1.遊技機の構造
本発明の各実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51のうち、打球供給皿61の前側(図1中、手前側)の上部中央に位置し、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作(押下)し得る演出ボタン63Bと、この演出ボタン63Bの右方に位置し、図2に示す4つの方向ボタン63U,63D,63L,63R(後述)からなる十字ボタン63A(機表側操作部に相当)とが設けられている。さらにこの前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ(音出力手段に相当)67が設けられている(図1参照)。
このうちスピーカ67は、前面枠51の左上部および右上部に位置し、遊技中やメンテナンス中において、音声、効果音、報知音(エラー音)、調整用音等の各種の音を必要に応じて出力する。具体的に例えば、本パチンコ遊技機1の遊技中に、後述する画像表示装置7が表示する演出図柄可変表示演出(後述)とともに、楽曲(BGM等)を含む効果音や音声を出力する。また例えば、遊技中のパチンコ遊技機1において異常が生じた場合に、その異常を報知するべく、サイレンなどの効果音や音声等からなる報知音を出力する。また例えば、スピーカ67から出力する音に関し、後述する十字ボタン63Aの操作によって設定音量を変更した場合に、所定の効果音からなる調整用音を変更後の設定音量で出力する。
図2に示すように、十字ボタン63Aは、後側(遊技盤2側)に配されている上方向ボタン63U、前側(遊技者側)に配されている下方向ボタン63D、左側に配されている左方向ボタン(機表側操作部に相当)63L、および、右側に配されている右方向ボタン(機表側操作部に相当)63Rからなる。この十字ボタン63Aは、本パチンコ遊技機1の機表側、すなわち打球供給皿61の上部前方(図2中、右下方)に設けられているため、パチンコ遊技機1の前方付近から、遊技者がその十字ボタン63Aを容易に操作(押下)することが可能となっている。またこの十字ボタン63Aには、後述する十字ボタン検出SW(スイッチ)63xが接続されている(図7参照)。このため、十字ボタン63Aをなす方向ボタン63U,63D,63L,63Rのいずれかが押下されると、十字ボタン検出SW63xが当該方向ボタンの押下操作を検出することが可能となっている。なお後に詳述するが、十字ボタン検出SW63xは、各方向ボタン63U,63D,63L,63Rに対応した検出信号を出力可能である。
この十字ボタン63Aは、例えば図23に示す選択画面PSを通じて、主に遊技者がパチンコ遊技機1に関する情報(例えば、パチンコ遊技機1の遊び方を示すガイダンス情報や当該パチンコ遊技機1に登場するキャラクタの詳細情報など)を確認するときや、パチンコ遊技機1の各種設定を変更するとき(例えば、画像表示装置7の表示画面7aの明るさを変更するときや、上記スピーカ67が出力する音の設定音量を変更するときなど)に用いられる。
図1に戻って、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図7参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ29が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(所定の表示装置に相当)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示および停止表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄可変表示演出(演出図柄変動演出,変動演出)という。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば「大当たり」に当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、「ハズレ」であった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて一般的には把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下方には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上方には、文字や図形を表した装飾部材13が配されていて、装飾部材13の後方には装飾可動体15が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口,固定始動口,第1入球部)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
本形態では、固定入賞装置19よりも右方の遊技領域3、すなわち遊技盤2の右斜め下方に入球ユニットUNが配されている(図1参照)。入球ユニットUNは、第1大入賞装置31と、第2大入賞装置36と、普通可変入賞装置22と、ゲート28とを有しており、これら各装置31,36,22およびゲート28をユニット化したものである。
この入球ユニットUNは、遊技盤2に対して脱着可能になっている。そのため、上述した各装置31,36,22およびゲート28を一体として遊技盤2に組付けることができるとともに、遊技盤2から取り外すこともできる。よって、上述した各装置31,36,22およびゲート28を別々に遊技盤2に組付ける、又は遊技盤2から取り外す場合に比べて、組付け作業および取り外し作業を容易にすることが可能である。また、入球ユニットUNとして各装置31,36,22およびゲート28を遊技盤2の右斜め下方に一カ所に集めることで、画像表示装置7、センター装飾体10および装飾可動体15の大型化を達成しつつ、比較的小さな遊技領域3でも上述した各装置31,36,22およびゲート28を配置できるようにしている。
図1に示すように、入球ユニットUNの右側部には、普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が配されている。電チュー22は、第2始動口(第2始動入賞口,第2入球部,可変始動口)21と、本体部材25とを備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、遊技盤2に対して前後方向に進退可能な進退部材23を備え、進退部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。進退部材23は、電チューソレノイド24(図6参照)により駆動される。
そのため第2始動口21は、進退部材23が後方に退避した退避状態であるときにのみ遊技球が入球可能となっている。なお、電チュー22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21a(図6参照)が配されている。
一方第2始動口21は、進退部材23が前方に進出した進出状態であるときには、遊技球が入球不可能となっている。このとき、第2始動口21の上側に到達した遊技球は、進退部材23の左方へ転動して、後述する第2大入賞口35および第1大入賞口30へ向かう。
また第2始動口21の上方にはゲート28が配されている。ゲート28は、遊技球が上下方向に通過可能な通過領域28bを有し、通過領域28bへの遊技球の通過を検知するゲートセンサ28a(図6参照)を組付けている。ゲート28(通過領域28b)への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また電チュー22の左下方には、第1大入賞口(上側特別入球部)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置,上側特別入球手段)31が配されている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材,上側開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図6参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第1大入賞装置31において、第1大入賞口30への遊技球の入球を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている(図6参照)。
また電チュー22の左方、すなわち第1大入賞装置31の上方には、第2大入賞口(下側特別入球部)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置,下側特別入球手段)36が配されている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材,下側開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図6参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお、第2大入賞装置36において、第2大入賞口35への遊技球の入球を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている(図6参照)。
