JP2018062512A - 有機カルボン酸水溶液の製造方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原料としての有機カルボン酸含有水溶液を濃縮することにより有機カルボン酸が富化された有機カルボン酸含有水溶液を製造する方法であって、(a)抽出溶剤と原料水溶液を接触させ有機カルボン酸を抽出相に抽出する工程、(b)工程(a)から得られる抽出相を抽出溶剤が富化された画分と有機カルボン酸が富化された画分とに分離する工程、及び(c)工程(a)から排出される抽残相を抽出溶剤が富化された画分と水が富化された画分とに分離する工程を含む。この方法を行うに好適な装置。
【選択図】図1
Description
原料としての有機カルボン酸含有水溶液を濃縮することにより有機カルボン酸が富化された有機カルボン酸含有水溶液を製造する方法であって、
(a)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を抽出相に抽出する工程、
(b)工程(a)から得られる抽出相を、抽出溶剤が富化された画分と、有機カルボン酸が富化された画分と、に分離する工程、および
(c)工程(a)から排出される抽残相を、抽出溶剤が富化された画分と、水が富化された画分と、に分離する工程、
を含む、有機カルボン酸含有水溶液の製造方法が提供される。
原料としての有機カルボン酸含有水溶液を濃縮することにより有機カルボン酸が富化された有機カルボン酸含有水溶液を製造する装置であって、
抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を抽出相に抽出する抽出器、
抽出器から得られる抽出相を、抽出溶剤が富化された画分と、有機カルボン酸が富化された画分と、に分離する抽出溶剤回収器、および
抽出器から排出される抽残相を、抽出溶剤が富化された画分と、水が富化された画分と、に分離する抽出溶剤分離器、
を含む、有機カルボン酸含有水溶液の製造装置が提供される。
(a)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を抽出相に抽出する工程。
(b)工程(a)から得られる抽出相を、抽出溶剤が富化された画分と、有機カルボン酸が富化された画分と、に分離する工程。
(c)工程(a)から排出される抽残相を、抽出溶剤が富化された画分と、水が富化された画分と、に分離する工程。
本発明によって製造される有機カルボン酸含有水溶液として、工程(b)で分離された有機カルボン酸が富化された画分を、得ることができる。
図1を参照して、有機カルボン酸水溶液製造装置の一形態を説明する。
図2を参照して、有機カルボン酸水溶液製造装置の別の形態を説明する。
また、第2の蒸留塔(抽出溶剤分離器)Cの塔頂から排出される抽出溶剤が富化された画分が、ライン207を経て抽出塔Aに供給される。これにより、第1および第2の蒸留塔の塔頂から得られる抽出溶剤を抽出塔にリサイクルして有効活用することができる。第1および第2の蒸留塔から得られる抽出溶剤が富化された画分(ライン205および207の流体)の全部もしくは一部を抽出塔にリサイクルすることができる。
図3を参照して、有機カルボン酸水溶液製造装置の別の形態を説明する。
(a1)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合し、得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離する工程。工程(a1)(装置A1)に供給される有機カルボン酸含有水溶液に対する工程(a1)(装置A1)に供給される抽出溶剤の質量基準の比率は0.01〜0.3が好ましい。また、抽出操作温度としては、25℃〜35℃が好ましい。
(a2)抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を抽出塔において接触させ、有機カルボン酸を有機カルボン酸含有水溶液から抽出相に抽出する工程。工程(a2)(装置A2)に供給される有機カルボン酸含有水溶液に対する工程(a2)(装置A2)に供給される抽出溶剤の質量基準の比率は1.0〜1.5が好ましい。また、抽出操作温度としては、25℃〜35℃が好ましい。
図4を参照して、有機カルボン酸水溶液製造装置の別の形態を説明する。
i)装置A1(したがって工程(a1))から得られた抽出溶剤相を、ライン412を経て、抽出溶剤回収器B(したがって工程(b))に、抽出相として供給する。
ii)装置A2(したがって工程(a2))から得られた抽出相を、ライン403を経て、装置A1(したがって工程(a1))に、抽出溶剤として供給する、すなわちリサイクルする。
iii)抽出溶剤回収器B(したがって工程(b))から得られる抽出溶剤富化画分を、ライン405を経て、装置A2(したがって工程(a2))に、抽出溶剤として供給する。これにより、抽出溶剤をリサイクルして有効活用することができる。
iv)抽出溶剤分離器C(したがって工程(c))から得られる、抽出溶剤富化画分を、ライン407を経て、抽出溶剤回収器B(したがって工程(b))に供給する。
v)ライン313に相当するライン(系外から装置A2に抽出溶剤を供給するライン)は存在しない。
vi)ライン402は定常運転時には使用しない。定常運転時には、ライン402からではなく、ライン403から抽出溶剤が装置A1に供給される。ライン402は、スタートアップ時に抽出溶剤を装置A1に供給するために使用する。ライン402は、運転の途中で必要な場合に抽出溶剤を補充するためにも使用できる。
