JP6638966B2 - X線管 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、X線管に関する。
一般に、X線管は、画像診断などの用途で使われている。このようなX線管の陰極は、2個の電子銃を備えている。各電子銃は、電子を放出するフィラメントコイルと、放出された電子を集束する集束溝と、を有している。2個の電子銃は1個の集束電極を共用している。各電子銃から放出され集束された電子が陽極ターゲットのターゲット面に衝突することにより、ターゲット面上に焦点が形成される。2個の電子銃は、ターゲット面上の同じ位置に焦点を形成できるように、焦点を挟んで位置し、それぞれ傾けて配置されている。
ターゲット面は、主放射方向にターゲット角度と呼ぶ角度傾いている。主放射方向及びX線管軸の両方に直交する方向からみた場合、ターゲット面と、電子銃のターゲット面と対向する側の面とは、概略ターゲット角度分傾いている。フィラメントコイルの長さ方向の両端のうち、一端から放出される電子の飛行距離と、他端から放出される電子の飛行距離とが異なるため、焦点は歪んだ形状になる。そこで、このような焦点形状の歪を補正するため、電子銃全体を主放射方向に対して適当な角度に傾ける技術が知られている。
ところで、X線管のうち、固定陽極型X線管のようなX線管など、大型化が望ましくないX線管がある。しかしながら、上述したように、電子銃全体を傾ける技術を採用すると、陰極の小型化を阻害すると言う問題が生じる。例えば、陰極の集束電極の外径を大きくする必要が生じるためである。このため、小型で焦点形状の歪を極力低減できるX線管が望まれている。
本実施形態は、小型であり焦点形状の歪を低減できるX線管を提供する。
本実施形態は、小型であり焦点形状の歪を低減できるX線管を提供する。
一実施形態に係るX線管は、
電子ビームの衝突によって形成される第1焦点から主放射方向にX線を放射するターゲット面を有する陽極と、
この陽極の前記ターゲット面に対向して配置され、前記電子ビームを放出する第1フィラメントと、この第1フィラメントから放出された電子ビームを集束させる集束電極と、を有する陰極であって、前記集束電極は、前記第1焦点から最も遠い(最短距離が最も長い)谷底部分と、この谷底部分から前記陽極の方向に斜めにせり上がる第1傾斜平面と、この第1傾斜平面に開口した第1集束溝と、この第1集束溝の底面に開口し、前記第1フィラメントを収納する第1収納溝とを含む、前記陰極と、を備え、
前記第1焦点の中心を通りX線管軸に平行な軸を基準軸、
前記基準軸と前記主放射方向とを含む平面を第1基準面、
前記基準軸に対して前記X線を放射する側の反対側において交わる第1延長線と第2延長線とが内側になす第1角度であって、前記第1延長線は前記第1基準面に沿って前記谷底部分と前記第1傾斜平面との境界直線から延びる仮想上の直線であり、前記第2延長線は前記第1基準面及び前記ターゲット面に沿って前記ターゲット面から延びる仮想上の直線である、前記第1角度をθ1、とすると、
θ1>0°であり、
前記第1収納溝は、長軸を有し、
前記第1収納溝の前記第1延長線側の一端部より前記第1収納溝の他端部の方が、前記第1基準面に近接している。
電子ビームの衝突によって形成される第1焦点から主放射方向にX線を放射するターゲット面を有する陽極と、
この陽極の前記ターゲット面に対向して配置され、前記電子ビームを放出する第1フィラメントと、この第1フィラメントから放出された電子ビームを集束させる集束電極と、を有する陰極であって、前記集束電極は、前記第1焦点から最も遠い(最短距離が最も長い)谷底部分と、この谷底部分から前記陽極の方向に斜めにせり上がる第1傾斜平面と、この第1傾斜平面に開口した第1集束溝と、この第1集束溝の底面に開口し、前記第1フィラメントを収納する第1収納溝とを含む、前記陰極と、を備え、
前記第1焦点の中心を通りX線管軸に平行な軸を基準軸、
前記基準軸と前記主放射方向とを含む平面を第1基準面、
前記基準軸に対して前記X線を放射する側の反対側において交わる第1延長線と第2延長線とが内側になす第1角度であって、前記第1延長線は前記第1基準面に沿って前記谷底部分と前記第1傾斜平面との境界直線から延びる仮想上の直線であり、前記第2延長線は前記第1基準面及び前記ターゲット面に沿って前記ターゲット面から延びる仮想上の直線である、前記第1角度をθ1、とすると、
θ1>0°であり、
前記第1収納溝は、長軸を有し、
前記第1収納溝の前記第1延長線側の一端部より前記第1収納溝の他端部の方が、前記第1基準面に近接している。
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、一実施形態に係るX線管1を示す概略構成図である。
図1に示すように、X線管1は、陰極2と、陽極3と、真空外囲器4と、複数のピンアセンブリ15と、を備えている。陰極2は、電子を放出するフィラメント(電子放出源)と、集束電極と、を有している。本実施形態において、陰極2は、第1フィラメント及び第2フィラメントを有している。複数のピンアセンブリ15は、第1フィラメントに負の高電圧及びフィラメント電流を与えるための2個のピンアセンブリ15と、第2フィラメントに負の高電圧及びフィラメント電流を与えるための2個のピンアセンブリ15と、集束電極に負の高電圧を与えるための1個のピンアセンブリ15と、を少なくとも有している。なお、集束電極用のピンアセンブリ15は、集束電極を支持し、集束電極を固定する機能も有している。
