JP2018060080A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、担持体に残留する残留トナーを除去しつつ担持体の研磨量を少なくする装置の提供を目的とする。【解決手段】画像形成装置は、潜像を担持する担持体と、潜像をトナー像として現像する現像装置と、トナー像を媒体に転写する転写装置と、トナー像を媒体に定着させる定着装置と、前記担持体を研磨する研磨手段と、1日のうち予め設定された稼動開始時間7:00に前記担持体の定められた領域の帯電時に流れる電流値A1から前記担持体の使用開始時において前記領域の帯電時に流れる電流値A0を減じた値ΔI1と、予め設定された稼動終了時間19:00に前記領域の帯電時に流れる電流値A2から電流値A1を減じた値ΔI2とを算出し、更に値ΔI1に予め設定された係数α倍した値ΔI2を乗じた特定値Bを算出して、前記研磨手段を用いて前記担持体を特定値Bに相当する研磨量分研磨させる制御装置と、を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
例えば、感光体に形成された潜像を現像装置によりトナー像として現像する電子写真方式の画像形成装置において、画像形成期間に感光体の回転駆動を行う駆動モーターの駆動電流が予め定められた閾値より大きくなった場合に、その画像形成期間終了後の非画像形成期間にローラー制御装置により感光体をクリーニングするクリーニングローラーの回転速度を所定の速度に上げて、感光体を研磨する画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2011−13351号公報
ところで、上記の画像形成装置では、感光体の研磨が必要であっても駆動モーターの駆動電流の大きさによっては研磨動作が実行できない場合がある。
本発明は、担持体に残留する残留トナーを除去しつつ担持体の研磨量を少なくする装置の提供を目的とする。
本発明の第1の画像形成装置は、潜像を担持しながら周回する担持体と、トナーを用いて前記潜像をトナー像として現像する現像装置と、前記担持体に現像されたトナー像を媒体に転写する転写装置と、媒体に転写されたトナー像を媒体に定着させる定着装置と、前記担持体に接触しながら前記担持体を研磨する研磨手段と、1日のうち予め設定された稼動開始時間に前記担持体の定められた領域の帯電時に流れる電流値A1から前記担持体の使用開始時において前記領域の帯電時に流れる電流値A0を減じた値ΔI1と、1日のうち予め設定された稼動終了時間に前記領域の帯電時に流れる電流値A2から前記電流値A1を減じた値ΔI2とを算出し、更に前記値ΔI1に予め設定された係数α倍した前記値ΔI2を乗じた特定値Bを算出して、非画像形成時に前記研磨手段を用いて前記担持体を前記特定値Bに相当する研磨量分研磨させる制御装置と、を備えている。
本発明の第2の画像形成装置は、さらに、前記転写装置は、周回しながら前記担持体に接触して前記担持体からトナー像が転写される無端ベルトを有し、かつ、前記研磨手段としての機能を有し、前記制御装置は、前記無端ベルトを前記担持体に対して速度差を有した状態で周回させて前記担持体を研磨させる。
本発明の第3の画像形成装置は、さらに、前記制御装置は、画像形成装置内の温度及び湿度が高いほど、前記特定値Bを予め設定された係数β倍した特定値Cを算出して、非画像形成時に前記研磨手段を用いて前記担持体を前記特定値Cに相当する研磨量分研磨させる。
本発明の第4の画像形成装置は、さらに、前記制御装置は、前記現像装置により使用されるトナー量が多いほど、前記特定値Cを予め設定された係数γ倍した特定値Dを算出して、非画像形成時に前記研磨手段を用いて前記担持体を前記特定値Dに相当する研磨量分研磨させる。
本発明の第5の画像形成装置は、さらに、前記制御装置は、前記稼動終了時間に画像形成を行っている場合、画像形成動作を中断させて、前記研磨手段に前記担持体を研磨させる。
本発明の画像形成装置は、担持体に残留する残留トナーを除去しつつ担持体の研磨量を少なくする。