図8を参照して、後に詳述する第1および第2の抽出溶剤を用いる場合、特には、第1の抽出溶剤と第2の抽出溶剤とを混合した混合抽出溶剤を用いる場合の有機カルボン酸水溶液製造装置の一形態を説明する。
(b1)工程(a)から得られる抽出相(ライン803)を、第1の抽出溶剤回収器B1を用いて、第1の抽出溶剤が富化された画分(ライン805)と、第2の抽出溶剤および有機カルボン酸が富化された第2の画分(ライン806)とに分離する工程。
(b2)工程(b1)から得られる第2の画分(ライン806)を、第2の抽出溶剤回収器B2を用いて、第2の抽出溶剤が富化された第3の画分(ライン813)と、有機カルボン酸が富化された第4の画分(ライン814)とに分離する工程。
図9を参照して、図8に示した形態の変形形態について説明する。本形態の、図8に示した形態との相違点は次のとおりであり、他の点については、本形態は図8に示した形態と同様とすることができる。
図10を参照して、図9に示した形態の変形形態について説明する。本形態の、図9に示した形態との相違点は次のとおりであり、他の点については本形態は図9に示した形態と同様とすることができる。
図11を参照して、図10に示した形態の変形形態について説明する。本形態の、図10に示した形態との相違点は次のとおりであり、他の点については、本形態は図10に示した形態と同様とすることができる。
本発明は、原料としての有機カルボン酸含有水溶液が、アクリル酸、メタクリル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ポリエチレンテレフタレート、マレイン酸、フタル酸、フマル酸またはプロピオン酸の製造プロセスから排出された廃水(プロセス廃水)である場合に、好ましく利用される。
カルボン酸類との親和性(水からの抽出効率)、非水溶性、および蒸発潜熱の小ささ、の観点から、抽出溶剤が、
構造式1:R1−O−R2
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるエーテル、
構造式2:Ph−R3
(式中、Phはフェニル基を表し、R3は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族炭化水素、
構造式3:R4−C(=O)−R5
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるケトン、
構造式4:CyR=O
(式中、CyRは炭素数6以下のシクロアルキリデン基を表す)
で表わされる環状ケトン、および
構造式5:Ph−C(=O)−R6
(式中、Phはフェニル基を表し、R6は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族ケトン
からなる群から選ばれる一もしくは複数種であることが好ましい。
前述の工業的なメタクリル酸を製造するプロセスでは、イソブチレンおよび/またはtert−ブチルアルコールを原料とし、気相接触酸化反応を用いてメタクロレイン(メタクリルアルデヒド)を製造し、このメタクロレインあるいは気相接触酸化反応で生成するメタクロレインと残留する原料イソブチレンやtert−ブチルアルコールをも含有する混合物を、さらに気相接触酸化してメタクリル酸を製造する。
図7に示したプロセスフローを有するプラントの熱物質収支をとった。
有機カルボン酸水溶液製造装置71について、図4に示されるプロセスフローに基づき、熱物質収支をとった。
抽出塔A2としては、対向流抽出塔(水相を分散)を用いた。
溶剤回収器Bとしては、運転圧力0kPaGの蒸留塔を用いた。
溶剤分離器Cとしては、運転圧力0kPaGの放散塔を用いた。
廃水処理装置72について、図6に示したプロセスフローに基づき、熱物質収支をとった。
図7において、実施例1と同様のメタクリル酸製造プロセスからの廃水を想定した酢酸水溶液(ライン701)の全量を、ライン703に流し、ライン706を経て廃水処理装置72に供給した。ライン702には何も供給しなかった。つまり、酢酸水溶液の全量を、製造装置71を通すことなく、廃水処理装置72に供給した。
実施例2〜4において、図1、2および3にそれぞれ示されるプロセスフローを有する有機カルボン酸水溶液製造装置について熱物質収支をとった。各例について、処理しようとする有機カルボン酸含有水溶液は、実施例1と同様とした。各例についての熱物質収支をそれぞれ表3〜5に示す。
図5に示した装置について、熱物質収支をとった。この装置に原料として供給する有機カルボン酸含有水溶液は、実施例1と同様とした。熱物質収支を表6に示す。
図4に示されるプロセスフローを有する有機カルボン酸水溶液製造装置において、抽出溶剤としてMTBEとDEEを質量比8対2で混合した混合抽出溶剤を、スタートアップ時にライン402から装置A1に供給した。このとき、供給混合抽出溶剤(ライン402)は、定常状態においてライン405から抽出塔A2に送られる流体(混合抽出溶剤が富化された画分)の質量流量が25.22kg/hとなるように調節した。ライン402は定常状態時には使用しないので、表8においては成分流量をゼロ(0)とし、総流量の欄には「S/Uのみ」と記載した。
図4に示されるプロセスフローを有する有機カルボン酸水溶液製造装置において、原料として、マレイン酸を含む有機カルボン酸水溶液を、抽出溶剤としてMTBEを用いた。マレイン酸以外の有機カルボン酸水溶液の構成成分は実施例1と同様である。
