1.遊技機の構造
実施形態のパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の上下方向及び左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての上下方向及び左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から遠のく方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、及び、音を出力するスピーカ67が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、複数の盤ランプ(例えば左側盤ランプ813や右側盤ランプ823)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、演出画像を表示可能な演出表示装置(演出表示手段)7が設けられている。演出表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した装飾図柄(演出図柄の一例)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う装飾図柄表示領域がある。なお、装飾図柄8L,8C,8Rを表示する演出を装飾図柄変動演出という。装飾図柄変動演出を「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左装飾図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中装飾図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右装飾図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。演出表示装置7は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、演出表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
演出表示装置7は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また演出表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像(第1特図保留に対応する演出保留画像9A及び第2特図保留に対応する演出保留画像9B)を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって演出表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における演出表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
またセンター装飾体10の右下部には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。開閉部材23が開状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図2(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図2(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図2(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図2(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図2(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、センター装飾体10の右方であって電チュー22の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図1に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図3に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
また、本パチンコ遊技機1において、センター装飾体10には、装飾可動部15が設けられている。装飾可動部15は、演出表示装置7よりも前方であって、装飾部材13よりも後方に位置している。図1は、待機位置における装飾可動部15を示しており、そのほとんどが装飾部材13の後方に隠れている。装飾可動部15は、可動式のいわゆるギミックである。
すなわち、装飾可動部15は、図1に示す待機位置から図4に示す演出位置までの間で、図4に矢印Xで示す上下方向(鉛直方向)に移動することができる。図4に示すように、装飾可動部15は、鉛直移動部500と、鉛直移動部500に設けられた装飾回転体510とを有している。また、装飾可動部15の演出位置は、装飾回転体510が、演出表示装置7の表示画面7aの中央付近に重なる位置である。つまり、演出位置は、装飾回転体510が最も目立つような位置である。
装飾可動部15は、鉛直移動部500および装飾回転体510をそれぞれ動作させるため、鉛直移動用モータ501および回転用モータ511を有している。鉛直移動用モータ501は、鉛直移動部500を、待機位置から演出位置までの間で上下方向に移動させるための駆動源である。鉛直移動用モータ501の駆動力の伝達機構には、タイミングベルトやラック&ピニオンなど、公知の駆動機構を採用することができる。
回転用モータ511は、装飾回転体510を、図4に矢印Yで示す向きに回転させることができる駆動源である。回転用モータ511の駆動力の伝達機構には、ギアなど、公知の駆動機構を採用することができる。あるいは、回転用モータ511は、装飾回転体510に直接、接続されていてもよい。そして、回転用モータ511は、装飾回転体510に、その中央を回転軸として演出表示装置7の表示画面7aと平行な面内にて回転する回転演出を行わせることができる。
