JP2012047879A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切なリフレッシュ動作を行う画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー画像が形成される像形成面を含む感光体と、直流電圧と交流電圧とが重畳されてなる振動電圧を用いて、前記像形成面を帯電させる帯電器と、前記像形成面に供給されたトナーを用いて前記像形成面に付着した付着物を除去するためのリフレッシュ動作を行うリフレッシュ要素と、前記リフレッシュ動作の実行期間の長さを制御する制御要素と、を備え、前記帯電器は、前記交流電圧のピーク間電圧値を制御する電圧制御部と、前記振動電圧が印加され、前記像形成面との間で直流電流を生じさせる帯電要素と、を備え、前記制御要素は、前記ピーク間電圧値の変化に対する前記直流電流の値の変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図2
【解決手段】トナー画像が形成される像形成面を含む感光体と、直流電圧と交流電圧とが重畳されてなる振動電圧を用いて、前記像形成面を帯電させる帯電器と、前記像形成面に供給されたトナーを用いて前記像形成面に付着した付着物を除去するためのリフレッシュ動作を行うリフレッシュ要素と、前記リフレッシュ動作の実行期間の長さを制御する制御要素と、を備え、前記帯電器は、前記交流電圧のピーク間電圧値を制御する電圧制御部と、前記振動電圧が印加され、前記像形成面との間で直流電流を生じさせる帯電要素と、を備え、前記制御要素は、前記ピーク間電圧値の変化に対する前記直流電流の値の変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、トナーを用いて像形成面をリフレッシュする機能を有する画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ装置やプリンタといった画像形成装置は、典型的には、静電潜像が形成される像形成面を備える感光体ドラムと、静電潜像が形成された像形成面にトナーを供給し、トナー画像を形成する現像装置と、を備える。特定の画像形成装置の感光体ドラムは、アモルファスシリコンから形成された像形成面を備える(例えば、特許文献1参照)。高強度のアモルファスシリコン製の像形成面は、耐久性の面から有利である。
像担持面上の静電潜像は、典型的には、帯電器による帯電工程と、画像データに従って所定位置にレーザ光線を照射する照射工程を経て形成される。帯電器からの放電は、オゾンを生じさせる。オゾンの発生に起因して、NOxやSOxといったイオン生成物が生ずる。イオン生成物は、多くの場合、吸湿性を有する。イオン生成物の像形成面への付着は、像形成面の抵抗の低下を引き起こす。この結果、静電潜像の境界部分において、電荷が低抵抗の領域に流れ、画像の形成不良(画像流れ)が発生する。
上述の画像形成装置は、像形成面に付着した付着物を除去するためにリフレッシュ動作を行う。リフレッシュ動作時において、像形成面には、研磨剤を含むトナー粒子が供給される。その後、トナー粒子は、研磨ローラによって擦りつけられる。この結果、像形成面に付着した付着物が除去される。
他の特定の画像形成装置は、帯電器からの放電に起因する像形成面へのイオン生成物の付着を解決するために、帯電器によって印加される振動電圧を制御する(例えば、特許文献2参照)。感光体ドラムの周囲環境に基づいて適切に調整された振動電圧を用いて、像形成面が帯電される結果、イオン生成物の付着量が低減される。
過度のリフレッシュ動作は、像形成面の摩耗を促進する。このため、アモルファスシリコン製の像形成面が有する長寿命の特性が損なわれる。帯電器からの振動電圧の調整は、イオン生成物の付着量の低減をもたらすが、イオン生成物の除去を行うためのリフレッシュ動作を不要にするものではない。したがって、過度のリフレッシュ動作に起因する像形成面の摩耗は、帯電器の振動電圧の調整によって解決されるものではない。
本発明は、適切なリフレッシュ動作を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る画像形成装置は、トナー画像が形成される像形成面を含む感光体と、直流電圧と交流電圧とが重畳されてなる振動電圧を用いて、前記像形成面を帯電させる帯電器と、前記像形成面に供給されたトナーを用いて前記像形成面に付着した付着物を除去するためのリフレッシュ動作を行うリフレッシュ要素と、前記リフレッシュ動作の実行期間の長さを制御する制御要素と、を備え、前記帯電器は、前記交流電圧のピーク間電圧値を制御する電圧制御部と、前記振動電圧が印加され、前記像形成面との間で直流電流を生じさせる帯電要素と、を備え、前記制御要素は、前記ピーク間電圧値の変化に対する前記直流電流の値の変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することを特徴とする(請求項1)。
上記構成によれば、感光体の像形成面にトナー画像が形成される。トナー画像の形成のために、帯電器は、直流電圧と交流電圧とが重畳されてなる振動電圧を用いて、像形成面を帯電させる。リフレッシュ要素は、帯電器からの振動電圧に起因して像形成面に付着した付着物を、像形成面に供給されたトナーを用いて除去する。制御要素は、リフレッシュ要素によるリフレッシュ動作の実行期間を制御する。帯電器は、交流電圧のピーク間電圧値を制御する電圧制御部と、振動電圧が印加され、像形成面との間で直流電流を生じさせる帯電要素と、を備える。制御要素は、ピーク間電圧値の変化に対する直流電流の変化率に基づいて、実行期間の長さを決定する。像形成面の抵抗低下を反映する直流電流の変化率に基づき、リフレッシュ動作の実行期間が制御されるので、過度のリフレッシュ動作が抑制される。かくして、適切な長さのリフレッシュ動作が実行される。
上記構成において、前記電圧制御部が前記ピーク間電圧値を第1範囲内で変化させるときに、前記直流電流の前記値は線形的に変化し、前記電圧制御部が前記ピーク間電圧値を第2範囲内で変化させるときに、前記ピーク間電圧値が第1範囲内で変化するときよりも小さな変化率で、前記直流電流の前記値は線形的に変化し、前記第2範囲内で変化する前記ピーク間電圧値は、前記第1範囲内で変化する前記ピーク間電圧値よりも大きく、前記制御要素は、前記第1範囲内の前記ピーク間電圧値よりも大きな値の設定ピーク電圧値における前記直流電流の値の前記変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することが好ましい(請求項2)。
上記構成によれば、ピーク間電圧値が第1範囲内で変化するときに、直流電流は線形的に変化する。また、ピーク間電圧値が第2範囲内で変化するときに、ピーク間電圧値が第1範囲内で変化するときよりも小さな変化率で、直流電流は線形的に変化する。第2範囲内で変化するピーク間電圧値は、第1範囲内で変化するピーク間電圧値よりも大きい。小さな変化率での直流電流の線形的変化は、像担持面の周囲環境の影響を反映する。制御要素は、第1範囲内のピーク間電圧値より大きな値の設定ピーク電圧値における直流電流の変化率に基づいて、実行期間の長さを決定するので、像担持面の周囲環境の影響が反映された直流電流の変化率に基づき、リフレッシュ動作の実行期間が制御される。かくして、過度のリフレッシュ動作が抑制される。
