JP2018058033A - 中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

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Shosaku Aramaki
昌作 荒牧
剛宏 小谷野
Takehiro Koyano
剛宏 小谷野
恵一 朝妻
Keiichi Asazuma
恵一 朝妻
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Abstract

【課題】中空糸膜モジュールのヘッダーと筒状容器とをシェアジョイントで超音波溶着しつつ、ポッティング部の外周部をヘッダーの内面に当接させる際のポッティング部の破損を抑制する。【解決手段】中空糸膜モジュール1は、中空糸膜束3が収容される筒状容器2と、筒状容器2の両端部に設けられ、流体の出入口を有するヘッダー5と、中空糸膜束3を筒状容器2の両端部で固定しているポッティング部4とを有する。ヘッダー5と筒状容器2は、ヘッダー5を筒状容器2に対し相対的に押し込みながら溶着するシェアジョイントによる第1の溶着部60を有する。ポッティング部4は、その外周部がヘッダー5の段部40に当接している。ヘッダー5の第1の溶着部60には押し込み止め71が形成されている。【選択図】図9

Description

本発明は、中空糸膜モジュール及び中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
例えば血液透析、血液透析濾過、血液濾過及び血漿分離等の体外循環式の血液浄化処理や、腹水などの体腔液処理、製剤のウィルス除去処理等において、血液浄化器や成分分離器としての中空糸膜モジュールが用いられている。
上述の中空糸膜モジュールは、一般に、内部に中空糸膜束を収容し、側面に流体の出入口となる2つのポート(入口ポートと出口ポート)を有する筒状の筒状容器と、その筒状容器の両端に設けられ、流体の出入口を有するヘッダーと、中空糸膜束を筒状容器の両端部で固定しているポッティング部を有している。ヘッダーの流体の出入口は、各中空糸膜の内側領域に連通し、筒状容器の側面のポートは、各中空糸膜の外側領域に連通している。例えば中空糸膜モジュールを用いた血液透析では、血液を一方のヘッダーから流入させ、中空糸膜の内側領域を通過させ、他方のヘッダーから流出させるとともに、透析液を筒状容器の側面の一方のポートから流入させ、他方のポートから流出させて、血液中の不要物質を中空糸膜を通じて透析液側に分離している。
上述の中空糸膜モジュールの製造工程では、ヘッダーが筒状容器の端部に対しその筒状容器の端部の外側を覆うように嵌め込まれ、筒状容器の端部に対し超音波溶着により溶着されている(特許文献1参照)。
国際公開第2003/146663号
ところで、ヘッダーと筒状容器の超音波溶着部の気密性を向上し、中空糸膜モジュールの耐圧強度を向上するため、ヘッダーを筒状容器に対し押し込みながら、シェアジョイントでヘッダーと筒状容器を超音波溶着することを考えている。シェアジョイントの超音波溶着では、ヘッダーと筒状容器を互いにせん断力が作用するように接触させて溶着する。
そして、さらに、例えばポッティング部の外周部の端面をヘッダーの内面に当接させて、ヘッダー内部の液体がヘッダーと筒状容器の間の超音波溶着部(嵌合部)を通じて外部に漏れることを抑制することを考えている。
しかし、この場合、ヘッダーを筒状容器に対し所望の距離押し込んで超音波溶着を終えたときに、ポッティング部の外周部の端面がヘッダーの内面に丁度当接するように超音波溶着を行う必要がある。しかしながら、ヘッダーや筒状容器には寸法誤差があるため、例えばヘッダーの内径が少し大きかったり、筒状容器の径が少し小さかったりした場合には、ヘッダーを押し込んでいく際の抵抗が小さくなり、ヘッダーを押し込み過ぎてポッティング部が強い力でヘッダーの内周面に当接し、ポッティング部が破損することも考えられる。
