JP2018060622A - X線管 - Google Patents
X線管 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018060622A JP2018060622A JP2016195596A JP2016195596A JP2018060622A JP 2018060622 A JP2018060622 A JP 2018060622A JP 2016195596 A JP2016195596 A JP 2016195596A JP 2016195596 A JP2016195596 A JP 2016195596A JP 2018060622 A JP2018060622 A JP 2018060622A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ray tube
- envelope
- anode
- support member
- focal point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- X-Ray Techniques (AREA)
Abstract
【課題】重量を削減し、且つ漏えいX線を低減可能なX線管を提供する。【解決手段】X線管1は、X線を外側に放射するための窓部11Wを備える外囲器10と、外囲器10内に設けられ、電子が衝撃する焦点からX線を放射する陽極21と、外囲器10内で陽極21の焦点に対向し、陽極21の焦点に向かって電子を放出する陰極31と、外囲器10内に陽極21に対向して配置され、外囲器10に支持された第1部FPと、第1部FPから外囲器10の内面近傍まで延出し、陽極21の焦点FCPを含む領域に対向しているとともに陰極31を支持した第2部SPと、を有し、X線を遮蔽する材料で形成された第1遮蔽体と、を備える。【選択図】図2
Description
実施形態は、X線管に関する。
一般に、X線管装置は、管容器(以下、ハウジングと称する)内に、X線管を備えている。X線管は、陰極と傘状の陽極ターゲットとを真空雰囲気の外囲器内に備えている。X線管は、陰極から放出された熱電子が陽極ターゲットに衝突することで、X線放射窓からX線を発生する。X線管は、電子が衝撃する陽極ターゲットとその周囲に飛び散る反跳電子等により、四方八方にX線が放射されて、X線放射窓以外から漏えいX線が放射され得る。X線管装置において、漏えいX線は、X線画像の撮像等にほとんど寄与しないため、外部に放射しないように遮蔽されている。例えば、漏えいX線は、ハウジングの内壁に鉛等のX線を遮蔽する遮蔽部材で覆うことにより遮蔽される。しかし、ハウジングの内壁を遮蔽部材で覆うことで、X線管装置の重量が増加してしまう。
本発明の実施形態は、このような点に鑑みなされたもので、重量を削減し、且つ漏えいX線を低減可能なX線管を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るX線管は、X線を外側に放射するための窓部を備える外囲器と、前記外囲器内に設けられ、電子が衝撃する焦点からX線を放射する陽極と、前記外囲器内で前記陽極の焦点に対向し、前記陽極の焦点に向かって電子を放出する陰極と、前記外囲器内に前記陽極に対向して配置され、前記外囲器に支持された第1部と、前記第1部から前記外囲器の内面近傍まで延出し、前記陽極の焦点を含む領域に対向しているとともに前記陰極を支持した第2部と、を有し、X線を遮蔽する材料で形成された第1遮蔽体と、を備える。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線管装置100の一例を模式的に示す断面図である。
X線管装置100は、X線管1と、ハウジング101と、リセプタクル102F、102Bと、絶縁部材110と、ステータコイル120とを備えている。X線管装置100において、ハウジング101の内側の空間には、例えば、冷却液CLが充填されている。第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していても良い。ここでは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面におけるX線管装置100の断面図を示している。以下で、第2方向Y及び第3方向Zによって規定される平面をY−Z平面と称する。また、第1方向Xにおいて、矢印の方向を後側(後方)と称し、後側の反対方向を前側(前方)と称する。第2方向Yにおいて、矢印の方向を上側(上方)と称し、上側の反対方向を下側(下方)と称する。以下で、X線管装置100において、第2方向及び第3方向のそれぞれの中心を通る2つの直線の交点である中心を通りX方向に延長する中心軸を管軸TAと称する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線管装置100の一例を模式的に示す断面図である。
X線管装置100は、X線管1と、ハウジング101と、リセプタクル102F、102Bと、絶縁部材110と、ステータコイル120とを備えている。X線管装置100において、ハウジング101の内側の空間には、例えば、冷却液CLが充填されている。第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していても良い。ここでは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面におけるX線管装置100の断面図を示している。以下で、第2方向Y及び第3方向Zによって規定される平面をY−Z平面と称する。また、第1方向Xにおいて、矢印の方向を後側(後方)と称し、後側の反対方向を前側(前方)と称する。第2方向Yにおいて、矢印の方向を上側(上方)と称し、上側の反対方向を下側(下方)と称する。以下で、X線管装置100において、第2方向及び第3方向のそれぞれの中心を通る2つの直線の交点である中心を通りX方向に延長する中心軸を管軸TAと称する。
