JP2023163256A - 遊技機 - Google Patents

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卓人 市原
Takuto Ichihara
海 藤原
Umi Fujiwara
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Abstract

【課題】遊技機前面側に設けられた可動部が作動する演出を備えた遊技機の興趣を向上させること。【解決手段】遊技機前面側に設けられた演出ボタン(演出可動部)を振動(作動)させるボタン振動予告(作動演出)を、変動演出(表示演出)の進行に伴って実行可能とする。そして、変動演出において、当落報知演出表示として当選報知演出表示(特定演出表示)が表示される場合と、落選報知演出表示(非特定演出表示)が表示される場合とのうち、少なくとも前者の場合が生じる変動演出の実行期間中に、ボタン振動予告が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能となるように構成する。これにより、変動演出中のボタン振動予告に対する遊技者の関心を高めて、変動演出において当落報知演出表示が表示(判定の結果が報知)される前の興趣を向上させることが可能となる。【選択図】図44

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、所定条件の成立に基づいて実行される判定(例えば当否判定)の結果が特定結果(例えば大当り)である場合に、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば特別遊技状態)に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機において、遊技球を発射するための操作ハンドルユニットに設けられたハンドルボタン(可動部)が突出動作する演出を備えた遊技機がある(例えば特許文献1を参照)。
特開2016-154713号公報
特許文献1の遊技機のように、遊技機前面側に設けられたハンドルボタン等の可動部が作動する演出は、リーチ演出中などの限られた一の時期(例えば、1回の操作有効期間内)に実行されることが多い。しかしながら、そうした演出の実行時期(実行回数)があまりにも限られてしまうのでは、演出に対する関心が薄れてしまい、興趣を向上させることができない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技機前面側に設けられた可動部が作動する演出を備えた遊技機の興趣を向上させることにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
手段1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて実行される判定の結果が特定結果である場合に、遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能な遊技機であって、
所定の演出表示を表示可能な演出表示部と、
当該遊技機の前面側を構成する部材に作動可能に設けられた演出可動部と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記演出として、前記判定の結果を報知する演出表示を前記演出表示部に表示させる表示演出と、前記演出可動部を作動させる作動演出と、を実行可能であり、
前記表示演出は、所定の実行期間に亘って実行される演出であり、
前記表示演出において、前記判定の結果が前記特定結果である旨を報知する特定演出表示が表示される場合と、前記判定の結果が前記特定結果でない旨を報知する非特定演出表示が表示される場合とのうち、少なくとも前記特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に、前記作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、判定の結果を報知する演出表示を演出表示部に表示させる表示演出や、遊技機前面側の演出可動部を作動させる作動演出が、遊技の進行に伴って実行可能とされる。そして、判定の結果が特定結果である旨を報知する演出表示(特定演出表示)が表示される表示演出と、判定の結果が特定結果でない旨を報知する演出表示(非特定演出表示)が表示される表示演出とのうち、少なくとも特定演出表示が表示される表示演出の実行期間中(表示演出中)に、作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる。このため、表示演出の開始から終了までの間に、作動演出が所定の時間間隔を空けて2回以上実行される可能性がある。これにより、表示演出中の作動演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となり、延いては、遊技機前面側に設けられた可動部(演出可動部)が作動する演出(作動演出)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
手段2の遊技機は、前述した手段1の遊技機において、
前記表示演出において前記非特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に、前記作動演出が1回実行可能とされる
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、特定演出表示が表示される表示演出の実行期間中においては、作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる一方、非特定演出表示が表示される表示演出の実行期間中においては、作動演出が1回実行可能とされる。このため、表示演出中に作動演出が1回しか実行されないのであれば、当該表示演出で特定演出表示が表示されないことが確定する、といった遊技性が実現される。これにより、表示演出中の作動演出に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。
手段3の遊技機は、前述した手段1又は2の遊技機において、
前記表示演出において前記非特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に前記作動演出が実行される場合、前記作動演出は前記表示演出の開始に伴って実行されず、
前記表示演出において前記特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に前記作動演出が実行される場合、前記作動演出は前記表示演出の開始に伴って実行可能とされる
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、非特定演出表示が表示される表示演出では、当該表示演出の開始に伴って作動演出が実行されることはない一方、特定演出表示が表示される表示演出では、当該表示演出の開始に伴って作動演出が実行され得るものとなる。このため、表示演出の開始に伴って作動演出が実行されれば、当該表示演出で特定演出表示が表示される(すなわち、判定の結果が特定結果である)ことが確定する、といった遊技性が実現される。これにより、表示演出が開始されるときの興趣を高めることが可能となる。
手段4の遊技機は、前述した手段3の遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記表示演出の開始に伴って実行可能とされる前記作動演出の有無を前記操作手段の操作により設定可能な設定手段と、を備え、
前記作動演出を有りとする設定がなされると、前記表示演出において前記特定演出表示が表示される場合の当該表示演出の開始に伴って前記作動演出が実行可能とされる
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、表示演出の開始に伴って実行可能とされる作動演出の有無を、遊技者が操作手段を操作して設定することが可能とされる。このため、特定演出表示が表示される表示演出の開始に伴う作動演出の有無を、遊技者が自由に選択できるようになる。これにより、特定演出表示が表示される場合の演出を遊技者の好みに合わせることが可能となる。
以上の本発明によれば、遊技機前面側に設けられた可動部が作動する演出を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能である。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 保留アイコン予告処理のフローチャートである。 演出例1の第1~第5ボタン振動予告パターン及び各パターンのボタン振動予告を伴う変動演出(変動遊技)の開始から終了までの流れを示すタイミングチャートである。 演出例1のボタン振動予告パターン決定テーブルである。 演出例2の第1~第3特定大当り遊技演出パターン及び各パターンの作動演出を伴う大当り遊技表示演出(大当り遊技状態)の開始から終了までの流れを示すタイミングチャートである。 演出例2の特定大当り遊技演出パターン決定テーブルである。 (A)は演出例3の示唆表示演出が表示される表示画面の一例を示す図であり、(B)は演出例4の示唆表示演出が表示される表示画面の一例を示す図である。 (A)~(C)は演出例3の第1表示演出が表示される表示画面の一例を示す図であり、(D)は演出例3の第2表示演出が表示される表示画面の一例を示す図である。 (A)~(C)は演出例4の第1表示演出が表示される表示画面の一例を示す図であり、(D)は演出例4の第2表示演出が表示される表示画面の一例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、遊技盤面に向けて遊技球を発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に本発明を適用した例を説明する。
なお、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の表面側(手前側)であって、遊技時に遊技者が位置する側のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
本実施例のパチンコ遊技機1は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄が変動表示した後に停止表示する図柄変動遊技(単に「変動遊技」ともいう。)を行い、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「デジパチタイプ」のパチンコ遊技機である。
図1~図3に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技盤2は遊技機枠50に対して着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態を示す。
遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等が取り付けられる本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されている。前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留可能であり貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留可能な余剰球受皿(下皿)62が設けられている。前面枠51や当該前面枠51に設けられる上皿61、下皿62等のことを「前面構成部材」ともいう。
前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう。)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者が入力を行う際に用いる入力手段として機能するものであり、遊技者が操作可能な操作手段としても機能するものである。遊技者等は、遊技の状況や実行される遊技演出の種類等に応じて、使用(操作)する演出ボタン(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)を使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。本実施例では、前面枠51のうち上皿61の上面(天面)に第1演出ボタン63aが設けられており、下皿62の左側前面に第2演出ボタン63bが設けられている。
第1演出ボタン63aは、所定の作動態様で作動可能な可動式の操作手段として構成されている。本実施例では、その作動態様を振動としている。第1演出ボタン63aの振動は、例えば、第1演出ボタン63aを、偏心モータ(振動モータ)を含む演出ボタンユニット(演出ボタン装置)として構成し、偏心モータを駆動させることにより実現することができる。このように作動(振動)可能に構成される第1演出ボタン63aは、パチンコ遊技機1の前面側(前面構成部材)に作動可能に設けられた演出用の可動部(「演出可動部」ともいう。)として機能する。
なお、第1演出ボタン63aの作動態様は振動に限られず、例えば、上方への突出や回転等としてもよく、振動、突出、回転等の複数種の作動態様の中から演出パターンに基づいて選択された作動態様で作動可能となるようにしてもよい。また、第2演出ボタン63bも所定の作動態様で作動可能に構成してもよい。
また、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、レバータイプの入力手段(操作手段)であってもよいし、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う接触式の入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技盤2(遊技領域3)は、前面枠51に設けられる窓部(視認窓)を介してパチンコ遊技機1の手前側(遊技者側)から視認可能とされる(図1を参照)。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技盤2の中央付近(遊技領域内)には画像表示装置7(演出表示装置、図柄表示装置)が設けられている。画像表示装置7は液晶表示器(液晶ディスプレイ)を備えてなるもので、その表示画面7aが遊技盤2(遊技領域3)の略中央に設けられた開口を介して前方から視認可能となるように、遊技盤2の裏面側に設けられる。
画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう。)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、当該演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
本実施例では、「1」~「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに表示(停止表示)される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
ここで、特別図柄及び演出図柄の何れか一方又は両方を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄のことを「普図」又は「普通識別情報」ともいい、特別図柄のことを「特図」又は「特別識別情報」ともいい、第1特別図柄のことを「特図1」、「第1特図」、「第1識別情報」又は「第1特別識別情報」ともいい、第2特別図柄のことを「特図2」、「第2特図」、「第2識別情報」又は「第2特別識別情報」ともいいともいい、演出図柄のことを「演出識別情報」ともいう。演出図柄を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」又は「図柄表示手段」ともいい、単に「表示手段」ともいう。
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであり、その大当りの種別が10R大当りや5R大当り等である場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう。)で演出図柄8を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れである場合には、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(「外れ演出図柄」ともいう。)で演出図柄8を停止表示することが可能である。遊技者は停止表示した演出図柄8を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)に表示される演出図柄8を見て把握する。こうした演出図柄8を用いた遊技演出は、特別図柄当否判定の結果を遊技者に報知する演出(「報知演出」ともいう。)であるといえる。演出図柄8を用いた遊技演出(報知演出)のことを「演出図柄遊技演出」ともいい、演出図柄8が変動表示を開始してから停止表示(確定表示)に至るまでの演出のことを「変動演出」ともいう。
ここで、特別図柄当否判定の結果のうち「大当り」のことを「特定結果」ともいい、「外れ」のことを「非特定結果」ともいう。また、識別情報(特別図柄及び/又は演出図柄)の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」、「特定態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定態様」又は「非特定表示結果」ともいう。さらに、特別図柄当否判定の結果が大当りであることに基づいて実行される変動表示のことを「大当り変動」又は「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れであることに基づいて実行される変動表示のことを「外れ変動」又は「非特定変動」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄8を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出、報知演出、変動演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などの各種演出表示が表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
またデモ演出では、不図示の演出設定画面が表示可能となっている。演出設定画面は、例えば、効果音等の音量や、表示画面7aの明るさ、盤面ランプ5や枠ランプ66等の電飾部材の明るさ、背景表示、予告演出の実行条件等、当該遊技機の演出に関する設定を遊技者が行うための画面である。遊技者は、デモ演出が実行される客待ち中(待機中)に演出ボタンや他の操作手段(例えば操作レバーや十字キー等)を操作して表示画面7aに演出設定画面を表示させ、演出設定画面の内容にしたがって演出ボタン等を操作することで、演出に関する様々な設定を任意に行うこと(所謂「カスタマイズ」)が可能となる。
画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
ここで、第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aのことを「第1保留アイコン」又は「第1記憶情報」ともいい、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bのことを「第2保留アイコン」又は「第2記憶情報」ともいい、第1演出保留9a及び第2演出保留9bの何れか一方又は両方を指して「保留アイコン」又は「記憶情報」ともいう。また。第1演出保留表示領域9cのことを「第1記憶情報表示部」又は「第1記憶情報表示手段」ともいい、第2演出保留表示領域9dのことを「第2記憶情報表示部」又は「第2記憶情報表示手段」ともいい、第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dの何れか一方又は両方を指して「記憶情報表示部」又は「記憶情報表示手段」ともいう。
また表示画面7aには、現在変動表示している特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9a又は第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。
本実施例では、図3に示すように、第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dの左側に変動保留表示領域9eが設けられている。第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aは、左端から右端に向かって順に特図1保留球数「1」、「2」、「3」、「4」に対応するものとなっており、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bは、左端から右端に向かって順に特図2保留球数「1」、「2」、「3」、「4」に対応するものとなっている。このため、特図1保留球数「1」に対応する第1特別図柄の変動表示の開始(第1特図保留の消化)に伴って、当該保留に対応する第1演出保留9a(第1演出保留表示領域9cの左端に表示される第1演出保留9a)が第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eへ移動する(移動表示される)。また、特図2保留球数「1」に対応する第2特別図柄の変動表示の開始(第2特図保留の消化)に伴って、当該保留に対応する第2演出保留9b(第2演出保留表示領域9dの左端に表示される第2演出保留9b)が第2演出保留表示領域9dから変動保留表示領域9eへ移動する(移動表示される)。
なお、変動保留表示領域9eも「記憶情報表示部」又は「記憶情報表示手段」ということができ、変動保留表示領域9eに表示される演出保留も「記憶情報」又は「保留アイコン」ということができる。また、変動保留表示領域9eに表示される演出保留のことを「アクティブ保留アイコン」ともいい、演出保留表示領域9c、9dに表示される演出保留(保留アイコン)及び変動保留表示領域9eに表示される演出保留(アクティブ保留アイコン)のことを総じて「記憶情報」又は「保留アイコン」ともいう。また、演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9d及び変動保留表示領域9eのことを「演出保留表示部」又は「演出保留表示手段」ともいう。
以上のように、種々の演出表示や演出画像を表示可能な表示画面7a(画像表示装置7)のことを「演出表示部」又は「演出表示手段」ともいう。また、演出図柄8を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出、報知演出、変動演出)や大当り遊技演出、デモ演出、後述の予告演出など、表示画面7aに表示されることにより行われる演出(表示画面上で行われる演出)のことを「表示演出」ともいう。
遊技盤2(遊技領域3)の中央付近であって画像表示装置7(表示手段)の前方には、表示画面7aを取り囲むようにしてセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球よりも高い可能性で後述の第1始動口20に入球可能とされる。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
センター装飾体10の後方には、遊技演出に伴って作動可能な可動装飾部材14(可動役物)が設けられている。可動装飾部材14は、普段、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って表示画面7aの前面側に出現し、その大部分を視認することができるようになる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
ここで、可動装飾部材14を作動させる演出のことを「可動演出」又は「作動演出」ともいう。また、可動装飾部材14のことを「可動演出手段」又は「作動演出手段」ともいう。なお、可動装飾部材14以外にも、例えば、前述のように演出ボタン63が遊技演出に伴って振動等する場合、演出ボタン63を作動させる演出のことも「可動演出」又は「作動演出」ということができ、演出ボタン63のことも「可動演出手段」又は「作動演出手段」ということができる。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)をスピーカ67から発生(出力)させる演出のことを音演出ともいい、スピーカ67のことを「音演出手段」ともいう。また、遊技の状況に応じて盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13等を発光させる演出のことを「光演出」ともいい、盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13等のことを「光演出手段」ともいう。なお、盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60がLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60を発光させる演出のことも「光演出」ということができ、電飾部材を内蔵した演出ボタン63や発射ハンドル60のことも「光演出手段」ということができる。さらに、「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」及び「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方(ステージ部11の下方)には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化しない非可変式の第1始動口20(「非可変始動口」又は「固定始動口」ともいう。)を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2始動口21(「可変始動口」ともいう。)を備える可変入賞装置22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)と、当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)とに変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「特別入球口」又は「可変入球口」ともいう。)を備える大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。
遊技領域3のうち下側領域には、には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。例えば、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」とされる。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」ともいい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」ともいう。
複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。なお、始動口、大入賞口、一般入賞口及ゲートの数は本実施例に限定されるものではなく、例えば、始動口を3個としたり、大入賞口を2個としたり、一般入賞口を4個としたり、ゲートを2個としたりする等、それぞれの設置個数は任意である。