本願はかかる点に鑑みてなされたものであり、中空糸膜モジュールのヘッダーと筒状容器とをシェアジョイントで超音波溶着しつつ、ポッティング部の外周部をヘッダーの内面に当接させる際のポッティング部の破損を抑制することをその目的の一つとする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ヘッダー又は筒状容器の少なくとも一方の超音波溶着部に押し込み止めを形成すること等により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)中空糸膜モジュールであって、中空糸膜束が収容される筒状容器と、前記筒状容器の両端部に設けられ、流体の出入口を有するヘッダーと、前記中空糸膜束を前記筒状容器の両端部で固定しているポッティング部と、を有し、前記ヘッダーと前記筒状容器は、前記ヘッダーを前記筒状容器に対し相対的に押し込みながら溶着するシェアジョイントによる超音波溶着部を有し、前記ポッティング部は、その外周部が前記ヘッダーの内面に当接しており、前記ヘッダー又は前記筒状容器の少なくとも一方の超音波溶着部には押し込み止めが形成されている、中空糸膜モジュール。
(2)前記超音波溶着部は、前記ヘッダー又は前記筒状容器の一方に形成された傾斜面に対し、前記ヘッダー又は前記筒状容器の他方に形成されたモジュール軸方向に突出する突出部を当接させながら、前記モジュール軸方向に押し込んで溶着した構造を有し、
前記押し込み止めは、前記突出部が押し込まれる方向の前記傾斜面の後端部に形成されている、(1)に記載の中空糸膜モジュール。
(3)前記押し込み止めは、モジュール軸に垂直の垂直面である、(2)に記載の中空糸膜モジュール。
(4)前記押し込み止めは、前記傾斜面の傾斜角よりも大きい傾斜角を有する他の傾斜面である、(2)に記載の中空糸膜モジュール。
(5)前記押し込み止めは、段部である、(2)に記載の中空糸膜モジュール。
(6)前記ヘッダーは、前記筒状容器側に突出するヘッダー突出部を有し、前記筒状容器は、前記ヘッダー側に突出する容器突出部を有し、少なくとも前記ヘッダー突出部の内周面と前記容器突出部の外周面が超音波溶着され、前記ヘッダー突出部の超音波溶着部に前記傾斜面と前記押し込み止めが形成されている、(2)〜(5)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(7)中空糸膜束が収容される筒状容器と、前記筒状容器の両端部に設けられ、流体の出入口を有するヘッダーと、前記中空糸膜束を前記筒状容器の両端部で固定しているポッティング部と、を有する中空糸膜モジュールの製造方法であって、前記ヘッダーを前記筒状容器に対し相対的に押し込みながらシェアジョイントで超音波溶着し、前記ポッティング部の外周部を前記ヘッダーの内面に当接させる工程を有し、前記ヘッダー又は前記筒状容器の少なくとも一方には、前記工程の押し込みを止める押し込み止めが形成されている、中空糸膜モジュールの製造方法。
(8)前記超音波溶着では、前記ヘッダー又は前記筒状容器の一方に形成された傾斜面に対し、前記ヘッダー又は前記筒状容器の他方に形成されたモジュール軸方向に突出する突出部を当接させながら、前記モジュール軸方向に押し込んで溶着し、前記押し込み止めは、前記突出部が押し込まれる方向の前記傾斜面の後端部に形成される、(7)に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
(9)前記押し込み止めは、モジュール軸に垂直の垂直面である、(8)に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
(10)前記押し込み止めは、前記傾斜面の傾斜角よりも大きい傾斜角を有する他の傾斜面である、(8)に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
(11)前記押し込み止めは、段部である、(8)に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
(12)前記ヘッダーは、前記筒状容器側に突出するヘッダー突出部を有し、前記筒状容器は、前記ヘッダー側に突出する容器突出部を有し、少なくとも前記ヘッダー突出部の内周面と前記容器突出部の外周面が超音波溶着され、前記ヘッダー突出部の超音波溶着部に前記傾斜面と前記押し込み止めが形成される、(8)〜(11)のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明によれば、中空糸膜モジュールのヘッダーと筒状容器とをシェアジョイントで超音波溶着しつつ、ポッティング部の外周部をヘッダーの内面に当接させる際のポッティング部の破損を抑制できる。