ハウジング101は、X線放射窓101Wを備えている。ハウジング101は、円筒形状に形成され、前方と後方とを略円板形状の蓋部等によりそれぞれ塞がれている。リセプタクル102F及び102Bは、それぞれ、有底の円筒形状に形成されている。リセプタクル102F及び102Bは、それぞれ、ハウジング101に接合されている。リセプタクル102F及び102Bは、それぞれ、ハウジング101の外側に開口部が位置し、ハウジング101の内側に底部が位置している。図示した例では、リセプタクル101Fは、ハウジングの前方に位置し、リセプタクル101Bは、ハウジング101の後方に位置している。リセプタクル102F及び102Bは、それぞれ、プラグ(図示せず)が開口部に着脱可能に接続され、プラグから電流が供給される。絶縁部材110は、後述するX線管1の後方の周囲を包囲している。ステータコイル120は、絶縁部材110の外側に設けられている。
図2は、本実施形態に係るX線管1の一例を模式的に示す断面図である。
X線管1は、外囲器10と、陽極構体20と、陽極構体20に対向する電子放出部30と、外囲器10の外周部に設けられた遮蔽部材40とを備えている。X線管1は、例えば、中性点接地の回転陽極型X線管である。外囲器10は、金属外囲器11と、絶縁部材12A、12Cと、蓋部13とを備えている。外囲器10は、例えば、略円筒形状に形成され、中心軸が管軸TAに重なるように配置されている。外囲器10は、内部が真空雰囲気に維持されている。外囲器10は、真空雰囲気に維持された内部に陽極構体20と電子放出部30と備えている。
X線管1は、外囲器10と、陽極構体20と、陽極構体20に対向する電子放出部30と、外囲器10の外周部に設けられた遮蔽部材40とを備えている。X線管1は、例えば、中性点接地の回転陽極型X線管である。外囲器10は、金属外囲器11と、絶縁部材12A、12Cと、蓋部13とを備えている。外囲器10は、例えば、略円筒形状に形成され、中心軸が管軸TAに重なるように配置されている。外囲器10は、内部が真空雰囲気に維持されている。外囲器10は、真空雰囲気に維持された内部に陽極構体20と電子放出部30と備えている。
外囲器10において、金属外囲器11は、陽極構体20及び電子放出部30の周囲を包囲している。金属外囲器11は、例えば、略円筒形状に形成され、中心軸が管軸TA上に位置している。金属外囲器11は、X線放射窓11Wを備えている。X線放射窓11Wは、例えば、ベリリウム(Be)で形成されている。金属外囲器11は、例えば、陽極構体20及び電子放出部30の間に向かって開口する孔を有している。X線放射窓11Wは、この孔に嵌合されている。金属外囲器11は、後方に陽極構体20の周囲を包囲する絶縁部材12Aが接合され、前方に電子放出部30の周囲を包囲する絶縁部材12Cが接合されている。例えば、絶縁部材12Aは、円筒形状に形成され、中心軸が外囲器10の中心軸(管軸)TA上に位置している。絶縁部材12Aは、後端部を蓋部13で塞がれている。例えば、絶縁部材12Cは、有底の円筒形状に形成され、開口部側に金属外囲器11が接合されている。図示した例では、絶縁部材12Cの中心軸は、第2方向Yにおいて、外囲器10の中心軸(管軸)TAに対して上方に偏芯している。
陽極構体20は、陽極ターゲット(陽極)21と、支持柱22と、ナット23と、回転円筒24と、固定軸25と、軸受26と、ロータ27とを備えている。陽極構体20において、陽極ターゲット21、支持柱22、回転円筒24、及び固定軸25は、外囲器10(金属外囲器11及び絶縁部材12A)と同軸上に配置される。図示した例では、陽極ターゲット21、支持柱22、回転円筒24、及び固定軸25の中心軸は、管軸TA上に位置している。
陽極ターゲット21は、X線を放射する陽極ターゲット層21aと、陽極ターゲット層21aを支持するターゲット基体21bとを備えている。陽極ターゲット21において、陽極ターゲット層21aは、例えば、タングステンで形成されている。また、陽極ターゲット21において、ターゲット基体21bは、例えば、モリブデン合金で形成されている。例えば、陽極ターゲット21は、傘状の略円板形状に形成され、電子放出部30に対向する側に傘状に形成された陽極ターゲット層21aを備えている。陽極ターゲット21は、傘状に形成された陽極ターゲット層21a上に電子ビームが衝撃することで、制動輻射の原理によって、電子ビームが衝撃した陽極ターゲット層21a上の焦点FCPから陽極ターゲット層21aの表面21sの全方位にX線を放射する。陽極ターゲット層21aの表面21sは、第2方向Yに対して所定の角度θで傾斜している。
支持柱22は、前方の先端に先端部22dを備えている。支持柱22の先端部22dには、陽極ターゲット21がナット23で固定されている。また、支持柱22は、後方に回転円筒24が接合されている。回転円筒24は、円筒形状の金属部材である。回転円筒24は、第1方向Xに延出し、固定軸25との間に設けられた軸受26で支持され、固定軸25の周りで回転可能に設けられている。固定軸25は、第1方向Xに延出する略円柱形状に形成されている。固定軸25は、前方部分が回転円筒24の内側に配置され、後方部分で蓋部13に固定されている。固定軸25の後方の端部は、外囲器10を貫通して、外囲器10の外部に延出し、図1に図示した絶縁部材110に固定され、リセプタクル102Bに配線等で電気的に接続されている。軸受26は、回転円筒24と固定軸25との間に設けられている。ロータ27は、回転円筒24の外周部に接合され、絶縁部材12A及び絶縁部材110を介して図1に図示したステータコイル120に対向して配置されている。ロータ27は、ステータコイル120に電流が供給させることで磁気回路を形成する。回転円筒24は、ロータ27及びステータコイル120で形成された磁気回路により軸受26を介して固定軸25の周りで回転する。同時に、回転円筒24に接合された支持柱22の先端部22dに固定された陽極ターゲット21も、回転円筒24の回転に従って回転する。なお、上記した陽極構体20は、一例であり、他の構成であってもよい。
電子放出部30は、陰極31と、端子部32と、支持部材33、34と、を備えている。電子放出部30は、陽極構体20から所定の距離で離間している。
陰極31は、電子(電子ビーム)を放出するフィラメント(電子発生源)31fを備えている。図示した例では、陰極31は、陽極ターゲット層21aの表面21sに対向している。例えば、陰極31のフィラメント31fから放射された電子eは、陽極ターゲット21及び陰極31の間に印加された高電圧で加速され、陽極ターゲット21の表面21s上に衝撃する。