より詳細には、図3(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域ともいう)39および非特定領域(非V領域ともいう)70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aと、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
また第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図6参照)とを備えている。振分部材71は、遊技盤2に対して下端部を中心に回動可能に取付けられている。振分部材ソレノイド73は、通電の有無によって、振分部材71による遊技球の振り分けを切り替えるものである。
そのため、図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71が遊技球を特定領域39に振り分ける第1状態をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
一方、図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71が遊技球を非特定領域70に振り分ける第2状態をとる。これにより、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71に当たることなく非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお遊技盤2には、右打ちされた遊技球をゲート28の上方に向かわせる右打ちガイド部材150が設けられている。
また図1および図4に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類(報知手段)40が配置されている。表示器類40には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留,第1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留,第2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
本形態の特別図柄表示器41は、具体的には横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選(大当たりの抽選)の結果に応じた特別図柄を表示するものである。大当たりに当選した場合には、例えば「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(特別報知態様)を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、この変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するなど、各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当する値)は、特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留の上限数および第2特図保留の上限数はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
本形態の普通図柄表示器42は、具体的には2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、例えば全LEDが一斉に点滅するなど、各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における普図保留の上限数は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図4参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
また図5に示すように、本パチンコ遊技機1の裏側(機裏側)には、遊技を制御するための各種制御基板および装置が設けられている。具体的に例えば、遊技機枠50内の中央に位置する画像表示装置7の背面には、主制御基板80、サブ制御基板90、画像制御基板100およびランプ制御基板107が配置されている。また、これら基板80,90,100,107の下方には払出制御基板110が配置されている(図5参照)。
なお本形態では、画像制御基板100上にロータリースイッチからなる回転操作部65(機裏側操作部に相当)が実装されている(図5参照)。この回転操作部65は、画像制御基板100から突出しており、本パチンコ遊技機1の機裏側に露出した形態である。このため、遊技場(ホール)に設置後のパチンコ遊技機1では、遊技機枠50の開放時にのみ回転操作部65の操作が可能となっている。従って、ホールの従業員等のホール関係者がその回転操作部65を操作することは可能であるが、遊技者がその回転操作部65を操作することは不可能となっている。なお、遊技者が機裏側にある回転操作部65を強引に操作可能な機会はあり得る。例えば、ホール関係者がメンテナンスのために遊技機枠50を開放しているときに、付近の遊技者が当該回転操作部65を操作可能な場合である。しかしそのような場合でも、ホール関係者を前にして回転操作部65を操作するのは難しい。すなわち回転操作部65の操作は、遊技者にとって、不可能でないにしても困難である。
回転操作部65を操作することによって決まる音量をマスターボリュームという。このマスターボリュームは、所定の範囲の音量から選択可能である。すなわち本形態では、10段階の音量(「0」〜「9」の整数値で割り付けた音量)から選択することが可能となっている。なお「0」を除く「1」から「9」までの音量の場合、後述する音源IC141およびアンプ142を通じてスピーカ67から音が出力される。一方「0」の音量の場合には、スピーカ67から音が出力されない、つまり無音となる。また「9」の音量の場合、スピーカ67から最も大きな音量(例えば最大が95dB相当の音量)で音が出力される。そして、「9」から整数値が小さくなるとともに音量も小さくなり、「1」の音量の場合、最も小さな音量(例えば最大が60dB相当の音量)で音が出力される。回転操作部65は、上述した10段階の音量を段階的に可変可能なため、この回転操作部65の回動操作によって、「0」から「9」の音量に容易に設定することが可能となっている。
2.遊技機の電気的構成
次に図6および図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図6および図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100およびランプ制御基板107とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンともいう)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、および、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の進退部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
また主制御基板80には、遊技機枠50の開放を検知する枠開放スイッチ50aが接続されている。枠開放スイッチ50aは、遊技機枠50の開放時には「ON」を示す信号を出力する。枠開放スイッチ50aからのその信号は、主制御基板80に入力され、さらに主制御基板80からサブ制御基板90を通じて画像制御基板100に入力される。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。
本形態では、第1始動口20への入賞による払い出しの賞球数は3球であり、第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数は2球である。また第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入賞による払い出しの賞球数は13球である。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンともいう)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、および、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。なおこのRAM94は、通電時に設定音量を記憶することが可能となっている。
サブ制御基板90には、画像制御基板(音声信号出力手段に相当)100およびランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御およびその表示制御に伴う音声制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データおよび音声データを展開するためのメモリである。なおこのRAM104は、通電時に上述したマスターボリュームの値および設定音量を記憶することが可能となっている。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データおよび音声データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。また、ROM103から音声データを読み出して、その音声データに基づいて音声制御を実行する。すなわち音声信号をサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に出力する。