中空糸膜モジュールの構成の一例を示す縦断面の模式図である。 ヘッダーと筒状容器の溶着部分の一例を示す拡大断面図である。 ヘッダーと筒状容器の第1の溶着部のA−A断面図である。 ヘッダーと筒状容器の第2の溶着部と第3の溶着部のB−B断面図である。 ヘッダーと筒状容器の構成の概略を示す拡大断面図である。 ヘッダーの下面図である。 筒状容器の上面図である。 超音波溶着開始時のヘッダーと筒状容器の様子を示す拡大断面図である。 第1の溶着部の拡大断面図である。 超音波溶着時のヘッダーと筒状容器の様子を示す拡大断面図である。 押し込み止めが傾斜面である場合の第1の溶着部の拡大断面図である。 押し込み止めが段部である場合の第1の溶着部の拡大断面図である。 押し込み止めを採用した第2の溶着部と第3の溶着部の拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
<中空糸膜モジュールの構成>
先ず、本実施の形態にかかる中空糸膜モジュールの構成について説明する。図1は、中空糸膜モジュール1の構成の一例を示す断面模式図である。
中空糸膜モジュール1は、筒状容器2と、中空糸膜束3と、ポッティング部4と、ヘッダー5などを備えている。
筒状容器2は、円筒状に形成され、長手方向(円筒の中心軸P方向)の両端部2aが開口している。筒状容器2の内部には、中空糸膜束3が収容されている。筒状容器2の側面には、流体の出入口となる例えば2つのポート10が形成されている。
中空糸膜束3は、多数本の中空糸膜をまとめた束であり、筒状容器2内に長手方向に沿って収容されている。中空糸膜束3は、分離膜として機能し、各中空糸膜の内側領域と外側領域との間で分離対象である流体の成分を分離できる。
ポッティング部4は、ポッティング樹脂により構成され、筒状容器2の両端部2aの内側において中空糸膜束3の両端部3aを包埋すると共に、中空糸膜束3を筒状容器2の両端部2aに固定している。ポッティング部4は、外周部がポッティング樹脂のみによって構成された部分4aとなり、その内側が、中空糸膜束3の中空糸膜同士の隙間にポッティング樹脂が入り込んだ部分4bとなる。ポッティング樹脂としては、例えばポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。
ヘッダー5は、筒状容器2の両端部2aに設けられ、その両端部2aの開口に蓋材として設けられている。ヘッダー5は、中心軸P上に設けられ流体の出入口となる管状のノズル部20と、ノズル部20から径方向に広がる板状の天面部21と、天面部21の外周縁から筒状容器2側に向けて突出するヘッダー突出部22を有している。
ノズル部20は、外部チューブを接続するためのネジ構造を有している。図1及び図2に示すように天面部21は、中空糸膜束3の端部3a(ポッティング部4)に対面し、ノズル部20から筒状容器2の端部2aに向かって次第に径が大きくなる内面21aを有している。ヘッダー5の内面21aと中空糸膜束3の端部3a(ポッティング部4)との間には、ノズル部20から流入する流体、或いはノズル部20から流出する流体が通る空間23が形成されている。
<ヘッダー突出部>
ヘッダー突出部22は、中心軸Pを軸心とする円筒形状を有している。ヘッダー突出部22は、例えば図2に示すように基部30と先端部31を天面部21から筒状容器2側に向けてこの順で備えている。基部30及び先端部31は、互いに径方向の厚みが異なり、先端部31の方が基部30よりも厚みが薄い。
基部30は、天面部21から連続する部分である。天面部21の内面21aの外周部には、中心軸Pに対し垂直の環状の平坦面(段部)40が形成されている。この平坦面40には、後述するポッティング部4の外周部の端面としての切断面4Sが当接されている。
先端部31は、基部30から連続する部分である。先端部31の外周面31bと基部30の外周面30bとの間には、中心軸Pに対し垂直の環状の平坦面41が形成されている。
<筒状容器(内側突出部/外側突出部)>
