1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には装飾用の盤ランプ5(図5参照)が複数設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域9aがある。演出図柄表示領域(特定表示領域)9aは、遊技中の遊技者が最も注目し易いように表示画面7aの中央で表示画面7aの大部分を占める表示領域である。演出図柄表示領域9aは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄8L,8C,8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字と、本パチンコ遊技機1の各キャラクタとが組み合わされた図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄(数字)の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄8L,8C,8Rを演出図柄表示領域9aにて停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄8L,8C,8Rを演出図柄表示領域9aにて停止表示し得る。また、はずれであった場合には「315」などのバラケ目で演出図柄8L,8C,8Rを演出図柄表示領域9aにて停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7の演出図柄表示領域9aにて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目のみで演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、上述した演出図柄8L,8C,8Rのほか、背景画像、キャラクタ画像、アイテム画像などの演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。後述するように本形態では、第1特図保留の上限記憶数は「4」であるのに対して、第2特図保留の上限記憶数は「1」である。そのため、第2演出保留表示エリアには1つの演出保留画像9Bが表示され得る。但し第2演出保留表示エリアに演出保留画像9Bが表示されないようにしても良い。なお本形態では、当該変動に対応する演出保留画像を表示する当該変動用演出保留表示エリアが設けられていないが、当該変動用演出保留表示エリアを設けても良い。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口、固定入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(入球口、可変入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第1特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。なお、小当たり遊技又は大当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(数値情報記憶手段、第1数値情報記憶手段)85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(第2数値情報記憶手段)85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態において第1特図保留記憶部85aの上限記憶数が4(第1上限数)であり、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が1(第2上限数)となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また第2特図保留記憶部85bは、記憶可能な第2特図保留の数に対応した1つの記憶領域からなる。各記憶領域はさらに4つの記憶領域に分かれていて、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域がある。
また主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、および第2特図保留表示器43bが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
またサブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第1特別遊技)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第2特別遊技)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第1特別遊技)」が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図6に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には3種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、及び「特図1_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄D」及び「特図2_大当たり図柄E」に当選する可能性がある。
図6に示すように、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、及び「特図2_大当たり図柄E」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。各図柄に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、図6に示す通りである。つまり、大当たり図柄A及びEは、非時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「時短状態且つ高ベース状態」に制御され、時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される図柄である。また、大当たり図柄Bは、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも、「時短状態且つ高ベース状態」に制御される図柄である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
また、「特図1_大当たり図柄C」は、6R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。大当たり図柄Cは、非時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「非時短状態且つ低ベース状態」に制御され、時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「時短状態且つ高ベース状態」に制御される図柄である。
また、「特図2_大当たり図柄D」は、15R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。大当たり図柄Dは、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも、「時短状態且つ高ベース状態」に制御される図柄である。
特図1の抽選における各大当たり図柄の振分率、及び、特図2の抽選における各大当たり図柄の振分率は、図6に示す通りである。図6に示す振分率によれば、非時短状態における特図1の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合は50%であり、非時短状態における特図2の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合は100%である。また、時短状態における特図1の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合、及び、時短状態における特図2の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合は、いずれも60%である。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図6に示すように、特図1の抽選で当選可能な小当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される小当たり図柄)の種別は1種類であり、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_小当たり図柄a」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄b」及び「特図2_小当たり図柄c」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄a」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「小当たり図柄b」及び「小当たり図柄c」は、V通過が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図1の抽選に基づく小当たり当選から大当たり遊技が実行されることは、イレギュラーなケースを除いてない。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たり図柄の種別に応じて異なっている。具体的には図6に示すように、小当たり図柄aでは3.96秒、小当たり図柄b及び小当たり図柄cでは0.008秒である。このように小当たり図柄の種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35(開閉部材37)の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過用開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過用開放パターンとをつくり出している。通過用開放パターンおよび非通過用開放パターンの詳細については後述する。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たり図柄の種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30が開放される。具体的には、「小当たり図柄a」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される。但し、「小当たり図柄a」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはイレギュラーなケースを除いてない。
また、「小当たり図柄b」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から16R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に15Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも「時短状態且つ高ベース状態」に制御される。
また、「小当たり図柄c」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、非時短状態で当選した場合には「時短状態且つ高ベース状態」に制御され、時短状態で当選した場合には「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される。
特図1の抽選における各小当たり図柄の振分率、及び、特図2の抽選における各小当たり図柄の振分率は、図6に示す通りである。図6に示す振分率によれば、特図1の抽選での小当たり当選に基づいて時短状態に制御される割合は0%である。これに対して、非時短状態における特図2の抽選での小当たり当選に基づいて時短状態に制御される割合は100%であり、時短状態における特図2の抽選での小当たり当選に基づいて時短状態に制御される割合は60%である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たり或いはハズレであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、当否判定の結果がハズレである場合(本形態では大当たり及び小当たりでない場合)に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では3秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図10参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなっている(図10参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能、及び電チュー22の開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は、「入球容易状態」に相当する。
なお、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
また、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技後の遊技状態は、図6に示すように当選時の遊技状態と、当選した特別図柄の種別とに基づいて、「時短状態且つ高ベース状態」又は「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される。「時短状態且つ高ベース状態」は、所定の上限実行回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、上限実行回数が99回であるため、時短状態且つ高ベース状態に制御されれば、正しく遊技している限り遊技者は新たな大当たりを得ることが可能となっている。
また「非時短状態且つ低ベース状態」を、特に「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図11〜図29に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図11に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図12に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図11の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図11参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図13に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が1個(第2上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が1個に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が1個未満である場合(つまりない場合)には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第1上限数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S208でYES)には本処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域に格納し、特図1保留球数が「2」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第2記憶領域に格納し、特図1保留球数が「3」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第3記憶領域に格納し、特図1保留球数が「4」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第4記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図14に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図7(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、図12に示すように、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う。図15に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中(普通図柄の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS222で取得した当たり判定前の普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S304)。普通図柄乱数の記憶がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄乱数の記憶があれば(S304でYES)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、図8(C)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が3秒の普通図柄変動パターンを選択する。
