以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態に係る制御装置100は、自動運転車両200(全体は不図示)に搭載されるものであって、自動運転車両200の制御を行うための装置である。制御装置100の説明に先立ち、自動運転車両200の構成について図1を参照しながら説明する。
本実施形態における自動運転車両200は、運転者の操作によることなく自動的な走行を行うことのできる車両として構成されている。また、自動運転車両200は、上記のような自動運転が行われている状態と、従来通り運転者の操作に基づく走行が行われている状態(つまり、自動運転が行われていない状態)とを、切り換えることもできる。自動運転車両200は、内燃機関210と、スタータ220と、オルタネータ230と、バッテリ240と、を備えている。
内燃機関210は所謂エンジンである。内燃機関210は、供給される燃料を内部で燃焼させ、これにより走行に必要な駆動力を生じさせる。
スタータ220は、後述のバッテリ240から電力の供給を受けて動作する回転電機である。スタータ220は、内燃機関210のクランク軸(不図示)を回転させて所謂クランキングを行い、これにより内燃機関210を始動させる。スタータ220は、自動運転車両200を走行させるために必要な補機の一つに該当する。
オルタネータ230は、内燃機関210によって駆動される発電機である。内燃機関210が動作しているときには、オルタネータ230による発電が行われ、オルタネータ230から自動運転車両200の各部へと電力が供給される。
バッテリ240は、スタータ220等に電力を供給するために設けられた蓄電装置である。バッテリ240から出力(放電)される電力は、上記のオルタネータ230から出力される電力と共に、自動運転車両200の各部へと供給される。特に、スタータ220によって内燃機関210の始動が行われる際には、オルタネータ230は停止しているので、スタータ220にはバッテリ240のみから電力が供給される。このように、バッテリ240は、内燃機関210の始動に必要な電力をスタータ220に供給するための装置として設けられている。また、制御装置100の動作に必要な電力もバッテリ240から供給される。
バッテリ240は、オルタネータ230で生じた電力を蓄えておくこと(つまり充電)もできる。尚、バッテリ240からの電力の入出力は、不図示の電力変換器を介して行われる。当該電力変換器の動作は、制御装置100を介して行われる。尚、このような態様に替えて、バッテリ240や電力変換器の制御を担うECUが別途設けられているような態様であってもよい。この場合、制御装置100は、当該ECUと通信を行うことによってバッテリ240の充放電を制御することとなる。
自動運転車両200には、バッテリ240やオルタネータ230から電力の供給を受けて動作する電力消費機器が複数搭載されている。図1では、これら複数の電力消費機器のうち、電動パワーステアリング装置250と、電動ブレーキ装置260と、車載カメラ270とが示されている。
電動パワーステアリング装置250は、電力による操舵力をステアリングシャフトに加える装置である。自動運転車両200において自動運転が行われているときには、電動パワーステアリング装置250は、運転者のステアリング操作によることなく、車線に沿った走行に必要な操舵力の全てを生じさせる。自動運転車両200において自動運転が行われていないときには、電動パワーステアリング装置250は、運転者がステアリングホイールに加える力が軽減されるように、ステアリングシャフトに対して補助的な操舵力を加える。電動パワーステアリング装置250は、自動運転車両200を走行させるために必要な補機の一つに該当する。
電動パワーステアリング装置250の動作は、後述の制御装置100によって制御される。尚、電動パワーステアリング装置250の制御を担うECUが別途設けられているような態様であってもよい。この場合、制御装置100は、当該ECUと通信を行うことによって電動パワーステアリング装置250の動作を制御することとなる。
電動ブレーキ装置260は、電力による制動力を生じさせ、これにより自動運転車両200を減速又は停止させるための装置である。尚、自動運転車両200には、運転者のブレーキ操作に基づいて動作する油圧式のブレーキ装置も搭載されているのであるが、図1においてはその図示が省略されている。電動ブレーキ装置260は、自動運転車両200を走行させるために必要な補機の一つに該当する。
自動運転車両200において自動運転が行われているときには、電動ブレーキ装置260は、運転者のブレーキ操作によることなく自動的に制動力を生じさせる。電動ブレーキ装置260の動作は制御装置100によって制御される。尚、電動ブレーキ装置260の制御を担うECUが別途設けられているような態様であってもよい。この場合、制御装置100は、当該ECUと通信を行うことによって電動ブレーキ装置260の動作を制御することとなる。
車載カメラ270は、自動運転車両200の周囲、特に前方側を撮影するためのカメラである。車載カメラ270は、例えばCMOSセンサを用いたカメラである。車載カメラ270は、撮影した画像のデータを制御装置100に送信する。制御装置100は、画像を解析することにより、自動運転車両200の周囲における障害物や車線の位置などを把握する。これにより、障害物との衝突を回避するための操舵や制動、及び車線に沿った走行を実現するための操舵等を自動的に行うことができる。尚、上記のような画像処理は、制御装置100とは別に設けられたECUによって行われることとしてもよい。
尚、上記のような車載カメラ270に加えて、障害物を検知するためのレーダー装置やレーザー装置等が備えられているような態様であってもよい。
自動運転車両200のその他の構成について説明する。自動運転車両200の運転席には、自動運転スイッチ280が設けられている。自動運転スイッチ280は、自動運転のON又はOFFを切り換えるために、運転者が操作するスイッチである。自動運転スイッチ280がONとされているときには、自動運転車両200では自動運転が行われる。自動運転スイッチ280がOFFとされているときには、自動運転車両200では自動運転が行われなくなる。つまり、運転者による手動の運転操作に基づいた走行が行われる。