図1に示すように、X線管1は、陰極2と、陽極3と、真空外囲器4と、複数のピンアセンブリ15と、を備えている。陰極2は、電子を放出するフィラメント(電子放出源)と、集束電極と、を有している。本実施形態において、陰極2は、第1フィラメント及び第2フィラメントを有している。複数のピンアセンブリ15は、第1フィラメントに負の高電圧及びフィラメント電流を与えるための2個のピンアセンブリ15と、第2フィラメントに負の高電圧及びフィラメント電流を与えるための2個のピンアセンブリ15と、集束電極に負の高電圧を与えるための1個のピンアセンブリ15と、を少なくとも有している。なお、集束電極用のピンアセンブリ15は、集束電極を支持し、集束電極を固定する機能も有している。
陽極3は、ターゲット本体3a及びターゲット本体3aに接続された陽極延出部3dを有している。ターゲット本体3aは、電子が衝突するターゲット層3bを有している。ターゲット層3bのうち電子が衝突する側の面は、ターゲット面3cである。ターゲット本体3aは、モリブデン(Mo)、銅(Cu)それらの合金等の高熱伝導性金属で形成されている。ターゲット層3bは、ターゲット本体3aに利用する材料より融点の高い金属で形成されている。例えば、ターゲット本体3aは銅や銅合金で形成され、ターゲット層3bはタングステン合金で形成されている。陽極延出部3dは円柱状に形成され、銅や銅合金を利用している。陽極延出部3dは、ターゲット本体3aを固定している。陽極3は、上記フィラメントから放出され上記集束電極によって集束された電子がターゲット面3cに衝撃することによりX線を放出する。
真空外囲器4は、ガラス容器4a及び金属容器4bを有している。金属容器4bは、一方でガラス容器4aに気密に接続され、他方で陽極3に気密に接続されている。ガラス容器4aは、例えば硼珪素ガラスを利用して形成されている。ガラス容器4aは、例えば複数のガラス部材を溶融により気密に接合し形成することができる。ガラス容器4aはX線透過性を有しているため、陽極3から放出されたX線はガラス容器4aを透過して真空外囲器4の外側に放出される。金属容器4bは、ターゲット本体3a及び陽極延出部3dの少なくとも一方に気密に固定されている。ここでは、金属容器4bは、ターゲット本体3aにろう付けにより気密に接続されている。また、金属容器4bとガラス容器4aは封着により気密に接続されている。本実施形態において、金属容器4bは環状に形成されている。また、金属容器4bは、コバールを利用して形成されている。
真空外囲器4は、陰極2及びターゲット本体3aを収納し、陽極延出部3dが露出するように形成されている。真空外囲器4には、複数のピンアセンブリ15が気密に取り付けられている。各ピンアセンブリ15は、カソードピンなどを有し、真空外囲器4の内部及び外部に位置している。
なお、Z軸はX線管軸Aに平行な軸であり、X軸はZ軸に直交する軸であり、Y軸はX軸及びZ軸の両方に直交する軸である。後述するX線の主放射方向dはX軸と平行であり、向きは逆である。
なお、Z軸はX線管軸Aに平行な軸であり、X軸はZ軸に直交する軸であり、Y軸はX軸及びZ軸の両方に直交する軸である。後述するX線の主放射方向dはX軸と平行であり、向きは逆である。
X線管1の外側の電源ユニットから出力される電圧及び電流は、フィラメント用のピンアセンブリ15に与えられ、ひいてはフィラメントに与えられる。これにより、フィラメントは電子(熱電子)を放出する。上記電源ユニットは陰極2及び陽極3にも所定の電圧を与える。本実施形態において、陰極には負の高電圧が印加され、陽極3には正の高電圧が印加される。陽極3及び陰極2間にX線管電圧(管電圧)が加えられるため、フィラメントから放出された電子は、加速され、電子ビームとしてターゲット面3cに入射される。すなわち、陰極2からターゲット面3c上の焦点にX線管電流(管電流)が流れる。
陰極電位となる集束電極は、フィラメントから陽極3に向かう電子ビーム(電子)を集束させることができる。
ターゲット面3cは電子ビームが入射されることによりX線を放出し、焦点から放出されたX線は真空外囲器4を透過しX線管1の外側に放出される。
陰極電位となる集束電極は、フィラメントから陽極3に向かう電子ビーム(電子)を集束させることができる。
ターゲット面3cは電子ビームが入射されることによりX線を放出し、焦点から放出されたX線は真空外囲器4を透過しX線管1の外側に放出される。
図2は、図1に示した陰極2及び陽極3を拡大して示す図である。図中、陰極2は後述する基準軸RAを通るY−Z平面に沿った断面形状を示し、陽極3は正面から見た状態を示している。