その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms)をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図10の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、図12に示すように、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。図16に示すように、特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図17に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bをクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にて小当たりに当選すると、その小当たり遊技では第2大入賞口35に入賞した遊技球が必ず特定領域39を通過することができるようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図18に基づいてまとめて説明する。図18に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図8(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65250」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図6に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「16400」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3300」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。より詳細には、特図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20程度であるのに対して、特図2の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/4程度である。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図6に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図19及び図20に基づいてまとめて説明する。図19に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお図9に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
また、特図1変動パターン選択処理(S1009)における小当たり時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち非時短状態において、特図1保留球数が「3〜「4」であるときは、特図1保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。ここで本形態では図9に示すように、小当たりで特図1保留球数が「3」〜「4」であるときには変動時間が1000ms(短縮変動)になり、小当たりで特図1保留球数が「0」〜「2」であるときには変動時間が6000msになる。これらの変動時間の意味については、後に詳述する。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図8(B)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「11」であり、非時短状態であれば「0」〜「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。
なお、特図2変動パターン選択処理(S1003)ではステップS1307又はステップS1308の何れが実行されても同じ変動パターンP23が選択される(図9の非時短状態且つ特図2の欄参照)。これは、非時短状態における特図2の変動時にはリーチの有無の区別のない演出が実行されるためである。
また、特図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無しハズレ(ドハズレ)時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち非時短状態において、特図1保留球数が「4」であるときは、特図1保留球数が「3」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択され、特図1保留球数が「3」であるときは、特図1保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間が短い変動パターンが選択されるようになっている。ここで本形態では図9に示すように、ドハズレで特図1保留球数が「4」であるときには変動時間が4000ms(短縮変動)になり、ドハズレで特図1保留球数が「3」であるときには変動時間が8000ms(準短縮変動)になり、ドハズレで特図1保留球数が「0」〜「2」であるときには変動時間が13000msになる。これらの変動時間の意味については、後に詳述する。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図20に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
なお、特図2変動パターン選択処理(S1003)ではステップS1314又はステップS1315の何れが実行されても同じ変動パターンP33が選択される(図9の特図2且つ時短状態の欄参照)。これは、時短状態における特図2のハズレ変動時にはリーチの有無の区別のない演出が実行されるためである。
また、特図1に係る時短状態中の変動パターン判定テーブル(図9に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間が短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図19に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図21に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図22に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(図9参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。なお、オープニングコマンドには、小当たり又は大当たりのどちらの当たりなのかを判別できる情報と、第1特別図柄又は第2特別図柄のどちらの抽選に基づく当たりなのかを判別できる情報とが少なくとも含まれている。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図23に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば(S1701でYES)、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば(S1703でYES)、時短フラグをOFFして(S1704)、本処理を終える。一方、ステップS1701又はステップS1703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図24に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図25に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、当選時の遊技状態が非時短状態であったか否かを判定する。判定結果がYESであれば、続いて、今回の大当たり遊技の実行契機となった特別図柄が、非時短状態における当選で時短状態への制御契機となる図柄(図6参照)か否かを判定する。この判定結果がNOであれば直ちに本処理を終えるが、判定結果がYESであればステップS2104に進む。
また、ステップS2101の判定結果がNOであれば、当選時の遊技状態は時短状態であるため、続いて、今回の大当たり遊技の実行契機となった特別図柄が、時短状態における当選で時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)か否かを判定する。この判定結果がNOであれば直ちに本処理を終えるが、判定結果がYESであればステップS2104に進む。
ステップS2104では、時短フラグをONする。その後、遊技制御用マイコン81は、時短カウンタに「99」をセットして(S2105)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの条件の成立により終了する。つまり本形態では、時短状態且つ高ベース状態に制御されると、特別図柄の変動表示が99回行われる前に特図2の抽選でほぼ小当たりに当選して特定領域39への通過がなされるため、時短状態且つ高ベース状態は実質的に次の大当たり遊技が実行されるまで続くことになる。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。図26及び図27に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図27に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図29参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、図12に示すように、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う。振分部材制御処理(S107)では図28に示すように、まず、振分部材作動フラグ(ステップS1615参照)がONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ(S2501でNO)本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば(S2501でYES)、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図22参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図40(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、3992msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、V開放という。次いで、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図40(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7000ms(図40(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図40に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図40(b)及び(e)に示す2つの開放パターンがある。なお、図40(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図40(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターン(第1開放パターン)である。つまり、「特図2_小当たり図柄b」又は「特図2_小当たり図柄c」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過用開放パターンである。なお、「特図2_小当たり図柄b」が停止表示される小当たり、又は「特図2_小当たり図柄c」が停止表示される小当たりは、何れも通過用開放パターンに設定される小当たりであるため、「通過可能小当たり」に相当する。
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、5392msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、5392msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の2392(3992−1600)msの期間中は、振分部材71のV開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図40(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は2392msよりも短い。
図40(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「特図1_小当たり図柄a」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターン(第1開放パターン)である。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過用開放パターンである。なお、「特図1_小当たり図柄a」が停止表示される小当たりは、非通過用開放パターンに設定される小当たりであるため、「通過不能小当たり」に相当する。
より詳細には、この非通過用開放パターンは、3960msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、1440msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、3960msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、1440msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71のV開放がほぼ終了する(図40(e)及び(c)参照)。振分部材71のV開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図40に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たり図柄の種別に応じた2つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図40(b)の特2V通過小当たりと、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図40(e)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、図12に示すように、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う。特定領域センサ検出処理(S108)では図29に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図28参照)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図40(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