自動運転車両200には、各部の物理量を測定するためのセンサが多数設けられている。図1では、これら複数のセンサのうち、電圧センサ241と、電流センサ242と、温度センサ243とが示されている。
電圧センサ241は、バッテリ240の端子間電圧を測定するためのセンサである。電圧センサ241で測定された端子間電圧は、電気信号として制御装置100に送信される。
電流センサ242は、バッテリ240において入出力される電流の値を測定するためのセンサである。電流センサ242で測定された電流は、電気信号として制御装置100に送信される。
温度センサ243は、バッテリ240の温度を測定するためのセンサである。温度センサ243で側手されたバッテリ240の温度は、電気信号として制御装置100に送信される。
尚、以上のような態様に替えて、尚、バッテリ240や電力変換器の制御を担う別のECUを介して、電圧センサ241等の測定値が制御装置100に送信されるような態様であってもよい。
引き続き図1を参照しながら、制御装置100の構成について説明する。制御装置100は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムとして構成されている。制御装置100は、機能的な制御ブロックとして、情報取得部110と、内燃機関制御部120と、運転制御部130と、決定部140と、を備えている。また、制御装置100は、上記コンピュータシステム(以下では「本体部101」とも称する)に接続された周辺装置として、認証装置150と、装着検知装置160と、を更に備えている。
尚、上記のような構成の制御装置100は、単一のコンピュータシステムとして構成されてもよいが、複数のコンピュータシステムが連係して動作し、これらの全体が制御装置100として機能するような態様であってもよい。
情報取得部110は、バッテリ240に関する情報、であるバッテリ情報を取得する部分である。本実施形態では、このようなバッテリ情報の一部として、バッテリ240が装着されてから現時点までの期間の長さ、すなわち、バッテリ240の使用期間の長さが取得される。
内燃機関制御部120は、内燃機関210が動作している状態と、内燃機関210が停止している状態(つまりアイドルストップ状態)と、の間を切り換える処理を行う部分である。内燃機関制御部120は、スタータ220を動作させることにより、内燃機関210を始動することができる。また、内燃機関制御部120は、内燃機関210への燃料の供給を停止することにより、内燃機関210を停止させることができる。内燃機関制御部120は、例えばクランクシャフトの回転数をセンサ(不図示)で検知することにより、内燃機関210の現在の動作状態を把握している。
内燃機関制御部120による上記処理は、内燃機関制御部120がスタータ220等の動作を直接制御することにより行われる。このような態様に替えて、スタータ220や内燃機関210の制御を担う別のECUと、内燃機関制御部120とが通信を行うことにより、上記処理が行われるような態様であってもよい。
内燃機関制御部120は、例えば自動運転車両200が信号待ちをしている期間に、内燃機関210を一時的に停止した状態(アイドルストップ状態)とする。また、内燃機関制御部120は、例えば平坦な道を走行しているとき等、自動運転車両200を惰性で走行させ得る期間にも、内燃機関210を一時的に停止した状態とする。これにより、燃料の無駄な消費や排ガスの放出が抑制される。
走行のために内燃機関210の駆動力が必要となったときや、空調等のためにオルタネータ230による発電が必要となったときには、内燃機関制御部120は、内燃機関210の動作を再開させる。このような内燃機関210の動作状態の切り換えは、運転者が行う操作によることなく、内燃機関制御部120によって自動的に行われる。
運転制御部130は、自動運転車両200において自動運転が実行されている状態と、自動運転が実行されていない状態と、の間を切り換える処理を行う部分である。運転制御部130は、自動運転スイッチ280に対し運転者が行う操作に基づいて上記処理を行う。
決定部140は、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を許可するか否かを、情報取得部110で取得されたバッテリ情報に基づいて決定する部分である。後に説明するように、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を決定部140が禁止した場合には、自動運転車両200の自動運転は常に内燃機関210を動作させた状態で行われる。また、上記の場合には、決定部140が自動運転車両200の自動運転を禁止することとしてもよい。このような制御が行われるように、決定部140は、内燃機関制御部120及び運転制御部130の動作を制御する。決定部140によって行われる処理の具体的な内容については、後に説明する。
認証装置150は、バッテリ240が自動運転車両200の製造者によって認証されたものであるか否かを示す情報を、バッテリ240に設けられた記録媒体244から読み出すための装置である。認証装置150によって読み出される上記情報としては、例えば、バッテリ240の製造者名や製造時期、固有の製造番号等が挙げられる。認証装置150によって読み出された上記情報は、既に説明したバッテリ情報の一部として、情報取得部110に送信され取得される。このような認証装置150は、情報取得部110の一部として機能するもの、ということができる。
記録媒体244としては、例えば、バッテリ240の表面に印刷された2次元バーコードを用いることができる。この場合の認証装置150は、2次元バーコードの読み取り装置である。また、記録媒体244としては、バッテリ240に設けられたROM等を用いることもできる。この場合の認証装置150は、バッテリ240と通信を行うことにより、記録媒体244に記憶された情報を読み出す。