陰極31は、電子(電子ビーム)を放出するフィラメント(電子発生源)31fを備えている。図示した例では、陰極31は、陽極ターゲット層21aの表面21sに対向している。例えば、陰極31のフィラメント31fから放射された電子eは、陽極ターゲット21及び陰極31の間に印加された高電圧で加速され、陽極ターゲット21の表面21s上に衝撃する。
端子部32は、絶縁部材12Cによって支持されている。端子部32の一端は、絶縁部材12Cを貫通して、外囲器10の外側に延出し、リセプタクル102Fに配線等で電気的に接続されている。端子部32の他端は、外囲器の内側に位置し、陰極31に配線等で電気的に接続されている。端子部32と陰極31とを電気的に接続する配線は、後述する支持部材33及び34の内部を通っている。
支持部材33は、絶縁部材12Cによって支持され、且つ支持部材34を支持している。支持部材33は、例えば、円筒形状に形成されている。以下で、支持部材33の中心を通り陽極ターゲットの中心軸(管軸)TAと平行に延びる軸を中心軸CA1と称する。図示した例では、支持部材33は、第1方向Xに延出し、一端部が絶縁部材12Cに接合され、他端部が支持部材34に接合されている。支持部材33の中心軸CA1は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して上方に偏芯している。
支持部材(遮蔽体)34は、X線を遮蔽する部材、又はX線の透過率が低い部材を有する。例えば、支持部材34は、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム等の内の少なくとも1つの金属部材、又はこれらの少なくとも1つを主成分とする合金で形成されている。支持部材34は、陰極31を支持し、且つ陽極ターゲット21に対向している。支持部材34は、空間絶縁距離で金属外囲器11から離間している。空間絶縁距離は、空間で絶縁を達成する距離である。支持部材34は、第1部FPに支持部材33が接合され、第2部SPに陰極31が接合されている。例えば、支持部材34は、第2方向Yに延出している。以下の説明では、支持部材34の中心を通り陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAと平行に延びる軸を中心軸CA2と称し、支持部材34の第1部FPの中心を通り陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAと平行に延びる軸を中心軸CA3と称する。また、支持部材34において、陽極ターゲット21に対向している表面を表面34sfと称し、表面34sfと反対側の表面を表面34sbと称し、金属外囲器11の内壁に対向する表面を上面34suと称する。
図示した例では、支持部材34において、第1部FPが下端部に位置し、第2部SPが上端部に位置している。支持部材34は、第1部FPに表面34sb側から支持部材33が接合され、第2部SPに表面34sf側から陰極31が接合されている。支持部材34の上面34suは、第2方向Yにおいて、金属外囲器11の内壁から空間絶縁距離H0で離間している。
支持部材34は、電子eが衝撃する陽極ターゲット層21aの焦点FCPの方向に偏って位置している。例えば、支持部材34の第1部FPは、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して焦点FCPの方向に偏って位置している。図示した例では、支持部材34の第1部FPの中心軸CA3は、第2方向Yにおいて、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して上方に偏って位置している。つまり、支持部材34の第1部FPは、陽極ターゲット21に対して偏芯している。支持部材34の第1部FPの下端部は、支持柱22の先端部22dから距離D0で離間している。支持部材34の表面34sf上の平面と、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D1で離間している。ここで、D0>D1である。
図9は、比較例のX線管1Cの一例を模式的に示す断面図である。比較例のX線管1Cは、実施形態のX線管1とほぼ同等の構成であるため、実施形態のX線管1と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
比較例のX線管1Cは、第1実施形態のX線管1と外囲器10及び電子放出部30の構成が異なり、且つ遮蔽部材40を備えていない点で異なる。比較例のX線管1Cの外囲器10において、絶縁部材12Cの中心軸は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。比較例のX線管1Cにおいて、電子放出部30は、陰極31と、端子部32と、支持部材33、340とを備えている。支持部材33の中心軸CA1は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。すなわち、支持部材33は、陽極ターゲット21と同軸上に配置されている。支持部材340は、X線の透過率が高い部材を有する。例えば、支持部材340は、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、及び、鉄等の内の少なくとも1つの金属部材、又はこれらのすくなくとも1つを主成分とする合金で形成されている。支持部材340は、本実施形態の支持部材34と同様に、陰極31を支持し、且つ陽極ターゲット21に対向している。図示した例では、支持部材340は、下端部に位置する第1部FPの表面340sb側から支持部材33が接合され、上端部に位置する第2部SPの表面340sf側から陰極31が接合されている。支持部材340の上面340suは、第2方向Yにおいて、金属外囲器11の内壁から空間絶縁距離H0で離間している。支持部材340の第1部FPの中心軸CA3は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。すなわち、支持部材340の第1部FPは、陽極ターゲット21と同軸上に配置されている。支持部材340の表面340sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。