図2に示すように、陰極2は、電子を放出する第1フィラメントとしてのフィラメントコイル5と、電子を放出する第2フィラメントとしてのフィラメントコイル6と、フィラメントコイル5及びフィラメントコイル6から放出された電子を集束させる集束電極10と、を有している。集束電極10は、平坦な前面10Aと、第1傾斜平面11と、第1集束溝21と、第1収納溝31と、第2傾斜平面12と、第2集束溝22と、第2収納溝32と、を含んでいる。第1傾斜平面11と第2傾斜平面12との境界を谷底部分と呼ぶことにすれば、第1傾斜平面11及び第2傾斜平面12はそれぞれ、谷底部分Mから陽極3の方向に斜めにせり上がっている。谷底部分Mは、後述する第1基準面S1に平行な線分である。
図2に示すように、陰極2は、電子を放出する第1フィラメントとしてのフィラメントコイル5と、電子を放出する第2フィラメントとしてのフィラメントコイル6と、フィラメントコイル5及びフィラメントコイル6から放出された電子を集束させる集束電極10と、を有している。集束電極10は、平坦な前面10Aと、第1傾斜平面11と、第1集束溝21と、第1収納溝31と、第2傾斜平面12と、第2集束溝22と、第2収納溝32と、を含んでいる。第1傾斜平面11と第2傾斜平面12との境界を谷底部分と呼ぶことにすれば、第1傾斜平面11及び第2傾斜平面12はそれぞれ、谷底部分Mから陽極3の方向に斜めにせり上がっている。谷底部分Mは、後述する第1基準面S1に平行な線分である。
前面10Aは、陰極2(集束電極10)のうち、陽極3に最も近接している。この実施形態において、前面10Aは、X−Y平面に平行である。但し、前面10A及び谷底部分Mは、X−Y平面に平行でなくともよい。2個の電子銃が同じ位置に焦点Fを形成できるよう、第1傾斜平面11及び第2傾斜平面12は、X−Y平面から傾いている。谷底部分Mは、基準軸RAを通るX−Z平面上に位置している。
焦点Fから第1傾斜平面11または第2傾斜平面12までの距離のうち、谷底部分Mまでの距離が最も長い。
第1集束溝21は、第1傾斜平面11に開口している。第1収納溝31は、第1集束溝21の底面21bに開口しフィラメントコイル5を収納している。第2集束溝22は、第2傾斜平面12に開口している。第2収納溝32は、第2集束溝22の底面22bに開口しフィラメントコイル6を収納している。
第1傾斜平面11は底面21bと平行であり、第2傾斜平面12は底面22bと平行である。このため、第1収納溝31の開口31oは、第1集束溝21の開口21oと平行であり、第2収納溝32の開口32oは、第2集束溝22の開口22oと平行である。フィラメントコイル5は、開口31oと平行な仮想平面に沿って延在している。フィラメントコイル6は、開口32oと平行な仮想平面に沿って延在している。
ターゲット面3cに形成される焦点Fのうち、フィラメントコイル5から放出された電子がターゲット面3cに入射されることにより主放射方向にX線を放射する焦点を第1焦点F1とする。一方、フィラメントコイル6から放出された電子がターゲット面3cに入射されることにより主放射方向にX線を放射する焦点を第2焦点F2とする。本実施形態において、第1焦点F1の中心位置と、第2焦点F2の中心位置とは、同じである。但し、第1焦点F1の寸法と、第2焦点F2の寸法とは、異なっている。本実施形態において、2個の電子銃の構造が異なっているためである。後述するが、例えば、フィラメントコイル5の寸法と、フィラメントコイル6の寸法とは、異なっている。
ここで、上記基準軸RAは、第1焦点F1の中心を通りX線管軸Aに平行な軸である。本実施形態において、第1焦点F1と第2焦点F2の中心位置とが同一のため、基準軸RAは、第2焦点F2の中心を通りX線管軸Aに平行な軸でもある。また、基準軸RAと主放射方向とを含む平面を第1基準面S1とする。前面10Aと同一平面上に位置する仮想上の平面を第2基準面S2とする。
図3は、図2に示した陰極2を示す平面図であり、陰極2を陽極3側からみた状態を示すX−Y平面図である。
図3に示すように、第1集束溝21は、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行な長軸を有している。同様に、第2集束溝22は、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行な長軸を有している。また、第1収納溝31及び第2収納溝32は、それぞれ長軸を有している。フィラメントコイル5及びフィラメントコイル6は、それぞれ、直線状に延出して形成され、長軸を有している。
図3に示すように、第1集束溝21は、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行な長軸を有している。同様に、第2集束溝22は、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行な長軸を有している。また、第1収納溝31及び第2収納溝32は、それぞれ長軸を有している。フィラメントコイル5及びフィラメントコイル6は、それぞれ、直線状に延出して形成され、長軸を有している。
本実施形態において、第1収納溝31及びフィラメントコイル5のそれぞれの長軸は、第1基準面S1に平行ではない。第2収納溝32及びフィラメントコイル6のそれぞれの長軸は、第1基準面S1に平行ではない。