記録媒体244からの情報の読み出しは、認証装置150によることなく、制御装置100の本体部101が直接行ってもよい。例えば、バッテリ240と本体部101とを繋ぐ電力供給線(不図示)を介して、上記情報を示す信号がバッテリ240から制御装置100へと送信されるような態様であってもよい。
装着検知装置160は、自動運転車両200におけるバッテリ240の装着を検知するための装置である。装着検知装置160は、電圧センサ241で測定されたバッテリ240の端子間電圧に基づいて、バッテリ240が取り外されたこと、及びバッテリ240が装着されたこと、のいずれをも検知することが可能となっている。装着検知装置160によって行われた検知の結果は、制御装置100の本体部101に送信される。装着検知装置160は、本実施形態における「装着検知部」に該当する。
尚、制御装置100の本体部101が、電圧センサ241で測定されたバッテリ240の端子間電圧に基づいて、バッテリ240の装着を直接検知するような態様であってもよい。つまり、装着検知装置160が、制御装置100の本体部101と一体に構成されているような態様であってもよい。
バッテリ240の取り外し、及び新たなバッテリ240の装着が行われる際には、電力供給の停止によって制御装置100はリセットされる。このため、装着検知装置160は、例えば制御装置100のリセット履歴に基づいて、バッテリ240の装着を検知するように構成されていてもよい。また、装着検知装置160は、制御装置100に供給される電流値の履歴に基づいて、バッテリ240の装着を検知するように構成されていてもよい。
制御装置100によって実行される処理の具体的な流れについて、図2を参照しながら説明する。図2に示される一連の処理は、所定の周期が経過する毎に、制御装置100によって繰り返し実行されている。以下では、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図2に示される一連の処理が開始される場合の例について説明する。
最初のステップS01では、自動運転車両200に対し、バッテリ240が新たに装着されたか否かが判定される。かかる判定は、装着検知装置160から送信される検知結果に基づいて行われる。バッテリ240が装着されたと判定された場合には、ステップS02に移行する。バッテリ240が装着されたと判定されなかった場合には、ステップS02に移行することなくステップS03に移行する。
ステップS02では、タイマがリセットされる。当該タイマは、リセットされた時点からの経過時間を自動的に計測するものであり、制御装置100がその内部に有するものである。上記のように、タイマは、バッテリ240が装着されたときにリセットされ、その他のときにはリセットされない。従って、タイマに示される経過時間は、新たなバッテリ240が自動運転車両200に装着されてから、当該バッテリ240がこれまで使用されてきた期間(使用期間)の長さを示すものとなっている。
ステップS03では、自動運転スイッチ280がONとされているか否かが判定される。自動運転スイッチ280がOFFとされていれば、図2に示される一連の処理を終了する。自動運転スイッチ280がONとされていれば、ステップS04に移行する。ステップS04では、内燃機関210が動作しているか否かが判定される。かかる判定は、内燃機関制御部120が把握している内燃機関210の動作状態に基づいて行われる。
内燃機関210が動作していれば、ステップS05に移行する。ステップS04からステップS05に移行したということは、内燃機関210が動作している状態で、自動運転を開始するための操作が運転者によって行われたということである。この場合、オルタネータ230による発電が行われており、十分な電力が得られている状態となっている。このため、仮にバッテリ240で異常が生じたとしても、自動運転の実行中において電力不足に陥ってしまう可能性は低い。このため、ステップS05では自動運転の実行が開始される。その後、図2に示される一連の処理を終了する。
ステップS04において、内燃機関210が動作していなかった場合には、ステップS06に移行する。ステップS06では、タイマに示される使用期間の長さが情報取得部110によって取得され、これが所定長さを超えているか否かが判定される。この所定長さは、バッテリ240が殆ど劣化することなく安定して機能を発揮し得るような期間の長さとして、予め設定されているものである。
バッテリ240の使用期間の長さが所定長さ以下であれば、ステップS07に移行する。この場合は、バッテリ240の劣化度合いが小さいと推定されるので、バッテリ240からの電力が不足して内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性は低い。そこで、ステップS07では許可設定が行われる。許可設定とは、これ以降に行われる自動運転の実行中において、内燃機関210の一時的な停止(アイドルストップ)を許可するという設定である。換言すれば、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を許可するという設定である。ステップS06での判定、及びステップS07での許可設定は、いずれも決定部140によって行われる。
ステップS07で許可設定が行われた後は、ステップS05に移行し、自動運転の実行が開始される。以降は、自動運転の実行中において、必要に応じて自動的なアイドルストップが行われることとなる。
ステップS06において、バッテリ240の使用期間の長さが所定長さを超えていた場合には、ステップS08に移行する。この場合は、バッテリ240の劣化度合いが大きいと推定されるので、バッテリ240からの電力が不足して内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性がある。そこで、ステップS08では禁止設定が行われる。禁止設定とは、これ以降に行われる自動運転の実行中において、内燃機関210の一時的な停止を禁止するという設定である。換言すれば、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止するという設定である。ステップS08での禁止設定は決定部140によって行われる。