比較例のX線管1Cは、第1実施形態のX線管1と外囲器10及び電子放出部30の構成が異なり、且つ遮蔽部材40を備えていない点で異なる。比較例のX線管1Cの外囲器10において、絶縁部材12Cの中心軸は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。比較例のX線管1Cにおいて、電子放出部30は、陰極31と、端子部32と、支持部材33、340とを備えている。支持部材33の中心軸CA1は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。すなわち、支持部材33は、陽極ターゲット21と同軸上に配置されている。支持部材340は、X線の透過率が高い部材を有する。例えば、支持部材340は、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、及び、鉄等の内の少なくとも1つの金属部材、又はこれらのすくなくとも1つを主成分とする合金で形成されている。支持部材340は、本実施形態の支持部材34と同様に、陰極31を支持し、且つ陽極ターゲット21に対向している。図示した例では、支持部材340は、下端部に位置する第1部FPの表面340sb側から支持部材33が接合され、上端部に位置する第2部SPの表面340sf側から陰極31が接合されている。支持部材340の上面340suは、第2方向Yにおいて、金属外囲器11の内壁から空間絶縁距離H0で離間している。支持部材340の第1部FPの中心軸CA3は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。すなわち、支持部材340の第1部FPは、陽極ターゲット21と同軸上に配置されている。支持部材340の表面340sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。
陽極構体20と電子放出部30との間には高電圧が印加されるために、陽極構体20と電子放出部30とは、所定の距離(空間距離)、例えば、距離H0で離間する必要がある。本実施形態のX線管1において、支持部材34の第1部FPは、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して陽極ターゲット層21a上の焦点FCPの方向に偏って配置されている。そのため、本実施形態のX線管1は、比較例のX線管1Cと比較して、陽極構体20、例えば、支持柱22の先端部22dと第1部FPと間の間隔を所定の距離、例えば、距離D0に維持するとともに、第1方向Xにおいて支持部材34を陽極ターゲット層21a上の焦点FCPを近づけることができる。このように支持部材34を陽極ターゲット層21a上の焦点FCPに近い位置に設けることで、本実施形態のX線管1は、比較例のX線管1Cと比較して、陽極ターゲット層21aから放出されるX線を遮蔽する遮蔽部材を削減するとともに、漏えいX線を低減することができる。
遮蔽部材40は、X線を遮蔽する部材、又はX線の透過率が低い部材を有する。例えば、遮蔽部材40は、ビスマス及び鉛等の内の少なくとも1つの金属部材、又はこれらの少なくとも1つを主成分とする合金で形成されている。遮蔽部材40は、外囲器10のX線放射窓11W以外の部分から放射される漏えいX線を遮蔽する。例えば、遮蔽部材40は、支持部材34が配置されていない間隙部分や、陽極ターゲット21と支持部材34との間隙部分から漏えいするX線を遮蔽する。遮蔽部材40は、例えば、電子放出部30側の外囲器10の外周部を覆っている。遮蔽部材40において、外囲器10の中心軸を通るX―Z平面より上側を遮蔽部材40aと称し、下側を遮蔽部材40bと称する。図示した例では、遮蔽部材40は、支持部材34の表面34sfの平面よりも前方の金属外囲器11の外周部を覆っている。遮蔽部材40a及び遮蔽部材40bは、第1方向Xにおいて、金属外囲器11の外周部の同じ範囲を覆っている。なお、遮蔽部材40は、第1方向Xにおいて、絶縁部材12Cの外周部まで延出していてもよいし、X線放射窓11Wの直前の位置まで延出していてもよい。遮蔽部材40は、外囲器10の外周部の全周囲を覆っていてもよいし、部分的に覆っていてもよい。また、遮蔽部材40a及び遮蔽部材40bは、それぞれ、第1方向Xにおいて外囲器10の外周部の異なる範囲を覆っていてもよい。
本実施形態のX線管1は、比較例のX線管1Cと比較して、外囲器10の外周部にX遮蔽部材40を備えている。そのため、本実施形態のX線管1は、比較例のX線管1Cと比較して、漏えいX線を低減することできる。また、比較例のX線管1Cにおいてハウジング101の内壁が遮蔽部材で覆われていると仮定した場合、本実施形態のX線管1は、漏えいX線を遮蔽するための遮蔽部材の量を比較例のX線管1Cよりも削減することができる。
図3は、図2のIII−III線に沿って切断したX線管1のいくつかの例を模式的に示す断面図である。図3(a)、(b)、(c)、及び、(d)を参照して、第1方向Xに沿って陽極ターゲット21側からY−Z平面を見た場合の支持部材34の形状のいくつかの例について説明する。以下で、X方向からY−Z平面を見ることを平面視と称する。図3(a)乃至(d)に示した例では、遮蔽部材40は、金属外囲器11の外周部の全周囲を覆っている。
例えば、支持部材34は、陽極ターゲット21側から平面視した場合に、陰極31を支持するために必要な面積以上の面積の表面32sfを備えている。図3(a)に図示した例では、支持部材34は、中心軸CA2を中心とする円形形状で形成されている。図3(b)に図示した例では、支持部材34は、中心軸CA2を中心とする楕円形形状で形成されている。図3(c)に図示した例では、支持部材34は、第2方向Yの長さを半径とする半円形状で形成されている。図3(c)では、支持部材34の円周部分と外囲器10の内壁とは、例えば、空間絶縁距離H0で離間している。図3(d)に図示した例では、支持部材34は、台形形状で形成されている。図3(d)では、支持部材34の上底と外囲器10の内壁とは、空間絶縁距離H0で離間している。また、図3(d)において、支持部材34の上底及び下底の両端部と外囲器10の内壁とが空間絶縁距離で離間している。なお、図3(d)において、支持部材34の上底の両端部及び外囲器10の間隔と下底の両端部及び外囲器10の間隔とは、それぞれ、空間絶縁距離を満たしていれば、互いに異なる距離であってもよい。図3(a)乃至図3(d)に示すように、Y−Z平面において、支持部材34の表面34sfを大きくすることで、X線管1は、陽極ターゲット層21aの焦点FCPから放射されるX線等を遮蔽する範囲を大きくできる。したがって、Y−Z平面において、支持部材34の表面34sfを大きくすることで、X線管1は、漏えいX線を低減することができる。
