JP2018055696A - ガラスの欠陥を識別する方法及びシステム - Google Patents

ガラスの欠陥を識別する方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスの欠陥を識別する方法及びシステムを提供すること。【解決手段】この方法は、識別装置を使用して複数のガラスシートの各々を識別子で識別すること、マッピング装置を使用して複数のガラスシートの各々についてガラスの属性マップを作成すること、コンピュータシステムを使用して複数のガラスシートの各々の属性マップを複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けること、ガラスシートの各々のガラス属性マップをデータベースに格納すること、そしてデータベース内の情報へのアクセスレベルを顧客に供与して、顧客が取得したガラスシートの属性マップの少なくとも一部を当該顧客が検索できるようにすることを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスの製造方法及びシステムに関し、より詳しく言えば、フロートガラス供給者からのシート明細情報を適切に活用することによって顧客側でガラスの品質に関連した損失を低減するための方法及びシステムに関する。
ガラスは、連続リボン、例えばフロートガラス又は鋳込みガラスの連続リボンとして製造することができる。その後このリボンを切断して、「マザーガラス」又は大判ガラス板若しくは大判ガラスシートと呼ばれる複数のガラスシートにすることができる。典型的には、これらの複数のガラスシートは3.21m×約6mの寸法、又は2.55m×3.21mの寸法を有する。しかし、他の寸法を有するシートも製造することができる。
平板ガラス及び/又は加工ガラス製造業者によってその顧客へ納品される全ての標準ガラス製品群について、品質仕様書で、特性、属性及び基準許容限界が規定される。場合によっては、ガラス材料により満たされる許容限界と顧客が要求する品質規準との間に隔たりがあり得るために、潜在的なガラスの損失(以下、「不良損失」と称する)又は欠陥を生じ得る。
一般に、切断前にガラスリボンの欠陥の有無が分析又は精査され、ガラスリボンが仕様に一致するか否かが確認される。例えば、規格外の欠陥が存在する場合、ガラスシートは、ガラスリボンの1つ以上の規格外欠陥を有する1つ以上の部分を除去するように切断される。或いは、各欠陥に対して例えばインクでマーキングすることによって、以後それらが他の分析を行うことなく識別できるようにすることもできる。切断後、ガラスシートは欠陥の仕様区分に応じて異なるパイルに積み重ねることができる。
その後、ガラスシートには、層の被着又は積層加工等の1つ以上の二次加工処理を施すことができる。各加工処理後、ガラスシートは他の欠陥の存在を検出するため更に分析されて、ガラスシートの品質が所定の仕様に一致するか否かが確認される。
本発明の一態様によれば、ガラスの欠陥を識別する方法が提供される。この方法は、識別装置を使用して複数のガラスシートの各々を識別子で識別することと、マッピング装置を使用して複数のガラスシートの各々についてガラス属性マップを作成することを含む。この方法は更に、コンピュータシステムを使用して複数のガラスシートの各々の属性マップを複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けることと、ガラスシートの各々のガラス属性マップをデータベースに格納することと、データベース内の情報へのアクセスレベルを顧客に提供して、顧客が取得したガラスシートの属性マップの少なくとも一部を当該顧客が検索できるようにすることを含む。
本発明の別の態様によれば、ガラスの欠陥を識別するシステムが提供される。このシステムは、顧客によって加工される複数のガラスシートの各々を識別子で識別するように構成された識別装置と、複数のガラスシートの各々についてガラス属性マップを作成するように構成されたマッピング装置を含む。このシステムは更に、複数のガラスシートの各々の属性マップを複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けるように構成されたコンピュータシステムと、ガラスシートの各々のガラス属性マップを格納するように構成されたデータベースとを含む。データベースの少なくとも一部は、顧客がガラスシートの属性マップの少なくとも一部を検索できるようにするため、データベース内の情報への所定のアクセスレベルに従って顧客がアクセスすることが可能である。
本発明の更に別の態様によれば、ガラスシート用の切断レイアウトを作成する方法が提供される。この方法は、第1製造業者に関連付けられたデータベース内の情報に第2製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによってアクセスすることを含み、このデータベースはガラスシート内の1つ以上の欠陥の位置を含むガラスシートの属性を格納しており、第2製造業者により第1製造業者に支払われた課金又は料金に応じて、アクセスされる情報の量が第1製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによって設定される。この方法は更に、第2製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによって、所望の切断レイアウトを作成するための最適化した切断手順を提供する量の情報を処理することを含む。
本発明の上記及び他の目的、特徴及び特色は、システムの関連する構成要素の操作方法及び機能並びに各部分と製造の経済性との組み合わせとともに、添付の図面を参照しつつ以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討することによってより明白になろう。全ての図面は本明細書の一部を構成し、各図において同様の参照符号は対応する部分を示している。本発明の実施形態において、図示された構成要素は所定の縮尺で描かれている。これらの図面は例示及び説明のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを明確に理解されたい。本件の原文明細書及び特許請求の範囲において用いる単数形は、文脈によって明示されない限り複数形を包含するものである。
本発明の一実施形態によるガラス製造プロセスの概略図である。 本発明の一実施形態による特定の顧客に特定のサブデータベースを提供する例を示す概略図である。 各種欠陥の目録を作成することができるガラスシートの例を示す図である。 本発明の一実施形態による切断レイアウトで切断しようとするガラス片の形状を示す図である。 本発明の各種実施形態による切断すべきガラス片が多角形又は他の任意のより複雑な形状等の任意の所望の形状を有し得ることを示す図である。 本発明の一実施形態による、ガラス片について許容できると見なさすことができる欠陥と切断しようとするガラス片のいずれについても許容できない可能性のある欠陥のある、最適切断レイアウトの例を示す図である。 本発明の一実施形態による、切断しようとするガラス片又はプリミティブの内部で互いの内側に配置された(同心配置された)複数の許容ゾーン(長方形等)内の各種欠陥を示す図である。 本発明の一実施形態によるガラスの欠陥を識別する方法のフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態に係るガラス製造プロセスの概略図である。この図の破線より上方の部分は、第1ガラス製造業者(例えばサン−ゴバン・グラス社)の所在地でガラスシートを製造する各種工程を示している。図面の破線より下方の部分は、第1製造業者の顧客である第2製造業者の所在地でガラス製品(例えば自動車用ガラス、建築用ガラス、光電池用ガラス、OLED用ガラス、鏡又は窓等)を製造する工程を示している。ただし、これに限定されるものではない。本発明の他の実施形態において第1及び/又は第2の所在地でそれより少ない又は更なる工程が実施され得ることが理解されよう。また、各種製造工程が第1ガラス製造業者の1つの所在地で実施されるように図示されてはいるが、第1ガラス製造業者の1以上の所在地で1以上の製造工程を実施してもよいし、あるいは第1ガラス製造業者の1以上の関連会社や系列会社が実施してもよいことが理解されよう。同様に、各種製造工程が第2ガラス製造業者(ガラスの二次加工業者)の1つの所在地で実施されるように図示されてはいるが、第2ガラス製造業者の1以上の所在地で1以上の製造工程を実施してもよいし、あるいは第2ガラス製造業者の1以上の関連会社や系列会社が実施してもよいことが理解されよう。更に、顧客は第1ガラス製造業者とは異なる第2ガラス製造業者(ガラスの二次加工業者)として説明されてはいるが、第2ガラス製造業者あるいは顧客は第1製造業者の事業部、傘下事業体又は系列会社であってもよいことが理解されよう。
