JP2008093518A - 血液透析濾過モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】Oリングやセパレーター等を用いず、切り込みや加熱処理を施さずにヘッダー内を液密に区分できる血液透析濾過モジュールの提供。
【解決手段】第一および第二の端部付近で透析液導出入口に連通する筒状ハウジング1、該筒状ハウジング1に収められ両端が開口した中空糸透析膜束、中空糸透析膜束を筒状ハウジング1に接着固定するポッティング部を有し、前記筒状ハウジング1の第一の端部6には、血液導入口と血液導出口とを有する第一のヘッダー2が液密に固定され、該第一のヘッダー2は、中空糸透析膜束を血液導入口に連通する第一グループ4と血液導出口に連通する第二グループ5とに区画するための、中空糸透析膜束端面8に当接する区画部15を有する血液透析濾過モジュールに於いて、第一の端部6と第一のヘッダー2の固定が超音波溶着によりなされ、区画部15の先端で溶融した樹脂の一部が、当接する中空糸透析膜の中空部に侵入している。
【選択図】図2

Description

本発明は血液透析濾過モジュールに関する。特に中間希釈型の血液透析濾過モジュールに関する。
慢性腎不全患者の治療には血液透析療法が一般的に行われている。血液透析療法は、中空糸型血液透析膜を充填した血液透析モジュールを使用し、膜を介して血液中の尿毒素を除去する治療方法である。この血液透析療法は主に拡散によって血液が浄化されているので、拡散係数の大きい尿素窒素やクレアチニンなどには十分な効果がある。しかし、拡散係数の小さいβ2ミクログロブリンなどの低分子量タンパク質の除去は血液透析では不十分であった。一方、分子量が大きく拡散係数の小さい尿毒素を除去するために、コンベクションに基づく血液濾過療法が知られているが、この療法では低分子量の尿毒素の除去性が芳しくないため、広く普及するには至らなかった。
そこで、両者の長所を取り入れて、低分子量の尿毒素から低分子タンパク質の除去をバランス良く行うために考えられたのが、拡散に濾過を加えた血液透析濾過療法である。この療法では、血液透析器と同様の中空糸型血液透析膜を充填したモジュールが使用され、モジュールの全体形状や構造も血液透析器と同様であるが、体外循環の回路構成が異なっており、すなわち通液方法が透析療法や濾過療法とは異なっている。
血液透析濾過療法には、体外循環時に、清浄化された置換液で希釈した血液をモジュールに導入して透析濾過を行う前希釈法と、血液をモジュールに導入して透析濾過を行った後に、濃縮された血液を清浄化された置換液で希釈する後希釈法とがある。これら二つの治療法にはそれぞれに異なる特徴があり、前希釈法は濾過量を多くすることができるが、モジュールに入る前に血液が希釈されるため拡散効果が減少し尿毒素の除去効率が減少する。一方で、後希釈法は血液を希釈なしに濃縮するため拡散および濾過の効果が最大限に発揮され、尿毒素の除去効率に優れるが、血球濃度が増大して濾過時の血液粘度が増大するため、濾過量に限界がある。
近年、上記血液透析濾過療法の欠点を解決するために、中間希釈型血液透析濾過法が開発された。この方法では、血液が透析濾過され、血球が濃縮され始めた時点で、即ち後希釈法ほど血球が濃縮され過ぎない時点でモジュール内部で血液を希釈するため、前希釈法の高濾過量と後希釈法の高効率な物質除去性能を併せ持つことが可能な血液透析濾過療法となることが期待されている(特許文献1および2)。
中間希釈法を行うためには、従って専用のモジュールが必要となり、特許文献1および2には、中空糸型血液透析膜を充填した筒状ハウジングと第一のヘッダーと第二のヘッダーという2種類のヘッダーからなるモジュール構造が記載されている。