なお、図3(a)乃至(d)に記載した平面視した支持部材34は、一例であり、これらの形状に限られない。図3(a)乃至図3(d)に図示した例以外でも、Y−Z平面において、陽極ターゲット21側から平面視した場合に、支持部材34は、円形形状、楕円形形状、ひし形形状、台形形状、正方形形状、矩形形状、多角形形状、及び、その他の形状等の内のいずれか1つ、又はこれらの組み合せで形成されていてもよい。Y−Z平面において、陽極ターゲット21側から平面視した場合に、漏えいX線を低減可能であれば、支持部材34は、定型の形状に依らず、曲線や直線で表現されるどのような平面形状で形成されていてもよい。また、可能な限り漏えいX線を低減するために、支持部材34は、陽極から平面視した場合に、空間で絶縁できる最大の大きさまで外囲器10の内壁に向かって拡大されていてもよい。
本実施形態では、X線管1において、陰極31は、陽極ターゲット層21a上に電子eを放出する。X線管1において、陽極ターゲット21は、電子eが陽極ターゲット層21a上の焦点FCPに衝撃したときに、陽極ターゲット層21aの表面21s上でX線を全方位に放射する。X線管1は、焦点FCPに近づけて配置された支持部材34と、電子放出部30側の外囲器10の外周部を覆う遮蔽部材40とを備えている。ユーザは、X線管1においてX線放射窓11Wから放射されたX線を所望の用途に使用できる。さらに、X線管1は、焦点FCPからX線放射窓11W以外の方向に放射されるX線や、焦点FCPに衝撃してその周囲に散乱した反跳電子により生じる種々の方向に放射される漏えいX線を支持部材34及び遮蔽部材40により遮蔽できる。
本実施形態によれば、X線管1は、X線が放射される陽極ターゲット層21a上の焦点FCPに近い位置に、遮蔽部材を有する支持部材34と、遮蔽部材40と設けている。したがって、X線管1は、陽極ターゲット層21aの焦点FCPから放出されるX線を遮蔽する遮蔽部材を削減するとともに、漏えいX線を低減できる。その結果、本実施形態によれば、重量を削減し、且つ漏えいX線を低減可能なX線管1を提供することができる。
次に本実施形態に係るX線管1の変形例について図4乃至図7を参照しながらそれぞれ説明する。以下に説明する本実施形態の変形例において、前述した実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付しその詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に詳細に説明する。
図4は、第1実施形態の変形例1のX線管1の一例を模式的に示す断面図である。
変形例1のX線管1は、図2に示したX線管1と比較して、遮蔽部材40aと遮蔽部材40bとで覆っている外囲器10の範囲が相違している。変形例1において、遮蔽部材40は、X線放射窓11W以外の部分で、X線が外部に漏えいする外囲器10の部分を覆っている。そのため、遮蔽部材40は、X線が外部に漏えいする部分に併せて自由な形状で形成されている。例えば、遮蔽部材40において、遮蔽部材40aと遮蔽部材40bとは、非対称に設けられていてもよい。図示した例では、遮蔽部材40bは、第1方向Xにおいて、遮蔽部材40aの範囲よりも後方の範囲まで金属外囲器11の外周部を覆っている。このように遮蔽部材40bが遮蔽部材40aよりも後方に延出した範囲まで金属外囲器11の外周部を覆うことで、陽極ターゲット21と支持部材34との間を通って、金属外囲器11の下方から外部へ放射されるX線が低減される。このような変形例1においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。加えて、遮蔽部材40を外囲器10の漏えいX線が放出される部分に併せた自由な形状に形成することで、陽極ターゲット21及び支持部材34等で遮蔽されない漏えいX線を低減できる。
変形例1のX線管1は、図2に示したX線管1と比較して、遮蔽部材40aと遮蔽部材40bとで覆っている外囲器10の範囲が相違している。変形例1において、遮蔽部材40は、X線放射窓11W以外の部分で、X線が外部に漏えいする外囲器10の部分を覆っている。そのため、遮蔽部材40は、X線が外部に漏えいする部分に併せて自由な形状で形成されている。例えば、遮蔽部材40において、遮蔽部材40aと遮蔽部材40bとは、非対称に設けられていてもよい。図示した例では、遮蔽部材40bは、第1方向Xにおいて、遮蔽部材40aの範囲よりも後方の範囲まで金属外囲器11の外周部を覆っている。このように遮蔽部材40bが遮蔽部材40aよりも後方に延出した範囲まで金属外囲器11の外周部を覆うことで、陽極ターゲット21と支持部材34との間を通って、金属外囲器11の下方から外部へ放射されるX線が低減される。このような変形例1においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。加えて、遮蔽部材40を外囲器10の漏えいX線が放出される部分に併せた自由な形状に形成することで、陽極ターゲット21及び支持部材34等で遮蔽されない漏えいX線を低減できる。
図5は、第1実施形態の変形例2のX線管1の一例を模式的に示す断面図である。