図3及び図4に示すように、遊技領域3の外側(遊技領域外)であって遊技盤2の右下部には主表示器40が設けられている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向(左打ちすべき状態か右打ちすべき状態か)を示す発射方向表示器47と、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、が含まれている(図4を参照)。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
なお、以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがあり、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部ということがあり、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部ということがある。
特別図柄表示部では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。つまり、第1特別図柄の変動表示は第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われ、第2特別図柄の変動表示は第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が実行される大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行する。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。
特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。なお、停止表示された特別図柄が外れ図柄の場合の停止表示時間(外れ停止表示時間)と、停止表示された特別図柄が大当り図柄の場合の停止表示時間(大当り停止表示時間)とを異ならせてもよく、この場合、大当り停止表示時間を外れ停止表示時間よりも長くしたり、外れ停止表示時間を大当り停止表示時間よりも長くしたりすることができる。また、後述の低ベース状態や高ベース状態等の遊技状態により停止表示時間を異ならせてもよい。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「10R第1大当り」、「5R第2大当り」及び「5R第3大当り」の3種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を表示することが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が10R第1大当りの場合は「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第1大当り図柄)、5R第2大当りの場合は「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(5R第2大当り図柄)、5R第3大当りの場合は「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(5R第3大当り図柄)。また、外れの場合は「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「10R第4大当り」及び「10R第5大当り」の2種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が10R第4大当りの場合は「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第4大当り図柄)、10R第5大当りの場合は「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(10R第5大当り図柄)。また、外れの場合は「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)はこれらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。
特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示の態様は、例えば、時計回り方向や反時計回り方向など、予め定められた順序で光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。また、第1特別図柄表示器41aに停止表示された第1特別図柄は、前述の停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。同様に、第2特別図柄表示器41bに停止表示された第2特別図柄は、前述の停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されない場合には、停止表示時間が経過しても停止表示態様は維持される。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され(取得手段)、取得された各種情報が、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部のことを、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。また、取得情報記憶手段のことを単に「記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
なお、前述の第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dと同様に、第1特図保留表示器43aのことを「第1記憶情報表示部」又は「第1記憶情報表示手段」ということができ、第2特図保留表示器43bのことを「第2記憶情報表示部」又は「第2記憶情報表示手段」ということができ、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bの何れか一方又は両方を指して「記憶情報表示部」又は「記憶情報表示手段」ということができる。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンで第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。第2始動口21の開放パターンについては後述する。
図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示することが可能となっている。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。また、普通図柄表示器42に停止表示された普通図柄は、停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されない場合には、停止表示時間が経過しても停止表示態様は維持される。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、この取得された各種情報は、主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
図4に示すように、ラウンド表示器45は、5R用ランプ及び10R用ランプの2個のLEDで構成されている。ラウンド表示器45では、例えば5R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5▲10R△」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。また、10R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5△10R▲」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技の進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板(「主制御部」又は「遊技制御部」ともいう。)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板(「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう。)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板(「払出制御部」ともいう。)110、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板(「画像制御部」ともいう。)100等を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側(裏面側)には、その略中央部に主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、主制御基板ケースの上方に、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、画像制御基板等収納ケース上に副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側に、払出制御基板110を収納した払出制御基板ケースが設けられ、払出制御基板ケースの右側に、電源基板109を収納した電源基板ケースが設けられている。
図5に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう。)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のROMには、遊技進行に係る各種の判定や決定(選択)に用いるテーブルや、特別図柄や普通図柄の変動パターン、第2始動口21や大入賞口30の開放パターンなど、遊技の進行を制御するのに必要な各種のデータが記憶されている。
遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)や普図保留記憶部等が設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「球検知センサ」や「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
また主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板(「発射制御部」ともいう。)111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう。)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、その操作者(遊技者)による発射ハンドル60への接触をタッチスイッチ114が検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さ(発射強度)で遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御される。本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数が1分間で約100個となっている。
主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう。)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って行われる演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。なお、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。副制御基板90(演出制御用マイコン91)のROMには、遊技演出に係る各種の判定や決定(選択)に用いるテーブルや、変動演出や予告演出等の演出パターンなど、演出を制御するのに必要な各種のデータが記憶されている。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107等が接続されている。副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、遊技の状況に応じて画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107と協働して、表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる。この副制御基板90は、遊技の状況に応じて種々の演出を可能な演出実行手段(「演出制御手段」ともいう。)として機能する。なお、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107のうち少なくとも一つを、副制御基板90とともに演出実行手段(演出制御手段)として機能するものと捉えることもできる。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう。)101のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103bの表示制御を行わせる。
画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の各種画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は2個のLEDを有しており、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。
演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103bは、それぞれ2個のLEDを有している。演出第1特図保留表示器103aは、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様を表示するように表示制御される。
演出第2特図保留表示器103bは、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様を表示するように表示制御される。
演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2特図保留表示器103bが設けられるのは、演出図柄遊技演出(変動演出)を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像(情報)の一部または全部が視認できない状態になることがあるからである。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて又は加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、副制御基板90のROMに格納されている。
なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータであり、「ランプデータ」ともいう。)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように可動装飾部材14は、センター装飾体10の後方に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう。)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。
なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
副制御基板90には、第1演出ボタン63aや第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号が副制御基板90に入力される。なお、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技のことを「大当り遊技」ともいう。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には図6に示すように、大当りとして「10R(ラウンド)第1大当り」、「5R第2大当り」、「5R第3大当り」、「10R第4大当り」及び「10R第5大当り」の計5種類が設けられている。これらの大当りのうち、「10R第1大当り」、「5R第2大当り」及び「5R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「10R第4大当り」及び「10R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。なお、本明細書ではラウンドを「R」と表記することがある。
「10R第1大当り」、「10R第4大当り」及び「10R第5大当り」は、何れもラウンド数が「10」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。
「5R第2大当り」及び「5R第3大当り」は、何れもラウンド数が「5」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。
ここで、ラウンドのことを「ラウンド遊技」ともいい、ラウンド遊技のことを「大入賞口開閉遊技」、「可変入球遊技」又は「特別入球遊技」ともいう。また、5R第2大当り及び5R第3大当りのことを総じて「5R大当り」ともいい、10R第1大当り、10R第4大当り及び10R第5大当りのことを総じて「10R大当り」ともいう。さらに、5R大当りに係る大当り遊技(5R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、10R大当りに係る大当り遊技(10R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
なお、本実施例では、ラウンド数の違いによる大当り種別を、5R大当り及び10R大当りの2種類としているが、例えば、3R大当りと6R大当りと10R大当りの3種類としたり、7R大当りの1種類としたりする等、種々の大当り種別を設けることが可能である。また本実施例では、大当り遊技の最大ラウンド数を10R(10R大当り)としているが、最大ラウンド数はこれに限られず、例えば、10Rよりも多いラウンド(例えば15R)を最大ラウンド数としたり、10Rよりも少ないラウンド(例えば9R)を最大ラウンド数としたりすることも可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の10R第1大当り、5R第2大当り及び10R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の5R第3大当り及び10R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される。このことから、10R第1大当り、5R第2大当り及び10R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、5R第3大当り及び10R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」又は「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
図6や図8(B)に示すように、第1特別図柄(特図1)の当否判定で大当りとなった場合の各大当りの振分確率は、10R第1大当りが5%、5R第2大当りが50%、5R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定で大当りとなった場合の各大当りの振分確率は、10R第4大当りが55%、10R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)で大当りとなった場合には、10R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)で大当りとなった場合に比べ、10R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)で大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう。)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」又は「図柄決定用情報」ともいう。)」に基づいて行われる。本実施例では、図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数は、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)である。
第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他、図7(A)に示すように「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう。)」がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、本実施例では「0~198」までの範囲で値をとる。
また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数(取得情報)には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、本実施例では「0~240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」ともいい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」ともいう。
高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態(低確率状態)よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」ともいい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」ともいう。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始から終了(確定表示)までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定の当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技(普図当り遊技)における第2始動口21の開放時間が非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」又は「高頻度状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
なお、高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なるものであればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能のことを「高ベース発生機能」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、10R第1大当り、5R第2大当り及び10R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、5R第3大当り及び10R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を「低確高ベース状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
なお、「低確高ベース状態」のことを「第1遊技状態」ともいい、「高確高ベース状態」のことを「第2遊技状態」ともいう。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより遊技球を右遊技領域3Bへ進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対し、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDを有しており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すことが可能とされている。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
以上のように本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準にすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を獲得できることから、大当り遊技が行われる遊技状態は、大当り遊技が行われていない遊技状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。このため、大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて行われる大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる遊技状態であることから、低ベース状態を「左打ち状態」として捉えることができる。一方、低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態および第1大入賞口30や第2大入賞口35への遊技球の入球を狙う大当り遊技が行われる状態は、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる遊技状態であることから、高ベース状態や大当り遊技状態を「右打ち状態」として捉えることができる。そして、前述のように、高ベース状態(右打ち状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、左打ち状態を「通常遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。また、左打ち状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態である右打ち状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。
また、高確低ベース状態は、低確低ベース状態と比較した場合、ともに低ベース状態である点では一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態である高確低ベース状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。
以上の各種遊技状態の設定、移行等に係る制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。そして、確率変動機能の作動・非作動に係る制御を行う主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能する。また、変動時間短縮機能の作動・非作動に係る制御を行う主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態(時短状態)を設定可能な短縮変動状態設定手段(時短状態設定手段)として機能する。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。また、本明細書においてS101等の「S」(フローチャート中の「S」)はステップを意味する。
遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、図10に示す主制御メイン処理のプログラムを主制御基板80のROMから読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が含まれる。コマンドは、例えば2バイトの情報からなり、この場合、上位1バイトはコマンドの種類に関する情報とされ、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報とされる。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行される割り込み処理(S105)の出力処理(S201)では、前回の割り込み処理(S105)でRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否かを判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)のS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)の特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて当否(大当り又は外れ)を判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303、S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
事前判定は、例えば、図8(A)に示す大当り判定テーブル、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することにより行うことが可能である。またS317では、当否判定の他、大当り種別決定用乱数に基づく大当り種別判定や変動パターン乱数に基づく変動パターン判定を、事前判定(保留先読み)の対象とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。特図2始動入球コマンドには、S316で読み出した特図2取得乱数値の一部又は全部を示す情報を事前判定情報として含めてもよい。
主制御部80から送信された特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90側で特定することが可能となる。本実施例ではそれに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるか否か、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるか否かを特定可能としている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドにより特定される情報を保留情報(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該保留情報(演出保留情報)を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているか否かを判定することが可能となる。このことは、後述の特図1始動入球コマンドをサブ制御部が受信した場合についても同様である。
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをサブ制御部に送信するようにしてもよい。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、S321以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(第2特別図柄当否判定)が行われやすい状態となっている。また本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。なお、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603、S1604)に先立って行うものである。
以上の始動入球時処理(S205)におけるS317及びS322の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「事前判定手段」として機能するものである。また、第1始動口20への入球に基づいて取得された特図1取得乱数値(取得情報)の事前判定(S322)を実行する主制御部(遊技制御用マイコン81)は「第1事前判定手段」として機能するものであり、第2始動口21への入球に基づいて取得された特図2取得乱数値(取得情報)の事前判定(S317)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2事前判定手段」として機能するものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に普図動作ステータス「1」~「4」を割り当てている。そして、普図動作ステータスが「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行った後、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、本処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づいて高確率普図当否判定を行い(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。
これに対し、S602で時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づいて低確率普図当否判定を行い(S603)、S605の処理に移行する。
S605では、普図当否判定(S603、S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、当りでない(外れである)と判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、当り(普図当り)であると判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、S802以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、普通図柄の変動時間が経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で普通図柄を停止表示させる(普通図柄の変動表示を終了する)等のその他の処理を行い(S804)、本処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、本処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中であるか否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。このことに対応して、S903では、第2始動口21の時短状態中の開放パターンをセットするとともに、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。このことに対応して、S906では、第2始動口21の非時短状態中の開放パターンをセットするとともに、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、本処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、本処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、本処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)、本処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま本処理を終える。一方、第2始動口開放カウンタの値が「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回行われると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回行われると「0」になる。
これに対して、S1001にて普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906でセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に特図動作ステータス「1」~「4」の何れかを割り当てている。
特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「4」である場合には(S1101、S1103、S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)、S1212の処理を行うことなく本処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。待機画面には、前述の演出設定画面(図示せず)が含まれる。
S1201で特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになり易いものとなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」である場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、本処理を終える。一方、当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でない(「外れ」である)場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、本処理を終える。
ここで、大当り種別を判定するにあたり、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。なお、特別図柄当否判定や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。第2特別図柄に係る当否判定(S1303、S1304)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2当否判定手段」として機能するものである。第2当否判定手段のことを「第2判定手段」ともいう。
[特図2変動パターン選択処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。その結果、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。
S1402で大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。
一方、S1402で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。
一方、S1405で保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
S1401で時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
一方、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。
S1410で保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。
ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。セットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
なお、特別図柄の変動パターン(「特図変動パターン」ともいう。)の種類や数は本実施例に示すもの(図9を参照)に限定されるものではなく、本実施例に比して変動パターンを増やしたり減らしたりする等、その種類や数は任意である。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして(S1503)、本処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示すように特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。第1特別図柄に係る当否判定(S1603、S1604)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第1当否判定手段」として機能するものである。第1当否判定手段のことを「第1判定手段」ともいう。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして(S1803)、本処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示すように特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、S1902以降の処理を行うことなく本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。S1906の処理により高確率状態(確変状態)が終了する。一方、S1903で確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、又は、S1905で確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1909)。時短カウンタの値が「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。S1910の処理により時短状態(及び高ベース状態)が終了する。一方、S1907で時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、又は、S1909で時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた表示結果で特別図柄を停止表示させる(特別図柄の変動表示を終了する)等のその他の処理を行い(S1912)、本処理を終える。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の変動表示を停止(終了)する際、特別図柄(停止図柄)の停止表示時間(停止表示期間)を設定する。そして、その設定した停止表示時間(停止表示期間)が経過すると、特別図柄確定処理(S1106)を行う。
なお、確変カウンタの値が「0」になることに基づいて確変フラグをOFFにしたり、時短カウンタの値が「0」になることに基づいて時短フラグをOFFにしたりする処理(S1906、S1910)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当り(今回の大当り)の種別が10R大当りであるか否かを判定する(S2002)。その結果、10R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「10」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で大当りの種別が10R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当り(今回の大当り)の種別は5R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「5」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは大当りの種別に応じて定められているので(図6を参照)、S2009では、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする。そして、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が大当り遊技(特別遊技)で実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、10R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、5R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、5R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、10R第4大当りに対応する第4オープニングコマンドおよび10R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。
S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドをセットする。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定のオープニング演出の実行処理を行う。
次いで、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、大当り図柄で停止表示した特別図柄(演出図柄)の停止表示時間(停止表示期間)の経過後に設定される期間であり、特別図柄(演出図柄)の変動表示が実行不能とされる期間である。オープニング期間のことを「開始期間」ともいい、オープニング期間(開始期間)において実行する演出のことを「オープニング演出」又は「開始演出」ともいう。
本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。オープニング期間の長さ(オープニング時間)は、大当り遊技が開始されることを遊技者に認識させることができる程度の長さとされるのが一般的であり、例えば、大当り停止表示時間よりも長い時間とすることができる。また、大当りが発生したときの遊技状態や大当りの種別に応じてオープニング期間の長さ(オープニング時間)を異ならせてもよい。
以上の特別図柄待機処理(S1102)、特別図柄変動中処理(S1104)及び特別図柄確定処理(S1106)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「変動遊技実行手段」として機能するものである。また、それらの処理(S1102、S1104及びS1116)を第1特別図柄について実行する場合の主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第1変動表示実行手段」として機能し、第2特別図柄について実行する場合の主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2変動表示実行手段」として機能するものである。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。なお、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、確変フラグはOFFであるため、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行する。また、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、時短フラグはOFFであるため、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106でラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。なお、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理によりサブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を動作(開動作)させる。
S2106でラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
S2113でラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理によりサブ制御部90に送信される。
S2115では大入賞口閉鎖処理を行い、大入賞口30の開閉部材32を動作(閉動作)させて、大入賞口30を閉鎖状態とする(S2115)。また、大入賞口閉鎖処理(S2115)では、大入賞口30を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。
次いでS2116では、インターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、そのまま本処理を終える。一方、インターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。そして、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、そのまま本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、本処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技が終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間である。エンディング期間のことを「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。エンディング期間(終了期間)において実行する演出のことを「エンディング演出」又は「終了演出」ともいう。
主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。そして、エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
S2105で大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(S2122)。その結果、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、そのまま本処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)では、まず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、10R第1大当り、5R第2大当り及び10R第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」(第2遊技状態)となる。なお、本実施例のように、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定するような制御を採用してもよい。
一方、S2201で確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、5R第3大当り及び10R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」(第1遊技状態)となる。低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。なお、時短カウンタ及び確変カウンタにセット(設定)する値は本実施例に限定されるものではなく、本パチンコ遊技機1の遊技性や出球性能、スペック等を考慮して任意に定めることができる。
以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(保留球数を示す情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断すると、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d、変動保留表示領域9e)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側(保留数減少方向)に1つ移動(シフト)する。
なお、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37~図43に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。
演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
なお、S4001~S4003の処理は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。
演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や特別遊技演出等)を実行する。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)に表示される演出図柄等の表示制御や各種ランプの点灯制御、可動装飾部材の動作制御、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
図38に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。
一方、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、本処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、その格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりする等のその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定する(S4390)。始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4390でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4390でYES)、演出保留情報記憶処理(S4395)及び保留アイコン予告処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4395)は、S4390で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。
こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段(単に「記憶手段」ともいう。)」といえる。
なお、演出保留情報のことを「先読み情報」ともいい、特図1演出保留情報のことを「第1先読み情報」ともいい、特図2演出保留情報のことを「第2先読み情報」ともいう。また、演出保留情報記憶領域(取得情報記憶手段)のことを「先読み情報記憶手段」ともいい、特図1演出保留情報記憶領域のことを「第1先読み情報記憶手段」ともいい、特図2演出保留情報記憶領域のことを「第2先読み情報記憶手段」ともいう。