第1実施形態の画像形成装置を正面側から見た概略図である。 第1実施形態の画像形成装置を構成する感光体及びその周辺部分を正面側から見た概略図である。 第1実施形態の画像形成装置を構成する制御装置と、画像形成装置を構成する各構成要素との関係を示すブロック図である。 第1実施形態の感光体の定められた領域を帯電するための電流の時間変化を示すグラフである。 第1実施形態の制御装置による研磨動作の制御フローを示す図である。 比較形態の実験結果をまとめた表である。 第1実施形態の実験結果をまとめた表である。 第2実施形態の画像形成装置を正面側から見た概略図である。 第2実施形態の画像形成装置を構成する制御装置と、画像形成装置を構成する各構成要素との関係を示すブロック図である。 第2実施形態の制御装置による研磨動作の制御フローを示す図である。 第2実施形態における、係数βと温湿度との関係を示す制御テーブルである。 第3実施形態の制御装置による研磨動作の制御フローを示す図である。 第3実施形態における、係数γと印字率との関係を示す制御テーブルである。 実施例の実験結果をまとめた表である。 変形例(第1変形例)の画像形成装置を正面側から見た概略図である。 変形例(第2変形例)の制御装置による研磨動作の制御フローを示す図である。
≪概要≫
以下、第1〜第3実施形態及び実施例について図面を参照しつつ、これらの記載順で説明する。
≪第1実施形態≫
以下、本実施形態の画像形成装置10(図1参照)の構成、画像形成動作及び研磨動作並びに効果について、図面を参照しつつこれらの記載順で説明する。
以下の説明では、図中における矢印Fr及び矢印Rrで示す方向をそれぞれ装置奥行き方向手前側及び奥側、矢印R及び矢印Lで示す方向をそれぞれ装置幅方向右側及び左側、矢印U及び矢印Loで示す方向をそれぞれ装置高さ方向上側及び下側とする。また、本明細書では、画像形成装置10を装置奥行き方向手前側から見た状態を画像形成装置10の正面として説明する。
<画像形成装置の構成>
画像形成装置10は、図1に示されるように、給紙カセット20と、トナー像形成部30と、転写装置40(研磨手段の一例)と、搬送装置50と、定着装置60と、制御装置CUと、を含んで構成される電子写真方式の装置とされている。
給紙カセット20は、媒体Sを収容する機能を有する。
トナー像形成部30は、帯電、露光、現像の各工程を行って、後述するベルトTBに保持させるトナー像を形成する機能を有する。トナー像形成部30は、それぞれ異なる色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック))のトナー像を形成する単色ユニット31Y、31M、31C、31Kで構成されている。各単色ユニット31Y、31M、31C、31Kは、それぞれ、感光体PC(担持体の一例)と、帯電ローラー32と、露光装置34と、現像装置36と、除電装置38と、クリーニングブレードCBと、を備えている。
感光体PCは、ドラム状とされ、露光装置34により形成される潜像を担持しながら、駆動源(図示省略)により駆動されて正面側から見て時計回りに周回するようになっている。本実施形態の感光体PCは、一例として有機感光体とされている。
帯電ローラー32は、電源PSから電圧が印加されながら、感光体PCを帯電させる機能を有する。なお、図2に示されるように、帯電ローラー32が感光体PCの帯電時に流す電流は、電流計AMにより検出可能とされている。
現像装置36は、トナーを用いて露光装置34により感光体PCに形成された潜像をトナー像として現像するようになっている。除電装置38は、転写位置(感光体PCがベルトTBと接触する位置)を通過した感光体PCに光を照射して感光体PCを除電する機能を有する。クリーニングブレードCBは、感光体PCに残留した残留トナー(ベルトTBに転写されずに感光体PCに付着したままのトナー)を感光体PCから除去する機能を有する。
トナー像形成部30を構成する感光体PC以外の各部は、正面側から見て、感光体PCの周りに、帯電ローラー32、現像装置36、除電装置38、クリーニングブレードCBの記載順で時計回りに配置されている。また、露光装置34は、感光体PCにおける帯電ローラー32と現像装置36との間で潜像を形成するようになっている。なお、図1では、単色ユニット31Y以外の単色ユニット31M、31C、31Kの符号が省略されている。
転写装置40は、無端状のベルトTB(無端ベルトの一例)を有し、(図1における矢印X方向に感光体PCの周速と等速で)周回するベルトTBに、トナー像形成部30により形成されたトナー像を1次転写させて、ベルトTBに保持されたトナー像を媒体Sに2次転写させる機能を有する。また、転写装置40は、感光体PCを研磨する機能を有する。なお、転写装置40における研磨の機能については、研磨動作の説明の中で説明する。
搬送装置50は、給紙カセット20に収容されている媒体Sを搬送経路(図1中の二点差線P)に沿って搬送する機能を有する。なお、図1における矢印Yは、媒体Sの搬送方向を意味する。