6.本形態における遊技の流れ
ここで、演出制御用マイコン91の動作を説明する前に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の流れについて、図41に基づいて先に説明しておく。図41に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりの種別が「特図1_大当たり図柄C」に係る大当たり(図6参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「特図1_大当たり図柄A」又は「特図1_大当たり図柄B」に係る大当たり(図6参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。このとき時短状態又は通常遊技状態への移行の振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが「特図1_大当たり図柄C」に係る大当たりであった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
これに対して、「特図1_大当たり図柄A」又は「特図1_大当たり図柄B」に係る大当たりであった場合には、大当たり遊技後に時短状態且つ高ベース状態に制御される。これにより、多数の遊技球が電チュー22(第2始動口21)に入球して、特図2の抽選が行われる。ここで特図2の抽選では大当たりに当選する場合を除いて、約4分の1(25%)の確率で小当たりに当選し、約4分の3(75%)の確率でハズレとなる(図8(A)参照)。しかしながら時短状態且つ高ベース状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること又は次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの条件が成立するまで継続するため、時短状態且つ高ベース状態が終了する前にほぼ小当たりに当選することになる。そして特図2の抽選で当選する小当たりは、小当たり遊技における開放パターンを特定領域39への通過が可能な通過用開放パターン(図40(b)参照)とする小当たりである。従って、遊技者が正しく遊技している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選にて小当たりに当選することを条件として、特定領域39への通過により大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行されることになる。
なお、非時短状態において特図2の抽選で大当たり(直撃大当たり)に当選すると、100%の確率で大当たり遊技後に時短状態且つ高ベース状態に制御される。一方、時短状態において特図2の抽選で大当たりに当選すると、60%の確率で大当たり遊技後に再び時短状態且つ高ベース状態に制御されるのに対して、40%の確率で大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されることになる。
また、この時短状態では、第2特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。よって、時短状態中に第2特図保留を1つ貯めておけば、大当たり遊技後の遊技において特図2の抽選で再び小当たりに当選する可能性があり、遊技者にとって有利な状況となる。
時短状態において特図2の抽選で小当たりに当選した場合、その小当たりの種別が「特図2_小当たり図柄c」に係る小当たり(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技後の遊技状態が通常遊技状態に制御される。一方、「特図2_小当たり図柄b」に係る小当たり(図6参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。このとき通常遊技状態又は時短状態への移行の振分率は40%:60%である。
「特図2_小当たり図柄b」に係る小当たりに当選した場合には、大当たり遊技後に再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて、小当たりの当選による2種大当たり遊技を実行させることができる上、さらに今回の時短状態で発生させる第2特図保留に基づいても、小当たりの当選による2種大当たり遊技を実行させることができる。つまり、時短状態に制御されれば、右打ちをしている限り第2特図保留を貯めることができる状況であるため、いずれは特図2の抽選で小当たりに当選して2種大当たり遊技を獲得することが可能である。
これに対して、特図2の抽選で当選した小当たりの種別が「特図2_小当たり図柄c」に係る小当たり(図6参照)であった場合には、大当たり遊技後の遊技状態が通常遊技状態に制御される。この場合には、電サポ制御が実行されないため、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が1つ残っている場合があり得る。この場合には、残っている第2特図保留に基づいて再び小当たりの当選による2種大当たり遊技を狙うことになる。つまりこの状況は、通常遊技状態であるものの残っている第2特図保留により、まだ小当たりの当選による2種大当たり遊技を実行させ易い状況(遊技者に有利な状況)である。
なお本形態では、特図2の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/4程度であるため(図8(A)参照)、通常遊技状態で残っている1つの第2特図保留により、約25%の確率で小当たりの当選による2種大当たり遊技を獲得することができる。但し、通常遊技状態において特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、「特図2_小当たり図柄b」に係る小当たり又は「特図2_小当たり図柄c」に係る小当たりのいずれであっても、2種大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御される(図6参照)。従って本形態では、通常遊技状態で残っている1つの第2特図保留により小当たりに当選した場合には、2種大当たり遊技後の時短状態で再び特図2の抽選の機会を得ることが可能となるため、2回の大当たりが確定することを意味している。
一方、2種大当たり遊技を経て通常遊技状態に制御された場合に第2特図保留が残っていなかったり、残っている第2特図保留による特図2の抽選でハズレとなったときには、電サポ制御が実行されないため、新たに第2特図保留を発生させることができない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状況は終了したことになる。
こうして本形態のパチンコ遊技機1では、時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)では第2始動口21への入球が容易となる。そして、第2始動口21への入球に基づく当否判定(S1002)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過する(図40(b),(c)参照)。つまり、特図2の抽選において小当たりに当選すれば、必ず遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。従って、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、大当たり当選と同等の遊技上の意味を持つことになる。
即ち、第2始動口21への入球に基づく小当たりの当選は、実質的には大当たりの当選確定である。よって、大当たりの当選確率に依らず、特図2の抽選における小当たりの当選確率の設定次第で、高ベース状態における大当たりの当選確定(実質的を含む)の発生確率を自在に高めることが可能である。つまり、高ベース状態において従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる斬新な遊技性を創出することが可能である。言い換えれば、高ベース状態において小当たりに当選するものの、なかなか特定領域39に遊技球を通過させることができずに大当たり遊技が実行されず、大当たり遊技の実行という利益を獲得するまでの遊技期間が長くなるのを防ぐことが可能である。
ここで本形態では、上述した斬新な遊技性を実現するために、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングに拘わらず特定領域39を通過可能な通過用開放パターン(図40(b)参照)に設定される一方、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な非通過用開放パターン(図40(e)参照)に設定されるようにしている。これにより、遊技機全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率(V通過率)が不当に高くなるのを抑制することとしている。
要するに本形態では、特図2の抽選で小当たりに当選すると第2大入賞口35への入賞タイミングに拘わらず特定領域39をすぐに通過できるようにする代わりに、特図1の抽選における小当たり当選確率をおよそ1/20に設定することで、特図1の抽選であっても比較的頻繁に小当たりに当選するようにしている。そして、特図1の抽選で小当たりに当選した場合には、必ず非通過用開放パターン(図40(e)参照)に設定されるため、小当たり遊技中に遊技球が特定領域39を通過することがない。このような設定によって、本パチンコ遊技機1におけるV通過率が1/10を超えないようにしている。
しかしながら本形態では、上述した遊技性により、非時短状態(通常遊技状態)において、特図1の抽選で小当たりに比較的頻繁に当選することになる。ここで特図1の抽選で小当たりに当選した場合、小当たりの当選に基づく第1特別図柄の変動表示(以下「特図1小当たり変動表示」と呼ぶ)が実行されて、その第1特別図柄が停止表示した後に小当たり遊技(以下「特図1小当たり遊技」と呼ぶ)が実行される。但しこの場合、上述したように遊技球が特定領域39を通過することがない。そのため遊技者にとっては、特図1小当たり変動表示中及び特図1小当たり遊技中を無駄な遊技停止期間と感じるおそれがある。
そこで本形態では、通常遊技状態において、特図1小当たり変動表示中及び特図1小当たり遊技中に実行する演出(以下「特図1小当たり演出」と呼ぶ)を、特図1の抽選でリーチ無しハズレ(ドハズレ)と判定されたときに実行される演出(以下「特図1ドハズレ演出」と呼ぶ)と見せかけて、無駄な遊技停止期間が生じている印象を与え難くしている。以下、特図1ドハズレ演出及び特図1小当たり演出について説明する。
7.特図1ドハズレ演出及び特図1小当たり演出
先ず、特図1ドハズレ演出について説明する。特図1の抽選でドハズレとなる場合、後述する変動演出パターンに応じて異なる演出が実行されることになるが、本形態ではドハズレの演出の一つとして、図42に示す特図1ドハズレ演出を実行するようになっている。
図42に示す特図1ドハズレ演出では、変動演出が実行されると共に、背景画像L(La,Lb,Lc)の表示態様が時間経過に伴って変化する。すなわち、先ず図42(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が演出図柄表示領域9aで開始される。このとき、表示態様が街背景となっている背景画像Laが表示画面7aに表示されている。なお、街背景となっている表示態様は、通常遊技状態で当選期待度に何ら変化が生じていないことを示していて、「通常表示態様」に相当する。
次に図42(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が表示画面7aから消えると共に、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lbが表示画面7aに表示される。この背景画像Lbの表示態様は、宇宙背景と共に、地球から光が放射状に延びる表示態様となっている。ここで本形態では、特図1保留球数が「1」又は「2」(第1特定数)であるときにドハズレと判定されると、変動時間が13000ms(通常変動)になる(図9参照)。この場合、図45に示すように、13000msの変動時間のうち始めの6000msの間に、背景画像Laが表示されて、その後に背景画像Laから背景画像Lbに切替わるようになっている。これに対して、特図1保留球数が「3」(第2特定数)であるときにドハズレと判定されると、変動時間が8000ms(準短縮変動)になる(図9参照)。この場合、図46に示すように、8000msの変動時間のうち始めの1000msの間に、背景画像Laが表示されて、その後に背景画像Laから背景画像Lbに切替わるようになっている。なお、宇宙背景となっている表示態様は、街背景となっている表示態様から変化する表示態様であって、「特別表示態様」に相当する。
続いて図42(C)に示すように、未だ演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aから消えていると共に、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lcが表示画面7aに表示される。この背景画像Lcの表示態様は、宇宙背景と共に、光が地球の或る一カ所に集中する表示態様となっている。こうして背景画像Lbから背景画像Lcへの表示態様の切替わりにより、遊技者にはその後にどんな表示態様になるのかを注目させるようになっている。なお図45及び図46に示すように、特図1ドハズレ演出で、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lb,Lcが表示されている時間は、6000msである。
その後図42(D)に示すように、再び表示態様が街背景となっている背景画像Laが表示画面7aに表示される。背景画像Laの表示が再開されると、先ず左の図柄表示エリアに左演出図柄8Lが仮停止表示され、続いて右の図柄表示エリアに右演出図柄8Rが仮停止表示され、最後に中の図柄表示エリアに中演出図柄8Cが仮停止表示される。このとき、演出図柄8L,8C,8Rはドハズレを示すバラケ目(ドハズレ停止態様)で仮停止表示したあと、僅かに左右に揺れている状態となる。なお図45及び図46に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの仮停止表示に要する時間は、1000msである。
最後に図42(E)に示すように、背景画像Laが表示されている状態で、演出図柄8L,8C,8Rがバラケ目で停止表示(確定停止)する。なお演出図柄8L,8C,8Rの停止時間は500msである。これにより遊技者は、特図1の抽選がドハズレであったことを把握する。よって本形態では通常変動にてドハズレである場合、図45に示すように、変動演出の開始から6000ms後に、表示態様が街背景となっている背景画像Laから表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lbに切替わる。その後に再び表示態様が街背景となっている背景画像Laに切替わって、演出図柄8L,8C,8Rがバラケ目で停止表示するのを遊技者に見せ得るようになっている。また、準短縮変動にてドハズレである場合、図46に示すように、変動演出の開始から1000ms後に、表示態様が街背景となっている背景画像Laから表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lbに切替わる。その後に再び表示態様が街背景となっている背景画像Laに切替わって、演出図柄8L,8C,8Rがバラケ目で停止表示するのを遊技者に見せ得るようになっている。
次に、特図1小当たり演出について説明する。特図1の抽選で小当たりに当選した場合、後述する変動演出パターンに応じて異なる演出が実行されることになるが、本形態では特図1小当たり演出の一つとして、図43に示す特図1小当たり演出を実行するようになっている。
