JP2018058887A - メチルメルカプタン発生抑制用口腔用組成物 - Google Patents

メチルメルカプタン発生抑制用口腔用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】口腔衛生上問題となるメチルメルカプタンの発生抑制用の口腔用組成物の提供。【解決手段】オリーブ葉抽出物をメチルメルカプタン発生抑制の有効成分として配合した口腔用組成物。好ましくは、オリーブ葉抽出物を、組成物全量に対して固形物換算で0.001〜10質量%含有し、さらに、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、及びパラチニットからなる群より選ばれる一種以上を含有する、口腔用組成物。【効果】口腔内におけるメチルメルカプタンの生成抑制により口臭を予防できる。【選択図】なし

Description

本発明は、メチルメルカプタンの発生抑制用口腔用組成物に関する。より詳細には、メチルメルカプタンの生成を抑制する効果を有する植物エキスを含有する口腔用組成物、更に詳しくは、チューインガム剤、キャンディー剤、トローチ剤、タブレット剤、チュアブルタブレット剤、飲料から選ばれる口腔用組成物に関する。
メチルメルカプタンは、低濃度でも異臭を感じる臭気閾値の低いいわゆる悪臭物質として知られているが、生体に対しては種々の悪影響を与える物質でもある。
人体において、メチルメルカプタンは、たまねぎやキャベツのような含硫食品や含硫アミノ酸を含む蛋白質やペプチドなどを細菌が資化することにより、代謝産物として生成することが知られている。特に口腔や咽頭においては、種々の組織が複雑な形態を構成していることからメチルメルカプタンの発生源となりうる食物の残渣が残留しやすく、かつプラークなど物理的、化学的に除去しにくい細菌の繁殖環境が整いやすい部位であるためメチルメルカプタンが発生しやすい部位と考えられる。これら口腔や咽頭においてメチルメルカプタンが発生すると、口臭の発生をもたらす。
そこで、従来よりメチルメルカプタンの除去・消臭や生成抑制によりメチルメルカプタンに由来する前記事象を防止する試みがなされている。例えば、メチルメルカプタンの除去・消臭の観点から、シクロデキストリン誘導体(特許文献1)、動植物抽出物(特許文献2、3)モリブデン(特許文献4)を利用する方法、また、メチルメルカプタンの生成抑制の観点から、特定の金属を塩基とする長鎖アルキロイルザルコシン塩(特許文献5)やマメ科植物抽出物と特定の化合物の組合せ(特許文献6)をメチルメルカプタンの生成細菌の一つであるフゾバクテリウム属に作用させる方法や、植物抽出物(特許文献7、8)や3−クロローDL−アラニン(非特許文献1)、塩化亜鉛(非特許文献2)、エピガロカテキンガレート(非特許文献3)などの化合物を配合することにより、メチルメルカプタンの産生に関与するメチオニナーゼの活性を阻害させる方法などがある。しかし、何れの方法も効果が十分でなかったり、十分な量を使用すると嗜好性に難を生じたり、安全性上の懸念を生じたりするといった理由から、未だ十分に問題を解決するに至っておらず、より安全性が高く、効果の優れた方法の提供が望まれている。
特開2007−169228号公報 特開昭64−26512号公報 特開2010−280591号公報 特開2010−111591号公報 特開昭61−37720号公報 特開2002−114658号公報 特開2008−31062号公報 特開2010−265215号公報
Yoshimura M, FEBS Letter 523, 119-122, 2002 Yamashita Y, J Dent Hlth 56, 335, 2006 Sakurai K, Y, J Dent Hlth 59, 391, 2009
本発明は、口臭の主原因となるメチルメルカプタンの発生抑制用の口腔用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことにオリーブ葉抽出物に優れたメチルメルカプタン発生抑制効果が存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、特に以下の項1〜4のメチルメルカプタンの発生抑制用の口腔用組成物を提供するものである。
項1.オリーブ葉抽出物を有効成分として含有するメチルメルカプタン発生抑制用の口腔用組成物。
項2.チューインガム剤、キャンディー剤、トローチ剤、タブレット剤、チュアブルタブレット剤、飲料からなる群から選ばれる何れか1つの口腔用組成物であることを特徴とする項1に記載のメチルメルカプタン発生抑制用の口腔用組成物。
項3.オリーブ葉抽出物が、組成物全量に対して固形物換算で0.001〜10質量%であることを特徴とする項1または2の何れか1項に記載のメチルメルカプタン発生抑制用の口腔用組成物。
項4.さらに、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、パラチニットからなる群より選ばれる一種以上を配合することを特徴とする項2または3の何れか1項に記載のメチルメルカプタン発生抑制用の口腔用組成物。
本発明のメチルメルカプタン産生抑制用の口腔用組成物は、口腔内におけるメチルメルカプタンの生成抑制により口臭を予防できる。また、食経験もある素材であることから、長期に摂取しても安全性の心配がないため、予防的に日常使用する口腔用組成物に適用し得る。
本発明のメチルメルカプタン発生抑制成分は、オリーブ葉を溶媒で抽出することにより得られる植物抽出物である。なお、本願明細書において配合比率は、特に断りのない限り配合質量比率を表す。
本発明に用いるオリーブ葉抽出物は、モクセイ科オリーブ属の植物の葉を抽出したものである。モクセイ科オリーブ属の植物としては、具体的には、オ