定着装置60は、転写装置40により媒体Sに2次転写されたトナー像を媒体Sに定着させる機能を有する。
制御装置CUは、画像形成装置10を構成する各部を制御する機能を有する(後述する図3及び図5参照)。制御装置CUは、記憶部MDを備えている。制御装置CUの機能については、後述するよる画像形成動作及び研磨動作の説明の中で説明する。
<画像形成動作>
次に、本実施形態の画像形成装置10による画像形成動作について図1及び図2を参照しながら説明する。
外部装置(図示省略)から画像データを受け取った制御装置CUは、画像形成装置10の各部を作動させる。
トナー像形成部30が作動されると、各単色ユニット31Y、31M、31C、31Kでは、帯電ローラー32が感光体PCを帯電し、露光装置34が感光体PCを露光し、現像装置36が感光体PCの潜像をトナー像として現像する。その結果、各感光体PCにトナー像が形成される。
次いで、転写装置40及び搬送装置50が作動されると、トナー像形成部30により形成されたトナー像がベルトTBに1次転写される。また、ベルトTBに1次転写されたトナー像が2次転写されるタイミングに合わせて、搬送装置50により給紙カセット20に収容されている媒体Sが搬送されて、ベルトTBに保持されたトナー像が媒体Sに2次転写される。トナー像が2次転写された媒体Sは、搬送装置50により定着装置60に向けて搬送される。
次いで、定着装置60が作動され、トナー像が2次転写された媒体Sが定着装置60に搬送されると、媒体Sに2次転写されたトナー像が媒体Sに定着される(媒体Sに画像が形成される)。
そして、トナー像が定着された媒体S(画像が形成された媒体S)は、搬送装置50により画像形成装置10の外に排出されて、画像形成動作が終了する。
<研磨動作>
次に、本実施形態の研磨動作について図2、図4及び図5を参照しながら説明する。
まず、本実施形態の制御装置CUは、前提として、感光体PCの使用開始時において感光体PCの定められた領域の帯電時に流れる電流値A0を、予め記憶部MDに記憶している。ここで、感光体PCの使用開始時とは、ユーザーによる感光体PCの使用(画像形成動作)を行う前の時期を意味する(図4のグラフにおける0(初期)に相当)。すなわち、当該時期とは、画像形成装置10の製品出荷時、製品設置時及び感光体PCの新品への交換時に相当する。また、感光体PCの定められた領域とは、一例として、感光体PCにおける画像形成領域とされている。さらに、帯電時に流れる電流値とは、感光体PCを周回させながら、除電装置38により画像形成領域の全域に光を照射しつつ、帯電ローラー32により感光体PCの表面電位が定められた電位になるまで帯電しつつ、露光装置34により画像形成領域の全域に潜像を形成した際に、電流計AMが検出する電流値を意味する。
次いで、制御装置CUは、トナー像形成部30を用いて、1日のうち予め設定された稼動開始時間(一例として7:00)に感光体PCの定められた領域の帯電時に流れる電流値A1を測定する(図5のステップS10参照)。ここで、稼動開始時間の一例を7:00としたが、稼動開始時間の設定は、ユーザーインターフェイスUI(図3参照)を介してユーザーにより設定される。例えば、稼動開始時間を8:00とすることも可能である。
次いで、制御装置CUは、ステップS10で測定した電流値A1を記憶部MDに記憶する(図5のステップS20参照)。
次いで、制御装置CUは、トナー像形成部30を用いて、1日のうち予め設定された稼動終了時間(一例として19:00)に感光体PCの定められた領域の帯電時に流れる電流値A2を測定する(図5のステップS30参照)。ここで、稼動終了時間の一例を19:00としたが、稼動終了時間の設定は、ユーザーインターフェイスUI(図3参照)を介してユーザーにより設定される。例えば、稼動終了時間を17:00とすることも可能である。
次いで、制御装置CUは、ステップS30で測定した電流値A2を記憶部MDに記憶する(図5のステップS40参照)。
次いで、制御装置CUは、記憶部MDに記憶した電流値A0、A1及びA2から、以下の式(1)及び式(2)で表される値ΔI1及びΔI2を算出する(図5のステップS50参照)。

式(1) ΔI1=A1−A0
式(2) ΔI2=A2−A1

すなわち、式(1)から算出される値ΔI1は、電流値A1から電流値A0を減じた値とされる。また、式(1)から算出される値ΔI2は、電流値A2から電流値A1を減じた値とされる。なお、値ΔI1及びΔI2が負の場合は、絶対値の値を意味する。