図1に示すように、第1の製造業者は工場2でいわゆる「フロートガラス」又は連続のガラスリボン4を製造する。検出装置6(スキャナ等)を使用して、ガラスリボン4を欠陥の有無について分析又は検査する。更に、ガラスリボン4の属性もマッピングしてデータベース10に格納する。この属性としては、例えば、ガラスの厚さ、ガラスの種類、製造年月日、製造時刻、製造場所、製造機械の整理番号、欠陥の数、欠陥の位置、欠陥の種類、欠陥の密度、欠陥の重症度基準、あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。ガラスリボン4のその他の属性をデータベース10に格納してもよいことが理解されよう。更に、データベース10は集中型であっても分散型であってもよく、1以上のサブデータベースを含んでもよいことが理解されよう。サブデータベースは、全てがメインデータベースに接続されてもよく、及び/又は既知の各種通信リンクを使用して相互接続されてもよい。データベース10及び/又はサブデータベースは多様な形態を取ることができる。例えば、データベース及び/又はサブデータベースの各々は携帯記憶装置(例えばディスク及び/又はCD−ROM)の形態を取ってもよい。本明細書において「欠陥」という用語は、ガラスシートの欠点や傷を含めた、しかしそれらに限定されない、ガラスシートの任意の属性を包含するために幅広く用いられる。一実施形態において許容できない可能性のあるガラスの欠点が、別の実施形態では許容できると見なされる可能性のあることが理解されよう。
欠陥の有無を検査後に、切断装置7を使用してガラスリボン4を切断し、ガラスシート(マザーガラス)8を得る。許容できない又は基準若しくは仕様を外れると判断された欠陥を示すガラスリボン4の領域は、切断段階の間に取り除くことができる。例えば、実質的に無欠陥のガラスリボンの領域を切断してガラスシート8を得る一方で、欠陥のあるガラスリボン4の領域はスクラップガラスとして切り取ることができる。
検出装置6を含めたマッピング装置を、例えばガラスリボン4を走査し、且つ記憶装置に保持されたデータベース10のガラスリボン4に存在し得る各欠陥の位置及び種類を記録することによって、属性マップを作成するために使用することができる。重症度基準もデータベース10に記録される。一実施形態において、重症度基準はガラスの欠陥の重症度を提供するために第1製造業者によって導入される質的パラメータである。例えば、重症度基準は設定限界値よりも小さい隣接する欠陥間の距離として表現することができ、この限界値は製造業者(第1製造業者)により、又は第1製造業者の顧客(第2製造業者)により、又は独立した第三者により選択される。別の重症度基準は、例えば、ガラスシート1枚当たりの欠陥密度とともに設定される欠陥の大きさであることができる。この場合、更なる加工を行うためにガラスシートを顧客に送るための重症度基準限界値は、ガラスシートごとに約0.6の欠陥密度の約5ミリメートルのガラス欠陥の大きさでよく、又はガラスシートごとに約1の欠陥密度の約3ミリメートルのガラス欠陥の大きさでよい。重症度基準限界値はガラス製造業者(第1ガラス製造業者)によって設定されてもよいし、顧客(第2ガラス製造業者)によって又は第1製造業者又は第2製造業者から独立している第三者、例えば最終顧客(例えば、ガラスが自動車の窓等向けである場合には自動車製造業者、あるいは家屋/ビル用窓の製造業者、あるいはガラスを含む製品の他の製造業者)によって仕様として規定されてもよいことが理解されよう。
各マザーガラスに関する欠陥に関連した情報がデータベース10に格納される。識別子12、例えばバーコード、RFIDチップ又は別の識別子が、各ガラスシートを識別するために使用される。識別子は、例えばインク又はレーザーでマーキングされる。或いは、本発明の他の実施形態では、ガラスシートをマーキング又は識別するために任意の他の識別手段を使用してもよい。一実施形態においては、識別子として、固有の一次元バーコード、固有の二次元バーコード、又は固有のデータマトリクス等を挙げることができる。データベース10に格納された各ガラスシートの属性マップは、各ガラスシート上の識別子に関連付けられている。この関連付けは、例えばマッピング装置(スキャナ等)及びデータベース10と通信するコンピュータシステム21を使用して行うことができる。
識別子(プレート識別子等)は、フロートガラス製造業者の製造ライン上で読み取ることができる。一実施形態においては、製造現場とは外的条件が異なり得る(例えば多様で様々であり得る)顧客の環境でプレートの識別を行うことを保証するため、識別子のコード品質がフロートガラス供給者によって規定された基準で評価される。
属性マップは多様な形態を取ることができ、そして一般に、ガラスシートの各欠陥の位置と種類及び/又は重症度基準を含むファイル(1つ以上のサブファイルを含めた)、例えば電子ファイルを指すことが理解されよう。属性マップはまた、例えばガラスシートに関する情報(例としてガラス組成、製造年月日等)の追加情報を含むこともできる。属性マップはテーブル形式でもよいし、ガラスシートの欠陥のグラフィック表示でもよい。
一実施形態では、ガラスシートにおける欠陥位置及び欠陥の重症度基準を含めた各シートの属性は、ハードドライブ又はストレージサーバ等の記憶媒体内のデータベース10に格納することができる。例えば、データベース10はコンピュータシステム21の一部であることができる。とは言え、その代わりに又はそれに加えて、属性は電子メモリ等に格納することもできる。一実施形態においては、ハードドライブ、ストレージサーバ、電子メモリ等を含めた記憶媒体を、通信リンクを介してデータベース10と通信するコンピュータを使用して読み取ることができる。通信リンクは、直接の配線、インターネット(「クラウド」)、又はセルラーネットワーク等の無線ネットワークを介して構築することができる。
その後、得られたガラスシート8をガラスシートの積重体14として配列する。このシート積重体14は、ガラスシートのパレット16として保管して更なる加工のため加工装置18へ搬送することができる。加工装置18は、工場2とは異なる所在地に配置されてもよい。一実施形態では、加工装置18において、ガラスシート16は「コータ」を使用して塗膜を被着することにより更に加工される。例えば、1枚以上のガラスシート上に少なくとも1つの導電塗膜又は誘電体塗膜を被着することができる。
加工装置18における更なる加工後、ガラスシート16を第2の検出装置(スキャナ等)20によって更に分析又は検査することができる。一実施形態では、第2の検出装置20はマッピング装置の一部である。装置20によってガラスシート16を分析することで、加工装置18における加工中に発生した(例えば、コーティング工程の間に発生した)可能性のある更なる欠陥を検出することができる。
ガラスパイル16のガラスシート8を更なる欠陥について分析できることに加えて、検出装置20は更に各ガラスシート8の固有識別子を読み取ることができる。ガラスシートの積重体又はパイル16の各ガラスシート8を識別することによって、装置20によって検出された更なる欠陥は、シートに関連付けられた識別子にリンクさせて、加工装置18における加工前に被覆されていなかった対応するガラスシートのその他の欠陥に追加することができる。したがって、一実施形態において、データベース10は、コンピュータシステム21を使用して各ガラスシートに関連する更なる欠陥に関する情報で更新される。
欠陥が、スキャナを使用する代わりに又はそれに加えて、インク又はレーザーエッチングを使用してマーキングされる場合、検出装置はインクの場所又はレーザーエッチングされたマークの位置を検出するためのカメラ等を含んでもよい。上述したように、一実施形態において、データベースはハードドライブ、ストレージサーバ、電子メモリ、又はこれらの任意の組み合わせに格納することができる。別の実施形態では、データベース10は検出装置20に備えられた又は連結された着脱式メモリ媒体に格納してもよい。