保留アイコン予告処理(S4400)は、S4395で記憶された演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出の一種である保留アイコン予告に関する処理である。保留アイコン予告とは、表示画面7aの演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)や変動保留表示領域9eに表示される演出保留(保留アイコン、アクティブ保留アイコン)の表示態様を通常と異なる表示態様(「予告表示態様」ともいう。)で表示して当該予告表示態様により大当りの可能性(期待度)を示唆する演出のことである。保留アイコン予告のことを「保留変化予告」ともいう。保留アイコン予告は、表示画面7a上で行われる表示演出の一種である。保留アイコン予告処理(S4400)については後述する。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行ってS4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4402の処理を行うことなくS4405の処理に移行する。
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S4403)。変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、S4404の処理を行うことなくS4405の処理に移行する。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示や停止表示、後述のリーチ演出など、特別図柄が変動表示を開始してから終了(停止表示)するまでの変動遊技に合わせて行われる種々の演出を指す。表示画面7a上で行われる変動演出は、表示演出の一種である。
S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出、エンディング演出等の大当り遊技に関連する演出(「大当り遊技演出」又は「大当り遊技関連演出」ともいう。)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。表示画面7a上で行われる大当り遊技演出(大当り遊技関連演出)は、表示演出の一種である。
大当り遊技演出の演出パターン(「大当り遊技演出パターン」ともいう。)としては、可動装飾部材14や第1演出ボタン63aが作動する演出パターン、すなわち、作動演出を含む大当り遊技演出パターンと、可動装飾部材14や第1演出ボタン63aが作動しない演出パターン、すなわち、作動演出を含まない大当り遊技演出パターンと、を設けることができる。作動演出を含む大当り遊技演出パターンは、例えば、大当り遊技を構成する複数回のラウンド遊技のうち、特定のラウンド遊技(例えば最終ラウンド)で作動演出を含むラウンド演出を実行し(つまり、作動演出を実行し)、特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技で作動演出を含まないラウンド演出を実行する(つまり、作動演出を実行しない)ように構成することができる。また、大当りのオープニング期間で、作動演出を含むオープニング演出を実行する(作動演出を実行する)場合と、作動演出を含まないオープニング演出を実行する(作動演出を実行しない)場合とがあるように構成したり、大当りのエンディング期間で、作動演出を含むエンディング演出を実行する(作動演出を実行する)場合と、作動演出を含まないエンディング演出を実行する(作動演出を実行しない)場合とがあるように構成したりすることもできる。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、前述のS4401で受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれる(図8を参照)。また変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。なお、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで、演出モードとは、変動遊技が実行されるときの演出形式(演出環境)のことであり、演出モードが異なると、表示画面7aの背景や変動演出、リーチ演出、予告演出等の各種表示演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像(演出表示)の一部又は全部が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A」~「D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「遊技状態非報知モード」といえる。
次いでS4504では、特別図柄当否判定の結果に基づき演出図柄等を用いて行う変動演出の実行パターン(「変動演出パターン」ともいう。)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)である場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いでS4505では、S4501で取得した変動演出決定用乱数およびS4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン(特図変動パターン)に適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。特図変動パターンは、特別図柄の変動時間、すなわち、変動遊技の実行時間を規定するものであるから(図9を参照)、S4505で設定される変動演出パターンに基づく変動演出の実行時間(実行期間)は、特図変動パターンに準じたものとなる。
変動演出パターンとしては、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合、リーチ演出を実行しない場合等が決定される。リーチ演出を実行する(含む)変動演出のことを「リーチあり変動演出」ともいい、リーチ演出を実行しない(含まない)変動演出のことを「リーチなし変動演出」ともいう。本実施例では、S4505で設定可能な変動演出パターンとして、演出ボタン63(操作手段)を用いる演出(「ボタン演出」ともいう。)を含む変動演出パターンと、ボタン演出を含まない変動演出パターンと、が設けられている。
変動演出パターンには、演出図柄8の変動態様の他、演出図柄8の変動表示に付随して実行される表示演出や音演出、光演出、可動演出等の実行態様(演出パターン)も含まれ、これら演出の実行有無等についても決定される。このため、変動演出に付随して実行される表示演出や音演出、光演出、可動演出等を含めて、変動演出ということができる。
なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個(例えば左演出図柄8L及び右演出図柄8R)が大当り態様を構成する図柄(「リーチ図柄」又は「リーチ態様」ともいう。)で停止表示(仮停止)され、残り1個(例えば中演出図柄8C)が変動表示を続けている状態(「リーチ状態」ともいう。)で、その残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このリーチ演出によれば、大当りを狙う遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。表示画面7a上で行われるリーチ演出は、表示演出の一種である。
またS4505では、S4501で取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。停止表示の種類には、仮停止表示(仮停止)と確定停止表示(確定停止)とがある。仮停止とは、演出図柄8のスクロール表示(変動表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄8が表示画面7a上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる程度に僅かに動いた状態で表示されることを意味する。僅かに動いた状態のことを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止とは、演出図柄8のスクロール表示(変動表示)が終了して、演出図柄8が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる状態で完全に停止して表示されることを意味する。演出図柄8が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)されること(導出表示されること)となる。したがって、演出図柄8の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
S4505で決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(「確定停止図柄」ともいう。)である。具体的には、変動演出の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合、その外れがリーチあり外れであれば「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目(「リーチ外れ目」ともいう。)とされ、リーチなし外れであれば「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目(「完全バラケ目」ともいう。)とされる。また、低確低ベース状態において特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、原則、「777」以外の数字図柄のゾロ目とされ、その大当りが10R第1大当りである場合には「777」のゾロ目とされることがある。また、低確高ベース状態又は高確高ベース状態において特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、原則、「777」以外の数字図柄のゾロ目とされ、その大当りが10R第4大当りの場合には「777」のゾロ目とされることがある。このように「777」のゾロ目は、遊技者にとって最も有利な大当りといえる10R確変大当りの確定出目である。なお、前述した演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出等が設けられている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「通常変動」ともいう。)かが決定される。以下では、ノーマルリーチを「NMリーチ」と表記することがあり、スーパーリーチを「SPリーチ」と表記することがある。
そして、例えば、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、SPリーチ演出が実行される場合には、NMリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、SPリーチ演出はNMリーチ演出と比較して大当りとなる可能性(大当り期待度)の高い遊技演出であるといえる。
本実施例では、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms(30秒)以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいてリーチ演出(リーチあり変動演出)が設定(実行)され得る。そのうち、変動時間が30000ms(30秒)の場合には、リーチ演出としてNMリーチ演出が設定(実行)され、変動時間が45000ms(45秒)以上の場合には、リーチ演出としてSPリーチ演出が設定(実行)される。NMリーチ演出が実行される(NMリーチ演出を含む)変動演出のことを「NMリーチ変動演出」ともいい、SPリーチ演出が実行される(SPリーチ演出を含む)変動演出のことを「SPリーチ変動演出」ともいう。
本実施例では、NMリーチ演出とSPリーチ演出のそれぞれについて複数の演出パターン(リーチ演出パターン)が設けられており、リーチ演出が実行可能とされる変動時間(30000ms以上)に応じて何れかの演出パターンが設定(実行)される。なお、リーチ演出(リーチ演出パターン)の種類(数)は任意に定めることができる。
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで、第1停止図柄(本実施例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本実施例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本実施例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、通常変動やリーチ演出等が行われる。
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄(リーチ態様)で停止(仮停止)すればリーチ成立となり、その後、リーチ演出(NMリーチ演出又はSPリーチ演出)が実行される。SPリーチ演出の場合は、NMリーチ演出を経てSPリーチ演出が実行される(NMリーチ演出からSPリーチ演出に発展する)。
一方、左右の演出図柄8L,8Rが停止(仮停止)したときにリーチ成立とならなければ(つまり、通常変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、通常変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本実施例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は約11秒となっている。但し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合の通常変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
なお、S4505で設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンによっては、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが同時期に一斉に停止(仮停止)したり、第1停止図柄が停止するまでの所定時間(例えば9秒)を越えても全図柄が変動し続けたりする等、演出図柄の停止表示の順序やタイミング等が前述した態様と異なる場合がある。
次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。予告演出とは、現在実行中の変動表示に関する示唆や、記憶されている保留(後に実行される変動表示)に関する示唆を行う演出のことであり、例えば、現在実行中の変動表示の表示結果が大当り態様となる可能性を示唆したり、後に実行される変動表示の表示結果が大当り態様となる可能性を示唆したりする演出である。予告演出のことを「示唆演出」ともいう。本実施例では、S4395で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(「先読み予告」ともいう。)や、現在(今回)の変動表示(「当該変動」ともいう。)に係る予告演出(「当該変動予告」ともいう。)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。
具体的には、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブル(図示せず)とに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。副制御基板90のROMには、本パチンコ遊技機1で実行可能とされる予告演出の種類に対応する予告演出決定テーブルが予め記憶されている。予告演出(示唆演出)は、例えば、大当り期待度を示唆する画像(「予告画像」又は「示唆画像」ともいう。)を表示画面7aに表示すること(「予告表示」又は「示唆表示」ともいう。)により行われる。また、表示演出(予告表示、示唆表示)の他、音演出や光演出、可動演出によっても予告演出を行うことが可能であり、これら各演出の組み合わせにより行うことも可能である。さらに、当該変動予告も特図保留の事前判定結果に基づいて行うことが可能である。
本実施例では、S4506で設定可能な予告演出パターンとして、演出図柄8(識別情報)の変動表示が開始してから終了するまでの間(表示演出の実行期間中)に可動装飾部材14や第1演出ボタン63aを作動させる予告演出パターン、すなわち、作動演出による予告演出パターン(「作動予告演出パターン」ともいう。)が設けられている。S4506では、図示しない予告演出パターン決定テーブルに基づいて、作動予告演出パターンを含めた複数の予告演出パターンの中から1又は2以上の予告演出パターンを設定(選択)することが可能となっている。
作動予告演出パターンは、リーチなし変動演出、NMリーチ変動演出、及びSPリーチ変動演出の何れに対しても設定することができる。そして、例えば、変動演出中(表示演出の実行期間中)に作動演出が実行された場合には、実行されない場合に比べ、大当り期待度が高くなるようにすることができる。
なお、本実施例では、作動演出は予告演出パターンに含まれているが、変動演出パターンに含まれるようにしてもよい。すなわち、S4505で設定可能な変動演出パターンとして、演出図柄8の変動表示が開始してから終了するまでの間(表示演出の実行期間中)に可動装飾部材14や第1演出ボタン63aが作動する変動演出パターン、すなわち、作動演出を含む変動演出パターン(「作動あり変動演出パターン」ともいう。)を設けてもよい。そして、S4504でセットされる図示しない変動演出パターン決定テーブルに基づいて、例えば、可動装飾部材14を作動させる作動演出の実行有無や、第1演出ボタン63aを作動させる作動演出の実行有無を決定したり、作動演出を実行する場合の実行態様(作動演出パターン)を決定したりするようにしてもよい。この場合、作動あり変動演出パターンは、リーチなし変動演出、NMリーチ変動演出及びSPリーチ変動演出の何れについても設定することができる。そして、作動演出を含む変動演出(「作動あり変動演出」ともいう。)が実行される場合には、作動演出を含まない変動演出(「作動なし変動演出」ともいう。)が実行される場合に比べ、大当り期待度が高くなるようにすることができる。
予告演出設定処理(S4506)は、演出図柄8の変動表示(変動演出)の開始を契機として当該変動表示中(当該変動演出中)を含めた所定時期に実行可能な予告演出(先読み予告、当該変動予告)に関する処理を行うものであり、ここでの処理に係る予告演出には、始動入球の発生に伴う保留アイコン予告は含まれないものとなっている。すなわち、始動入球の発生に伴う保留アイコン予告の設定に係る処理は、予告演出設定処理(S4506)でなく後述の保留アイコン予告処理(S4400)で行うものとしている。
ここで、演出保留情報(先読み情報)に基づいて実行される予告演出(先読み予告)のことを「先読み演出」ともいい、特図1演出保留情報(第1先読み情報)に基づいて実行される予告演出のことを「第1先読み演出」ともいい、特図2演出保留情報(第2先読み情報)に基づいて実行される予告演出のことを「第2先読み演出」ともいう。
S4395で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は、異なるものとなる。ある時期に予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を実行することもあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を同時期に実行することもある。
次いでS4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターンに基づいて変動演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。さらに、当該変動演出の実行に合わせて、音声制御基板106及びランプ制御基板107を介して、音演出や光演出、可動演出等の各演出が実行される。
[保留アイコン予告処理]
次に、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したこと(S4390でYES)に基づいて実行される保留アイコン予告処理(S4400)について説明する。図43に示すように、保留アイコン予告処理(S4400)では、まず、保留アイコン予告フラグがOFFであるか否かを判定する(S4601)。
保留アイコン予告フラグは、保留アイコン予告を実行中であるか否かを示すフラグであり、保留アイコン予告を実行する場合に後述のS4605でONされ、保留アイコン予告の実行契機となった特図保留(「予告対象保留」ともいう。)に対応する変動表示(変動遊技)の終了に基づいてOFFされる。このため、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c又は第2演出保留表示領域9d)に予告表示態様で表示された演出保留が変動保留表示領域9eに移動した場合、当該演出保留(予告対象保留)に対応する変動表示(変動遊技)が終了するまでは、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に新たに演出保留が表示(追加表示)されたとしても、新たな演出保留が予告表示態様で表示されることはない。これにより、現在実行中の変動遊技について大当りへの期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
なお、保留アイコン予告の実行契機となった特図保留に対応する変動表示(変動遊技)の開始(特図保留の消化)に伴って保留アイコン予告がOFFされるようにしてもよい。この場合、変動保留表示領域9eに演出保留が予告表示態様で表示された状態で、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に新たに表示(追加表示)される演出保留が予告表示態様で表示可能となるため、現在実行中の変動遊技に加え、後続の特図保留(予告対象保留)に対応する変動遊技についても遊技者に期待感を抱かせることが可能となる。
S4601で保留アイコン予告フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S4601でNO)、現在、保留アイコン予告を実行中であるため、S4602以降の処理を行うことなく本処理を終える。このため、本実施例では保留アイコン予告の実行中、新たに記憶(追加記憶)された特図保留(後の特図保留)を対象とする保留アイコン予告が実行されることはない。すなわち、演出保留表示領域に予告表示態様の演出保留が2以上表示されることはない。なお、保留アイコン予告フラグを設けず、保留アイコン予告の実行中に後の特図保留を対象とする保留アイコン予告が実行可能となるようにしてもよい。すなわち、演出保留表示領域に予告表示態様の演出保留が2以上表示され得る構成としてもよい。
一方、S4601で保留アイコン予告フラグがOFFであると判定した場合(S4601でYES)、保留アイコン予告を実行するか否かの判定(抽選)を行う(S4602)。本実施例では、遊技状態が低確低ベース状態である場合、すなわち、第1特別図柄の変動表示(「第1変動遊技」ともいう。)が主として実行される低ベース状態である場合、第1演出保留9aによる保留アイコン予告(「第1保留アイコン予告」ともいう。)が実行可能となるように構成されている。また、遊技状態が低確高ベース状態である場合と高確高ベース状態である場合、すなわち、第2特別図柄の変動表示(「第2変動遊技」ともいう。)が主として実行される高ベース状態である場合、第2演出保留9bによる保留アイコン予告(「第2保留アイコン予告」ともいう。)が実行可能となるように構成されている。このことに対応して、S4602では、現在の遊技状態が低ベース状態である場合には第1保留アイコン予告を実行するか否かの判定を行い、高ベース状態である場合には第2保留アイコン予告を実行するか否かの判定を行う。
保留アイコン予告を実行するか否かの判定(「保留アイコン予告実行判定」ともいう。)は、例えば、図示しない保留アイコン予告実行判定テーブルに基づいて行うことができる。具体的には、例えば、演出決定用乱数として保留アイコン予告実行判定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(保留アイコン予告実行判定用乱数値)を保留アイコン予告実行判定テーブルに基づいて判定することにより行うことができる。保留アイコン予告実行判定用乱数値は、例えば、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留アイコン予告実行判定を行うタイミング(S4602)で取得可能である。
S4602の判定の結果、保留アイコン予告を実行しない場合(S4603でNO)、S4604以降の処理を行うことなく本処理を終え、保留アイコン予告を実行する場合(S4603でYES)、保留アイコン予告の実行パターン(「保留アイコン予告パターン」ともいう。)を設定する(S4604)。
保留アイコン予告パターンは、保留アイコンを予告表示態様で表示する場合の表示タイミングや予告表示態様の種類、変化回数(保留変化回数)など、保留アイコン予告を実行するための種々の条件を定めるものである。予告表示態様の表示タイミングは、例えば、始動入球の発生時(始動入球に伴う新たな保留アイコンの表示時)や、予告対象保留より前に記憶された特図保留(「先行保留」ともいう。)の消化に伴い予告対象保留に対応する保留アイコンの演出保留表示領域上の表示位置が保留数減少方向に移動(シフト)したとき、予告対象保留に対応する保留アイコンが演出保留表示領域から変動保留表示領域に移動したとき(アクティブ保留アイコンに変化したとき)等とすることができる。
S4604では、保留アイコン予告実行判定(S4602)で第1保留アイコン予告を実行することが決定された場合には、第1保留アイコン予告の実行パターン(「第1保留アイコン予告パターン」ともいう。)を設定し、第2保留アイコン予告を実行することが決定された場合には、第2保留アイコン予告の実行パターン(「第2保留アイコン予告パターン」ともいう。)を設定する。第1保留アイコン予告パターン及び第2保留アイコン予告パターンのことを総じて「保留アイコン予告パターン」ともいう。
S4604で設定する保留アイコン予告パターンは、例えば、図示しない保留アイコン予告パターン決定テーブルに基づいて決定(選択)することができる。具体的には、例えば、演出決定用乱数として保留アイコン予告パターン決定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(保留アイコン予告パターン決定用乱数値)を保留アイコン予告パターン決定テーブルに基づいて判定することにより、予め定められた複数の保留アイコン予告パターンの中から実行するパターンを決定(選択)する。保留アイコン予告パターン決定用乱数値は、例えば、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留アイコン予告パターンを決定するタイミング(S4604)で取得可能である。
S4064で保留アイコン予告パターンを設定したら、保留アイコン予告フラグをONにする(S4605)。そして、S4604で設定した保留アイコン予告パターンに基づく保留アイコン予告の実行を指示する保留アイコン予告コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4606)、本処理を終える。
S4606でセットした保留アイコン予告コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した保留アイコン予告コマンドに基づき特定される保留アイコン予告パターン、すなわちS4604で設定された保留アイコン予告パターンに対応する保留アイコン予告用の画像データ(演出保留画像データ等)を画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによる保留アイコン予告を画像表示装置7の表示画面7a上(演出保留表示領域、変動保留表示領域)で実行する。