本形態の装飾回転体510は、野球のボールを模したものである。また、装飾回転体510は、回転演出を、演出位置において行うことができる。さらに、回転演出は、演出における重要な局面において実行される。つまり、本パチンコ遊技機1では、演出時の重要な局面において回転演出が行われることで、演出の興趣性を高めることができるようになされている。なお、本形態における重要な局面とは、大当たり抽選の結果が大当たりであることを遊技者に報知する場面のうちの1つである。このため、本パチンコ遊技機1においては、回転演出は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合にのみ実行される。
また、本パチンコ遊技機1では、回転演出に合わせて、演出表示装置7の表示画面7aに、装飾回転体510を中心とする放射状のエフェクト画像が表示される。これにより、回転演出中の装飾回転体510がより目立つようになされている。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99(演出制御手段に相当)を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(演出表示装置7、スピーカ67、枠ランプ66、左側盤ランプ813や右側盤ランプ823などの盤ランプ、装飾可動部15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。つまりサブ制御部99の構成は、実行予定の演出や遊技機の製造し易さ等に応じて適宜変更可能である。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図5に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に演出表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、演出表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ813,823等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン(図示省略)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。なお、セレクトボタンは、上ボタン、下ボタン、左ボタン、及び右ボタンの4つのボタンからなる十字キーであり、演出ボタン63に隣接して配されている。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して装飾可動部15の鉛直移動用モータ501や回転用モータ511の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動部15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動部15の鉛直移動用モータ501や回転用モータ511の駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
本形態において、装飾可動部15の駆動源である鉛直移動用モータ501および回転用モータ511はともに、駆動パルスに同期して回転するステッピングモータである。本形態では、鉛直移動用モータ501および回転用モータ511はともに、サブ駆動基板107より出力された励磁相の切り替え信号に同期して駆動力を発生させることができる。
図7に、本形態の回転用モータ511を示す。図7に示すように、回転用モータ511は、2相ユニポーラ駆動のものである。そして、φ1、φ2、φ3、φ4への励磁を適宜、切り替えることで、ロータを回転させることができるものである。なお、鉛直移動用モータ501としても、回転用モータ511と同種のものを用いることができる。また、本形態のサブ駆動基板107は、2相励磁(フルステップ駆動)により回転用モータ511および鉛直移動用モータ501を駆動する。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図8に示す通りである。図8に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は9Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。また、特図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_特定図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図2(B)参照)から第1状態(図2(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は15Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過がほぼ不可能となっている。特図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお、図8に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が80%、Vショート大当たり(通常大当たり)が20%となっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す装飾図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の装飾図柄のうち変動表示されている装飾図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている装飾図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す装飾図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている装飾図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では4秒であるが、時短状態では1秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図13及び図14に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図13の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)を行う。