加工装置(コーティングユニット等)18においてガラスパイル16のガラスシート8を加工し、そして検出装置20を使用してガラスパイル16のガラスシート8を分析した後に、ガラスシート8を再び積重体22として積み重ねて倉庫24に保管する。倉庫24は、加工装置18とは異なる所在地又は同一の所在地にあることができる。一実施形態では、ガラスシート8はガラスシート8に存在する欠陥の情報に基づいて配置及び保管することができる。
その後、積み重ねて保管されたガラスシート8は、顧客即ち第2ガラス製造業者に搬送26(例えば、トラック、列車、又は他の任意の搬送手段を利用して)することができる。顧客は、ガラスシート8の積重体22を倉庫24から受け取り、ガラスシートを更に加工してガラス製品を製造する。例えば、顧客はガラスシート8を切断し、所望の形状又は寸法のいくつかの個片にしてもよい。切断されるガラス片は同一の形状であってもよく、異なる形状であってもよい。同様に、切断されるガラス片は同一の寸法又は異なる寸法等であってもよい。
顧客側では、ガラス片の切断輪郭を規定するためにコンピュータシステム28を使用することができる。コンピュータシステム28は、例えば第2製造業者又は最終顧客(例えば自動車製造業者又は窓製造業者等)によって設定された規格から外れた欠陥が存在するために検査不合格となり再生利用されるガラスの量を最小限に抑えつつ、所望のガラス片を製造するように最適な切断を行うプログラムを実施することができる。プログラムは、切断手順を実行するための命令をコード化したコンピュータが解読できる手段で具現化される。
顧客又は第2製造業者は、読み取り装置を使用して識別子12を読み取る。識別子12を読み取ることで、顧客はデータベース10にアクセスし、識別子12に関連付けられたガラスシート8の属性に関する情報を検索することができる。一実施形態では、コンピュータシステム28は、データベース10にアクセスし、読み取り装置によって読み取られた識別子12を有するガラスシート8の属性に関する情報を検索するように構成される。属性には、いくつかのパラメータに混じえて、欠陥の位置及び重症度基準が含まれる。一実施形態では、コンピュータシステム28はデータベース10に、インターネット等のネットワークを介して、又は専用通信回線を介して、又は無線通信(例えば移動体通信)を介して、アクセスすることができる。
一実施形態では、ガラスシートの属性に関する情報はフィルタ30を使用して選別される。フィルタ30は、コンピュータシステム21によって、例えばコンピュータシステム21のプロセッサによって、実行可能なコンピュータプログラムであってもよいことが理解されよう。フィルタ30は、本発明の一実施形態ではコンピュータシステム21内に存在することができる。或いは、フィルタ30はコンピュータシステム21とは分離されていてもよい。フィルタ30のために、顧客はデータベース全体にアクセスするのではなく、データベースのうちガラスシート8の属性に関する選択された部分にのみアクセスする。顧客がアクセスできる情報の量は、フィルタ30を使用して第1製造業者によって制御される。例えば、第2製造業者又は顧客がアクセス可能な情報の量又はレベルは、顧客が第1製造業者に支払う資金又は料金若しくは課金の量に応じて第1製造業者によって設定することができる。例えば、第1製造業者は、高レベル、中レベル及び低レベル(一実施形態において、例えばプラチナ、ゴールド及びシルバーと称される)の3つのアクセスレベル等の、複数のアクセスレベルを設定することができる。高レベル(プラチナ等)はデータベース内の最大量の情報へのアクセスを供与し、低レベル(シルバー等)はデータベース内の最小量の情報へのアクセスを供与する。例えば、顧客はより高い課金を支払うことによって、最高レベル(プラチナ等)にアクセスする権利を購入することができる。一方、顧客は、より少ない課金を支払うことによって低レベル(シルバー等)にのみアクセスする権利を購入することもできる。ここでは3つのレベルについて記載されているが、本発明の他の実施形態において任意の数のアクセスレベルを提供し得ることが理解されよう。
一実施形態では、顧客がシート積重体における各シートの属性マップの少なくとも一部を検索できるようにデータベース10に対するアクセスレベルを当該顧客に提供する。具体的には、一実施形態において、コンピュータシステム28には、所望のガラス片を製造するための最適化した切断手順を得るためにコンピュータシステム28が属性マップのみを利用できるようにコンピュータが解読できる命令をコード化したコンピュータ製品、例えばコンピュータが解読できる媒体、が含まれる。しかし、このコンピュータが解読できる命令は、コンピュータシステム28のユーザがコンピュータシステム28によってアクセスされる属性マップ又は属性を検索し、保存し及び/又は表示するのを防止する。このようにして、顧客がガラスシートに関する欠陥情報を収集しデータマイニング又は統計的分析を行うことは防止される。
アクセスレベルに応じて、顧客にはデータベース10に格納された情報のより大きい部分又はより小さい部分が提供される。一実施形態において、第1製造業者は、一定の課金又は料金を支払うことによって顧客が取得したアクセスレベルに従って対象とする顧客がアクセスできる特定のサブデータベースをデータベース10から構築する。このサブデータベースは、フィルタ30を使用して選別される情報を含む。したがって、フィルタ30は、顧客が取得したアクセスレベルに従ってサブデータベースを提供するために、第1製造業者が設定することができる。
この実施形態では、顧客がデータベース10に対して直接アクセスしないので、データベース10内のデータは暗号化しなくともよい。実際のところ、顧客は、一定の課金を支払うことによって顧客が取得したアクセスレベルに従ってカスタマイズされたサブデータベースに格納されたデータに対してアクセスし読み取りを行うことだけができる。したがって、顧客はデータベース10に格納されたデータ又は情報の全体を読み取ることができるのではなく、顧客が意図し又は顧客に提供される、あるいは顧客によってアクセスされるサブデータベースに格納されたデータ又は情報を読み取ることができるだけである。
別の実施形態では、顧客にデータベース10へのアクセスを供与することができる。この場合、データベース10内のデータは暗号化される。データベースの暗号化は、既知の任意の適切な暗号化アルゴリズムを使用して行うことができる。例えば、暗号化はコンピュータシステム21の1以上のプロセッサを使用して行うことができる。顧客には、データベース10に格納された特定のデータを読み取るための特定の鍵が提供される。この鍵が、顧客のみを対象とするデータを顧客が「解錠」し読み取るのを可能にする。顧客は、顧客を対象としないデータベースに格納された他のデータをこの鍵で読み取ることはできない。換言すれば、データベース10内のデータへのアクセスは課金を支払うことで顧客が取得した所望のアクセスレベルに従って制限される。
鍵は、顧客に提供されるパスワード又は他の種類の識別子であってもよく、あるいは顧客(例えば切断手順を実行するように設計されたコンピュータシステム28)がデータベース10のデータにアクセスすることを可能とするコンピュータプログラム(又はコンピュータプログラムへのリンク)であってもよい。
これに代わる実施形態において、コンピュータシステム28は、所望のガラス片を製造するための最適化した切断手順を提供するためコンピュータシステム28のみが属性マップを利用できるようにコンピュータが解読できる命令をコード化したコンピュータ製品、例えばコンピュータが解読できる媒体、を含むこともできる。しかし、このコンピュータが解読できる命令は、コンピュータシステム28のユーザがコンピュータシステム28がアクセスする属性マップ又は属性を検索し、保存し及び/又は表示するのを防止する。このようにして、顧客がガラスシートに関する欠陥情報を収集しデータマイニング又は統計的分析を行うことは防止される。