ここで、第1集束溝21は、一端部21e1及び他端部21e2を有している。第1収納溝31は、一端部31e1及び他端部31e2を有している。フィラメントコイル5は、一端部5e1及び他端部5e2を有している。
また、第2集束溝22は、一端部22e1及び他端部22e2を有している。第2収納溝32は、一端部32e1及び他端部32e2を有している。フィラメントコイル6は、一端部6e1及び他端部6e2を有している。
また、第2集束溝22は、一端部22e1及び他端部22e2を有している。第2収納溝32は、一端部32e1及び他端部32e2を有している。フィラメントコイル6は、一端部6e1及び他端部6e2を有している。
図4は、陰極2及び陽極3を示す図であり、第1角度θ1を説明するための図である。図中、陰極2は正面から見た状態を示し、陽極3は基準軸RAを通るX−Z平面に沿った断面形状を示している。また、図には、X線の主放射方向dなどを示している。
主放射方向は、基準軸RAを通るX−Z平面上の方向であり、利用X線束の中心軸に沿った方向である。本実施例では、主放射方向は、基準軸RAに垂直である。一般に、ターゲット面3c上に形成される焦点を、焦点の中心を通り、かつ基準軸RAと垂直に交差する主放射方向dに沿ってX線管1の外側から見た形状は実効焦点と呼ばれている。
主放射方向は、基準軸RAを通るX−Z平面上の方向であり、利用X線束の中心軸に沿った方向である。本実施例では、主放射方向は、基準軸RAに垂直である。一般に、ターゲット面3c上に形成される焦点を、焦点の中心を通り、かつ基準軸RAと垂直に交差する主放射方向dに沿ってX線管1の外側から見た形状は実効焦点と呼ばれている。
図4に示すように、基準軸RAに対してX線を放射する側の反対側において交わる第1延長線E1と第2延長線E2とが内側になす角度を第1角度θ1とする。第1延長線E1は、第1基準面S1に沿って谷底部分M(または一般的には谷底部分Mと第1傾斜平面11との境界線)から延びる仮想上の直線である。第2延長線E2は、第1基準面S1及びターゲット面3cに沿ってターゲット面3cから延びる仮想上の直線である。
θ1>0°である。本実施形態において、第1角度θ1は鋭角である(0°<θ1<90°)。すなわち、前面10A及び谷底部分Mはターゲット面3cと平行ではない。
ここで、基準軸RAを含み第1基準面S1に直交する平面を第3基準面S3とする。
θ1>0°である。本実施形態において、第1角度θ1は鋭角である(0°<θ1<90°)。すなわち、前面10A及び谷底部分Mはターゲット面3cと平行ではない。
ここで、基準軸RAを含み第1基準面S1に直交する平面を第3基準面S3とする。
図3及び図4に示すように、上記のことから、第1収納溝31の第1延長線E1側の一端部31e1より第1収納溝31の他端部31e2の方が、第1基準面S1に近接している。また、フィラメントコイル5の第1延長線E1側の一端部5e1よりフィラメントコイル5の他端部5e2の方が、第1基準面S1に近接している。
同様に、第2収納溝32の第1延長線E1側の一端部32e1より第2収納溝32の他端部32e2の方が、第1基準面S1に近接している。また、フィラメントコイル6の第1延長線E1側の一端部6e1よりフィラメントコイル6の他端部6e2の方が、第1基準面S1に近接している。
同様に、第2収納溝32の第1延長線E1側の一端部32e1より第2収納溝32の他端部32e2の方が、第1基準面S1に近接している。また、フィラメントコイル6の第1延長線E1側の一端部6e1よりフィラメントコイル6の他端部6e2の方が、第1基準面S1に近接している。
図5は、陰極2及び陽極3を示す正面図であり、第2角度θ2及び第3角度θ3を説明するための図である。
図5に示すように、基準軸RAから向かって陰極2及び陽極3を越えた側において交わる第3延長線E3と第4延長線E4とが内側になす角度を第2角度θ2とする。第3延長線E3は、第3基準面S3及び第1傾斜平面11に沿って第1傾斜平面11から延びる仮想上の直線である。第4延長線E4は、第3基準面S3及びターゲット面3cに沿ってターゲット面3cから延びる仮想上の直線である。
θ2>0°である。本実施形態において、第2角度θ2は鋭角である(0°<θ2<90°)。
図5に示すように、基準軸RAから向かって陰極2及び陽極3を越えた側において交わる第3延長線E3と第4延長線E4とが内側になす角度を第2角度θ2とする。第3延長線E3は、第3基準面S3及び第1傾斜平面11に沿って第1傾斜平面11から延びる仮想上の直線である。第4延長線E4は、第3基準面S3及びターゲット面3cに沿ってターゲット面3cから延びる仮想上の直線である。
θ2>0°である。本実施形態において、第2角度θ2は鋭角である(0°<θ2<90°)。
同様に、基準軸RAから向かって陰極2及び陽極3を越えた側において交わる第5延長線E5と第6延長線E6とが内側になす角度を第3角度θ3とする。第5延長線E5は、第3基準面S3及び第2傾斜平面12に沿って第2傾斜平面12から延びる仮想上の直線である。第6延長線E6は、第3基準面S3及びターゲット面3cに沿ってターゲット面3cから延びる仮想上の直線である。
θ3>0°である。本実施形態において、第3角度θ3は鋭角である(0°<θ3<90°)。