始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図9(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ28aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図9(B)参照)を取得する。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(図10(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図12参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特別動作処理(S106)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(図8,図10(A)(B),図11参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。また、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8)や、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図8参照)に従って第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドをRAM84の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S106)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン91に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、それが所定のV有効期間におけるものであれば、VフラグをONにする。また、VフラグがONであれば、この次に実行される特別動作処理(S106)において、確変フラグがONにされる。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。
次に遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S108)を実行する。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図15〜図21に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図15に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S4005)。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い演出表示装置7を用いて各種の演出(装飾図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出)、デモ演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して各ランプを発光させたり、装飾可動部15を動作させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がON、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されると実行される。そして、受信割り込み処理(S4008)では、図16に示すように、主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4101)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図17に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、画像演出等の演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ813,823等を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4404)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って各ランプを所定の発光態様で発光させる。
次いで、後述する駆動制御処理(S4203)、ウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。ウォッチドッグタイマ処理(S4204)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[駆動制御処理]駆動制御処理(S4203)では、画像演出等の演出に合うタイミングで装飾可動部15を動作させる。そのため、図18に示すように、駆動制御処理(S4203)ではまず、演出制御用マイコン91は、装飾可動部15の鉛直移動部500の移動タイミングであるか否かを判定する(S4301)。鉛直移動部500の移動タイミングである場合には(S4301でYES)、鉛直移動用モータ501の励磁相の切り替え (S4302) を行った後、装飾回転体510の回転演出のタイミングであるか否かを判定する(S4303)。一方、鉛直移動部500の移動タイミングでない場合には(S4301でNO)、鉛直移動用モータ501の励磁相の切り替え(S4302)を行うことなく、装飾回転体510の回転演出のタイミングであるか否かを判定する(S4303)。
鉛直移動用モータ501の励磁相の切り替え (S4302) では、サブ駆動基板107によって励磁される鉛直移動用モータ501のコイルを切り替える。これにより、本形態では、鉛直移動部500の動作時において、鉛直移動用モータ501を、1msec間隔で1ステップずつ回転させる。つまり、本形態では、鉛直移動用モータ501の駆動時のパルス周波数は、1000ppsである。なお、鉛直移動部500が待機位置から演出位置まで移動する下降移動時と、演出位置から待機位置まで移動する上昇移動時とでは、鉛直移動用モータ501の回転方向が反対向きとなるように励磁相の切り替えを行う。
次に、装飾回転体510の回転演出のタイミングである場合には(S4303でYES)、回転カウンタの値が「1」または「3」であるか否かを判定する(S4304)。回転カウンタの値が「1」および「3」のいずれかである場合には(S4304でYES)、回転用モータ511の励磁相の切り替え(S4305)を行った後、回転カウンタの値を1インクリメントする(S4306)。一方、回転カウンタの値が「1」および「3」のいずれでもない場合には(S4304でNO)、回転用モータ511の励磁相の切り替え(S4305)を行うことなく、回転カウンタの値を1インクリメントする(S4306)。