図43に示す特図1小当たり演出では、変動演出が実行されると共に、背景画像M(Ma,Mb,Mc,Md)の表示態様が時間経過に伴って変化する。すなわち、先ず図43(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が演出図柄表示領域9aで開始される。このとき、表示態様が街背景となっている背景画像Maが表示画面7aに表示されている。
次に図43(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が表示画面7aから消えると共に、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mbが表示画面7aに表示される。この背景画像Mbの表示態様は、宇宙背景と共に、地球から光が放射状に延びる表示態様であり、上述した背景画像Lb(図42(B)参照)の表示態様と同じである。ここで本形態では、特図1保留球数が「1」又は「2」であるときに小当たりと判定されると、変動時間が6000ms(通常変動)になる(図9参照)。この場合、図45に示すように、6000msの変動時間の間に、背景画像Maが表示されて、その後に背景画像Maから背景画像Mbに切替わる。こうして6000msの変動時間を経て、背景画像Maから背景画像Mbへ表示態様が変化したとき、通常変動でのドハズレと同じように背景画像の表示態様の変化と思わせて、小当たりだとは分からようにしている。
また特図1保留球数が「3」であるときに小当たりと判定されると、変動時間が1000ms(短縮変動)になる(図9参照)。この場合、図46に示すように、1000msの変動時間の間に、背景画像Maが表示されて、その後に背景画像Maから背景画像Mbに切替わる。こうして1000msの変動時間を経て、背景画像Maから背景画像Mbへ表示態様が変化したとき、準短縮変動でのドハズレと同じように背景画像の表示態様の変化と思わせて、小当たりだとは分からないようにしている。
但し、小当たりと判定されたときの変動時間(6000ms又は1000ms)が経過したときには、図43(B)に示すように、背景画像Mbの表示の開始に伴って、表示画面7aの右下隅部に設けられている縮小図柄表示領域9bにて、縮小図柄8La,8Ca,8Raがバラケ目(ドハズレ停止態様「263」)で停止表示するようになっている。そして、縮小図柄8La,8Ca,8Raは停止時間(500ms)だけ停止表示された後、縮小図柄表示領域9bを含む表示画面7a全体から消えるようになっている。
ここで縮小図柄表示領域(他の表示領域)9bは、演出図柄表示領域9aよりも小さい表示領域である。また縮小図柄8La,8Ra,8Caは、演出図柄8L,8C,8Rよりも小さくて、数字のみで構成された目立たない装飾図柄である。従って本形態では、小当たりであるときに、縮小図柄8La,8Ca,8Raが縮小図柄表示領域9bにてバラケ目で停止表示されているのをできるだけ気付き難くしている。なお縮小図柄8La,8Ca,8Raの停止表示態様をバラケ目に換えて、小当たりの当選を示すチャンス目(小当たり停止態様「135」)としても良い。チャンス目であっても、当否判定がハズレであることを示しているため、「ハズレ停止態様」ということができる。
続いて図43(C)に示すように、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mcが表示画面7aに表示される。この背景画像Mcの表示態様は、宇宙背景と共に、光が地球の或る一カ所に集中する表示態様であり、上述した背景画像Lc(図42(C)参照)の表示態様と同じである。なお、背景画像Mcが表示されているタイミングは、小当たりと判定されたときの小当たり変動時間(6000ms又は1000ms)及び停止時間(500ms)が経過した後であり、特図1小当たり遊技が既に開始されているときである(図45及び図46参照)。
その後図43(D)に示すように、未だ表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mdが表示画面7aに表示される。この背景画像Mdの表示態様は、宇宙背景と共に、光が3つに拡散する表示態様である。背景画像Mdが表示されている間に、演出図柄8L,8C,8Rの仮停止表示が行われることはない。なお、背景画像Mdが表示されているタイミングは、特図1小当たり遊技の実行時間(7000ms)のうち、後述するように演出図柄8L,8C,8Rがバラケ目で停止表示を開始する直前の1000msである。すなわち小当たりに当選した場合、上述したようにドハズレである場合に演出図柄8L,8C,8Rの仮停止表示に要する時間(1000ms)に相当する期間では、背景画像Mdを表示している。
最後に図43(E)に示すように、背景画像Mdから背景画像Maの表示に切替わると共に、バラケ目で停止表示(確定停止)されている演出図柄8L,8C,8Rの表示に切替わる。そしてドハズレである場合に第1特別図柄が停止表示している500msに相当する期間にて(図45,図46参照)、バラケ目で停止表示した演出図柄8L,8C,8Rが表示されて、特図1小当たり遊技の実行時間が終了することになる。従って、特図1小当たり遊技の実行中にも拘わらず、停止表示(確定停止)されている演出図柄8L,8C,8Rを見た遊技者には、ドハズレの変動演出が1回終了したと思わせることが可能である。なお本形態では、特図1小当たり遊技の実行中にバラケ目で停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rの表示は、特図1小当たり遊技の閉鎖後インターバルの間で行われることとなる(図40(e)参照)。
こうして本形態では、特図1保留球数が「1」又は「2」でドハズレと判定されたときに第1特別図柄の変動時間(通常ハズレ変動時間)が、13000ms(図9参照)である。そのため、図45に示すように、特図1保留球数が「1」又は「2」でドハズレと判定されたときに、特図1ドハズレ演出の開始(第1特別図柄の変動表示の開始)から特図1ドハズレ演出の終了(第1特別図柄の停止表示の終了)までの時間が、13500msになる。また、特図1保留球数が「1」又は「2」で小当たりと判定されたときに第1特別図柄の変動時間(通常小当たり変動時間)が、6000ms(図9参照)であり、特図1小当たり遊技の実行時間(小当たり遊技時間)が、7000ms(図40(e)参照)である。そのため、図45に示すように、特図1小当たり演出の開始(第1特別図柄の変動表示の開始)から特図1小当たり演出の終了(特図1小当たり遊技の終了)までの時間も、13500msになっている。
言い換えれば、上記した各時間(13500ms)を一致させるために、通常小当たり変動時間と小当たり遊技時間との加算値が、通常ハズレ変動時間に一致するように設定されている。このようにして、通常変動になる状況において、遊技者には図42に示す特図1ドハズレ演出の実行時間(13500ms)と、図43に示す特図1小当たり演出の実行時間(13500ms)とが同じであると認識させることが可能である。
その上で本形態では、表示画面7a上で実行される特図1ドハズレ演出と特図1小当たり演出とを、ほとんど見た目が同じになるようにしている。従って通常変動となる状況において、図43に示す特図1小当たり演出の実行を見た遊技者には、図42に示す特図1ドハズレ演出が通常変動にて実行されたと思わせることが可能であり、小当たりによる無駄な遊技停止期間が生じている印象を与え難くすることが可能である。
また本形態では、特図1保留球数が「3」でドハズレと判定されたときに第1特別図柄の変動時間(短縮ハズレ変動時間)が、8000ms(図9参照)である。そのため、図46に示すように、特図1保留球数が「3」でドハズレと判定されたときに、特図1ドハズレ演出の開始(第1特別図柄の変動表示の開始)から特図1ドハズレ演出の終了(第1特別図柄の停止表示の終了)までの時間が、8500msになる。また、特図1保留球数が「3」で小当たりと判定されたときに第1特別図柄の変動時間(短縮小当たり変動時間)が、1000ms(図9参照)であり、特図1小当たり遊技の実行時間(小当たり遊技時間)が、7000ms(図40(e)参照)である。そのため、図46に示すように、特図1小当たり演出の開始(第1特別図柄の変動表示の開始)から特図1小当たり演出の終了(特図1小当たり遊技の終了)までの時間も、8500msになっている。
言い換えれば、上記した各時間(8500ms)を一致させるために、短縮小当たり変動時間と小当たり遊技時間との加算値が、短縮ハズレ変動時間に一致するように設定されている。このようにして、準短縮変動になる状況において、遊技者には図42に示す特図1ドハズレ演出の実行時間(8500ms)と、図43に示す特図1小当たり演出の実行時間(13500ms)とが同じであると認識させることが可能である。
その上で本形態では、表示画面7a上で実行される特図1ドハズレ演出と特図1小当たり演出とを、ほとんど見た目が同じになるようにしている。従って準短縮変動となる状況において、図43に示す特図1小当たり演出を見た遊技者には、図42に示す特図1ドハズレ演出が準短縮変動にて実行されたと思わせることが可能であり、小当たりによる無駄な遊技停止期間が生じている印象を与え難くすることが可能である。以上のように、特図1小当たり演出を特図1ドハズレ演出と見せるための演出制御用マイコン91の動作を、以下で説明する。
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図30〜図39に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図30に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出等を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図31に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図32に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って、枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301,図34参照)。次に、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。次に、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(枠ランプ66、盤ランプ5の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。例えば、装飾可動体15が所定の待機位置から動作位置へ変位するときには、所定の効果音(SE)が出力される。これにより、装飾可動体15が変位することを遊技者に報知することとしている。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図34に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4408)。エンディング演出選択処理(S4408)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればV通過報知演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4410)。ステップS4410でセットされた演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、V通過報知演出の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
なおV通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態ではV通過報知演出は、「V」の文字画像と「BOUNUS確定」の文字画像とを含む当選報知画像を表示画面7aに表示させる演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4411)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図35に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析する(S5001)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報、変動時間及び停止時間の情報等が含まれている(図9参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報、図柄情報、変動時間及び停止時間の情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、後述する変動演出パターン選択処理を行う(S5002)。変動演出パターン選択処理(S5002)は、後に詳述するが、変動演出パターンを選択する。これにより、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、演出図柄選択処理を行う(S5003)。演出図柄選択処理(S5003)では、変動演出において最終的に停止表示させる演出図柄8L,8C,8R、又は停止表示させる縮小図柄8La,8Ca,8Ra(図43(B)参照)、或いは特図1小当たり遊技で最終的に停止表示させる演出図柄8L,8C,8R(図43(E)参照)の選択を行う。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄8L,8C,8R、又は縮小図柄8La,8Ca,8Raを選択する。これにより、停止表示される演出図柄8L,8C,8Rや縮小図柄8La,8Ca,8Raの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出選択処理を行う(S5004)。予告演出選択処理(S5004)では、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、そのテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の実行の有無及び予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5005)、変動演出開始処理(S4402)を終了する。ここで変動演出開始コマンドのうち、特図1の変動表示の開始に対応して変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを特図1変動演出開始コマンドと呼び、特図2の変動表示の開始に対応して変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを特図2変動演出開始コマンドと呼ぶことにする。
ステップS5005でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
[変動演出パターン選択処理]図36に示すように、変動演出パターン選択処理(S5002)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステップS5001で解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであるか否かを判定する(S5101)。特図1変動開始コマンドでなければ(S5101でNO)、特図2の変動表示及び停止表示に対応した変動演出を実行するための変動演出パターンを選択する(S5102)。一方、特図1変動開始コマンドであれば(S5101でYES)、続いて、非時短状態(通常遊技状態)であるか否かを判定する(S5103)。非時短状態でなければ(S5103でNO)、時短状態で特図1の変動表示及び停止表示に対応した変動演出を実行するための変動演出パターンを選択する(S5104)。
ステップS5103にて非時短状態であると判定すれば、解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが、リーチ無しハズレ(ドハズレ)に係る変動パターンであるか否かを判定する(S5105)。具体的には、変動パターンP7,P8,P9(図9参照)であるか否かを判定する。リーチ無しハズレに係る変動パターンであれば(S5105でYES)、続いて、解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが、通常変動に係る変動パターンであるか否かを判定する(S5106)。具体的には、変動パターンP7(図9参照)であるか否かを判定する。
