JP2018062560A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な耐久性を維持しながら、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能が改善された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、熱可塑性エラストマーと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、軟化剤とを含むゴム組成物を用いて作成したトレッドを有し、前記熱可塑性エラストマーが、一方の末端に、前記ゴム成分とのSP値の差が0.3以下である第一ブロック成分を、他方の末端に、前記ゴム成分とのSP値との差が0.4〜0.9である第二ブロック成分を有する空気入りタイヤに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤのグリップ性能を向上させる手法として、フェノール樹脂などの粘着付与樹脂を配合する手法が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、粘着付与樹脂を配合すると、ゴム硬度の温度依存性が大きくなるため、幅広い温度範囲に渡って良好なグリップ性能を発揮することができなくなり、例えば、ドライグリップ性能は向上しても、ウェットグリップ性能は低下してしまう場合がある。また、粘着付与樹脂を配合すると、耐摩耗性が悪化して、良好な耐久性を確保できないおそれがある。そのため、幅広い温度領域に渡って良好なグリップ性能を発揮することができ、かつ耐久性に優れたタイヤの提供が求められている。
特開2008−163108号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な耐久性を維持しながら、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能が改善された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、熱可塑性エラストマーと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、軟化剤とを含むゴム組成物を用いて作成したトレッドを有し、前記熱可塑性エラストマーが、一方の末端に、前記ゴム成分とのSP値の差が0.3以下である第一ブロック成分を、他方の末端に、前記ゴム成分とのSP値との差が0.4〜0.9である第二ブロック成分を有する空気入りタイヤに関する。
前記ゴム成分100質量部に対する前記熱可塑性エラストマーの含有量が2〜15質量部であることが好ましい。
前記第二ブロック成分の融点が、40〜150℃であることが好ましい。
前記軟化剤が、オイル及び/又は液状ジエン系ゴムであることが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分と、特定の熱可塑性エラストマーと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、軟化剤とを含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであるので、良好な耐久性を維持しながら、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能を改善できる。
本発明の空気入りタイヤは、ゴム成分と、熱可塑性エラストマーと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、軟化剤とを含むゴム組成物を用いて作成したトレッドを有し、前記熱可塑性エラストマーが、一方の末端に、前記ゴム成分とのSP値の差が0.3以下である第一ブロック成分を、他方の末端に、前記ゴム成分とのSP値との差が0.4〜0.9である第二ブロック成分を有するものである。
ポリマー(ゴム成分)との相溶性が高い粘着付与樹脂(高相溶性樹脂)は、ポリマーとの相溶性が低い粘着付与樹脂(低相溶性樹脂)と比較して、グリップ性能の改善効果が劣る傾向がある。これは、高相溶性樹脂の場合、ゴム組成物中で樹脂が細かく分散された状態になり、エネルギーロスが生じにくくなるためと考えられる。よって、グリップ性能をより改善するためには、低相溶性樹脂を使用することが好ましいが、低相溶性樹脂はブルームが生じやすいため、ブルームによってゴム同士の接着性が失われ、良好な耐久性を確保できないおそれがある。また、低相溶性樹脂を用いると、耐摩耗性が悪化する傾向もある。
これに対し、本発明で使用する熱可塑性エラストマーは、一方の末端に、ゴム成分とのSP値の差が0.3以下であり、ゴム成分との相溶性が高い第一ブロック成分を、他方の末端に、ゴム成分とのSP値との差が0.4〜0.9であり、ゴム成分との相溶性が低い第二ブロック成分を有しているため、第一ブロック成分によってブルームを抑制しながら、第二ブロック成分によってグリップ性能を改善することができる。これにより、良好な耐久性(耐摩耗性、ゴムの接着性)を維持しながら、グリップ性能を改善することが可能となる。
また、上記熱可塑性エラストマーを配合したゴム組成物は、従来の粘着付与樹脂を配合したゴム組成物と比較して、ゴム硬度の温度依存性が小さくなるため、幅広い温度領域に渡って良好なグリップ性能を発揮することが可能となる。これにより、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能の両方を改善することができる。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能、耐摩耗性及び接着性がバランスよく得られるという理由から、NR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。20質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、グリップ性能の温度依存性が増大して、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能がバランス良く得られない傾向がある。
なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。10質量%未満であると、十分なグリップ性能、耐摩耗性及び接着性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明では、一方の末端にゴム成分との相溶性が高い第一ブロック成分を、他方の末端にゴム成分との相溶性が低い第二ブロック成分を有する熱可塑性エラストマーを使用する。これにより、耐久性を維持しながら、グリップ性能を改善することができる。両末端にゴム成分との相溶性が高いブロック成分を有する熱可塑性エラストマーでは、グリップ性能の改善効果が十分に得られず、また、両末端にゴム成分との相溶性が低いブロック成分を有する熱可塑性エラストマーでは、ゴム同士の接着性が悪くなり、耐久性に問題が生じるおそれがある。
第一ブロック成分とゴム成分との溶解度パラメータ(SP値)の差は、0.3以下、好ましくは0.2以下である。SP値の差が上記範囲であれば、熱可塑性エラストマーのブルームが効果的に抑制され、良好な耐久性が得られる。第一ブロック成分とゴム成分とのSP値の差の下限は特に限定されず、小さければ小さいほど好ましく、0であってもよい。
第二ブロック成分とゴム成分とのSP値の差は、0.4〜0.9である。SP値の差が上記範囲であれば、エネルギーロスが効果的に発生し、良好なグリップ性能が得られる。SP値の差の下限は、グリップ性能の観点から、好ましくは0.6以上である。また、SP値の差の上限は、熱可塑性エラストマーのブルームを良好に抑制できるという理由から、好ましくは0.8以下である。
なお、本発明において、SP値は、化合物の構造に基づいてHoy法によって算出された溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味する。Hoy法とは、例えば、K.L.Hoy “Table of Solubility Parameters”,Solvent and Coatings Materials Reserch and Development Department,Union Carbites Corp.(1985)に記載された計算方法である。