図2は、本発明の一実施形態による、特定の顧客に特定のサブデータベースを提供する例を示す概略図である。ガラスシート8の属性はデータベース10に格納される。一実施形態において、データベース10は、例えば第1製造業者の異なる工場からの、複数のローカルデータベース10A、10B及び10Cを含むことができる。別の実施形態において、データベース10は、ローカルデータベース10A、10B及び10Cと通信してそれらに格納されたデータを検索するように構成することができる。例えば、データベース10は、複数のローカルデータベースにアクセスしてそれらに格納されたデータ属性を検索するように構成されたストレージサーバ内に存在することができる。データベース10から複数のサブデータベース41、42及び43を提供するため、第1製造業者がフィルタ30を使用してもよい。サブデータベース41には対象とする顧客51のみがアクセス可能であり、サブデータベース42には対象とする顧客52のみがアクセス可能であり、サブデータベース43には対象とする顧客53のみがアクセス可能である。フィルタ30は、顧客51、52及び53の各々が取得したデータアクセスレベルに従って設定することができる。例えば、フィルタ30はレベル1に設定されてレベル1のデータ(例えばシルバー)を含むサブデータベース41を提供することができ、レベル2に設定されてレベル2のデータ(例えばゴールド)を含むサブデータベース42を提供することができ、またレベル3に設定されてレベル3のデータ(例えばプラチナ)を含むサブデータベース43を提供することができる。例えば、レベル1(例えばシルバー)は、属性に関するデータの第1の限定された部分を含むサブデータベース41を作成することができる。例えばレベル1では、サブデータベース41は欠陥の位置のみを含み、欠陥の大きさ又は形状等の欠陥の特性を含まなくてよい。例えばレベル2では、サブデータベース42は、欠陥の位置に加えて、欠陥の大きさ及び欠陥の形状を含むことができる。例えばレベル3では、サブデータベース43は、欠陥の位置、欠陥の大きさ及び形状に加えて、重症度基準等を含むことができる。したがって、レベル3は、データベース10内のより多くの情報及びデータに対するアクセスを供与するより高いアクセスレベルとなる。
一実施形態において、サブデータベース41、42及び43は、それぞれの顧客51、52及び53がデータベース41、42及び43に格納されたデータに関して統計的分析を行うことができないように暗号化することができる。例えば、顧客51には、データベース41に格納されたデータを切断目的のみに利用する限りにおいて読み取ることができ、サブデータベース41に格納されたデータの分析を行いガラスシート8内の属性(例えば欠陥)に関する統計的情報の統計的分析及び抽出を行うことはできないようにすることができる。例えば、顧客のコンピュータシステムに、顧客が最適化切断手順を提供するためにデータベース(例えば41、42又は43)に格納されたデータを読み取るのは可能にするがコンピュータシステム28のユーザが属性マップを検索し、保存し及び/又は表示するのを防止するコンピュータが実施できる命令をコード化したコンピュータ製品、例えばコンピュータが解読できる媒体、を含めることができる。
一実施形態において、データベースに格納されたデータ即ち切断しようとする各ガラスシートの属性を含むデータに基づいて、切断又は切断レイアウトの作成が最適化される。切断レイアウトの作成は、第1製造業者か、顧客又は第2製造業者か、又は第1製造業者及び第2製造業者から独立している第三者のいずれかが行うことができる。一実施形態において、この第三者は、例えば切断装置を製造するか又はガラスシートを切断するための工具を製造する会社であることができる。
切断レイアウトが第1製造業者側で最適化又は作成される場合、第1製造業者はデータベース10全体にアクセスできるため、データベースを暗号化する必要はない。この場合、第1製造業者は、製造する必要があるガラス片の仕様(寸法、形状等)を第2製造業者から受け取ることができる。第1製造業者は、形状及び寸法を制約として使用し且つまた欠陥位置等を含むガラスシートの属性を使用して、顧客が切断を行うことができるようにレイアウトを作成し、そしてレイアウトに従って個片を切り取り又はレイアウトをファイルとして顧客に送ることができる。
しかし、切断レイアウトが第2製造業者側又は第三者側のいずれかで作成される場合、データベース10に格納されたデータにアクセスされないこと、又は顧客(第2製造業者)又は第三者によって支払いがなされたデータのみが顧客(第2製造業者)又は第三者に提供されることを保証するため、データベース10は暗号化される。この場合、第1製造業者は単に、顧客が購入した属性を切断レイアウトを作成するためにデータをその後利用する顧客又は第三者事業体に提供するだけである。
一実施形態において、ガラスシート8における欠陥の位置に従ってガラスシート8を切断するためのレイアウトを決定するためのプログラムは、第1製造業者側、顧客側、又は第三者側で導入することができる。例えば、プログラムは顧客側のコンピュータシステム28に導入することができる。本発明の実施形態によるガラスシート8を切断するためのプログラムは、以下の段落においてより詳細に説明される。
最適切断レイアウトを作成後、コンピュータシステム28が各ガラスシート8に対して選定した切断レイアウトに従ってガラスシートを切断32する。一実施形態において、ガラスシート8を切断後に得られるガラス片は、洗浄機34を使用して洗浄することができる。洗浄した切断ガラス片は、第3検出装置36によって任意選択的に分析し、その後組み立てのために、例えば自動車用の窓若しくはフロントガラスとして又は建造物等の窓ガラスとして取り付けるために、発送することができる。自動車用のフロントガラスでは、2つの切断ガラス片の間に例えばPVBタイプの熱可塑性中間層を被着しながら2つのガラス片を曲げ加工し貼り合わせる。
一実施形態では、切断レイアウトは、データベース10に格納された欠陥に関する情報に基づいて各ガラスシートに対して動的に作成される。一実施形態では、線形最適化を利用して切断レイアウトを得ることができる。
図3は、各種欠陥の目録を作成したガラスシート8の例を示している。例えば、欠陥としては、塗膜の「ピンホール」欠陥61、気泡欠陥60、ガラスの引っ掻き傷欠陥62、表面欠陥63等の様々な種類を挙げることができる。例えば、単一ガラスシートに対する最適切断レイアウトを、同一サイズのガラス片が得られるように作成することができる。例えば、ガラスシートは、切り取るべきガラス片(又は「プリミティブ」)において許容できない単一タイプ及び単一サイズの欠陥を有する。
この例では、レイアウトは線形最適化によって作成される。具体的には、変数に対する一次関数である制約を表す凸多面体に関する線形関数について最適化問題を反復的に解くことによって、切断レイアウトが作成される。この例では線形最適化を利用しているが、他の種類の最適化方法を利用してもよい。線形最適化を利用する一つの利点は、その計算速度である。
一実施形態において、線形関数を使用することの目標は、少なくとも1つの欠陥を含むプリミティブの数を表す関数を最小限にすることである。別の実施形態において、この関数は、切断レイアウトにおけるガラス片の数を表す及び/又は切断ガラス片の1つ以上の寸法の和、切断ガラス片の全表面積、あるいは切断ガラス片の小売原価の和等を表す値を提供する。
例えば、一実施形態において、業界において「プリミティブ」とも呼ばれる切断レイアウトにおける切断すべきガラス片の形状は、図4に示すように、長方形でよい。しかし、理解されるとおり、切断すべきガラス片は、図5に示すように、多角形、円形、楕円形又は他の任意のより複雑な形状等の、任意の所望の形状を有することができる。例えば、図5に示すように、切断すべきガラス片の全体的な形状は多角形である一方で、ガラス片は丸味を帯びた又は曲線状の縁を有してもよい。
各プリミティブ(例えば長方形の形状を有する)ごとに、2つの変数及び2つのパラメータを使用してマザーガラス又はガラスシート8内でプリミティブの位置を決定する。本例では、これらの長方形は、長方形の長さ方向がマザーガラス又はガラスシート8の長さ方向に平行となる同一の幾何学的配置を有する。
一実施形態では、図4に示すように、各プリミティブiの左下隅の横座標xi,ini及び縦座標yi,iniを変数として選択して、マザーガラス8内の各プリミティブの長方形の位置を表すことができる。別の実施形態では、マザーガラス8内のプリミティブの位置を表すための変数としてプリミティブの別の点を選択することができる。更に別の実施形態では、最適化の際にプリミティブを回転させることができるように、他の変数、例えば基準に対するプリミティブの角度など、を使用してもよい。
長方形の長さと幅は、被切断片の左下隅の座標、左上隅の縦座標yi,end及び右下隅の横座標xi,endに基づいて計算することができる。とは言え、長方形の長さと幅を計算するために方位等の任意の適切な基準を使用してもよい。
一実施形態では、2つのプリミティブ間の交差の制約を追加することができる。この例において、2つのプリミティブの制約“Intersection(i,j)”は2つのプリミティブが重なり合う場合には1となり、重なり合わない場合には0となる。これらの値は“n×n”マトリクスに格納することができ、ここでのnはシートから切断される所望のプリミティブの数に対応する整数である。