これらの技術では、特にヘッダーの構造と機能に特徴が付与されている。すなわち、筒状ハウジングの第一の端部(透析液導出口側)に液密に固定された第一のヘッダーには、血液導入口と血液導出口が設けられており、さらに該ヘッダー内部を二室に仕切る区画部(内部壁)が設けられている。それにより、中空糸型血液透析膜束が血液導入口に連通する第一グループと血液導出口に連通する第二グループとに区画される。一方、筒状ハウジングの第二の端部(透析液導入口側)に液密に固定された第二のヘッダーは、構造的には従来の血液透析器のヘッダーと同様である。但し、ここでは置換液の導入部として用いられており、また第一グループの中空糸型血液透析膜内部を流れてきた血液と置換液を混合するチャンバーの役割も担っている。
このようなモジュール構造によれば、血液は第一のヘッダーの血液導入口から第一グループの中空糸型血液透析膜内部を濾過とともに拡散作用を強く受けながら流れて行き、第二のヘッダーに流れ込む。ここで血液は置換液と混合され、今度は第二グループの中空糸型血液透析膜内部を専ら濾過作用を受けながら流れて行き、第一のヘッダーの血液導出口からモジュール外に導出されるため、一つのモジュールで血液透析濾過が達成される。
前記の第一ヘッダーにおいては、区画部(内部壁)の液密性が重要であるため、幾つかのシール構造が開示されている。具体的には、区画部の先端にOリングを配置しポッティング部にOリングを押し付けた構造や、ポッティング部にOリングの受け皿としてポリエチレン製セパレータを設けて、そこにOリングを押し付けた構造、あるいはポッティング部に切り込みを入れるか、ポッティング面を加熱して軟化させた後、区画部を押し付けた構造などが記載されている。
しかしながら、Oリングやセパレータで区画した構造は部品点数が多いだけではなく、ヘッダーの区画部との嵌合性が完全でないと血液のショートパスを引き起こす可能性があるため、ヘッダーを取り付けるときにOリングとの嵌合性の厳密な確認が必要であった。また、Oリング等の付加的な部品をヘッダー内部に設けると、血液の滞留部が生じて血栓が発生しやすいことは血液透析器の技術分野ではよく知られている。ポッティング部に切り込みを入れた構造においても同様の問題があり、ヘッダーを取り付けるときに切り込みとの嵌合性の厳密な確認が必要であった。しかも、切り込みへの嵌合性ポッティング剤の屑を除去する工程が増えたりするため製造工程が複雑となり、結果的に製造に時間がかかって、コストが高くなる欠点があった。さらに、加熱軟化させる方法では、製造工程が増えるだけではなく、加熱面でポッティング材が変質したり変質成分が溶出し得るという懸念があった。
このように、中間希釈型モジュールの基本的な構造やその製造方法は開示されているものの、使い捨て型の医療用具として用いるにはコスト面や品質面でまだ十分なものとは言えなかった。
ところで、筒状ハウジングへのヘッダーの固定方法には、ネジ込み式や接着または溶着の技術が一般的に利用されている。しかし、ネジ込み式では、ハウジングとヘッダーの液密を保持するためにOリングを用いて機械締めするか、締結部に溶剤を流し込んで溶接する必要があった。溶着方法ではそのような問題はないが、例えばレーザー溶着では、レーザー透過性の樹脂と吸収性の樹脂を対で用いなければならず、溶着速度が遅いという問題があった。一方、超音波溶着は溶着速度が速い、冷却時間がほとんどない、溶着部の気密性が高いなど極めて生産性・信頼性が高い方法であり、モジュールの溶着手段として利用されている。例えば、ヘッダーをハウジングに複数箇所で超音波溶着する技術が特許文献3に開示されているが、この技術は、ヘッダーのハウジングへの固定をより確実にすることだけを目的としており、それ以上の技術展開の可能性については何も示唆していなかった。
以上述べたとおり、中間希釈型のモジュールについては、特にヘッダーのハウジングへの固定構造にさらなる改善の余地があると思われ、簡便でしかもコストの低い手段が必要であった。
特表2004−512872号公報 特表2004−524065号公報 特開2001−269545号公報