このとき、バッテリ240には劣化が生じている可能性が高いのであるが、そのことが検知された直後のタイミングであれば、スタータ220による内燃機関210の始動に成功する可能性がある。そこで、ステップS08に続くステップS09では、内燃機関制御部120によって内燃機関210の始動が行われる。ステップS09に続くステップS10では、内燃機関210の始動が成功したか否かが判定される。かかる判定は、例えば内燃機関制御部120が、クランクシャフトの回転数をセンサ(不図示)で検知することにより行われる。
内燃機関210の始動が成功したと判定された場合には、ステップS05に移行し、自動運転の実行が開始される。しかしながら、ステップS08で禁止設定が行われているので、自動運転の実行中において自動的なアイドルストップが行われることはない。以降は、常に内燃機関210が動作している状態で自動運転が実行されることとなる。
ステップS10において、内燃機関210の始動に失敗したと判定された場合には、自動運転を実行することなく、図2に示される一連の処理を終了する。この場合は、運転者によって必要な措置(例えばバッテリ240の交換など)が行われることとなる。また、内燃機関210の始動が、複数回試みられるような態様であってもよい。
以上のように、情報取得部110で取得されるバッテリ情報が、バッテリ240の劣化度合いが大きいことを示すものであった場合には、決定部140は、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する。具体的には、バッテリ情報として取得される使用期間の長さが所定長さを超えている場合には、決定部140は、バッテリ240の劣化度合いが大きいと判定し、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する(ステップS08)。これにより、自動運転が行われている状態のまま、内燃機関210の再始動ができなくなってしまうような事態を確実に防止することができる。
また、決定部140が、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止した場合(ステップS08)において、図2の例のように自動運転が実行されていなければ、運転制御部130が自動運転を開始するよりも前の時点で、内燃機関制御部120が内燃機関210を動作させる(ステップS09)。これにより、ステップS08で禁止設定がなされた後においても、自動運転を実行することができる。
尚、バッテリ240の使用期間の長さは、上記のようにバッテリ240が装着されてからの経過時間に基づいて判定されてもよいが、バッテリ240が装着されてからの内燃機関210の始動回数や、内燃機関210の回転数の積算値、自動運転車両200の走行距離等、バッテリ240の使用期間の長さに概ね比例するような種々の指標に基づいて判定されてもよい。この場合、ステップS06における判定は、記憶されているこれらの指標(内燃機関210の始動回数等)のいずれかを、所定の閾値と比較することによって行われる。
以上においては、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図2に示される一連の処理が開始される場合の例について説明した。図2に示される一連の処理は、自動運転が実行されているときに行われてもよい。
この場合、ステップS05では、自動運転を継続する処理が行われることとすればよい。また、ステップS03において自動運転スイッチ280がOFFとされている場合には、自動運転を終了するための処理が行われた後に、図2に示される一連の処理を終了することとすればよい。更に、ステップS03において自動運転スイッチ280がONとされている場合には、ステップS04の処理を経ることなく、常にステップS06に移行することとしてもよい。
上記のような態様においては、決定部140が、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止したとき(ステップS08)において、自動運転が既に実行された状態となっている。この場合、内燃機関制御部120が内燃機関210を直ちに動作させることとなる(ステップS09)。
本実施形態における自動運転車両200は、運転者の一切の操作によることなく、完全に自動的な走行を行うことのできる車両として構成されている。このような態様に替えて、自動運転車両200は、運転者が行う運転操作の一部のみを補助的に行うように構成されていてもよい。つまり、以上の説明における「自動運転」とは、例えば自動的な操舵のみを行う処理(自動操舵)であってもよく、自動的な制動のみを行う処理(自動制動)であってもよい。また、自動運転車両200の駆動力の調整のみを自動的に行う処理(自動駆動)であってもよい。更に、自動運転とは、以上のような自動操舵、自動制動、及び自動駆動のうち一部のみを組み合わせて行うような処理であってもよい。
第2実施形態について説明する。第2実施形態では、制御装置100で行われる処理の内容においてのみ第1実施形態と異なっており、制御装置100や自動運転車両200の構成については第1実施形態と同じである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図3に示される一連の処理は、図2に示される一連の処理に換えて実行されるものである。以下では、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図3に示される一連の処理が開始される場合の例について説明する。本実施形態における最初のステップS11の処理は、内燃機関210が最初に始動される際(初期始動時)に行われる処理となっている。ステップS11では、内燃機関210の初期始動時におけるバッテリ240の端子間電圧の挙動が、バッテリ情報の一部として電圧センサ241から情報取得部110により取得される。具体的には、内燃機関210の始動期間において、バッテリ240の端子間電圧が複数回取得(サンプリング)され、一連のサンプリング値がバッテリ情報の一部として取得される。