θ3>0°である。本実施形態において、第3角度θ3は鋭角である(0°<θ3<90°)。
図2、図3及び図5に示すように、上記のことから、フィラメントコイル5、第1収納溝31及び第1集束溝21は、第1基準面S1より第3延長線E3側に位置している。一方、フィラメントコイル6、第2収納溝32及び第2集束溝22は、第1基準面S1より第5延長線E3側に位置している。
図6は、陰極2及び陽極3を示す図であり、第1直線距離D1と第2直線距離D2との関係を説明するための図である。
図6に示すように、フィラメントコイル5の一端部5e1から第1焦点F1の第2延長線E2側の一端部F1e1までの直線距離を第1直線距離D1とする。フィラメントコイル5の他端部5e2から第1焦点F1の他端部F1e2までの直線距離を第2直線距離D2とする。すると、D1<D2である。
図6に示すように、フィラメントコイル5の一端部5e1から第1焦点F1の第2延長線E2側の一端部F1e1までの直線距離を第1直線距離D1とする。フィラメントコイル5の他端部5e2から第1焦点F1の他端部F1e2までの直線距離を第2直線距離D2とする。すると、D1<D2である。
図7は、上記陰極及び上記陽極を示す図であり、第3直線距離と第4直線距離との関係を説明するための図である。
図7に示すように、フィラメントコイル6の一端部6e1から第2焦点F2の第2延長線E2側の一端部F2e1までの直線距離を第3直線距離D3とする。フィラメントコイル6の他端部6e2から第2焦点F2の他端部F2e2までの直線距離を第4直線距離D4とする。すると、D3<D4である。
図7に示すように、フィラメントコイル6の一端部6e1から第2焦点F2の第2延長線E2側の一端部F2e1までの直線距離を第3直線距離D3とする。フィラメントコイル6の他端部6e2から第2焦点F2の他端部F2e2までの直線距離を第4直線距離D4とする。すると、D3<D4である。
図8は、第1傾斜平面11に平行な仮想平面に垂直投影されたフィラメントコイル5、第1集束溝21及び第1収納溝31を示す図である。
図8に示すように、第1収納溝31の長軸は第1集束溝21の長軸から傾斜している。フィラメントコイル5の長軸と第1収納溝31の長軸とは平行である。また、上述したように、第1収納溝31の一端部31e1より第1収納溝31の他端部31e2の方が、第1基準面S1に近接している。
ここで、図8の垂直投影図において、第1集束溝21の長軸と、第1収納溝31(フィラメントコイル5)の長軸とが交差する角度を第4角度θ4とする。本実施形態において、第4角度θ4は鋭角である(0°<θ4<90°)。
図8に示すように、第1収納溝31の長軸は第1集束溝21の長軸から傾斜している。フィラメントコイル5の長軸と第1収納溝31の長軸とは平行である。また、上述したように、第1収納溝31の一端部31e1より第1収納溝31の他端部31e2の方が、第1基準面S1に近接している。
ここで、図8の垂直投影図において、第1集束溝21の長軸と、第1収納溝31(フィラメントコイル5)の長軸とが交差する角度を第4角度θ4とする。本実施形態において、第4角度θ4は鋭角である(0°<θ4<90°)。
図9は、第2傾斜平面12に平行な仮想平面に垂直投影されたフィラメントコイル6、第2集束溝22及び第2収納溝32を示す図である。
図9に示すように、第2収納溝32の長軸は第2集束溝22の長軸から傾斜している。フィラメントコイル6の長軸と第2収納溝32の長軸とは平行である。また、上述したように、第2収納溝32の一端部32e1より第2収納溝32の他端部32e2の方が、第1基準面S1に近接している。
ここで、図9の垂直投影図において、第2集束溝22の長軸と、第2収納溝32(フィラメントコイル6)の長軸とが交差する角度を第5角度θ5とする。本実施形態において、第5角度θ5は鋭角である(0°<θ5<90°)。
図9に示すように、第2収納溝32の長軸は第2集束溝22の長軸から傾斜している。フィラメントコイル6の長軸と第2収納溝32の長軸とは平行である。また、上述したように、第2収納溝32の一端部32e1より第2収納溝32の他端部32e2の方が、第1基準面S1に近接している。
ここで、図9の垂直投影図において、第2集束溝22の長軸と、第2収納溝32(フィラメントコイル6)の長軸とが交差する角度を第5角度θ5とする。本実施形態において、第5角度θ5は鋭角である(0°<θ5<90°)。
次に、本願発明者らが、本実施形態に係るX線管1を用いた場合を想定してX線を放出するシミュレーションを行った結果について説明する。この際、複数のフィラメントコイルの中、フィラメントコイル5のみを駆動して行った。このため、ターゲット面3c上に形成される焦点は、第1焦点F1であり、単焦点である。また、シミュレーションは、同一条件の下で行った。
詳しくは、フィラメントコイル5のみを駆動した。フィラメントコイル5から放出された電子は、電子ビームとしてターゲット面3cに入射される。電子ビームは、集束電極10の第1集束溝21によって形成される電界の作用により集束される。フィラメントコイル5の上面(ターゲット面3c側の面)から放出された電子が形成する正焦点と、フィラメントコイル5の側面から放出された電子が形成する副焦点との位置及び寸法をほぼ重ねた。