リーブ(Olea europaea Linne)やその同属種(例えば、Olea welwitschii、Olea paniculataなど)を挙げることができ、500を超える品種が存在するが、品種の代表例としては、例えばネバディブロンコ、マンザニロ、ピクアル、ホジブランコ、アルベキナ、カタマラ、コロネイキ、ピッチョリーネ、パラゴン、ワッガベルダル、ミッション、ワシントン、ウエストオーストラリアミッション、サウスオーストラリアベンダル、アザパ、バルネア、コルニカブラ、ゴルダル、フラントイオ、レッチーノ、チプレッシーノ、ルッカ、アスコラーナテレナ、コレッジョッラ、モロイオロ、ブラックイタリアン、コラティーナ、ヘレナ、ロシオーラ、ワンセブンセブン、エルグレコ、ハーディズマンモスなどが挙げられる。オリーブ葉エキスは、これらモクセイ科オリーブ属の植物の葉を、有機溶剤、水または有機溶剤と水の混合物を用いて抽出することにより得られる。その中でも、特に水とエタノールの混液が好ましく、混液の混合比は例えば水:エタノールの体積比で約100:1〜約1:200が好ましく、約20:1〜1:20がより好ましく、約1:9〜1:1が最も好ましい。また、抽出時の溶媒の温度は約−4℃〜約200℃の範囲であればよいが、約30℃〜約150℃が好ましく、約40℃〜約80℃がより好ましい。これらのオリーブ葉抽出物は、オリーブ葉抽出物BG(50%1,3−ブチレングリコール水溶液:丸善製薬社製)、オリーブ葉乾燥エキス(粉末:アスク薬品社製)、オリーブ葉エキス(タマ生化学社製)、オピエース(粉末:エーザイフードケミカル社製)、オラリス(粉末:エーザイフードケミカル社製)、オリーブ葉エキス(30%エタノール水溶液:日本粉末薬品社製)、オリーブ葉エキスパウダー(粉末:日本粉末薬品社製)、オリーブ葉エキス(バイオアクティブズジャパン社製)などとして入手することができる。
本発明のメチルメルカプタン発生抑制成分は、通常、口腔用組成物に配合することにより口腔内に適用される。配合できる口腔用組成物としては、特に限定するものではないが、チューイングガム剤、キャンディー剤、トローチ剤、タブレット剤、チュアブルタブレット剤、粒カプセル剤、飲料等の形態(剤形)として用いることができる。このなかでも、タブレット剤、キャンディー剤などの形態が好ましくタブレット剤、キャンディー剤などの形態が最も好ましい。
メチルメルカプタン発生抑制成分は、通常、固形物換算でこれら口腔用組成物に対して、0.001〜10質量%、配合する。0.001質量%より少ないと所期の効果が期待できず、10質量%より多いと抽出物由来の香味(渋味など)が強く感じられるため、嗜好性が悪くなり好ましくない。
より至適な配合量は口腔用組成物の剤形によって相違し、具体的には以下の通りである。なお、配合量は全て口腔用組成物全量に対する固形分換算の質量%である。オリーブ葉抽出物の場合、タブレット剤、キャンディー剤は0.1〜10質量%配合することが好ましい。
本発明のメチルメルカプタン発生抑制成分を配合する口腔用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、通常口腔用組成物に配合し得る成分をさらに配合してもよい。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的には、ノニオン界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン付加係数が4〜15、アルキル基の炭素数が10〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル系またはポリオキシエチレン付加係数が10〜18、アルキル基の炭素数が9であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、セバシン酸ジエチル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンラノリン、ポリエチレンステロール、ポリエチレンラノリンアルコール、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型活性剤、N−ココイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリン型活性剤、N−ラウリルジアミノエチルグリシン等のアミノ酸型活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
香味剤としては、例えばメントール、カルボン、サリチル酸メチル、バニリン、ベンジルサクシネート、メチルオイゲノール、アネトール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、シネオール、エチルリナロール、ワニリン、タイム、ナツメグ、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、ティーツリー油、タバナ油、スターアニス油、フェンネル油、珪藻油、バジル油などが挙げられる。これら香料は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