上記構成において、前記制御要素は、前記ピーク間電圧値と前記直流電流の前記値との間の関係を表すデータを記憶する記憶部と、前記データに基づき前記実行期間の長さを決定する決定部と、を含み、前記帯電器は、前記直流電流を検知する検知部を備え、前記データは、前記第1範囲内で決定された第1ピーク間電圧値と、該第1ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含む第1データ点と、前記第1範囲内において前記第1ピーク間電圧値よりも大きな第2ピーク間電圧値と、該第2ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含む第2データ点と、前記第2範囲内で決定された第3ピーク間電圧値と、該第3ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含む第3データ点と、を含み、前記決定部は、前記第1データ点、前記第2データ点及び前記第3データ点を通過する回帰曲線の変曲点における前記ピーク間電圧値よりも大きな前記設定ピーク間電圧値における前記直流電流の前記値の前記変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することが好ましい(請求項3)。
上記構成によれば、制御要素は、ピーク間電圧値と直流電流の値との間の関係を表すデータを記憶する記憶部と、データに基づき前記実行期間の長さを決定する決定部と、を含む。帯電器は、直流電流を検知する検知部備える。決定部は、第1範囲内で定められる第1データ点及び第2データ点並びに第2範囲内で定められる第3データ点を通過する回帰曲線の変曲点におけるピーク間電圧値より大きな設定ピーク間電圧値における直流電流の値の前記変化率に基づいて、実行期間の長さを決定する。したがって、像担持面の周囲環境の影響が反映された直流電流の変化率に基づき、リフレッシュ動作の実行期間が制御される。かくして、過度のリフレッシュ動作が抑制される。
上記構成において、前記感光体を収容する筐体と、該筐体内の温度を測定する第1測定部と、前記筐体内の湿度を測定する第2測定部と、を更に備え、前記第1データ点は、前記温度及び前記湿度の組み合わせによって定められた前記第1ピーク間電圧値と、該第1ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含み、前記第2データ点は、前記温度及び前記湿度の組み合わせによって定められた前記第2ピーク間電圧値と、該第2ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含み、前記第3データ点は、前記温度及び前記湿度の組み合わせによって定められた前記第3ピーク間電圧値と、該第3ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含むことが好ましい(請求項4)。
上記構成によれば、筐体内の温度及び湿度に応じて適切に設定された回帰曲線に基づいて、リフレッシュ動作の実行期間の長さが制御される。
上記構成において、前記リフレッシュ要素は、前記トナーを前記像形成面に擦りつけ、前記付着物を除去することが好ましい(請求項5)。
上記構成によれば、リフレッシュ要素は、トナーを像形成面に擦りつけ、付着物を除去する。上述の如く、リフレッシュ動作の実行期間の長さは、像形成面の周囲環境に応じて適切に定められているので、像形成面に対するトナーの摺擦によって過度に像形成面が研磨されることが抑制される。
本発明に係る画像形成装置は、適切なリフレッシュ動作を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施例について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の内部構造を概略的に示す。本実施形態の画像形成装置は、タンデム型のカラープリンタである。尚、本実施形態に係る原理は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機或いは外部から入力された画像情報に基づいて印刷媒体の表面にトナー画像を転写して印刷を行う他の装置に適用されてもよい。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の内部構造を概略的に示す。本実施形態の画像形成装置は、タンデム型のカラープリンタである。尚、本実施形態に係る原理は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機或いは外部から入力された画像情報に基づいて印刷媒体の表面にトナー画像を転写して印刷を行う他の装置に適用されてもよい。
カラープリンタ100は、略直方体形状の筐体200を備える。カラープリンタ100は、シートSを筐体200内で搬送するための搬送機構300と、搬送機構300によって搬送されるシートSにトナー画像を形成する画像形成部400と、シートS上のトナー画像を定着させる定着部500と、筐体200外にシートSを排出する排出部600とを含む。筐体200内に、搬送機構300、画像形成部400、定着部500及び排出部600が配設又は形成される。
搬送機構300は、シートSを収容可能に形成されたカセット310を備える。使用者は、筐体200内に配設されたカセット310を、必要に応じて、筐体200外へ引き出すことができる。その後、使用者は、シートSの束をカセット310内に収容し、再度、カセット310を筐体200内に収容することができる。カセット310は、シートSの束を支持するリフト板311と、リフト板311を押し上げ、傾斜させる押し上げ機構312とを含む。
搬送機構300は、ピックアップローラ321を備える。ピックアップローラ321は、押し上げ機構312によって押し上げられたリフト板311上のシートSの先頭縁に当接する。ピックアップローラ321は、シートSがカセット310から排出されるように回転する。
搬送機構300は、ピックアップローラ321の下流に配設された給紙ローラ322及び捌きローラ323を備える。給紙ローラ322及び捌きローラ323は、ピックアップローラ321によって、カセット310から排出されたシートSを挟むように配設される。給紙ローラ322は、シートSを更に下流へ搬送するように回転する。捌きローラ323は、シートSをカセット310に戻すように回転する。この結果、ピックアップローラ321によって重なったままカセット310から送り出された複数枚のシートSは、給紙ローラ322及び捌きローラ323によって適切に分離される。かくして、給紙ローラ322に直接的に接触するシートSのみが1枚ずつ下流へ搬送される。
搬送機構300は、給紙ローラ322から上方へ向けて延びる給紙搬送路324と、シートSを上方へ送り出す搬送ローラ325とを備える。給紙搬送路324は、後述される画像形成部400の転写ベルト410及び転写ローラ420によって形成されるニップ部Nに向けて延びる。
搬送機構300は、ニップ部Nの直前に配設されたレジストローラ対326を備える。レジストローラ対326は、画像形成部400のトナー画像の形成のタイミングに合わせて、搬送ローラ325によって給紙搬送路324に沿って搬送されたシートSを、ニップ部Nに向けて送り出す。