なお画像制御基板100には、回転操作部検出スイッチ65aが接続されている。回転操作部検出スイッチ65aは、回転操作部65の操作によって決まる「0」〜「9」のいずれかの音量に応じた信号を画像制御基板100に出力する。
またサブ制御基板90は、上記演出制御用マイコン91の他に、音源IC141、アンプ(増幅信号出力手段に相当)142、および、一部の音声データを記憶する記憶手段143を実装している。なお記憶手段はROMからなる。サブ制御基板90は、主制御基板80から出力されるコマンドに基づきスピーカ67から出力される音を制御する。具体的には、演出制御用マイコン91からの音声信号に基づいて音源IC141が記憶手段143から音声データを読み出し、変換してアンプ142に出力する。また、画像制御基板100からのコマンドに基づいて演出制御用マイコン91が音源IC141に音声信号を送信し、変換してアンプ142に出力する。アンプ142は、音源IC141から入力した音声信号を設定音量に増幅した信号(増幅信号)を出力する。スピーカ67は、アンプ142からの増幅信号に基づいて音を出力する。また、設定音量が「0」の場合には、スピーカ67から音を出力しない。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15(図1参照)を動作させる。なお装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。
詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに上記ランプデータや駆動データを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、十字ボタン検出SW(スイッチ)63xおよび演出ボタン検出SW(スイッチ)63yが接続されている。十字ボタン検出SW63xは、4つの方向ボタン63U,63D,63L,63Rに各々対応した4つの検出スイッチ(図示しない)からなる。このため、各方向ボタン63U,63D,63L,63Rのいずれかが押下されると、十字ボタン検出SW63xからサブ制御基板90に対して、押下された方向ボタンに関する信号が出力される。また演出ボタン検出SW63yは、演出ボタン63B(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63Bが押下されると、演出ボタン検出SW63yからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「ハズレ」とがある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図8および図9に示す通りである。図8および図9に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で第1大入賞装置31の開閉部材32、および、第2大入賞装置36の開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32および開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、図9に示すように、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1R目から13R目までの各ラウンドおよび15R目は、1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放する。また14R目および16R目の各ラウンドは、1R当たり最大25.0秒にわたって第2大入賞口35を開放する。なお振分部材71は後述するように、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から、上述した図3(A)に示す第1状態、又は、図3(B)に示す第2状態に一定の周期で変動しているので、14R目および16R目の各ラウンドでは、第2大入賞口35を通過した遊技球を第2大入賞口35内の特定領域39へ通過させることが可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1R目から13R目までの各ラウンドは、1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放するが、15R目は、1R当たり0.08秒しか第1大入賞口30を開放しない。また14R目および16R目の各ラウンドは、1R当たり0.08秒しか第2大入賞口35を開放しない。従って、このVショート大当たりでは14R目から16R目までの各ラウンドは、各大入賞口30,35の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14R目および16R目の各ラウンドでは、後述するように、仮に遊技球が第2大入賞口35を通過してもその遊技球が特定領域39を通過することができないタイミング(すなわち、振分部材71が図3(B)に示す第2状態になったタイミング)で、第2大入賞装置36の開閉部材37を開放する。このため、Vショート大当たりにおける14R目および16R目の各ラウンドでは、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが60%、Vショート大当たりが40%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、普通図柄乱数(当たり乱数)および普図変動パターン乱数がある。このうち普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能である。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う。つまり、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
また時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち電チュー22の開放時間延長機能が作動している。一方、本形態では、時短状態でも非時短状態でも、補助遊技における電チュー22の開放回数は同じである。すなわち時短状態では電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。なお時短状態では、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。
かくして、普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことが可能となっている。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
なお高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記した複数の機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態、すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」(あるいは「通常遊技状態」)という。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進めることが可能である。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放され易くなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることが可能である。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進めることが可能である。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることが可能である。
5.遊技制御用マイコン81の動作
次に図10に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図10に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数)を取得する。また、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(図9に示す開放回数や開放時間)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。