一実施形態において、Intersection(i,j)は4つの制約を有する。これらの4つの制約は数学的に以下のように表現することができる。
Figure 2018055696
制約Intersection(i,j)=0となるためには、4つの制約のうちの少なくとも1つを満足しなければならない。
一実施形態において、関数の値はn行×m列のマトリクスを作成することにより計算され、ここでのmは欠陥数に対応する整数、nはプリミティブ数に対応する整数である。一実施形態において、各欠陥は、例えばプリミティブと同じように即ちxi,ini、yi,ini、xj,end及びyj,endでその位置が決定される長方形によって規定される。しかし、プリミティブと同様に、欠陥を規定する長方形は、例えば多角形等の任意の形状でもよい。
プリミティブの長方形iが欠陥の長方形jと交差する場合には関数Defect(i,j)=1となり、その逆の場合には、制約Intersection()について上記の4つの不等式のうち少なくとも1つを満足することで、Defect(i,j)=0となる。
Defect(i,j)は制約ではなく、最大化しようとする目的関数を計算する際に使用される値である。一実施形態において、コンピュータは各プリミティブIに対して
Figure 2018055696
を計算し、この式のjは欠陥を表し、iはプリミティブを表す。サイズがnの表をIsGood(i)の値に従って作成する。
Figure 2018055696
目的関数、すなわち、
Figure 2018055696
が、最大化すべき関数である。
このプログラムを実現するために、シンプレックスアルゴリズムを利用した線形解法を使用することができる。初めに、初期切断レイアウトをメモリに記録する。最適化すべき関数が第1の初期化ステップの間に計算されるこの初期切断レイアウトに基づいて、反復が行われる。理解されるとおり、線形計画法は、動的計算によって最適切断レイアウトを作成するための数あるプログラミング技術のうちの実現可能な一つにすぎない。この動的計算は、制約の影響を受けるいくつかの変数の関数を最大化又は最小化することができる。しかし、制約に基づいた関数及び方程式は線形でなくてもよい。
別の実施形態において、プリミティブ8は多様な大きさでよく及び/又は多様な方位を有してもよい。一実施形態において、長方形形状を有するプリミティブに対して、長方形形状の大きさ及び方位角を決定するための変数として、左下隅の座標(xi,ini,yi,ini)に加えて、長さと幅も使用することができる。
最適切断レイアウトは、多様なガラスシートに各種プリミティブを配置することによって作成することもできる。ここでのガラスシート8(複数)は、例えば、隣接していて、且つ単一のガラスシートの輪郭を画定しているものと見なされる。この場合、ガラスシート8間の接合部のあるプリミティブ間の重なりは、例えば、ガラスシート8間の接合部とプリミティブとの重なりを禁止制約と見なすことによって禁止される。これは、多様な大きさのプリミティブがこれらの各種プリミティブの分布に関するガイドラインに従って作られる場合に該当し得る。ガイドラインへの追従は、例えば、目的関数に組み込まれるか、又は付加的な制約と見なされる。
更に別の実施形態において、最適化は、欠陥を許容するためのいくつかの許容基準に関して行うことができる。この場合、各種のプリミティブごとの欠陥の種類及びこれらの欠陥の容認を、パラメータとしてプログラムにより勘案することができる。Defect(i,j)は、これらのパラメータに基づいて計算される。例えば、Defect(i,j)の値は、対象となるプリミティブについて容認できる種類の欠陥と交差する場合に0に等しい。容認の基準は、各種ガラス片ごと及び/又は各種マザーガラスごとに異なってもよい。
図6Aは、欠陥61及び63がガラス片について容認できると見なすことができる一方、欠陥60及び62は被切断ガラス片のいずれかにとっても容認できない可能性のある最適切断レイアウトの例を示している。一実施形態において、プリミティブは欠陥の異なる容認基準に対応するいろいろなゾーンに分割される。このようにして、最適切断レイアウトを、被切断片の各種ゾーンについての異なる欠陥容認基準に応じて設定することができる。この手順を利用して、寸法の大きなガラスシートから又は複数のガラスシートの一群からガラス片を切り出すための処理を更に最適化することができる。実際に、欠陥に関する情報(例えば位置、大きさ等)に基づいて、被切断片の領域内の欠陥位置に従って不合格又は合格にすべき欠陥を判別することが可能である。
一実施形態における、上述の方法に従った最適切断レイアウトの作成を以下の段落においてより詳細に説明する。図6Bは、被切断ガラス片又はプリミティブの内部で互いの内側に配置された(同心配置された)複数の容認ゾーン(長方形等)内の各種欠陥を示している。プリミティブz0内のそれぞれのゾーンz1及びz2の位置は、例えばプリミティブz0の左下隅を基準としたそれぞれのゾーンz1及びz2の左下隅の相対座標、それぞれのゾーンz1及びz2の長さと幅などの、4つのパラメータによって規定することができる。これらの4つのパラメータを使用して、横座標xi,z1,iniと縦座標yi,z1,iniの座標(ゾーンz1に関する)、左上隅の縦座標yi,z1,endと右下隅の横座標xi,z1,endを計算することができる。同様に、横座標xi,z2,iniと縦座標yi,z2,iniの座標(ゾーンz2に関する)、左上隅の縦座標yi,z2,end及び右下隅の横座標xi,z2,endも計算することができる。2つのゾーン1及びz2がプリミティブz0内に図示されているが、任意の数のゾーン(即ち1つ以上のゾーン)を使用してもよい。
欠陥がゾーン(例えばz1、z2等)のうちの少なくとも1つに位置しているか否かを判断するために、前述の“Defect”関数を以下のように適合させてもよい。各種ゾーン(例えばz1、z2等)に対して欠陥を許容するための容認基準を、各ゾーンの付加パラメータとして規定することができる。加えて、欠陥に大きさ又は種類(気泡、引っ掻き傷等)などのパラメータを割り当ててもよい。このようにして、欠陥をパラメータに従ってゾーンごとに違ったふうに容認することができる。しかし、各ゾーンが考慮に入れた全ての欠陥を許容するかそれとも許容しないという最も単純な場合には、上記大きさ及び種類のパラメータは必要としなくてもよい。
例えば、DefectPosition関数を例えばゾーンz1に対して設定することができる。DefectPosition(i,z1,j)は、プリミティブの交差を説明する際に上記の段落で提示した不等式と同様な4つの不等式のうち少なくとも1つを確認することで、ゾーンz1の長方形が欠陥jの長方形と交差する場合に1に設定され、その逆の場合には0に設定される。この関数は、ゾーンに欠陥の存在することを確認する。DefectPosition(i,z1,j)が1に等しい場合、ゾーンz1に関する容認基準がこの欠陥に適合するか否かが判断される。適合する場合にはDefectZone(i,z1,j)=0が得られ、その逆の場合にはDefectZone(i,z1,j)=1が得られる。この手順が、プリミティブz0内部のゾーンz1,z2,……の各ゾーンに対して実施される。
以下の式を得ることができる。
Figure 2018055696
その後、プログラムは目的関数の計算を上述の方法と同じようにして進める。例えば、欠陥の大きさ又は種類に関して判別を行うために、DefectType()及びDefectSize()の計算を、DefectPosition(i,z1,j)=1である場合に行うことができ、例えば、DefectType(i,z1,j)はゾーンz1及びz0について許容されない種類の場合には=1、その逆の場合には0となり、DefectSize(i,z1,j)はゾーンz1及びz0について許容されない種類の場合には1、その逆の場合には0となる。
具体的には、ゾーンz1の内部の欠陥部分のみに関して大きさを確認することも可能である。DefectType(i,z1,j)=1又はDefectSize(i,z1,j)=1の場合には、DefectZone(i,z1,j)=1であり、その逆の場合にはDefectZone(i,z1,j)=0である。
その後、プログラムは目的関数の計算を上述の方法と同じようにして進める。更に、先に説明したように、本発明の多様な態様を多数のガラス製造プロセスに適用することができる。