搬送機構300は、筐体200に対して回動可能に取り付けられた手差しトレイ330を備える。使用者は、手差しトレイ330を回動させ、筐体200の外面に対して突出させることができる。その後、使用者は、手差しトレイ330上にシートSを載置することができる。
搬送機構300は、筐体200に対して回動可能に支持される手差しトレイ330の近傍に配設されたピックアップローラ331を備える。手差しトレイ330上のシートSの先頭縁に当接するピックアップローラ331は、筐体200内にシートSを引き込むように回転する。
搬送機構300は、ピックアップローラ331の下流に配設された給紙ローラ332及び捌きローラ333を備える。給紙ローラ332及び捌きローラ333は、ピックアップローラ331によって、筐体200内に引き込まれたシートSを挟むように配設される。給紙ローラ332は、シートSを更に下流へ搬送するように回転する。捌きローラ333は、シートSを手差しトレイ330に戻すように回転する。この結果、ピックアップローラ331によって重なったまま手差しトレイ330から送り出された複数枚のシートSは、給紙ローラ332及び捌きローラ333によって適切に分離される。かくして、給紙ローラ332に直接的に接触するシートSのみが1枚ずつ下流へ搬送される。
搬送機構300は、給紙ローラ332から給紙搬送路324へ向けて延びる合流搬送路334と、合流搬送路334に沿って配設された複数の搬送ローラ335とを備える。カセット310の上方で略水平に延びる合流搬送路334は上方に湾曲し、レジストローラ対326の直前で給紙搬送路324と合流する。したがって、手差しトレイ330から送り出されたシートSも、レジストローラ対326によって、画像形成部400のトナー画像の形成のタイミングに合わせて、ニップ部Nに向けて送り出される。
画像形成部400は、上述の如く、レジストローラ対326によってニップ部Nへ送り出されたシートSにトナー画像を形成する。画像形成部400は、上述の転写ベルト410及び転写ローラ420に加えて、画像形成ユニット430を備える。画像形成ユニット430は、マゼンタ色のトナーで画像を形成する第1画像形成ユニット430M、シアン色のトナーで画像を形成する第2画像形成ユニット430C、イエロ色のトナーで画像を形成する第3画像形成ユニット430Y及びブラック色のトナーで画像を形成する第4画像形成ユニット430Bkを含む。第1画像形成ユニット430Mによって形成されたトナー画像、第2画像形成ユニット430Cによって形成されたトナー画像、第3画像形成ユニット430Yによって形成されたトナー画像及び第4画像形成ユニット430Bkによって形成されたトナー画像は、順次、転写ベルト410上に転写される。これらのトナー画像は転写ベルト410上で重ね合わせられ、1つのフルカラーのトナー画像となる。
上述の如く、転写ベルト410及び転写ローラ420は、シートSを挟持するニップ部Nを形成する。転写ローラ420は、転写ベルト410上のトナーに対して逆極性の電圧をシートSに印加する。この結果、転写ベルト410上のフルカラーのトナー画像は、シートSに静電気的に転写される。
画像形成ユニット430は、略円筒状の感光体ドラム431と、感光体ドラム431の下方に配設された帯電装置432と、帯電装置432の下方に配設された露光装置433とを備える。帯電装置432は、回転する感光体ドラム431の外周面を、直流電圧と交流電圧とが重畳されてなる振動電圧を用いて、一様に帯電させる。露光装置433は、コンピュータといった外部機器から出力された画像信号に従って、レーザ光を走査する。この結果、帯電装置432によって帯電された感光体ドラム431の外周面の電荷が部分的に消失し、静電潜像が形成される。
画像形成ユニット430は、感光体ドラム431の周面にトナーを供給する現像装置434を備える。静電潜像が形成された感光体ドラム431の外周面に現像装置434からトナーが供給されると、静電潜像に合致するトナー画像が感光体ドラム431の外周面に現れる。その後、上述の如く、トナー画像は、転写ベルト410へ転写される。本実施形態において、感光体ドラム431は、トナー画像が形成される像形成面を含む感光体として例示される。また、感光体ドラム431の外周面は、像形成面として例示される。更に、帯電装置432は、像形成面を帯電させる帯電器として例示される。
画像形成部400は、駆動ローラ411と従動ローラ412とを備える。感光体ドラム431上に配設された転写ベルト410は、駆動ローラ411と従動ローラ412との間で張設される。画像形成部400は、第1画像形成ユニット430M、第2画像形成ユニット430C、第3画像形成ユニット430Y及び第4画像形成ユニット430Bkそれぞれの感光体ドラム431上に配設された転写ローラ413を備える。転写ベルト410は、トナー画像が形成された感光体ドラム431の外周面に、転写ローラ413によって、押しつけられる。駆動ローラ411は、感光体ドラム431の外周面の速度と略等しい速度で、転写ベルト410を周回させる。かくして、感光体ドラム431上のトナー画像は、転写ベルト410の外周面に適切に転写される。
画像形成部400は、転写ベルト410の内周面に当接するテンションローラ414を備える。上方に付勢されたテンションローラ414は、転写ベルト410の走行が安定化されるように、転写ベルト410の張力を適切に維持する。かくして、感光体ドラム431から転写ベルト410へのトナー画像の転写(一次転写)及び転写ベルト410からシートSへのトナー画像の転写(二次転写)が適切に行われる。
画像形成ユニット430は、第1クリーニング装置435を備える。第1クリーニング装置435は、一次転写後の感光体ドラム431の周面に残留するトナーを除去する。第1クリーニング装置435により清浄化された感光体ドラム431の周面は、再度、帯電装置432によって帯電される。その後、感光体ドラム431の周面には、新たなトナー画像が形成される。後述されるように、第1クリーニング装置435は、現像装置434から供給された感光体ドラム431の外周面に供給されたトナーを用いて、感光体ドラム431の外周面に付着した付着物(例えば、帯電装置432からの放電に起因するイオン生成物、シートからの紙粉)を除去するためのリフレッシュ動作を実行する。したがって、第1クリーニング装置435は、像形成面に付着した付着物を除去するためのリフレッシュ動作を行うリフレッシュ要素として例示される。
画像形成部400は、第2クリーニング装置415を備える。第2クリーニング装置415は、二次転写後の転写ベルト410の外周面に残留するトナーを除去する。第2クリーニング装置415により清浄化された転写ベルト410の周面には、新たなトナー画像が転写される。
ニップ部Nにおいて、トナー画像がシートSに転写された後、シートSは、定着部500へ向かう。
シートS上のトナー画像を定着させる定着部500は、定着ベルト510と、定着ベルト510を加熱する加熱ローラ520と、シートSに圧力を加える加圧ローラ530と、加圧ローラ530に定着ベルト510を圧接させる定着ローラ540とを備える。加熱ローラ520は、例えば、通電発熱体を内蔵してもよい。通電発熱体からの熱エネルギは、加熱ローラ520を介して、定着ベルト510へ伝達される。加熱ローラ520と定着ローラ540との間で張設された定着ベルト510は、加圧ローラ530と協働して、フルカラーのトナー画像を担持するシートSを挟持する。定着ローラ540は、加熱された定着ベルト510をシートSに押し当て、シートS上のトナーを溶融させる。この結果、トナー画像はシートS上で定着される。