続いて、回転カウンタの値が「6」であるか否かを判定する(S4307)。回転カウンタの値が「6」である場合には(S4307でYES)、その値を「1」に更新して本処理を終える。一方、回転カウンタの値が「6」でない場合には(S4307でNO)、「1」に更新することなく、本処理を終える。
このため、回転用モータ511についても、励磁相の切り替え(S4305)では、鉛直移動用モータ501と同様、サブ駆動基板107によって励磁される回転用モータ511のコイルの切り替えを行う。ただし、装飾回転体510の動作時においては、回転用モータ511を、回転カウンタの値を「1」から「5」までの間でカウントしつつ、回転カウンタの値が「1」または「3」である場合にのみ、励磁相を切り替える。これにより、装飾回転体510の動作時においては、回転用モータ511を、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で1ステップずつ回転させる。つまり、回転用モータ511の駆動時には、一定周期ではなく不均等な間隔で励磁相の切り替えが行われる。
また、本形態では、装飾回転体510の動作時における回転用モータ511について、1secに400回、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で励磁相の切り替えを行っている。この1sec当たりの励磁相の切り替え回数は、パルス周波数400ppsに相当する。すなわち、本形態では、回転用モータ511の駆動時の疑似的なパルス周波数が、400ppsとされている。この400ppsは、一定周期で励磁相を切り替えつつ回転用モータ511を制御した場合には発生させることのできないパルス周波数である。この点については、後に詳述する。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図19に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4401)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4402)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4403)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4404)として、後述の受信コマンド解析処理(S4401)での演出選択結果に応じて、ランプデータ(各ランプの点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたりする。また、各種の演出決定用乱数を更新したりする。
[受信コマンド解析処理]図20に示すように、受信コマンド解析処理(S4401)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4501)、受信していれば後述の変動演出開始処理(S4502)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4503)、受信していれば変動演出終了処理(S4504)を行う。変動演出終了処理(S4504)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4505)、受信していればオープニング演出選択処理(S4506)を行う。オープニング演出選択処理(S4506)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4507)、受信していればラウンド演出選択処理(S4508)を行う。ラウンド演出選択処理(S4508)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出(開放遊技演出)のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4509)、受信していればエンディング演出選択処理(S4510)を行う。エンディング演出選択処理(S4510)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4511)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図21に示すように、変動演出開始処理(S4502)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特別動作処理(S106)でセットされた変動パターンの情報や、特図停止図柄データの情報が含まれている。なお、これらの情報を別々のコマンドで取得する構成としてもよい。また、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4602)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図11のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、変動演出の時間、装飾図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、装飾図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。つまり変動演出パターンが決まれば、装飾可動部15の鉛直移動部500の下降移動および上昇移動の実行の有無やそのタイミング、装飾回転体510の回転演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細まで含めて変動演出の内容が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの選択を行う(S4603)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、装飾図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される装飾図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S4604)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4605)、変動演出開始処理を終了する。ステップS4605でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、演出表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