図10に示されるプロセスフローを有する有機カルボン酸水溶液製造装置について熱物質収支をとった。
抽出塔A2としては、対向流抽出塔(水相を分散)を用いた。
第1の抽出溶剤回収器B1および第2の抽出溶剤回収器B2としては、運転圧力0kPaGの蒸留塔を用いた。
溶剤分離器Cとしては、運転圧力0kPaGの放散塔を用いた。
A1 第1の抽出装置
A2 第2の抽出装置
A11 ミキサー
A12 デカンター
B 抽出溶剤回収器
B1 第1の抽出溶剤回収器
B2 第2の抽出溶剤回収器
C 抽出溶剤分離器
51 堰
52 第1の槽
53 第2の槽
54 ノズル
61 廃液蒸発装置
62 排ガス燃焼装置
63 第1の排熱回収装置
64 濃縮廃液燃焼装置
65 第2の排熱回収装置
71 有機カルボン酸水溶液製造装置
72 廃水処理装置
Claims (34)
- 原料としての有機カルボン酸含有水溶液を濃縮することにより有機カルボン酸が富化された有機カルボン酸含有水溶液を製造する方法であって、
(a)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を抽出相に抽出する工程、
(b)工程(a)から得られる抽出相を、抽出溶剤が富化された画分と、有機カルボン酸が富化された画分と、に分離する工程、および
(c)工程(a)から排出される抽残相を、抽出溶剤が富化された画分と、水が富化された画分と、に分離する工程、
を含む、有機カルボン酸含有水溶液の製造方法。 - 工程(b)において、蒸留塔を用いて分離を行い、この蒸留塔の留出成分として、前記抽出溶剤が富化された画分を得る、請求項1に記載の方法。
- 工程(c)において、蒸留塔を用いて分離を行い、この蒸留塔の留出成分として、前記抽出溶剤が富化された画分を得る、請求項1または2に記載の方法。
- 工程(b)から得られる抽出溶剤および工程(c)から得られる抽出溶剤の一部もしくは全部を工程(a)に供給する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(a)が、
(a1)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合し、得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離する工程、および、
(a2)抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を抽出塔において接触させ、有機カルボン酸を有機カルボン酸含有水溶液から抽出相に抽出する工程
を含み、
工程(a1)から得られた抽出溶剤相を、工程(a2)に抽出溶剤として供給し、
工程(a1)から得られた水相を、工程(a2)に有機カルボン酸含有水溶液として供給する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 工程(a)が、
(a1)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合し、得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離するとともに、水相と抽出溶剤相との間に生じたポリマーを除去する工程、および、
(a2)抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を抽出塔において接触させ、有機カルボン酸を有機カルボン酸含有水溶液から抽出相に抽出する工程
を含み、
工程(a1)から得られた水相を、工程(a2)に有機カルボン酸含有水溶液として供給し、
工程(a1)から得られた抽出溶剤相を、工程(b)に抽出相として供給し、
工程(a2)から得られた抽出相を、工程(a1)に抽出溶剤として供給する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 抽出溶剤が、
構造式1:R1−O−R2
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるエーテル、
構造式2:Ph−R3
(式中、Phはフェニル基を表し、R3は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族炭化水素、
構造式3:R4−C(=O)−R5
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるケトン、
構造式4:CyR=O
(式中、CyRは炭素数6以下のシクロアルキリデン基を表す)
で表わされる環状ケトン、および
構造式5:Ph−C(=O)−R6
(式中、Phはフェニル基を表し、R6は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族ケトン
からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 前記抽出溶剤がメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル(DEE)、ジイソブチルエーテル(DIBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、請求項7に記載の方法。
- 前記抽出溶剤として、