排出部600は、定着部500から筐体200外へ延びる排出搬送路610を備える。定着部500を通過したシートSは、排出搬送路610を通じて、筐体200外へ排出される。排出部600によって排出されたシートSは、筐体200の上面に蓄積される。
(帯電装置の構成)
図2は、帯電装置432を概略的に示す模式図である。図1及び図2を用いて、帯電装置432が説明される。
図2は、帯電装置432を概略的に示す模式図である。図1及び図2を用いて、帯電装置432が説明される。
帯電装置432は、感光体ドラム431に接触するように配設される帯電ローラ441を備える。帯電ローラ441は、略円柱形状のシャフト442と、シャフト442の外周面を覆うエクロルヒドリンゴム層443とを含む。エクロルヒドリンゴム層443は、導電性及び弾性を有する。
帯電ローラ441は、感光体ドラム431の回転に伴って、感光体ドラム431の外周面上を転動する。感光体ドラム431の外周面上を転動する帯電ローラ441には、直流電圧と交流電圧が重畳されてなる振動電圧が印加される。感光体ドラム431は、アルミニウム製のシリンダ部材(図示せず)と、シリンダ部材の周面に蒸着されたアモルファスシリコン層(図示せず)とを含む。アモルファスシリコン層は、正帯電性光導電体である。振動電圧が印加された帯電ローラ441がアモルファスシリコン層上で転動することにより、一様に帯電される。感光体ドラム431が帯電される間、帯電ローラ441とアモルファスシリコン層との間の直流電流が生ずる。後述されるように、第1クリーニング装置435によるリフレッシュ動作の実行期間の長さは、帯電ローラ441とアモルファスシリコン層との間の直流電流の値の変化率に基づいて決定される。本実施形態において、帯電ローラ441は、像形成面との間で直流電流を生じさせる帯電要素として例示される。代替的に、振動電圧の印加の結果、像形成面との間で直流電流を生じさせることができる他の構造又は部材が帯電要素として用いられてもよい。
帯電装置432は、帯電ローラ441に印加される振動電圧を発生させる発生回路444を備える。発生回路444は、交流電圧を発生させる交流電源445と、直流電圧を発生させる直流電源446と、感光体ドラム431と帯電ローラ441との間で生じた直流電流の値Idc(以下、直流電流値Idcと称される)を検出する電流検知部447とを備える。本実施形態において、電流検知部447は、直流電流を検知する検知部として例示される。交流電源445は、例えば、昇圧トランスを用いてパルス状に変調された低圧の直流電圧から所定の正弦波状の交流電圧を発生させる。直流電源446は、例えば、昇圧トランスを用いてパルス状に変調された低圧の直流電圧から発生された正弦波状の交流電圧を、整流素子を用いて整流することにより、所定の直流電圧を発生させる。
帯電装置432は、電圧制御回路448を備える。電圧制御回路448は、後述される制御回路700の制御下で、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値を制御する。本実施形態において、電圧制御回路448は、交流電圧のピーク間電圧値を制御する電圧制御部として例示される。
制御回路700は、電圧制御回路448だけでなく、カラープリンタ100全体の制御を司ってもよい。制御回路700は、帯電ローラ441と感光体ドラム431との間の直流電流値に関する特性データを記憶する記憶素子710と、電流検知部447からのフィードバック信号と感光体ドラム431の周囲の環境特性データとに基づいて電圧制御回路448を制御する決定回路720とを備える。決定回路720によって決定されたピーク間電圧値となるように、電圧制御回路448は交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値を調整する。後述されるように、制御回路700は、記憶素子710に記憶された特性データと、感光体ドラム431の周囲の環境特性データとに基づいて、第1クリーニング装置435によるリフレッシュ動作の実行期間の長さを制御する。したがって、本実施形態において、制御回路700は、リフレッシュ動作の実行期間の長さを制御する制御要素として例示される。また、決定回路720は、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定する決定部として例示される。記憶素子710に格納される特性データは、主に、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧と帯電ローラ441と感光体ドラム431との間の直流電流値Idcとの間の関係を示すデータを含む。したがって、本実施形態において、記憶素子710は、ピーク間電圧値と直流電流の値との間の関係を示すデータを格納する記憶部として例示される。
カラープリンタ100は、筐体200内の温度を測定する温度センサ730と、筐体200内の湿度を測定する湿度センサ740とを備える。温度センサ730からの出力信号及び湿度センサ740からの出力信号は、上述の環境特性データとして制御回路700に入力される。本実施形態において、温度センサ730は、筐体200内の温度を測定する第1測定部として例示される。また、湿度センサ740は、筐体200内の湿度を測定する第2測定部として例示される。
(特性データ)
図3及び図4は、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値に関連する特性データを例示するグラフである。図2乃至図4を用いて、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値に関連する特性データが説明される。
図3及び図4は、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値に関連する特性データを例示するグラフである。図2乃至図4を用いて、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値に関連する特性データが説明される。
図3及び図4のグラフの横軸は、交流電源445から出力される交流電圧のピーク間電圧値を示す。図3のグラフの縦軸は、感光体ドラム431の外周面の表面電位を示す。図4のグラフの縦軸は、帯電ローラ441と感光体ドラム431の外周面との間の直流電流値Idcを示す。図3に示される表面電位及び図4に示される直流電流値Idcは、直流電源446からの直流電圧値が400Vに設定された状態の下、交流電源445からの交流電圧のピーク間電圧値を変化させて得られている。
図3に示されるグラフ中には、曲線VC1及び曲線VC2が示されている。曲線VC1は、温度32.5℃且つ湿度80%の条件下で得られたデータ点を結んで得られている。曲線VC2は、温度10.0℃且つ湿度15%の条件下で得られたデータ点を結んで得られている。
曲線VC1は、0Vから約800Vまでの交流電圧のピーク間電圧値の範囲において、高い変化率で表面電位が増加することを示す。また、曲線VC1は、約800V以上の交流電圧のピーク間電圧値の範囲において、表面電位が略一定であることを示す。