第1実施形態の変形例2のX線管1は、図2に示したX線管1と比較して、支持部材34が長い点が相違している。図示した例では、支持部材34は、中心軸CA2上に中心軸CA3が位置している第1部FPに支持部材33が接合され、中心軸CA2よりも上方に位置する第2部SPに陰極31が接合されている。支持部材34は、第2方向Yにおいて、第1部FPよりも下方に延出し、第2部SPよりも上方に延出している。支持部材34の上面34suは、第2方向Yにおいて、空間絶縁距離H1で金属外囲器11から離間している。ここで、H0>H1である。つまり、変形例2の支持部材34の上面34suは、第1実施形態の変形例2よりも金属外囲器11に近い位置に位置している。したがって、変形例2の支持部材34は、前述の実施形態の変形例2よりも金属外囲器11との間隙が狭いために、漏えいX線を低減できる。なお、支持部材34の中心軸CA2は、第1部FPの中心軸CA3上に位置しているとしたが、第1部FPの中心軸CA3からずれていてもよい。支持部材34が、第2方向Yにおいて、第1部FP及び第2部SPの少なくとも一方よりも延出していればよい。また、支持部材34の表面34sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。比較例のX線管1Cの支持部材340の表面340sfと同様に、変形例2のX線管1の表面34sfは、第1方向Xにおいて、支持柱22の先端部22dから所定の距離D0で離間している。したがって、例えば、表面34sfと先端部22dと間の間隔を距離D0で維持するためには、支持部材34は、第1方向Xにおいて、陽極ターゲット21方向に近づけることができない。しかし、支持部材34は、第2方向Yにおいて、前述の実施形態の支持部材34よりも延出している。そのため、変形例2のX線管1は、前述の実施形態のX線管1よりも広い範囲でX線を遮蔽することができる。したがって、変形例2のX線管1は、前述の実施形態のX線管1よりも漏えいX線を低減できる。このような変形例2においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。加えて、変形例2のX線管1は、支持部材34が前述の実施形態のX線管1よりも広い範囲に配置されているために、前述の実施形態のX線管1よりも漏えいX線を低減できる。
第1実施形態の変形例2のX線管1は、図2に示したX線管1と比較して、支持部材34が長い点が相違している。図示した例では、支持部材34は、中心軸CA2上に中心軸CA3が位置している第1部FPに支持部材33が接合され、中心軸CA2よりも上方に位置する第2部SPに陰極31が接合されている。支持部材34は、第2方向Yにおいて、第1部FPよりも下方に延出し、第2部SPよりも上方に延出している。支持部材34の上面34suは、第2方向Yにおいて、空間絶縁距離H1で金属外囲器11から離間している。ここで、H0>H1である。つまり、変形例2の支持部材34の上面34suは、第1実施形態の変形例2よりも金属外囲器11に近い位置に位置している。したがって、変形例2の支持部材34は、前述の実施形態の変形例2よりも金属外囲器11との間隙が狭いために、漏えいX線を低減できる。なお、支持部材34の中心軸CA2は、第1部FPの中心軸CA3上に位置しているとしたが、第1部FPの中心軸CA3からずれていてもよい。支持部材34が、第2方向Yにおいて、第1部FP及び第2部SPの少なくとも一方よりも延出していればよい。また、支持部材34の表面34sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。比較例のX線管1Cの支持部材340の表面340sfと同様に、変形例2のX線管1の表面34sfは、第1方向Xにおいて、支持柱22の先端部22dから所定の距離D0で離間している。したがって、例えば、表面34sfと先端部22dと間の間隔を距離D0で維持するためには、支持部材34は、第1方向Xにおいて、陽極ターゲット21方向に近づけることができない。しかし、支持部材34は、第2方向Yにおいて、前述の実施形態の支持部材34よりも延出している。そのため、変形例2のX線管1は、前述の実施形態のX線管1よりも広い範囲でX線を遮蔽することができる。したがって、変形例2のX線管1は、前述の実施形態のX線管1よりも漏えいX線を低減できる。このような変形例2においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。加えて、変形例2のX線管1は、支持部材34が前述の実施形態のX線管1よりも広い範囲に配置されているために、前述の実施形態のX線管1よりも漏えいX線を低減できる。
図6は、第1実施形態の変形例3のX線管1の一例を模式的に示す断面図である。第1実施形態の変形例3のX線管1は、図2に示したX線管1と比較して、支持部材34が基部34aと遮蔽部34bとで構成されている点が相違している。支持部材34は、基部34aと遮蔽部34bとを備えている。基部34aは、陰極31を支持している。基部34aにおいて、陽極ターゲット21側の表面を表面34asと称する。遮蔽部34bは、基部24aの表面34as上に設けられている。図示した例では、基部34aは、第2方向Yに延出し、中心軸CA2上に中心軸CA3が位置している第1部FPに表面34sb側から支持部材33が接合され、中心軸CA2よりも上方に位置する第2部SPに表面34as側から陰極31が接合されている。なお、基部34aの中心軸CA2は、第1部FPの中心軸CA3上に位置しているとしたが、第1部FPの中心軸CA3からずれていてもよい。例えば、基部34aは、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、及び、鉄等の内の少なくとも1つの金属部材、又はこれらの少なくとも1つを主成分とする合金で形成されている。遮蔽部34bは、X線を遮蔽する遮蔽部材、又はX線の透過率が低い部材を有する。例えば、遮蔽部34bは、モリブデン、ニオブ、及び、ジルコニウム等の内の少なくとも1つの金属部材、又はこれらの少なくとも1つを主成分とする合金で形成されている。遮蔽部34bは、基部34aの後方の表面34asに設けられ、且つ陽極ターゲット21に対向している。なお、遮蔽部34bは、基部34aの表面34asに塗布される塗料等であってもよい。また、遮蔽部34bは、基部34aの表面34asに設けられているとしたが、基部34aの表面34as以外の他の表面に設けられていてもよい。また、支持部材34(遮蔽部34b)の表面34sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。このような変形例3においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。加えて、変形例3のX線管1は、支持部材34が基部34aと遮蔽部34bとに分離されているために、前述の実施形態のX線管1と比較して、X線を遮蔽する遮蔽部材を削減することができる。