以上、演出制御用マイコン91の動作(制御処理)について説明してきたが、以下では、副制御基板90(演出制御用マイコン91)による前述の各種制御処理のもと、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107等と協働して実行される遊技演出の例(演出例)について説明する。
[演出例1]
演出例1は、前述の変動演出開始処理(S4402)のS4506(図42を参照)で、第1演出ボタン63aを作動させる予告演出パターン(作動予告演出パターン)が設定された場合に実行される遊技演出の一例である。具体的には、演出図柄8が変動表示を開始してから終了(確定停止)するまでの間、すなわち、変動演出(表示演出)の実行期間中(変動遊技中)に、第1演出ボタン63a(演出可動部)を所定時間(例えば約3秒)振動させる予告演出(「ボタン振動予告」ともいう。)が1回又は複数回実行される態様の遊技演出の一例である。なお、ボタン振動予告における第1演出ボタン63aの振動は、所定時間(作動演出の実行時間)が経過するまで継続的に行われるものであっても断続的に行われるものであってもどちらでもよい。
ボタン振動予告は、パチンコ遊技機1で制御(設定)可能な遊技状態、すなわち、低確低ベース状態(通常遊技状態)、低確高ベース状態(時短状態)、高確高ベース状態(確変状態)の何れの遊技状態においても実行可能である。以下では、低確低ベース状態で実行される場合を例に説明する。
前述の特図1変動パターン選択処理(S1208)で変動パターンP1、P4又はP8(何れも変動時間75000msの特図変動パターン、図9を参照)が選択され、この選択された変動パターンに基づく第1特別図柄の変動開始時(変動開始コマンド受信時)に、当該変動に係る変動演出パターンとしてSPリーチ演出の変動演出パターンが設定され(S4505)、当該変動に係る予告演出パターンとしてボタン振動予告の予告演出パターン(作動予告演出パターン)が設定されると(S4506)、本演出例の遊技演出が実行される。ボタン振動予告は、「当該変動予告」として実行されるものであり、作動演出の一例である。
本演出例では、S4506で設定可能なボタン振動予告の予告演出パターン(「ボタン振動予告パターン」ともいう。)として、図44に示すように、5つ(5種類)のパターン(第1~第5ボタン振動予告パターン)が設けられている。S4506では、例えば、ボタン振動予告の実行有無を判定(決定)するための乱数抽選が行われ、その結果、ボタン振動予告を実行することが決定されると、図44(A)~(E)に示す第1~第5ボタン振動予告パターンの何れかが設定される。
第1ボタン振動予告パターン(「第1予告演出パターン」ともいう。)は、変動時間75000msの変動演出(SPリーチ変動演出)の開始時に1回目のボタン振動予告を実行し、当該変動演出中のSPリーチ発展後(SPリーチ演出中)の当落分岐タイミングで2回目のボタン振動予告を実行するパターン(所定の時間間隔を空けてボタン振動予告を2回実行するパターン)である(図44(A)を参照)。
なお、当落分岐タイミングとは、実行中の変動演出の契機となった判定(例えば、特別図柄当否判定、大当り種別判定等)の結果が、当選(例えば、大当りや確変大当り等)であるのか落選(例えば、外れや非確変大当り等)であるのかが判明するタイミングのことである。つまり、遊技者にとって有利な遊技展開となるか否かが明らかになるタイミングのことである。
第2ボタン振動予告パターン(「第2予告演出パターン」ともいう。)は、変動時間75000msの変動演出(SPリーチ変動演出)の開始時に1回目のボタン振動予告を実行し、当該変動演出中のSPリーチ発展タイミングで2回目のボタン振動予告を実行し、SPリーチ発展後(SPリーチ演出中)の当落分岐タイミングで3回目のボタン振動予告を実行するパターン(所定の時間間隔を空けてボタン振動予告を3回実行するパターン)である(図44(B)を参照)。
なお、SPリーチ発展タイミングとは、リーチ成立後、NMリーチ演出→SPリーチ演出の順で変動演出が進行する場合において、当該変動演出の内容(演出展開)がNMリーチ演出からSPリーチ演出に移行(発展)するタイミングのことである。
第3ボタン振動予告パターン(「第3予告演出パターン」ともいう。)は、変動時間75000msの変動演出(SPリーチ変動演出)におけるSPリーチ発展タイミングで1回目のボタン振動予告を実行し、SPリーチ発展後(SPリーチ演出中)の当落分岐タイミングで2回目のボタン振動予告を実行するパターン(所定の時間間隔を空けてボタン振動予告を2回実行するパターン)である(図44(C)を参照)。
第4ボタン振動予告パターン(「第4予告演出パターン」ともいう。)は、変動時間75000msの変動演出(SPリーチ変動演出)におけるSPリーチ発展後(SPリーチ演出中)の当落分岐タイミングでボタン振動予告を実行するパターン(ボタン振動予告を1回実行するパターン)である(図44(D)を参照)。
第5ボタン振動予告パターン(「第5予告演出パターン」ともいう。)は、変動時間75000msの変動演出(SPリーチ変動演出)におけるSPリーチ発展タイミングでボタン振動予告を実行するパターン(ボタン振動予告を1回実行するパターン)である(図44(E)を参照)。
S4506で設定するボタン振動予告パターンは、例えば、図45に示すボタン振動予告用の予告演出パターン決定テーブル(「ボタン振動予告パターン決定テーブル」ともいう。)に基づいて決定(選択)することができる。同図に示すように、ボタン振動予告パターン決定テーブルは、5種類のボタン振動予告パターンに対し、予告演出決定用乱数(例えば「0~99」)の値を特図変動パターンの種類毎に割り当てたデータ構造となっている。このボタン振動予告パターン決定テーブルと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数とに基づいて、何れかのボタン振動予告パターンが特図変動パターンの種類に応じて決定(選択)される。
このボタン振動予告パターン決定テーブルによれば、S4505で設定されたSPリーチ演出の変動演出パターンが特図変動パターンP1に基づくものである場合、すなわち、大当り変動の変動演出である場合には、第4ボタン振動予告パターン及び第5ボタン振動予告パターンは選択されず(選択率0%)、第1~第3ボタン振動予告パターンの何れかが選択される。そして、第1ボタン振動予告パターンと第2ボタン振動予告パターンの選択率はそれぞれ同じであり(ともに選択率45%)、第3ボタン振動予告パターンの選択率はそれよりも低くなる(選択率10%)。
一方、S4505で設定されたSPリーチ演出の変動演出パターンが特図変動パターンP4又はP8に基づくものである場合、すなわち、外れ変動の変動演出である場合には、第1ボタン振動予告パターン及び第2ボタン振動予告パターンは選択されず(選択率0%)、第3~第5ボタン振動予告パターンの何れかが選択される。そして、第3ボタン振動予告パターン、第4ボタン振動予告パターン、第5ボタン振動予告パターンの順で選択率が高くなる(選択率5%、45%、50%)。
このため、変動演出の実行期間中にボタン振動予告が実行される場合、その変動演出が大当り変動であれば、ボタン振動予告が必ず複数回(本演出例では2回又は3回)実行され、その変動演出が外れ変動であれば、ボタン振動予告が1回又は2回実行される。そして、変動演出の開始時にボタン振動予告が実行された場合(S4506で第1ボタン振動予告パターン又は第2ボタン振動予告パターンが設定された場合)には大当り確定となる。つまり、変動演出の開始に伴って実行されるボタン振動予告(「変動開始時ボタン振動予告」ともいう。)は、大当り確定を報知する演出(大当り告知)となる。一方、変動演出の実行期間中にボタン振動予告が1回しか実行されない場合には外れ確定となる。
なお、図45に示すボタン振動予告パターン決定テーブルでは、第1ボタン振動予告パターン及び第2ボタン振動予告パターンは大当りの場合にのみ選択されるものとしており、第4ボタン振動予告パターン及び第5ボタン振動予告パターンは外れの場合にのみ選択されるものとしているが、大当りの場合と外れの場合との何れにおいても、それらボタン振動予告パターンの何れかが選択されるようにしてもよい。この場合、例えば、第1ボタン振動予告パターン及び第2ボタン振動予告パターンは、何れも大当りの場合の選択率を外れの場合の選択率よりも高くし、第4ボタン振動予告パターン及び第5ボタン振動予告パターンは、何れも外れの場合の選択率を大当りの場合の選択率よりも高くすることができる。こうすれば、変動演出の実行期間中におけるボタン振動予告の実行回数が複数回(2回以上)である場合や変動開始時にボタン振動予告が実行された場合には、ボタン振動予告の実行回数が1回である場合や変動開始時にボタン振動予告が実行されない場合に比べ大当り期待度が高くなる、といった遊技性が得られるようになる。
また、外れの場合には、第1ボタン振動予告パターン及び第2ボタン振動予告パターンに加え第3ボタン振動予告パターンも選択されないようにし、第4ボタン振動予告パターン又は第5ボタン振動予告パターンが選択されるようにしてもよい。この場合、変動演出の実行期間中にボタン振動予告が2回以上実行されれば大当り確定となり、変動演出の実行期間中にボタン振動予告が1回しか実行されなければ外れ確定となる。
なお、図45に示すボタン振動予告パターン決定テーブル中の各ボタン振動予告パターンの選択率はあくまでも一例であり、遊技性や演出効果等を考慮して適宜変更可能である。また、ボタン振動予告パターンの種類や数は本演出例に限定されるものではなく、例えば、5種類未満としたり6種類以上としたりすることが可能である。さらに、変動演出の実行期間中におけるボタン振動予告の実行回数や実行時期も本演出例に限定されるものではなく、例えば、4回以上実行してもよく、第1停止図柄(左演出図柄8L)の停止時やリーチ成立時など種々の時期に実行することが可能である。
次に、変動演出の実行期間中にボタン振動予告が実行される場合の演出の流れについて図44を参照しながら説明する。例えば、大当り変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第1ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合、図44(A)に示すように、まず、当該変動演出の開始タイミング(t1)において1回目のボタン振動予告(変動開始時ボタン振動予告)が実行される。すなわち、画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出図柄8L,8C,8R(図3を参照)が変動表示を開始したとき、当該変動表示の開始に伴って第1演出ボタン63aが振動する。この振動は、所定時間(例えば約3秒)が経過すると終了する。つまり、この所定時間(振動時間)は、ボタン振動予告の1回の実行時間に相当する。
本演出例では、変動開始時(1回目)のボタン振動予告の実行中(第1演出ボタン63aの振動中)に第1演出ボタン63aが操作されたとしても、当該操作に対応する演出(操作対応演出)は実行されない(発生しない)ものとしている。つまり、変動開始時ボタン振動予告の実行に際して、第1演出ボタン63aの操作有効期間が発生しない(設定されない)ものとなっている。操作有効期間とは、第1演出ボタン63が操作された場合の当該操作を有効な操作として受け付ける(検知する)期間のことである。なお、変動開始時ボタン振動予告の実行中における第1演出ボタン63aの操作に基づいて、所定の効果音を出力したり所定の演出画像を表示したりする等、何らかの操作対応演出を実行するようにしてもよい。
当該変動演出の開始後、リーチ成立タイミング(t2)及びSPリーチ発展タイミング(t3)を経て、当落分岐タイミング(t4)が到来すると、当落分岐タイミング(t4)において2回目のボタン振動予告が実行され、第1演出ボタン63aが振動する(図44(A)を参照)。
当落分岐タイミング(t4)でのボタン振動予告による第1演出ボタン63aの振動は、1回目のボタン振動予告(変動開始時ボタン振動予告)と同様に所定時間(例えば約3秒)が経過したことに基づいて終了するように構成することができる。また、当落分岐タイミング(t4)において、第1演出ボタン63aの操作に基づいて当落を報知する不図示の演出表示(「当落報知演出表示」ともいう。)が表示(実行)される演出構成とした場合、操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されるか、操作されることなく操作有効期間(例えば約3秒)が経過したことに基づいて、第1演出ボタン63aの振動(ボタン振動予告)が終了するように構成することができる。
なお、操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されなかった場合、操作有効期間の経過に基づいて当落報知演出表示が表示されるように構成することができる。また、当落分岐タイミング(t4)において第1演出ボタン63aを操作させない演出構成とすることも可能である。
ここで、ボタン振動予告の実行期間(第1演出ボタン63aの振動時間)と、第1演出ボタン63aの操作有効期間とを互いに同じ長さ(時間)とする場合、例えば、ボタン振動予告の実行開始タイミング(始期)と、第1演出ボタン63aの操作有効期間の開始タイミング(始期)とを同期させることで、ボタン振動予告(第1演出ボタン63aの振動)が、第1演出ボタン63aの操作を促す演出(「操作促進演出」ともいう。)や、操作有効期間であることを報知する演出(「有効期間報知演出」ともいう。)を兼ねるように構成することが可能となる。これにより、変動演出(変動遊技)中の演出ボタンを用いた演出の設計の幅を広げることが可能となる。
図44(A)に戻り、当落分岐タイミング(t4)を過ぎると、表示画面7aには、当該変動演出(大当り変動)の終了タイミング(t5)が到来する前に、当落報知演出表示として当選を報知する演出表示(「当選報知演出表示」又は「特定演出表示」ともいう。)が表示され、その後、演出図柄8が大当り態様で仮停止される。そして、当該変動演出(大当り変動)の終了タイミング(t5)が到来すると、演出図柄8が大当り態様で確定停止されて、当該変動演出が終了する。
これに対し、例えば、外れ変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第4ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合、そのボタン振動予告は、図44(D)に示すように当落分岐タイミング(t4)のみで実行され、前述の大当り変動のように変動演出の開始タイミング(t1)では実行されない。つまり、外れ変動のSPリーチ変動演出ではボタン振動予告が1回だけ実行される。そして、当落分岐タイミング(t4)を過ぎると、表示画面7aには、当該変動演出(外れ変動)の終了タイミング(t5)が到来する前に、当落報知演出表示として落選を報知する演出表示(「落選報知演出表示」又は「非特定演出表示」ともいう。)が表示され、その後、演出図柄8が外れ態様で仮停止される。そして、当該変動演出(外れ変動)の終了タイミング(t5)が到来すると、演出図柄8が外れ態様で確定停止されて、当該変動演出が終了する。
なお、本演出例に係る変動演出の実行期間(変動時間)の内訳は、例えば、変動開始タイミング(t1)からリーチ成立タイミング(t2)までを約10秒とし、リーチ成立タイミング(t2)からSPリーチ発展タイミング(t3)までを約10秒とし、SPリーチ発展タイミング(t3)から当落分岐タイミング(t4)までを約50秒とし、当落分岐タイミング(t4)から変動終了タイミング(t5)までを約5秒とすることができる。また、変動演出の開始(t1)から当落分岐タイミング(t4)までの期間において表示画面7aに表示される変動演出(表示演出)の内容は、基本的には、大当り変動の場合と外れ変動の場合とで同様とすることができる。そして、当落分岐タイミング(t4)を経て表示される当落報知演出表示の内容及び停止表示(仮停止、確定停止)される演出図柄8の停止表示態様は、それぞれ大当り変動の場合と外れ変動の場合とで異なるものとされる。
例えば、SPリーチ演出の演出表示の内容(演出表示態様)を、味方キャラクタと敵キャラクタとの対決を描いた内容とする場合、当落報知演出表示としてキャラクタの勝敗を示す演出表示を表示することができる。この場合、例えば、味方キャラクタが勝利した旨を示す演出表示(勝利演出)を当選報知演出表示(特定演出表示)とし、味方キャラクタが敗北した旨を示す演出表示(敗北演出)を落選報知演出表示(非特定演出表示)とすることができる。また、SPリーチ演出の演出表示の内容(演出表示態様)を、所定のミッション(演出条件)をクリアすることができるか否かを描いた内容とする場合、当落報知演出表示としてミッションクリアの成否を示す演出表示を表示することができる。この場合、例えば、ミッションをクリアすることができた旨を示す演出表示(成功演出)を当選報知演出表示(特定演出表示)とし、ミッションをクリアすることができなかった旨を示す演出表示(失敗演出)を落選報知演出表示(非特定演出表示)とすることができる。
なお、当選報知演出表示(特定演出表示)の後、変動終了タイミング(t5)に合わせて演出図柄8が大当り態様(例えばゾロ目)で停止表示される演出表示も特定演出表示ということができる。また、落選報知演出表示(非特定演出表示)の後、変動終了タイミング(t5)に合わせて演出図柄8が外れ態様(例えばバラケ目)で停止表示される演出表示も非特定演出表示ということができる。
以上に説明した変動演出の実行期間(変動時間)の内訳や演出表示の内容については、大当り変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第2ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合、大当り変動又は外れ変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第3ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合、及び、外れ変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第5ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合についても同様である。
大当り変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第2ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合の演出の流れ(図44(B)を参照)は、例えば、前述した第1ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合(図44(A)を参照)に対し、SPリーチ発展タイミング(t3)のボタン振動予告が追加されるものであり、その他は、前述した説明内容と同様である。すなわち、変動開始タイミング(t1)で1回目のボタン振動予告が実行され、SPリーチ発展タイミング(t3)で2回目のボタン振動予告が実行され、当落分岐タイミング(t4)で3回目のボタン振動予告が実行される。
SPリーチ発展タイミング(t3)でのボタン振動予告による第1演出ボタン63aの振動は、1回目(変動開始時)のボタン振動予告と同様に所定時間(例えば約3秒)が経過したことに基づいて終了するように構成される。なお、SPリーチ発展タイミング(t3)のボタン振動予告の実行中における第1演出ボタン63aの操作に基づいて、例えば、発展先(SPリーチ演出の内容、種類等)を示唆する演出等、何らかの操作対応演出を実行するようにしてもよい。
大当り変動又は外れ変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第3ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合の演出の流れ(図44(C)を参照)は、例えば、前述した第2ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合(図44(B)を参照)の変動開始タイミング(t1)のボタン振動予告を無くしたものであり、その他は、前述した説明内容と同様である。すなわち、SPリーチ発展タイミング(t3)で1回目のボタン振動予告が実行され、当落分岐タイミング(t4)で2回目のボタン振動予告が実行される。
外れ変動の変動演出(SPリーチ変動演出)で第5ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合の演出の流れ(図44(E)を参照)は、例えば、前述した第3ボタン振動予告パターンに基づくボタン振動予告が実行される場合(図44(C)を参照)の当落分岐タイミング(t4)のボタン振動予告を無くしたものであり、その他は、前述した説明内容と同様である。すなわち、SPリーチ発展タイミング(t3)のみでボタン振動予告が実行される。
以上の演出例1によれば、リーチ演出等の演出図柄8を用いた演出表示(判定の結果を報知する演出表示)を表示画面7a(演出表示部)に表示させる変動演出(表示演出)や、前面枠51の上皿61(遊技機前面側)に設けられた第1演出ボタン63a(演出可動部)を振動(作動)させるボタン振動予告(作動演出)が、変動遊技の進行に伴って実行可能とされる。そして、SPリーチ変動演出の実行期間中の当落分岐タイミングで、当選報知演出表示(特定演出表示)が表示される場合と、落選報知演出表示(非特定演出表示)が表示される場合とのうち、少なくとも前者の場合が生じる変動演出の実行期間中に、ボタン振動予告(作動演出)が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる(図44、図45を参照)。このため、ボタン振動予告を、当選報知演出表示(特定演出表示)の前兆を示す演出(前兆演出)として遊技者に意識させることが可能となる。これにより、変動演出中のボタン振動予告に対する遊技者の関心を高めて、変動演出において当落報知演出表示が表示(判定の結果が報知)される前の興趣を向上させることが可能となる。この結果、遊技機前面側に設けられた演出用の可動部(演出可動部)が作動する演出(作動演出)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
特に演出例1では、当選報知演出表示が表示される場合(大当り変動)のSPリーチ変動演出の実行期間中において、当落分岐タイミングまでにボタン振動予告が所定の時間間隔を空けて2回又は3回実行可能とされる。一方、落選報知演出表示が表示される場合(外れ変動)のSPリーチ変動演出の実行期間中においては、当落分岐タイミングまでにボタン振動予告が1回又は所定の時間間隔を空けて2回実行可能とされる。このため、SPリーチ変動演出の当落分岐タイミングまでにボタン振動予告が1回しか実行されなければ、当該表示演出で当選報知演出表示(特定演出表示)や演出図柄8の大当り態様(特定演出表示)が表示されないことが確定し、当落分岐タイミングまでにボタン振動予告が2回以上実行されれば、当該表示演出で当選報知演出表示(特定演出表示)や演出図柄8の大当り図柄の停止表示(特定演出表示)が表示される可能性が高まる、といった遊技性が実現される。これにより、変動演出中のボタン振動予告に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。
また演出例1では、落選報知演出表示や演出図柄8の外れ態様(非特定演出表示)が表示される場合(外れ変動)のSPリーチ変動演出では、当該変動演出の開始時(変動開始タイミング)にボタン振動予告が実行されることはない一方、当選報知演出表示(特定演出表示)や演出図柄8の大当り態様(特定演出表示)が表示される場合(大当り変動)のSPリーチ変動演出では、当該変動演出の開始時(変動開始タイミング)にボタン振動予告が実行され得るものとなっている。このため、変動演出(演出図柄8の変動表示)の開始に伴ってボタン振動予告が実行されれば、当該変動演出で当選報知演出表示(特定演出表示)や演出図柄8の大当り態様(特定演出表示)が表示されることが確定する、といった遊技性が実現される。これにより、変動演出が開始されるときの興趣を高めることが可能となる。
なお、演出例1において、変動開始時ボタン振動予告の有無(実行可否)を、遊技者が任意に設定(カスタマイズ)できるようにしてもよい。すなわち、デモ演出が実行される客待ち中の表示画面7aに表示可能な演出設定画面(図示せず)を通じて、変動開始時ボタン振動予告の有無を、遊技者が演出ボタン63等の操作手段を操作して設定できるようにしてもよい。この設定は、例えば、変動開始時ボタン振動予告の有無(実行可否)を示すフラグ(「変動開始時予告フラグ」ともいう。)をサブ制御部のRAMに設け、当該フラグの設定内容を、演出設定画面を通じた変動開始時ボタン振動予告の有無に関する選択内容に対応させることにより行うことができる。
具体的には、遊技者が操作手段を操作して「変動開始時ボタン振動予告有り」を選択した場合には、変動開始時予告フラグがONとなり、「変動開始時ボタン振動予告無し」を選択した場合には、変動開始時予告フラグがOFFとなるように構成する。変動開始時予告フラグのON/OFFの設定に係る処理は、例えば、演出制御用マイコン91が前述の待機画面設定処理(S1212)の中で行うように構成することができる。操作手段の操作に基づいて変動開始時予告フラグのON/OFFを設定する演出制御用マイコン91は、変動開始時(変動開始タイミング)のボタン振動予告の有無を操作手段の操作に基づいて設定可能な設定手段として機能する。なお、変動開始時予告フラグのデフォルト(初期設定)はON(変動開始時ボタン振動予告有り)であってもOFF(変動開始時ボタン振動予告無し)であってもどちらでもよい。
そして、演出制御用マイコン91が、前述のS4506で予告演出パターンとして第1ボタン振動予告パターン又は第2ボタン振動予告パターン(図44(A)、(B)を参照)を設定した場合、変動開始時予告フラグを参照して、当該フラグがON(変動開始時ボタン振動予告有り)であれば、設定したパターン通りにボタン振動予告を実行し、OFF(変動開始時ボタン振動予告無し)であれば、設定したパターンのうち変動開始時のボタン振動予告(図44(A)、(B)の変動開始タイミング(t1)を参照)を実行せず、他のタイミングのボタン振動予告を実行するように構成する。
このように、変動開始時ボタン振動予告の有無を操作手段の操作に基づいて設定(選択)可能とし、「変動開始時ボタン振動予告有り」とする設定がなされれば、変動開始時ボタン振動予告が実行可能となり、「変動開始時ボタン振動予告無し」とする設定がなされれば、変動開始時ボタン振動予告が実行不能となるように構成することで、変動開始時ボタン振動予告の有無(実行可否)を遊技者が自由に選択できるようになる。特に演出例1では、外れ変動の変動演出において変動開始時ボタン振動予告が実行されることはない一方、大当り変動の変動演出において変動開始時ボタン振動予告が実行され得るものとなっている。このため、例えば、変動演出の開始時に大当りが確定するような演出(遊技性)を好まない遊技者は、「変動開始時ボタン振動予告無し」を選択することで、大当り変動の変動演出を自身の好みに合わせることが可能となる。
また演出例1では、前面枠51の上皿61に設けられた第1演出ボタン63aを演出可動部とした形態を例示したが、演出可動部とするのは第1演出ボタン63aに限られず、パチンコ遊技機1(遊技機)の前面側に設けられる他の部材(遊技機構成部品)を演出可動部としてもよい。