曲線VC2は、0Vから約1200Vまでの交流電圧のピーク間電圧値の範囲において、比較的緩やかに表面電位が増加することを示す。また、曲線VC2は、約1200V以上の範囲で、表面電位の増加率が更に低減することを示す。
図4に示されるグラフ中には、曲線IC1及び曲線IC2が示されている。曲線IC1は、温度32.5℃且つ湿度80%の条件下で得られたデータ点を結んで得られている。曲線IC2は、温度10.0℃且つ湿度15%の条件下で得られたデータ点を結んで得られている。
曲線IC1は、0Vから約700Vまでの交流電圧のピーク間電圧値の範囲において、直流電流値Idcが略線形的に(一次関数的に)変化することを示す。直流電流値Idcが略線形的な変化を示す比較的低いピーク間電圧値の範囲は、以下の説明において、第1範囲と称される。曲線IC1は、約700Vから約900Vの交流電圧のピーク間電圧値の範囲で、徐々に増加率を低減させながら、直流電流値Idcが増加することを示す。約800Vの交流電圧のピーク間電圧値において、曲線IC1は、変曲点を有する。曲線IC1は、約900V以上の交流電圧のピーク間電圧値の範囲で、第1範囲よりも小さな増加率で、直流電流値Idcが、略線形的に(一次関数的に)変化することを示す。直流電流値Idcが略線形的な変化を示すとともに第1範囲のピーク間電圧値よりも大きな値のピーク間電圧値の範囲は、以下の説明において、第2範囲と称される。
曲線IC2は、0Vから約900Vまでの交流電圧のピーク間電圧値の範囲が第1範囲であることを示す。また、曲線IC2は、約1100V以上の交流電圧のピーク間電圧値の範囲が第2範囲であることを示す。更に、曲線IC2は、約1000Vの交流電圧のピーク間電圧値において変曲点を有する。
本発明者は、図3及び図4に例示された特性データのうち、第1範囲の最大値よりも大きな交流電圧のピーク間電圧値、特に、曲線IC1,IC2の変曲点におけるピーク間電圧値よりも大きなピーク間電圧値の範囲において、帯電ローラ441と感光体ドラム431の外周面との間の直流電流値Idcが感光体ドラム431の周囲環境(温度及び湿度)の影響を受けやすいことを見出している。本発明者は、感光体ドラム431の周囲の温度及び/又は湿度が増加するほど、第2範囲における直流電流値Idcの変化率が大きくなることを見出している。
(制御回路による演算処理)
図5は、記憶素子710に記憶された第1テーブルを示す。図2、図4及び図5を用いて、制御回路700による演算処理が説明される。
図5は、記憶素子710に記憶された第1テーブルを示す。図2、図4及び図5を用いて、制御回路700による演算処理が説明される。
図5に示される如く、第1テーブルの最も左の列は筐体200内の温度を示す。第1テーブルの最も上の行は、筐体200内の湿度を示す。筐体200内の温度と湿度とで定められる各欄中は、交流電圧のピーク間電圧に関する3つのデータ値で満たされている。3つのデータ値のうち記号「Vpp(A)」及び記号「Vpp(B)」の欄で示されるデータ値は、図4に関連して説明された第1範囲内に存するピーク間電圧値である。尚、記号「Vpp(B)」の欄で示されるデータ値は、記号「Vpp(A)」で示されるデータ値よりも大きな値である。3つのデータ値のうち記号「Vpp(C)」で示されるデータ値は、図4に関連して説明された第2範囲内に存するピーク間電圧値である。3つのデータ値「Vpp(A)」,「Vpp(B)」,「Vpp(C)」は、図4に関連して説明された実測データに基づき予め適切に決定される。
図6は、制御回路700による演算処理を概略的に示すフローチャートである。図7は、所定の温度及び湿度環境下で定められた交流電圧のピーク間電圧値に対する直流電流値Idcの回帰曲線を例示する。図2、図4乃至図7を用いて、制御回路700による演算処理が説明される。
決定回路720は、記憶素子710に記憶された第1テーブルから、温度センサ730からの信号によって表される筐体200内の温度及び湿度センサ740からの信号によって表される筐体200内の湿度の組み合わせに対応するピーク間電圧値「Vpp(A)」,「Vpp(B)」,「Vpp(C)」を選択する(ステップS100)。筐体200内の温度が、例えば、20℃であり、筐体200内の湿度が30%であるとき、650Vのデータ値「Vpp(A)」、975Vのデータ値「Vpp(B)」及び1700Vのデータ値「Vpp(C)」が第1テーブルから読み出される。
制御回路700は、電圧制御回路448を制御し、発生回路444に振動電圧を発生させる。この結果、交流電源445は、ステップS100で決定されたピーク間電圧値「Vpp(A)」,「Vpp(B)」,「Vpp(C)」を有する交流電圧を順次出力する。また、直流電源446は、例えば、400Vの直流電圧を出力する。交流電源445から出力された交流電圧及び直流電源446から出力された直流電圧が重畳された振動電圧が帯電ローラ441に印加される(ステップS110)。
電流検知部447は、交流電源445からピーク間電圧値「Vpp(A)」を有する交流電圧が出力されているときに検知された帯電ローラ441と感光体ドラム431との間の直流電流値「Idc(A)」、交流電源445からピーク間電圧値「Vpp(B)」を有する交流電圧が出力されているときに検知された帯電ローラ441と感光体ドラム431との間の直流電流値「Idc(B)」及び交流電源445からピーク間電圧値「Vpp(C)」を有する交流電圧が出力されているときに検知された帯電ローラ441と感光体ドラム431との間の直流電流値「Idc(C)」を検知する。その後、検知された直流電流値「Idc(A)」、「Idc(B)」及び「Idc(C)」を表す信号を制御回路700へ出力する(ステップS120)。
本実施形態において、制御回路700の記憶素子710は、図5に関連して説明された第1テーブルだけでなく、決定回路720によって実行されるプログラムも格納する。図6中の曲線は、決定回路720によって実行されるプログラムによって描かれるピーク間電圧値Vppと直流電流値Idcとの間の関係を表す回帰曲線RCである。第1テーブルから選択されたピーク間電圧値「Vpp(A)」,「Vpp(B)」,「Vpp(C)」とステップS120において取得された直流電流値「Idc(A)」,「Idc(B)」,「Idc(C)」との組から、記憶素子710は、3つのデータ点(A点:(Vpp(A),Idc(A)),B点:(Vpp(A),Idc(A)),C点:(Vpp(A),Idc(A)))に関する情報を格納する。決定回路720によって実行されるプログラムは、A点、B点及びC点を通過する回帰曲線RCを演算する(ステップS130)。決定回路720によって実行されるプログラムは、予め、図4に関連して説明された実測データから得られる曲線に近似する回帰曲線を演算するように設定されている。本実施形態において、第1テーブルに格納された各データ値及び回帰曲線RCを規定するプログラムは、温度及び湿度の組み合わせに応じて決定されるピーク間電圧値と直流電流の値との間の回帰曲線に関する情報として例示される。本実施形態において、第1テーブルから読み出されたデータ値「Vpp(A)」は、第1範囲内で決定された第1ピーク間電圧値として例示される。また、第1テーブルから読み出されたデータ値「Vpp(A)」に対応する直流電流値「Idc(A)」を表す図6中のA点は、第1データ点として例示される。本実施形態において、第1テーブルから読み出されたデータ値「Vpp(B)」は、第1範囲内において、第1ピーク電圧値よりも大きな第2ピーク電圧値として例示される。また、第1テーブルから読み出されたデータ値「Vpp(B)」に対応する直流電流値「Idc(B)」を表す図6中のB点は、第2データ点として例示される。本実施形態において、第1テーブルから読み出されたデータ値「Vpp(C)」は、第2範囲内で決定された第3ピーク電圧値として例示される。また、第1テーブルから読み出されたデータ値「Vpp(C)」に対応する直流電流値「Idc(C)」を表す図6中のC点は、第3データ点として例示される。