図7は、第1実施形態の変形例4のX線管1の一例を模式的に示す断面図である。第1実施形態の変形例4のX線管1は、前述のX線管1と比較して、支持部材34が延出し、且つ屈曲している点が相違しいている。支持部材34の中心軸CA2は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置している。すなわち、支持部材34は、陽極ターゲット21と同軸上に配置されている。支持部材34は、第2方向Yに沿って延出する本体部BPと、本体部BPの上端部で屈曲する屈曲部UEPと、本体部BPの下端部で屈曲する屈曲部LEPとを備えている。なお、支持部材34は、本体部BPを備えていなくともよく、全体が湾曲している形状であってもよい。また、支持部材34は、中心軸CA2に対して上方部分、又は下方部分のみで屈曲していてもよい。また、支持部材34の中心軸CA2は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置しているとしたが、陽極ターゲット21の中心軸TAからずれていてもよい。図示した例では、支持部材34は、第2部SPよりも下方且つ中心軸CA2よりも上方に位置する第1部FPに表面34sb側から支持部材33が接合され、屈曲部UEPに位置する第2部SPに表面34sf側から陰極31が接合されている。支持部材34において、屈曲部LEP及びUEPは、それぞれ、陽極ターゲット21の形状に沿って屈曲している。支持部材34において、屈曲部UEP及びLEPは、それぞれ、陽極ターゲット21の表面21sに平行に対向している。つまり、屈曲部UEP及びLEPは、本体部BPに対して角度θで陽極ターゲット21側に屈曲している。また、本体部BPの表面Sfと支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。支持部材34は、陽極ターゲット21の形状に沿って形成されているために、前述の実施形態と比較して、陽極ターゲット21から放射されるX線を遮蔽する効果を改善できる。このような変形例4においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。加えて、変形例4のX線管1は、前述の実施形態のX線管1よりも漏えいX線を低減できる。
次に他の実施形態に係るX線管装置について説明する。他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態のX線管1の一例を模式的に示す断面図である。第2実施形態のX線管装置1は、前述の実施形態と比較して、支持部材34の第1部FPの位置が異なる点が相違している。外囲器10の絶縁部材12Cの中心軸は、第2方向Yにおいて、外囲器10の中心軸(管軸)TAに対して下方に位置している。支持部材33の中心軸CA1は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して下方に位置している。支持部材34の第1部FPの中心軸CA3は、第2方向Yにおいて、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して下方に偏芯している。図示した例では、支持部材34は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAよりも下方に位置する第1部FPに支持部材33が接合され、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAよりも上方に位置する第2部SPに陰極31が接合されている。支持部材34は、第2方向Yにおいて、第1部FPよりも下方に延出し、第2部SPよりも上方に延出している。また、支持部材34の表面34sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。このような変形例2においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態のX線管1の一例を模式的に示す断面図である。第2実施形態のX線管装置1は、前述の実施形態と比較して、支持部材34の第1部FPの位置が異なる点が相違している。外囲器10の絶縁部材12Cの中心軸は、第2方向Yにおいて、外囲器10の中心軸(管軸)TAに対して下方に位置している。支持部材33の中心軸CA1は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して下方に位置している。支持部材34の第1部FPの中心軸CA3は、第2方向Yにおいて、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して下方に偏芯している。図示した例では、支持部材34は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAよりも下方に位置する第1部FPに支持部材33が接合され、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAよりも上方に位置する第2部SPに陰極31が接合されている。支持部材34は、第2方向Yにおいて、第1部FPよりも下方に延出し、第2部SPよりも上方に延出している。また、支持部材34の表面34sfと、支持柱22の先端部22dとは、第1方向Xにおいて、距離D0で離間している。このような変形例2においても、前述の実施形態のX線管1と同様の効果が得られる。
なお、前述の実施形態では、支持部材34の第1部FPの中心軸CA2は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TAに対して偏芯しているとしたが、偏芯していなくともよい。比較例のX線管1Cのようにハウジング101の内壁を遮蔽部材で覆うよりも遮蔽部材を削減し、且つ漏えいX線を低減することができれば、支持部材34の第1部FPの中心軸CA2は、陽極ターゲット21の中心軸(管軸)TA上に位置していてもよい。すなわち、支持部材34の第1部FPは、陽極ターゲット21と同軸上に配置されていてもよい。
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものでなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…X線管、10…外囲器、20…陽極構体、21…陽極ターゲット(陽極)、22…支持柱、30…電子放出部、31…陰極、32…端子部、33、34…支持部材、40…遮蔽部材。