そして、各種の角度及び距離は、次に示す通りである。
θ1=16°
θ2=25°
θ4= 2°
D1=13.3mm
D2=16.7mm
図10は、シミュレーションにより、フィラメントコイル5の一端部5e1からターゲット面3cに向かって電子ビームが照射される状態を示す図である。図11は、シミュレーションにより、フィラメントコイル5の他端部5e2からターゲット面3cに向かって電子ビームが照射される状態を示す図である。
図10及び図11から分かるように、一端部5e1から放出された電子が形成する焦点と、他端部5e2から放出された電子が形成する焦点とが、第1基準面S1上に位置している。
そして、各種の角度及び距離は、次に示す通りである。
θ1=16°
θ2=25°
θ4= 2°
D1=13.3mm
D2=16.7mm
図10は、シミュレーションにより、フィラメントコイル5の一端部5e1からターゲット面3cに向かって電子ビームが照射される状態を示す図である。図11は、シミュレーションにより、フィラメントコイル5の他端部5e2からターゲット面3cに向かって電子ビームが照射される状態を示す図である。
図10及び図11から分かるように、一端部5e1から放出された電子が形成する焦点と、他端部5e2から放出された電子が形成する焦点とが、第1基準面S1上に位置している。
図12は、シミュレーションにより、ターゲット面3cに形成される第1焦点F1の像を示す図である。ここで、第1焦点F1の像は、主放射方向dに沿って、X線管1の外側から見た形状、すなわち実効焦点である。
図12に示すように、第1基準面S1に直交する方向において、第1焦点F1の幅の増大が抑制されていることが分かる。
上記のように構成された一実施形態に係るX線管1によれば、X線管1は、陰極2と、陽極3と、を備えている。陰極2は、フィラメントコイル5と、前面10A、第1傾斜平面11、第1集束溝21及び第1収納溝31を含む集束電極10と、を有している。陽極3は、ターゲット面3cを有している。
θ1>0°及びθ2>0°である。フィラメントコイル5、第1収納溝31及び第1集束溝21は、第1基準面S1より第3延長線E3側に位置している。第1収納溝31の第1延長線E1側の一端部31e1より第1収納溝31の他端部31e2の方が、第1基準面S1に近接している。
θ1>0°及びθ2>0°である。フィラメントコイル5、第1収納溝31及び第1集束溝21は、第1基準面S1より第3延長線E3側に位置している。第1収納溝31の第1延長線E1側の一端部31e1より第1収納溝31の他端部31e2の方が、第1基準面S1に近接している。
これにより第1焦点F1の形状の歪を補正することができる。すなわち、θ4=0°である場合と比較して、第1焦点F1の形状の歪を抑制することができる。この際、集束電極10の外径を大きくすること無しに、上記効果を得ることができる。また、第1集束溝21の長軸を傾けること無しに、上記効果を得ることができる。上記のことから、小型であり焦点形状の歪を低減できるX線管1を得ることができる。
次に、本願発明者らが、第4角度θ4及び第5角度θ5について調査した結果について説明する。図13は、陰極2及び陽極3を拡大して示す図であり、第1集束溝21より第2集束溝22が大きく形成されている状態を示す図である。
図13に示すように、第2集束溝22は、第1集束溝21より大きい。ここで、第1角度θ1、第2角度θ2及び第4角度θ4に注目する。
θ2=25°及びθ1=20°である場合、θ4=4.4°が望ましい。
θ2=25°及びθ1=5°である場合、θ4=1.0°が望ましい。
θ2=25°及びθ1=2.5°である場合、θ4=0.5°が望ましい。
図13に示すように、第2集束溝22は、第1集束溝21より大きい。ここで、第1角度θ1、第2角度θ2及び第4角度θ4に注目する。
θ2=25°及びθ1=20°である場合、θ4=4.4°が望ましい。
θ2=25°及びθ1=5°である場合、θ4=1.0°が望ましい。
θ2=25°及びθ1=2.5°である場合、θ4=0.5°が望ましい。
次に、第1角度θ1、第3角度θ3及び第5角度θ5に注目する。
θ3=25°及びθ1=20°である場合、θ5=5.2°が望ましい。
θ3=25°及びθ1=5°である場合、θ5=1.3°が望ましい。
θ3=25°及びθ1=2°である場合、θ5=0.5°が望ましい。
θ3=25°及びθ1=20°である場合、θ5=5.2°が望ましい。
θ3=25°及びθ1=5°である場合、θ5=1.3°が望ましい。
θ3=25°及びθ1=2°である場合、θ5=0.5°が望ましい。
第2角度θ2は、第1直線距離D1の長さ、第2直線距離D2の長さ、及び第1集束溝21のサイズに依存するものである。及び第3角度θ3に関しても第2角度θ2と同様である。なお、第2角度θ2及び第3角度θ3がそれぞれ25°の場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、第2角度θ2及び第3角度θ3が20°程度であってもよい。