決定回路720は、その後、A点及びB点を通過する直線RLの関数式を算出する。決定回路720は、更に、直線RLの関数式の値が、C点における直流電流値「Idc(C)」に等しくなる交流電圧の設定ピーク間電圧値「Vpp(Set)」を算出する(ステップS140)。図4に関連して説明された如く、第1範囲における直流電流値Idcの変化率は、第1範囲よりも大きな値のピーク間電圧値Vppの範囲における直流電流値Idcの変化率よりも大きいので、算出された設定ピーク間電圧値「Vpp(Set)」は、回帰曲線RCの変曲点Fにおけるピーク間電圧値「Vpp(F)」よりも大きくなる。
図8は、感光体ドラム431の周囲の温度及び湿度の変動に起因する設定ピーク間電圧値の差異を示す。図2、図6乃至図8を用いて、設定ピーク間電圧値の差異が説明される。
図8に示されるグラフ中には、温度センサ730が32.5℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が80%の湿度を表す信号を出力したときに、決定回路720が演算する回帰曲線RC1及び温度センサ730が10.0℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が15%の湿度を表す信号を出力したときに、決定回路720が演算する回帰曲線RC2が示されている。図8に示されるように、決定回路720は、温度センサ730の出力信号及び湿度センサ740の出力信号に応じて異なる回帰曲線RCを出力する。
図8に示されるグラフ中には、図6に関連して説明されたステップS140において、回帰曲線RC1に基づき算出される直線RL1及び回帰曲線RC1に基づき算出される直線RL2が示されている。図6に関連して説明されたステップS140の処理に従って、温度センサ730が32.5℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が80%の湿度を表す信号を出力したときには、直線RL1の関数式に基づき、設定ピーク間電圧値「Vpp(Set1)」が決定される。温度センサ730が10.0℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が15%の湿度を表す信号を出力したときには、直線RL2の関数式に基づき、設定ピーク間電圧値「Vpp(Set2)」が決定される。図8に示される如く、温度及び/又は湿度が低下するほど、高い設定ピーク間電圧値「Vpp(Set)」が設定される。
(リフレッシュ動作の実行期間の長さの決定)
図9は、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定するための処理を説明するグラフである。図2、図8及び図9を用いて、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定するための処理が説明される。
図9は、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定するための処理を説明するグラフである。図2、図8及び図9を用いて、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定するための処理が説明される。
上述の如く、設定ピーク間電圧値「Vpp(Set)」が算出された後、制御回路700は、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定するための処理を開始する。図9には、図8に関連して説明された回帰曲線RC1,RC2及び設定ピーク間電圧値「Vpp(Set1)」,「Vpp(Set2)」が示されている。
決定回路720は、算出された設定ピーク間電圧値「Vpp(Set)」に所定の増分値ΔVppを加算する。本実施形態において、増分値ΔVppとして、100Vの値が用いられている。その後、決定回路720は、回帰曲線RCを表現する関数に、設定ピーク間電圧値「Vpp(Set)」及び加算値「Vpp(Set)+ΔVpp」それぞれを入力し、回帰曲線RCに基づく直流電流値の増分値ΔIdcを算出する。
図9に示される如く、温度センサ730が32.5℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が80%の湿度を表す信号を出力したときには、決定回路720は、回帰曲線RC1を表現する関数に、設定ピーク間電圧値「Vpp(Set1)」及び加算値「Vpp(Set1)+ΔVpp」それぞれを入力し、7μAの増分値ΔIdcを算出している。温度センサ730が10.0℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が15%の湿度を表す信号を出力したときには、決定回路720は、回帰曲線RC2を表現する関数に、設定ピーク間電圧値「Vpp(Set2)」及び加算値「Vpp(Set2)+ΔVpp」それぞれを入力し、2μAの増分値ΔIdcを算出している。
図10は、記憶素子710に記憶された第2テーブルを示す。図2、図9及び図10を用いて、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定するための処理が説明される。
第2テーブルの左列は、図9に関連して説明された直流電流値の増分値ΔIdcを示す。第2テーブルの右列は、直流電流値の増分値ΔIdcに対応するリフレッシュ動作の実行期間の長さを示す。直流電流値の増分値ΔIdcとリフレッシュ動作の実行期間の長さとの間の関係は、好ましくは、予め実行された試験に基づいて定められる。
直流電流値の増分値ΔIdcが算出された後、決定回路720は、記憶素子710に格納された第2テーブルを参照し、算出された増分値ΔIdcに対応するリフレッシュ動作の実行期間の長さを読み出す。
図9に関連して説明された如く、温度センサ730が32.5℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が80%の湿度を表す信号を出力したとき、決定回路720は、7μAの増分値ΔIdcを算出している。このとき、決定回路720は、第2テーブルを参照し、300秒のリフレッシュ動作の実行時間の長さを決定する。
図9に関連して説明された如く、温度センサ730が10.0℃の温度を表す信号を出力し、湿度センサ740が15%の湿度を表す信号を出力したとき、決定回路720は、2μAの増分値ΔIdcを算出している。このとき、決定回路720は、第2テーブルを参照し、0秒のリフレッシュ動作の実行時間の長さを決定する。このようにして、決定回路720は、設定ピーク電圧値における直流電流の値の変化率に基づき、リフレッシュ動作の実行期間の長さを決定する。その後、決定回路720は、リフレッシュ動作の実行期間の長さに基づき、画像形成ユニット430にリフレッシュ動作を実行させるための制御信号を出力する。