例えば、前面枠51の下皿62の右側に設けられた発射ハンドル60(図1を参照)に、発射ハンドル60を振動させる振動機構(図示せず)や、発射ハンドル60を操作する遊技者の手(手のひら)に向けて風を送る送風機構(図示せず)等の可動演出機構を設け、当該可動演出機構をサブ制御部の制御下で機能させるように構成することで、発射ハンドル60を演出可動部とすることも可能である。また、演出ボタンとは別に演出用の可動体(所謂「枠ギミック」)を前面枠51に設け、この可動体(枠ギミック)を演出可動部とすることも可能である。この場合の可動体(演出可動部)としては、例えば、前面枠51の上部(窓部の上方)に設けられる枠上部可動体(図示せず)や、前面枠51の上皿61や下皿62の周辺に設けられる皿部可動体(図示せず)等とすることができる。このように、演出ボタン以外にも演出可動部を遊技機前面側に設けることができる。
また例えば、第1演出ボタン63aと発射ハンドル60をそれぞれ演出可動部としたり、第1演出ボタン63aと枠上部可動体と皿部可動体とをそれぞれ演出可動部としたりする等、遊技機前面側に演出可動部を複数設けることも可能である。遊技機前面側に演出可動部を複数設ける場合、「作動あり変動演出」が実行される際の当該変動演出で作動させる演出可動部の種類は、作動演出パターンにより適宜設定可能である。例えば、演出例1で例示した5つ(5種類)ボタン振動予告パターンのうち、第1ボタン振動予告パターン(第1予告演出パターン)、第2ボタン振動予告パターン(第2予告演出パターン)及び第3ボタン振動予告パターン(第3予告演出パターン)では、第1演出ボタン63aの作動(振動)タイミングが複数回設定されている(図44を参照)。この複数回の作動タイミングのうち、例えば、1回目を第1演出ボタン63a(第1演出可動部)、2回目を枠上部可動体(第2演出可動部)とする等、作動タイミングによって作動させる演出可動部を異ならせる(つまり、作動演出の種類を異ならせる)ことも可能である。これにより、作動あり変動演出中の演出可動部の作動バリエーション、すなわち、作動あり変動演出中に実行される作動演出のバリエーションを増やして、作動あり変動演出の興趣を向上させることが可能となる。なお、ここでは演出可動部として第1演出ボタン63a(第1演出可動部)と枠上部可動体(第2演出可動部)を例示したが、第1演出可動部及び第2演出可動部に加え、第3演出可動部、第4演出可動部・・・といったように、演出可動部を複数設ける場合の演出可動部の数は特に問わない。
また、作動あり変動演出において、複数の演出可動部の何れかを所定の時間間隔を空けて作動させる場合、作動させる演出可動部の種類や作動順は、作動演出パターンにより適宜設定可能である。例えば、第1演出ボタン63a(第1演出可動部)を作動させる作動演出を第1作動演出とし、枠上部可動体(第2演出可動部)を作動させる作動演出を第2作動演出とする場合、作動あり変動演出(SPリーチ変動演出)の変動開始タイミングで第1作動演出を実行し、当該変動演出のSP発展タイミングで第2作動演出を実行するパターン等、種々の作動演出パターンが考えられる。また、作動させる演出可動部の種類や作動順は、演出可動部の構成(作動態様、配置箇所等)や遊技者に与えるインパクト等を考慮して定めることができる。例えば、第1演出ボタン63aによる作動演出に比して、枠上部可動体や皿部可動体等の枠ギミック(「枠演出手段」ともいう。)による作動演出の方が外観上(見た目)の変化が大きい(派手な)場合、第1演出ボタン63a(操作手段)による作動演出を先に実行し、枠ギミック(枠演出手段)による作動演出を後に実行することが考えられる。この場合、変動演出が進むにつれて演出が派手になるので、遊技者を効果的に煽ることが可能となる。
[演出例2]
演出例2は、前述の大当り遊技関連演出処理(S4406)で(図42を参照)、第1演出ボタン63aを作動させる大当り遊技演出パターン(作動演出を含む大当り遊技演出パターン)が設定された場合に実行される遊技演出の一例である。具体的には、大当り遊技状態の開始から終了までの間、すなわち、大当り遊技状態に係る表示演出(「大当り遊技表示演出」ともいう。)の実行期間中に、第1演出ボタン63a(演出可動部)を所定時間(例えば3~5秒)振動させる作動演出が1回又は複数回実行される態様の遊技演出の一例である。つまり、変動演出(表示演出)の実行期間中(変動遊技中)に作動演出が実行される態様の演出例1に対し、作動演出の実行時期を大当り遊技表示演出の実行期間中(大当り遊技状態中)に置き換えた態様である。以下では、上記演出例1等で既に説明した構成等と共通する点について、その詳細な説明を簡略化又は省略する場合がある。
大当り遊技表示演出(図示せず)は、大当りのオープニング期間(OP)で表示されるオープニング表示演出と、1ラウンド(1R)から最終ラウンド(最終R)の各ラウンド遊技で表示されるラウンド表示演出と、大当りのエンディング期間(ED)で表示されるエンディング表示演出と、を含んで構成される。
本演出例の作動演出(第1演出ボタン63aの振動)は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を報知(示唆)する状態報知演出(状態示唆演出)として実行されるものである。このため、大当り遊技状態に移行する前(大当り遊技開始前)の変動演出で停止表示(確定停止)された演出図柄8の停止表示態様が、10R確変大当りの確定出目である「777」のゾロ目である場合には、作動演出を含む大当り遊技演出パターンが前述のS4406で設定されることはない。「777」のゾロ目が停止表示された時点で、遊技者はその停止表示態様を通じて、今回の大当りが確変大当りであること、すなわち、大当り遊技状態後の遊技状態が確変遊技状態になることを認識できるからである。
これに対し、大当り遊技状態に移行する前(大当り遊技開始前)の変動演出で停止表示(確定停止)された演出図柄8の停止表示態様が「777」以外のゾロ目である場合(例えば「5R大当り」である場合)には、作動演出を含む大当り遊技演出パターンが前述のS4406で設定可能とされる。作動演出を含む大当り遊技演出パターンのことを「特定大当り遊技演出パターン」ともいい、特定大当り遊技演出パターンに基づいて実行される大当り遊技演出、すなわち、作動演出を含む大当り遊技演出のことを「特定大当り遊技演出」ともいう。
本演出例では、S4406で設定可能な特定大当り遊技演出パターンとして、図46に示すように3つ(3種類)のパターン(第1~第3特定大当り遊技演出パターン)が設けられている。S4406では、例えば、大当り遊技演出として特定大当り遊技演出を実行するか否かを判定(決定)するための乱数抽選が行われ、その結果、特定大当り遊技演出を実行することが決定されると、図46(A)~(C)に示す第1~第3特定大当り遊技演出パターンの何れかが設定される。
第1特定大当り遊技演出パターンは、大当り遊技状態の開始から終了にかけて大当り遊技表示演出(オープニング表示演出、ラウンド表示演出、エンディング表示演出)を表示画面7aに表示するとともに、大当り遊技表示演出の開始に相当するオープニング期間(OP)の開始に伴って1回目の作動演出を実行し、大当り遊技表示演出の実行期間中である大当り遊技の最終ラウンド(5R又は10R)で2回目の作動演出を実行するパターン(所定の時間間隔を空けて作動演出を2回実行するパターン)である(図46(A)を参照)。
第2特定大当り遊技演出パターンは、大当り遊技状態の開始から終了にかけて大当り遊技表示演出(オープニング表示演出、ラウンド表示演出、エンディング表示演出)を表示画面7aに表示するとともに、大当り遊技表示演出の実行期間中である大当り遊技の3ラウンドで1回目の作動演出を実行し、最終ラウンド(5R又は10R)で2回目の作動演出を実行するパターン(所定の時間間隔を空けて作動演出を2回実行するパターン)である(図46(B)を参照)。
第3特定大当り遊技演出パターンは、大当り遊技状態の開始から終了にかけて大当り遊技表示演出(オープニング表示演出、ラウンド表示演出、エンディング表示演出)を表示画面7aに表示するとともに、大当り遊技表示演出の実行期間中である大当り遊技の3ラウンドで作動演出を実行するパターン(作動演出を1回実行するパターン)である(図46(C)を参照)。
S4406で設定する特定大当り遊技演出パターンは、例えば、図47に示す特定大当り遊技演出パターン決定テーブルに基づいて決定(選択)することができる。同図に示すように、特定大当り遊技演出パターン決定テーブルは、3種類の特定大当り遊技演出パターンの各々に対し、演出決定用乱数の一種である大当り遊技演出決定用乱数(例えば「0~99」)の値を大当りの種別毎に割り当てたデータ構造となっている。この特定大当り遊技演出パターン決定テーブルと、特定大当り遊技演出パターンの決定に際して(例えば、S4406の処理実行時に)取得した大当り遊技演出決定用乱数とに基づいて、何れかの特定大当り遊技演出パターンが大当りの種別に応じて決定(選択)される。なお、大当りの種別は、例えば、今回の大当り遊技状態の契機(大当り遊技の実行契機)となった特別図柄の変動表示(つまり、大当り変動)の開始時に主制御基板80から送信される変動パターン指定コマンド(変動開始コマンド)に含まれる図柄情報(大当り種別を指定する情報)に基づいて特定可能である。
この特定大当り遊技演出パターン決定テーブルによれば、今回の大当り遊技状態に係る大当りの種別が確変大当りである場合には、第3特定大当り遊技演出パターンは選択されず(選択率0%)、第1特定大当り遊技演出パターン又は第2特定大当り遊技演出パターンが選択される(ともに選択率50%)。一方、今回の大当り遊技状態に係る大当りの種別が非確変大当りである場合には、第1特定大当り遊技演出パターン及び第2特定大当り遊技演出パターンは選択されず(選択率0%)、第3特定大当り遊技演出パターンが選択される(選択率100%)。
このため、大当り遊技表示演出の実行期間中(大当り遊技状態中)に作動演出が実行される場合、その大当り遊技表示演出が確変大当りに起因するものであれば、作動演出が必ず複数回(本演出例では2回)実行され、非確変大当りに起因するものであれば、作動演出が1回だけ実行される。そして、大当り遊技表示演出の開始時(オープニング期間開始時)に作動演出が実行された場合(S4406で第1特定大当り遊技演出パターンが設定された場合)には、今回の大当り遊技が確変大当りに起因するものであること、すなわち、大当り遊技状態後に確変遊技状態へ移行すること(確変突入)が確定する。つまり、大当り遊技表示演出の開始(オープニング表示演出)に伴って実行される作動演出は、確変確定を報知する演出(確変告知)となる。一方、大当り遊技表示演出の実行期間中に作動演出が1回しか実行されない場合には、確変非突入が確定する。
なお、図47に示す特定大当り遊技演出パターン決定テーブル中の各特定大当り遊技演出パターンの選択率はあくまでも一例であり、遊技性や演出効果等を考慮して適宜変更可能である。また、特定大当り遊技演出パターンの種類や数は本演出例に限定されるものではなく、例えば、3種類未満としたり4種類以上としたりすることが可能である。さらに、大当り遊技表示演出の実行期間中における作動演出の実行回数や実行時期も本演出例に限定されるものではなく、例えば、3回以上実行してもよいし、どのラウンドで実行してもよいし、前のラウンドと次のラウンドとの間のインターバル(インターバル期間)やエンディング期間で実行してもよい。
また、非確変大当りに起因する大当り遊技表示演出の実行期間中においても、作動演出を複数回実行可能としてもよい。この場合、確変大当りに起因する大当り遊技表示演出の実行期間中に複数回実行される作動演出の実行回数よりも少ない回数とすることで、例えば、作動演出の実行回数がより多ければ、確変突入が確定する(又は、確変突入の可能性が高い)といった遊技性とすることが可能である。
次に、大当り遊技表示演出の実行期間中に作動演出が実行される場合の演出の流れについて図46を参照しながら説明する。例えば、第1特定大当り遊技演出パターンに基づいて特定大当り遊技演出が実行される場合、図46(A)に示すように、まず、大当り遊技表示演出の開始に伴い、オープニング期間で1回目の作動演出が実行される。すなわち、大当り遊技表示演出の開始(オープニング表示演出の開始)に伴って第1演出ボタン63aが振動する。この振動は、所定時間(例えば約3秒)が経過すると終了する。つまり、この所定時間(振動時間)は、作動演出の1回の実行時間に相当する。本演出例では、オープニング期間中に(オープニング表示演出の開始に伴って)作動演出が実行され得ることを考慮して、オープニング期間の長さ、すなわち、オープニング表示演出の実行時間を、作動演出の実行時間よりも長い時間(例えば約5秒)としている。これにより、オープニング期間中に作動演出の実行時間が確保される。なお、オープニング表示演出の実行時間(オープニング期間)と作動演出の実行時間とを同じにしてもよいし、オープニング表示演出の実行時間を作動演出の実行時間よりも短くしてもよい。オープニング表示演出の実行時間を作動演出の実行時間よりも短くする場合、オープニング表示演出とこれに続く1ラウンド目のラウンド表示演出にかけて作動演出が実行されるようにすればよい。
本演出例では、オープニング期間での作動演出の実行中(第1演出ボタン63aの振動中)に第1演出ボタン63aが操作されたとしても、当該操作に対応する演出(操作対応演出)は実行されない(発生しない)ものとしている。つまり、オープニング期間における作動演出の実行に際して、第1演出ボタン63aの操作有効期間が発生しない(設定されない)ものとなっている。操作有効期間については前述の通りである。なお、オープニング期間での作動演出の実行中における第1演出ボタン63aの操作に基づいて、所定の効果音を出力したり所定の演出画像を表示したりする等、何らかの操作対応演出を実行するようにしてもよい。
当該大当り遊技表示演出の開始後、オープニング期間(オープニング表示演出)を経て1ラウンド目、2ラウンド目・・・とラウンド遊技が進行していき、これに伴いラウンド表示演出が進行していく。そして、最終ラウンドが開始されると、当該最終ラウンドで2回目の作動演出が(実行)される(図46(A)を参照)。すなわち、最終ラウンドの開始に伴って第1演出ボタン63aが振動する。
最終ラウンドでの作動演出による第1演出ボタン63aの振動は、1回目(オープニング期間)の作動演出と同様に所定時間(例えば約3秒)が経過したことに基づいて終了するように構成することができる。また、最終ラウンドにおいて、第1演出ボタン63aの操作に基づいて、大当り遊技状態後の遊技状態を報知する不図示の演出表示(「状態報知演出表示」ともいう。)が表示(実行)される演出構成とした場合、操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されるか、操作されることなく操作有効期間(例えば約3秒)が経過したことに基づいて、第1演出ボタン63aの振動(作動演出)が終了するように構成することができる。状態報知演出表示(図示せず)は、大当り種別の判定結果に基づく演出表示であり、今回の大当り遊技状態の契機となった大当りが確変大当り(特定結果)であるか非確変大当り(非特定結果)であるかを報知する演出表示である。
なお、操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されなかった場合、操作有効期間の経過に基づいて状態報知演出表示が表示されるように構成することができる。また、最終ラウンドで第1演出ボタン63aを操作させない演出構成とすることも可能である。
ここで、作動演出の実行期間(第1演出ボタン63aの振動時間)と、第1演出ボタン63aの操作有効期間とを互いに同じ長さ(時間)とする場合、例えば、作動演出の実行開始タイミング(始期)と、第1演出ボタン63aの操作有効期間の開始タイミング(始期)とを同期させることで、作動演出(第1演出ボタン63aの振動)が、第1演出ボタン63aの操作を促す操作促進演出や、操作有効期間であることを報知する有効期間報知演出を兼ねるように構成することが可能となる。これにより、大当り遊技状態中の演出ボタンを用いた演出の設計の幅を広げることが可能となる。
図46(A)に戻り、最終ラウンドで作動演出が実行されて該作動演出の実行時間が経過するか、第1演出ボタン63aの操作に基づき状態報知演出表示が表示される構成において最終ラウンドで第1演出ボタン63aが操作されると、表示画面7aには、状態報知演出表示として、大当り遊技状態後の遊技状態が確変遊技状態となる旨を報知する演出表示(「確変報知演出表示」又は「特定演出表示」ともいう。)が表示される。そして、エンディング期間(エンディング表示演出)を経て、当該大当り遊技表示演出(大当り遊技状態)が終了する。エンディング期間では、確変遊技状態への移行(確変突入)を報知する内容のエンディング表示演出(「確変エンディング表示演出」ともいう。)が表示画面7aに表示される。確変エンディング表示演出も特定演出表示といえる。
これに対し、第2特定大当り遊技演出パターンに基づいて特定大当り遊技演出が実行される場合、図46(B)に示すように、大当り遊技表示演出の実行期間中における作動演出は、大当り遊技(ラウンド遊技)の3ラウンド及び最終ラウンドで実行され、第2特定大当り遊技演出パターンのようにオープニング期間では実行されない。つまり、大当り遊技表示演出の開始に伴って作動演出が実行されず、大当り遊技表示演出のラウンド表示演出が実行される複数回のラウンドのうち2回のラウンドで作動演出が実行される。
第2特定大当り遊技演出パターンのうち、3ラウンドで実行される作動演出(1回目の作動演出)は、前述の第1特定大当り遊技演出パターンのオープニング期間で実行される作動演出(1回目の作動演出)と同様であり、第2特定大当り遊技演出パターンのうち、最終ラウンドで実行される作動演出(2回目の作動演出)は、前述の第1特定大当り遊技演出パターンの最終ラウンドで実行される作動演出(2回目の作動演出)と同様である。また第2特定大当り遊技演出パターンのうち、最終ラウンドでの作動演出後に表示画面7aに表示される確変報知演出表示(特定演出表示)や、エンディング期間で表示画面7aに表示されるエンディング表示演出(確変エンディング表示演出、特定演出表示)も、前述の第1特定大当り遊技演出パターンと同様である。
また、第3特定大当り遊技演出パターンに基づいて特定大当り遊技演出が実行される場合、図46(C)に示すように、大当り遊技表示演出の実行期間中における作動演出は、大当り遊技中の3ラウンドのみで実行され、前述の第1特定大当り遊技演出パターンや第2特定大当り遊技演出パターンのように最終ラウンドでは実行されない。つまり、大当り遊技表示演出の開始に伴って作動演出が実行されず、大当り遊技表示演出のラウンド表示演出が実行される複数回のラウンドのうち1回のラウンドで作動演出が実行される。
第3特定大当り遊技演出パターンのうち、3ラウンドで実行される作動演出は、前述の第1特定大当り遊技演出パターンのオープニング期間で実行される作動演出(1回目の作動演出)と同様である。そして、第3特定大当り遊技演出パターンのうち最終ラウンドのラウンド表示演出では、状態報知演出表示として、大当り遊技状態後の遊技状態が非確変遊技状態となる旨を報知する演出表示(「非確変報知演出表示」又は「非特定演出表示」ともいう。)が表示画面7aに表示される。その後、エンディング期間(エンディング表示演出)を経て、当該大当り遊技表示演出(大当り遊技状態)が終了する。この場合のエンディング期間では、非確変遊技状態への移行(確変非突入)を報知する内容のエンディング表示演出(「非確変エンディング表示演出」ともいう。)が表示画面7aに表示される。非確変エンディング表示演出も非特定演出表示といえる。
以上の特定大当り遊技演出パターンによれば、大当り遊技表示演出(オープニング表示演出)の開始時に作動演出が実行されると(第1演出ボタン63aが振動すると)、その時点で確変突入が確定する。また、大当り遊技表示演出(オープニング表示演出)の開始時に作動演出が実行されず(第1演出ボタン63aが振動せず)、3ラウンドで作動演出が実行された(第1演出ボタン63aが振動した)場合、その後の最終ラウンドでも作動演出が実行されると(第1演出ボタン63aが振動すると)確変突入が確定し、最終ラウンドで作動演出が実行されなければ(第1演出ボタン63aが振動しなければ)、確変非突入が確定する。
なお、本演出例に係る大当り遊技表示演出の実行期間の内訳は、例えば、オープニング表示演出(オープニング期間)を約10秒とし、大当り遊技の1ラウンドから最終ラウンドまでの各ラウンドのラウンド表示演出を、1ラウンドごとのラウンド終了条件の成立に合わせた時間とし、エンディング表示演出(エンディング期間)を約15秒とすることができる。そして、大当り遊技表示演出のうち、状態報知演出表示が表示される(大当り種別の判定結果が報知される)までの期間において表示画面7aに表示される表示演出の内容は、基本的には、確変大当りに基づく大当り遊技が実行される場合と非確変大当りに基づく大当り遊技が実行される場合とで同様とすることができる。また、状態報知演出表示が表示された後の最終ラウンドのラウンド表示演出及びエンディング表示演出の内容は、それぞれ確変大当りに基づく大当り遊技が実行される場合と非確変大当りに基づく大当り遊技が実行される場合とで異なるものとされる。
以上の演出例2によれば、大当り遊技状態終了後の遊技状態(大当り種別の判定結果)を報知する演出表示(状態報知演出表示)を含む大当り遊技表示演出や、前面枠51の上皿61(遊技機前面側)に設けられた第1演出ボタン63a(演出可動部)を振動(作動)させる作動演出が、大当り遊技の進行に伴って実行可能とされる。そして、大当り遊技表示演出において、確変報知演出表示(特定演出表示)が表示される場合と、非確変報知演出表示(非特定演出表示)が表示される場合とのうち、少なくとも確変報知演出表示が表示される場合の当該大当り遊技表示演出の実行期間中に、作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる(図46、図47を参照)。このため、作動演出を、確変報知演出表示(特定演出表示)の前兆を示す演出(前兆演出)として遊技者に認識させることが可能となる。これにより、大当り遊技表示演出中の作動演出(第1演出ボタン63aの振動)に対する遊技者の関心を高めて、大当り遊技表示演出において状態報知演出表示が表示(判定の結果が報知)される前の興趣を向上させることが可能となる。この結果、遊技機前面側に設けられた演出用の可動部(演出可動部)が作動する演出(作動演出)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
特に演出例2では、確変報知演出表示が表示される場合の大当り遊技表示演出の実行期間中において、作動演出が所定の時間間隔を空けて2回実行可能とされる。一方、非確変報知演出表示が表示される場合の大当り遊技表示演出の実行期間中においては、作動演出が1回だけ実行可能とされる。このため、大当り遊技表示演出の実行期間中に作動演出が1回しか実行されなければ、当該大当り遊技表示演出で確変報知演出表示(特定演出表示)が表示されないこと(確変非突入)が確定し、大当り遊技表示演出の実行期間中に作動演出が2回実行されれば、当該大当り遊技表示演出で確変報知演出表示(特定演出表示)が表示されること(確変突入)が確定する、といった遊技性が実現される。これにより、大当り遊技表示演出中の作動演出に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。
また演出例2では、非確変報知演出表示が表示される場合の大当り遊技表示演出では、当該大当り遊技表示演出の開始時(オープニング期間開始時)に作動演出が実行されることはない一方、確変報知演出表示(特定演出表示)が表示される場合の大当り遊技表示演出では、当該大当り遊技表示演出の開始時(オープニング期間開始時)に作動演出が実行され得るものとなっている。このため、大当り遊技表示演出の開始に伴って作動演出が実行されれば(第1演出ボタン63aが振動すれば)、当該大当り遊技表示演出で確変報知演出表示(特定演出表示)が表示されることが確定する、といった遊技性が実現される。これにより、大当り遊技表示演出が開始されるときの興趣を高めることが可能となる。
なお、演出例2においても、上記演出例1で説明したように、大当り遊技表示演出開始時(オープニング期間開始時)の作動演出の有無(実行可否)を遊技者が任意に設定(カスタマイズ)できるようにすることが可能である。
また、演出例2においても、上記演出例1で説明したように、演出可動部とするのは第1演出ボタン63aに限られず、パチンコ遊技機1(遊技機)の前面側に設けられる他の部材(遊技機構成部品)を演出可動部としてもよく、演出可動部を複数設けたり、複数の演出可動部の何れかを所定の時間間隔を空けて作動させたりすることも可能である。
[演出例3]
演出例3は、前述の変動演出開始処理(S4402)のS4505(図42を参照)で、演出ボタン63(操作手段)を用いる演出(ボタン演出)を含む変動演出パターンが設定された場合に実行される遊技演出の一例である。具体的には、表示画面7aで変動表示される3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち左右の演出図柄8L,8Rがリーチ図柄で停止(仮停止)した後(つまり、リーチが成立した後)、SPリーチ演出に発展するか否か(SPリーチ発展有無)に係る演出がボタン演出として実行される場合の表示演出の一例である。以下では、上記演出例1,2等で既に説明した構成等と共通する点について、その詳細な説明を簡略化又は省略する場合がある。
本演出例の表示演出(変動演出)は、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms以上の特図変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信し(S4401でYES)、当該コマンドに基づいて「リーチあり変動演出」の変動演出パターン(「リーチ変動演出パターン」ともいう。)が設定され(S4505)、そのリーチ変動演出パターンがボタン演出を含む場合に実行される。ボタン演出を含むリーチ変動演出パターンは、S4501で取得される変動演出決定用乱数と、前述のS4504でセットされる変動演出パターン決定テーブル(図示せず)とに基づいて決定(選択)可能な変動演出パターンである。ボタン演出を含むリーチ変動演出パターンのことを「特定変動演出パターン」ともいい、特定変動演出パターンに基づいて実行される変動演出(ボタン演出を含むリーチ変動演出)のことを「特定変動演出」ともいう。
特定変動演出パターンとして、SPリーチ演出を含まない(SPリーチ演出に発展しない)NMリーチ変動演出パターン(変動時間が30000msの変動演出パターン)と、SPリーチ演出を含む(SPリーチ演出に発展する)SPリーチ変動演出パターン(変動時間が45000ms以上の変動演出パターン)と、が設けられている(記憶されている)。特定変動演出パターンに基づく変動演出(特定変動演出)の実行期間(遊技期間)は、大別すると、変動演出の開始からリーチ成立までの第1期間と、リーチ成立からSPリーチ発展有無が確定するタイミング(「発展分岐タイミング」ともいう。)までの第2期間と、発展分岐タイミングからSPリーチ演出の当落分岐タイミングまでの第3期間と、当落分岐タイミングから演出図柄8の確定停止(変動演出終了)までの第4期間と、に分けることができる。このうち、第1期間及び第2期間は、NMリーチ変動演出パターンとSPリーチ変動演出パターンの両方が備える期間であり、第3期間及び第4期間は、NMリーチ変動演出パターンが備えずSPリーチ変動演出パターンが備える期間である。NMリーチ変動演出パターンの場合、第2期間の終了(発展分岐タイミング)から程無くして、演出図柄8が確定停止されて変動演出が終了する。