認められるとおりに、図1に示した方法を任意の適切な種類の製造プロセスに一般化することができる。欠陥分析の工程の数は、ここで例示された工程に限定されず、各種製造での設定において必要に応じて任意の数の工程を包含する。
マザーガラス又はガラスシート8を識別し且つインク又はレーザーを使用して欠陥をマーキングすることによって、シートの識別及び欠陥のマーキングを個別に又は同時に行うことができる。例えば、検出装置をマザーガラスを識別するための1つ以上の読み取り装置と一緒に設けてもよい。
一実施形態において、識別子12はマザーガラス又はガラスシート8のへりに設けることができる。このようにして、ガラスシートが一緒に積み重ねられている場合にも、ガラスシート8の識別子12を読み取ることができる。
一実施形態では、各マザーガラス又はガラスシート8を識別し、欠陥に関する情報を格納するためのデータベースを備えるよりも、欠陥それ自体に又は欠陥付近に所定の色のインク、文字又は記号で欠陥のマーキングをしてもよい。その後、顧客は、欠陥の様々な種類、欠陥の大きさ及び位置を識別することができ、そして切断レイアウトを最適化するためのプログラムに有用な欠陥に関する情報を発生させることができる。
一実施形態では、切断の最適化又は切断レイアウトの作成は、顧客側又は第2製造業者で行われる。しかしながら、理解されるとおりに、切断の最適化又は切断レイアウトの作成はマザーガラスの製造業者(例えば第1製造業者)で行われてもよい。とは言え、この場合、第1製造業者は被切断ガラス片の関連情報(例えば大きさ、形状等)を、例えば第2製造業者(即ち顧客)から又は最終顧客(例えば自動車用フロントガラス又は建造物若しくは構造物用の窓ガラスの製造業者)から得なくてはならない。
例えば、マザーガラス製造業者で切断の最適化を行うことで、例えば多様な顧客向けのマザーガラスをグループ化することによって、より多数のマザーガラスについて切断の最適化を行ってもよい。このようにして、マザーガラスを各顧客の仕様に従って各顧客に送る代わりに、最適化の結果に従ってマザーガラスを切断し各顧客に発送してもよい。
一実施形態において、ガラスシートの切断は、まずガラスシート8の幅に沿って垂直に行われ、次にガラスシート8の長さに沿って水平に行われる。別の実施形態において、切断は、まずガラスシート8の長さに沿って水平に行われ、次にガラスシート8の幅に沿って垂直に行われる。更に別の実施形態において、切断は、最適化した切断レイアウトが満足される限り、いかなる方向に行ってもよい。
上記の段落から理解されるように、ガラスの欠陥を識別する方法が提供される。図7は本発明の一実施形態による、該方法のフローチャートを示している。この方法は、S10で、識別装置を使用して複数のガラスシートの各々を識別子で識別することと、S12で、マッピング装置を使用して複数のガラスシートの各々についてガラスの属性マップを作成することを含んでいる。この方法は更に、S14で、コンピュータシステムを使用して複数のガラスシートの各々の属性マップを複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けることと、S16で、ガラスシートの各々のガラス属性マップをデータベースに格納することと、S18で、データベース内の情報へのアクセスレベルを顧客に供与し、顧客が取得したガラスシートの属性マップの少なくとも一部を当該顧客が検索できるようにすることを含んでいる。
一部の実施形態では、本発明の実施形態に従って方法を実行するためのアプリケーションプログラムを、パーソナルコンピュータ又はコンピュータサーバ等のコンピュータ内の、又は複数のコンピュータを含む分散型計算環境のプログラム製品として具現化することができる。コンピュータとしては、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA等の手持ちサイズのコンピュータデバイス等を挙げることができる。コンピュータプログラム製品としては、命令が格納されており、上述の方法を実行するようにコンピュータをプログラミングするために使用されるコンピュータ可読媒体又は記憶媒体を挙げることができる。好適な記憶媒体の例として、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、光磁気ディスクを含むあらゆる種類のディスク、RAM、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、ハードディスク、フラッシュカード(例えばUSBフラッシュカード)、PCMCIAメモリカード、スマートカード、又はその他の媒体が挙げられる。或いは、インターネット、ATMネットワーク、広域ネットワーク(WAN)又はローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、リモートコンピュータシステム又はコンピュータサーバからコンピュータプログラム製品の一部又は全部をダウンロードしてもよい。
1つ以上のコンピュータ可読媒体に格納されたプログラムとしては、汎用のハードウェア又は専用のコンピュータ若しくはプロセッサの両者を制御するためのソフトウェアを挙げることができる。このソフトウェアはまた、コンピュータ又はプロセッサがグラフィカルユーザインタフェース、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の出力装置を介してユーザと情報をやりとりすることも可能にする。ソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム及びユーザアプリケーションを含んでもよいが、含むことができるのはこれらに限定されない。
或いは、コンピュータで具現化されるコンピュータプログラム製品(例えばソフトウェアアプリケーション製品)として上述の方法を実現する代わりに又はそれに加えて、上述の方法は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)を設計して本発明の方法を実施することができるハードウェアとして実現することができる。
上記の段落では方法のいろいろな工程を特定の順序で行うものとして説明してはいるが、本願はいろいろな工程を行う順序によって拘束されない。実際に、他の実施形態においては、各種工程を上述の順序とは異なる順序で行うことができる。
本発明を現時点において最も実用的且つ好ましい実施形態と考えられるものに基づき例示を目的として詳細に説明してきたが、そのような詳細は専らその目的のためだけのものであること、及び本発明は開示された実施形態に限定されないだけでなく、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある改変及び等価の構成を包含することを意図するものであることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な範囲内で、任意の実施形態の1以上の特徴を他の任意の実施形態の1以上の特徴と組み合わせてもよいことを意図していることを理解されたい。
更に、多数の改変及び変更を当業者が容易に思いつくことから、本発明をここで説明した構成及び操作に厳密に限定することは求められない。したがって、全ての適切な改変及び等価の構成は本発明の精神及び範囲内にあるものと見なされるべきである。
更に、多数の改変及び変更を当業者が容易に思いつくことから、本発明をここで説明した構成及び操作に厳密に限定することは求められない。したがって、全ての適切な改変及び等価の構成は本発明の精神及び範囲内にあるものと見なされるべきである。
本発明の代表的態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
ガラスの欠陥を識別する方法であって、
識別装置を使用して、複数のガラスシートの各々を識別子で識別すること、
マッピング装置を使用して、前記複数のガラスシートの各々についてガラス属性マップを作成すること、
コンピュータシステムを使用して、前記複数のガラスシートの各々の前記属性マップを当該複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けること、
前記複数のガラスシートの各々の前記ガラス属性マップをデータベース内に格納すること、及び
前記データベース内の情報へのアクセスレベルを顧客に供与し、当該顧客が取得した前記ガラスシートの前記属性マップのうちの少なくとも一部を当該顧客が検索できるようにすること、
