JP2018058208A - 平歯車もしくはハスバ歯車 - Google Patents

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Kiyofumi Hiroi
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Abstract

【課題】 歯数が少ない歯車において、基礎円を超える切り下げの発生を抑制する。
【解決手段】 平歯車1もしくはハスバ歯車が製造される。まず、創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算する。次に、歯車のモジュールをmとして、アール計算式 R0=7*P*m によりR0を計算する。次に、歯車の切削創生に用いるカッターのカッター歯の先端部に、R0以上のアールをかけたカッターを作成し、
前記アールをかけたカッターを用いて、歯車の切削創生を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、平歯車もしくはハスバ歯車、及び、それら歯車を製造する方法に関する。特に歯数が比較的少なく、インボリュート歯形を有する平歯車もしくはハスバ歯車に関するものである。
平歯車やハスバ歯車は、種々の歯車伝達機構に使用されている。こうした歯車は、金属材料を切削加工したり、樹脂を射出成形することにより製造される。
歯車の歯数が少なくなると、ラックカッターなどのカッター歯によって歯車の歯を創生する際に、カッターの先端が歯車の歯元を切り込んで、いわゆる切り下げを生じ、歯先から連続するインボリュート曲線が、基礎円の外側で途絶えてしまう。カッター2による切削創生で歯車9に切り下げが生ずる様子を図8に示す。また、切り下げが生じ、基礎円から半径方向外側に距離Pだけ隔たった位置Qから、歯形のインボリュート曲線が歯先に向かって創生された様子を、図7に示す。
この切り下げを防ぐためには、カッターの基準ピッチ線を歯車のピッチ円から所定の転位量vだけ遠ざけて歯車の創生を行えばよいことが知られている。
また、特許文献1には、転位係数を特定の値にすることで、歯車の騒音を抑制する技術が開示されている。
特開平10−47458号公報
歯数が少ない歯車において、基礎円を超えて切り下げが発生すると、インボリュート曲線が短くなった分かみ合い長さが減って、歯車の伝達精度や騒音に悪影響を与える。
転位により切り下げを防止することも可能ではあるが、必要な転位量が取れない場合や、転位量を大きくしたくない場合もあり、歯数が少ない歯車における切り下げの問題は転位だけでは解決できない。
本発明の目的は、転位とは異なる手段により、歯数が少ない歯車の切り下げの発生を抑制することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、カッターの歯の先端に所定の大きさのアールをかけたカッターを用いて歯車の創生を行うと、切り下げが基礎円の外側まで達しないことを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、平歯車もしくはハスバ歯車の製造方法であって、創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、基準歯形形状のカッターにより創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯車の歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算し、歯車のモジュールをmとして、式 R0=7*P*m によりR0を計算し、歯車の切削創生に用いるカッターのカッター歯の歯先に、R0以上のアールをかけたカッターを作成し、前記アールをかけたカッターを用いて、歯車の切削創生を行う、平歯車もしくはハスバ歯車の製造方法である(第1発明)。
第1発明の製造方法により製造された歯車を型彫り電極として、型彫り放電加工によって射出成形金型を製造し、当該射出成形金型により樹脂の射出成形を行って、樹脂製歯車を製造するようにしても良い(第2発明)。
また、本発明は、平歯車もしくはハスバ歯車の歯形データを生成する方法であって、創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、基準歯形形状のカッターにより創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯車の歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算し、歯車のモジュールをmとして、式 R0=7*P*m によりR0を計算し、カッターの基準歯形形状のカッター歯の歯先に、R0以上のアールをかけたカッターの歯形データを作成し、前記アールがけされたカッターの歯形データを用いて、歯車の創生計算を行い、平歯車もしくはハスバ歯車の歯形データを生成する方法である(第3発明)。
第3発明の方法により生成された歯形データをワイヤー放電加工用のデータにして、ワイヤー放電加工を行って射出成形金型を製造し、当該射出成形金型により樹脂の射出成形を行って、樹脂製歯車を製造するようにしても良い(第4発明)。
また、本発明は、圧力角14.5°の平歯車もしくはハスバ歯車であって、転位係数をx、歯数をzとして、x<(26−z)/32を満たし、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車である(第5発明)。