次いで、制御装置CUは、ステップS50で算出した値ΔI1及びΔI2から、以下の式(3)で表される特定値Bを算出する(図5のステップS60参照)。

式(3) B=ΔI1×(α×ΔI2)

すなわち、式(3)で表される特定値Bは、値ΔI1に、予め設定された係数α倍した値ΔI2を乗じた値とされる。
次いで、制御装置CUは、次の日の7:00になる前までの非画像形成時に、転写装置40を用いて感光体PCを、ステップS60で算出した特定値Bに相当する研磨量分、すなわち、特定値Bに基づいて研磨させる(図5のステップS70)。具体的には、制御装置CUは、感光体PCを画像形成動作時の周速で軸周りに回転させつつ、ベルトTBを画像形成動作時よりも高速で定められた周回数周回させる。その結果、ベルトTBは感光体PCを擦りながら周回することから、感光体PCの外周及び当該外周に付着している残留トナーが除去される。なお、特定値Bに相当する研磨量分とは、後述する実施例等に基づいて、発明者により経験的に設定されている。また、研磨動作におけるベルトTBの周回数は、特定値Bの値が大きいほど多く、特定値Bの値が小さいほど少ない。
そして、制御装置CUは特定値Bに基づいてベルトTBを定められた周回数周回させると、感光体PCが適切に研磨されたと擬制して、研磨動作を終了する。
なお、図4に示されるグラフは、前述の研磨動作のフローにより測定される電流値A0、A1及びA2並びに算出される値ΔI1及びΔI2について、電流値と時間との関係の点から見た図といえる。図4に示されるように、時間が経過するほど稼動開始時間における電流値A1が増えている。この理由は、時間が経過するほど感光体PCの使用量が増えることで感光体PCの膜厚が減ることに起因する。感光体PCを電気回路におけるコンデンサと捉えると、膜厚が減るほどコンデンサに充電される電荷量は増えるためである。これに対して、任意の1日(N日目)における稼動終了時間の電流値A2は、稼動開始時間における電流値A1よりも増えて、次の日(N+1日目)の稼動開始時間における電流値A1は、前日(N日目)の稼動開始時間における電流値A2よりも減っている。この理由は、同日の使用における感光体PCの光疲労の影響によると考えられる。そして、次の日(N+1日目)の稼動開始時間における電流値A1が前日(N日目)の稼動開始時間の電流値A2よりも減る理由は、前日の光疲労から感光体PCが回復するためと考えられる。以上の点は、本願の発明者による試験研究により知見したものである。
<効果>
次に、本実施形態の効果について図面を参照しながら説明する。
例えば、前述の特許文献1のように、画像形成期間に感光体PCの駆動モーターの駆動電流が予め定められた閾値より大きくなった場合に、非画像形成期間に感光体PCを研磨する画像形成装置(以下、比較形態の画像形成装置という。図示省略)の場合、以下のような不具合を生じる。なお、比較形態の画像形成装置は、TASKalfa 256ci(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を改造した装置を用いた。
具体的には、図6の表は、比較形態の画像形成装置を用いた実験結果を示している。この表に示されるように、比較形態の場合、印字枚数が0〜40k枚まではモーター電流(駆動電流)が増加するものの、印字枚数が40k以降ではモーター電流の増加が見られず、逆に減少する場合もあった。そのため、印字枚数が40k枚時以降における研磨時間(表における摺擦時間)は同等(20秒前後)で行われた。その結果、比較形態の画像形成装置の場合、印字枚数が60k枚時に色点画像が目視観察され、印字枚数が80k枚時以降は筋画像(色点画像を含む)が目視観察された。以上のとおり、比較形態の画像形成装置の場合、感光体PCに残留するトナーを適切に除去できていなかった。なお、比較形態の場合、印字枚数160k枚で試験を中止した。