ここで、本形態の駆動制御処理(S4203)では、前述したように、回転用モータ511の励磁相の切り替えを2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で行っている。これにより、励磁相の切り替えを一定周期で行った場合には不可能な回転速度で、回転用モータ511の駆動を行っている。このことについて説明する。
まず、図22には、本形態における駆動制御処理(S4203)とは異なり、2msec周期で回転用モータ511の励磁相を切り替えた場合の励磁シーケンスの例を示している。前述したように、駆動制御処理(S4203)は、1msタイマ割り込み処理(S4009)において実行される処理である。このため、図22の例では、1msec周期で実行される駆動制御処理(S4203)での回転用モータ511の励磁相の切り替えを、1つおきの駆動制御処理(S4203)において行っている。すなわち、予め定められた一定の設定周期である1msec周期ごとに励磁相を切り替えるか否かを判定し、その設定周期の2倍である2msec周期で回転用モータ511の励磁相を切り替えることとしている。そして、図22の例では、回転用モータ511の励磁相の切り替えに係るパルス周波数は、500ppsである。
また、図23には、本形態における駆動制御処理(S4203)とは異なり、3msec周期で回転用モータ511の励磁相を切り替えた場合の励磁シーケンスの例を示している。このため、図23の例では、1msec周期で実行される駆動制御処理(S4203)での回転用モータ511の励磁相の切り替えを、2つおきの駆動制御処理(S4203)において行っている。すなわち、一定の設定周期である1msec周期ごとに励磁相を切り替えるか否かを判定し、その設定周期の3倍である3msec周期で回転用モータ511の励磁相を切り替えることとしている。そして、図23の例では、回転用モータ511の励磁相の切り替えに係るパルス周波数は、約333ppsである。
すなわち、図22、図23のそれぞれに示す励磁シーケンスの例はともに、従来通り、一定周期で回転用モータ511の励磁相を切り替えたときのものである。そして、励磁相の切り替えの周期を、設定周期である1msecの1以上の整数倍とした場合、その励磁相の切り替えのパルス周波数は、段階的に定まってしまうことがわかる。具体的には、1msecの設定周期の2倍を励磁相の切り替えの周期とした場合のパルス周波数500ppsと、1msecの設定周期の3倍を励磁相の切り替えの周期とした場合のパルス周波数約333ppsとの間のパルス周波数は、従来、発生させることができなかったものであることがわかる。
これに対し、図24には、本形態の駆動制御処理(S4203)における回転用モータ511の励磁シーケンスを示している。つまり、図24は、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で回転用モータ511の励磁相を切り替えた場合の励磁シーケンスである。そして、前述したように、この本形態の励磁シーケンスでは、パルス周波数を見かけ上、400ppsとすることができる。そして、この400ppsは、従来発生させることができなかった、500ppsと約333ppsとの間のパルス周波数である。
よって、本形態のパチンコ遊技機1では、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で回転用モータ511の励磁相を切り替えることで、従来発生させることができなかったパルス周波数を疑似的に発生させつつ回転用モータ511を駆動させていることがわかる。すなわち、本形態では、これまで不可能であった回転速度での回転を、装飾回転体510に行わせることができる。従って、本形態に係るパチンコ遊技機1は、これまでにはない回転速度で装飾回転体510を回転させることで、新たな興趣を提供することが可能である。
すなわち、本形態に係るパチンコ遊技機1の構成においては、装飾回転体510を、回転用モータ511により、500ppsのパルス周波数で駆動することが困難である。回転用モータ511の出力性能上、トルクが不足してしまい、装飾回転体510をその回転演出の時間だけ回転させようとしたとしても、脱調が生じてしまうおそれがあるからである。すなわち、500ppsは、その1周期分の時間が、回転演出の期間中に回転用モータ511が同期して駆動されないことがある最低のパルス周波数である非同期パルス周波数の1周期分の時間以下だからである。
このため、装飾回転体510の回転駆動に、500ppsのパルス周波数を用いることはふさわしくない。前述したように、回転演出は演出における重要な局面で実行されるものである。そして、回転用モータ511に脱調が生じてしまった場合には、装飾回転体510の回転が重要な局面で停止してしまうおそれがある。あるいは、演出における重要な局面で、装飾回転体510が、本来の回転演出とは異なった挙動で動作してしまうおそれもある。よって、装飾回転体510の回転駆動に500ppsのパルス周波数を用いた場合には、演出の興趣性を低下させてしまうおそれがあるからである。
一方、本形態に係るパチンコ遊技機1の構成においては、装飾回転体510を、回転用モータ511により、約333ppsのパルス周波数で駆動することは可能である。約333ppsは、その1周期分の時間が、非同期パルス周波数の1周期分の時間よりも長いからである。しかし、約333ppsでは、装飾回転体510を、遊技者に十分なインパクトを与えるほどの回転速度で回転させることができない。つまり、約333ppsで装飾回転体510を回転させた場合には、装飾回転体510の回転速度が遅く、演出における重要な局面での興趣が乏しいものとなってしまうおそれがある。