筒状容器2の端部2aは、いわゆる二股構造を有している。端部2aは、ヘッダー5側に2重に円筒状に突出する容器突出部としての内側突出部50と他の容器突出部としての外側突出部51とを有している。内側突出部50と外側突出部51は、それぞれが中心軸Pを軸心とする円筒形状を有し、同心円状に配置されている。内側突出部50は、外側突出部51よりも長く、ヘッダー5側(中心軸P方向外側)に突出している。内側突出部50の内周面50aは、筒状容器2の内周面の一部を構成している。
<ヘッダーと筒状容器の接合構造>
図2に示すようにヘッダー5と筒状容器2は、ヘッダー突出部22が筒状容器2の内側突出部50と外側突出部51の間に挿入された状態で、例えば三箇所で超音波溶着されている。ヘッダー5と筒状容器2は、シェアジョイントによる3つの超音波溶着部60、61、62を有している。
図2及び図3に示すように第1の溶着部60は、筒状容器2の内側突出部50の先端部付近の外周面50bとヘッダー突出部22の基部30の内周面30aとの間に中心軸P周りの環状に形成されている。図2及び図4に示すように第2の溶着部61は、筒状容器2の内側突出部50の根元付近の外周面50bとヘッダー突出部22の先端部31の内周面31aとの間に中心軸P周りの環状に形成されている。第3の溶着部62は、筒状容器2の外側突出部51の内周面51aとヘッダー突出部22の先端部31の外周面31bとの間に中心軸P周りの環状に形成されている。
第1の溶着部60は、図2に示すようにヘッダー5の基部30の内周面30aに形成された傾斜面70に対し、筒状容器2の内側突出部50を当接させながら、モジュール軸(中心軸P)方向に押し込んで溶着した構造を有している。傾斜面70の押し込み方向の後端部には、押し込み止め71が形成されている。押し込み止め71は、例えばモジュール軸に垂直の垂直面となっている。押し込み止め71は、中心軸P周りの環状に形成されている。筒状容器2の内側突出部50の先端は、この押し込み止め71に当接している。
第2の溶着部61は、筒状容器2の内側突出部50の外周面50bに形成された傾斜面80に対し、ヘッダー5の先端部31の内周面31aを当接させながら、モジュール軸方向に押し込んで溶着した構造を有している。さらに、第3の溶着部62は、筒状容器2の外側突出部51の内周面51aに形成された傾斜面90に対し、ヘッダー5の先端部31の外周面31bを当接させながら、モジュール軸方向に押し込んで溶着した構造を有している。溶着の具体的な方法については後述する。
<ポッティング部の配置>
図2に示すようにポッティング部4の端面には、ポッティング部の両端部を径方向に切断して形成された切断面4Sが形成されている。ポッティング部4は、筒状容器2の内側突出部50よりも中心軸P方向の外側(ヘッダー5側)に突出している。ポッティング部4の切断面4Sは、ヘッダー5の内面21aの平坦面40に対して、所定の圧力が付与された状態で当接している。
筒状容器2及びヘッダー5の原材料としては、特に限定されるものではなく各種の熱可塑性樹脂から選択される。例えば、結晶性樹脂ではエチレンとα―オレフィンとの共重合体や、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンといったポリエチレン系樹脂や、プロピレン単体の重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体あるいはプロピレンとエチレンと他のα―オレフィンとの共重合体といった、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。一方で非晶性樹脂では、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン‐ブタジエン共重合体(SBS)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)等の樹脂が挙げられ、これらは単体で用いられても良くあるいは混合物として利用しても良い。本実施形態における好適な樹脂は、上記の中でもポリプロピレン系樹脂であり、中でもプロピレンとエチレンのランダム共重合体が剛性と耐熱性の観点で好ましく、エチレン含量が1〜8質量%に調整されたプロピレンとエチレンのランダム共重合体がより好ましい。
<中空糸膜モジュールの製造方法>