図4には、ステップS11で取得される端子間電圧の挙動の一例が示されている。図4の例では、時刻t0においてスタータ220の動作が開始され、これにより内燃機関210のクランキングが行われている。時刻t0から時刻t1までの期間においては、バッテリ240から放電が行われることに伴って、バッテリ240の端子間電圧はV0からV1へと一時的に低下している。時刻t1以降は、端子間電圧は上昇して再びV0に戻る。
図4に示される下限値VLは、制御装置100の動作を保証し得るような最低限の端子間電圧値として、予め設定されたものである。また、図4に示される閾値VTは、上記の下限値VLよりも高い値であり、且つバッテリ240が新品のときの端子間電圧よりも低い値として予め設定されたものである。本実施形態では、スタータ220の動作時における端子間電圧が閾値VTを下回るか否かに基づいて、バッテリ240の劣化度合いが判定される。
図3に戻って説明を続ける。ステップS11に続くステップS12では、ステップS11で取得された端子間電圧の挙動に基づいて、バッテリの劣化度合いが判定される。具体的には、スタータ220の動作時における端子間電圧の最低値(V1)が、図4の例のように閾値VTを下回っていれば、バッテリの劣化度合いが大きいと判定される。一方、スタータ220の動作時における端子間電圧の最低値が、閾値VT以上であれば、バッテリの劣化度合いが小さいと判定される。ステップS12における上記判定の結果は、制御装置100が備える記憶装置に記憶される。
ステップS13では、自動運転スイッチ280がONとされているか否かが判定される。自動運転スイッチ280がOFFとされていれば、図3に示される一連の処理を終了する。自動運転スイッチ280がONとされていれば、ステップS14に移行する。ステップS14では、内燃機関210が動作しているか否かが判定される。かかる判定は、内燃機関制御部120が把握している内燃機関210の動作状態に基づいて行われる。
内燃機関210が動作していれば、ステップS15に移行する。ステップS14からステップS15に移行したということは、内燃機関210が動作している状態で、自動運転を開始するための操作が運転者によって行われたということである。この場合、オルタネータ230による発電が行われており、十分な電力が得られている状態となっている。このため、仮にバッテリ240で異常が生じたとしても、自動運転の実行中において電力不足に陥ってしまう可能性は低い。このため、ステップS15では自動運転の実行が開始される。その後、図3に示される一連の処理を終了する。
ステップS14において、内燃機関210が動作していなかった場合には、ステップS16に移行する。ステップS16では、制御装置100が備える記憶装置から、ステップS12の判定結果が読み出される。その後、ステップS12の判定結果が、バッテリ240の劣化度合いが小さいことを示すものであったか否かが判定される。
バッテリ240の劣化度合いが小さいと判定されていた場合には、ステップS17に移行する。この場合は、バッテリ240からの電力が不足して内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性は低い。そこで、ステップS17では、図2のステップS07と同様の許可設定が行われる。ステップS16での判定、及びステップS17での許可設定は、いずれも決定部140によって行われる。尚、ステップS12で行われる処理は、ステップS14の後であり且つステップS16の直前のタイミングで行われてもよい。
ステップS17で許可設定が行われた後は、ステップS15に移行し、自動運転の実行が開始される。以降は、自動運転の実行中において、必要に応じて自動的なアイドルストップが行われることとなる。
ステップS16において、バッテリ240の劣化度合いが大きいと判定されていた場合には、ステップS18に移行する。この場合は、バッテリ240からの電力が不足して内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性がある。そこで、ステップS18では、図2のステップS08と同様の禁止設定が行われる。ステップS18での禁止設定は決定部140によって行われる。
ステップS18に続くステップS19では、内燃機関制御部120によって内燃機関210の始動が行われる。ステップS19に続くステップS20では、内燃機関210の始動が成功したか否かが判定される。かかる判定は、例えば内燃機関制御部120が、クランクシャフトの回転数をセンサ(不図示)で検知することにより行われる。
内燃機関210の始動が成功したと判定された場合には、ステップS15に移行し、自動運転の実行が開始される。しかしながら、ステップS18で禁止設定が行われているので、自動運転の実行中において自動的なアイドルストップが行われることはない。以降は、常に内燃機関210が動作している状態で自動運転が実行されることとなる。
ステップS20において、内燃機関210の始動に失敗したと判定された場合には、自動運転を実行することなく、図3に示される一連の処理を終了する。この場合は、運転者によって必要な措置(例えばバッテリ240の交換など)が行われることとなる。また、内燃機関210の始動が、複数回試みられるような態様であってもよい。
本実施形態においても、情報取得部110で取得されるバッテリ情報が、バッテリ240の劣化度合いが大きいことを示すものであった場合には、決定部140は、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する。具体的には、スタータ220の動作時における端子間電圧が、所定の閾値VTを下回った場合には、決定部140は、バッテリの劣化度合いが大きいと判定し、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する(ステップS18)。これにより、第1実施形態と同様の効果を奏する。