これらに対し、本形態に係るパチンコ遊技機1においては、装飾回転体510を、回転用モータ511により、見かけ上、400ppsのパルス周波数で駆動することができる。これにより、回転用モータ511の脱調を抑制することができる。また、見かけ上、400ppsのパルス周波数で装飾回転体510に回転演出を行わせたときには、遊技者に十分なインパクトを与えることができる。よって、本形態のパチンコ遊技機1では、回転演出において、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で回転用モータ511の励磁相を切り替えることで、演出における重要な局面での興趣を、回転演出によって十分に高めることができる。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1は、回転用モータ511、装飾回転体510、演出制御用マイコン91を有している。回転用モータ511は、励磁相の切り替えに同期して駆動力を発生させる。装飾回転体510は、回転用モータ511の駆動力によって回転演出を行う。演出制御用マイコン91は、サブ駆動基板107により、回転用モータ511の励磁相を、第1の間隔である2msec間隔と、第2の間隔である3msec間隔とで切り替える。これにより、これまでは不可能であった回転速度で、装飾回転体510に回転演出を行わせることが可能である。よって、可動体によって興趣性の高い演出を行うことが可能な遊技機が実現されている。
また本形態のパチンコ遊技機1の演出制御用マイコン91は、回転演出中において、サブ駆動基板107により、回転用モータ511の励磁相を、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で切り替えている。よって、2msecの一定周期で励磁相の切り替えを行った場合にも、3msecの一定周期で励磁相の切り替えを行った場合にも不可能な、それらの間の回転速度で、装飾回転体510に回転演出を行わせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1においては、前述したように、500ppsは、その1周期分の時間が、回転演出中に回転用モータ511が同期して駆動されないことがある最低のパルス周波数である非同期パルス周波数の1周期分の時間以下のパルス周波数である。つまり、第1の間隔である2msecは、回転演出の期間中に回転用モータ511が励磁相の切り替えに同期して駆動されないことがある最長の励磁相の切り替えの周期である非同期周期以下の時間である。
また、約333ppsは、その1周期分の時間が、非同期パルス周波数の1周期分の時間よりも長い時間のパルス周波数である。つまり、第2の間隔である3msecは、非同期周期よりも長い時間である。このため、本形態のパチンコ遊技機1では、500ppsでは生じてしまう脱調を抑制しつつ、約333ppsよりも速い、興趣性の高い回転速度で、装飾回転体510に回転演出を行わせることが可能である。
なお、回転用モータ511の励磁相を2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で切り替えた場合、瞬間的には、500ppsで回転しているとも考えられる。瞬間的には、500ppsのときと同じ、非同期周期以下の時間である2msec間隔で、励磁相を切り替えていることがあるからである。このため、2msec間隔で励磁相を切り替えたときに、瞬間的には、ロータは、その励磁相の切り替えに完全には同期していない場合もあると考えられる。
しかし、本形態では、2msec間隔で励磁相を切り替えた後、非同期周期よりも長い3msec間隔で励磁相を切り替えている。このため、2msec間隔で励磁相を切り替えたときに完全には同期できず、わずかに遅れていたロータが、次の3msec間隔での励磁相の切り替えの際に追いつくことで、脱調が抑制されているものと考えられる。よって、本形態のように、非同期周期以下の第1の間隔と、非同期周期よりも長い第2の間隔との交互の間隔で励磁相を切り替えることで、脱調による同期不良を生じさせることなく、回転用モータ511を制御できるものと考えられる。
また前述したように、本形態のパチンコ遊技機1では、回転用モータ511について、1msecの設定周期に対し、その2倍である2msec間隔(第1の間隔)と、3倍である3msec間隔(第2の間隔)との交互の間隔で励磁相を切り替えている。つまり、第2の間隔の設定周期に対する比が、第1の間隔の設定周期に対する比に1を加えた比となるようにしている。すなわち、第1の間隔と第2の間隔とを、これらの差が最も小さくなるように設定している。このため、本形態では、不均等な間隔で回転用モータ511の励磁相の切り替えを行っているにも関わらず、回転用モータ511を滑らかに回転させることが可能である。よって、装飾回転体510の回転演出を滑らかに行うことができるため、遊技者には、装飾回転体510が、一定の自然な速度で回転しているように視認させることが可能である。
さらに、本形態のパチンコ遊技機1では、第1の間隔を非同期周期以下の間隔とし、第2の間隔を非同期周期よりも長い間隔とするとともに、第1の間隔と第2の間隔との差が最も小さくなるように設定している。このため、回転用モータ511を、脱調による同期不良の生じない範囲で最も速い回転速度で駆動することが可能となっている。そして、一般的には、装飾回転体510の回転速度が速いほど、遊技者に与えるインパクトは大きなものとなる。つまり、装飾回転体510に、これまで設定できなかった最高の回転速度で、最もインパクトのある回転演出を行わせることができる。これにより、装飾回転体510による回転演出の興趣性を、最大限に高めることが可能となっている。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。
例えば、上記形態では、装飾回転体510の駆動源である回転用モータ511についてのみ、励磁相の切り替えを、第1の間隔と第1の間隔よりも長い第2の間隔とで行っている。しかし、例えば、鉛直移動部500の駆動源である鉛直移動用モータ501について、励磁相の切り替えを、第1の間隔と第1の間隔よりも長い第2の間隔とで行ってもよい。すなわち、本発明は当然、回転動作を行う可動部についての駆動部だけではなく、直線動作を行う可動部についての駆動部にも適用することが可能である。さらには、回転動作と直線動作とを混合させた軌道で動作する可動部についての駆動部にも適用することが可能である。