本演出例では、NMリーチ変動演出パターンとSPリーチ変動演出パターンとで共通の第1期間及び第2期間に関し、第1期間の長さを約10秒とし、第2期間の長さを約18秒としている。また、SPリーチ変動演出パターンに含まれる第3期間及び第4期間の通算の長さは、特図変動パターンの変動時間(45000ms又は75000ms)に応じて、約17秒~約47秒の範囲で適宜定められる。なお、本演出例を含め本明細書で示す各種時間はあくまでも一例であり、遊技性や演出効果等を考慮して適宜変更可能である。
本演出例の表示演出は、主に、特定変動演出パターンに基づく変動演出(特定変動演出)の実行期間(第1期間から第4期間)のうち第2期間で実行されるものである。以下、第2期間で実行される演出の内容(表示内容)について、図48(A)及び図49を参照しながら説明する。
特定変動演出の開始後、第1期間でリーチが成立すると、その直後、すなわち、第2期間の開始直後から、図48(A)に示すように発展チャンス開始報知画像701が表示画面7aに表示される。発展チャンス開始報知画像701が表示される際、リーチ状態にある演出図柄8は表示画面7aの縁部(本例では画面右下)に通常よりも小さく表示(縮小表示)される。これにより、リーチ中に表示画面7a上で展開される演出(表示演出)の視認性が確保される。
発展チャンス開始報知画像701は、演出ボタン63を用いる演出(ボタン演出)の実行を示唆する演出画像である。本演出例では、発展チャンスの文字と、連打操作を伴うボタン演出の実行を示唆するメッセージを表示するものとしている。発展チャンス開始報知画像701が表示されると、遊技者はその画像の内容(表示内容)を通じて、この後、演出ボタン63を操作する時期が到来することを把握(推測)することができる。本演出例において、発展チャンス開始報知画像701(演出ボタン63を用いる演出の実行を示唆する演出画像)のことを「実行示唆画像」ともいい、発展チャンス開始報知画像701を表示する演出のことを「示唆表示演出」ともいう。
本演出例では、発展チャンス開始報知画像701の表示時間、すなわち、示唆表示演出の実行時間(実行期間)を約3秒としており、第2期間の開始(リーチ成立)から約3秒が経過するタイミングで示唆表示演出は終了する。
本演出例では、特定変動演出パターンに基づく変動演出中のボタン演出で操作する演出ボタン63の種類(操作対象)を第1演出ボタン63aとしており、その操作態様を、操作有効期間の開始から終了まで第1演出ボタン63aを連続して複数回押す「連打(連打操作)」としている。
なお、第1演出ボタン63aの操作態様は「連打」に限られず、操作有効期間内に第1演出ボタン63aを1回だけ押す「1回押し(プッシュ操作)」としたり、操作有効期間の開始から終了まで第1演出ボタン63aを押した状態で維持する「長押し(長押し操作)」としたりする等、操作態様は適宜変更可能である。また、本演出例で操作対象とされる演出ボタン63の種類を第2演出ボタン63bとしてもよく、特定変動演出パターンが複数設けられる場合は、特定変動演出パターンによって操作する演出ボタンの種類や操作態様を異ならせてもよい。また、示唆表示演出で表示する画像は本演出例(発展チャンス開始報知画像701)に限られず、文字以外の記号、図形、キャラクタ等の各種画像構成要素を用いることができ、演出ボタン(操作手段)を用いる演出の実行を示唆する画像であれば、その態様は特に問わない。
発展チャンス開始報知画像701の表示(示唆表示演出)が終了すると、表示画面7aには、発展チャンス開始報知画像701に替えて、第1演出ボタン63aの外観を模した演出ボタン画像702aが表示される(図49を参照)。演出ボタン画像702aは、複数(本演出例では8個)の第1演出ボタン63aが環状に配置された様子を表したものとなっている。本演出例において、演出ボタン画像702aを表示する演出、すなわち、示唆表示演出に続いて実行される演出のことを「第1表示演出」ともいい、第1表示演出で表示される演出ボタン画像702aのことを「操作画像」ともいう。
図49に示すように、第1表示演出では、第2期間中の時間経過(変動演出の進行)に伴って、表示画面7aに表示される第1表示演出の内容が(A)→(B)→(C)の順で遷移する。具体的には、第1表示演出が開始されると、表示画面7aの略中央に演出ボタン画像702a(複数の第1演出ボタン63a)が表示され、その演出ボタン画像702aが、画面中心を前後方向(画面に対して垂直方向)に通る仮想回転軸(図示せず)の周りを時計回り方向に回転しながら、画面外周方向(画面に対して水平方向)へ徐々に大きくなるように表示(拡大表示)される(図49(A)、(B)を参照)。そして、第1表示演出の終盤になると、演出ボタン画像702aの少なくとも一部(本演出例では第1演出ボタン63aの外周一側に相当する部分)が表示画面7aからはみ出るようにして表示され(図49(C)を参照)、その後、第1表示演出が終了する。本演出例では、第1表示演出の実行時間(実行期間)を約10秒としており、第2期間の開始から約13秒が経過するタイミングで第1表示演出は終了する。このような第1表示演出により、第1演出ボタン63aを操作(本演出例では連打操作)する時期が刻々と近づいて来くる印象を遊技者に与えて、遊技者の気持ちを高ぶらせることが可能となる。
なお、第1表示演出における演出ボタン画像702aの表示態様は、図49(A)~(C)に示す態様に限られず、例えば、演出ボタン画像702aを回転させずに画面外周方向へ徐々に大きくなるように表示したり、第1表示演出の開始当初は画面中央奥側に演出ボタン画像702aを小さく表示し、そこから画面手前側に向かって演出ボタン画像702aが移動しながらその表示サイズが大きくなる(演出ボタンが迫ってくる)ように表示したりする等、適宜変更可能である。また、1個の第1演出ボタン63aを表したものとしてもよい。
第1表示演出が終了すると、表示画面7aには、演出ボタン画像702aに替えて、演出ボタン画像702b、ゲージ画像703及び文字画像704が表示される(図49(D)を参照)。演出ボタン画像702bは、第1表示演出で表示される演出ボタン画像702aと同様に、第1演出ボタン63aの外観を模した画像(操作画像)であるが、演出ボタン画像702a(第1表示演出)と表示態様が異なるものとなっている。具体的には、演出ボタン画像702a(第1表示演出)で表される個々の第1演出ボタン63aよりも大きな1つの第1演出ボタン63aを表したものとなっている。また、演出ボタン画像702bは、演出ボタン画像702a(第1表示演出)のように回転したり拡大されたりすることはなく、固定的に表示される。なお、第1演出ボタン63aの連打操作を連想させるべく、例えば、演出ボタン画像702bが上下動する態様で動的に表示してもよい。また、第1演出ボタン63aの操作態様が連打以外(例えば、1回押しや長押し)である場合、連打以外の操作態様を連想させる態様で演出ボタン画像702bを動的に表示してもよい。
ゲージ画像703は、特定変動演出パターンに基づいて設定される第1演出ボタン63aの操作有効期間を示すものであり、操作有効期間開始からの時間経過に伴ってゲージ残量が減少していく態様(すなわち、操作有効期間終了までの残り期間を示唆する態様)で表示される。
本演出例では、演出ボタン画像702bの下方にゲージ画像703が表示されるものとしているが、ゲージ画像703の表示位置は特に問わない。また、操作有効期間を示すのはゲージ画像703に限られず、例えば、操作有効期間をタイマ形式で示す画像(タイマ画像)としたり、操作有効期間をカウントダウン形式で示す画像(カウントダウン画像)としたりすることができる。
文字画像704は、今回の操作有効期間における第1演出ボタン63aの操作態様を示すものである。本演出例では、その操作態様が連打であるため、連打の文字が表示されるようになっている。すなわち、遊技者に連打操作を促すものとなっている。
本演出例では、演出ボタン画像702bの上方に文字画像704が表示されるものとしているが、文字画像704の表示位置は特に問わない。また、文字画像704は固定的に表示するものであっても動的に表示するものであってもどちらでもよい。文字画像704を動的に表示する場合には、例えば、文字画像704を上下動させる等、第1演出ボタン63aの連打操作を連想させる態様(連打操作に応じた態様)で表示することができる。また、第1演出ボタン63aの操作態様が連打以外(例えば、1回押しや長押し)である場合、文字画像704に替えて、連打以外の操作態様を示す文字画像を表示することができる。
なお、文字画像704は表示してもしなくてもどちらでもよく、例えば、演出ボタン画像702bが固定的に表示されるのであれば文字画像704を表示するようにし、演出ボタン画像702bが連打操作を連想させる態様で動的に表示されるのであれば文字画像704を表示しないようにすることができる。また、演出ボタン画像702bと文字画像704の両方を動的に表示するようにしてもよい。但し、ゲージ画像703の表示位置は固定とし、ゲージ画像703の表示位置が変化(移動)することのないようにしている。操作有効期間を遊技者に分かりやすく(把握しやすく)示すためである。
本演出例において、演出ボタン画像702b、ゲージ画像703及び文字画像704を表示する演出、すなわち、第1表示演出に続いて実行される演出のことを「第2表示演出」ともいい、第2表示演出で表示される演出ボタン画像702b、ゲージ画像703及び文字画像704のことを、それぞれ「操作画像」、「期間画像」及び「操作態様画像」ともいう。
第2表示演出が実行されるときには、第1表示演出では表示されないゲージ画像703(期間画像)が演出ボタン画像702b(操作画像)とともに表示される。このため、第1表示演出の実行中は第1演出ボタン63aの操作有効期間ではなく、第2表示演出の実行中は第1演出ボタン63aの操作有効期間であることが明確となる。これにより、遊技者による第1演出ボタン63aの無駄な操作を防止することが可能となる。
本演出例では、第2期間中に設定される操作有効期間の長さを約5秒としており、これに合わせて第2表示演出の実行時間(実行期間)も約5秒としている。つまり、操作有効期間中に、演出ボタン画像702b、ゲージ画像703及び文字画像704を表示画面7aに表示する第2表示演出が実行される。そして、操作有効期間内での第1演出ボタン63aの連打回数が所定回数(例えば40回)に到達するか、第1演出ボタン63aの操作有効期間、すなわち、第2表示演出の実行時間が経過すると(第2期間の開始から約18秒が経過すると)、第2表示演出が終了し、SPリーチ演出に発展するか否かを報知する不図示の演出画像(「発展分岐演出画像」ともいう。)が表示画面7aに表示される。
例えば、実行中の変動演出(特定変動演出)がNMリーチ変動演出である場合、すなわち、前述のS4505で設定された特定変動演出パターンがNMリーチ変動演出パターンである場合、発展分岐演出画像(図示せず)として、SPリーチ演出に発展しない旨を示す演出画像(例えば「発展失敗画像」)が表示される。この後、当該変動演出はSPリーチ演出に進むことなく終了することとなり、演出図柄8が外れ態様(ここではリーチ外れ目)で確定停止される。つまり、特定変動演出パターンとしてのNMリーチ変動演出パターンは外れ変動に対応するものである。
これに対し、実行中の変動演出(特定変動演出)がSPリーチ変動演出である場合、すなわち、前述のS4505で設定された特定変動演出パターンがSPリーチ変動演出パターンである場合、発展分岐演出画像として、SPリーチ演出に発展する旨を示す演出画像(例えば「発展成功画像」)が表示される。この後、当該変動演出はSPリーチ演出に移行し、当落分岐タイミングを経て(第3期間及び第4期間を経て)終了することとなり、演出図柄8が外れ態様(例えばリーチ外れ目)又は大当り態様(例えばゾロ目)で確定停止される。つまり、特定変動演出パターンとしてのSPリーチ変動演出パターンは外れ変動又は大当り変動に対応するものである。
以上の演出例3によれば、特定変動演出パターンに基づく変動演出(特定変動演出)の実行期間(所定の遊技期間)における操作有効期間の開始前に第1表示演出(図49(A)~(C)を参照)が実行可能とされ、操作有効期間中に第2表示演出(図49(D)を参照)が実行可能とされる。第1表示演出は、画像表示装置7の表示画面7a(表示手段)にゲージ画像703(期間画像)を表示せずに演出ボタン画像702a(操作画像)を表示する演出であり、第2表示演出は、画像表示装置7の表示画面7a(表示手段)に演出ボタン画像702b(操作画像)とゲージ画像703(期間画像)を表示する演出である。このため、操作有効期間の開始前から第1演出ボタン63a(操作手段)の操作に対する遊技者の関心を高めて、操作有効期間中(第2表示演出中)の第1演出ボタン63aの操作を効果的に促すことができる。これにより、特定変動演出パターンに基づく変動演出の実行期間における操作有効期間の開始前から操作有効期間中にかけて、第1演出ボタン63aを用いる演出(ボタン演出)の興趣を向上させることが可能となる。この結果、演出ボタン63(操作手段)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
また演出例3では、操作有効期間の開始前(第2表示演出の実行前)に実行される第1表示演出で表示される演出ボタン画像(操作画像)の表示態様と、操作有効期間中に実行される第2表示演出で表示される演出ボタン画像(操作画像)の表示態様とが、互いに異なるものとされる。具体的には、第1表示演出で表示される演出ボタン画像702aは、環状に配置された複数(本演出例では8個)の第1演出ボタン63aを模した画像が表示画面7a内で回転しながら画面外周方向へ徐々に拡大していき、最終的に表示画面7aからはみ出る態様で動的に表示される(図49(A)~(C)を参照)。これに対し、第2表示演出で表示される演出ボタン画像702bは、第1表示演出で表示される演出ボタン画像702aで表される個々の第1演出ボタン63aよりも大きい1個の第1演出ボタン63aを模した画像が表示画面7aの略中央に固定的に表示される(図49(D)を参照)。このため、第1表示演出と第2表示演出とで遊技者に与える印象を異ならせることができる。これにより、第1表示演出と第2表示演出の夫々の演出効果を得ることが可能となる。
また演出例3では、特定変動演出の実行期間(所定の遊技期間)における操作有効期間の開始前であって第1表示演出の実行前に、発展チャンス開始報知画像701(演出ボタン63を用いる演出の実行を示唆する演出画像)を表示画面7aに表示する示唆表示演出が実行可能とされる。このため、演出ボタン63を操作する時期(操作有効期間)が間もなく到来することを、第1表示演出前の示唆表示演出を通じて遊技者に示唆することができる。これにより、演出ボタン63の操作に対する遊技者の関心をより効果的に高めることが可能となる。
また演出例3では、示唆表示演出の実行時間を約3秒としており、第1表示演出の実行時間を約10秒としており、第2表示演出の実行時間を約5秒としている。すなわち、第1表示演出前に実行される示唆表示演出の実行期間は、示唆表示演出後に実行される第1表示演出の実行期間以下の長さとされ、第2表示演出前に実行される第1表示演出の実行期間は、第1表示演出後に実行される第2表示演出の実行期間以上の長さとされる。このため、示唆表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回ることはないので、第1表示演出前の示唆表示演出を簡潔にすることができる。また、第2表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回ることはないので、第2表示演出前(操作有効期間開始前)の第1表示演出を際立たせることができる。これにより、示唆表示演出後の第1表示演出に遊技者を惹きつけ易くすることが可能となり、第1演出ボタン63aの操作に対する遊技者の関心をより効果的に高めることが可能となる。特に演出例3のように、第1表示演出の表示態様(表示内容)を、複数の第1演出ボタン63aを模した演出ボタン画像の動的表示(本演出例では回転表示及び拡大表示)を含む態様とすることで(図49を参照)、第1表示演出は第2表示演出に比してより変化に富んだ態様となるので、その効果は顕著である。
なお、示唆表示演出、第1表示演出及び第2表示演出のそれぞれの実行期間は、示唆表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回らず、かつ、第2表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回らなければよい。例えば、各表示演出の実行期間をそれぞれ同じ長さとしたり(示唆表示演出=第1表示演出=第2表示演出)、示唆表示演出と第2表示演出の実行期間をそれぞれ同じ長さとし第1表示演出の実行期間をそれより長くしたり(示唆表示演出=第2表示演出<第1表示演出)、示唆表示演出の実行期間を第2表示演出の実行期間より長くし、かつ、第1表示演出の実行期間を示唆表示演出より長くしたりする(第2表示演出<示唆表示演出<第1表示演出)等、適宜設定可能である。これによっても、第1表示演出に遊技者を惹きつけ易くして、第1演出ボタン63aの操作に対する遊技者の関心を高めることが可能である。
[演出例4]
演出例4は、前述の変動演出開始処理(S4402)のS4505(図42を参照)で、ボタン演出としての確変昇格演出を含む変動演出パターンが設定された場合に実行される遊技演出の一例である。具体的には、大当り変動に基づく変動演出(「大当り変動演出」ともいう。)で演出図柄8が「7」以外のゾロ目(大当り態様)で仮停止されてから確定停止されるまでの間に、当該大当りが確変大当りであるか否かに係る演出がボタン演出として実行される場合の表示演出の一例である。以下では、上記演出例1~3等で既に説明した構成等と共通する点について、その詳細な説明を簡略化又は省略する場合がある。
本演出例の表示演出(確変昇格演出を含む変動演出)は、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、特別図柄当否判定の結果が大当りであることに基づき設定される特図変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンド(大当り変動パターン指定コマンド)を副制御基板90が受信し(S4401でYES)、当該コマンドに基づいて大当り変動演出の変動演出パターン(「大当り変動演出パターン」ともいう。)が設定され(S4505)、その大当り変動演出パターンが確変昇格演出(ボタン演出)を含む場合に実行される。確変昇格演出を含む大当り変動演出パターンは、S4501で取得される変動演出決定用乱数と、前述のS4504でセットされる変動演出パターン決定テーブル(図示せず)とに基づいて決定(選択)可能な変動演出パターンである。確変昇格演出を含む大当り変動演出パターンのことを「特別変動演出パターン」ともいい、特別変動演出パターンに基づいて実行される変動演出(確変昇格演出を含む大当り変動演出)のことを「特別変動演出」ともいう。
特別変動演出パターンに基づく変動演出(特別変動演出)の実行期間(遊技期間)は、例えば、上記演出例3で説明した第1期間~第4期間に分けることができ、そのうちの第4期間において本演出例の確変昇格演出が実行される。特別変動演出が実行される場合、確変昇格演出の結果が判明する(報知される)前に、今回の大当りが確変大当りであるのか非確変大当りであるのかを変動演出を通じて把握するのは困難(不可能)とされる。以下、確変昇格演出の内容(表示内容)について、図48(B)及び図50を参照しながら説明する。
特別変動演出の第4期間において演出図柄8が「7」以外のゾロ目(大当り態様)で仮停止されると、これに続いて図48(B)に示すように昇格チャンス開始報知画像705が表示画面7aに表示される。昇格チャンス開始報知画像705が表示される際、仮停止状態にある演出図柄8は表示画面7aの縁部(本例では画面右下)に通常よりも小さく表示(縮小表示)される。これにより、大当り態様の仮停止中に表示画面7a上で展開される演出(表示演出)の視認性が確保される。
昇格チャンス開始報知画像705は、演出ボタン63を用いる演出(ボタン演出)の実行を示唆する演出画像である。本演出例では、昇格チャンスの文字と、ボタン演出の実行を示唆するメッセージを表示するものとしている。昇格チャンス開始報知画像705が表示されると、遊技者はその画像の内容(表示内容)を通じて、この後、演出ボタン63(操作手段)を操作する時期が到来することを把握(推測)することができる。本演出例において、昇格チャンス開始報知画像705(演出ボタン63を用いる演出の実行を示唆する演出画像)のことを「実行示唆画像」ともいい、昇格チャンス開始報知画像705を表示する演出のことを「示唆表示演出」ともいう。本演出例では、昇格チャンス開始報知画像705の表示時間、すなわち、示唆表示演出の実行時間(実行期間)を約2秒としている。
本演出例では、確変昇格演出で操作する演出ボタン63の種類(操作対象)を第2演出ボタン63bとしており、その操作態様を、前面枠51の後方側(奥側)へ1回押す「1回押し(プッシュ操作)」としている。
なお、第2演出ボタン63bの操作態様は「1回押し(プッシュ操作)」に限られず、左右何れかの方向に回転させる「回転操作」や、手前側へ引く「引っ張り操作」等、操作態様は適宜変更可能である。また、確変昇格演出で操作する演出ボタン63の種類(操作対象)を第1演出ボタン63aとしてもよく、特別変動演出パターンが複数設けられる場合は、特別変動演出パターンによって操作する演出ボタンの種類や操作態様を異ならせてもよい。また、示唆表示演出で表示する画像は本演出例(昇格チャンス開始報知画像705)に限られず、文字以外の記号、図形、キャラクタ等の各種画像構成要素を用いることができ、演出ボタン(操作手段)を用いる演出の実行を示唆する画像であれば、その態様は特に問わない。
昇格チャンス開始報知画像705の表示(示唆表示演出)が終了すると、表示画面7aには、昇格チャンス開始報知画像705に替えて、第2演出ボタン63bの外観を模した第1の演出ボタン画像706が表示される(図50を参照)。第1の演出ボタン画像706は、一の第2演出ボタン63bを表したものとなっている。本演出例において、第1の演出ボタン画像706を表示する演出、すなわち、示唆表示演出に続いて実行される演出のことを「第1表示演出」ともいい、第1表示演出で表示される第1の演出ボタン画像706のことを「操作画像」ともいう。
図50に示すように、第1表示演出では、第4期間における演出図柄8の仮停止状態の時間経過に伴って、表示画面7aに表示される第1表示演出の内容が(A)→(B)→(C)→(D)→(E)の順で遷移する。具体的には、第1表示演出が開始されると、図50(A)に示すように、表示画面7aの略中央に第1の演出ボタン画像706(第2演出ボタン63b)が表示される。第1の演出ボタン画像706は、画面中心を上下方向に通る仮想回転軸(図中の破線を参照)の周りを左右方向(画面に対して水平方向)に回転する態様で表示される。なお、図50(A)~(E)では、説明の便宜上、仮想回転軸を破線で示しているが、実際には、その破線(仮想回転軸)が表示画面7aに表示されることはない。図50(A)に示すように第1の演出ボタン画像706が表示される演出のことを「第1段階表示演出」ともいう。
第1の演出ボタン画像706が回転を続けるなか、図50(A)に示す表示演出の開始から所定時間(例えば、約1秒)が経過すると、図50(B)に示すように、表示画面7aのうち中央から外れた第1の位置(例えば、画面右上)に、第2演出ボタン63bの外観を模した第2の演出ボタン画像707が表示される。第2の演出ボタン画像707が表示される演出のことを「1回目のボタン画像追加表示演出」又は「第2段階表示演出」ともいう。
第2の演出ボタン画像707は、画面中央で回転表示している第1の演出ボタン画像706よりも表示サイズが大きい1つの第2演出ボタン63bを表したもので、時計回り方向(右方向)に回転させた(傾いた)状態の第2演出ボタン63bを表したものとなっている。つまり、表示画面7aの略中央に表示される第1の演出ボタン画像706に対し第1方向へ傾いた状態で表示される。このとき表示画面7aには、表示サイズが相対的に小さい第1の演出ボタン画像706と、表示サイズが相対的に大きい第2の演出ボタン画像707との2つの演出ボタン画像が表示される。
第1の演出ボタン画像706が回転を続けるなか、図50(B)に示す表示演出(1回目のボタン画像追加表示演出)の開始から所定時間(例えば、約1秒)が経過すると、図50(C)に示すように、第2の演出ボタン画像707が第1の演出ボタン画像706に吸収されて第1の演出ボタン画像706が吸収前に比して大きくなる様子を描いた演出が表示される。当該演出のことを「1回目の拡大表示演出」又は「第3段階表示演出」ともいう。
第1の演出ボタン画像706が回転を続けるなか、図50(C)に示す表示演出(1回目の拡大表示演出)の開始から所定時間(例えば、約1秒)が経過すると、図50(D)に示すように、表示画面7aのうち中央から外れた第2の位置(例えば、画面左下)に、第2演出ボタン63bの外観を模した第3の演出ボタン画像708が表示される。第3の演出ボタン画像708が表示される演出のことを「2回目のボタン画像追加表示演出」又は「第4段階表示演出」ともいう。
第3の演出ボタン画像708は、画面中央で回転表示している第1の演出ボタン画像706よりも表示サイズが大きい1つの第2演出ボタン63bを表したもので、反時計回り方向(左方向)に回転させた(傾いた)状態の第2演出ボタン63bを表したものとなっている。つまり、表示画面7aの略中央に表示される第1の演出ボタン画像706に対し第2方向へ傾いた状態で表示される。このとき表示画面7aには、表示サイズが相対的に小さい第1の演出ボタン画像706と、表示サイズが相対的に大きい第3の演出ボタン画像708との2つの演出ボタン画像が表示される。
第1の演出ボタン画像706が回転を続けるなか、図50(D)に示す表示演出(2回目のボタン画像追加表示演出)の開始から所定時間(例えば、約1秒)が経過すると、図50(E)に示すように、第3の演出ボタン画像708が第1の演出ボタン画像706に吸収されて第1の演出ボタン画像706が吸収前に比して大きくなる様子を描いた演出が表示される。当該演出のことを「2回目の拡大表示演出」」又は「第5段階表示演出」ともいう。2回目の拡大表示演出後の第1の演出ボタン画像706の表示サイズは、1回目の拡大表示演出後の第1の演出ボタン画像706の表示サイズ(図50(C)、(D)を参照)よりも大きくなる。
第1の演出ボタン画像706が回転を続けるなか、図50(E)に示す表示演出(2回目の拡大表示演出)の開始から所定時間(例えば、約1秒)が経過すると、第1表示演出が終了する。このような第1表示演出により、第2演出ボタン63bを操作(本演出例ではプッシュ操作)する時期が刻々と近づいて来くる印象を遊技者に与えて、遊技者の気持ちを高ぶらせることが可能となる。
なお、第1表示演出の表示態様は、図50(A)~(E)に示す態様に限られず、例えば、第2の演出ボタン画像707及び第3の演出ボタン画像708を表示せずに第1の演出ボタン画像706の表示サイズが徐々に大きくなるように表示したり、第1の演出ボタン画像706を回転させずにその表示サイズが徐々に大きくなるように表示したりする等、適宜変更可能である。また、第1の演出ボタン画像706と別に表示される演出ボタン画像は、第1の演出ボタン画像707、第2の演出ボタン画像708に加え、第3の演出ボタン画像、第4の演出ボタン画像・・・のように3つ以上としてもいし、1つだけとしてもよい。すなわち、ボタン画像追加表示演出の実行回数は、3回以上であってもよいし2回未満であってもよい。これに合わせて、拡大表示演出の実行回数も、3回以上であってもよいし2回未満であってもよい。
第1表示演出が終了すると、表示画面7aには、第1表示演出で回転表示していた第1の演出ボタン画像706が、図50(F)に示すように回転を停止した状態で表示(固定的に表示)される。つまり、第1の演出ボタン画像706の表示態様が、第1表示演出の終了前(回転表示)と終了後(停止表示)とで異なるものとなっている。