第一ブロック成分の融点は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であり、また、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。40℃未満の場合や、150℃を超えた場合、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
第二ブロック成分の融点は、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上であり、また、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。40℃未満の場合や、150℃を超えた場合、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、融点は、DSC(示差走査熱量測定)におけるピーク温度であり、複数のピークがある場合は、最も融解熱量ΔH(J/g)が大きいピーク温度を融点とする。
良好な耐摩耗性及び接着性が得られるという理由から、上記熱可塑性エラストマー100質量%中、第一ブロック成分の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
良好なグリップ性能が得られるという理由から、上記熱可塑性エラストマー100質量%中、第二ブロック成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
第一ブロック成分、第二ブロック成分の構成単位は、使用するゴム成分に応じて適宜変更可能であるが、例えば、ゴム成分としてSBRを使用する場合、第一ブロック成分の構成単位としては、スチレン、ブタジエン等に基づく構成単位を、第二ブロック成分の構成単位としては、エチレン、ウレタン、ナイロン、酢酸ビニル等に基づく構成単位を使用することができる。また、SP値を調整するため、これらの構成単位にフェノール等の極性基を導入してもよい。
上記熱可塑性エラストマーは、第一ブロック成分及び第二ブロック成分のみで構成されてもよいが、第一ブロック成分及び第二ブロック成分の間(主鎖部)に他の成分を有することが好ましい。他の成分としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、エチレン、ブチレン、ウレタン、ナイロン、酢酸ビニル等に基づく構成単位が挙げられる。なかでも、柔軟性の高い熱可塑性エラストマーが得られ、グリップ性能の温度依存性を更に低減できるという理由から、エチレン、ブチレン、ウレタンからなる群より選択される少なくとも一種に基づく構成単位が好ましく、エチレン及びブチレンに基づく構成単位がより好ましい。
上記熱可塑性エラストマーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。2質量部未満では充分なグリップ性能の改善効果が得られず、15質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明では、上記熱可塑性エラストマーとともに、粘着付与樹脂(レジン)を使用してもよい。使用できる粘着付与樹脂としては芳香族系石油樹脂などの従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂が挙げられる。芳香族系石油樹脂としては例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などが挙げられる。フェノール系樹脂としては例えばコレシン(BASF社製)、タッキロール(田岡化学工業(株)製)などが挙げられる。クマロンインデン樹脂としては例えばエスクロン(新日鉄住金化学(株)製)、ネオポリマー(新日本石油化学(株)製)などが挙げられる。スチレン樹脂としては例えばSylvatraxx4401(Arizona chemical社製)などが挙げられる。テルペン樹脂としては例えばTR7125(Arizona chemical社製)、TO125(ヤスハラケミカル(株)製)などが挙げられる。
粘着付与樹脂の軟化点は、60〜170℃が好ましい。60℃未満であると、走行中の安定したグリップ性能が得られないおそれがあり、170℃を超えると、初期グリップ性能が低下するおそれがある。
なお、本発明において、粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
本発明で使用する軟化剤としては、オイル、液状ジエン系重合体が好ましく、オイルがより好ましい。
オイルとしては、例えば、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
オイルを配合する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上、特に好ましくは60質量部以上であり、また、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。15質量部未満では、添加による効果が充分に得られないおそれがあり、120質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性と走行中の安定したグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。
液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10〜2.0×10であることが好ましく、3.0×10〜1.5×10であることがより好ましい。1.0×10未満では、耐摩耗性、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できないおそれがある。一方、2.0×10を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化するおそれがある。
なお、本発明において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
本発明では、補強用充填剤として、カーボンブラック及び/又は白色充填剤を使用する。本発明の効果が良好に得られるという理由から、補強用充填剤としては、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどが挙げられ、2種類以上のコロイダル特性の異なるものを併用してもよい。具体的にはGPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、100m/g以上が好ましく、105m/g以上がより好ましく、110m/g以上が更に好ましく、また、600m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、180m/g以下が更に好ましい。100m/g未満では、グリップ性能が低下する傾向があり、600m/gを超えると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックのオイル(DBP)吸油量は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましく、また、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、135ml/100g以下が更に好ましい。50ml/100g未満では、十分な耐摩耗性が得られないおそれがあり、250ml/100gを超えると、グリップ性能が低下するおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
白色充填剤としては、ゴム工業で一般的に使用されているもの、たとえば、シリカ、炭酸カルシウム、セリサイトなどの雲母、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタンなどを使用でき、補強性、低燃費性の観点から、シリカが好ましい。