前記構造式1のエーテルからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる第1の抽出溶剤と、
前記構造式2の芳香族炭化水素、構造式3のケトン、構造式4の環状ケトンおよび構造式5の芳香族ケトンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる第2の抽出溶剤と
からなる混合抽出溶剤を用いる、請求項7に記載の方法。 - 前記第1の抽出溶剤が、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル(DEE)、ジイソブチルエーテル(DIBE)、およびジイソプロピルエーテル(DIPE)からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
前記第2の抽出溶剤が、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、
請求項9に記載の方法。 - 抽出溶剤として、第1の抽出溶剤と第2の抽出溶剤とからなる混合抽出溶剤を用い、
該第1の抽出溶剤は、
構造式1:R1−O−R2
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるエーテルからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
該第2の抽出溶剤は、
構造式2:Ph−R3
(式中、Phはフェニル基を表し、R3は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族炭化水素、
構造式3:R4−C(=O)−R5
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるケトン、
構造式4:CyR=O
(式中、CyRは炭素数6以下のシクロアルキリデン基を表す)
で表わされる環状ケトン、および
構造式5:Ph−C(=O)−R6
(式中、Phはフェニル基を表し、R6は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族ケトン
からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
工程(a)が、有機カルボン酸を、前記混合抽出溶剤を含む抽出相に抽出する工程を含み、
工程(b)が、
(b1)工程(a)から得られる抽出相を、前記第1の抽出溶剤が富化された第1の画分と、前記第2の抽出溶剤および有機カルボン酸が富化された第2の画分とに分離する工程、および、
(b2)工程(b1)から得られる第2の画分を、前記第2の抽出溶剤が富化された第3の画分と、有機カルボン酸が富化された第4の画分とに分離する工程
を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 工程(a)が、
(a1)抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合し、得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離するとともに、水相と抽出溶剤相との間に生じたポリマーを除去する工程、および、
(a2)抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を抽出塔において接触させ、有機カルボン酸を有機カルボン酸含有水溶液から抽出相に抽出する工程
を含み、
工程(a1)から得られた水相を、工程(a2)に有機カルボン酸含有水溶液として供給し、
工程(a1)から得られた抽出溶剤相を、工程(b1)に、工程(a)から得られる抽出相として供給し、
工程(a2)から得られた抽出相も、工程(b1)に、工程(a)から得られる抽出相として供給する
請求項11に記載の方法。 - 前記第1の画分を、工程(a1)に抽出溶剤として供給し、
前記第3の画分を、工程(a2)に抽出溶剤として供給する、
請求項12に記載の方法。 - 前記第1の抽出溶剤が、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル(DEE)、ジイソブチルエーテル(DIBE)、およびジイソプロピルエーテル(DIPE)からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
前記第2の抽出溶剤が、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、
請求項11〜13に記載の方法。 - 原料としての有機カルボン酸含有水溶液が、アクリル酸、メタクリル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ポリエチレンテレフタレート、マレイン酸、フタル酸、フマル酸またはプロピオン酸の製造プロセスから排出された廃水である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記廃水が、R−COOHで表される一もしくは複数の有機カルボン酸を含み、
ここでRは、水素および炭素数1から5までの飽和または不飽和炭化水素基から選ばれ、廃水中の有機カルボン酸の合計濃度が0.1〜50重量%であり、