なお、この特別動作処理(S104)において(すなわち特別図柄の変動表示の開始前において)、第1始動口20に関する特図1保留球数、および、第2始動口21に関する特図2保留球数がいずれも「0」である場合には、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。この客待ち待機コマンドを受信したサブ制御基板90は、後述する客待ち処理を行う。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターンに従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図11〜図18に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図11に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定などを行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化する。一方、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なおRAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタの値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。この乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。また乱数の更新方法としては、1回の更新に際して乱数値を1加算する方法を行う。なお、1回の更新に際して乱数値を1加算するのではなく、2加算するなどしてもよい。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出)等)を実行する。なお画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音源IC141およびアンプ142を通じてスピーカ67から音を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。但し本形態では、このうちのスピーカ67からの音の出力は、画像制御基板100から出力されるコマンドに基づいて実行されることがある。
続いて、演出制御用マイコン91は割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図12に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行する。図13に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63yからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図14に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、表示画面7a上への後述する選択画面の表示等を行うスイッチ処理を行う(S4303)。その後、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成するランプ処理(S4304)、および、スピーカ67から設定音量で音を出力する音声制御処理(S4305)を行う。そして、演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理を実行する(S4306)。
[受信コマンド解析処理]図15に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば、後述の客待ち待機処理を行う(S4402)。
続いて、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S4404)。この変動演出開始処理(S4404)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動開始コマンドに含む変動パターンに適した変動演出パターンを選択する。そして、選択した変動演出パターンにて演出図柄可変表示演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なおセットした変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄可変表示演出を行う。
ステップS4404に続いて、客待ち演出中であることを示す客待ちフラグがONか否かを判定し(S4405)、客待ちフラグがONであれば(S4405でYES)客待ちフラグをOFFにする(S4406)。
続いて演出制御用マイコン91は、画像制御基板100から、後述する調整用音出力コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば(S4407でYES)、調整用音出力処理を行う(S4408)。調整用音出力処理では、調整用音出力コマンドに応じた音声信号を音源IC141に出力してスピーカ67から音を出力させる。なお調整用音出力コマンドは、後述するユーザーボリューム変更処理において、遊技者が変更した設定音量を確認するための所定の音声信号である。
その後、ステップS4409では、その他の処理として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば、変動終了時のコマンドや、大当たり遊技のオープニング時のコマンド、ラウンド遊技時のコマンド、および、エンディング時のコマンドや、普通図柄の変動開始時のコマンドや普通図柄の変動停止時のコマンド)に基づく処理を行う。
[客待ち処理]図16に示すように、客待ち処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ち用のデモ演出(客待ち演出ともいう)に対応したシナリオデータを、RAM94のシナリオバッファにセットする(S5001)。次に、客待ち演出を実行するための演出コマンド(客待ち演出コマンド)を、RAM94の出力バッファにセットする(S5002)。そして、客待ち演出中であることを示す客待ちフラグをONして(S5003)、本処理を終える。
[スイッチ処理]図17に示すように、スイッチ処理(S4303)ではまず、演出ボタン63Bが押下操作されたか否かを判定する(S5101)。すなわち上述したステップS4302でRAM94に格納されたスイッチデータに演出ボタン検出SW63yの検出信号に基づくデータがあるかどうかを判定する。演出ボタン63Bが押下操作されていれば(S5101でYES)続いて客待ちフラグがONか否かを判定する(S5102)。つまり現時点で、上記客待ち演出が実行中であるかどうかを判定する。客待ちフラグがONであれば(S5102でYES)押下コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5103)、本処理を終える。
7.画像制御基板100の動作
[画像側タイマ割り込み処理]次に図18〜図22に基づいて画像制御基板100の動作について説明する。画像制御基板100は、図18に示す画像側タイマ割込処理を数msecといった短時間毎に繰り返す。画像側タイマ割り込み処理では、後述するマスターボリューム変更処理(S9001)、後述するコマンド受信処理(S9002)およびコマンド送信処理(S9003)を実行する。
[マスターボリューム変更処理]図19に示すように、マスターボリューム変更処理(S9001)ではまず、枠開放スイッチ50aがONか否かを判定する(S9101)。マスターボリュームを変更するための回転操作部65は、上述したように本パチンコ遊技機1の機裏側に配しているので、遊技機枠50が開放している状態でのみ操作可能である。枠開放スイッチ50a(図6参照)が「ON」であれば、画像表示装置7の表示画面7a上に、図示しない変更画面(マスター用音量変更画面)を表示する(S9102)。マスター用音量変更画面には、マスターボリュームの値が表示されている。すなわちこのときに画像制御基板100のRAM104が記憶しているマスターボリュームの値(上述した10段階の整数値のうちの1つ)が表示されている。
続いて回転操作部65が回動操作されたかどうかを判定する。回転操作部65が操作された場合には(S9103でYES)、記憶するマスターボリュームを変更して(S9104)、変更後のマスターボリュームの値に設定音量を変更する(S9105)。このため、この回転操作部65の操作から次回の回転操作部65の操作によるマスターボリュームの変更、又は、後述するユーザーボリューム変更処理における設定音量の変更までの間、設定音量は変更後のマスターボリュームの値と同じである。その後、上記マスター用音量変更画面に表示している音量画像を変更(具体的に例えば、変更前のマスターボリュームの値を示す画像から変更後のマスターボリュームの値を示す画像に変更)して(S9106)、本処理を終える。
一方、枠開放スイッチ50aがONでない場合には(S9101でNO)、ステップS9107に進み、マスター用音量変更画面を表示画面7aに表示中であるかどうかを判定する。マスター用音量変更画面が表示中でなければ(S9107でNO)そのまま本処理を終え、表示中であれば(S9107でYES)、マスター用音量変更画面の表示を終了(S9108)した後に本処理を終える。
[コマンド受信処理]図20に示すように、コマンド受信処理(S9002)ではまず、サブ制御基板90から押下コマンドを受信しているか否かを判定する(S9201)。受信していれば、後述の選択画面表示処理を実行して(S9202)ステップS9204に進む。一方、受信していなければ、その他の処理(例えば、他の受信コマンドに基づく処理)を行って(S9203)ステップS9204に進む。続いてステップS9204では、後述するユーザーボリューム変更処理において設定音量の変更が終了したかどうかを判定する。設定音量の変更が終了したと判定する条件(場合)として、例えば、後述するユーザーボリューム変更処理のステップS9608等の処理、すなわち音量画像VXを変更する処理を実行してから所定の時間経過した場合や、演出制御用マイコン91から変動演出の開始に関するコマンドを受信した場合等が挙げられる。設定音量の変更が終了している場合には(S9204でYES)、後述する表示フラグおよび変更フラグをいずれもOFFにして(S9205)本処理を終える。