Claims (11)
- X線を外側に放射するための窓部を備える外囲器と、
前記外囲器内に設けられ、電子が衝撃する焦点からX線を放射する陽極と、
前記外囲器内で前記陽極の焦点に対向し、前記陽極の焦点に向かって電子を放出する陰極と、
前記外囲器内に前記陽極に対向して配置され、前記外囲器に支持された第1部と、前記第1部から前記外囲器の内面近傍まで延出し、前記陽極の焦点を含む領域に対向しているとともに前記陰極を支持した第2部と、を有し、X線を遮蔽する材料で形成された第1遮蔽体と、を備えるX線管。 - 前記第1遮蔽体は、前記第1部が前記陽極の中心軸よりも前記陽極の焦点に近づく方向に偏って設けられている、請求項1に記載のX線管。
- 前記第1遮蔽体は、前記第1部が前記陽極の中心軸よりも前記陽極の焦点から遠ざかる方向に偏って設けられている、請求項2に記載のX線管。
- 前記第1遮蔽体は、前記第1部よりも前記陽極の焦点から遠ざかる方向に延出する第3部を備えている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線管。
- 前記第1部は、前記外囲器の内壁から空間絶縁距離で離間している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線管。
- 前記第1遮蔽体は、前記第2部よりも前記外囲器の内壁側に延出する第4部を備えている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線管。
- 前記第4部は、前記外囲器の内壁から空間絶縁距離で離間している、請求項6に記載のX線管。
- 前記第1遮蔽体は、モリブデン、ジルコニウム、及び、ニオブの内の少なくとも1つを含む金属材料で形成されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のX線管。
- 前記窓部に対して前記陰極の方向の前記外囲器の外周部に設けられた第2遮蔽体を備える、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のX線管。
- 第2遮蔽体は、鉛及びビスマスの内の少なくとも1つを含む金属材料で形成されている、請求項9に記載のX線管。
- 前記第1遮蔽体は、前記陽極から平面視した場合に、空間で絶縁できる最大の大きさまで前記外囲器の内壁に向かって拡大されている、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016195596A JP2018060622A (ja) | 2016-10-03 | 2016-10-03 | X線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016195596A JP2018060622A (ja) | 2016-10-03 | 2016-10-03 | X線管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018060622A true JP2018060622A (ja) | 2018-04-12 |
Family
ID=61907717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016195596A Pending JP2018060622A (ja) | 2016-10-03 | 2016-10-03 | X線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018060622A (ja) |
-
2016
- 2016-10-03 JP JP2016195596A patent/JP2018060622A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3251142B1 (en) | X-ray tube having a dual grid for steering and focusing the electron beam and dual filament cathode | |
TWI766748B (zh) | X射線產生管、x射線產生裝置及x射線攝像裝置 | |
JP2012124098A (ja) | 放射線発生装置および放射線撮影装置 | |
KR20070026026A (ko) | X 선관 | |
US3018398A (en) | X-ray generator | |
JP7048396B2 (ja) | X線管 | |
US20220246384A1 (en) | X-ray tube | |
US9741523B2 (en) | X-ray tube | |
JP5342317B2 (ja) | X線管 | |
JP6638966B2 (ja) | X線管 | |
TWI801535B (zh) | X光產生裝置 | |
JP2018060622A (ja) | X線管 | |
US20160284503A1 (en) | X-ray tube | |
JP7196046B2 (ja) | X線管 | |
JP5437262B2 (ja) | 管端部に近接した焦点位置を有するx線管 | |
JP2008084697A (ja) | 回転陽極x線管装置 | |
JP2019029063A (ja) | X線管装置 | |
CN108389768B (zh) | 组合扫描x射线发生器 | |
CN113851364A (zh) | X射线源、x射线扫描系统及冷却x射线源的阳极的方法 | |
JP2018181408A (ja) | X線管装置 | |
JP2019179713A (ja) | X線管 | |
US6256375B1 (en) | Target angle matching cathode structure for an X-ray tube | |
JP7156145B2 (ja) | 密閉型x線管およびx線発生装置 | |
JP2003115272A (ja) | 回転陽極x線管装置 | |
JP2019186209A (ja) | X線管 |