ヘッダー5と筒状容器2がそれぞれ射出成形される。このとき図5に示すようにヘッダー5の第1の溶着部60の超音波溶着予定部には、傾斜面70と押し込み止め71が形成される。例えば図5及び図6に示すように傾斜面70と押し込み止め71は、ヘッダー突出部22の基部30の内周面30aに環状に形成される。押し込み止め71は、傾斜面70の後端部としての最上部に形成される。押し込み止め71は、中心軸Pに対する垂直面となっている。
筒状容器2の第2の溶着部61の超音波溶着予定部には傾斜面80が形成される。例えば図5及び図7に示すように傾斜面80は、筒状容器2の内側突出部50の外周面50bに環状に形成される。第3の溶着部62の超音波溶着予定部には傾斜面90が形成される。傾斜面90は、筒状容器2の外側突出部51の内周面51aに環状に形成される。
次に、最終的に必要な長さよりも長い中空糸膜束3が用意され、筒状容器2内に収容される。次に図1及び図2に示したように筒状容器2内にポッティング部4が形成される。このポッティング部4は、中空糸膜束3の両端部3aを包埋しつつ中空糸膜束3を筒状容器2の内周面50aに固定する。次に、ポッティング部4(中空糸膜束3の両端部3a)の不要部分が、中心軸Pに対し垂直の断面で切断されて切断面4Sが形成される。切断面4Sは、筒状容器2の内側突出部50よりも外側に突出している。
次に、ヘッダー5が筒状容器2に超音波溶着される。例えば図8に示すようにヘッダー5のヘッダー突出部22が筒状容器2の内側突出部50と外側突出部51の間に挿入され、超音波ホーン110がヘッダー5の天面部21に上から押し当てられ、超音波ホーン110から超音波振動が付与された状態で、図9に示すようにヘッダー5が筒状容器2側に押し込まれる。
このとき、図8に示したように筒状容器2の内側突出部50の外周面50bの先端が、ヘッダー突出部22の基部30の内周面30aの傾斜面70に当たり、シェアジョイントによる超音波溶着が開始される。そして、筒状容器2の内側突出部50が傾斜面70に対し押し込まれながら、シェアジョイントによる超音波溶着が行われ、第1の溶着部60が形成される。図10(図9)に示すように内側突出部50の先端が押し込み止め71に当接すると、押し込みが止まり、超音波溶着が停止する。このとき、ポッティング部4の切断面4Sがヘッダー5の内面21aの平坦面40に所定の圧力で当接している。なお、内側突出部50の押し込みは、必ずしも押し込み止め71により止められる必要はなく、ポッティング部4の切断面4Sが平坦面40に当接して超音波溶着が停止すれば、内側突出部50は押し込み止め71に当接する前に停止してもよい。
第1の溶着部60が形成されている間に、ヘッダー突出部22の先端部31の内周面31a側が、内側突出部50の外周面50bの傾斜面80に当たり、溶着しながら、シェアジョイントによる第2の溶着部61を形成する。また、ヘッダー突出部22の先端部31の外周面31b側が、外側突出部51の内周面51aの傾斜面90に当たり、溶着しながら、シェアジョイントによる第3の溶着部62を形成する。
こうして、図10に示したヘッダー5側と筒状容器2側の重なる部分A、B、Cとその周囲に図2に示す溶着部60〜62が形成される。ヘッダー5と筒状容器2が三箇所で溶着され、図1に示す中空糸膜モジュール1が完成する。
本実施の形態によれば、ヘッダー5の第1の溶着部60に押し込み止め71が形成されているので、シェアジョイントの超音波溶着の際のヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みを所望の位置で止めることができる。これにより、ポッティング部4の切断面4Sがヘッダー5の平坦面40に当接した位置で、ヘッダー5の押し込みを止めることができるので、ポッティング部4が強い力でヘッダー5の内面21aに当接して破損することを抑制できる。この結果、ヘッダー5と筒状容器2との間の超音波溶着と、ポッティング部4の外周部とヘッダー5の内面21aとの間の当接が適切に行われ、中空糸膜モジュール1の耐圧性が向上する。
押し込み止め71は、内側突出部50が押し込まれる方向の傾斜面70の後端部に形成されているので、ヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みを好適に止めることができる。