また例えば、上記形態では、第1の間隔を2msec間隔とし、第2の間隔を3msec間隔としている。しかし、第1の間隔および第2の間隔はそれぞれ、2msec間隔および3msec間隔に限られず、当然、これとは異なる間隔とすることも可能である。また、上記形態では、駆動制御処理(S4203)を、1msタイマ割り込み処理(S4009)において行っている。しかし、1msタイマ割り込み処理(S4009)の実行周期は、当然、1msec周期に限られるものではない。つまり、駆動制御処理(S4203)が実行される設定周期は、1msec周期に限られるものではない。
また例えば、上記形態では、装飾回転体510の回転演出が実行される、演出における重要な局面を、大当たり抽選の結果が大当たりであることを遊技者に報知する場面のうちの1つとし、回転演出を、大当たり抽選の結果が大当たりである場合にのみ実行するものとして説明している。しかし、装飾回転体510の回転演出は、例えば、大当たりでない場合に実行することとしてもよい。また例えば、大当たりである場合と大当たりでない場合との両方において実行することとしてもよい。
具体的に、例えば、装飾回転体510の回転演出を、大当たりの期待度に合わせて実行することが可能である。すなわち、例えば、装飾回転体510の回転演出を、大当たりである場合の演出と、大当たりには当選していないものの大当たりに当選している期待度が高い演出とに合わせて実行し、大当たりに当選している期待度が低い演出中には実行しないこととすることが可能である。大当たりには当選していないものの大当たりに当選している期待度が高い演出とは、例えば、強SPリーチ等(図11)である。
また例えば、上記形態では、装飾回転体510の回転演出時には、回転用モータ511の励磁相の切り替えを、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔でのみ行うこととしている。しかし、上記のパチンコ遊技機1の例では、回転用モータ511は、励磁相の切り替えを、3msecの一定周期で行うことも可能であるとしている。よって、回転用モータ511の励磁相の切り替えを、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔で行う場合と、3msecの一定周期で行う場合とを設けてもよい。すなわち、回転用モータ511の励磁相の切り替えを、第1の間隔または第2の間隔の一定周期で行うことが可能である場合、それらの制御についても行うこととしてもよい。
具体的に、例えば、演出制御用マイコン91は、回転用モータ511の励磁相の切り替えを、第1の間隔と第2の間隔との交互の間隔で行う交互切替制御と、第1の間隔または第2の間隔の一方の間隔のみの一定間隔で行う一定切替制御とを行うものであってもよい。この場合、交互切替制御により、装飾回転体510を、第1の間隔で一定切替制御を行った場合の回転速度と第2の間隔で一定切替制御を行った場合の回転速度との間の回転速度で回転させることが可能である。これにより、第1の間隔で一定切替制御を行ったときの回転速度と第2の間隔で一定切替制御を行ったときの回転速度との間の回転速度を交互切替制御によって新たに使用できるため、従来よりも多くの種類の回転速度を用いた演出のバリエーションを作り出すことが可能となる。さらには、交互切替制御を行ったときと一定切替制御を行ったときとの装飾回転体510の回転の速度差を、第1の間隔で一定切替制御を行ったときと第2の間隔で一定切替制御を行ったときの装飾回転体510の回転の速度差よりも、小さなものとすることが可能である。これにより、交互切替制御と一定切替制御とのわずかな速度差を用いた演出のバリエーションを作り出すことが可能となる。よって、演出効果を高めることが可能となる。
また例えば、上記形態では、図18に示す駆動制御処理(S4203)のフローからわかる通り、装飾回転体510の回転演出の開始から終了までにかけて、回転用モータ511の励磁相の切り替えを、2msec間隔と3msec間隔との交互の間隔でのみ行っている。しかし、例えば、装飾回転体510の回転演出の開始時には、回転用モータ511の回転を加速させるためのスローアップ制御を行うこととしてもよい。また例えば、装飾回転体510の回転演出の終了時には、回転用モータ511の回転を減速させるスローダウン制御を行うこととしてもよい。そして、例えば、このようなスローアップ制御とスローダウン制御とをともに行う場合、回転用モータ511の励磁相の切り替えを第1の間隔と第2の間隔との交互の間隔で行う期間は、スローアップ制御の終了時からスローダウン制御の開始時までとなる。
また例えば、上記形態では、回転用モータ511を、2相ユニポーラ駆動のものとして説明している。しかし、回転用モータ511は、2相ユニポーラ駆動のものに限られるものではない。例えば、回転用モータ511として、2相バイポーラ駆動のものを用いることもできる。また例えば、回転用モータ511として、2相以外の相数のものを用いることもできる。
また例えば、上記形態では、サブ駆動基板107を、励磁相の切り替えを2相励磁により行うものとして説明している。しかし、サブ駆動基板107は、励磁相の切り替えを1相励磁または1−2相励磁により行うものであってもよい。具体的に、1−2相励磁により励磁相の切り替えを行う場合、その励磁シーケンスは、例えば、図25に示すようなものとすることができる。
また例えば、上記形態では、第2の間隔の設定周期に対する比を、第1の間隔の設定周期に対する比に1を加えた比としている。これにより、第1の間隔と第2の間隔との差を最も小さくなるようにし、遊技者に装飾回転体510が滑らかに動作しているように視認させている。しかし、第2の間隔の設定周期に対する比を、第1の間隔の設定周期に対する比に2以上の整数を加えた比とすることで、第1の間隔と第2の間隔との差が大きくなるようにしてもよい。そして、この場合には、遊技者に、装飾回転体510がカクカクとしたぎこちない動作をしているように視認させることができる。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の手段1〜8の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
励磁相の切り替えに同期して駆動力を発生させることが可能な駆動部(回転用モータ511)と、
前記駆動部の駆動力によって動作する演出可動体(装飾回転体510)と、
設定した時間間隔で前記励磁相を切り替える切替手段(演出制御用マイコン91)と、を有し、