研磨剤としては、例えば研磨性沈降シリカ、研磨性ゲルシリカなどの研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム・二水和物および無水物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、パミス(軽石)、ベントナイト、合成樹脂などが挙げられる。これら研磨剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘結剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、キサンタンガム、ジェランガムなどの微生物産生高分子、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、カラギーナン、デキストリンなどの天然高分子または天然ゴム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子、増粘性シリカ、ビーガムなどの無機粘結剤、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性粘結剤が挙げられる。これら粘結剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
甘味剤としては、例えばサッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、メトキシシンナミックアルデヒド、スクラロース、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられる。これら甘味剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
湿潤剤としては、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
保存剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンなどのパラベン類、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩などが挙げられる。これらの保存剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
またpH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルクロン酸、フマル酸、グルタミン酸、アジピン酸、およびこれらの塩や、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの成分は単独あるいは2種以上を組合せて本発明の口腔用組成物に含ませることができる。なお、本発明の口腔用組成物は、口腔内で使用できる範囲であれば、そのpHは特に制限されないが、通常pH3.0〜10.5、好ましくはpH5.5〜8.0である。
薬効成分としては、殺菌剤として塩化セチルピリジニウム以外にも例えば塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン性殺菌剤;ドデシルジアミノエチルグリシンなどの両性殺菌剤;イソプロピルメチルフェノール、トリクロサンなどの非イオン殺菌剤;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素;抗炎症剤としてグリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウムなどのグリチルリチン酸塩;血行促進剤としてニコチン酸または酢酸トコフェロールなど;抗プラスミン剤としてトラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸など;出血改善剤としてアスコルビン酸など;組織修復剤としてアラントインなど;再石灰化剤としてフッ化ナトリウムなどのフッ素化合物;その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、塩化亜鉛、ヒノキチオールなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。
上記の成分のうち、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、パラチニットを配合した口腔用組成物は、口腔用組成物に配合されたメチルメルカプタン発生抑制成分の渋みや苦味を抑制し、口腔用組成物の嗜好性を高めるため好ましい。組成物全量に対して、1〜10質量%配合することが好ましく、5〜10質量%配合することがより好ましい。なお、10質量%より多く配合した場合、口腔用組成物の使用時に、容器の吐出口やキャップ内部に付着した組成物からキシリトールなどの結晶の析出が生じる可能性が高まるため好ましくない。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下特に断りのない限り「%」は「質量%」を示す。
メチルメルカプタンの発生抑制効果の評価
以下の方法に従い、メチルメルカプタンの発生抑制効果を測定した。
15mL容量のガラスビンに塩緩衝液770μL、被検溶液100μL、菌懸濁液100μLを加え手で軽く振とうしたのち、33mML−メチオニン塩緩衝溶液30μLを加え、37℃で90分培養した。培養後、直ちに3Mリン酸水溶液500μLを加えて攪拌し、10分静置した後に、ガラスビンのヘッドスペースから気体を1mL採取し、ガスクロマトグラフに注入しメチルメルカプタンを定量した。なお、分析条件は前記のメチルメルカプタンの除去効果の評価に記載の条件と同じである。メチルメルカプタンの発生抑制率(%)は、被検溶液を入れた場合のメチルメルカプタン量をKi、 被検溶液の代わりに塩緩衝液を入れた場合のメチルメルカプタン量をK0とし、下記の式を用いて算出した。なお、ブランクとしては、50mM塩化ナトリウムを添加した40mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.7)を用いた。得られた結果を表2に示す。