を含むガラス欠陥の識別方法。
《態様2》
前記データベースを暗号化し、そして前記顧客が取得した前記ガラスシートに関連付けられ格納された前記属性マップの統計的データ処理を当該顧客が行うことを防止しつつ当該顧客が供与された前記アクセスレベルに従って前記データベース内のデータにアクセスできるようにする鍵を前記顧客に提供することを更に含む、態様1に記載の方法。
《態様3》
前記アクセスレベルを前記顧客に供与することが、前記データベース内のデータをフィルタリングして、取得されたガラスシートに対応するフィルタリングされたデータを前記顧客に提供するとともに、前記フィルタリングされたデータを含む前記データベースの一部のみへ前記顧客にアクセスさせることを含む、態様1に記載の方法。
《態様4》
前記フィルタリングされたデータを含む前記データベースの一部へアクセスさせる前に、前記フィルタリングされたデータを暗号化することを更に含む、態様1又は3に記載の方法。
《態様5》
前記フィルタリングが、前記データベース内のデータをフィルタリングして、前記顧客が支払った課金に応じて取得したガラスシートに対応するフィルタリングされたデータを当該顧客に提供することを含む、態様3に記載の方法。
《態様6》
顧客が支払った課金に応じた前記データベース内の情報への複数のアクセスレベルを設定することを更に含む、態様1から5の何れかに記載の方法。
《態様7》
前記属性が、ガラスシートの厚さ、ガラスの種類、製造年月日、製造時刻、製造場所、製造機械、又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様1から6の何れかに記載の方法。
《態様8》
前記識別子が、固有の一次元バーコード、固有の二次元バーコード、又は固有のデータマトリクスを含む、態様1から7の何れかに記載の方法。
《態様9》
前記複数のガラスシートの各々を識別することが、前記識別子で前記ガラスシートの各々をマーキングすることを含む、態様1から8の何れかに記載の方法。
《態様10》
前記マーキングすることがレーザーを使用してマーキングすることを含む、態様9に記載の方法。
《態様11》
前記属性マップを作成することが、スキャナを使用して前記複数のガラスシートの各々を走査し、そして各欠陥の位置と種類を前記データベースに記録することを含む、態様1から10の何れかに記載の方法。
《態様12》
前記ガラスの属性マップが、欠陥の大きさ、欠陥の位置、欠陥の種類、欠陥の密度、欠陥の重症度基準、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、態様11に記載の方法。
《態様13》
前記重症度基準が設定限界値よりも小さい隣接する欠陥間の距離を含む、態様12に記載の方法。
《態様14》
前記重症度基準が、前記ガラスシート内のガラス層内若しくは前記ガラスシート上の塗膜層内の欠陥の位置、又はこれらの組み合わせを含む、態様12に記載の方法。
《態様15》
前記重症度基準が1と10の間の段階又は0と1の間の段階を尺度とする、態様12に記載の方法。
《態様16》
加工のために前記顧客にガラスシートを送るための容認できる重症度基準限界値が、シートごとに約0.6の密度の約5ミリメートルのガラス欠陥の大きさであり、又はシートごとに約1の密度の約3ミリメートルのガラス欠陥の大きさである、態様12に記載の方法。
《態様17》
前記複数のガラスシートの各々に塗膜を塗布することを更に含む、態様1から16の何れかに記載の方法。
《態様18》
前記複数のガラスシートの各々を走査して、前記ガラスの属性マップを前記塗膜と関連付けられた情報で更新することを更に含む、態様17に記載の方法。
《態様19》
前記顧客の読み取り装置によって前記複数のシートのうちの第1のシートの識別子を読み取り、そして当該第1のシート及び前記複数のシートのうちの他のシートの属性マップを前記データベースから検索することを更に含む、態様1から18の何れかに記載の方法。
《態様20》
前記複数のガラスシートを顧客へ搬送するためガラスシート積重体として配列することを更に含む、態様1から19の何れかに記載の方法。
《態様21》
前記積重体内の各シートの順序を前記データベースに記録することを更に含む、態様20に記載の方法。
《態様22》
ガラスの欠陥を識別するシステムであって、
顧客によって加工される複数のガラスシートの各々を識別子で識別するように構成された識別装置、
前記複数のガラスシートの各々についてガラスの属性マップを作成するように構成されたマッピング装置、
前記複数のガラスシートの各々の前記属性マップを前記複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けるように構成されたコンピュータシステム、及び
前記ガラスシートの各々の前記ガラスの属性マップを格納するように構成されたデータベース、
を含み、
前記データベースの少なくとも一部は、前記顧客が取得した前記ガラスシートの前記属性マップの少なくとも一部を当該顧客が検索できるように、前記データベース内の情報への所定のアクセスレベルに従って当該顧客がアクセスすることが可能である、ガラス欠陥の識別システム。
《態様23》
前記データベースが暗号化されており、且つ供与された前記アクセスレベルに従って前記データベース内のデータへアクセスすることが鍵を使用してできるようにされて、前記顧客が取得した前記ガラスシートに関連付けられ格納された前記属性マップの統計的データ処理を当該顧客が行うことを防止している、態様22に記載のシステム。
《態様24》
前記データベース内の前記データをフィルタリングして、取得された前記ガラスシートに対応するフィルタリングされたデータを前記顧客に提供する、態様22又は23に記載のシステム。
《態様25》
前記フィルタリングされたデータを暗号化する、態様24に記載のシステム。
《態様26》
前記データベース内のデータを前記顧客が支払った課金に応じてフィルタリングする、態様24に記載のシステム。
《態様27》
前記顧客が支払った課金に応じて前記データベース内の情報への複数のアクセスレベルを設定する、態様22から26の何れかに記載のシステム。
《態様28》
前記ガラスの属性マップが、欠陥の大きさ、欠陥の位置、欠陥の種類、欠陥の密度、又は欠陥の重症度基準、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、態様22から27の何れかに記載のシステム。
《態様29》
前記重症度基準が設定限界値よりも小さい隣接する欠陥間の距離を含む、態様28に記載のシステム。
《態様30》
前記重症度基準が、前記ガラスシート内のガラス層の内部若しくは前記ガラスシート上の塗膜層の内部の欠陥の位置、あるいはそれらの組み合わせを含む、態様28に記載のシステム。
《態様31》
ガラスシート用の切断レイアウトを作成する方法であって、
第1製造業者に関連付けられたデータベース内の情報に、第2製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによってアクセスし、このデータベースはガラスシート内の1以上の欠陥の位置を含むガラスシートの属性を格納しており、第2製造業者により第1製造業者に支払われた課金又は料金に応じて、アクセスされる前記情報の量を第1製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによって設定すること、及び
第2製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによって前記情報を処理して、所望の切断レイアウトを作成するための最適化した切断手順を提供すること、
を含む、ガラスシート用切断レイアウトの作成方法。

Claims (31)

  1. ガラスの欠陥を識別する方法であって、
    識別装置を使用して、複数のガラスシートの各々を識別子で識別すること、
    マッピング装置を使用して、前記複数のガラスシートの各々についてガラス属性マップを作成すること、
    コンピュータシステムを使用して、前記複数のガラスシートの各々の前記属性マップを当該複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けること、
    前記複数のガラスシートの各々の前記ガラス属性マップをデータベース内に格納すること、及び
    前記データベース内の情報へのアクセスレベルを顧客に供与し、当該顧客が取得した前記ガラスシートの前記属性マップのうちの少なくとも一部を当該顧客が検索できるようにすること、