尚、ステップS11で取得される端子間電圧の挙動は、スタータ220とは異なる補機(例えば電動パワーステアリング装置250や電動ブレーキ装置260)の動作時における端子間電圧の挙動であってもよい。この場合、ステップS11の処理は、電動パワーステアリング装置250によるステアリング動作が実行されるタイミングや、電動ブレーキ装置260が作動するタイミング等で行われることとなる。
ただし、端子間電圧の挙動の取得は、本実施形態のように自動運転車両200の初期始動時に行われる方が好ましい。その理由は、初期始動時においてはバッテリ240の分極が殆ど起こっていないため、端子間電圧の挙動に基づいてバッテリ240の劣化度合いを高精度に判定することができるからである。
ところで、補機の消費電力が小さいときにおけるバッテリ240の端子間電圧は、バッテリ240の劣化に伴って次第に小さくなって行く傾向がある。そこで、ステップS11では端子間電圧を一回だけ取得することとした上で、ステップS12では、(単一の)端子間電圧が所定の下限値を下回った場合に、バッテリの劣化度合いが大きいと判定することとしてもよい。
この場合、ステップS11における端子間電圧の取得は、例えば自動運転車両200のイグニッションスイッチ(不図示)がOFFとされているときのように、バッテリ240から出力される電力が所定値以下となっているときに行われることが望ましい。その理由は、バッテリ240からの出力電力が小さいときには、バッテリ240の内部抵抗の影響や、バッテリ240の分極による影響をほとんど受けることなく、端子間電圧に基づいてバッテリ240の劣化度合いを比較的正確に判定することができるからである。
図4に示される閾値VTは、常に一定の固定値としてもよいのであるが、例えばバッテリ240の温度によって都度変更されてもよい。例えば、バッテリ240の温度が低いときには、バッテリ240の端子間電圧は低下しやすく、下限値VLを下回ってしまう可能性が高くなる。そこで、温度センサ243で取得される温度が低いときには、閾値VTを大きな値に変更すればよい。これにより、バッテリ240の劣化度合いが大きいと判定されやすくなり、内燃機関210を動作させることによるオルタネータ230からの電力供給が行われやすくなるので、端子間電圧が下限値VLを下回ってしまうような事態を確実に回避することができる。
以上においては、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図3に示される一連の処理が開始される場合の例について説明した。図3に示される一連の処理は、自動運転が実行されているときに行われてもよい。
この場合、ステップS15では、自動運転を継続する処理が行われることとすればよい。また、ステップS13において自動運転スイッチ280がOFFとされている場合には、自動運転を終了するための処理が行われた後に、図3に示される一連の処理を終了することとすればよい。更に、ステップS13において自動運転スイッチ280がONとされている場合には、ステップS14の処理を経ることなく、常にステップS16に移行することとしてもよい。以上のような態様であっても、第1実施形態において説明したものと同様の効果を奏する。
第3実施形態について説明する。第3実施形態では、制御装置100で行われる処理の内容においてのみ第1実施形態と異なっており、制御装置100や自動運転車両200の構成については第1実施形態と同じである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図5に示される一連の処理は、図2に示される一連の処理に換えて実行されるものである。以下では、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図5に示される一連の処理が開始される場合の例について説明する。本実施形態における最初のステップS21では、バッテリ240の内部抵抗値が、バッテリ情報の一部として情報取得部110により取得される。
図6を参照しながら、ステップS21において内部抵抗値を取得する方法の一例について説明する。図6には、バッテリ240から入出力される電流(横軸)と、バッテリ240の端子間電圧(縦軸)との関係が示されている。図6における点P0は、バッテリ240から入出力される電流が0となっている状態を示す。この点P0における端子間電圧は、バッテリ240の開放時における端子間電圧に等しい。図6の横軸は、点P0よりも右側の部分においてはバッテリ240に充電される電流の値を示しており、点P0よりも左側の部分においてはバッテリ240から放電される電流の値を示している。
ステップS21の処理は、内燃機関210が最初に始動される際、すなわちスタータ220が駆動される際において行われる。ステップS21では、電圧センサ241で測定される電圧値、及び電流センサ242で測定される電流値のそれぞれが、スタータ220が駆動される期間において複数回取得(サンプリング)される。図6では、サンプリングされた電流値及び電圧値の組み合わせによって定まる点の例が、点P1乃至点P4として示されている。
サンプリングが行われた後、サンプリングによって得られた各点(点P1乃至点P4)を通る近似曲線が算出され、当該近似曲線の各部における傾きに基づいて、そのときの内部抵抗値が算出される。尚、ステップS21においてバッテリ240の内部抵抗値を取得するための方法としては、上記以外の公知の方法を用いてもよい。
図5に戻って説明を続ける。ステップS21において取得された内部抵抗値は、制御装置100が備える記憶装置に記憶される。ステップS21に続くステップS22では、自動運転スイッチ280がONとされているか否かが判定される。自動運転スイッチ280がOFFとされていれば、図5に示される一連の処理を終了する。自動運転スイッチ280がONとされていれば、ステップS23に移行する。ステップS23では、内燃機関210が動作しているか否かが判定される。かかる判定は、内燃機関制御部120が把握している内燃機関210の動作状態に基づいて行われる。