[選択画面表示処理]図21に示すように、選択画面表示処理(S9202)ではまず、後述する表示フラグがONか否かを判定して(S9501)、ONでない場合には(S9501でNO)、図23に示す選択画面PSを画像表示装置7の表示画面7aに表示する(S9502)。その後、選択画面PSの表示中を示す表示フラグをONにして(S9503)処理を終える。一方、ステップS9501において表示フラグがONの場合には(S9501でYES)、後述する変更フラグがONか否かを判定し(S9504)、この変更フラグがONであれば(S9504でYES)、後述するユーザーボリューム変更処理を行う(S9514)。
一方、変更フラグがOFFであれば(S9504でNO)、十字ボタン63Aの上方向ボタン63Uが押下されたかどうかを判定する(S9505)。すなわち十字ボタン検出SW63xが上方向ボタン63Uの押下を検知して検知信号を出力したかどうかを判定する。なお選択画面PSの表示中に上方向ボタン63Uを1回押下することによって、選択画面PS内の矢印CAを1つ上の枠の横(左横)に移動させることが可能となっている。上方向ボタン63Uが1回押下された場合には(S9505でYES)、押下時に矢印CAが、選択画面PSの中央で上下方向に並ぶ3つの枠C1,C2,C3のうち一番上の第1枠C1の横に配されているかどうかを判定する(S9506)。矢印CAが第1枠C1の横に配されている場合には(S9506でYES)、図23に示すように第1枠C1の上方に枠がないので、矢印CAを移動させずに処理を終える。一方、第1枠C1以外の枠C2,C3の横に矢印CAが配されている場合には(S9506でNO)、ステップS9507に進み、矢印CAを1つ上の枠の横に移動させる。具体的に例えば、3つの枠C1,C2,C3のうち一番下に位置する第3枠C3の横に矢印CAがある場合(矢印CAが第3枠C3を指している場合)には、その第3枠C3の直上に位置する第2枠C2の横に矢印CAを移動させる。また例えば、第2枠C2の横に矢印CAがある場合(矢印CAが第2枠C2を指している場合)には、その直上に位置する第1枠C1の横に矢印CAを移動させる。
一方、ステップS9505において上方向ボタン63Uの押下がない場合には、続いて十字ボタン63Aの下方向ボタン63Dが押下されたかどうかを判定する(S9508)。すなわち十字ボタン検出SW63xが下方向ボタン63Dの押下に関する検知信号を出力したかどうかを判定する。なお選択画面PSの表示中に下方向ボタン63Dを1回押下することによって、選択画面PS内の矢印CAを1つ下の枠の横(左横)に移動させることが可能となっている。下方向ボタン63Dが押下された場合には(S9508でYES)、押下時に矢印CAが上記第3枠C3の横に配されているかどうかを判定する。第3枠C3の横に矢印CAがある場合には(S9509でYES)、図23に示すように第3枠C3の下方に枠がないので矢印CAを移動させずに処理を終えるが、第3枠C3以外の枠C1,C2の横にある場合には(S9509でNO)、ステップS9510に進み、矢印CAを1つ下の枠の横に移動させる。
ステップS9508において上方向ボタン63Uの押下がない場合には、続いて十字ボタン63Aの右方向ボタン63Rが押下されたかどうかを判定する(S9511)。すなわち十字ボタン検出SW63xが右方向ボタン63Rの押下に関する検知信号を出力したかどうかを判定する。なお選択画面PSの表示中に右方向ボタン63Rを押下することによって、矢印CAが指す枠(すなわち矢印CAの右横に位置する枠)の選択を確定させることが可能となっている。右方向ボタン63Rが押下された場合には(S9511でYES)、ステップS9512に進み、選択画面PS中の矢印CAが、枠内に「設定音量の変更」と書かれた第1枠C1の横に配されているか否かを判定する。矢印CAが第1枠C1の横にない場合には(S9512でNO)処理を終えるが、第1枠C1の横にあってこれを指している場合には、記憶するマスターボリュームの値が「0」か否かを判定する(S9513)。本形態では、図27に示すように、マスターボリュームの値が「0」の場合には設定音量もまた「0」、すなわち無音であり、十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lおよび右方向ボタン63Rの操作によって設定音量を変更することはできない。このため、マスターボリュームの値が「0」以外であれば(S9513でNO)、後述するユーザーボリューム変更処理(S9514)に進む。
[ユーザーボリューム変更処理]図22に示すように、ユーザーボリューム変更処理(S9514)ではまず、変更フラグがONか否かを判定して(S9601)、ONでない場合には(S9601でNO)、図24に示すユーザー用音量変更画面(設定音量表示に相当)PTを表示画面7aに表示する(S9602)。その後、ユーザー用音量変更画面PTの表示中を示す変更フラグをONにして(S9603)処理を終える。
なおユーザー用音量変更画面PTでは、文字列Vcおよび画像Vpを用いて、画像制御基板100のRAM104が記憶している設定音量を示している。具体的には図24〜図26に示すように、ユーザー用音量変更画面PTの中央に位置し、「VOLUME ○」(○内には「1」から「8」までの整数値、又は、「9」を示す「MAX」)で表される文字列Vc、および、この文字列Vcの背後に位置し、「八分音符」を表す画像Vpの大きさで設定音量の程度を示している。このためユーザー用音量変更画面PT上に示す文字列Vcおよび画像Vpの大きさに基づいて、現在の設定音量がどの程度の音量であるかを確認することが可能である。なお上記文字列Vcおよび画像Vpを組み合わせたものを音量画像VXという。
また本形態では、図27に示すように、マスターボリュームの値に応じて、十字ボタン63Aの操作による設定音量の変更可能範囲が決まっている。上限音量について見ると、マスターボリュームの値が「0」を除いた「1」〜「9」のいずれの場合でも「9」である。このため、マスターボリュームの値が「1」〜「9」のいずれの場合でも、十字ボタン63Aによって「9」まで設定音量を変更することが可能となっている。一方、下限音量について見ると、マスターボリュームの値が「1」のとき、下限音量は同じ「1」であり、マスターボリュームの値が「2」のとき、下限音量は「2」である。またマスターボリュームの値が「3」のとき、下限音量は同じ「3」である。またマスターボリュームの値が「4」〜「9」の範囲にある場合には、下限音量は「3」である。ここで、「1」〜「3」のマスターボリュームを包含する第1範囲と、この第1範囲よりも大きな音量範囲、すなわち「4」〜「9」のマスターボリュームを包含する第2範囲とにマスターボリュームの音量範囲を分ける。すると本形態では、マスターボリュームの値が第1範囲の場合には、十字ボタン63Aの操作による設定音量の下限音量としてマスターボリュームの値が設定されており、第2範囲の場合にはその下限音量として第1範囲内の最大音量である「3」が設定されている。
図22に戻り、ステップS9601において変更フラグがONの場合には、十字ボタン63Aの右方向ボタン63Rが押下されたかどうかを判定する(S9604)。すなわち十字ボタン検出SW63xが、右方向ボタン63Rの押下を検知して検知信号を出力したかどうかを判定する。なおユーザー用音量変更画面PTの表示中に右方向ボタン63Rを1回押下することによって1段階大きな音量に設定音量を変更し得る。右方向ボタン63Rが1回押下された場合には(S9604でYES)、押下時の設定音量、すなわち押下時に画像制御基板100のRAM104が記憶している設定音量が「9」か否かを判定する(S9605)。なお設定音量の上限音量が「9」であるため、設定音量が「9」の場合には(S9605でYES)、そのまま処理を終える。一方、設定音量が「9」以外の数値の場合には(S9605でNO)、押下時の設定音量から1段階大きな音量に設定音量を変更する(S9606)。すなわち画像制御基板100のRAM104に記憶している設定音量を変更(更新)する。続いて、調整用音出力コマンドをRAM104の出力バッファにセットする(S9607)。なお調整用音出力コマンドは、遊技者が変更した設定音量を確認するための所定の音声信号であり、その調整用音出力コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、スピーカ67から設定音量で所定の音声を発生するよう、音源IC141に信号を出力する(つまり図15に示すS4407, S4408を実行する)。そしてその信号を受信した音源IC141は、アンプ142を介してスピーカ67から所定の音声を設定音量で出力させる。かくして実際に聞いて変更後の設定音量を確認することが可能である。
ステップS9607に続いて、変更後の設定音量に基づき、ユーザー用音量変更画面PTの音量画像VXを変更する(S9608)。具体的には、文字列Vcの上記「○」には変更後の設定音量に相当する整数値(但し「9」の場合には「MAX」(図25参照))を示すとともに、設定音量に相当する大きさの画像Vpを示す音量画像VXに変更する。