これに対して、本実施形態の場合、図5の制御フローに示される方法により、感光体PCの研磨動作を行う。すなわち、本実施形態の場合は、感光体PCを軸周りに駆動するための駆動電流を利用せずに研磨動作を行う。具体的には、前述した図4に示されるグラフ及び図5の制御フローのとおりであるが、図7の表は、本実施形態の画像形成装置10を用いた実験結果を示している。この表に示されるように、本実施形態の場合、試験を行った印字枚数200k枚まで画像形成不良が目視観察されなかった。このように、本実施形態の場合の試験結果が良好であった理由は、図5の制御フローに示される方法により感光体PCの研磨動作を行ったためと考えられる。すなわち、感光体PCの使用状況を考慮して、例えば、1日おきに感光体PCに流れる電流と、1日のうちでの感光体PCの光疲労による電流とに基づいて研磨量を変更しているためと考えられる。なお、図7の表の結果を考慮して、常に図7の場合よりも摺擦時間(研磨時間)をより長くする設定にすれば、画像形成不良が抑制できる可能性がある。しかしながら、この場合、感光体PCの研磨量が増えてしまう。
したがって、本実施形態の画像形成装置10によれば、感光体PCに残留する残留トナーを除去しつつ感光体PCの研磨量を少なくすることができる。
また、本実施形態の転写装置40は、前述のとおり、トナー像の転写機能と、感光体PCを研磨する機能とを有する。すなわち、本実施形態の画像形成装置10は、感光体PCを研磨するための装置(例えば、後述する図15の研磨用ローラーCR)を備えることなく、簡単な構成で、感光体PCの研磨動作を行うことができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態の画像形成装置10Aの構成、画像形成動作及び研磨動作並びに効果について、図8、図9、図10及び図11を参照しつつこれらの記載順で説明する。以下の説明では、本実施形態における第1実施形態と異なる点について説明する。
<構成及び研磨動作>
本実施形態の画像形成装置10Aは、画像形成装置10内の温度及び湿度(温湿度)を測定する温湿度測定装置THMを備えている(図8及び図9参照)。そして、本実施形態では、研磨動作の制御フローにおいて、ステップS10から順にステップS60までを行った後、ステップS70Aにおいて、算出した特定値B及び温湿度(環境)に基づいて特定値Cを算出し、転写装置40を用いて感光体PCを特定値Cに相当する研磨量分研磨させる。具体的には、特定値Cは、図11の表に示されるように、温湿度が高いほど、特定値Bを予め定められた係数β倍して算出される。なお、本実施形態のように、温湿度が高いほど研磨量を高くする理由は、温湿度が高いほど、感光体PCに残留トナーが付着し易いためである。
<効果>
本実施形態は、第1実施形態の場合と異なり、温湿度を考慮して、感光体PCに残留する残留トナーを除去しつつ感光体PCの研磨量を少なくすることができる。本実施形態のその他の効果は、第1実施形態の場合と同様である。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態の画像形成装置(図示省略)の構成、画像形成動作及び研磨動作並びに効果について、図12及び図13を参照しつつこれらの記載順で説明する。以下の説明では、本実施形態における第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
<構成及び研磨動作>
本実施形態の画像形成装置は、第2実施形態の画像形成装置10Aと同様の構成とされている(図8参照)。そして、本実施形態では、研磨動作の制御フローにおいて、ステップS10から順にステップS60までを行った後、ステップS70Bにおいて、算出した特定値B、環境(温湿度)及び印字率に基づいて特定値Dを算出し、転写装置40を用いて感光体PCを特定値Dに相当する研磨量分研磨させる。具体的には、特定値Dは、図13の表に示されるように、印字率が大きいほど、特定値Cを予め定められた係数γ倍して算出される。ここで、印字率とは、媒体Sの画像形成領域におけるトナーの付着率を意味する。すなわち、印字率が大きいほど、現像装置36により使用されるトナー量が多いことを意味する。
<効果>
本実施形態は、第1及び第2実施形態の場合と異なり、現像装置36により使用されるトナー量を考慮して、感光体PCに残留する残留トナーを除去しつつ感光体PCの研磨量を少なくすることができる。本実施形態のその他の効果は、第1及び第2実施形態の場合と同様である。
≪実施例≫
次に、実施例について、図14の表を参照しながら説明する。
<図14の表について>
図14の表は、第2実施形態の画像形成装置10Aを用いて、環境(温湿度)と、耐久枚数(印字枚数)と、印字率とを基本的なパラメータとしたうえで、摺擦研磨値と研磨時間との組み合わせ(研磨動作を行うための特定値に相当)を変更して画質評価を行った結果である。