本発明の課題は上記問題点に鑑み、Oリングやセパレーター等の付加的な部品を用いず、切り込みや加熱処理を施さなくてもヘッダー内を液密に区分でき、製造工程が単純化して製造時間が短縮され、ひいてはコスト軽減につながる血液透析濾過モジュールを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、中間希釈型ヘッダーを筒状ハウジングに固定する際に超音波溶着を用いると、ヘッダーの区画部先端も溶融し、その一部が当接する中空糸型血液透析膜の中空部に侵入することにより、固定と同時に封止効果を発揮することを見出した。その結果驚くべきことに、一回の溶着操作だけで、Oリングやセパレータを用いなくても、外部とモジュール内、および第一グループの中空糸型血液透析膜束と第二グループの中空糸型血液透析膜束を液密に区分できることを見出し、本発明を得るに至った。
すなわち本発明は以下を含む。
(1)第一の端部付近で透析液導出口に連通し、第二の端部付近で透析液導入口に連通する筒状ハウジング、
該筒状ハウジングの長手方向に沿って収められた中空糸型血液透析膜束、中空糸型血液透析膜束端部のその外側と筒状ハウジング端部内側とを接着固定するポッティング部を有し、
前記中空糸型血液透析膜両端はポッティング部外側端に於いて開口しており、
前記筒状ハウジングの第二の端部には、置換液導入口を有する第二のヘッダーが液密に固定され、
前記筒状ハウジングの第一の端部には、血液導入口と血液導出口とを有する第一のヘッダーが液密に固定され、
該第一のヘッダーは、中空糸型血液透析膜を血液導入口に連通する第一グループと血液導出口に連通する第二グループとに区画するための、中空糸型血液透析膜束端面に当接するよう延出した区画部を有する血液透析濾過モジュールに於いて、
少なくとも筒状ハウジングの第一の端部と第一のヘッダーの固定が超音波溶着によりなされており、第一のヘッダーの区画部先端で溶融した樹脂の一部が、当接する中空糸型血液透析膜の中空部に侵入していることを特徴とする血液透析濾過モジュール。
(2)前記溶融した樹脂の一部が中空糸内に全周にわたって侵入し、侵入長が0.1mm以上1.0mmである前記1に記載の血液透析濾過モジュール。
(3)前記第一のヘッダーの区画部の区画部根元の肉厚は1.0mm以上2.0mm以下で、区画部先端の肉厚は0.3mm以上1.2mm以下であり、根元から先端に向かって肉厚が小さくなるようなテーパーが設けられている前記1または2に記載の血液透析濾過モジュール。
本発明の血液透析濾過モジュールは、第一のヘッダーを超音波溶着によって筒状ハウジングに固定するだけで、外部とモジュール内、および第一グループの中空糸型血液透析膜束と第二グループの中空糸型血液透析膜束を区画できる。その結果、Oリングやセパレーター等の付加的な部品を用いず、切り込みや加熱処理を施さなくてもヘッダー内を液密に区分でき、製造工程が単純化して製造時間が短縮され、ひいてはコスト軽減につながる血液透析濾過モジュールを得ることができる。
図1は本発明の中間希釈型モジュールの断面模式図である。図1において、モジュールは、中空糸型血液透析膜16が充填された筒状ハウジング1と第一のヘッダー2と第二のヘッダー3という2種類のヘッダーからなる。筒状ハウジング1は、血液導入口10と血液導出口11を備える第一のヘッダー2が固定される側、すなわち第一の端部6付近で透析液導出口11に連通し、他方、第二のヘッダー3が固定される側、すなわち第二の端部7付近で透析液導入口12に連通している。