あるいは、本発明は、圧力角20°の平歯車もしくはハスバ歯車であって、転位係数をx、歯数をzとして、x<(14−z)/17を満たし、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車である(第6発明)。
第1発明によれば、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された歯車を、確実に切削創生することができる。また、第2発明によれば、第1発明によって切削創生された歯車を用いて射出成形金型を製造し、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された樹脂製歯車を射出成形できる。
また、第3発明によれば、切り下げが発生するような諸元の歯車であっても、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された歯形データが生成でき、第4発明によれば、第3発明で得られた歯形データを用いて射出成形金型を製造し、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された樹脂製歯車を射出成形できる。
第5発明や第6発明の歯車によれば、歯車の歯に歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現されており、歯車の伝達精度や騒音の悪化が抑制される。
第1実施形態の平歯車の平面図。 第1実施形態の平歯車の歯形を示す拡大図。 アールをかけていないカッター基準歯形形状を示す図。 カッター歯先にアールをかけたカッター形状を示す図。 アールをかけたカッターにより第1実施形態の平歯車が切削創生される様子を示した模式図。 実施例と比較例におけるRとP*mの関係を示すグラフ。 従来の平歯車において基礎円を超えて切り下げが生じた歯形を示す拡大図。 従来の切削創生において、基礎円を超えて切り下げが発生する様子を示した模式図。
以下図面を参照しながら、平歯車を例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には、本発明の第1実施形態の平歯車1の正面図を示す。平歯車1は、中心部に軸部14を備え、その周囲に円盤状のウェブ13を備え、ウェブの周囲に歯10,10が周方向に沿って設けられた平歯車である。ここで、軸部14やウェブ13の具体的構成は、公知の技術に基づいて、適宜変更可能であり、特に限定されない。
平歯車1を構成する材料は特に限定されず、金属や合成樹脂、木材などにより、平歯車1が形成されている。平歯車1は、円盤状に予備成形された原材料を、カッターにより切削創生することにより製造することができる。ここで、カッターとは、ホブカッターやピニオンカッター、ラックカッターといった、平歯車やハスバ歯車の創生歯切り加工を行うためのカッターである。平歯車1を合成樹脂により製造する場合には、後述するように、所定のキャビティ形状を有する射出成形金型によって射出成形して、平歯車1を製造しても良い。
平歯車1の歯10,10は、インボリュート歯形を有するよう、形成されている。そして、図2に歯10の歯形の拡大図を示したように、平歯車1の歯10は、歯先11から歯元12に向かって延びる歯形が、歯先11から半径方向内側に向かって基礎円Bを超える位置まで、インボリュート曲線となるように形成されている。図2に、歯形がインボリュート曲面とされている部分を区間Iとして示している。換言すれば、歯車1の歯10,10においては、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現されている。
歯面がインボリュート曲線の歯面とされた区間Iは、少なくとも、基礎円Bまで達している。好ましくは、区間Iは基礎円Bの半径方向内側まで達している。
平歯車1は特定の歯諸元を有している。平歯車1の圧力角αは20°である。そして、歯数をzとし、転位係数をxとして、x<(14−z)/17 という関係式(以下「関係式1」と記載する)を満たすよう、歯車の歯数と転位係数が与えられている。
本実施形態においては、歯数z=8、転位係数x=0.1が与えられている。本実施形態の平歯車1の歯諸元は関係式1を満たしている。
関係式1を満たすような歯数及び転位係数が与えられると、従来の基準歯形形状のカッターを用いたインボリュート歯車の創生方法では、図7に示した歯車の歯形のように、基礎円の外側部分まで切り下げが発生してしまい、上記平歯車1のような基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現されることはない。しかしながら、以下に詳述するような歯の創生方法をとることにより、関係式1を満たし、従来技術では切り下げが起こってしまうような歯の諸元であっても、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯が創生されうる。
平歯車1は、その歯10,10が歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現されているので、歯車のかみ合いが良好となり、歯車の伝達精度や騒音が悪化することが抑制される。
以下、平歯車1を切削創生する製造方法について説明する。ここでいう切削創生とは、円盤状に予備成形された歯車の原材料(素材)を、カッター(ホブカッターやピニオンカッター、ラックカッターなど)を用いて歯切り盤により歯切り加工し、インボリュート歯形を形成することを意味する。なお、カッターを用いた切削創生に変えて、歯車研削盤により研削創生する場合にも、同様の手順により歯車の創生を行うことができる。