(リフレッシュ動作)
図1及び図2を再度用いて、リフレッシュ動作が説明される。
図1及び図2を再度用いて、リフレッシュ動作が説明される。
帯電装置432は、設定ピーク電圧値を有する交流電圧とリフレッシュ動作用に適切な値に定められた直流電圧とを重畳させてなる振動電圧を帯電ローラ441に印加する。感光体ドラム431の回転に伴って回転する帯電ローラ441は、感光体ドラム431の外周面を一様に帯電させる。
現像装置434が感光体ドラム431の外周面に供給するトナーには、感光体ドラム431の外周面に付着したイオン生成物といった付着物を除去するのに十分な研磨性を有する粒子が含まれる。現像装置434は、感光体ドラム431の外周面にトナーを供給する。
第1クリーニング装置435は、感光体ドラム431の外周面に当接する先端縁を有するクリーニングブレード436と、感光体ドラム431の外周面に当接する研磨ローラ437とを含む。研磨ローラ437は、感光体ドラム431の外周面の速度と異なる周面速度或いは反対方向の速度ベクトルを有するように回転する。
現像装置434から感光体ドラム431に供給されたトナーは、クリーニングブレード436によって感光体ドラム431に擦りつけられる。この結果、感光体ドラム431の外周面に付着した付着物は好適に除去される。更に、研磨ローラ437によって、感光体ドラム431の周面上のトナーが擦りつけられる。この結果、感光体ドラム431の外周面に付着した付着物は好適に除去される。
(画像形成動作)
図11は、カラープリンタ100の画像形成の手順を概略的に示すフローチャートである。図1、図2、図5乃至図7並びに図9を用いて、カラープリンタ100の画像形成の手順が説明される。
図11は、カラープリンタ100の画像形成の手順を概略的に示すフローチャートである。図1、図2、図5乃至図7並びに図9を用いて、カラープリンタ100の画像形成の手順が説明される。
制御回路700は、カラープリンタ100が起動されたか否かを判定する(S200)。例えば、カラープリンタ100への電力供給が開始されたとき、カラープリンタ100のスリープモードが解除されたとき或いは筐体200のカバー(図示せず)が開放位置から閉塞位置に戻されたとき、制御回路700は、カラープリンタ100が起動されたと判定する。その後、ステップS205が実行される。
記憶素子710は、温度センサ730からの信号によって表される筐体200内の温度データ及び湿度センサ740からの信号によって表される筐体200内の湿度データを環境データとして記憶する(S205)。
決定回路720は、図6に関連して説明された工程に従って、設定ピーク電圧値を決定する(S210)。
決定回路720は更に、リフレッシュ動作の要否を判定する(S215)。ステップS210において決定された設定ピーク電圧値が、第2テーブルに設定される0秒のリフレッシュ動作の実行期間の長さに対応するならば、決定回路720は、リフレッシュ動作が不要であると判定する。その後、ステップ225が実行される。ステップS210において決定された設定ピーク電圧値が、第2テーブルに設定される0秒以外のリフレッシュ動作の実行期間の長さに対応するならば、決定回路720は、リフレッシュ動作が必要であると判定する。その後、ステップ220が実行される。
決定回路720が、リフレッシュ動作が必要であると判定したとき、ステップS210において決定された設定ピーク電圧値に対応する第2テーブル中のリフレッシュ動作の実行期間の長さだけ、リフレッシュ動作が実行される(S220)。その後、リフレッシュ動作後の感光体ドラム431に対して、設定ピーク電圧値が決定される(S210)。更にその後、再度、リフレッシュ動作の要否判定が実行される(S215)。
制御回路700は、ステップ210が実行されてから所定の時間が経過しているか否かを判定する(S225)。所定の時間が経過しているならば、上述のステップ205乃至ステップ215(必要に応じて、ステップ220)の工程が再度実行される。
使用者がカラープリンタ100による印刷を開始するためのプリントスイッチをオンすると(S230)、記憶素子710は、温度センサ730からの信号によって表される筐体200内の温度データ及び湿度センサ740からの信号によって表される筐体200内の湿度データを環境データとして記憶する(S235)。
決定回路720は、ステップS205で得られた環境データとステップS235で得られた環境データとを比較し、環境データの変化の有無を判定する(S240)。
ステップS240において環境データの変化があると判定した決定回路720は、図6に関連して説明された工程に従って、設定ピーク電圧値を決定する(S245)。
決定回路720は更に、リフレッシュ動作の要否を判定する(S255)。ステップS245において決定された設定ピーク電圧値が、第2テーブルに設定される0秒のリフレッシュ動作の実行期間の長さに対応するならば、決定回路720は、リフレッシュ動作が不要であると判定する。その後、ステップ260が実行される。ステップS245において決定された設定ピーク電圧値が、第2テーブルに設定される0秒以外のリフレッシュ動作の実行期間の長さに対応するならば、決定回路720は、リフレッシュ動作が必要であると判定する。その後、ステップ255が実行される。
決定回路720が、リフレッシュ動作が必要であると判定したとき、ステップS245において決定された設定ピーク電圧値に対応する第2テーブル中のリフレッシュ動作の実行期間の長さだけ、リフレッシュ動作が実行される(S255)。その後、リフレッシュ動作後の感光体ドラム431に対して、設定ピーク電圧値が決定される(S245)。更にその後、再度、リフレッシュ動作の要否判定が実行される(S250)。
ステップS240において、決定回路720が環境データに変化がないと判定したとき或いはステップ250において、決定回路720が、リフレッシュ動作が不要であると判定したとき、制御回路700は、電圧制御回路448を制御し、振動電圧を帯電ローラ441に印加させる(S260)。このとき、ステップS210又はステップS245で設定されたピーク間電圧値が振動電圧の交流電圧成分のピーク間電圧値として用いられる。
その後、制御回路700は、カラープリンタ100全体を制御し、トナー画像をシートSに形成する(S265)。
ステップS265においてトナー画像の形成が開始された後、制御回路700は、トナー濃度の調整といったキャリブレーション動作を実行するか否かを判定する(S270)。制御回路700が、キャリブレーション動作を実行すると判定する場合、記憶素子710は、温度センサ730からの信号によって表される筐体200内の温度データ及び湿度センサ740からの信号によって表される筐体200内の湿度データを環境データとして記憶する(S275)。その後、上述のステップS245乃至S265が実行される。
本実施形態において感光体として用いられた感光体ドラム431は、アルミニウム製のシリンダと、シリンダに蒸着されたアモルファスシリコン層とを備える。代替的に、有機光導電体(OPC)を用いて形成された像形成面を有するOPCドラムが感光体として用いられてもよい。更に代替的に、セレンを用いて形成された像形成面を有する感光体ドラムが感光体として用いられてもよい。像形成面に用いられた感光体層の帯電特性に応じて、帯電ローラ441に印加される振動電圧の極性が調整されることによって、本実施形態に関連して説明された原理は様々な感光体を用いた像形成面に好適に適用される。