本発明においては、ヘッダーを超音波溶着するために、筒状ハウジング1は超音波によって溶融する樹脂で形成されていることが必要である。具体的には、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチロール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。血液透析器にはポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂がよく使用されているが、より溶融温度の低い樹脂が好ましく、スチレン・ブタジエンブロック共重合体が特に好ましい。
筒状ハウジング1には長手方向に複数の中空糸型血液透析膜16の束が収容されており、血液がその中空糸型血液透析膜16中を流れる際に、血液中の不要物質が除去される。この中空糸型血液透析膜16の材質としては、ポリスルホン系、ポリアクリロニトリル系、エチレンビニルアルコール系、ポリメチルメタクリレート系などの合成高分子や再生セルロース系、酢酸セルロース系などが広く使われている。
、中空糸型血液透析膜16の外側は筒状ハウジング1の端部内側と液密に固定させるために、ポリウレタンなどのポッティング剤17によって接着固定されている。このポッティング部の外側端、すなわち中空糸型血液透析膜束の第一の端面8および第二の端面9において、中空糸型血液透析膜16は開口している。
筒状ハウジング1の第一の端部6には第一のヘッダー2が液密に固定されており、該ヘッダーの外部には血液導入口10と血液導出口11が、内部には、第一の端面8に当接するように延出した区画部15が設けられている。これにより、中空糸型血液透析膜16は、血液導入口10に連通する第一グループ4と、血液導出口11に連通する第二グループ5とに区画されている。一方、第二の端部7には置換液導入口14を有する第二のヘッダー3が液密に固定されている。
第一のヘッダー2および第二のヘッダー3はそれぞれ筒状ハウジング1の端部6、7に超音波溶着され、液密に固定されている。超音波溶着とは、ある高い周波数の機械的振動を被溶着部に与えることによって局部的に摩擦熱を発生させ、被溶着材料を溶融させながら接合する溶着方法である。超音波溶着は溶着速度が速い、冷却時間がほとんどない、溶着部の気密性が高いなど極めて生産性・信頼性が高い方法であり、本発明のような医療用モジュールのヘッダー固定方法としては有用である。
本発明によれば、第一のヘッダー2を筒状ハウジング1に固定する際に超音波溶着を行うと、第一のヘッダー2と筒状ハウジング1との接触面において溶融が起こり、ヘッダーが固定される。同時に、第一のヘッダー2の内部から延出した区画部15にも振動が伝わり、第一の端面8に当接した区画部15の先端においても溶融が起こる。そして、溶融した樹脂の一部は、区画部先端19と第一の端面8との隙間を埋めつつ固化してシール部となり、他の一部は中空糸型血液透析膜の開口部から中空部に侵入した後、固化してアンカーおよび栓となる。それらの結果、第一のヘッダー2が筒状ハウジング1に液密に固定されると共に、第一のヘッダー2の区画部15によってヘッダーの内部が液密に二分され、中空糸型血液透析膜16も第一グループ4と第二グループ5とに液密に区画されるので、中間希釈型モジュールとしての構造の完成度が高くなる。
上記のとおり、区画部15の先端で溶融した樹脂は、第一の端面8において開口した中空糸中空部へのアンカーおよび栓としての効果を発揮する上で非常に重要である。溶融して中空部に侵入した樹脂の形状を図3に示す。図3(a)は、中空糸型血液透析膜束端と区画部13先端との溶融部から透析膜束端を剥がして見た区画部15の円周部の全体図であり、(b)はこの区画部先端19の拡大図である。これらの図に示すとおり、区画部先端19に中空部のレプリカ様の突起が複数認められ、これは溶融した樹脂が中空部に侵入したことを示している。中空部へのアンカーおよび栓としての効果を高め、区画部15を全周にわたって均一に固定するうえで、これらの侵入部は全周に存在することが好ましい。