平歯車1の歯形の創生は、カッターの歯先にアールをつけていないカッター形状で創生した場合の切り下げの程度を計算する「計算ステップ」と、計算ステップで得られた切り下げの程度に応じて、カッターの歯先につけるべきアールの大きさを求め、カッター歯先にアールがかけられたカッターを製造する「カッター製造ステップ」と、得られたアール付カッターを用いて歯車の切削創生を行う「切削創生ステップ」を含んで行われる。以下、各ステップを順次説明する。
まず、「計算ステップ」について説明する。このステップは、実際に歯車の切削創生を行うのではなく、CADや歯車創生プログラムを用いた計算によって行う。このステップで計算に用いるカッター2の歯形は、アールをかけていない基準歯形形状の歯形である。すなわち、この計算ステップでは、従来技術で切削創生を行った場合を模擬して計算が行われる。図3に、計算ステップで用いられるカッター2の歯形の形状を示す。所定の圧力角、モジュールを実現できるよう、カッター2の歯形は規定されている。そして、カッター2の歯形の歯先には、実質的にアールがつけられていない。
創生計算によってアールがつけられていないカッター2を特定の軌跡で動かすことにより、歯車の歯形データが創生される。このステップでの創生計算では、図8に示した従来の切削創生技術のように、カッター歯形の周辺形状の包絡形状が計算されて、歯車の歯形データが計算される。そして、関係式1を満たすような諸元の歯車であれば、基礎円を超えて切り下げが発生した歯形データが得られる。
次に、上記創生計算で計算された歯車の歯形データを用いて、図7のように、発生する切り下げの程度を示す量Pを求める。この量Pは、アールをかけていない基準歯形形状のカッターにより生ずる歯車の歯底92の切り下げが、歯車の基礎円Bを超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pとして計算される。すなわち、計算された歯90において、歯先91から歯元に向かってインボリュート曲線が実現された歯面が所定長さ続くが、上記関係式1が満たされていると、切り下げが発生し、基礎円Bの外側で、インボリュート曲線部が途絶え、そこから半径方向内側の部分は、カッターの歯先で侵食されて形成される歯底面となる。このインボリュート曲線の曲面と、歯底面とが切り替わる点Qと基礎円Bとが半径方向に隔たる距離を距離Pとして求める。
次に、「カッター製造ステップ」について説明する。このステップで、歯車を切削創生するためのカッターを製造する。上記計算によって、切り下げの程度を示す距離Pが求められたら、次式(以下、「アール計算式」という)に基づいて、実際に歯車を切削創生するカッターの歯先につけるべきアールの最小の大きさR0を計算する。ここで、mは歯のモジュールである。
R0=7*P*m (アール計算式)
R0が求められたら、実際に歯車を切削創生するカッター3の歯形を規定する。切削創生の際に使用するカッター3の歯形を図4に示す。まず、所定の圧力角、モジュールを実現できるよう、カッター3の歯形が規定される。この形状自体は、基準歯形形状と変わりない。そして、カッター3の歯の歯先部分31に、先ほど求めたR0以上のアールRでアールがけをする。このアールがけされた歯形にしたがって、実際に切削創生するためのカッター3を製造する。カッターの製造については、公知の方法により行えばよい。
カッター3が得られたら、歯車切削盤を用いて、歯先にアールがつけられたカッター3を用いて、歯車の「切削創生ステップ」を行う。この切削創生ステップでは、図5に示したように、カッター歯が歯車に対して相対運動して、歯車1の歯10が創生される。この時、カッターの歯の歯先には所定の大きさのアールRがつけられているため、カッター歯の歯先が、基礎円Bを越えた外側までインボリュート曲面をえぐり取ってしまうことが防止される。その結果、この切削創生ステップにより、図1、図2に示したような、歯先から基礎円にわたって、インボリュート曲線が実現された平歯車1が得られる。
また、平歯車1を切削創生できれば、例えば銅材料によって平歯車1の歯部を切削創生し、得られた歯部を型彫り放電加工の型彫り電極として使用し、射出成形用金型の製造を行うことができる。射出成形金型が製造できれば、上記平歯車1を樹脂の射出成形によって大量生産できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態の説明では平歯車について説明したが、ハスバ歯車についても、同様の計算ステップ、カッター製造ステップ、切削創生ステップを含む創生プロセスを経ることによって、関係式1を満たしつつも、歯先から基礎円にわたって、インボリュート曲線が実現されたハスバ歯車を得ることができる。
また、上記した切削創生プロセスは、歯形形状データの創生計算に応用することもできる。カッターの歯先にアールをつけていない基準歯形カッター形状で創生した場合の切り下げの程度Pを計算する「計算ステップ」と、計算ステップで得られた切り下げの程度Pに応じて、アール計算式により、カッターの歯先につけるべきアールの最小の大きさR0を求めるステップまでは、同様に行う。そして、所定の圧力角、モジュールを実現できるよう、カッターの歯形を規定し、カッターの歯形の歯先部分に、アール計算式に従って求めたR0以上のアールがけを行って、これをカッター歯形の歯形データとする。このカッター歯形データを用いて、図5のような歯車の創生計算を行うことにより、歯車の歯形データを得ることができる。