通常変動に係る変動パターンであれば(S5106でYES)、ステップS5107に進み、変動演出パターン抽選処理を行う。変動演出パターン抽選処理(S5107)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンP7に対応した一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定する。判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lb,Lc(図42(B)(C)参照)を表示させる変動演出パターンであれば(S5108でYES)、13秒用宇宙背景ドハズレ変動演出パターンに決定することになる(S5109)。この13秒用宇宙背景ドハズレ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの13500ms(13000ms+500ms)の間に、図42(A)〜(E)に示す特図1ドハズレ演出が表示画面7aにて実行されることになる(図45参照)。
一方、ステップS5107で判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lb,Lcを表示させることがない変動演出パターンであれば(S5108でNO)、13秒用通常背景ドハズレ変動演出パターンに決定することになる(S5110)。この13秒用通常背景ドハズレ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの13500ms(13000ms+500ms)の間に、背景画像Lb,Lcが表示されることなく、表示態様が街背景となっている背景画像Laが表示されたまま、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示したあとバラケ目(ドハズレ停止態様)で停止表示することになる(図示省略)。
またステップS5106で通常変動に係る変動パターンでないと判定すれば、次に、準短縮変動に係る変動パターンであるか否かを判定する(S5111)。具体的には、変動パターンP8(図9参照)であるか否かを判定する。準短縮変動に係る変動パターンであれば(S5111でYES)、ステップS5112に進み、変動演出パターン抽選処理を行う。
変動演出パターン抽選処理(S5112)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンP8に対応した一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定する。判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lb,Lc(図42(B)(C)参照)を表示させる変動演出パターンであれば(S5113でYES)、8秒用宇宙背景ドハズレ変動演出パターンに決定することになる(S5114)。この8秒用宇宙背景ドハズレ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの8500ms(8000ms+500ms)の間に、図42(A)〜(E)に示す特図1ドハズレ演出が表示画面7aにて実行されることになる(図46参照)。
一方、ステップS5112で判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lb,Lcを表示させることがない変動演出パターンであれば(S5113でNO)、8秒用通常背景ドハズレ変動演出パターンに決定することになる(S5115)。この8秒用通常背景ドハズレ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの8500ms(8000ms+500ms)の間に、背景画像Lb,Lcが表示されることなく、表示態様が街背景となっている背景画像Laが表示されたまま、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示したあとバラケ目で停止表示することになる(図示省略)。
またステップS5111で準短縮変動に係る変動パターンでないと判定すれば、短縮変動に係る変動パターンであることになる。すなわち、変動パターンP9(図9参照)であることになる。この場合、4秒用通常背景ドハズレ変動演出パターンに決定することになる(S5116)。この4秒用通常背景ドハズレ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの4500ms(4000ms+500ms)の間に、背景画像Lb,Lcが表示されることなく、表示態様が街背景となっている背景画像Laが表示されたまま、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示したあとバラケ目で停止表示することになる(図示省略)。
またステップS5105にて、リーチ無しハズレ(ドハズレ)に係る変動パターンでないと判定すれば、図37に示すように、小当たりに係る変動パターンであるか否かを判定する(S5117)。具体的には、変動パターンP3,P4(図9参照)であるか否かを判定する。小当たりに係る変動パターンであれば(S5117でYES)、続いて、通常変動に係る変動パターンであるか否かを判定する(S5118)。具体的には、変動パターンP3(図9参照)であるか否かを判定する。
通常変動に係る変動パターンであれば(S5118でYES)、ステップS5119に進み、変動演出パターン抽選処理を行う。変動演出パターン抽選処理(S5119)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンP3に対応した一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定する。判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mb(図43(B)参照)を表示させる変動演出パターンであれば(S5120でYES)、6秒用宇宙背景小当たり変動演出パターンに決定することになる(S5121)。この6秒用宇宙背景小当たり変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの6500ms(6000ms+500ms)の間に、図43(A)(B)に示す特図1小当たり演出が表示画面7aにて実行されることになる(図45参照)。
一方、ステップS5119で判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mbを表示させることがない変動演出パターンであれば(S5120でNO)、6秒用通常背景小当たり変動演出パターンに決定することになる(S5122)。この6秒用通常背景小当たり変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの6500ms(6000ms+500ms)の間に、背景画像Mbが表示されることなく、表示態様が街背景となっている背景画像Maが表示されたまま、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示したあとチャンス目(小当たり停止態様)で停止表示することになる(図示省略)。
またステップS5118で通常変動に係る変動パターンでないと判定すれば、短縮変動に係る変動パターンであることになる。すなわち、変動パターンP4(図9参照)であることになる。この場合、1秒用宇宙背景小当たり変動演出パターンに決定することになる(S5123)。この1秒用宇宙背景小当たり変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの1500ms(1000ms+500ms)の間に、図43(A)(B)に示す特図1小当たり演出が表示画面7aにて実行されることになる(図46参照)。
またステップS5117で小当たりに係る変動パターンでないと判定すれば、次に、SPリーチに係る変動パターンであるか否かを判定する(S5124)。具体的には、変動パターンP1又はP5(図9参照)であるか否かを判定する。SPリーチに係る変動パターンであれば(S5124でYES)、ステップS5125に進み、変動演出パターン抽選処理を行う。
ところで本形態では、SPリーチに係る演出の一つとして、図44に示すように、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Nb,Ncを表示画面7aに表示したあと、発展演出を実行し得るようになっている。ここで、図44に示すSPリーチに係る演出を「宇宙背景発展SPリーチ」と呼ぶことにする。
宇宙背景発展SPリーチでは、先ず図44(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される。このとき、表示態様が街背景となっている背景画像Naが表示画面7aに表示されている。背景画像Naの表示態様は、上述した背景画像La,Ma(図42(A),図43(A)参照)の表示態様と同じである。次に図44(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が表示画面7aから消えると共に、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Nbが表示画面7aに表示される。この背景画像Nbの表示態様は、上述した背景画像Lb,Mb(図42(B),図43(B)参照)の表示態様と同じである。
ここで宇宙背景発展SPリーチでは、60000msの変動時間のうち始めの6000msの間に、背景画像Naが表示されて、その後に背景画像Naから背景画像Nbに切替わるようになっている。そのため、背景画像Naから背景画像Nbの切替わりを見た遊技者に対して、図42(A)(B)に示す特図1ドハズレ演出、又は図43(A)(B)に示す特図1小当たり演出との区別をつき難くしている。
続いて図44(C)に示すように、未だ演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aから消えていると共に、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Ncが表示画面7aに表示される。この背景画像Ncの表示態様は、上述した背景画像Lc,Mc(図42(C),図43(C)参照)の表示態様と同じである。宇宙背景発展SPリーチで表示態様が宇宙背景となっている背景画像Nb,Ncが表示されている時間は、6000msであり、通常変動における特図1ドハズレ演出で背景画像Lb,Lcが表示されている時間、又は通常変動における特図1小当たり演出で背景画像Mb,Mcが表示されている時間と同じである。
その後図44(D)に示すように、発展演出として、本パチンコ遊技機1のキャラクタの演奏画像Ndが表示画面7aに表示される。そして、大当たりであれば演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様(例えば「777」)で停止表示し、ハズレであれば演出図柄8L,8C,8Rがリーチハズレ停止態様(例えば「767」)で停止表示するようになっている。
以上により本形態では、表示態様が宇宙背景となっている背景画像を表示画面7aに表示したあと、SPリーチに係る発展演出を実行し得る。従って、表示態様が宇宙背景となっている背景画像を見た遊技者には、その後に発展演出が実行されて、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様で停止表示されるのを期待させることが可能である。即ち、特図1ドハズレ演出又は特図1小当たり演出が実行される場合だけではないことを把握させることが可能である。こうして、表示態様が宇宙背景となっている背景画像から、その後に実行される演出のバリエーションを増やすことにより、遊技興趣を向上させることが可能である。
図37に示す変動演出パターン選択処理(S5002)の説明に戻る。変動演出パターン抽選処理(S5125)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンP1又はP5に対応した一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定する。判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Nc(図44(C)参照)から発展演出を実行する変動演出パターンであれば(S5126でYES)、宇宙背景発展SPリーチ変動演出パターンに決定することになる(S5127)。この宇宙背景発展SPリーチ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの60500ms(60000ms+500ms)の間に、図44に示す宇宙背景発展SPリーチが表示画面7aにて実行されることになる。
一方、ステップS5126で判定した結果、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Nc(図44(C)参照)から発展演出を実行する変動演出パターンでなければ(S5126でNO)、通常SPリーチ変動演出パターンに決定することになる(S5128)。この通常SPリーチ変動演出パターンに基づいて変動演出が開始されると、特図1の変動表示の開始から特図1の停止表示の終了までの60500ms(60000ms+500ms)の間に、背景画像Nb,Ncが表示されることなく発展演出が実行されて、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様又はリーチハズレ停止態様で停止表示することになる(図示省略)。
またステップS5124にて、SPリーチに係る変動パターンでないと判定すれば、その他の特図1の変動表示及び停止表示に対応した変動演出を実行するための変動演出パターンを選択して(S5129)、本処理を終える。
[変動演出終了処理]図38に示すように、変動演出終了処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S5201)。次に、実行した変動演出に係る変動演出パターンが、宇宙背景小当たり変動演出パターン(6秒用宇宙背景小当たり変動演出パターン又は1秒用宇宙背景小当たり変動演出パターン、図37参照)であるか否かを判定する(S5202)。宇宙背景小当たり変動演出パターンであれば(S5202でYES)、特殊変動演出終了パターンを選択して(S5203)、変動演出終了コマンドをRAM94の所定の出力バッファにセットする(S5205)。
特殊変動演出終了パターンに係る変動演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aにて、演出図柄8L,8C,8Rを停止表示させない一方、停止表示した縮小図柄8La,8Ca,8Raを表示させる。つまり、第1特別図柄の変動表示が終了したタイミング(第1特別図柄の停止表示が開始したタイミング)で、図43(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが演出図柄表示領域9aで停止表示しない一方、縮小図柄8La,8Ca,8Raが縮小図柄表示領域9bで停止表示することになる。
一方、ステップS5202にて、宇宙背景小当たり変動演出パターンでないと判定すれば、通常変動演出終了パターンを選択して(S5204)、変動演出終了コマンドをRAM94の所定の出力バッファにセットする(S5205)。通常変動演出終了パターンに係る変動演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aの演出図柄表示領域9aにて、演出図柄8L,8C,8Rを停止表示させる。
続いて、ステップS5206では、実行した変動演出が非時短状態にて特図2の抽選で当選した小当たりに係る変動演出か否かを判定する。ステップS5206でNOと判定すれば、直ちに本処理を終える。一方、ステップS5206でYESと判定すれば、Vアタッカー打込報知演出開始コマンドをRAM94の所定の出力バッファにセットして(S5207)、本処理を終える。Vアタッカー打込報知演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aにて、図47に示すようにVアタッカー打込報知画像V1と右打ち報知画像W1とを表示させるようになっている。すなわち、非時短状態にて特図2の抽選で小当たりに当選した場合、第2特別図柄が停止表示したタイミングからVアタッカー打込報知画像V1と右打ち報知画像W1とが表示される。