押し込み止め71は、モジュール軸に垂直の垂直面であるので、ヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みを確実かつ適切に止めることができる。
傾斜面70と押し込み止め71は、ヘッダー突出部22の基部30の内周面30aに形成されているので、ヘッダー5と筒状容器2のはめ合い部分の最上流部の超音波溶着(第1の溶着部60)が適正に行われ、中空糸膜モジュール1の耐圧性が向上する。
上記実施の形態において、押し込み止め71は、例えば図11に示すように傾斜面70の傾斜角θ1よりも大きい傾斜角θ2を有する他の傾斜面であってもよい。ヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みを衝撃なく適切に止めることができる。なお、傾斜面70の傾斜角θ1は、例えば20度〜70度が好ましく、傾斜角θ2は、25度〜89度が好ましい。
また、押し込み止め71は、図12に示すように段部であってもよい。かかる場合、ヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みを確実に止めることができる。
以上の実施の形態において、第2の溶着部61や第3の溶着部62においても押し込み止めを形成してもよい。例えば図13に示すように内側突出部50の外周面50bの傾斜面80の下端部に押し込み止め81を形成してもよいし、外側突出部51の内周面51aの傾斜面90の下端部に押し込み止め91を形成してもよい。かかる場合、第2の溶着部61を形成する際に、ヘッダー突出部22の先端部31が押し込み止め81に当接し、ヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みが止められる。また、第3の溶着部62が形成される際に、ヘッダー突出部22の先端部31が押し込み止め91に当接し、ヘッダー5の筒状容器2に対する押し込みが止められる。なお、押し込み止めは、すべての溶着部60〜62に形成されていてもよいし、一部の溶着部に形成されていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施の形態において、超音波溶着部は上述のような所定の位置に三箇所形成されているが、溶着部の数や位置は任意に選択できる。また、上記溶着部や押し込み止めは環状に形成されていたが、中心軸P周りの一部にのみ形成されていてもよい。さらに、押し込み止めや傾斜面は、溶着部のヘッダー5側又は筒状容器2側のいずれかに形成されていればよい。また、押し込み止めや傾斜面は、溶着部のヘッダー5側及び筒状容器2側の両方に形成されていてもよい。また、以上の実施の形態において、ヘッダー5側を筒状容器2側に主体的に動かして押し込んでいたが、逆に筒状容器2側をヘッダー5側に動かして押し込んでもよい。
ヘッダー5のヘッダー突出部22の構造や、筒状容器2の内側突出部50と外側突出部51の構造はこれに限られない。例えばヘッダー5のヘッダー突出部22や、筒状容器2の内側突出部50と外側突出部51は、中空糸膜モジュール1の全周に亘り環状に形成されていたが、中空糸膜モジュール1の周方向の複数個所に断続的に形成されていてもよし、一部にのみ形成されていてもよい。また、筒状容器2、ヘッダー5の全体構造もこれに限られない。中空糸膜モジュール1の用途は、血液などの液体処理に限られず、気体の処理であってもよい。
本発明は、中空糸膜モジュールのヘッダーと筒状容器とをシェアジョイントで超音波溶着しつつ、ポッティング部の外周部をヘッダーの内面に当接させる際のポッティング部の破損を抑制する際に有用である。
1 中空糸膜モジュール
2 筒状容器
3 中空糸膜束
4 ポッティング部
4S 切断面
5 ヘッダー
22 ヘッダー突出部
50 内側突出部
51 外側突出部
60 第1の溶着部
61 第2の溶着部
62 第3の溶着部
70 傾斜面
71 押し込み止め
80 傾斜面
90 傾斜面

Claims (12)

  1. 中空糸膜モジュールであって、
    中空糸膜束が収容される筒状容器と、
    前記筒状容器の両端部に設けられ、流体の出入口を有するヘッダーと、
    前記中空糸膜束を前記筒状容器の両端部で固定しているポッティング部と、を有し、
    前記ヘッダーと前記筒状容器は、前記ヘッダーを前記筒状容器に対し相対的に押し込みながら溶着するシェアジョイントによる超音波溶着部を有し、