溶融した樹脂の中空部への侵入長さは、血液透析濾過療法を行う際の血液入口側の圧力を考慮すると、液密性を発揮するために0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましい。アンカーや栓としての効果はより内部へ侵入するほど高まるが、一方で、長くなるほど樹脂の溶融量が多いことを意味しており、過溶着であったり、区画部15のシール性が却って弱まる可能性もある。従って、より好ましくは0.15mm以上0.75mm以下であり、特に好ましくは0.2mm以上0.6mm以下である。
侵入長さは、樹脂の溶融量すなわち超音波エネルギーの大小によって制御することができる。あるいは、超音波溶着する際に、第二の端部7からエアを吹き込むか吸引することによっても、制御することができる。
ここでいう侵入長は、超音波溶着したヘッダー2を根きりバサミで筒状ハウジングからはがし、区画部先端19をマイクロスコープ(KETENCE 2.1MEGA PIXEL、ズームレンズVH-Z25)で観察し、突起20本から30本の長さの平均から算出した。このとき、少なくとも三箇所の区画部先端19を観察し、突起が極端に短くかつ先端が平面であるものは、ヘッダー2を筒状ハウジング1からはがすときに折れたものとして含めなかった。
本発明においては、超音波溶着の詳細な方法や条件は特に限定されない。図5に示すように、ヘッダーを筒状ハウジングに被せた状態でホーンを近接させ、超音波エネルギーを印加する一般的な手法によればよい。
図2は第一のヘッダー2の断面摸式図である。図2において、区画部15は、ヘッダー内での血液のスムースな流れ性を確保する理由から円筒形状が好ましく、且つ、区画部15の先端だけを適度に効率よく溶融させるために、区画部根元20から区画部先端19に向かって肉厚が細くなるようにテーパーが付いている方が好ましい。しかし、区画部先端19を細くしすぎると、区画部15の強度の低下、第一のヘッダー2自体の射出成型困難性、および血液の第一グループ4から第二グループ5へのショートパスを生じさせる等の問題が発生する可能性がある。一方、区画部先端19を太くしすぎると、区画部15が中空糸型血液透析膜束に接触する面積が大きくなり、血液が流れない透析膜の本数が増加して性能を最大限発揮できない可能性や、区画部先端部19が超音波のエネルギーによって溶け難くなって中空糸型血液透析膜の中空部に十分に侵入できなくなる可能性がある。そのため、区画部根元20の肉厚は1.0mm以上で2.0mm以下が好ましく、区画部先端19の肉厚は根元20の肉厚よりも小さく且つ0.3mm以上1.2mm以下が好ましく、0.4mm以上0.8mm以下であることが更に好ましい。
また、超音波溶着する前の区画部15の長さは、必要以上に長いと中空糸型血液透析膜束を傷つける可能性や筒状ハウジング1と第一のヘッダー2の溶着不良を引き起こす可能性がある。反対に短いと、血液の第一グループ4の中空糸型血液透析膜束から第二グループ5の中空糸型血液透析膜束へのショートパスを生じさせる可能性があり、区画部15としての機能を果たせない。従って、区画部先端19の位置はストッパー18よりも若干筒状ハウジング側に突き出ていることが好ましい。ストッパー18より突き出る長さは0.3から0.6mmが好ましく、0.4から0.5mmがより好ましい。区画部15の長さとは、区画部根元20から区画部先端19までの延出長のことをいう。
本発明においては、第一のヘッダー2の内側周縁部にはストッパー18を具備していることが好ましい。これにより、第一のヘッダー2が筒状ハウジング1に超音波溶着される際に、溶着によって溶けた樹脂が中空糸型血液透析膜束の外周端部に流れ込むことを防止できる。
以上、第一のヘッダー2について詳細に説明したが、第二のヘッダー3については特に限定する必要はなく、従来から血液透析器に用いられている血液ヘッダーを用いればよい。また、第二のヘッダー3の筒状ハウジング1への固定は超音波溶着に限定する必要はなく、ネジ込み式や他の溶着方法を併用しても構わない。