上記創生計算プロセスによって、関係式1を満たしつつも、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された平歯車1の歯形データが得られるので、この歯形データを用いて、平歯車1をワイヤー放電加工によって製造することができる。あるいは、この歯形データを用いて、ワイヤー放電加工を行って射出成形金型を製造し、当該金型によって樹脂を射出成形して、平歯車1を大量生産できる。
上記実施形態の説明では、歯車の圧力角が20°であり、関係式1を満たすような歯車について説明したが、歯車の圧力角は、14.5°であっても良い。圧力角が14.5°である場合には、切り下げの発生条件が変わるので、関係式1に変えて、以下の関係式2: x<(26−z)/32 を用いる。従来技術においては、この式を満たすような歯諸元の場合に、基礎円を超えた切り下げが発生する。
歯車の圧力角はが14.5°であっても、切り下げの程度を示す距離Pの計算は、基準歯形形状のカッターを用いた創生計算により同様に行われる。また、カッターの歯先につけるべき最小アールR0は、同じアール計算式 (R0=7*P*m)により行えばよく、これ以上のアールRを歯先につけたカッター歯で歯車創生を行えば、同様に、関係式2を満たしつつも、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車を得ることができる。
なお、圧力角は他の角度であっても良く、その場合は、計算ステップで基礎円を超える切り下げが発生すれば、その切り下げの程度Pに応じて、アール計算式を用いてR0を計算し、同様の処理を行うようにすれば良い。
以下、実施例を示す。
表1及び表2に上記発明の実施形態である実施例1〜実施例9の歯車の諸元等を示す。表1が圧力角20°の実施例、表2が圧力角14.5°の実施例を示している。それぞれの実施例には、所定の歯数z、モジュールm、転位係数xが与えられている。同表には、それぞれの実施例において、切り下げ量計算ステップでアール掛けされていないカッターで創生計算した基礎円を超える切り下げ量P、アール計算式により計算された最小のアールR0が示されている。また、それぞれの実施例において、R0以上となるように設定された、歯車を創生するカッターの歯の歯先にかける先端アールの大きさRが、同表には示されている。
これら実施例においては、いずれの実施例でも、基礎円を超えて(基礎円の外側まで)切り下げが発生することはなく、歯車の歯は、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現されていた。
Figure 2018058208
Figure 2018058208
表1及び表2には、それぞれの実施例に対応させた比較例を示している。実施例と比較例では、例の番号が共通するもの同士で(例えば実施例1と比較例1で)、歯数z、モジュールm、転位係数xが共通しており、両者の間では、歯を創生する際のカッターの歯先のアールの有無やアールの大きさが異なっている。具体的には、実施例に対し、比較例では、歯を創生する際のカッターの歯先にアールがかかっていないか(表ではR=0と表記する)、対応する実施例についてアール計算式で計算されたR0よりも小さいアールがかけられている。
表1及び表2に示したように、いずれの比較例においても、従来技術のように、カッターの歯先により切り下げが発生し、切り下げが基礎円を超えて(基礎円の外側まで)発生してしまっていた。
図6には、これら実施例と比較例におけるRとP*mの関係をグラフで示す。横軸に計算ステップを経て計算されるPとモジュールmの積P*mを、縦軸にカッター歯先のアールの大きさRを、それぞれの実施例、比較例についてプロットしている。実施例を白抜きの丸で、比較例を黒丸で示す。図中の斜めの線は、アール計算式 R0=7*P*m を示す直線である。すなわち、アール計算式で計算されるR0よりも大きなアールがカッターの歯先にアール掛けされた実施例では、基礎円を超えるような切り下げが発生せず、アール計算式で計算されるR0よりも小さなアールしかかかっていない、もしくはアールがかかっていない比較例では、基礎円を超えて切り下げが発生してしまうことが確認できる。
本発明に関する歯車は種々の伝達機構に使用できて、産業上の利用価値が高い。
1 歯車
10 歯
11 歯先
12 歯元
13 ウェブ
14 軸部
B 基礎円
I インボリュート曲線が実現された区間
2 カッター(基準歯形形状、アールなし)
3 カッター(カッター歯先にアールがけ)
9 歯車
90 歯
91 歯先
92 歯元
本発明に関連する実施形態は、平歯車もしくはハスバ歯車の製造方法であって、創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、基準歯形形状のカッターにより創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯車の歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算し、歯車のモジュールをmとして、式 R0=7*P*m によりR0を計算し、歯車の切削創生に用いるカッターのカッター歯の歯先に、R0以上のアールをかけたカッターを作成し、前記アールをかけたカッターを用いて、歯車の切削創生を行う、平歯車もしくはハスバ歯車の製造方法である。
本発明に関連する実施形態の製造方法により製造された歯車を型彫り電極として、型彫り放電加工によって射出成形金型を製造し、当該射出成形金型により樹脂の射出成形を行って、樹脂製歯車を製造するようにしても良い。