    を含むガラス欠陥の識別方法。
  2. 前記データベースを暗号化し、そして前記顧客が取得した前記ガラスシートに関連付けられ格納された前記属性マップの統計的データ処理を当該顧客が行うことを防止しつつ当該顧客が供与された前記アクセスレベルに従って前記データベース内のデータにアクセスできるようにする鍵を前記顧客に提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アクセスレベルを前記顧客に供与することが、前記データベース内のデータをフィルタリングして、取得されたガラスシートに対応するフィルタリングされたデータを前記顧客に提供するとともに、前記フィルタリングされたデータを含む前記データベースの一部のみへ前記顧客にアクセスさせることを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記フィルタリングされたデータを含む前記データベースの一部へアクセスさせる前に、前記フィルタリングされたデータを暗号化することを更に含む、請求項1又は3に記載の方法。
  5. 前記フィルタリングが、前記データベース内のデータをフィルタリングして、前記顧客が支払った課金に応じて取得したガラスシートに対応するフィルタリングされたデータを当該顧客に提供することを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 顧客が支払った課金に応じた前記データベース内の情報への複数のアクセスレベルを設定することを更に含む、請求項1から5の何れかに記載の方法。
  7. 前記属性が、ガラスシートの厚さ、ガラスの種類、製造年月日、製造時刻、製造場所、製造機械、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1から6の何れかに記載の方法。
  8. 前記識別子が、固有の一次元バーコード、固有の二次元バーコード、又は固有のデータマトリクスを含む、請求項1から7の何れかに記載の方法。
  9. 前記複数のガラスシートの各々を識別することが、前記識別子で前記ガラスシートの各々をマーキングすることを含む、請求項1から8の何れかに記載の方法。
  10. 前記マーキングすることがレーザーを使用してマーキングすることを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記属性マップを作成することが、スキャナを使用して前記複数のガラスシートの各々を走査し、そして各欠陥の位置と種類を前記データベースに記録することを含む、請求項1から10の何れかに記載の方法。
  12. 前記ガラスの属性マップが、欠陥の大きさ、欠陥の位置、欠陥の種類、欠陥の密度、欠陥の重症度基準、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記重症度基準が設定限界値よりも小さい隣接する欠陥間の距離を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記重症度基準が、前記ガラスシート内のガラス層内若しくは前記ガラスシート上の塗膜層内の欠陥の位置、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記重症度基準が1と10の間の段階又は0と1の間の段階を尺度とする、請求項12に記載の方法。
  16. 加工のために前記顧客にガラスシートを送るための容認できる重症度基準限界値が、シートごとに約0.6の密度の約5ミリメートルのガラス欠陥の大きさであり、又はシートごとに約1の密度の約3ミリメートルのガラス欠陥の大きさである、請求項12に記載の方法。
  17. 前記複数のガラスシートの各々に塗膜を塗布することを更に含む、請求項1から16の何れかに記載の方法。
  18. 前記複数のガラスシートの各々を走査して、前記ガラスの属性マップを前記塗膜と関連付けられた情報で更新することを更に含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記顧客の読み取り装置によって前記複数のシートのうちの第1のシートの識別子を読み取り、そして当該第1のシート及び前記複数のシートのうちの他のシートの属性マップを前記データベースから検索することを更に含む、請求項1から18の何れかに記載の方法。
  20. 前記複数のガラスシートを顧客へ搬送するためガラスシート積重体として配列することを更に含む、請求項1から19の何れかに記載の方法。
  21. 前記積重体内の各シートの順序を前記データベースに記録することを更に含む、請求項20に記載の方法。
  22. ガラスの欠陥を識別するシステムであって、
    顧客によって加工される複数のガラスシートの各々を識別子で識別するように構成された識別装置、
    前記複数のガラスシートの各々についてガラスの属性マップを作成するように構成されたマッピング装置、
    前記複数のガラスシートの各々の前記属性マップを前記複数のガラスシートのうちの対応する各ガラスシートの識別子に関連付けるように構成されたコンピュータシステム、及び
    前記ガラスシートの各々の前記ガラスの属性マップを格納するように構成されたデータベース、
    を含み、
    前記データベースの少なくとも一部は、前記顧客が取得した前記ガラスシートの前記属性マップの少なくとも一部を当該顧客が検索できるように、前記データベース内の情報への所定のアクセスレベルに従って当該顧客がアクセスすることが可能である、ガラス欠陥の識別システム。
  23. 前記データベースが暗号化されており、且つ供与された前記アクセスレベルに従って前記データベース内のデータへアクセスすることが鍵を使用してできるようにされて、前記顧客が取得した前記ガラスシートに関連付けられ格納された前記属性マップの統計的データ処理を当該顧客が行うことを防止している、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記データベース内の前記データをフィルタリングして、取得された前記ガラスシートに対応するフィルタリングされたデータを前記顧客に提供する、請求項22又は23に記載のシステム。
  25. 前記フィルタリングされたデータを暗号化する、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記データベース内のデータを前記顧客が支払った課金に応じてフィルタリングする、請求項24に記載のシステム。
  27. 前記顧客が支払った課金に応じて前記データベース内の情報への複数のアクセスレベルを設定する、請求項22から26の何れかに記載のシステム。
  28. 前記ガラスの属性マップが、欠陥の大きさ、欠陥の位置、欠陥の種類、欠陥の密度、又は欠陥の重症度基準、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項22から27の何れかに記載のシステム。
  29. 前記重症度基準が設定限界値よりも小さい隣接する欠陥間の距離を含む、請求項28に記載のシステム。
  30. 前記重症度基準が、前記ガラスシート内のガラス層の内部若しくは前記ガラスシート上の塗膜層の内部の欠陥の位置、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項28に記載のシステム。
  31. ガラスシート用の切断レイアウトを作成する方法であって、
    第1製造業者に関連付けられたデータベース内の情報に、第2製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによってアクセスし、このデータベースはガラスシート内の1以上の欠陥の位置を含むガラスシートの属性を格納しており、第2製造業者により第1製造業者に支払われた課金又は料金に応じて、アクセスされる前記情報の量を第1製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによって設定すること、及び
    第2製造業者に関連付けられたコンピュータシステムによって前記情報を処理して、所望の切断レイアウトを作成するための最適化した切断手順を提供すること、
    を含む、ガラスシート用切断レイアウトの作成方法。
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