ヘッダーの材質については、超音波溶着により筒状ハウジングに固定する必要性から、また、超音波エネルギーをより効率よく区画部先端19に伝えて溶融させる必要性から、筒状ハウジングについて前記した樹脂を用いる。筒状ハウジングと同様に、スチレン・ブタジエンブロック共重合体が特に好ましい。
以下、本発明の血液透析濾過モジュールを使用するときの血液の流れについて説明する。血液ラインを通って患者から移送された血液は、第一のヘッダー2の血液導入口10を通って第一グループ4の中空糸型血液透析膜内へと導入され、さらに第二のヘッダー3に導入される。この時、透析液は透析液導入口12から透析液導出口13へ流れるので、第一グループ4での血液の流れは透析液に対して向流となる。その結果、濾過も起こるが主として低分子量尿毒素の拡散除去が促進される。
第二のヘッダー3に導入された血液は、置換液導入口14から導入された置換液と該ヘッダー内部で混合される。置換液と混合され、希釈された血液は、第二グループ5の中空糸型血液透析膜を通って血液導出口11から導出され、患者の体内にもどされる。この時、透析液は透析液導入口12から透析液導出口13へ流れるので、第二グループ5での血液の流れは透析液に対して並流となる。その結果、拡散も起こるが主として濾過によって、タンパク性の尿毒素の除去が促進される。
このように、一つのモジュール内で拡散効果と濾過効果により尿毒素が除去されるため、効率の良い血液浄化が達成される。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではない。
スチレン・ブタジエンブロック共重合体を使って、図1に示される形状の筒状ハウジング1、第一のヘッダー2および第二のヘッダー3を作製した。さらに図4(a)に示されるように第一の端部6の外径aを54.8mmとした筒状ハウジング1に、内径185μm、膜厚45μmのポリスルホン系中空糸膜からなる束を充填率が58%、有効膜面積が2.1m2となるように収容し、両端部をポリウレタン樹脂により液密にポッティングした後、切断して切断面に中空糸膜の開口部を形成した。
第一のヘッダー2は、図1および4に示すとおり、血液導入口10が第一のヘッダー2の側面に位置し、血液導出口11はそれに対して垂直で、第一のヘッダー中央に位置するように設計したものを用いた。ヘッダーから延出する区画部15は円筒形状で、区画部根元20から区画部先端19に向かって0.4mmのテーパーをかけた。つまり、図4(b)における区画部根元20はb=1.0mm、区画部先端19はc=0.6mmとした。区画部15は第一のヘッダー内部の中央、すなわち血液導出口11と中心軸が一致するように設置した。
次に、筒状ハウジング1の第一の端部6に第一のヘッダー2を被せ、筒状ハウジング1の透析液導出口11のすぐ下の円周部をアンビル28で固定することにより、超音波溶着機(ブランソン社製、型式2000aed)にセットした。その様子を図5に示す。この状態で、第一のヘッダー2内部と第一の端部6とが接触した部分が被溶着部22となる。また、図6にホーンの側面図、図7にホーンの下部の模式図を示す。ホーンには、血液導入口10と接触しないように4箇所に切り込み24を入れた。
次に、第一のヘッダー2の縦方向から超音波振動を伝達した。溶着条件は、押し圧140kPa、エネルギー125J、トリガー310N、ダウンスピード60mm/秒、ホールドタイム0.5秒で行った。
また、筒状ハウジング1の反対側には第二のヘッダー3を同様の条件で超音波溶着し、これにより本発明の血液透析濾過モジュールを得た。
上記のモジュールにおける第一グループと第二グループの区画性の確認は、モジュール内に蒸留水を充填した状態で、ビタミンB12水溶液(361nmでのUV吸光度が約0.20)を血液導入口10から置換液導入口14に流した。三分後、それぞれにキャップをした後、血液導出部11の充填水をサンプリングし、その充填水の吸光度を測定することにより判断した。