    前記ポッティング部は、その外周部が前記ヘッダーの内面に当接しており、
    前記ヘッダー又は前記筒状容器の少なくとも一方の超音波溶着部には押し込み止めが形成されている、中空糸膜モジュール。
  2. 前記超音波溶着部は、前記ヘッダー又は前記筒状容器の一方に形成された傾斜面に対し、前記ヘッダー又は前記筒状容器の他方に形成されたモジュール軸方向に突出する突出部を当接させながら、前記モジュール軸方向に押し込んで溶着した構造を有し、
    前記押し込み止めは、前記突出部が押し込まれる方向の前記傾斜面の後端部に形成されている、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記押し込み止めは、モジュール軸に垂直の垂直面である、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記押し込み止めは、前記傾斜面の傾斜角よりも大きい傾斜角を有する他の傾斜面である、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 前記押し込み止めは、段部である、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  6. 前記ヘッダーは、前記筒状容器側に突出するヘッダー突出部を有し、
    前記筒状容器は、前記ヘッダー側に突出する容器突出部を有し、
    少なくとも前記ヘッダー突出部の内周面と前記容器突出部の外周面が超音波溶着され、前記ヘッダー突出部の超音波溶着部に前記傾斜面と前記押し込み止めが形成されている、請求項2〜5のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
  7. 中空糸膜束が収容される筒状容器と、
    前記筒状容器の両端部に設けられ、流体の出入口を有するヘッダーと、
    前記中空糸膜束を前記筒状容器の両端部で固定しているポッティング部と、を有する中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    前記ヘッダーを前記筒状容器に対し相対的に押し込みながらシェアジョイントで超音波溶着し、前記ポッティング部の外周部を前記ヘッダーの内面に当接させる工程を有し、
    前記ヘッダー又は前記筒状容器の少なくとも一方には、前記工程の押し込みを止める押し込み止めが形成されている、中空糸膜モジュールの製造方法。
  8. 前記超音波溶着では、前記ヘッダー又は前記筒状容器の一方に形成された傾斜面に対し、前記ヘッダー又は前記筒状容器の他方に形成されたモジュール軸方向に突出する突出部を当接させながら、前記モジュール軸方向に押し込んで溶着し、
    前記押し込み止めは、前記突出部が押し込まれる方向の前記傾斜面の後端部に形成される、請求項7に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  9. 前記押し込み止めは、モジュール軸に垂直の垂直面である、請求項8に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  10. 前記押し込み止めは、前記傾斜面の傾斜角よりも大きい傾斜角を有する他の傾斜面である、請求項8に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  11. 前記押し込み止めは、段部である、請求項8に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  12. 前記ヘッダーは、前記筒状容器側に突出するヘッダー突出部を有し、
    前記筒状容器は、前記ヘッダー側に突出する容器突出部を有し、
    少なくとも前記ヘッダー突出部の内周面と前記容器突出部の外周面が超音波溶着され、前記ヘッダー突出部の超音波溶着部に前記傾斜面と前記押し込み止めが形成される、請求項8〜11のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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