なお、第1表示演出の終了後は、第2演出ボタン63bの1回押し(プッシュ操作)を連想させるべく、例えば、第1の演出ボタン画像706が表示画面7aに対し前後方向(Z方向)に移動する態様で動的に表示してもよい。また、第2演出ボタン63bの操作態様が1回押し以外(例えば、回転や引っ張り)である場合、1回押し以外の操作態様を連想させる態様で第1の演出ボタン画像706を動的に表示してもよい。
また、第1表示演出が終了すると、図50(F)に示すように、第1の演出ボタン画像706の下方にゲージ画像709が表示され、第1の演出ボタン画像706の上方に文字画像710が表示される。ゲージ画像709は、前述の演出例3と同様の機能を有するものである。但し、本演出例では、第2演出ボタン63bの操作有効期間の長さを約3秒としているため、操作有効期間の開始から約3秒が経過するタイミングでゲージ残量が無くなるように表示される。文字画像710は、今回の操作有効期間における第2演出ボタン63bの操作態様が1回押し(プッシュ操作)であることを示す(すなわち、遊技者に1回押しを促す)ものである。
このように本演出例において、第1表示演出の終了後に、第1の演出ボタン画像706、ゲージ画像709及び文字画像710を表示する演出、すなわち、第1表示演出に続いて実行される演出のことを「第2表示演出」ともいい、第2表示演出で表示される第1の演出ボタン画像706、ゲージ画像709及び文字画像710のことを、それぞれ「操作画像」、「期間画像」及び「操作態様画像」ともいう。
第2表示演出が実行されるときには、第1表示演出では表示されないゲージ画像709(期間画像)が第1の演出ボタン画像706(操作画像)とともに表示される。このため、第1表示演出の実行中は第2演出ボタン63bの操作有効期間ではなく、第2表示演出の実行中は第2演出ボタン63bの操作有効期間であることが明確となる。これにより、遊技者による第2演出ボタン63bの無駄な操作を防止することが可能となる。
本演出例では、操作有効期間の長さを約3秒としており、これに合わせて第2表示演出の実行時間(実行期間)も約3秒としている。つまり、操作有効期間中に、第1の演出ボタン画像706、ゲージ画像709及び文字画像710を表示画面7aに表示する第2表示演出が実行される。そして、操作有効期間内に第2演出ボタン63bがプッシュ操作されるか、操作されることなく操作有効期間(第2表示演出の実行時間)が経過すると、第2表示演出が終了して、今回の大当りが確変大当りであるか否かを報知する不図示の演出画像(「大当り種別報知画像」ともいう。)が表示画面7aに表示される。
例えば、今回の大当りが確変大当りでない場合、すなわち、非確変大当りである場合、大当り種別報知画像(図示せず)として、今回の大当りが確変大当りでない(非確変大当りである)旨を示す演出画像(例えば、昇格失敗画像)が表示画面7aに表示される。これに対し、今回の大当りが確変大当りである場合、大当り種別報知画像として、今回の大当りが確変大当りである旨を示す演出画像(例えば、昇格成功画像)が表示画面7aに表示される。つまり、大当り種別報知画像の表示は、確変昇格演出の結果を報知する表示演出といえる。
このように、演出図柄8が大当り態様(ここでは「7」以外のゾロ目)で仮停止した後、第1表示演出と第2表示演出とをこの順で表示画面7aに表示することにより、第2演出ボタン63bを用いた確変昇格演出が実行される。そして、確変昇格演出を経て大当り種別報知画像が表示された後、演出図柄8が大当り態様で確定停止される。
以上の演出例4によれば、特別変動演出パターンに基づく変動演出(特別変動演出)の実行期間(所定の遊技期間)における操作有効期間の開始前に第1表示演出(図50(A)~(E)を参照)が実行可能とされ、操作有効期間中に第2表示演出(図50(F)を参照)が実行可能とされる。第1表示演出は、画像表示装置7の表示画面7a(表示手段)に、ゲージ画像709(期間画像)を表示せずに第1の演出ボタン画像706(操作画像)を表示する演出であり、第2表示演出は、画像表示装置7の表示画面7a(表示手段)に第1の演出ボタン画像706(操作画像)とゲージ画像709(期間画像)を表示する演出である。このため、操作有効期間の開始前から第2演出ボタン63b(操作手段)の操作に対する遊技者の関心を高めて、操作有効期間中(第2表示演出中)の第2演出ボタン63bの操作を効果的に促すことができる。これにより、特別変動演出パターンに基づく変動演出(特別変動演出)の実行期間における操作有効期間の開始前から操作有効期間中にかけて、第2演出ボタン63bを用いる演出(確変昇格演出、ボタン演出)の興趣を向上させることが可能となる。この結果、演出ボタン63(操作手段)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
また演出例4では、操作有効期間の開始前(第2表示演出の実行前)に実行される第1表示演出で表示される演出ボタン画像(操作画像)の表示態様と、操作有効期間中に実行される第2表示演出で表示される演出ボタン画像(操作画像)の表示態様とが、互いに異なるものとされる。具体的に、第1表示演出では、表示画面7aの略中央で第1の演出ボタン画像706が回転しながら初期表示サイズから最終表示サイズまで徐々に(段階的に)拡大される態様で表示され、その拡大される過程では、第1の演出ボタン画像706とは別の演出ボタン画像(第2の演出ボタン画像707、第3の演出ボタン画像708)も一時的に表示される(図50(A)~(E)を参照)。これに対し第2表示演出では、表示画面7aの略中央に第1の演出ボタン画像706が回転せず固定的に表示される(図50(F)を参照)。このため、第1表示演出と第2表示演出とで遊技者に与える印象を異ならせることができる。これにより、第1表示演出と第2表示演出の夫々の演出効果を得ることが可能となる。
また演出例4では、特別変動演出の実行期間(所定の遊技期間)における操作有効期間の開始前であって第1表示演出の実行前に、昇格チャンス開始報知画像705(演出ボタン63を用いる演出の実行を示唆する演出画像)を表示画面7aに表示する示唆表示演出が実行可能とされる。このため、演出ボタン63を操作する時期(操作有効期間)が間もなく到来することを、第1表示演出前の示唆表示演出を通じて遊技者に示唆することができる。これにより、演出ボタン63の操作に対する遊技者の関心をより効果的に高めることが可能となる。
また演出例4では、示唆表示演出の実行時間を約2秒としており、第1表示演出の実行時間を約5秒としており、第2表示演出の実行時間を約3秒としている。すなわち、第1表示演出前に実行される示唆表示演出の実行期間は、示唆表示演出後に実行される第1表示演出の実行期間以下の長さとされ、第2表示演出前に実行される第1表示演出の実行期間は、第1表示演出後に実行される第2表示演出の実行期間以上の長さとされる。このため、示唆表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回ることはないので、第1表示演出前の示唆表示演出を簡潔にすることができる。また、第2表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回ることはないので、第2表示演出前(操作有効期間開始前)の第1表示演出を際立たせることができる。これにより、示唆表示演出後の第1表示演出に遊技者を惹きつけ易くすることが可能となり、第2演出ボタン63bの操作に対する遊技者の関心をより効果的に高めることが可能となる。特に演出例4のように、第1表示演出の表示態様(表示内容)を、第2演出ボタン63bを模した演出ボタン画像の動的表示(本演出例では回転表示及び拡大表示)を含む態様とすることで(図50を参照)、第1表示演出は第2表示演出に比してより変化に富んだ態様となるので、その効果は顕著である。
なお、演出例4においても、上記演出例3で説明したように、示唆表示演出、第1表示演出及び第2表示演出のそれぞれの実行期間は、示唆表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回らず、かつ、第2表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回らなければよい。
また演出例4では、演出ボタン63を用いる演出(ボタン演出)として確変昇格演出(第1表示演出及び第2表示演出)を実行する場合を例示したが、この他にも例えば、ラウンド昇格演出をボタン演出として実行することも可能である。具体的には、上記実施例のパチンコ遊技機1は、大当りとして5R大当りと10R大当りを有している。これに鑑み、大当り変動演出の変動演出パターンとして、演出図柄8が大当り態様で仮停止した時点では大当りのラウンド数が不明又は5Rであると遊技者に認識させ、大当り態様の仮停止後にラウンド昇格演出を実行するパターンを設ける。そして、そのラウンド昇格演出を、上記演出例4のように実行するのである。これによっても、演出ボタン63(操作手段)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
また演出例4では、ボタン演出としての確変昇格演出(第1表示演出及び第2表示演出)を、変動演出中の大当り態様の仮停止から確定停止までの間(第4期間内)に実行するものとしていたが、その実行時期は変動演出中(変動遊技中)に限られない。例えば、大当り変動演出(すなわち、大当り変動)が終了して大当り遊技状態に移行する場合のオープニング期間や、大当り遊技を構成する複数回のラウンド遊技のうち特定のラウンド遊技が実行される期間(ラウンド実行期間)、複数回のラウンド遊技のすべてが終了した後のエンディング期間など、大当り遊技状態の開始から終了までの所定時期(所定の遊技期間)に、前述したボタン演出としての確変昇格演出(第1表示演出及び第2表示演出)を実行することも可能である。なお、当該確変昇格演出を、前述のようにラウンド昇格演出に置き換えることも、もちろん可能である。
以上、本発明の実施形態として実施例及び演出例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
また前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定するタイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定するタイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行されるタイプのパチンコ遊技機(所謂「1種2種混合機」)にも本発明を適用することが可能である。さらに、遊技機内部で遊技球を循環させるタイプのパチンコ遊技機(所謂「封入式遊技機」)にも本発明を適用することが可能である。
また前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、所定条件の成立に基づいて実行される判定(例えば当否判定)の結果が特定結果(例えば大当り)である場合に、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば特別遊技状態)に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機において、遊技球を発射するための操作ハンドルユニットに設けられたハンドルボタン(可動部)が突出動作する演出を備えた遊技機がある(例えば、特開2016-154713号公報を参照)。
上記遊技機のように、遊技機前面側に設けられたハンドルボタン等の可動部が作動する演出は、リーチ演出中などの限られた一の時期(例えば、1回の操作有効期間内)に実行されることが多い。しかしながら、そうした演出の実行時期(実行回数)があまりにも限られてしまうのでは、演出に対する関心が薄れてしまい、興趣を向上させることができない虞がある。
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技機前面側に設けられた可動部が作動する演出を備えた遊技機の興趣を向上させることにある。
前述の課題を解決するために、本参考発明1は以下の構成を採用した。
参考発明1-1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて実行される判定の結果が特定結果である場合に、遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能な遊技機であって、
所定の演出表示を表示可能な演出表示部と、
当該遊技機の前面側を構成する部材に作動可能に設けられた演出可動部と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記演出として、前記判定の結果を報知する演出表示を前記演出表示部に表示させる表示演出と、前記演出可動部を作動させる作動演出と、を実行可能であり、
前記表示演出は、所定の実行期間に亘って実行される演出であり、
前記表示演出において、前記判定の結果が前記特定結果である旨を報知する特定演出表示が表示される場合と、前記判定の結果が前記特定結果でない旨を報知する非特定演出表示が表示される場合とのうち、少なくとも前記特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に、前記作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、判定の結果を報知する演出表示を演出表示部に表示させる表示演出や、遊技機前面側の演出可動部を作動させる作動演出が、遊技の進行に伴って実行可能とされる。そして、判定の結果が特定結果である旨を報知する演出表示(特定演出表示)が表示される表示演出と、判定の結果が特定結果でない旨を報知する演出表示(非特定演出表示)が表示される表示演出とのうち、少なくとも特定演出表示が表示される表示演出の実行期間中(表示演出中)に、作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる。このため、作動演出を、特定演出表示の前兆を示す演出(前兆演出)として遊技者に意識させることが可能となる。これにより、表示演出中の作動演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となり、延いては、遊技機前面側に設けられた可動部(演出可動部)が作動する演出(作動演出)を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記表示演出において前記非特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に、前記作動演出が1回実行可能とされる
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、特定演出表示が表示される表示演出の実行期間中においては、作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる一方、非特定演出表示が表示される表示演出の実行期間中においては、作動演出が1回実行可能とされる。このため、表示演出中に作動演出が1回しか実行されないのであれば、当該表示演出で特定演出表示が表示されないことが確定する、といった遊技性が実現される。これにより、表示演出中の作動演出に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-1又は1-2の遊技機において、
前記表示演出において前記非特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に前記作動演出が実行される場合、前記作動演出は前記表示演出の開始に伴って実行されず、
前記表示演出において前記特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に前記作動演出が実行される場合、前記作動演出は前記表示演出の開始に伴って実行可能とされる
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、非特定演出表示が表示される表示演出では、当該表示演出の開始に伴って作動演出が実行されることはない一方、特定演出表示が表示される表示演出では、当該表示演出の開始に伴って作動演出が実行され得るものとなる。このため、表示演出の開始に伴って作動演出が実行されれば、当該表示演出で特定演出表示が表示される(すなわち、判定の結果が特定結果である)ことが確定する、といった遊技性が実現される。これにより、表示演出が開始されるときの興趣を高めることが可能となる。
参考発明1-4の遊技機は、前述した参考発明1-3の遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記表示演出の開始に伴って実行可能とされる前記作動演出の有無を前記操作手段の操作により設定可能な設定手段と、を備え、
前記作動演出を有りとする設定がなされると、前記表示演出において前記特定演出表示が表示される場合の当該表示演出の開始に伴って前記作動演出が実行可能とされる
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、表示演出の開始に伴って実行可能とされる作動演出の有無を、遊技者が操作手段を操作して設定することが可能とされる。このため、特定演出表示が表示される表示演出の開始に伴う作動演出の有無を、遊技者が自由に選択できるようになる。これにより、特定演出表示が表示される場合の演出を遊技者の好みに合わせることが可能となる。
以上の本参考発明1によれば、遊技機前面側に設けられた可動部が作動する演出を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能である。
(参考発明2)
従来、遊技者が操作可能な演出ボタンを備えた遊技機が知られている。この種の遊技機では、演出ボタンの操作を遊技者に促すための操作促進演出が操作有効期間の開始に伴って実行され、操作有効期間内に演出ボタンが操作されると操作対応演出が実行される(例えば、特開2016-154713号公報を参照)。
しかしながら、操作促進演出の実行(操作有効期間の開始)を契機として遊技者に演出ボタンを操作させて当該操作に基づき操作対応演出を実行する構成はありきたりであり、興趣の向上を図るには未だ改善の余地がある。
本参考発明2は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演出ボタン等の操作手段を備えた遊技機の興趣を向上させることにある。
前述の課題を解決するために、本参考発明2は以下の構成を採用した。
参考発明2-1の遊技機は、
遊技者が操作可能な操作手段と、
画像を表示可能な表示手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
所定の遊技期間において設定される操作有効期間中に前記操作手段が操作されたことに基づいて所定演出を実行可能な遊技機であって、
前記画像として、前記操作手段の外観を模した操作画像と、前記操作有効期間を示す期間画像と、が設けられており、
前記演出実行手段は、
所定の遊技期間における前記操作有効期間の開始前に、前記表示手段に前記期間画像を表示せずに前記操作画像を表示する第1表示演出を実行可能であり、
所定の遊技期間における前記操作有効期間中に、前記表示手段に前記操作画像と前記期間画像を表示する第2表示演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、所定の遊技期間における操作有効期間の開始前に第1表示演出が実行可能とされ、操作有効期間中に第2表示演出が実行可能とされる。第1表示演出は、画像を表示可能な表示手段に期間画像(操作有効期間を示す画像)を表示せずに操作画像(操作手段の外観を模した画像)を表示する演出であり、第2表示演出は、画像を表示可能な表示手段に操作画像と期間画像を表示する演出である。このため、操作有効期間の開始前から操作手段の操作に対する遊技者の関心を高めて、操作有効期間中の操作手段の操作を効果的に促すことができる。これにより、所定の遊技期間における操作有効期間の開始前から操作有効期間中にかけて、操作手段を用いる演出の興趣を向上させることが可能となり、延いては、操作手段を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能となる。
参考発明2-2の遊技機は、前述した参考発明2-1の遊技機において、
前記第1表示演出と前記第2表示演出とで、前記操作画像の表示態様が異なる
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、操作有効期間の開始前に実行される第1表示演出で表示される操作画像の表示態様と、操作有効期間中に実行される第2表示演出で表示される操作画像の表示態様とが、互いに異なるものとされる。このため、第1表示演出と第2表示演出とで遊技者に与える印象を異ならせることができる。これにより、第1表示演出と第2表示演出の夫々の演出効果を得ることが可能となる。
参考発明2-3の遊技機は、前述した参考発明2-1又は2-2の遊技機において、
前記演出実行手段は、所定の遊技期間における前記操作有効期間の開始前であって前記第1表示演出の実行前に、前記操作手段を用いる演出の実行を示唆する示唆表示演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、所定の遊技期間における操作有効期間の開始前であって第1表示演出の実行前に、操作手段を用いる演出の実行を示唆する示唆表示演出が実行可能とされる。このため、所定の遊技期間において操作手段を操作する時期(操作有効期間)が間もなく到来することを、第1表示演出前の示唆表示演出を通じて遊技者に示唆することができる。これにより、操作手段の操作に対する遊技者の関心をより効果的に高めることが可能となる。
参考発明2-4の遊技機は、前述した参考発明2-3の遊技機において、
前記示唆表示演出の実行期間は、前記第1表示演出の実行期間以下の長さである
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、第1表示演出前に実行される示唆表示演出の実行期間は、示唆表示演出後に実行される第1表示演出の実行期間以下の長さとされる。このため、示唆表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回ることはなく、第1表示演出前の示唆表示演出を簡潔にすることができる。これにより、示唆表示演出後の第1表示演出に遊技者を惹きつけ易くすることが可能となる。
参考発明2-5の遊技機は、前述した参考発明2-4の遊技機において、
前記第1表示演出の実行期間は、前記第2表示演出の実行期間以上の長さである
ことを特徴とする遊技機である。
このような遊技機によれば、第2表示演出前に実行される第1表示演出の実行期間は、第1表示演出後に実行される第2表示演出の実行期間以上の長さとされる。このため、第2表示演出の実行期間が第1表示演出の実行期間を上回ることはなく、第2表示演出前(操作有効期間開始前)の第1表示演出を際立たせることができる。これにより、操作手段の操作に対する遊技者の関心をより効果的に高めることが可能となる。
なお、参考発明2-5の構成、すなわち、第1表示演出の実行期間が第2表示演出の実行期間以上の長さとされる構成は、前述した参考発明2-1から2-3の何れの遊技機にも適用可能である。
以上の本参考発明2によれば、演出ボタン等の操作手段を備えた遊技機の興趣を向上させることが可能である。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、4 レール部材、5 盤面ランプ、6 球戻り防止片、7 画像表示装置、7a 表示画面、8 演出図柄、9a 第1演出保留、9b 第2演出保留、9c 第1演出保留表示領域、9d 第2演出保留表示領域、9e 変動保留表示領域、10 センター装飾体、13 装飾部材、16 遊技釘、19 固定入賞装置、20 第1始動口、21 第2始動口、22 可変入賞装置、28 ゲート、30 大入賞口、31 大入賞装置、40 主表示器、41a 第1特別図柄表示器、41b 第2特別図柄表示器、50 遊技機枠、51 前面枠、52 本体枠、53 外枠、60 発射ハンドル、63a 第1演出ボタン、63b 第2演出ボタン、66 枠ランプ、67 スピーカ、80 主制御基板、81 遊技制御用マイコン、90 副制御基板、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板、101 画像制御用マイコン、701 発展チャンス開始報知画像、702a 演出ボタン画像、702b 演出ボタン画像、703 ゲージ画像、704 文字画像、705 昇格チャンス開始報知画像、706 第1の演出ボタン画像、707 第2の演出ボタン画像、708 第3の演出ボタン画像、709 ゲージ画像、710 文字画像。

Claims (4)

  1. 所定条件の成立に基づいて実行される判定の結果が特定結果である場合に、遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能な遊技機であって、
    所定の演出表示を表示可能な演出表示部と、
    当該遊技機の前面側を構成する部材に作動可能に設けられた演出可動部と、
    演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
    前記演出実行手段は、前記演出として、前記判定の結果を報知する演出表示を前記演出表示部に表示させる表示演出と、前記演出可動部を作動させる作動演出と、を実行可能であり、
    前記表示演出は、所定の実行期間に亘って実行される演出であり、
    前記表示演出において、前記判定の結果が前記特定結果である旨を報知する特定演出表示が表示される場合と、前記判定の結果が前記特定結果でない旨を報知する非特定演出表示が表示される場合とのうち、少なくとも前記特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に、前記作動演出が所定の時間間隔を空けて複数回実行可能とされる
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記表示演出において前記非特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に、前記作動演出が1回実行可能とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記表示演出において前記非特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に前記作動演出が実行される場合、前記作動演出は前記表示演出の開始に伴って実行されず、
    前記表示演出において前記特定演出表示が表示される場合の前記実行期間中に前記作動演出が実行される場合、前記作動演出は前記表示演出の開始に伴って実行可能とされる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 遊技者が操作可能な操作手段と、
    前記表示演出の開始に伴って実行可能とされる前記作動演出の有無を前記操作手段の操作により設定可能な設定手段と、を備え、
    前記作動演出を有りとする設定がなされると、前記表示演出において前記特定演出表示が表示される場合の当該表示演出の開始に伴って前記作動演出が実行可能とされる
    ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
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