この試験方法によれば、血液導出口11からサンプリングした液にはビタミンB12に由来するUV吸収は認められず、第一のグループ4と第二のグループ5が液密に区画されていることが確認できた。
試験後のモジュールを解体し、区画部先端19の第一の端面8との接触部を観察すると、区画部先端19が第一の端面8に押し付けられ、溶融した樹脂が中空糸型血液透析膜の中空部に入り込んだ跡が見られた。図3(a)(b)にその様子を示した。特に図3(b)に示すとおり、区画部先端17には中空部のレプリカ様の突起が何本も形成されていた。一方、図示しないが、第一のヘッダー2を取り外した第一の端面8においては、区画部先端19が接触していた中空糸膜の中空部に溶融した樹脂の一部が残っていた。
本発明の血液透析濾過モジュールは、慢性腎不全患者の治療に有用に用いられ、血液透析に劣らない低分子物質除去効果と血液透析より優れた低分子タンパク質除去効果が期待できる。
本発明の実施形態に基づく中間希釈型モジュールの断面模式図である。 区画部を有した第一のヘッダーの断面模式図である。 (a)は、円周状の区画部先端の拡大写真、(b)は区画部先端の拡大写真である。 (a)は筒状ハウジング、(b)は第一のヘッダーを拡大し区画部の寸法を示した図である。 第一のヘッダーと筒状ハウジングを超音波溶着機にセットした模式図である。 ホーンの側面図である。 ホーンを下部から見た図である。
符号の説明
1.筒状ハウジング
2.第一のヘッダー
3.第二のヘッダー
4.第一グループ
5.第二グループ
6.第一の端部
7.第二の端部
8.第一の端面
9.第二の端面
10.血液導入口
11.血液導出口
12.透析液導入口
13.透析液導出口
14.置換液導入口
15.区画部
16.中空糸型血液透析膜
17.ポッティング剤
18.ストッパー
19.区画部先端
20.区画部根元
21.ホーン接触部
22.被溶着部
23.ホーン
24.切り込み
25.ヘッダーとの接触部
26.本体への接続部
27.超音波振動機
28. アンビル

Claims (3)

  1. 第一の端部付近で透析液導出口に連通し、第二の端部付近で透析液導入口に連通する筒状ハウジング、
    該筒状ハウジングの長手方向に沿って収められた中空糸型血液透析膜束、中空糸型血液透析膜束端部のその外側と筒状ハウジング端部内側とを接着固定するポッティング部を有し、
    前記中空糸型血液透析膜両端はポッティング部外側端に於いて開口しており、
    前記筒状ハウジングの第二の端部には、置換液導入口を有する第二のヘッダーが液密に固定され、
    前記筒状ハウジングの第一の端部には、血液導入口と血液導出口とを有する第一のヘッダーが液密に固定され、
    該第一のヘッダーは、中空糸型血液透析膜を血液導入口に連通する第一グループと血液導出口に連通する第二グループとに区画するための、中空糸型血液透析膜束端面に当接するよう延出した区画部を有する血液透析濾過モジュールに於いて、
    少なくとも筒状ハウジングの第一の端部と第一のヘッダーの固定が超音波溶着によりなされており、第一のヘッダーの区画部先端で溶融した樹脂の一部が、当接する中空糸型血液透析膜の中空部に侵入していることを特徴とする血液透析濾過モジュール。
  2. 前記溶融した樹脂の一部が中空糸内に全周にわたって侵入し、侵入長が0.1mm以上1.0mm以下である請求項1に記載の血液透析濾過モジュール。
  3. 前記第一のヘッダーの区画部の区画部根元の肉厚は1.0mm以上2.0mm以下で、区画部先端の肉厚は0.3mm以上1.2mm以下であり、根元から先端に向かって肉厚が小さくなるようなテーパーが設けられている請求項1または2に記載の血液透析濾過モジュール。
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