孔は、前記固定スクロールの鏡板の前記可動スクロール側の面にて開口しており、該開口側に前記フィルタが位置するかたちで前記背圧制御弁は前記取付孔内に圧入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
  6. 前記取付孔は、前記背圧制御弁の弁座部材が圧入される圧入部と、該圧入部の前記開口側に形成された治具ガイド部を有し、該治具ガイド部の内径寸法は、前記圧入部の内径寸法より大きいことを特徴とする請求項5に記載のスクロール型流体機械。
  7. 前記治具ガイド部の深さ寸法は、前記圧入部の深さ寸法より大きいことを特徴とする請求項6に記載のスクロール型流体機械。
  8. 前記背圧制御弁が前記取付孔内に圧入された状態で、前記フィルタは前記取付孔の開口より内側に位置することを特徴とする請求項5乃至請求項7のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
  9. 前記フィルタはドーム形状を成すと共に、粗目のメッシュサイズの第1のフィルタ部材と、細目のメッシュサイズの第2のフィルタ部材を有し、前記第1のフィルタ部材の前記背圧室側に前記第2のフィルタ部材が位置するかたちで各フィルタ部材が重合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
  10. 前記第1のフィルタ部材のメッシュサイズは50〜100メッシュ、前記第2のフィルタのメッシュサイズは200〜300メッシュである条件の双方又は何れか一方が満足することを特徴とする請求項9に記載のスクロール型流体機械。
  11. 前記作動流体として、二酸化炭素冷媒を使用することを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
  12. 給湯用、暖房用、給湯暖房用、冷蔵用、冷凍用、冷凍冷蔵用のうちの何れかの冷凍回路システムに使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項11のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
JP2016200057A 2016-10-11 2016-10-11 スクロール型流体機械 Pending JP2018062863A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016200057A JP2018062863A (ja) 2016-10-11 2016-10-11 スクロール型流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016200057A JP2018062863A (ja) 2016-10-11 2016-10-11 スクロール型流体機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018062863A true JP2018062863A (ja) 2018-04-19

Family

ID=61966531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016200057A Pending JP2018062863A (ja) 2016-10-11 2016-10-11 スクロール型流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018062863A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109340117A (zh) * 2018-11-26 2019-02-15 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种控制阀组件和涡旋压缩机
WO2020148857A1 (ja) * 2019-01-17 2020-07-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109340117A (zh) * 2018-11-26 2019-02-15 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种控制阀组件和涡旋压缩机
WO2020148857A1 (ja) * 2019-01-17 2020-07-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JPWO2020148857A1 (ja) * 2019-01-17 2021-09-09 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9850904B2 (en) Scroll compressor
WO2016136185A1 (ja) スクロール型圧縮機
WO2018131111A1 (ja) 多段スクロール圧縮機
JP2006299806A (ja) スクロール圧縮機
JPH09209946A (ja) スクロール圧縮機
CN106168212B (zh) 涡旋式压缩机
JP2018062863A (ja) スクロール型流体機械
US20220316476A1 (en) Scroll compressor
JP2005002886A (ja) スクロール圧縮機
JP4604968B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5291423B2 (ja) 流体機械
JP2008267150A (ja) 流体機械
JP2010138749A (ja) スクロール型流体機械
JP2008267149A (ja) 流体機械
JP3045898B2 (ja) スクロール圧縮機
JP4802855B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2010043598A (ja) スクロール型流体機械
JP2019019768A (ja) スクロール圧縮機
JP7468428B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP7486149B2 (ja) スクロール圧縮機
JP4301122B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5061462B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2002213380A (ja) 圧縮機の給油構造
JP2005105990A (ja) スクロール圧縮機
JP4301120B2 (ja) スクロール圧縮機