前記切替手段が、第1の間隔(2msec間隔)と前記第1の間隔よりも長い第2の間隔(3msec)とで前記励磁相を切り替えるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1の間隔での励磁相の切り替えと、第2の間隔での励磁相の切り替えとを組み合わせることで、一定周期のみでの励磁相の切り替えでは不可能な速度で、演出可動体を動作させることが可能となる。すなわち、演出可動体の動作速度を微調整することが可能であることで、演出可動体によって興趣性の高い演出を行うことが可能な遊技機が提供されている。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記切替手段が、前記駆動部の予め定められた第1の駆動期間(回転演出)中、前記第1の間隔と前記第2の間隔との交互の間隔で前記励磁相を切り替える(ステップS4303からS4308まで)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の間隔と第2の間隔との交互の間隔で励磁相を切り替えることで、第1の間隔の一定周期で励磁相を切り替えた場合と、第2の間隔の一定周期で励磁相を切り替えた場合との間の速度で、第1の駆動期間の間、演出可動体を連続して動作させることが可能となる。これにより、興趣性の高い演出を行うことが可能となる。
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機において、
前記駆動部の予め定められた第2の駆動期間中、前記第1の間隔および前記第2の間隔のいずれか一方の一定周期で前記励磁相を切り替える一定切替手段を有することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の駆動期間と第2の駆動期間とにおける演出可動体の動作速度の速度差を、一定周期で励磁相を切り替えた場合には不可能なほど小さくすることが可能である。これにより、演出可動体を、第1の駆動期間では、第2の駆動期間よりも、従来では不可能であった程度だけわずかに速いまたはわずかに遅い速度で動作させることが可能である。よって、演出効果を高めることが可能である。
手段4に係る発明は、
手段2に記載の遊技機において、
前記駆動部の予め定められた第2の駆動期間中、前記第1の間隔の一定周期で前記励磁相を切り替える第1の一定切替手段と、
前記駆動部の予め定められた第3の駆動期間中、前記第2の間隔の一定周期で前記励磁相を切り替える第2の一定切替手段とを有することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の駆動期間と第2の駆動期間とにおける演出可動体の動作速度の速度差、および、第1の駆動期間と第3の駆動期間とにおける演出可動体の動作速度の速度差を、第2の駆動期間と第3の駆動期間とにおける演出可動体の動作速度の速度差よりも小さくすることが可能である。つまり、演出可動体を、第1の駆動期間では、従来では不可能であった、第2の駆動期間の動作速度と第3の駆動期間の動作速度との間の動作速度で動作させることが可能である。よって、演出効果を高めることが可能である。
手段5に係る発明は、
手段2から手段4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1の間隔が、前記第1の駆動期間中に前記駆動部が前記励磁相の切り替えに同期して駆動されないことがある最長の前記励磁相の切り替えの周期である非同期周期以下の時間であり、
前記第2の間隔が、前記非同期周期よりも長い時間であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、その一定周期で励磁相を切り替えた場合には脱調のおそれのある第1の間隔を用いているにも関わらず、脱調による同期不良を抑制することができる。
手段6に係る発明は、
手段1から手段5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記切替手段が、
予め定められた周期である設定周期ごとに前記励磁相を切り替えるか否かを判定(1msec周期で実行される駆動制御処理(S4203))するとともに、
前記第2の間隔を、その前記設定周期に対する比が、前記第1の間隔の前記設定周期に対する比に1を加えた比となる間隔とするものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の間隔と第2の間隔との差を最も小さく設定しているため、第1の間隔と第1の間隔とは異なる第2の間隔とで励磁相の切り替えを行っているにも関わらず、演出可動部を滑らかに動作させることが可能である。よって、遊技者に、演出可動体が一定の自然な速度で動作しているように視認させることが可能である。
手段7に係る発明は、
手段1から手段5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記切替手段が、
予め定められた周期である設定周期ごとに前記励磁相を切り替えるか否かを判定(1msec周期で実行される駆動制御処理(S4203))するとともに、
前記第2の間隔を、その前記設定周期に対する比が、前記第1の間隔の前記設定周期に対する比に2以上の整数を加えた比となる間隔とするものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の間隔と第2の間隔との差が大きくなるように設定しているため、演出可動体に、一定周期で励磁相を切り替えたときには不可能な、カクカクとしたぎこちない動作を行わせることが可能である。よって、演出効果を高めることが可能である。
手段8に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記切替手段が、前記駆動部の予め定められた第1の駆動期間(回転演出)中、予め定められた周期である設定周期ごとに前記励磁相を切り替えるか否かを判定(1msec周期で実行される駆動制御処理(S4203))するとともに、前記第1の間隔と前記第2の間隔との交互の間隔で前記励磁相を切り替える(ステップS4303からS4308まで)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1の駆動期間の間、第1の間隔と第2の間隔との交互の間隔で励磁相を切り替える。このため、第1の駆動期間の間、第1の間隔の一定周期で励磁相を切り替えた場合と、第2の間隔の一定周期で励磁相を切り替えた場合との間の速度で、演出可動体を連続して動作させることが可能となる。これにより、興趣性の高い演出を行うことが可能となる。