一方、ステップS9604において右方向ボタン63Rの押下がない場合には(S9604でNO)、続いて十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lが押下されたかどうかを判定する(S9609)。すなわち十字ボタン検出SW63xが、左方向ボタン63Lの押下に関する検知信号を出力したかどうかを判定する。なおユーザー用音量変更画面PTの表示中に左方向ボタン63Lを1回押下することによって1段階小さな音量に設定音量を変更し得る。左方向ボタン63Lが1回押下された場合には(S9609でYES)、画像制御基板100のRAM104が記憶しているマスターボリュームの値が「1」か否かを判定する(S9610)。マスターボリュームの値が「1」であれば(S9610でYES)、左方向ボタン63Lの押下時の設定音量、すなわち押下時に画像制御基板100のRAM104が記憶している設定音量が「2」以上かどうかを判定する(S9611)。上述したように、マスターボリュームの値が「1」の場合には設定音量の下限音量としてそのマスターボリュームの値、すなわち「1」が設定されているため(図27参照)、設定音量が「2」未満の場合には(S9611でNO)そのまま処理を終える。一方、設定音量が「2」以上の数値の場合には(S9611でYES)、押下時の設定音量から1段階小さな音量に設定音量を変更する(S9612)。すなわち画像制御基板100のRAM104に記憶している設定音量を変更(更新)する。続いて、上述したステップS9607の処理と同じように、調整用音出力コマンドをRAM104の出力バッファにセットする(S9613)。その後、変更後の設定音量に基づき、ユーザー用音量変更画面PTの音量画像VXを変更する(S9614)。具体的には、文字列Vcの上記「○」には変更後の設定音量に相当する整数値を示すとともに、設定音量に相当する大きさの画像Vpを示す音量画像VXに変更する。
一方、マスターボリュームの値が「1」でない場合には(S9610でNO)、ステップS9615に進み、そのマスターボリュームの値が「2」か否かを判定する(S9615)。マスターボリュームの値が「2」であれば(S9615でYES)、押下時の設定音量、すなわち押下時に画像制御基板100のRAM104が記憶している設定音量が「3」以上かどうかを判定する(S9616)。マスターボリュームの値が「2」の場合には設定音量の下限音量として「2」が設定されているため(図27参照)、設定音量が「3」未満の場合には(S9616でNO)そのまま処理を終える。一方、設定音量が「3」以上の数値の場合には(S9616でYES)、押下時の設定音量から1段階小さな音量に設定音量を変更する(S9617)。続いて、上述したステップS9607, S9613の処理と同じように、調整用音出力コマンドをRAM104の出力バッファにセットする(S9618)。その後、上述したステップS9614の処理と同じように、変更後の設定音量に基づき、ユーザー用音量変更画面PTの音量画像VXを変更する(S9619)。例えば、図26に示すように、変更前の設定音量が「3」で(図26(A)参照)左方向ボタン63Lが1回押下された場合、図26(B)に示す音量画像VX、すなわち「VOLUME 2」の文字列Vcおよび「2」に相当する大きさの画像Vpを含む音量画像VXに変更する。
一方、ステップS9615でマスターボリュームの値が「2」でない場合には、そのマスターボリュームの値が「3」以上(かつ「9」以下)となる。まずステップS9620では、押下時の設定音量が「4」以上かどうかを判定する。マスターボリュームの値が「3」以上の場合には設定音量の下限音量として「3」が設定されているため(図27参照)、設定音量が「4」未満の場合には(S9620でNO)そのまま処理を終える。具体的に例えば、マスターボリュームの値が「3」以上の場合には、図26(A)に示すような、設定音量が「3」の音量画像VXを表示しているユーザー用音量変更画面PTの表示中に左方向ボタン63Lを1回押下しても、そのユーザー用音量変更画面PT(音量画像VX)は変更されない。また、設定音量も「3」のまま変更されず、そのままとする。
一方、設定音量が「4」以上の数値の場合には(S9620でYES)、押下時の設定音量から1段階小さな音量に設定音量を変更する(S9621)。続いて、上述したステップS9607, S9613, S9618の処理と同じように、変更後の設定音量に基づいた調整用音出力コマンドをRAM104の出力バッファにセットする(S9622)。その後、上述したステップS9614, S9619の処理と同じように、変更後の設定音量に基づき、ユーザー用音量変更画面PTの音量画像VXを変更する(S9623)。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1の画像制御基板100は、ユーザーボリューム変更処理(ステップS9514)の実行時に、回転操作部65の回動操作によるマスターボリュームの値に基づいて設定される下限音量(図27参照)未満に設定音量を変更しない。このため、遊技者が十字ボタン63A(左方向ボタン63L)の操作によって設定音量を下げようとしても、下限音量未満の音量に設定音量を変更することはできない。具体的には図27に示すように、下限音量が「1」の場合、十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lの操作によって設定音量を「0」に変更することはできない。また下限音量が「2」の場合、「0」,「1」に変更することはできない。さらに下限音量が「3」の場合、「0」,「1」,「2」に変更することはできない。よって、遊技者が無音(「0」)又は「1」程度の音量といった想定外の小さな音量に設定音量を、誤って変更したりいたずらで変更したりするのを防ぐことが可能である。従って、スピーカ67からの音を遊技者が聞き取れないことによって、その遊技機の遊技興趣が低下するのを防ぐことが可能である。また、遊技機の異常が発生した場合に、スピーカ67から出力される音(例えば報知音)を聞き逃すことなくホール関係者が速やかに対応することが可能である。
またユーザーボリューム変更処理を実行する画像制御基板100は、マスターボリューム変更処理(ステップS9001)において設定されたマスターボリュームの値が上記第1範囲にあるときには、そのマスターボリュームの値による設定音量を下限音量とし、この下限音量未満の音量に設定音量を変更しない。このため、遊技者が十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lの操作によって設定音量を下げようとしても、回転操作部65の操作によって設定されたマスターボリューム未満の音量に設定音量を変更することはできない。またマスターボリュームが第1範囲にあるときには、ユーザーボリューム変更処理において、全体の音量範囲のうちで小音量の範囲にあたる第1範囲内の音量に設定音量を変更することが可能となっている。従って例えば、社内の研究室、展示室といった比較的大きな音量を必要としない閑静な場所において、スピーカ67から出力される音量を、遊技者にストレスを感じさせない程度の適度な音量とすることが可能である。
一方、ユーザーボリューム変更処理を実行する画像制御基板100は、マスターボリューム変更処理時にマスターボリュームの値が上記第2範囲にあるときには、第1範囲の最大音量、つまり「3」を下限音量とし、この下限音量未満の音量に設定音量を変更しない。このため、十字ボタン63Aにおける操作によって「3」よりも小さい音量に設定音量を変更することができない。従って例えば、多くの遊技機や場内放送で騒々しいホールにおいて遊技者が、聞こえないほど小さな音量に設定音量を誤って変更したり、いたずらで変更したりするのを防ぐことが可能となっている。かくして、スピーカ67からの音声が聞こえづらいといった、音声に関するストレスを遊技者に感じさせないパチンコ遊技機1とすることが可能である。また、ユーザーボリューム変更処理では、マスターボリュームよりも小さな音量に変更することが可能である(例えば、マスターボリュームが「4」に対して設定音量を「3」に変更可能である)。このため、ホール関係者が設定する音量(マスターボリューム)に対して大音量であるとストレスを感じた遊技者が、その音量を小さく変更することで、そのストレスを解消することが可能となっている。
またユーザー用音量変更画面PTを表示制御する画像制御基板100は、下限音量未満の音量に設定音量を変更するように十字ボタン63Aが操作された場合には、ユーザー用音量変更画面PT(音量画像VX)を変更せずにそのままとする。具体的には上述したように、マスターボリュームの値が「3」以上の場合には、音量画像VXに示す設定音量が「3」のユーザー用音量変更画面PT(図26(A)参照)を表示中に左方向ボタン63Lを1回押下してもユーザー用音量変更画面PT(音量画像VX)を変化させない。このため、上記操作によって設定音量の変更ができないことを遊技者に示すことが可能である。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
図28および図29に基づいて本発明に係る第2形態のパチンコ遊技機201(図1参照)について説明する。本第2形態では、マスターボリュームの値に応じて決まる、十字ボタン63Aの操作による設定音量の変更可能範囲が第1形態のものとは異なる。具体的には図28に示すように、設定音量の変更可能範囲の上限音量は、上述した第1形態と同様、マスターボリュームの値が「0」を除いた「1」〜「9」のいずれの場合でも「9」である。しかし、設定音量の変更可能範囲の下限音量は、マスターボリュームの値である。この点で、マスターボリュームの値が第1範囲の場合には下限音量としてマスターボリュームの値が設定され、第2範囲の場合にはその下限音量として第1範囲内の最大音量である「3」が設定されている第1形態(図27参照)と異なる。