内燃機関210が動作していれば、ステップS24に移行する。ステップS23からステップS24に移行したということは、内燃機関210が動作している状態で、自動運転を開始するための操作が運転者によって行われたということである。この場合、オルタネータ230による発電が行われており、十分な電力が得られている状態となっている。このため、仮にバッテリ240で異常が生じたとしても、自動運転の実行中において電力不足に陥ってしまう可能性は低い。このため、ステップS24では自動運転の実行が開始される。その後、図5に示される一連の処理を終了する。
ステップS23において、内燃機関210が動作していなかった場合には、ステップS25に移行する。ステップS25では、制御装置100が備える記憶装置から、ステップS21で取得された内部抵抗値が読み出される。その後、内部抵抗値が所定の上限値以下であるか否かが判定される。
内部抵抗値が上限値以下であれば、ステップS26に移行する。バッテリ240の内部抵抗値は、バッテリ240の劣化度合いが大きくなるに従って大きくなることが知られている。このため、ステップS26に移行した場合は、バッテリ240の劣化度合いが小さいと推定されるので、バッテリ240からの電力が不足して内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性は低い。そこで、ステップS26では、図2のステップS07と同様の許可設定が行われる。ステップS25での判定、及びステップS26での許可設定は、いずれも決定部140によって行われる。
ステップS26において、内部抵抗値が上限値よりも大きかった場合には、ステップS27に移行する。この場合は、バッテリ240の劣化度合いが大きいと推定されるので、バッテリ240からの電力が不足して内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性がある。そこで、ステップS27では、図2のステップS08と同様の禁止設定が行われる。ステップS27での禁止設定は決定部140によって行われる。
ステップS27に続くステップS28では、内燃機関制御部120によって内燃機関210の始動が行われる。ステップS28に続くステップS29では、内燃機関210の始動が成功したか否かが判定される。かかる判定は、例えば内燃機関制御部120が、クランクシャフトの回転数をセンサ(不図示)で検知することにより行われる。
内燃機関210の始動が成功したと判定された場合には、ステップS24に移行し、自動運転の実行が開始される。しかしながら、ステップS27で禁止設定が行われているので、自動運転の実行中において自動的なアイドルストップが行われることはない。以降は、常に内燃機関210が動作している状態で自動運転が実行されることとなる。
ステップS29において、内燃機関210の始動に失敗したと判定された場合には、自動運転を実行することなく、図5に示される一連の処理を終了する。この場合は、運転者によって必要な措置(例えばバッテリ240の交換など)が行われることとなる。また、内燃機関210の始動が、複数回試みられるような態様であってもよい。
本実施形態においても、情報取得部110で取得されるバッテリ情報が、バッテリ240の劣化度合いが大きいことを示すものであった場合には、決定部140は、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する。具体的には、バッテリ240の内部抵抗値が所定の上限値を上回った場合には、決定部140は、バッテリの劣化度合いが大きいと判定し、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する(ステップS27)。これにより、第1実施形態と同様の効果を奏する。
以上においては、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図5に示される一連の処理が開始される場合の例について説明した。図5に示される一連の処理は、自動運転が実行されているときに行われてもよい。
この場合、ステップS24では、自動運転を継続する処理が行われることとすればよい。また、ステップS22において自動運転スイッチ280がOFFとされている場合には、自動運転を終了するための処理が行われた後に、図5に示される一連の処理を終了することとすればよい。更に、ステップS22において自動運転スイッチ280がONとされている場合には、ステップS23の処理を経ることなく、常にステップS25に移行することとしてもよい。以上のような態様であっても、第1実施形態において説明したものと同様の効果を奏する。
第4実施形態について説明する。第4実施形態では、制御装置100で行われる処理の内容においてのみ第1実施形態と異なっており、制御装置100や自動運転車両200の構成については第1実施形態と同じである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図7に示される一連の処理は、図2に示される一連の処理に換えて実行されるものである。以下では、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図7に示される一連の処理が開始される場合の例について説明する。本実施形態における最初のステップS31では、自動運転車両200に対し、バッテリ240が新たに装着されたか否かが判定される。かかる判定は、装着検知装置160から送信される検知結果に基づいて行われる。バッテリ240が装着されたと判定されなかった場合には、図7に示される一連の処理を終了する。バッテリ240が装着されたと判定された場合には、ステップS32に移行する。