図47に示すように、Vアタッカー打込報知画像V1は、遊技盤2のうち特定領域39を備える第2大入賞口35付近が光っている画像と、「VCHANCEアタッカーを狙ってね!」の文字画像とから構成されている。また、右打ち報知画像W1は、右向きの矢印を示す画像と、「右打ち」の文字画像とから構成されている。これらVアタッカー打込報知画像V1と右打ち報知画像W1とは、非時短状態にて特図2の抽選で小当たりに当選した場合の第2特別図柄の停止時間(20000ms、図9参照)において少なくとも表示され続けることになる。このようにするのは、以下の理由に基づく。
本パチンコ遊技機1の遊技性では、上述したように、大当たり遊技後に非時短状態(通常遊技状態)に制御されたとき、第2特図保留が1つ残っている場合がある(図41参照)。この場合、残っている第2特図保留により小当たりに当選すると、小当たりに係る第2特別図柄の変動表示及び停止表示を経て、小当たり遊技が実行される。ここで仮に、小当たり遊技が開始されてから遊技者が右打ちを開始すると、1.6秒というごく短い時間だけ第2大入賞口35が開放するため(図40(b)参照)、右打ちされた遊技球が開放中の第2大入賞口35に到達できないおそれがある。すなわち、非時短状態で残っている第2特図保留により小当たりに当選しても、遊技球を第2大入賞口35に入賞させることができなくて、特定領域39への通過に基づく2種大当たり遊技を実行させることができない(パンクする)おそれがある。
そのため本形態では、非時短状態にて特図2の抽選で小当たりに当選した場合の第2特別図柄の停止時間(20000ms)を、その他の停止時間(500ms)に比べて非常に長い時間に設定している。そして、非時短状態にて特図2の抽選で小当たりに当選した場合、第2特別図柄が停止表示したタイミングからVアタッカー打込報知画像V1と右打ち報知画像W1とが表示されることで、遊技者は小当たり遊技が実行される前から右打ちを行うことが可能となる。その結果、遊技球を第2大入賞口35に入賞させることができ、特定領域39への通過に基づく2種大当たり遊技を実行させることが可能である。
[特別遊技演出選択処理]図39に示すように、特別遊技演出選択処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する(S5301)。次に、解析したオープニングコマンドに基づいて、非時短状態にて特図1の抽選で小当たりに当選した状況であるか否かを判定する(S5302)。ステップS5302でYESと判定すれば、次に、実行した変動演出に係る変動演出パターンが、宇宙背景小当たり変動演出パターン(6秒用宇宙背景小当たり変動演出パターン又は1秒用宇宙背景小当たり変動演出パターン、図37参照)であるか否かを判定する(S5303)。宇宙背景小当たり変動演出パターンであれば(S5303でYES)、宇宙背景小当たり遊技演出パターンを選択する(S5304)。そして、特別遊技演出開始コマンドをRAM94の所定の出力バッファにセットして(S5307)、本処理を終える。
宇宙背景小当たり変動演出パターンに係る特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aにて、時間経過に伴って背景画像Mc(図43(C)参照)、背景画像Md(図43(D)参照)、背景画像Ma(図43(E)参照)及びドハズレ停止態様で停止表示された演出図柄8L,8C,8Rを表示させる。つまり、小当たり遊技の開始から小当たり遊技の終了までの間(特図1小当たり遊技の実行時間である7000msの間)に、図43(C)(D)(E)に示す特図1小当たり演出が実行されることになる。
一方、ステップS5303にて、宇宙背景小当たり変動演出パターンでないと判定すれば、通常小当たり遊技演出パターンを選択する(S5305)。そして、特別遊技演出開始コマンドをRAM94の所定の出力バッファにセットして(S5307)、本処理を終える。通常小当たり変動演出パターンに係る特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図43(C)(D)(E)に示す特図1小当たり演出以外の小当たり演出を実行する。特図1小当たり演出以外の小当たり演出としては、例えば背景画像の変更を示す演出や、本パチンコ遊技機1の遊技説明を行う演出等である。
また、ステップS5302にてNOと判定すれば、その他の特別遊技演出パターンを選択し(S5306)、特別遊技演出開始コマンドをRAM94の所定の出力バッファにセットして(S5307)、本処理を終える。その他の特別遊技演出パターンとは、時短状態にて特図1の抽選で小当たりに当選した場合の特別遊技演出を行うための特別遊技演出パターンや、大当たりに当選した場合の特別遊技演出を行うための特別遊技演出パターン等である。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、図45に示すように、特図1保留球数が「1」又は「2」であるときに特図1の抽選で小当たりと判定された場合、特図1小当たり変動表示が開始されてから特図1小当たり遊技が終了するまでの時間(13500ms)が、特図1の抽選でドハズレと判定された場合の第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特別図柄の停止表示が終了するまでの時間(13500ms)に対して、一致する。従って、特図1小当たり演出(図43参照)を特図1ドハズレ演出(図42参照)と似せることで、小当たりに当選したにも拘わらず、遊技者にはドハズレと認識させることが可能である。即ち、特図1の抽選で小当たりの当選を意識させないようにすることが可能である。よって遊技者には、特図1の抽選で小当たりの当選による煩わしさを感じさせ難くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図42に示すように、特図1ドハズレ演出において遊技者は、表示画面7aにて背景画像La⇒背景画像Lb⇒背景画像Lc⇒背景画像Laを視認する。一方図43に示すように、特図1小当たり演出において遊技者は、表示画面7aにて背景画像Ma⇒背景画像Mb⇒背景画像Mc⇒背景画像Md⇒背景画像Maを視認する。ここで、図42と図43との比較から明らかなように、特図1ドハズレ演出の背景画像Lの表示態様と、特図1小当たり演出の背景画像Mの表示態様とは、時間経過のほとんど(少なくとも半分以上)で同じになっている。よって、特図1小当たり演出の背景画像Mを見た遊技者には、特図1ドハズレ演出の背景画像Lと思わせて、小当たりの当選をより意識させないようにすることが可能である。
特に、特図1ドハズレ演出では、図42(A)(B)に示すように、表示態様が街背景となっている背景画像Laから、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Lbへ変化する。従って、これら背景画像La,Lbの表示態様の変化を遊技者に意識させておくことが可能である。これにより、特図1小当たり演出において、図43(A)(B)に示すように、表示態様が街背景となっている背景画像Maから、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mbへの変化を見た遊技者には、特図1ドハズレ演出であるときの背景画像La,Lbの表示だと、より思わせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図42に示すように、特図1ドハズレ演出において、第1特別図柄の変動表示及び停止表示に同期して、表示画面7aの演出図柄表示領域9aで演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示が実行される。これに対して、特図1小当たり演出において、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って、図43(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が表示画面7aの演出図柄表示領域9aで開始されるものの、第1特別図柄の停止表示の開始に伴って、図43(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの演出図柄表示領域9aで停止表示しない。その後、図43(E)に示すように、特図1小当たり遊技の終了直前に、演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの演出図柄表示領域9aでドハズレ停止態様にて停止表示する。従って遊技者には、特図1小当たり変動表示の開始から特図1小当たり遊技の終了までの一連の期間で、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示が1回実行されたと思わせることが可能である。よって、小当たりに当選したにも拘わらず、ドハズレに基づく演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示が実行されたと思わせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1小当たり演出において、第1特別図柄が停止表示したとき、図43(B)に示すように、表示画面7aの演出図柄表示領域9aでは演出図柄8L,8C,8Rが停止表示されないものの、表示画面7aの縮小図柄表示領域9bでは縮小図柄8La,8Ca,8Raがドハズレ停止態様にて停止表示される。従って、表示画面7a上において、小当たりの当選を示す第1特別図柄の停止表示タイミングが完全に分からなくなるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図46に示すように、特図1保留球数が「3」であるときに特図1の抽選で小当たりと判定された場合、特図1小当たり変動表示が開始されてから特図1小当たり遊技が終了するまでの時間(8500ms)が、特図1の抽選でドハズレと判定された場合の第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特別図柄の停止表示が終了するまでの時間(8500ms)に対して、一致する。つまり、図45に示すように通常変動となる場合だけでなく、図46に示すように準短縮変動となる場合でも、特図1小当たり演出の実行時間と特図1ドハズレ演出の実行時間とを一致させている。よって、特図1保留球数に応じて準短縮変動となる遊技機において、特図1保留球数に拘わらず、特図1小当たり演出を特図1ドハズレ演出が実行されたと思わせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、非時短状態(通常遊技状態)において、特図1の抽選で比較的小当たりに当選し易く、且つ特図1の抽選で当選した小当たりでは仮に第2大入賞口35に遊技球が入賞しても、特定領域39を通過することがない仕様となっている(図40(e)参照)。従って遊技機全体として第2大入賞口35に入賞した遊技球の特定領域39への通過率が不当に高くなるのを抑制することが可能である。しかしながらこの仕様の場合、特図1の抽選で小当たりに当選したときに、遊技球が特定領域39を通過することがないため、特図1小当たり変動表示の時間及び特図1小当たり遊技の時間を無駄な遊技停止期間と感じ易くなる。そこで、特図1の抽選で小当たりに当選したときに、遊技者には上述したように小当たりの当選を意識させないでドハズレと意識させ得ることで、無駄な遊技停止期間と感じさせ難くすることが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、特図1保留球数が「1」又は「2」で小当たりと判定されたときの第1特別図柄の変動時間(6000ms)と、特図1小当たり遊技の実行時間(7000ms)との加算値(13000ms)が、特図1保留球数が「1」又は「2」でドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間(13000ms)に対して、一致するように設定されていた。しかしながら、上記した加算値を、特図1保留球数が「1」又は「2」でドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して、一致しないでも、予め定めた時間差内(例えばドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間の20%前後の第1時間差内)で整合するように設定しても良い。20%前後の第1時間差内であれば、遊技者がその第1時間差にほとんど気付かないためである。なお本形態で説明した変動時間、停止時間、小当たり遊技の実行時間等は、あくまで本形態を説明する上での一例であって、勿論その他の時間であっても良い。
また上記形態では、特図1保留球数が「3」で小当たりと判定されたときの第1特別図柄の変動時間(1000ms)と、特図1小当たり遊技の実行時間(7000ms)との加算値(8000ms)が、特図1保留球数が「3」でドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間(8000ms)に対して、一致するように設定されていた。しかしながら、上記した加算値を、特図1保留球数が「3」でドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して、一致しないでも、予め定めた時間差内(例えばドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間の20%前後の第2時間差内)で整合するように設定しても良い。20%前後の第2時間差内であれば、遊技者がその第2時間差にほとんど気付かないためである。
また上記形態では、特図1保留球数が「4」で小当たりと判定されたときの第1特別図柄の変動時間(1000ms)と、特図1小当たり遊技の実行時間(7000ms)との加算値(8000ms)が、特図1保留球数が「4」でドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間(4000ms)に対して、一致していないが、一致する又は予め定めた時間差内で整合するように設定しても良い。つまり、特図1保留球数が「1」〜「4」までの全てにおいて、上記した加算値がドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して一致又は整合するようにしても良い。或いは、特図1保留球数が特定数である場合に限り、上記した加算値がドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して一致又は整合するようにしても良い。
また上記形態では、ドハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して、小当たりと判定されたときの第1特別図柄の変動時間と特図1小当たり遊技の実行時間との加算値を一致させるようにした。しかしながら、リーチ有りハズレ又はSPリーチハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して、小当たりと判定されたときの第1特別図柄の変動時間と特図1小当たり遊技の実行時間との加算値を一致又は予め定められた時間差内で整合させるようにしても良い。
また上記形態では、特図1の抽選で小当たりと判定されたときに、第1特別図柄の変動時間と小当たり遊技の実行時間との加算値を、特図1の抽選でハズレ(ドハズレ)と判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して、一致させるようにした。しかしながら、特図2の抽選で小当たりと判定されたときに、第2特別図柄の変動時間と小当たり遊技の実行時間との加算値を、特図2の抽選でハズレと判定されたときの第2特別図柄の変動時間に対して、一致させるようにしても良い。
また上記形態では、図9に示すように、特図1保留球数が「1」又は「2」で特図1の抽選でドハズレと判定されたときに決定される変動時間が、13000msだけであったが、勿論13000ms以外の変動時間が決定される場合があるようにしても良い。そして、特図1保留球数が「1」又は「2」で特図1の抽選で小当たりと判定されたときに決定される変動時間が、6000msだけであったが、勿論6000ms以外の変動時間が決定される場合があるようにしても良い。