この表の結果によれば、温湿度が高いほど、特定値を大きくした方が有利であるといえる。また、この表の結果によれば、印字率が高いほど、特定値を大きくした方が有利であるといえる。すなわち、実施例の結果から、第1、第2及び第3実施形態による研磨動作の制御フローを導くことができたと考えられる。
以上のとおり、本発明について本実施形態を例として説明したが、本発明の技術的範囲は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の技術的範囲には、下記のような形態も含まれる。
例えば、各実施形態では、各制御フロー(図5、図10及び図12参照)から導いた特定値に基づきベルトTBの周回数を変更するとして説明した。しかしながら、各特定値に基づく研磨量分、感光体PCを研磨することができれば、周回数以外をパラメータとしてもよい。例えば、ベルトTBの感光体PCに対する周速比を大きくしてもよい。これにより、研磨動作時間を短縮できる。
また、各実施形態では、転写装置40を研磨手段の一例であるとして説明した。しかしながら、各特定値に基づく研磨量分、感光体PCを研磨することができれば、転写装置40以外を研磨手段としてもよい。例えば、図15の変形例の画像形成装置10Bのように、感光体PCに接触する研磨用ローラーCRにより、感光体PCを研磨してもよい。
また、各実施形態の説明では特に言及していないが、稼動終了時間に画像形成を行っている場合、すなわち、画像データが制御装置CUに送られた場合、図16の変形例のように、制御装置CUは、画像形成動作を中断させて、研磨動作を行うようにしてもよい。この変形例によれば、中断後の画像形成において、画像形成不良を抑制することができる。
10 画像形成装置
32 感光体(担持体の一例)
36 現像装置
40 転写装置(研磨手段の一例)
60 定着装置
CU 制御装置
A0 電流値
A1 電流値
A2 電流値
ΔI1 値
ΔI2 値
B 特定値
C 特定値
D 特定値
TB ベルト(無端ベルトの一例)
S 媒体

Claims (5)

  1. 潜像を担持しながら周回する担持体と、
    トナーを用いて前記潜像をトナー像として現像する現像装置と、
    前記担持体に現像されたトナー像を媒体に転写する転写装置と、
    媒体に転写されたトナー像を媒体に定着させる定着装置と、
    前記担持体に接触しながら前記担持体を研磨する研磨手段と、
    1日のうち予め設定された稼動開始時間に前記担持体の定められた領域の帯電時に流れる電流値A1から前記担持体の使用開始時において前記領域の帯電時に流れる電流値A0を減じた値ΔI1と、1日のうち予め設定された稼動終了時間に前記領域の帯電時に流れる電流値A2から前記電流値A1を減じた値ΔI2とを算出し、更に前記値ΔI1に予め設定された係数α倍した前記値ΔI2を乗じた特定値Bを算出して、非画像形成時に前記研磨手段を用いて前記担持体を前記特定値Bに相当する研磨量分研磨させる制御装置と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記転写装置は、周回しながら前記担持体に接触して前記担持体からトナー像が転写される無端ベルトを有し、かつ、前記研磨手段としての機能を有し、
    前記制御装置は、前記無端ベルトを前記担持体に対して速度差を有した状態で周回させて前記担持体を研磨させる、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御装置は、画像形成装置内の温度及び湿度が高いほど、前記特定値Bを予め設定された係数β倍した特定値Cを算出して、非画像形成時に前記研磨手段を用いて前記担持体を前記特定値Cに相当する研磨量分研磨させる、
    請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御装置は、前記現像装置により使用されるトナー量が多いほど、前記特定値Cを予め設定された係数γ倍した特定値Dを算出して、非画像形成時に前記研磨手段を用いて前記担持体を前記特定値Dに相当する研磨量分研磨させる、
    請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御装置は、前記稼動終了時間に画像形成を行っている場合、画像形成動作を中断させて、前記研磨手段に前記担持体を研磨させる、
    請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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