また、本発明に関連する実施形態は、平歯車もしくはハスバ歯車の歯形データを生成する方法であって、創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、基準歯形形状のカッターにより創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯車の歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算し、歯車のモジュールをmとして、式 R0=7*P*m によりR0を計算し、カッターの基準歯形形状のカッター歯の歯先に、R0以上のアールをかけたカッターの歯形データを作成し、前記アールがけされたカッターの歯形データを用いて、歯車の創生計算を行い、平歯車もしくはハスバ歯車の歯形データを生成する方法である。
本発明に関連する実施形態の方法により生成された歯形データをワイヤー放電加工用のデータにして、ワイヤー放電加工を行って射出成形金型を製造し、当該射出成形金型により樹脂の射出成形を行って、樹脂製歯車を製造するようにしても良い。
また、本発明は、圧力角14.5°の平歯車もしくはハスバ歯車であって、転位係数をx、歯数をzとして、x<(26−z)/32を満たし、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車である(第発明)。
あるいは、本発明は、圧力角20°の平歯車もしくはハスバ歯車であって、転位係数をx、歯数をzとして、x<(14−z)/17を満たし、歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車である(第発明)。
本発明に関連する実施形態の製造方法によれば、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された歯車を、確実に切削創生することができる。また、本発明に関連する別の実施形態の製造方法によれば、上記実施形態によって切削創生された歯車を用いて射出成形金型を製造し、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された樹脂製歯車を射出成形できる。
また、本発明に関連する別の実施形態の製造方法によれば、切り下げが発生するような諸元の歯車であっても、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された歯形データが生成でき、本発明に関連する別の実施形態の製造方法によれば、上記実施形態で得られた歯形データを用いて射出成形金型を製造し、基礎円から歯先にわたってインボリュート曲線が実現された樹脂製歯車を射出成形できる。
発明や第発明の歯車によれば、歯車の歯に歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現されており、歯車の伝達精度や騒音の悪化が抑制される。

Claims (6)

  1. 平歯車もしくはハスバ歯車の製造方法であって、
    創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、基準歯形形状のカッターにより創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯車の歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算し、
    歯車のモジュールをmとして、式 R0=7*P*m によりR0を計算し、
    歯車の切削創生に用いるカッターのカッター歯の歯先に、R0以上のアールをかけたカッターを作成し、
    前記アールをかけたカッターを用いて、歯車の切削創生を行う、
    平歯車もしくはハスバ歯車の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により製造された歯車を型彫り電極として、型彫り放電加工によって射出成形金型を製造し、当該射出成形金型により樹脂の射出成形を行って、樹脂製歯車を製造する方法。
  3. 平歯車もしくはハスバ歯車の歯形データを生成する方法であって、
    創生すべき歯車の諸元に対応するカッターの基準歯形形状を用いて、歯車の創生計算を行い、基準歯形形状のカッターにより創生される歯車の歯形を求め、カッターにより生ずる歯車の歯底の切り下げが歯車の基礎円を超えてインボリュート曲線を侵食する半径方向の距離Pを計算し、
    歯車のモジュールをmとして、式 R0=7*P*m によりR0を計算し、
    カッターの基準歯形形状のカッター歯の歯先に、R0以上のアールをかけたカッターの歯形データを作成し、
    前記アールがけされたカッターの歯形データを用いて、歯車の創生計算を行い、
    平歯車もしくはハスバ歯車の歯形データを生成する方法。
  4. 請求項3に記載の方法により生成された歯形データをワイヤー放電加工用のデータにして、ワイヤー放電加工を行って射出成形金型を製造し、当該射出成形金型により樹脂の射出成形を行って、樹脂製歯車を製造する方法。
  5. 圧力角14.5°の平歯車もしくはハスバ歯車であって、
    転位係数をx、歯数をzとして、x<(26−z)/32を満たし、
    歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車。
  6. 圧力角20°の平歯車もしくはハスバ歯車であって、
    転位係数をx、歯数をzとして、x<(14−z)/17を満たし、
    歯先から基礎円にわたってインボリュート曲線が実現された歯車。
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