また上記形態では、図9に示すように、特図1保留球数が「3」で特図1の抽選でドハズレと判定されたときに決定される変動時間が、8000msだけであったが、勿論8000ms以外の変動時間が決定される場合があるようにしても良い。そして、特図1保留球数が「3」で特図1の抽選で小当たりと判定されたときに決定される変動時間が、1000msだけであったが、勿論1000ms以外の変動時間が決定される場合があるようにしても良い。
また上記形態では、特図1の抽選で当選する小当たりの種別(小当たり図柄の種別)が、1種類しか設けられておらず(図6参照)、特図1小当たり遊技の実行時間が7000msで一定であった。しかしながら、特図1の抽選で当選する小当たりの種別が、2種類以上設けられていて、特図1小当たり遊技の実行時間が複数設けられているようにしても良い。この場合、小当たりと判定されたときの第1特別図柄の変動時間と、複数設けられている特図1小当たり遊技の実行時間のうちの1つの加算値が、ハズレと判定されたときの第1特別図柄の変動時間に対して、一致又は予め定められた時間差内で整合するようにしても良い。
また上記形態では、特図1保留球数に応じた小当たり変動時間を設定(6000ms又は1000ms、図9参照)することで、特図1小当たり変動表示が開始されてから特図1小当たり遊技が終了するまでの時間(13500ms又は8500ms)が、特図1の抽選でドハズレと判定された場合の第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特別図柄の停止表示が終了するまでの時間(13500ms又は8500ms)に対して、一致又は整合するようにした。しかしながら、特図1保留球数に応じて小当たり遊技時間が変化するようにして、特図1保留球数に応じた小当たり遊技時間を適宜設定(調整)することで、特図1小当たり変動表示が開始されてから特図1小当たり遊技が終了するまでの時間が、特図1の抽選でドハズレと判定された場合の第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特別図柄の停止表示が終了するまでの時間に対して、一致又は整合するようにしても良い。或いは、特図1保留球数に応じて第1特別図柄の停止時間が変化するようにして、特図1保留球数に応じた第1特別図柄の停止時間を適宜設定(調整)することで、特図1小当たり変動表示が開始されてから特図1小当たり遊技が終了するまでの時間が、特図1の抽選でドハズレと判定された場合の第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特別図柄の停止表示が終了するまでの時間に対して、一致又は整合するようにしても良い。
また上記形態では、図42と図43との比較で示すように、特図1ドハズレ演出の背景画像L(La,Lb,Lc)の表示態様と、特図1小当たり演出の背景画像M(Ma,Mb,Mc,Md)の表示態様とが、時間経過のほとんどで同じになっている。しかしながら、特図1ドハズレ演出の背景画像の表示態様と、特図1小当たり演出の背景画像の表示態様とは、時間経過において完全に一致するようにしても良い。又は、遊技者に対して特図1小当たり演出を特図1ドハズレ演出だと思わせることが可能であれば、特図1ドハズレ演出の背景画像の表示態様と、特図1小当たり演出の背景画像の表示態様とは、時間経過の半分程度で一致するようになっていても良い。
また上記形態では、特図1ドハズレ演出において、図42(A)(B)に示すように、表示態様が街背景(通常表示態様)となっている背景画像Laから、表示態様が宇宙背景(特別表示態様)となっている背景画像Lbに変化した。そして、特図1小当たり演出においても、図43(A)(B)に示すように、表示態様が街背景となっている背景画像Maから、表示態様が宇宙背景となっている背景画像Mbに変化した。しかしながら、特図1ドハズレ演出及び特図1小当たり演出では、背景画像の表示態様が変化しないで、例えば通常表示態様の背景画像が表示され続けていても良い。なお、通常表示態様は街背景に限られるものではなく適宜変更可能であり、特別表示態様は宇宙背景に限られるものではなく適宜変更可能である。
また上記形態では、図43に示す特図1小当たり演出において、背景画像Ma,Mb(図43(A),(B)参照)の表示は、演出制御用マイコン91が画像制御基板100に変動演出開始コマンドを送信することに基づいて行われ、背景画像Mc,Md,Ma(図43(C),(D),(E)参照)の表示は、演出制御用マイコン91が画像制御基板100にオープニングコマンドを送信することに基づいて行われた。しかしながら、背景画像Ma,Mb,Mc,Md,Maの表示は、演出制御用マイコン91が画像制御基板100に変動演出開始コマンドを送信することだけに基づいて行われるようにしても良い。また、背景画像Mb(図43(B)参照)については、演出制御用マイコン91が画像制御基板100に変動演出終了コマンドを送信することに基づいて行われるようにしても良い。つまり背景画像の表示は、演出制御用マイコン91から画像制御基板100に送信されるどのコマンドで行われるかは、適宜変更可能である。
また上記形態では、図43に示す特図1小当たり演出において、停止表示している縮小図柄8La,8Ca,8Raの表示(図43(B)参照)は、演出制御用マイコン91が画像制御基板100に変動演出終了コマンドを送信することに基づいて行われた。しかしながら、停止表示している縮小図柄8La,8Ca,8Raの表示は、例えば変動演出開始コマンドに基づいて行われるようにしても良く、演出制御用マイコン91から画像制御基板100に送信されるどのコマンドで行われるかは、適宜変更可能である。
また上記形態では、図43に示す特図1小当たり演出において、停止表示している演出図柄8L,8C,8Rの表示(図43(E)参照)は、演出制御用マイコン91が画像制御基板100に特別遊技演出開始コマンド(オープニングコマンド)を送信することに基づいて行われた。しかしながら、停止表示している演出図柄8L,8C,8Rの表示は、特別遊技演出開始コマンド以外のコマンドに基づいて行われるようにしても良く、演出制御用マイコン91から画像制御基板100に送信されるどのコマンドで行われるかは、適宜変更可能である。
また上記形態では、図45に示すように通常変動で実行される特図1ドハズレ演出及び特図1小当たり演出と、図46に示すように準短縮変動で実行される特図1ドハズレ演出及び特図1小当たり演出とでは、背景画像の表示態様(街背景から宇宙背景への表示態様の変化)が同じになっていた。しかしながら、通常変動と準短縮変動とでは、背景画像の表示態様の変化が異なるようにしても良い。例えば、準短縮変動で実行される特図1ドハズレ演出及び特図1小当たり演出では、表示態様が街背景となっている背景画像から、表示態様が山林背景となっている背景画像に変化するようにしても良い。
また上記形態では、特図1ドハズレ演出では、図42(D)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する前に順番に仮停止表示するのに対して、特図1小当たり演出では、図43(D)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する前に仮停止表示しなかった。しかしながら、特図1小当たり演出でも、演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する前に順番に仮停止表示するようにしても良い。
また上記形態では、図43(B)に示すように、特図1小当たり演出において、小当たりの当選に基づく第1特別図柄が停止表示したタイミングで、縮小図柄8La,8Ca,8Raが縮小図柄表示領域9bで停止表示したが、縮小図柄8La,8Ca,8Raが停止表示しないようにしても良い。
また上記形態では、特図1又は特図2の抽選で大当たりと判定される確率が変化しない遊技機であったが、相対的に低い通常確率状態(低確率状態)又は相対的に高い高確率状態に制御可能な遊技機であっても良い。この場合、例えば高確率状態において、小当たりと判定されたときの特別図柄の変動時間と小当たり遊技の実行時間との加算値が、ドハズレと判定されたときの特別図柄の変動時間に対して、一致又は予め定められた時間差内で整合するようにしても良い。
また上記形態では、通過用開放パターン(第2開放パターン)は、第2大入賞口35への入賞タイミングに関わらず遊技球が必ず特定領域39を通過する開放パターン(図41(e)参照)としたが、第2大入賞口35へ入賞した遊技球が特定領域39を通過する可能性はあるが、通過しないこともあり得る開放パターンとしてもよい。
また上記形態では、第2特別図柄の抽選で約4分の1の確率で小当たりに当選するように構成されていたが、4分の1よりも低い確率又は4分の1よりも高い確率で小当たりに当選するようにしても良く、小当たりの当選確率は適宜変更可能である。
また上記各形態では、第2特図保留を1つまで溜めることが可能な構成とした。この場合に、特図2の抽選では大当たりに当選する場合を除いて小当たりに必ず当選することとして、ハズレになることがないようにしても良い。このようにすれば、一旦時短状態に制御されれば原則的に、第2特別図柄の当該変動に基づく小当たり当選と、第2特図保留に基づく小当たり当選とにより少なくとも2回の大当たり遊技を実行させることが可能となり、第2特図保留の上限記憶数+1回の所謂ループ機を提供することが可能となる。
なお上述したように、特図2の抽選では大当たりに当選する場合を除いて小当たりに必ず当選する構成にした場合、第2特図保留の上限記憶数を「2」とすれば、3回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低4回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「3」とすれば、4回ループのパチンコ遊技機を構成することができる。また、上限記憶数を「4」とすれば、5回ループのパチンコ遊技機を構成することができる。
また上記形態では、第2特図保留を1つまで溜めることが可能な構成としたが、第2特図保留の上限記憶数は2以上であっても良く、適宜変更可能であり、例えば第2特図保留を4つ貯めることができる構成としても良い。この場合には、第2特図保留の数が多いほど、特図2の抽選で小当たりに当選(実質的に大当たりに当選)するチャンスが多いことになり、遊技者にとって有利な状況といえる。そのため時短状態且つ高ベース状態であるときに、第2特図保留ができるだけ多く残っている状況で、小当たりに当選することが有利になる。仮に当選した小当たりの種別が「特図2_小当たり図柄c」に係る小当たりである場合に、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されても、残っている第2特図保留の数が多いほど、特図2の抽選で小当たりに当選して大当たり当選になるという引き戻しの可能性が高くなるためである。よって、時短状態且つ高ベース状態にて特図2の抽選で小当たりに当選したときに、第2特図保留の数の多さに注目させるという斬新な遊技性を提供することが可能である。言い換えれば、第2特図保留が「4」又は「3」であれば、当該変動の特図2の当否判定で小当たりに当選するのを遊技者に期待させる一方、第2特図保留が「2」又は「1」或いは「0」であれば、当該変動の特図2の当否判定で小当たりに当選するよりもむしろハズレとなるのを期待させる新しいゲーム性を提供することが可能である。
また上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、1種大当たりのみの遊技機や、2種大当たりのみの遊技機(1種大当たりのない遊技機、所謂羽根物)として構成してもよい。
また上記形態では、特図2の変動(抽選)を特図1の変動(抽選)に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って数値情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。
また上記形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また上記形態では、特図1の抽選で小当たりに当選した場合、小当たりの種別は、非通過用開放パターン(図40(e)参照)に設定される小当たり(「特図1_小当たり図柄a」が停止表示される小当たり)のみであった。しかしながら、特図1の抽選で当選した小当たりの種別として、通過用開放パターン(図40(b)参照)に設定される小当たりがあるようにしても良い。この場合には、非時短状態において特図1の抽選で当選した小当たりの種別が通過用開放パターンに設定される小当たりであれば、遊技球の特定領域39への通過により2種大当たり遊技を発生させることが可能となる。そのため、非時短状態において特図1の抽選であっても、小当たりに当選するのを遊技者に期待させることが可能である。但し、遊技機全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率(V通過率)が1/10を超えないように、特図1の抽選で当選した小当たりにおいて、非通過用開放パターンに設定される小当たりと、通過用開放パターンに設定される小当たりとの振分率を、例えば20:1のように適宜設定する。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、特図1保留球数の上限数が「4」であったが、「4」以外であっても良く、適宜変更可能である。
また上記形態では、第1特定数が「1」又は「2」であったが、それ以外であっても良く適宜変更可能である。また第2特定数が「3」であったが、それ以外であっても良く適宜変更可能である。
また上記形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
なお、上記した実施の形態には、以下の<A>〜<H>の発明が示されている。以下の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<A>本発明に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配された入球口(第1始動口20)と、
前記遊技領域に配された特別入賞口(第2大入賞口35)と、前記特別入賞口を開閉する特別入賞口開閉部材(開閉部材37)と、を有する特別入賞手段(第2大入賞装置36)と、
前記入球口への入球に基づいて数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS210を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて、大当たり、小当たり、又はハズレを判定する当たり判定手段(ステップS1002を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当たり判定手段による判定に基づいて、当該判定の結果を示す識別図柄(第1識別図柄)が変動表示する変動時間(図9参照)を決定する変動時間決定手段(ステップS1003を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記変動時間決定手段により決定された変動時間にて前記識別図柄を変動表示したあと停止表示させる識別図柄表示手段(特別図柄表示器41)と、
前記識別図柄表示手段により前記判定の結果が大当たりであることを示す識別図柄が停止表示されたあと、遊技者に有利な第1特別遊技(大当たり遊技)を実行する第1特別遊技実行手段(ステップS908を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記識別図柄表示手段により前記判定の結果が小当たりであることを示す識別図柄が停止表示されたあと、前記特別入賞口開閉部材を開閉する第2特別遊技(小当たり遊技)を実行する第2特別遊技実行手段(ステップS909を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記当たり判定手段による判定が小当たりであるときに前記変動時間決定手段により決定される少なくとも1つの変動時間(以下「小当たり変動時間(6000ms)」という)と、当該判定が小当たりであるときに前記第2特別遊技実行手段により実行される前記第2特別遊技の実行時間(以下「小当たり遊技時間(7000ms)」という)との加算値(13000ms)は、