また本第2形態では、ユーザーボリューム変更処理の内容が上述した第1形態とは異なる。具体的には図29に示すように、第1形態と同様のステップS9609において左方向ボタン63Lが1回押下された場合には(S9609でYES)、ステップS9641に進み、画像制御基板100のRAM104が記憶している設定音量がマスターボリュームの値に1加算した加算値以上であるかどうかを判定する。例えば、RAM104が記憶しているマスターボリュームの値が「4」の場合には、その場合の加算値は「4」に1加算した「5」である。設定音量が加算値よりも小さい場合には(S9641でNO)そのまま処理を終える。一方、設定音量が加算値以上の場合には (S9641でYES)、上述した第1形態のステップS9612, S9617, S9621の処理と同様、押下時の設定音量から1段階小さな音量に設定音量を変更する(S9642)。すなわち画像制御基板100のRAM104に記憶している設定音量を変更(更新)する。その後も、上述した第1形態のステップS9607等の処理と同様、変更後の設定音量に基づいた調整用音出力コマンドをRAM104の出力バッファにセット(S9643)して、上述した第1形態のステップS9608等の処理と同様、変更後の設定音量に基づき、ユーザー用音量変更画面PTの音量画像VXを変更する(S9644)。
以上により、本第2形態のパチンコ遊技機201の画像制御基板100は、上述した第1形態と同様、ユーザーボリューム変更処理(ステップS9540)の実行時に、マスターボリュームの値に基づいて設定される下限音量未満に設定音量を変更しない。このため、遊技者が十字ボタン63Aの操作によって設定音量を下げようとしても、下限音量未満の音量に設定音量を変更することはできない。さらに本第2形態では、ユーザーボリューム変更処理を実行する画像制御基板100は、マスターボリューム変更処理(ステップS9001)において設定されたマスターボリュームを下限音量とし、この下限音量未満の音量に設定音量を変更しない。このため、十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lの操作によって、ホール関係者が遊技に適していると考えて設定したマスターボリュームよりも小さな音量に変更できない。すなわちホール関係者による音量調整を無駄にするような音量変更を抑制することが可能となっている。また、マスターボリュームをユーザーボリューム変更処理における下限音量としているため、ホール関係者は、マスターボリューム変更処理で回転操作部65の操作を通じて、下限音量を容易かつ確実に設定することが可能である。
〈その他の変更例〉
上記第1形態および第2形態では、画像制御基板100に設けた回転操作部65(機裏側操作部)を示した。しかしながら機裏側操作部を、画像制御基板以外の基板、すなわちサブ制御基板、主制御基板、その他の基板に設けてもよい。また、上述した各種基板のいずれかと電気接続する回路基板とともに、筐体内に機裏側操作部を操作可能に収容してなる操作装置として、遊技機の機裏側に配置してもよい。なおこのような場合、画像制御基板以外の基板(サブ制御基板を除く)に設けた機裏側操作部、又は、操作装置の機裏側操作部の操作を検知する検知信号をサブ制御基板に出力してもよい(なお、サブ制御基板に機裏側操作部を設けている場合には、機裏側操作部の検知信号をサブ制御基板のRAMに記憶してもよい)。また、複数の基板を経由させずに機裏側操作部からの信号を素早く入力可能となる点で、機裏側操作部を、マスターボリューム変更処理(第1形態等に記載のステップS9001)を実行する基板に設けるのがより好ましい。
また上記第1形態および第2形態では、マスターボリューム変更処理(ステップS9001)を、画像制御基板100が実行する形態を示した。しかしながら、この処理をサブ制御基板が実行してもよい。このような形態として、例えばサブ制御基板(サブ制御基板上の演出制御マイコン)が実行する「10msタイマ割り込み処理」(第1形態等に記載のステップS4010)の中に「マスターボリューム変更処理」(ステップS9001)を含むようにして、「10msタイマ割り込み処理」内で「マスターボリューム変更処理」を実行する形態が挙げられる。この場合、例えば機裏側操作部をサブ制御基板に設ける、あるいは、サブ制御基板以外の基板に設けた機裏側操作部の操作を検知する検知信号をサブ制御基板が受信するとよい。機裏側操作部がサブ制御基板に設けてある場合、又は、機裏側操作部の検出信号をサブ制御基板が受信する場合には、機裏側操作部の検出信号によるスイッチデータに基づいて処理を行うことが可能となるため、「10msタイマ割り込み処理」の「スイッチ状態取得処理」(ステップS4302)以降に「マスターボリューム変更処理」を実行するのがより好ましい。またこの場合、サブ制御基板上のRAM94にマスターボリュームの値および設定音量を記憶させる。またステップS9102の「マスター用音量変更画面を表示」を、画像制御基板にマスター用音量変更画面を表示させるためのコマンドをセットする処理に変更する。またステップS9106の「音量画像を変更」を、画像制御基板に音量画像を変更させるためのコマンドをセットする処理に変更する。またステップS9108の「マスター用音量変更画面の表示を終了」を、画像制御基板にマスター用音量変更画面の表示を終了させるためのコマンドをセットする処理に変更する。
また上記第1形態および第2形態では、ユーザーボリューム変更処理(ステップS9514又はS9640)を含む選択画面表示処理(ステップS9202)を、画像制御基板100が実行する形態を示した。しかしながら、この選択画面表示処理をサブ制御基板が実行してもよい。このような形態として、例えばサブ制御基板(サブ制御基板上の演出制御マイコン)が実行する「スイッチ処理」(第1形態等に記載のステップS4303)のステップS5103の「押下コマンドをセット」を「選択画面表示処理」(ステップS9202)に入れ替え、「スイッチ処理」内で「選択画面表示処理」を実行する形態が挙げられる。なおこのような処理の変更に伴い、「コマンド受信処理」(ステップS9002)をステップS9203のみとし、上記「選択画面表示処理」に続けてステップS9204,S9205を「スイッチ処理」内に追加する。また、サブ制御基板上のRAM94にマスターボリュームの値および設定音量を記憶させる。またステップS9502の「選択画面を表示」を、画像制御基板に選択画面を表示させるためのコマンドをセットする処理に変更する。またステップS9507,S9510の「矢印を1つ上(下)の枠に移動」を、画像制御基板に矢印を移動させるためのコマンドをセットする処理に変更する。またステップS9602の「ユーザー用音量変更画面を表示」を、画像制御基板にユーザー用音量変更画面を表示させるためのコマンドをセットする処理に変更する。またステップS9607,S9613,S9618,S9622の「調整用音出力コマンドをセット」を、例えば調整用音に用いる所定の音声信号を音源IC141に出力する処理に変更する。またステップS9608,S9614,S9619,S9623の「音量画像を変更」を、画像制御基板に音量画像を変更させるためのコマンドをセットする処理に変更する。なお、ユーザーボリューム変更処理(ステップS9514又はS9640)だけをサブ制御基板が実行する形態としてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、音源IC141、アンプ142および記憶手段143をサブ制御基板90に設けた形態を示した。しかしながら、サブ制御基板とは別の基板(例えば、専ら音声制御を行う基板(音声制御基板)や機裏側操作部を実装する基板など)に設けてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、ロータリースイッチからなる回転操作部65を機裏側操作部として例示した。しかしながら例えば、複数の音量に調節可能なスライドスイッチやディップスイッチを機裏側操作部に用いてもよい。また、押下毎に異なる音量の信号を出力可能な検出スイッチを接続した押しボタンスイッチを用いてもよい。この場合、例えば上記10段階の音量を、押しボタンスイッチを押下する毎に「0」から「9」まで1段階ずつ順に変える(なお「9」の押下後は「0」とする)。そして、押しボタンスイッチに接続した検出スイッチは、変更後の音量に応じたデジタル信号を出力するようにする。また基板に実装した可変抵抗器と直線状又は円弧状に移動可能なつまみ(レバー)とを有する操作部としてもよい。つまみの移動に伴って可変抵抗器の抵抗が変化する。なおこの場合に可変抵抗器は、抵抗変化に伴って変化する電圧をアンプに出力可能な位置(例えば、音源ICと増幅信号出力手段との間)に実装されていればよい。また、タッチパネル画面上に音量(マスターボリューム)を選択可能な選択画面を表示するパネル付操作装置を用いてもよい。この場合、画面上で選択された音量に基づくデジタル信号を当該操作装置から出力するようにする。