ステップS32では、バッテリ240が自動運転車両200の製造者によって認証されたものであるか否かを示す情報が、認証装置150によって記録媒体244から読み出される。当該情報はバッテリ情報の一部として、認証装置150から情報取得部110へと送信される。
情報取得部110は、上記バッテリ情報に基づいて認証処理を行う。認証処理とは、新たに装着されたバッテリ240が、自動運転車両200の製造者によって認証されたものであるか否かを確認する処理である。尚、このような認証処理は、本実施形態のように、情報取得部110によって行われてもよいが、認証装置150によって行われてもよい。その場合には、認証装置150が行った判定の結果を示す情報が、バッテリ情報の一部として情報取得部110により取得されることとなる。
認証処理の結果、すなわち、バッテリ240が認証されたものであるか否かの確認結果は、制御装置100が備える記憶装置に記憶される。
ステップS32に続くステップS33では、自動運転スイッチ280がONとされているか否かが判定される。自動運転スイッチ280がOFFとされていれば、図7に示される一連の処理を終了する。自動運転スイッチ280がONとされていれば、ステップS34に移行する。ステップS34では、内燃機関210が動作しているか否かが判定される。かかる判定は、内燃機関制御部120が把握している内燃機関210の動作状態に基づいて行われる。
内燃機関210が動作していれば、ステップS35に移行する。ステップS34からステップS35に移行したということは、内燃機関210が動作している状態で、自動運転を開始するための操作が運転者によって行われたということである。この場合、オルタネータ230による発電が行われており、十分な電力が得られている状態となっている。このため、仮にバッテリ240で異常が生じたとしても、自動運転の実行中において電力不足に陥ってしまう可能性は低い。このため、ステップS35では自動運転の実行が開始される。その後、図7に示される一連の処理を終了する。
ステップS34において、内燃機関210が動作していなかった場合には、ステップS36に移行する。ステップS36では、制御装置100が備える記憶装置から、ステップS32で行われた認証処理の結果が読み出される。その後、認証処理の結果がOKであったか否かが判定される。
認証処理の結果がOKであった場合、すなわち、バッテリ240が製造者により認証されたものであった場合には、ステップS37に移行する。この場合、バッテリ240は正規品なのであるから、バッテリ240の異常により内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性は低い。そこで、ステップS37では、図2のステップS07と同様の許可設定が行われる。ステップS36での判定、及びステップS37での許可設定は、いずれも決定部140によって行われる。
ステップS36において認証処理の結果がNGであった場合、すなわち、バッテリ240が製造者により認証されたものでなかった場合には、ステップS38に移行する。この場合、バッテリ240は正規品ではないので、バッテリ240の異常により内燃機関210を始動し得ない状態に陥ってしまう可能性がある。そこで、ステップS38では、図2のステップS08と同様の禁止設定が行われる。ステップS38での禁止設定は決定部140によって行われる。
ステップS38に続くステップS39では、内燃機関制御部120によって内燃機関210の始動が行われる。ステップS39に続くステップS40では、内燃機関210の始動が成功したか否かが判定される。かかる判定は、例えば内燃機関制御部120が、クランクシャフトの回転数をセンサ(不図示)で検知することにより行われる。
内燃機関210の始動が成功したと判定された場合には、ステップS35に移行し、自動運転の実行が開始される。しかしながら、ステップS38で禁止設定が行われているので、自動運転の実行中において自動的なアイドルストップが行われることはない。以降は、常に内燃機関210が動作している状態で自動運転が実行されることとなる。
ステップS40において、内燃機関210の始動に失敗したと判定された場合には、自動運転を実行することなく、図7に示される一連の処理を終了する。この場合は、運転者によって必要な措置(例えばバッテリ240の交換など)が行われることとなる。また、内燃機関210の始動が、複数回試みられるような態様であってもよい。
本実施形態においては、バッテリ240が認証されたものでない場合には、決定部140は、内燃機関210が停止した状態における自動運転の実行を禁止する。これにより、第1実施形態と同様の効果を奏する。
以上においては、自動運転車両200の自動運転が実行されていない状態で、図7に示される一連の処理が開始される場合の例について説明した。図7に示される一連の処理は、自動運転が実行されているときに行われてもよい。
この場合、ステップS35では、自動運転を継続する処理が行われることとすればよい。また、ステップS33において自動運転スイッチ280がOFFとされている場合には、自動運転を終了するための処理が行われた後に、図7に示される一連の処理を終了することとすればよい。更に、ステップS33において自動運転スイッチ280がONとされている場合には、ステップS34の処理を経ることなく、常にステップS36に移行することとしてもよい。以上のような態様であっても、第1実施形態において説明したものと同様の効果を奏する。
尚、ステップS32では上記のように、自動運転車両200におけるバッテリ240の装着が装着検知装置160によって検知されたときに、認証装置150及び情報取得部110によるバッテリ情報の取得が行われる。しかしながら、認証装置150によるバッテリ情報の取得は、上記とは異なるタイミングで行われてもよい。例えば、装着検知装置160による検知結果に関わらず、所定の周期が経過する毎に、認証装置150によるバッテリ情報の取得が繰り返し行われることとしてもよい。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。