工程(a)における抽出溶剤の使用量が該廃水に対して0.1〜10.0質量倍である、請求項15に記載の方法。 - 前記廃水が、ギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオン酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびα−メチル無水マレイン酸からなる群から選ばれる一もしくは複数の有機カルボン酸を含み、
廃水中の有機カルボン酸の合計濃度が0.1〜50重量%であり、
工程(a)における抽出溶剤の使用量が該廃水に対して0.1〜10.0質量倍である、請求項15に記載の方法。 - 原料としての有機カルボン酸含有水溶液を濃縮することにより有機カルボン酸が富化された有機カルボン酸含有水溶液を製造する装置であって、
抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を抽出相に抽出する抽出器、
抽出器から得られる抽出相を、抽出溶剤が富化された画分と、有機カルボン酸が富化された画分と、に分離する抽出溶剤回収器、および
抽出器から排出される抽残相を、抽出溶剤が富化された画分と、水が富化された画分と、に分離する抽出溶剤分離器、
を含む、有機カルボン酸含有水溶液の製造装置。 - 抽出溶剤回収器が、留出成分として前記抽出溶剤が富化された画分を得るよう構成された蒸留塔である、請求項18に記載の装置。
- 抽出溶剤分離器が、留出成分として前記抽出溶剤が富化された画分を得るよう構成された蒸留塔である、請求項18または19に記載の装置。
- 抽出溶剤回収器から得られる抽出溶剤および抽出溶剤分離器から得られる抽出溶剤の一部もしくは全部を抽出器に供給するラインを有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の装置。
- 抽出器が、
抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合するミキサー、
ミキサーから得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離するデカンターであって、抽出溶剤相と水相との間に開口するノズルを備えるデカンター、および
抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を抽出相に抽出する抽出塔
を含み、
デカンターから得られた抽出溶剤相を、抽出塔に抽出溶剤として供給するラインと、
デカンターから得られた水相を、抽出塔に有機カルボン酸含有水溶液として供給するラインとを有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の装置。 - 抽出器が、
抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合するミキサー、
ミキサーから得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離するデカンターであって、抽出溶剤相と水相との間に開口するノズルを備えるデカンター、および
抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を有機カルボン酸含有水溶液から抽出相に抽出する抽出塔
を含み、
デカンターから得られた水相を、抽出塔に有機カルボン酸含有水溶液として供給するラインと、
デカンターから得られた抽出溶剤相を、抽出溶剤回収器に抽出溶剤として供給するラインと、
抽出塔から得られた抽出相を、ミキサーに抽出溶剤として供給するラインとを有する、請求項18〜20のいずれか1項に記載の装置。 - 抽出溶剤が、
構造式1:R1−O−R2
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるエーテル、
構造式2:Ph−R3
(式中、Phはフェニル基を表し、R3は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族炭化水素、
構造式3:R4−C(=O)−R5
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるケトン、
構造式4:CyR=O
(式中、CyRは炭素数6以下のシクロアルキリデン基を表す)
で表わされる環状ケトン、および
構造式5:Ph−C(=O)−R6
(式中、Phはフェニル基を表し、R6は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族ケトン
からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、
請求項18〜23のいずれか1項に記載の装置。 - 前記抽出溶剤が、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル(DEE)、ジイソブチルエーテル(DIBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、請求項24に記載の装置。
- 前記抽出溶剤が、
前記構造式1のエーテルからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる第1の抽出溶剤と、
前記構造式2の芳香族炭化水素、構造式3のケトン、構造式4の環状ケトンおよび構造式5の芳香族ケトンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる第2の抽出溶剤と