上記のことから、第2角度θ2が小さい程、第4角度θ4は小さくなる。第3角度θ3が小さい程、第5角度θ5は小さくなる。また、第1集束溝21が大きくなる程、第4角度θ4は大きくなる。第2集束溝22が大きくなる程、第5角度θ5は大きくなる。
上記のことから、第2角度θ2が小さい程、第4角度θ4は小さくなる。第3角度θ3が小さい程、第5角度θ5は小さくなる。また、第1集束溝21が大きくなる程、第4角度θ4は大きくなる。第2集束溝22が大きくなる程、第5角度θ5は大きくなる。
第4角度θ4には、第1角度θ1の大きさ、第2角度θ2の大きさ、第1直線距離D1の長さ、第2直線距離D2の長さ、第1集束溝21の大きさにより、最適な値が存在する。同様に、第5角度θ5には、第1角度θ1の大きさ、第3角度θ3の大きさ、第3直線距離D3の長さ、第4直線距離D4の長さ、第2集束溝22の大きさにより、最適な値が存在する。例えば、第4角度θ4及び第5角度θ5のそれぞれは、0.5°乃至5°の範囲から選択することが望ましい。
第4角度θ4の上限値は、第1収納溝31が第1集束溝21と干渉するような値となる。例えば図8において、第1集束溝21の幅(第1集束溝21の長軸に直交する方向の長さ)が6mm、第1収納溝31の幅(第1収納溝31の長軸に直交する方向の長さ)が1.5mm、第1収納溝31の長さ(第1収納溝31の長軸の長さ)が12mmの場合、θ4=20°であると、第1収納溝31が第1集束溝21と干渉する。
次に、上記実施形態に係るX線管1と比較するため、比較例のX線管について説明する。図15は、比較例に係るX線管の陰極2を示す平面図である。
図15に示すように、フィラメントコイル5の長軸、第1集束溝21の長軸、及び第1収納溝31の長軸は、それぞれ、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行である。同様に、フィラメントコイル6の長軸、第2集束溝22の長軸、及び第2収納溝32の長軸は、それぞれ、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行である。θ4=0°及びθ5=0°である。上記の点で、比較例に係るX線管は、上記実施形態に係るX線管1と相違している。
図15に示すように、フィラメントコイル5の長軸、第1集束溝21の長軸、及び第1収納溝31の長軸は、それぞれ、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行である。同様に、フィラメントコイル6の長軸、第2集束溝22の長軸、及び第2収納溝32の長軸は、それぞれ、基準軸RAに直交し第1基準面S1に平行である。θ4=0°及びθ5=0°である。上記の点で、比較例に係るX線管は、上記実施形態に係るX線管1と相違している。
図16は、シミュレーションにより、本比較例のフィラメントコイル5の一端部5e1からターゲット面3cに向かって電子ビームが照射される状態を示す図である。図17は、シミュレーションにより、本比較例のフィラメントコイル5の他端部5e2からターゲット面3cに向かって電子ビームが照射される状態を示す図である。
図16及び図17から分かるように、一端部5e1から放出された電子が形成する焦点は第1基準面S1上に位置しているが、他端部5e2から放出された電子が形成する焦点は第1基準面S1上に位置していない。
図16及び図17から分かるように、一端部5e1から放出された電子が形成する焦点は第1基準面S1上に位置しているが、他端部5e2から放出された電子が形成する焦点は第1基準面S1上に位置していない。
図18は、シミュレーションにより、上記比較例のターゲット面3cに形成される第1焦点F1の像を示す図である。ここで、第1焦点F1の像は、主放射方向dに沿って、X線管1の外側から見た形状、すなわち実効焦点である。
図18に示すように、第1基準面S1に直交する方向において、第1焦点F1の幅の増大を抑制することが困難であることが分かる。
図18に示すように、第1基準面S1に直交する方向において、第1焦点F1の幅の増大を抑制することが困難であることが分かる。
本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態の図8では第1集束溝21を傾けない場合を例示し、図9では第2集束溝22を傾けない場合を例示したが、これらに限定されるものではない。例えば、図14に示すように、フィラメントコイル5及び第1収納溝31だけではなく、第1集束溝21が傾いていてもよい。この場合、第1集束溝21の第1延長線E1側の一端部21e1より第1集束溝21の他端部21e2の方が、第1基準面S1に近接している。第1収納溝31の長軸は第1集束溝21の長軸から傾斜している(0°<θ4<90°)。
X線管1が複数の電子銃を備える場合、X線管1の少なくとも1つの電子銃の収納溝(フィラメントコイル)が図8、図9、及び図14に示したように傾斜していればよい。
このため、X線管1は、図15に示したように傾斜していない収納溝(フィラメントコイル)を備えていてもよい。
また、上記実施形態では谷底部分Mが線状である場合を例示したが、谷底部分Mは第1基準面S1に垂直な平坦面であってもよい。この場合、平坦な谷底部分Mは図15に示したように傾斜していない集束溝および傾斜していない収納溝(フィラメントコイル)を備えていてもよい。