また上記第1形態および第2形態では、前面枠51における打球供給皿61の上部に設けた機表側操作部(十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lおよび右方向ボタン63R)を示した。しかし例えば、前面枠のうち遊技領域の左方に位置する左枠部又は右方に位置する右枠部など、遊技機の機表側に位置する、打球供給皿以外の前面枠の部位や、前面枠以外の部材や装置に機表側操作部を設けてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、十字ボタン63Aの左方向ボタン63Lおよび右方向ボタン63Rを機表側操作部として例示した。しかし例えば、十字ボタン63Aの上方向ボタン63Uおよび下方向ボタン63Dを機表側操作部としてもよい。また、押下毎に異なる音量の信号を出力可能な検出スイッチを接続した押しボタンスイッチを機表側操作部に用いてもよい。この場合、例えば上記10段階の音量を、押しボタンスイッチを押下する毎に「1」から「9」まで1段階ずつ順に変化可能とする(なお「9」の押下後は下限音量に戻る)。そして、押しボタンスイッチに接続した検出スイッチは、変更後の音量に応じたデジタル信号を出力するようにする。なおこの場合、下限音量未満の音量については、例えば非表示にするなど選択不能とするとよい。また、タッチパネル画面上に音量(マスターボリューム)を選択可能な選択画面を表示するパネル付操作装置を用いてもよい。画面上で選択された音量に基づくデジタル信号を当該操作装置から出力するようにする。なおこの場合でも、下限音量未満の音量については、例えば非表示にするなど選択不能とするとよい。また、4つの方向ボタンからなる十字ボタンに代えて、4方向の操作が可能なマルチウェイスイッチ(多方向スイッチ)を用いてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、全体の範囲を10段階に分けた上で音量を段階的に可変としたが、10段階より少ない、例えば3段階〜9段階のいずれかの段階に分けた上で音量を段階的に可変としてもよい。逆に、10段階より多い、すなわち11段階以上に分けた上で音量を段階的に可変としてもよい。さらに無段階にて音量を可変としてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、前面枠51の左上部および右上部に配置した2個のスピーカ67を音出力手段として示した。しかし2個に限らず、1個又は3個以上の複数の音出力手段を設けてもよい。また音出力手段からの音が遊技者に聞こえる(届く)のであれば、前面枠に限らず遊技機のいずれの位置に配されていてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、記憶手段143と電気的に接続した音源IC141を用いたが、このような音源IC(および記憶手段)に代えて、ROMを内蔵したDSP(Digital Signal Processor)を用いてもよい。また画像制御基板100のROM103に調整用音に用いる所定の音声データを格納した形態を示したが、音源IC(音源LSI)に接続した記憶手段や、DSPに内蔵したROMに上記所定の音声データを格納してもよい。また、サブ制御基板の演出制御用マイコンをなすROMや主制御基板の遊技制御用マイコンをなすROMに格納してもよい。
また上記第1形態および第2形態では、ユーザーボリューム変更処理(ステップS9514又はS9640)のステップS9610およびステップS9615で、マスターボリュームの値を参照する形態を示した。しかしマスターボリュームの値に代えて、マスターボリュームの値に基づく下限音量を用いてもよい。この場合、画像制御基板上のRAMに下限音量を記憶させる。また、ステップS9610の処理を『下限音量=「1」?』に、ステップS9615の処理を『下限音量=「2」?』に、ステップS9641の処理を『設定音量≧「下限音量+1」?』にそれぞれ変更する。但しこの場合には、画像制御基板のRAMが新たに下限音量を記憶することによってRAMの記憶領域が減ってしまうため、上記第1形態および第2形態の方がより好ましい。特に第1形態では、マスターボリュームの値が下限音量とされる第1範囲に属するマスターボリューム(「1」および「2」)をユーザーボリューム変更処理に用いているため、上記第1形態では、マスターボリュームの値から下限音量に置き換える処理を省くことが可能となっている。
また上記第1形態および第2形態では、枠開放スイッチ50aがONのとき(遊技機枠50の開放時)にマスター用音量変更画面を表示させる態様を例示した(ステップS9101,S9102)。しかし、枠開放スイッチ以外にも例えば、マスター用音量変更画面の表示のON/OFFを操作可能な押しボタンスイッチを設けてもよい。マスターボリューム変更処理の際にその押しボタンスイッチを押下操作してマスター用音量変更画面の表示をONにする。
また上記第1形態および第2形態では、ユーザーボリューム変更処理(ステップS9514又はS9640)の際にスピーカ67から調整用音を出力させる。しかしユーザーボリューム変更処理の際に音出力手段から調整用音を出力させなくてもよい。すなわちユーザーボリューム変更処理のステップS9607,S9613,S9618およびステップS9622の処理をユーザーボリューム変更処理から除いてもよい。また、マスターボリューム変更処理(ステップS9001)の際にスピーカ67から調整用音を出力させていないが、マスターボリューム変更処理の際に音出力手段から調整用音を出力させてもよい。この場合、マスターボリューム変更処理(ステップS9001)のステップS9105以降に、例えば調整用音に用いる所定の音声信号を出力するコマンドをセットする処理を追加する。
また上記第1形態および第2形態では、マスターボリューム変更処理の際に表示するマスター用音量変更画面を、ユーザーボリューム変更処理の際に表示するユーザー用音量変更画面PTとは別のものとした。しかしマスターボリューム変更処理の際に、上記ユーザー用音量変更画面を用いてもよい。この場合、ステップS9102を「ユーザー用音量変更画面を表示」に変更する。また、ステップS9106の「音量画像を変更」では、機裏側操作部の操作に応じて音量画像の文字列および画像を変化させる。
また上記第1形態および第2形態では、マスターボリューム変更処理において回転操作部65の操作によるマスターボリュームの変更を実行した。しかし、ロータリースイッチやスライドスイッチやディップスイッチ等の機械式のスイッチを機裏側操作部に用いている場合には、遊技機の電源が投入される前に機裏側操作部を操作してもよい。この場合には、操作後の機裏操作部の状態に基づいて、電源投入時に画像制御基板のRAMにマスターボリュームの値が記憶されるようにする。また、電源が切られる前の設定音量によらず、電源投入時のマスターボリュームの値を電源投入からの初期の設定音量(つまり設定音量の初期値)としてもよい。
また上記第1形態および第2形態のユーザーボリューム変更処理では、ユーザー用音量変更画面PTを表示した上で設定音量の変更を実行する構成を示した。しかしながら、設定音量表示を所定の表示装置に表示しないで設定音量の変更を実行する構成としてもよい。具体的に例えば、演出図柄変動演出中でない場合には、機表側操作部の操作で設定音量を変更させる構成が挙げられる。この場合、「スイッチ処理」(上記第1形態等のステップS4303)のステップS5101の処理を、機表側操作部(十字ボタンの左方向ボタンおよび右方向ボタン)の押下操作の有無を判定する処理に変更する。またステップS5102の処理を、演出図柄変動演出中か否かを判定する処理に変更する。また「コマンド受信処理」(ステップS9002)のステップS9202の処理を、「ユーザーボリューム変更処理」(ステップS9514又はS9640)に変更する。さらに、「ユーザーボリューム変更処理」のステップS9601〜S9603,S9608,S9614,S9619およびS9623をいずれも削除して、ステップS9604から処理を始める。
また上記第1形態および第2形態では図27に示すように、第1範囲を「1」〜「3」の音量、第2範囲を「4」〜「9」の音量としたが、第2範囲が第1範囲よりも大きい音量側の範囲であれば、第1範囲および第2範囲を上記以外の音量の範囲としてもよい。
また上記第1形態および第2形態では、枠開放スイッチ50aを主制御基板80に接続した形態を示したが、例えば払出制御基板や中継基板やサブ制御基板など主制御基板以外の基板に接続してもよい。
以下、本発明の構成要素と、実施形態の構成との対応をまとめて記載する。なお本発明は、この記載に限定されるものではない。
本発明の「予め定められた音量設定範囲」とは、本形態では、音量の全体範囲を10段階に分けた「0」〜「9」の音量範囲である。
また、本発明の「音量決定手段」とは、本形態では、ステップS9103でYESの場合にS9104を実行する画像制御基板100である。
また、本発明の「音量変更手段」とは、本形態では、ステップS9514(又はステップS9640)を実行する画像制御基板100である。
また、本発明の「音量決定手段によって設定された設定音量に応じて定められている下限音量未満に設定音量を変更しない」とは、本形態では、ステップS9611,S9616,S9620でNOの場合をさす。
また、本発明の「第1範囲」とは、本形態では、「1」〜「3」の範囲である。
また、本発明の「第2範囲」とは、本形態では、「4」〜「9」の範囲である。
また、本発明の「設定音量表示手段」とは、本形態では、図24〜図26に示すユーザー用音量変更画面PTを表示する画像制御基板100である。
また、本発明の「前記下限音量未満に設定音量を変更するように前記機表側操作部が操作された場合には、前記設定音量表示を変更しない」とは、例えば図26(A)から図26(B)に変化させないことをさす。