前記当たり判定手段による判定がハズレであるときに前記変動時間決定手段により決定される少なくとも1つの変動時間(以下「ハズレ変動時間(13000ms)」という)に対して、一致する又は予め定めた時間差内で整合するように設定されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、小当たりと判定したときに識別図柄の変動表示が開始されてから小当たり遊技が終了するまでの時間が、ハズレと判定したときに識別図柄の変動表示が開始されてから識別図柄の停止表示が終了するまでの時間に対して、一致する又は予め定めた時間差内で整合し得る。従って、小当たり変動時間及び小当たり遊技時間で実行する演出を、ハズレ変動時間で実行する演出と似せることで、小当たりに当選したにも拘わらず、遊技者にはハズレと認識させることが可能である。即ち、小当たりの当選を意識させないようにすることが可能である。よって遊技者には、小当たりの当選による煩わしさを感じさせ難くすることが可能である。
<B>上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
表示画面(7a)を有する表示装置(画像表示装置7)と、
前記表示画面にて背景画像を表示可能な背景画像表示手段(ステップS5005を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記背景画像表示手段は、
前記ハズレ変動時間にて前記識別図柄が変動表示しているときに所定の第1背景画像(背景画像La,Lb,Lc、図42参照)を表示し、前記小当たり変動時間にて前記識別図柄が変動表示していると共に前記小当たり遊技時間にて前記第2特別遊技が実行されているときに所定の第2背景画像(背景画像Ma,Mb,Mc,Md、図43参照)を表示することが可能なものであり、
前記第1背景画像と前記第2背景画像とは、時間経過の半分以上で表示態様が同じになっている背景画像であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、ハズレと判定されたときに、遊技者は表示画面にて第1背景画像を視認し得る。一方、小当たりと判定されたときに、遊技者は表示画面にて時間経過(小当たり変動時間及び小当たり遊技時間)の半分以上で第1背景画像の表示態様と同じになっている第2背景画像を視認し得る。よって、第2背景画像を見た遊技者には、ハズレであるときの背景画像(第1背景画像)と思わせて、小当たりの当選をより意識させないようにすることが可能である。
<C>上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記第1背景画像は、所定の通常表示態様(街背景)から所定の特別表示態様(宇宙背景)に変化する背景画像(図42(A)(B)参照)であり、
前記第2背景画像は、前記通常表示態様から前記特別表示態様に変化する背景画像(図43(A)(B)参照)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、ハズレと判定されたとき表示される第1背景画像により、遊技者には、通常表示態様から特別表示態様への変化を意識させておくことが可能である。これにより、小当たりと判定されたときに表示される第2背景画像により、通常表示態様から特別表示態様への変化を見た遊技者には、ハズレであるときの背景画像(第1背景画像)の表示だと、より思わせることが可能である。
<D>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
表示画面(7a)を有する表示装置(画像表示装置7)と、
前記表示画面上の所定の特定表示領域(演出図柄表示領域9a)にて所定の演出図柄(8L,8C,8R)を変動表示したあと停止表示させる演出図柄表示手段(ステップS5005を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出図柄表示手段は、
前記ハズレ変動時間にて前記識別図柄が変動表示を開始するのに伴って前記特定表示領域で前記演出図柄の変動表示を開始して(ステップS5109,S5005を実行し、図42(A)参照)、前記識別図柄が停止表示を開始するのに伴って前記当たり判定手段による判定がハズレであることを示すハズレ停止態様(「315」)にて前記演出図柄を前記特定表示領域で停止表示し(ステップS5204,S5205を実行し、図42(E)参照)、
前記小当たり変動時間にて前記識別図柄が変動表示を開始するのに伴って前記特定表示領域で前記演出図柄の変動表示を開始して(ステップS5121,S5005を実行して、図43(A)参照)、前記識別図柄が停止表示を開始しても前記特定表示領域で前記演出図柄を停止表示ことがなくて(ステップS5203,S5205を実行して、図43(B)参照)、前記小当たり遊技時間にて実行される前記第2特別遊技の終了前に前記ハズレ停止態様(「315」)にて前記演出図柄を前記特定表示領域で停止表示する(ステップS5304,S5307を実行する、図43(E)参照)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、ハズレと判定されたときには、識別図柄の変動表示及び停止表示に同期して、表示画面の特定表示領域で演出図柄の変動表示及び停止表示が実行される。これに対して、小当たりと判定されたときには、識別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄の変動表示が表示画面の特定表示領域で開始されるものの、識別図柄の停止表示の開始に伴って、演出図柄が表示画面の特定表示領域で停止表示しない。その後、第2特別遊技の終了前に演出図柄が表示画面の特定表示領域でハズレ停止態様にて停止表示する。従って遊技者には、小当たり変動時間の開始から小当たり遊技時間の終了までの一連の期間で、演出図柄の変動表示及び停止表示が1回実行されたと思わせることが可能である。よって、小当たりに当選したにも拘わらず、ハズレに基づく演出図柄の変動表示及び停止表示が実行されたと思わせることが可能である。
<E>上記構成の遊技機を次のように構成するとよい。
前記表示画面上には、前記特定表示領域と異なる他の表示領域(縮小図柄表示領域9b)があり、
前記演出図柄表示手段は、
前記小当たり変動時間にて前記識別図柄が変動表示を開始するのに伴って前記特定表示領域で前記演出図柄の変動表示を開始した場合には、前記識別図柄が停止表示を開始するのに伴って前記演出図柄よりも小さい縮小図柄(8La,8Ca,8Ra)を、前記ハズレ停止態様にて前記他の表示領域で停止表示する(ステップS5203,S5205を実行する、図43(B)参照)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、小当たりの当選に基づいて識別図柄が停止表示したときには、表示画面の特定表示領域では演出図柄が停止表示されないものの、表示画面の他の表示領域では縮小図柄がハズレ停止態様にて停止表示される。従って、表示画面上において、小当たりの当選を示す識別図柄の停止表示タイミングが完全に分からなくなるのを回避することが可能である。
<F>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数(4)まで記憶可能な数値情報記憶手段(第1特図保留記憶部85a)を備え、
前記変動時間決定手段は、
前記当たり判定手段による判定がハズレであり且つ前記数値情報記憶手段に記憶されている数値情報が前記上限数よりも少ない第1特定数(「1」又は「2」)であるときには、前記変動時間として所定の通常ハズレ変動時間(13000ms、図9参照)に決定し得るものであり、
前記当たり判定手段による判定がハズレであり且つ前記数値情報記憶手段に記憶されている数値情報が前記上限数以下で前記第1特定数よりも多い第2特定数(「3」)であるときには、前記変動時間として前記通常ハズレ変動時間よりも短い短縮ハズレ変動時間(8000ms、図9参照)に決定し得るものであり、
前記当たり判定手段による判定が小当たりであり且つ前記数値情報記憶手段に記憶されている数値情報が前記第1特定数であるときには、前記変動時間として所定の通常小当たり変動時間(6000ms、図9参照)に決定し得るものであり、
前記当たり判定手段による判定が小当たりであり且つ前記数値情報記憶手段に記憶されている数値情報が前記第2特定数であるときには、前記変動時間として前記通常小当たり変動時間よりも短い短縮小当たり変動時間(1000ms、図9参照)に決定し得るものであり、
前記通常小当たり変動時間と前記小当たり遊技時間との加算値(13000ms)が、前記通常ハズレ変動時間(13000ms)に対して、一致する又は予め定めた第1時間差内で整合するように設定され、
前記短縮小当たり変動時間と前記小当たり遊技時間との加算値(8000ms)が、前記短縮ハズレ変動時間(8000ms)に対して、一致する又は予め定めた第2時間差内で整合するように設定されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1特定数だけ数値情報が記憶されている状態で、小当たりに当選したときには、通常小当たり変動時間と小当たり遊技時間との加算値とが、通常ハズレ変動時間に対して一致する又は第1時間差内で整合する。また、第2特定数だけ数値情報が記憶されている状態で、小当たりに当選したときにも、短縮小当たり変動時間と小当たり遊技時間との加算値とが、短縮ハズレ変動時間に対して一致する又は第2時間差内で整合する。こうして、数値情報の記憶数によってハズレ変動時間が短くなる遊技機であっても、小当たりに当選したときに識別図柄の変動表示が開始されてから小当たり遊技が終了するまでの時間を、ハズレを示す識別図柄の変動表示が開始されてから識別図柄の停止表示が終了するまでの時間に一致又は整合させることが可能である。
<G>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記入球口には、遊技球の入球し易さが変わらない固定入球口(第1始動口20)と、遊技球の入球し易さが変化可能な可変入球口(第2始動口21)とが少なくともあり、
前記特別入賞手段は、前記特別入賞口に入賞した遊技球が通過可能であって、その通過の可否が予め定められたタイミングで切り替えられる特定領域(39)を有し、
前記数値情報取得手段は、前記固定入球口への入球に基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段(ステップS210を実行する遊技制御用マイコン81)と、前記可変入球口への入球に基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段(ステップS206を実行する遊技制御用マイコン81)とを有し、
前記当たり判定手段は、予め定めた第1判定条件が成立すると、前記第1数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて大当たり、小当たり、又はハズレを判定する第1判定(特図1の抽選)を行い、予め定めた第2判定条件が成立すると、前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たり又は小当たりを判定する第2判定(特図2の抽選)を行うものであり、
前記識別図柄表示手段は、前記第1判定の結果を示す第1識別図柄を変動表示したあと停止表示させ、前記第2判定の結果を示す第2識別図柄を変動表示したあと停止表示させるものであり、
前記第1特別遊技実行手段は、前記第1判定の結果又は前記第2判定の結果が大当たりである場合、又は前記特定領域に遊技球が通過した場合に前記第1特別遊技を実行するものであり、
前記第1特別遊技後の遊技状態を、所定の終了条件が成立するまで、通常遊技状態よりも前記可変入球口へ遊技球が入球し易い入球容易状態(電サポ制御状態)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2104を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1判定の結果又は前記第2判定の結果が小当たりである場合に、前記特別入賞口開閉部材の開放パターンを設定する開放パターン設定手段(ステップS1614を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記開放パターン設定手段は、遊技球が前記特別入賞口に入賞しても前記特定領域を通過することが不可能又は実質的に不可能な第1開放パターン(非通過用開放パターン、図40(e)参照)と、前記特別入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過することが可能な第2開放パターン(通過用開放パターン、図40(b)参照)とを少なくとも含む開放パターンの中から開放パターンを設定するものであり、
前記第1判定に基づく小当たりの種別には、前記開放パターン設定手段により設定される開放パターンが前記第1開放パターンに設定される通過不能小当たり(特図1_小当たり図柄aが停止表示される小当たり、図6参照)がある一方、前記第2判定に基づく小当たりの種別には、前記開放パターン設定手段により設定される開放パターンが前記第2開放パターンに設定される通過可能小当たり(特図2_小当たり図柄b又は特図2_小当たり図柄cが停止表示される小当たり)があり、
前記小当たり変動時間は、前記第1判定に基づく小当たりが前記通過不能小当たりであるときに前記変動時間決定手段により決定される変動時間(6000ms、図9参照)であり、
前記小当たり遊技時間は、前記第1判定に基づく小当たりが前記通過不能小当たりであるときに前記第2特別遊技実行手段により実行される前記第2特別遊技の実行時間(7000ms、図40(e)参照)であり、
前記ハズレ変動時間は、前記第1判定の結果がハズレであるときに前記変動時間決定手段により決定される少なくとも1つの変動時間(13000ms、図9参照)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、固定入球口への入球に基づく第1判定で比較的小当たりに当選し易く、且つ第1判定で当選した小当たりの種別が通過不能小当たりになり易い仕様にすれば、遊技機全体として特別入賞口へ入賞した遊技球の特定領域への通過率が不当に高くなるのを抑制することが可能である。しかしながらこの仕様の場合、通過不能小当たりに当選したときに、遊技球が特定領域を通過することがないため、小当たり変動時間及び小当たり遊技時間を無駄な遊技停止期間と感じ易くなる。そこで、第1判定に基づいて通過不能小当たりに当選したときに、遊技者には上述したように小当たりの当選を意識させないでハズレと意識させ得ることで、無駄な遊技停止期間と感じさせ難くすることが可能である。
<H>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記第2開放パターンは、前記特別入賞口に入賞した遊技球がその入賞タイミングに拘わらず前記特定領域を通過可能な開放パターン(図40(b)参照)であり、
前記第2判定に基づく小当たりは、前記第1開放パターンに設定される前記通過不能小当たりになることはなく、前記第2開放パターンに設定される前記通過可能小当たりだけである(図6参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、入球容易状態では可変入球口への入球が容易になる。そして、可変入球口への入球に基づく第2判定で小当たりと判定された場合、特別入賞口への入賞した遊技球はその入賞タイミングに拘わらず特定領域を通過する。つまり、第2判定で小当たりに当選すれば、その後すぐに必ず第1特別遊技が実行される。従って、可変入球口への入球に基づく小当たりの当選は、大当たりの当選と同等の遊技上の意味を持つことになる。よって、入球容易状態で小当たりの当選により従来よりも早いスピードで大当たりを引き当てられる遊技性を創出することが可能である。
本発明の「第1判定条件」とは、上記形態においては特別図柄の変動表示中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」であり、第1特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「第2判定条件」とは、上記形態においては特別図柄の変動表示中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」でないことである。
なお上記した各形態及びその変形例を適宜組み合わせて実施することは勿論可能である。