からなる混合抽出溶剤である、請求項24に記載の装置。 - 前記第1の抽出溶剤が、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル(DEE)、ジイソブチルエーテル(DIBE)、およびジイソプロピルエーテル(DIPE)からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
前記第2の抽出溶剤が、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、
請求項26に記載の装置。 - 抽出溶剤として、第1の抽出溶剤と第2の抽出溶剤とからなる混合抽出溶剤が用いられ、
該第1の抽出溶剤は、
構造式1:R1−O−R2
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるエーテルからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
該第2の抽出溶剤は、
構造式2:Ph−R3
(式中、Phはフェニル基を表し、R3は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族炭化水素、
構造式3:R4−C(=O)−R5
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立して炭素数4以下のアルキル基を表す)
で表わされるケトン、
構造式4:CyR=O
(式中、CyRは炭素数6以下のシクロアルキリデン基を表す)
で表わされる環状ケトン、および
構造式5:Ph−C(=O)−R6
(式中、Phはフェニル基を表し、R6は炭素数3以下のアルキル基を表す)
で表わされる芳香族ケトン
からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
抽出器が、有機カルボン酸を、前記混合抽出溶剤を含む抽出相に抽出するよう構成され、
抽出溶剤回収器が、
抽出器から得られる抽出相を、前記第1の抽出溶剤が富化された第1の画分と、前記第2の抽出溶剤および有機カルボン酸が富化された第2の画分とに分離する第1の抽出溶剤回収器と、
第1の抽出溶剤回収器から得られる第2の画分を、前記第2の抽出溶剤が富化された第3の画分と、有機カルボン酸が富化された第4の画分とに分離する第2の抽出溶剤回収器と
を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の装置。 - 抽出器が、
抽出溶剤と原料としての有機カルボン酸含有水溶液を接触混合するミキサー、
ミキサーから得られた混合液を、抽出溶剤が主成分である抽出溶剤相と、水が主成分である水相に二相分離するデカンターであって、抽出溶剤相と水相との間に開口するノズルを備えるデカンター、および
抽出溶剤と有機カルボン酸含有水溶液を接触させ、有機カルボン酸を有機カルボン酸含有水溶液から抽出相に抽出する抽出塔
を含み、
デカンターから得られた水相を、抽出塔に有機カルボン酸含有水溶液として供給するラインと、
デカンターから得られた抽出溶剤相を、前記第1の抽出溶剤回収器に、抽出器から得られる抽出相として供給するラインと、
抽出塔から得られた抽出相を、前記第1の抽出溶剤回収器に、抽出器から得られる抽出相として供給するラインと
を有する、請求項28に記載の装置。 - 前記第1の画分を、前記ミキサーへ抽出溶剤として供給するラインと、
前記第3の画分を、抽出塔に抽出溶剤として供給するライン
を有する、請求項29に記載の装置。 - 前記第1の抽出溶剤が、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル(DEE)、ジイソブチルエーテル(DIBE)、およびジイソプロピルエーテル(DIPE)からなる群から選ばれる一もしくは複数種からなり、
前記第2の抽出溶剤が、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンからなる群から選ばれる一もしくは複数種からなる、
請求項28〜30に記載の装置。 - 原料としての有機カルボン酸含有水溶液が、アクリル酸、メタクリル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ポリエチレンテレフタレート、マレイン酸、フタル酸、フマル酸またはプロピオン酸の製造プロセスから排出された廃水である、請求項18〜31のいずれか1項に記載の装置。
- 前記廃水が、R−COOHで表される一もしくは複数の有機カルボン酸を含み、
ここでRは、水素および炭素数1から5までの飽和または不飽和炭化水素基から選ばれ、廃水中の有機カルボン酸の合計濃度が0.1〜50重量%であり、
抽出器における抽出溶剤の使用量が該廃水に対して0.1〜10.0質量倍である、
請求項32に記載の装置。 - 前記廃水が、ギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロピオン酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびα−メチル無水マレイン酸からなる群から選ばれる一もしくは複数の有機カルボン酸を含み、
廃水中の有機カルボン酸の合計濃度が0.1〜50重量%であり、
抽出器における抽出溶剤の使用量が該廃水に対して0.1〜10.0質量倍である、
請求項32に記載の装置。
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