発生抑制率(%)=[(K0-Ki) /K0]×100

当該試験に使用した菌、試薬、被検溶液、培地、菌懸濁液は下記に従った。
使用細菌:ポルフィロモナス・ジンジバリスW83株(以下、P.g.と略す場合がある) 塩緩衝液:40mMリン酸水素2カリウム水溶液に、40mMリン酸2水素カリウム水溶液を加えpH7.7に調整した。当該溶液1Lをとり、塩化ナトリウム2.92gを加え、加熱滅菌したものを用いた。
被検溶液:各被検体を、塩緩衝液を用いて固形物換算で各々の規定濃度になるように調製した。
培地:まず、hemin0.25gを1N水酸化ナトリウム5mLに溶解し、さらに蒸留水20mLを加えたものをA液とした。またmenadione0.025gを99%エチルアルコール25mLに溶解したものをB液とした。前記A液とB液を混合してhemin, menadione溶液を調製した。培地は、TSB40g、hemin, menadione溶液1mL、Yeast product1gを蒸留水0.9Lに溶解し、オートクレーブ処理を行ったものを用いた。この培地を、以下、「TSB+h,m,y」と称する。
菌懸濁液:P.g.をTSB+h,m,y10mlに植菌し、37℃で24〜48hr嫌気培養した後、この培養溶液を新たなTSB+h,m,y 100mlに添加し、37℃で24〜48hr嫌気培養した。この菌培養液を8000×gで10分間遠心後、塩緩衝液で洗浄したのち、塩緩衝液で懸濁しOD550nmで約0.3に合わせたものを用いた
33mML−メチオニン塩緩衝溶液:L−メチオニンを、前記塩緩衝溶液を用いて、最終濃度が33mMになるように調製し、ろ過滅菌したものを用いた。
3Mリン酸水溶液:リン酸と蒸留水を用いて、最終濃度が3Mとなるように調製したものを用いた。

被検体は下記のものを使用した。
オリーブ葉抽出物:オピエース(粉末:エーザイフードケミカル社製)
ノバラ果実エキス:ファルコレックスノバラB(一丸ファルコス社製)
セイヨウサンザシエキス:ファルコレックスセイヨウサンザシB(一丸ファルコス社製)
Figure 2018058887
表1に示したとおり、オリーブ葉抽出物には優れたメチルメルカプタン発生抑制効果があることがわかった。特に、0.001質量%以上配合すると、50%以上の抑制効果が得られ、0.01質量以上配合すると、75%以上の抑制効果が得られることが判った。一方、ノバラ果実エキスやセイヨウサンザシエキスは、0.01質量%以上配合したにもかかわらず、抑制効果が全く得られないことが判った。
苦味・渋味の抑制効果の評価
以下の方法に従い、メチルメルカプタン発生抑制剤を配合した口腔用組成物の苦味・渋味の抑制効果を評価した。
常法により製造した実施例1〜6及び比較例1を、専門パネル5名を用いて下記基準の5段階の評点による絶対評価を実施した。評価は、各被検体を10ml取り、口中に約20秒間含んだ後に吐き出し、その直後の感覚で評価した。得られた各評価点を集計し、個々の評価項目毎に評価点の平均値を算出し、結果を表3に示した。
評価点 5 : 弱く感じる
4 : やや弱く感じる
3 : どちらともいえない
2 : やや強く感じる
1 : 強く感じる
Figure 2018058887
表2に示したとおり、キシリトール、マルチトール、エリスリトールを、口腔用組成物全量に対して、1〜10質量%配合するとオリーブ葉エキスを配合した口腔用組成物の苦味や渋味を著しく抑制することがわかった。
以下、本発明に係るメチルメルカプタン発生抑制剤を配合した口腔用組成物の実施例の処方を挙げるが、本発明は下記の処方に限定されるものではない。
処方例1
常法に従って、粒カプセル剤を調製した。
ゼラチンおよびソルビトールからなる内カプセル皮膜40重量部でカプセル内溶液60重量部を被包し、さらに糖質からなる外カプセル皮膜110重量部で糖衣することにより粒カプセルを調製した。

カプセル内溶液
成 分 配 合 量
オリーブ葉抽出物 10.0
ビタミンC 7.2
ビタミンE 2.4
グリセリン脂肪酸エステル 1.0
紅花油 残 部
合 計 60

内カプセル皮膜
成 分 配 合 量
ゼラチン 36.0
ソルビトール 残 部
合 計 40

外カプセル皮膜
成 分 配 合 量
卵殻カルシウム 1.0
アラビアガム 0.6
シェラック 0.3
ゼラチン 0.2
カルバナワックス 0.1
アスパルテーム 0.1
香料 0.4
パラチニット 残 部
合計 110

Claims (4)

  1. オリーブ葉抽出物を有効成分として含有するメチルメルカプタン発生抑制用の、口腔や咽頭においてメチルメルカプタンが発生していない人のための口臭予防用口腔用組成物。
  2. オリーブ葉抽出物を、組成物全量に対して固形物換算で0.001〜10質量%含有する、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. さらに、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、及びパラチニットからなる群より選ばれる一種以上を含有する、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. チューインガム剤、キャンディー剤、トローチ剤、タブレット剤、チュアブルタブレット剤、粒カプセル剤又は飲料である、請求項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
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