また、上記実施形態では谷底部分Mが線状である場合を例示したが、谷底部分Mは第1基準面S1に垂直な平坦面であってもよい。この場合、平坦な谷底部分Mは図15に示したように傾斜していない集束溝および傾斜していない収納溝(フィラメントコイル)を備えていてもよい。
さらにまた、上記実施形態では集束電極10は平坦な前面10Aを有する場合を例示したが、平坦な前面10Aは存在しなくてもよい。
本発明の実施形態は、上述した固定陽極型のX線管1に限定されるものではなく、各種の固定陽極型のX線管や回転陽極型のX線管およびその他のX線管に適用可能である。
本発明の実施形態は、上述した固定陽極型のX線管1に限定されるものではなく、各種の固定陽極型のX線管や回転陽極型のX線管およびその他のX線管に適用可能である。
1…X線管、2…陰極、3…陽極、3a…ターゲット本体、3c…ターゲット面、
4…真空外囲器、5,6…フィラメントコイル、
10…集束電極、10A…前面、11…第1傾斜平面、12…第2傾斜平面、
21…第1集束溝、22…第2集束溝、21b,22b…底面、
31…第1収納溝、32…第2収納溝、
5e1,6e1,21e1,22e1,31e1,32e1…一端部、
5e2,6e2,21e2,22e2,31e2,32e2…他端部、
21o,22o,31o,32o…開口、
A…X線管軸、RA…基準軸、F,F1,F2…焦点、S1,S2,S3…基準面、
θ1,θ2,θ3,θ4,θ5…角度、d…主放射方向、
E1,E2,E3,E4…延長線、D1,D2,D3,D4…直線距離。
4…真空外囲器、5,6…フィラメントコイル、
10…集束電極、10A…前面、11…第1傾斜平面、12…第2傾斜平面、
21…第1集束溝、22…第2集束溝、21b,22b…底面、
31…第1収納溝、32…第2収納溝、
5e1,6e1,21e1,22e1,31e1,32e1…一端部、
5e2,6e2,21e2,22e2,31e2,32e2…他端部、
21o,22o,31o,32o…開口、
A…X線管軸、RA…基準軸、F,F1,F2…焦点、S1,S2,S3…基準面、
θ1,θ2,θ3,θ4,θ5…角度、d…主放射方向、
E1,E2,E3,E4…延長線、D1,D2,D3,D4…直線距離。
Claims (9)
- 電子ビームの衝突によって形成される第1焦点から主放射方向にX線を放射するターゲット面を有する陽極と、
この陽極の前記ターゲット面に対向して配置され、前記電子ビームを放出する第1フィラメントと、この第1フィラメントから放出された電子ビームを集束させる集束電極と、を有する陰極であって、前記集束電極は、前記第1焦点から最も遠い谷底部分と、この谷底部分から前記陽極の方向に斜めにせり上がる第1傾斜平面と、この第1傾斜平面に開口した第1集束溝と、この第1集束溝の底面に開口し、前記第1フィラメントを収納する第1収納溝とを含む、前記陰極と、を備え、
前記第1焦点の中心を通りX線管軸に平行な軸を基準軸、
前記基準軸と前記主放射方向とを含む平面を第1基準面、
前記基準軸に対して前記X線を放射する側の反対側において交わる第1延長線と第2延長線とが内側になす第1角度であって、前記第1延長線は前記第1基準面に沿って前記谷底部分と前記第1傾斜平面との境界直線から延びる仮想上の直線であり、前記第2延長線は前記第1基準面及び前記ターゲット面に沿って前記ターゲット面から延びる仮想上の直線である、前記第1角度をθ1、とすると、
θ1>0°であり、
前記第1収納溝は、長軸を有し、
前記第1収納溝の前記第1延長線側の一端部より前記第1収納溝の他端部の方が、前記第1基準面に近接している、X線管。 - 前記谷底部分は前記第1基準面に平行な線分である、請求項1に記載のX線管。
- 前記谷底部分は前記第1基準面に垂直な平坦面である、請求項1に記載のX線管。
- 前記第1収納溝の開口は、前記第1集束溝の開口と平行であり、
前記第1フィラメントは、前記第1収納溝の開口と平行な仮想平面に沿って延在している、請求項1に記載のX線管。 - 前記第1フィラメントは、長軸を有し、
前記第1フィラメントの前記第1延長線側の一端部から前記第1焦点の前記第2延長線側の一端部までの第1直線距離をD1、
前記第1フィラメントの他端部から前記第1焦点の他端部までの第2直線距離をD2、とすると、
D1<D2である、請求項1に記載のX線管。 - 前記第1集束溝は、前記基準軸に直交し前記第1基準面に平行な長軸を有する、請求項1に記載のX線管。
- 前記第1集束溝は、長軸を有し、
前記第1収納溝の長軸は前記第1集束溝の長軸から傾斜している、請求項1に記載のX線管。 - 前記第1フィラメントは、長軸を有し、
前記第1フィラメントの長軸と前記第1収納溝の長軸とは平行である、請求項1に記載のX線管。 - 前記第1集束溝は、長軸を有し、
前記第1集束溝の前記第1延長線側の一端部より前記第1集束溝の他端部の方が、前記第1基準面に近接し、
前記第1収納溝の長軸は前記第1集束溝の長軸から傾斜している、請求項1に記載のX線管。
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