本実施形態において帯電要素として用いられた帯電ローラ441は、金属製のシャフト442とシャフト442の外周面を覆うエクロルヒドリンゴム層443とを備える。代替的に、エクロルヒドリンゴム層443に代えて、ファーブラシ、フェルト、布を備える帯電ローラが帯電要素として用いられてもよい。
本実施形態において帯電要素として用いられた帯電ローラ441は、感光体ドラム431の周面に接触するように配設される。代替的に、帯電ローラ441は、感光体ドラム431を帯電可能である限り、感光体ドラム431から離間して配設されてもよい。
本実施形態における直流電流値の変化率の算出手法は、回帰曲線に基づく。代替的に、直流電流値の変化率は、他の適切な手法を用いて算出されてもよい。例えば、制御回路700は、比較的高いピーク間電圧値の交流電圧成分を含む振動電圧を帯電ローラ441に印加して、2つの直流電流値のデータ点を取得してもよい。2つのデータ点間の直流電流値の差分値を直流電流値の増分値ΔIdcとして、第2テーブルを用いて、リフレッシュ時間が求められる。
本実施形態において、振動電圧の交流電圧成分の波形は正弦波である。代替的に、交流電圧成分の波形は、矩形波、三角波、パルス波や他の適切な波形であってもよい。
本発明は、カラープリンタ、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機などの各種の画像形成装置に適用可能である。
100・・・・・・・・・・・・・カラープリンタ(画像形成装置)
200・・・・・・・・・・・・・筐体
431・・・・・・・・・・・・・感光体ドラム(感光体)
432・・・・・・・・・・・・・帯電装置(帯電器)
435・・・・・・・・・・・・・第1クリーニング装置(リフレッシュ要素)
441・・・・・・・・・・・・・帯電ローラ(帯電要素)
447・・・・・・・・・・・・・電流検知部(検知部)
448・・・・・・・・・・・・・電圧制御回路(電圧制御部)
700・・・・・・・・・・・・・制御回路(制御要素)
710・・・・・・・・・・・・・記憶素子(記憶部)
720・・・・・・・・・・・・・決定回路(決定部)
730・・・・・・・・・・・・・温度センサ(第1測定部)
740・・・・・・・・・・・・・湿度センサ(第2測定部)
200・・・・・・・・・・・・・筐体
431・・・・・・・・・・・・・感光体ドラム(感光体)
432・・・・・・・・・・・・・帯電装置(帯電器)
435・・・・・・・・・・・・・第1クリーニング装置(リフレッシュ要素)
441・・・・・・・・・・・・・帯電ローラ(帯電要素)
447・・・・・・・・・・・・・電流検知部(検知部)
448・・・・・・・・・・・・・電圧制御回路(電圧制御部)
700・・・・・・・・・・・・・制御回路(制御要素)
710・・・・・・・・・・・・・記憶素子(記憶部)
720・・・・・・・・・・・・・決定回路(決定部)
730・・・・・・・・・・・・・温度センサ(第1測定部)
740・・・・・・・・・・・・・湿度センサ(第2測定部)
Claims (5)
- トナー画像が形成される像形成面を含む感光体と、
直流電圧と交流電圧とが重畳されてなる振動電圧を用いて、前記像形成面を帯電させる帯電器と、
前記像形成面に供給されたトナーを用いて前記像形成面に付着した付着物を除去するためのリフレッシュ動作を行うリフレッシュ要素と、
前記リフレッシュ動作の実行期間の長さを制御する制御要素と、を備え、
前記帯電器は、
前記交流電圧のピーク間電圧値を制御する電圧制御部と、
前記振動電圧が印加され、前記像形成面との間で直流電流を生じさせる帯電要素と、を備え、
前記制御要素は、前記ピーク間電圧値の変化に対する前記直流電流の値の変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記電圧制御部が前記ピーク間電圧値を第1範囲内で変化させるときに、前記直流電流の前記値は線形的に変化し、
前記電圧制御部が前記ピーク間電圧値を第2範囲内で変化させるときに、前記ピーク間電圧値が第1範囲内で変化するときよりも小さな変化率で、前記直流電流の前記値は線形的に変化し、
前記第2範囲内で変化する前記ピーク間電圧値は、前記第1範囲内で変化する前記ピーク間電圧値よりも大きく、
前記制御要素は、前記第1範囲内の前記ピーク間電圧値よりも大きな値の設定ピーク間電圧値における前記直流電流の値の前記変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記制御要素は、前記ピーク間電圧値と前記直流電流の前記値との間の関係を表すデータを記憶する記憶部と、前記データに基づき前記実行期間の長さを決定する決定部と、を含み、
前記帯電器は、前記直流電流を検知する検知部を備え、
前記データは、
前記第1範囲内で決定された第1ピーク間電圧値と、該第1ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含む第1データ点と、
前記第1範囲内において前記第1ピーク間電圧値よりも大きな第2ピーク間電圧値と、該第2ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含む第2データ点と、
前記第2範囲内で決定された第3ピーク間電圧値と、該第3ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含む第3データ点と、を含み、
前記決定部は、前記第1データ点、前記第2データ点及び前記第3データ点を通過する回帰曲線の変曲点における前記ピーク間電圧値よりも大きな前記設定ピーク間電圧値における前記直流電流の前記値の前記変化率に基づいて、前記実行期間の前記長さを決定することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 前記感光体を収容する筐体と、
該筐体内の温度を測定する第1測定部と、
前記筐体内の湿度を測定する第2測定部と、を更に備え、
前記第1データ点は、前記温度及び前記湿度の組み合わせによって定められた前記第1ピーク間電圧値と、該第1ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含み、
前記第2データ点は、前記温度及び前記湿度の組み合わせによって定められた前記第2ピーク間電圧値と、該第2ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含み、
前記第3データ点は、前記温度及び前記湿度の組み合わせによって定められた前記第3ピーク間電圧値と、該第3ピーク電圧値に制御された前記交流電圧を含む前記振動電圧が前記帯電要素に印加されたときに前記検知部が検知した前記直流電流の前記値とを含むことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。 - 前記リフレッシュ要素は、前記トナーを前記像形成面に擦りつけ、前記付着物を除去することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
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