本発明に用いるシリカとしては、一般的に使用されるものであれば構わない。例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上がさらに好ましく、130m/g以上がよりさらに好ましく、160m/g以上が特に好ましい。40m/g未満では、加硫後の破壊強度が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、500m/g以下が好ましく、300m/g以下がより好ましく、250m/g以下が更に好ましく、200m/g以下が最も好ましい。500m/gを超えると、低発熱性、ゴム加工性が低下する傾向がある。なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、ワックス、酸化亜鉛、老化防止剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の材料を適宜配合してもよい。
本発明で使用される酸化亜鉛としては、特に限定されず、タイヤなどのゴム分野で使用されているものなどが挙げられる。ここで、酸化亜鉛のなかでは、微粒子酸化亜鉛を好適に使用できる。具体的には、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛を使用することが好ましく、より好ましくは100nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。
なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
酸化亜鉛を配合する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。酸化亜鉛の含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、グアニジン系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも、本発明では、チアゾール系、チウラム系加硫促進剤を好適に使用できる。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドなどが挙げられ、なかでも、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)などが挙げられ、なかでも、TOT−Nが好ましい。
加硫促進剤を配合する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。1質量部未満では、充分な加硫速度が得られず、良好なグリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向があり、15質量部を超えると、ブルーミングを起こし、グリップ性能、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
SBR:旭化成(株)製のT3830(S−SBR、スチレン含有量:33質量%、ビニル結合量:34質量%、SP値:8.6〜8.7、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
熱可塑性エラストマー(1):クラレ(株)製のハイブラー7311(両末端がスチレンブロック(SP値:8.7))
熱可塑性エラストマー(2):JSR(株)製のダイナロン4600(片末端がスチレンブロック(第一ブロック成分、SP値:8.7、融点:100℃、含有量:20質量%)、片末端がエチレンブロック(第二ブロック成分、SP値:8.0、融点:100℃)、主鎖部がエチレン及びブチレンに基づく構成単位で構成された共重合体)
熱可塑性エラストマー(3):JSR(株)製のダイナロン6100(両末端がエチレンブロック(エチレンブロックのSP値:8.0))
レジン:BASF社製のコレシン(p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、軟化点:145℃)
オイル:H&R社製のVIVATEC500
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9SAF(NSA:142m/g、DBP:115ml/100g)
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤(2):大内新興化学(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
<実施例及び比較例>
表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼(株)製4.0Lバンバリーを用いて硫黄及び加硫促進剤以外の配合材料を排出温度150℃の条件下で5分間混練りした。得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて排出温度95℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を160℃の条件下で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<グリップ性能>
シート状の加硫ゴム組成物から幅1mmまたは2mm、長さ40mmの短冊状試験片を打ち抜き、試験に供した。(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hzの条件下で、0℃におけるtanδ(ウェットグリップ性能)と、50℃におけるtanδ(ドライグリップ性能)とを測定した。そして、比較例1のtanδを100とし、各配合のtanδを指数表示した。指数が大きいほど、グリップ性能に優れることを示す。
<耐摩耗性指数>
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。そして、比較例1の破壊エネルギーを100とし、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れており、耐久性が高いことを示す。
<ゴムの接着性>
ゴム同士を加硫して接着させ、JIS K 6854−2:1999に準拠して剥離力を測定し、下記基準で評価した。
○:比較例1の剥離力を100とする指数とした場合に、指数が90以上
×:比較例1の剥離力を100とする指数とした場合に、指数が90未満
Figure 2018062560
表1より、ゴム成分と、特定の熱可塑性エラストマー(熱可塑性エラストマー(2))と、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、軟化剤とを含む実施例1〜2は、良好な耐摩耗性、ゴムの接着性を維持しながら、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能が改善された。特に、上記熱可塑性エラストマーの含有量が5質量部以上の実施例2では、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能が大きく改善された。

Claims (4)

  1. ゴム成分と、熱可塑性エラストマーと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、軟化剤とを含むゴム組成物を用いて作成したトレッドを有し、
    前記熱可塑性エラストマーが、一方の末端に、前記ゴム成分とのSP値の差が0.3以下である第一ブロック成分を、他方の末端に、前記ゴム成分とのSP値との差が0.4〜0.9である第二ブロック成分を有する空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム成分100質量部に対する前記熱可塑性エラストマーの含有量が2〜15質量部である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第二ブロック成分の融点が、40〜150℃である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記軟化剤が、オイル及び/又は液状ジエン系ゴムである請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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